JP2018184536A - 滑落膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】物品表面に分布した油脂によって優れた滑落性を発揮できるとともに、それら油脂を強固に保持できるような滑落膜を提供すること。【解決手段】付着物に対して優れた滑落性を発揮する滑落膜であって、滑落膜は、基材上の樹脂マトリックスに油脂の集合体が多数分布した状態になっていて、滑落膜の表面付近において油脂が占めている体積割合が、内部領域において油脂が占めている体積割合よりも大きく、表面付近にある油脂の複数の集合体が、それぞれ滑落膜の表面から突出した状態で露出していることを特徴とする。【選択図】 図5

Description

本発明は、優れた滑落性を発揮し得る塗膜に関する。
容器、包装紙、建築資材、工業資材、車体など、多くの分野において、滑落性を発揮し得る表面の開発研究が進められている。滑落性とは、その物品の表面に付着した物質が容易に滑り落ちる特性を表し、非ぬれ性や防汚表面などとも呼ばれる。
近年、滑落性表面として、Slippery Liquid-Infused Porous Surfaces (SLIPS)が報告されており、これは液体潤滑剤を含浸させた低エネルギーの微細孔表面である(非特許文献1、2参照)。SLIPSは、ほとんどすべての流体に対して非ぬれ性を示すと言われている。
しかし、SLIPSの多孔性粗表面として用いられる基材のうち、フォトリソグラフィー法によるエポキシ樹脂アレイやエッチングによるポーラスシリコン等の基材は、表面上に針状の微細凹凸、あるいは不連続な微細貫通孔を形成したものに過ぎない。ゾル−ゲル法により形成したアルミナ薄膜も、単に表面上に微細な凹凸を有しているに過ぎない。このため、これらの多孔性粗表面上に含浸された液体潤滑剤は、表面にしっかりと保持されているとは言えず、比較的容易に滲出あるいは漏出してしまい、実際に使用するには頻繁に液体潤滑剤を補給しなければならない。
Wong, T.-S.; Kang, S. H.; Tang, S. K. Y.; Smythe, E. J.; Hatton, B.D.; Grinthal, A.; Aizenberg, J. Nature 2011, 477, 443-447. Ma, W.; Higaki, Y.; Otsuka, H.; Takahara, A. Chem. Commun. 2013, 49, 597-599.
本発明が解決しようとする課題は、物品表面に分布した油脂によって優れた滑落性を発揮できるとともにそれらの油脂を強固に保持できるような滑落膜を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を行なった結果、油脂および液状樹脂を混合したものを塗料として、物品表面に塗布し、所定温度で乾燥させると、油脂が表面付近で複数の集合体となって分布した膜が形成され、優れた滑落性を発揮することが判り、本発明を完成するに至った。
このような滑落膜の特徴は、表面付近において油脂が占めている割合が、内部において油脂が占めている割合よりも大きいことである。また、表面付近における油脂の集合体は、その一部が表面から外側へ突出し、他の部分が樹脂マトリックスに埋まった状態になっているものと予想される。滑落性を有する油脂が膜の表面に露出した状態で分布し、さらに樹脂マトリックスによって強固に保持されていることが、優れた滑落性を発揮することの要因になっていると考えられる。
すなわち、本発明にかかる滑落膜は、
付着物に対して優れた滑落性を発揮する滑落膜であって、
基材上の樹脂マトリックスに油脂の集合体が多数分布した状態になっていて、
前記滑落膜の表面付近において前記油脂が占めている体積割合が、内部領域において前記油脂が占めている体積割合よりも大きく、
前記表面付近にある前記油脂の複数の集合体が、それぞれ前記滑落膜の表面から突出した状態で露出していることを特徴とする。
また、前記滑落膜の表面付近において前記油脂が占めている体積割合が、前記内部領域において前記油脂が占めている体積割合の1.03倍より大きく、1500倍より小さいことが好ましい。
また、前記滑落膜の表面付近にある前記油脂の複数の集合体は、それぞれの一部が前記表面から突出した状態で露出しており、それぞれ他の部分が前記樹脂マトリックスに埋まっていることが好ましい。
また、前記滑落膜の表面において前記油脂が占めている面積割合は、0.01〜99%であることが好ましい。
また、前記油脂の比重は、前記樹脂の比重よりも小さいことが好ましい。
また、前記樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であることが好ましい。
また、前記樹脂は、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、および、ポリスチレン系樹脂のうちの1ないし複数からなることが好ましい。
また、前記油脂は、シリコーン系油、潤滑油、パラフィン、動物油、および、植物油のうちの1ないし複数からなることが好ましい。
本発明にかかる容器、包装材、建築資材、工業資材、車体、その他の物品は、前記滑落膜を表面に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、物品表面に分布した油脂により優れた滑落性を発揮できるとともに、それらの油脂を強固に保持できる滑落膜を提供することができる。
試験片の滑落膜の微視的構造を示すデジタル顕微鏡像である。 他の試験片の滑落膜の微視的構造を示すデジタル顕微鏡像である。 黒インクで染色したシリコーンオイルを用いて形成した滑落膜表面の画像。 グロー放電発光分析法(GD-OES)による滑落膜の元素分析結果を示すグラフである。 滑落膜の微視的な構造を模式的に示した仮想図である。 滑落膜の断面構造のSEM像である。 図6の滑落膜の断面構造を拡大したTEM像である。 図6の滑落膜の断面構造をさらに拡大したTEM像である。 ポリオレフィンとシリコーンオイルの組合せである滑落膜の顕微鏡像。 ポリエステルとシリコーンオイルの組合せである滑落膜の顕微鏡像。 ポリウレタンとシリコーンオイルの組合せである滑落膜の顕微鏡像。 ケイ素樹脂とシリコーンオイルの組合せである滑落膜の顕微鏡像。 ポリスチレンとシリコーンオイルの組合せである滑落膜の顕微鏡像。 アクリル樹脂とシリコーンオイルの組合せである滑落膜の顕微鏡像。 エポキシ樹脂とオレイン酸の組合せである滑落膜の顕微鏡像。 エポキシ樹脂と馬油の組合せである滑落膜の顕微鏡像。 エポキシ樹脂と流動パラフィンの組合せである滑落膜の顕微鏡像。
本発明の実施形態にかかる滑落膜は、物品の基材表面に塗布・乾燥工程をもって形成された塗膜であり、優れた滑落性を発揮する。実施形態では、様々な油脂類と樹脂を組み合わせて塗料を調製し、基材上に塗膜を形成したものを試料片として、滑落性の評価を行った。まず、塗料について説明する。
(a)油脂類
油脂類としては、樹脂に対して化学的に不活性である必要があり、また、後述する樹脂に対して親和性が低いことが好ましい。油脂類は、親水性、親油性いずれの性質を有していてもかまわないが、撥水・撥油性を有するシリコーン系油が好ましい。その他、潤滑油、パラフィン、動物油、および、植物油を採用してもよい。また、複数の種類の油脂を採用してもよい。なお、油脂の比重は、樹脂の比重よりも小さいことが好ましい。
(b)樹脂
樹脂としては、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも構わない。例えば、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、および、ポリスチレン系樹脂のうちの1ないし複数からなることが好ましい。
(c)添加量
また、樹脂に対する油脂類の添加量は、特に限定されるものではないが、油脂類の添加量が多すぎると、加熱・乾燥後の樹脂によるバインダー力が不足して、塗膜が基材から容易に剥落してしまう等、塗膜の耐摩耗性が低下する場合がある。また、チキソトロピー(thixotropy)性が高くなり、塗装ムラが出やすくなる。一方、油脂類の添加量が少ないと、滑落性を発現することができない場合がある。油脂類の添加量を調整することによって、塗膜表面の樹脂マトリックスから油脂類の集合体が略半球状に外部に突出した状態となり、これによって優れた滑落性を発揮することができると考えられる。
(e)有機溶剤
塗料に用いる有機溶剤としては、従来、一般的な塗料に用いられる公知の有機溶剤から、樹脂を溶解し、且つ、油脂類の集合体として分散可能な有機溶剤を選択するとよい。塗料は、特に限定されるものではないが、樹脂の量(固形分)が、塗料全量中10〜30質量%になるように、有機溶剤を含有することが望ましい。固形分が多すぎると粘度が高くなりすぎ、油脂類や樹脂を製剤中で均一に分散あるいは溶解し難くなる。固形分が少なすぎると、塗膜形成に時間がかかるほか、製剤の粘度が低くなって、1回の塗布で形成される塗膜の厚さが薄くなるため、必要な厚さを得るために、複数回の塗布を行う必要が生じるなど、塗装性が悪くなる。
以上のような構成の塗料について、各構成の関係について説明する。例示した樹脂と油脂類の組合せの場合、両者の親和性は強くはなく、塗料中で油脂類の表面全体を樹脂が不必要に覆ってしまうことはない。そのため、樹脂によって油脂類の集合体の形成が妨げられず、油脂類は適当な大きさの集合体として塗料中に存在する。例えば、塗料中に分散する油脂類の集合体の平均径が10nm〜100μmであることが好ましい。
(f)その他成分
また、塗料には、効果に影響のない範囲で、顔料、顔料分散剤、可塑剤、増粘剤、消泡剤、造膜助剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、紫外線吸収剤等の各種成分を任意で適当量含有していてもよい。
(g)調製方法
塗料は、有機溶媒に樹脂を溶かし込み、この溶液に油脂類を攪拌混合することで調製される。
滑落膜
(a)塗膜形成方法
本実施形態にかかる滑落膜は、基材の表面に塗料を塗布し、揮発性溶媒を気化・乾燥させる、という非常にシンプルな工程で形成された単層の塗膜である。塗布対象の物品は、その表面に滑落性を付与すべき対象であればよく、例えば、ガラスや金属、プラスチック等の表面上に塗料を直接塗布すればよい。
まず、塗料を、乾燥重量で0.1〜500g/mとなるように、好ましくは、1.0〜5g/mとなるように、塗布する。塗料の塗付量がこの範囲よりも少ないと、滑落効果が得られない場合があり、一方で塗付量を前記範囲より多くしても、それ以上の滑落効果の向上が見られないため、経済性の点から望ましくない。
塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、グラビア印刷法、スプレーコート、ロールコート、フローコート、スピンコート、ディップコート、静電塗装、刷毛又はスポンジ塗装等が挙げられるが、対象物品の形状や大きさ等の条件に応じて、適切な塗布方法を適宜選択して行なえばよい。特に、対象物品であるラミネートフィルムを連続的にコンベヤーやローラー等で搬送しながら、連続的に塗布できるグラビア印刷法やスプレーコート等が生産性向上の面で好ましい。
塗布の後、温度30〜300℃、0.1〜60分間程度の乾燥条件で乾燥させる。乾燥方法としては、特に限定されるものではなく、赤外線ヒーターや誘導加熱装置などの一般的な加熱装置を用いたり、熱風を当てたりする手法を採用することができる。
(b)塗膜の構造
本発明の塗料による塗膜形成後の物品表面において、油脂類が塗膜被覆領域の投影面積の0.01〜99%、より好ましくは2〜40%の領域で、その油脂類の一部を外部に露出した状態で付着することが望ましい。これは、塗料中の油脂類と樹脂との含有比率によって調整することが可能であり、また、塗布後の乾燥条件によっても調整することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
<試験例1:滑落性試験>
9種類の樹脂溶液(熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂)と、
・エポキシ‐メラミン樹脂溶液(EMA:SNT社製)
・エポキシ‐フェノール樹脂溶液(EFB:SNT社製)
・ポリエステル樹脂溶液(PSC:SNT社製)
・ポリオレフィン樹脂溶液(POD:SNT社製)
・ケイ素樹脂溶液(東レ・ダウコーニング社製)
・ポリウレタン樹脂溶液(関西ペイント社製)
・ポリスチレン樹脂溶液(WAKO社製)
・アクリル変性シリコーン樹脂溶液(トクシキ社製)
・ポリメタクリル酸樹脂溶液(WAKO社製)
4種類の油脂類と、
・植物油(オレイン酸)(WAKO社製)
・動物油(馬油)(筑紫野物産研究所製)
・合成油(流動パラフィン)(WAKO社製)
・シリコーンオイル(A社製)
の合計36通りの組合せについて、樹脂溶液に油脂類を添加して塗料を調製した。樹脂溶液に用いた溶媒は、主にトルエン、MEK、キシレン、酢酸ブチル等である。
また、PET(厚さ:12μm)製のサンプル基材を作成し、サンプル基材に、各塗料を適当な塗布量でバーコート塗装し、15分間乾燥させて試験片を作成した。
それぞれの試験片の塗膜に水およびオレイン酸をそれぞれ滴下し、その滑落性を評価した。評価結果を表1に示す。表1中の記号「○」は水のみが滑落したことを示し、記号「◎」は水およびオレイン酸の両方が滑落したことを示す。シリコーンオイルを含む試験片の大半が「◎」となった。その他の油脂類を含む試験片のすべてが「〇」となった。
次に、シリコーンオイルとエポキシ‐フェノール樹脂の組合せによる試験片に着目し、塗料をそれぞれ調製し、試験片を作成した。シリコーンオイルとして製造元の異なるA(A社)とB(B社)の2種類を用いた。また、バーコートの番手を2種類用いて塗布量を変え、膜厚の異なる2種類の試験片(標準、2倍)をそれぞれ用意した。これらの試験片に対し、オレイン酸および市販品のパスタソース(カルボナーラ)を用いて表1と同様に滑落性を評価した。また、試験片の塗膜表面に10μLのオレイン酸を滴下し、接触角計CA−DT(協和界面科学社製)を用いて、オレイン酸の接触角及び転落角をそれぞれ測定した。
評価結果を表2に示す。
表2中の記号「○」は緩やかに滑落したことを示し、記号「△」は一部が付着したことを示す。全ての試験片でオレイン酸に対する滑落性を示した。パスタソースのような粘着性の非常に高い物質に対する滑落性については、シリコーンオイルAおよびB共に、ソースが緩やかに滑落した試験片があった。カルボナーラのようなパスタソースを用いて滑落性を評価した理由は、付着物がほとんど残らない状態でソースをスムーズに包装容器から取り出せれば、本発明の滑落膜が非常に実用的であることを端的に証明できるからである。
図1および図2は、表2の試験片(サンプル1,2,3,4)の滑落膜の微視的構造を示すデジタル顕微鏡像(各図の(a)〜(d))と、その二値化画像(各図の(e)〜(h))である。サンプル1,2,3,4は、いずれもパスタソースに対する良好な滑落性を示した試験片である。各試験片について、滑落膜の表面の拡大画像(TOP)と内部の拡大画像(DOWN)を示す。内部の画像とは、塗膜の厚さ方向における中間部分の断面図である。
例えば、図1(a)には、サンプル1の塗膜表面において、エポキシフェノール樹脂マトリックス(灰色で示す)に分散したシリコーンオイルの集合体(黒色で示す)の状態が表されている。また、図1(c)には、塗膜の内部におけるシリコーンオイルの集合体の分散状況が読み取れる。これらを二値化画像にしたものが図1(e),(g)であり、二値化画像に基づいて算出されるシリコーンオイル(黒色部)の占有面積は、表面においては全体の18.2%であり、内部においては全体の9.3%となっている。シリコーンオイルの占有面積割合が、内部での9.3%から表面での18.2%に上昇(約1.96倍)している。
図1(b),(d)のサンプル2においても、樹脂マトリックスに分散したオイル成分の集合体が確認される。そして、図1(f),(h)の二値化画像から、シリコーンオイルの占有面積割合が、内部での16.7%から表面での20.4%に上昇(約1.22倍)していることが判る。
同様に、図2(a),(c),(e),(g)のサンプル3については、シリコーンオイルの占有面積割合が、内部での20.2%から表面での24.1%に上昇(約1.19倍)していることが判る。また、図2(b),(d),(f),(h)のサンプル4については、シリコーンオイルの占有面積割合が、内部での29.3%から表面での32.5%に上昇(約1.11倍)していることが判る。
図3の上側の画像は、黒インクで染色したシリコーンオイルを用いて形成した滑落膜の表面を撮影したほぼ原寸大の画像であり、同図の下側の画像は、これを白黒反転させた画像である。図3によれば、滑落膜の表面におけるシリコーンオイルの占有面積割合が95.2%に達している試験片が得られることが判る。
図4は、GD-OES(グロー放電発光分析法)による滑落膜の元素分析結果であり、滑落膜の厚さ方向におけるケイ素Siの検出強度および炭素Cの検出強度を重ねて示したグラフである。アルゴンイオンスパッタリングを利用して膜表面をエッチングしつつ、GD-OESでの元素分析を行った。グラフの横軸はエッチングの時間軸であるが、実質的に滑落膜の表面からの深さ位置を示す軸である。
図4に示すように、横軸の原点付近において、Si成分が強く検出された。そして、横軸方向に進むに連れて、Si成分が急激に弱くなっている。従って、膜の表面付近では、シリコーンオイルの分布が大きく、樹脂マトリックスの割合が小さいが、膜の内部に入るに従って、シリコーンオイルの分布が小さくなっていき、樹脂マトリックスの割合が大きくなっていくことが判る。図4の元素分析の結果から、Si元素強度は1秒後に4.2であり、80秒後に0.003であり、表面と内部では約1400〜1500倍の差があることが分かる。このように、GD-OESによって滑落膜の深さ方向の解析が可能となり、滑落膜中のシリコーンオイルの体積割合が深さ方向において変化することを確認した。
図5は、本発明に係る滑落膜の微視的な構造を模式的に示した仮想図である。滑落膜の表面付近には、油脂類の集合体が多く分布しており、内部になるほどその分布が小さくなっていると予想される。また、表面付近には、油脂類の集合体が比較的大きく成長しているものが多いと言える。さらに、表面付近の油脂類の集合体は、その一部が表面から外部に突出しており、樹脂マトリックスから露出した状態になっている。そして、油脂類の集合体のその他の部分は、樹脂マトリックスに埋まった状態になっている。多数存在する油脂類の集合体は、大半がその大部分が樹脂マトリックスに埋まった状態になっていて、油脂類が強固に保持されているものと予想される。ここでは、塗料の塗布・乾燥工程により、油脂類の集合体の一部が樹脂マトリックスから析出したものと表現する。もともと、樹脂と油脂類の親和性は低いため、乾燥工程において比較的濃度の低い樹脂マトリックスが徐々に固化する過程で、比較的粘性の高い油脂類が徐々に表面に向けて絞り出された結果、図5のような構造が得られるものと考えられる。
図6に、滑落膜の断面構造のSEM像を示す。さらに、図7,8にはその拡大画像であるTEM像を示す。現時点では、明瞭な構造を示す像の取得が困難であるが、図5に示すような微視的な構造がこれらの像から将来的に判別できるものと考えられる。
表3に、シリコーンオイルと3種類の樹脂とをそれぞれ組み合わせて形成した滑落膜の試験片を用いて、様々な物質(調味料、工業油など)に対する滑落性を評価した結果を示す。試験片の基材の材質をPETおよびステンレスとした。調味料として、キャノーラ油、ごま油、本醤油、ソース、コーヒーフレッシュおよびパスタソース(カルボナーラ)を用いた。工業油としては、粘度の異なる3種類の機械油(粘度:13mPa・s,56mPa・s,68mPa・s)を用いた。
パスタソースについては、アクリルシリコーンとシリコーンオイルの組合せによる滑落膜において、パスタソースの一部が付着したまま残ってしまったが、エポキシ・メラニンとシリコーンオイルの組合せと、エポキシフェノールとシリコーンオイルの組合せのそれぞれによる滑落膜においては、どちらもパスタソースが緩やかに滑落し、良好な滑落性を示すことが確認された。また、その他の調味料については、3種類の滑落膜のすべてについて調味料が速やかに滑落することが判り、優れた滑落性を示すことが確認された。
機械油については、アクリルシリコーンとシリコーンオイルの組合せによる滑落膜において、粘度の小さい機械油Aの一部が付着したまま残ってしまったが、機械油Aよりも粘度の大きい機械油B,Cについては、良好な滑落性を示すことが確認された。エポキシ・メラニンとシリコーンオイルの組合せと、エポキシフェノールとシリコーンオイルの組合せのそれぞれによる滑落膜においては、機械油Aであっても良好な滑落性を示し、特に、粘度の大きい機械油B,Cについては、機械油が速やかに滑落し、優れた滑落性を示すことが確認された。このように、機械油については、粘度が大きいものほど、滑落性の効果が大きいことが確認された。
なお、基材の材質(PETまたはステンレス)による滑落性の違いはほとんど認められず、滑落性については基材の材質の影響を受けないことが確認された。
図9から図13に、様々な油脂類と樹脂の組合せによる滑落膜の表面および内部のデジタル顕微画像を示す。
図9は、ポリオレフィンとシリコーンオイルの組合せであり、シリコーンオイルの占有面積が、内部での9.15%から表面での12.3%に上昇(約1.34倍)している。
図10は、ポリエステルとシリコーンオイルの組合せであり、シリコーンオイルの占有面積が、内部での6.12%から表面での10.6%に上昇(約1.73倍)している。
図11は、ポリウレタンとシリコーンオイルの組合せであり、シリコーンオイルの占有面積が、内部での15.4%から表面での19.1%に上昇(約1.24倍)している。
図12は、ケイ素樹脂とシリコーンオイルの組合せであり、シリコーンオイルの占有面積が、内部での8.01%から表面での12.4%に上昇(約1.55倍)している。
図13は、ポリスチレンとシリコーンオイルの組合せであり、シリコーンオイルの占有面積が、内部での13.8%から表面での16.8%に上昇(約1.22倍)している。
図14は、アクリル樹脂とシリコーンオイルの組合せであり、シリコーンオイルの占有面積が、内部での6.8%から表面での7.9%に上昇(約1.16倍)している。
従って、樹脂類としてシリコーンオイルを用いる場合、シリコーンオイルの膜内部での占有面積に対して膜表面での占有面積が約1.11倍〜約1.96倍に増えている。また、膜表面でのシリコーンオイルの占有面積の全体に対する割合は、約7.9%〜約32.5%の範囲内にある。
図15は、エポキシ樹脂とオレイン酸の組合せであり、オレイン酸(黒色部)の占有面積が、内部での7.9%から表面での8.5%に上昇(約1.16倍)している。
図16は、エポキシ樹脂と馬油の組合せであり、馬油(黒色部)の占有面積が、内部での0.8%から表面での2.5%に上昇(約3.13倍)している。
図17は、エポキシ樹脂と流動パラフィンの組合せであり、流動パラフィン(黒色部)の占有面積が、内部での14.8%から表面での15.2%に上昇(約1.03倍)している。
従って、その他の樹脂類を含めて整理すると、樹脂類の膜内部での占有面積に対して膜表面での占有面積が約1.02倍〜約3.13倍に増えている。また、膜表面での油脂類の占有面積の全体に対する割合は、約2.5%〜約32.5%の範囲内にある。

Claims (9)

  1. 付着物に対して優れた滑落性を発揮する滑落膜であって、
    基材上の樹脂マトリックスに油脂の集合体が多数分布した状態になっていて、
    前記滑落膜の表面付近において前記油脂が占めている体積割合が、内部領域において前記油脂が占めている体積割合よりも大きく、
    前記表面付近にある前記油脂の複数の集合体が、それぞれ前記滑落膜の表面から突出した状態で露出していることを特徴とする滑落膜。
  2. 前記滑落膜の表面付近において前記油脂が占めている体積割合が、前記内部領域において前記油脂が占めている体積割合の1.03倍より大きく、1500倍より小さいことを特徴とする請求項1記載の滑落膜。
  3. 前記滑落膜の表面付近にある前記油脂の複数の集合体は、それぞれの一部が前記表面から突出した状態で露出しており、それぞれ他の部分が前記樹脂マトリックスに埋まっていることを特徴とする請求項1または2記載の滑落膜。
  4. 前記滑落膜の表面において前記油脂が占めている面積割合は、0.01〜99%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の滑落膜。
  5. 前記油脂の比重は、前記樹脂の比重よりも小さいことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の滑落膜。
  6. 前記樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の滑落膜。
  7. 前記樹脂は、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ケイ素系樹脂、ポリウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、および、ポリスチレン系樹脂のうちの1ないし複数からなることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の滑落膜。
  8. 前記油脂は、シリコーン系油、潤滑油、パラフィン、動物油、および、植物油のうちの1ないし複数からなることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の滑落膜。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の滑落膜により被覆された表面を有することを特徴とする物品。
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