JP2018183754A - 金属含有排水の処理方法および金属含有排水の処理システム - Google Patents

金属含有排水の処理方法および金属含有排水の処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】金属含有排水の処理方法において、アルカリ剤や処理水のpHを排水基準値の範囲内に調整するための酸の使用量を抑える。【解決手段】本発明に係る金属含有排水の処理方法は、環状の処理流路2内に金属含有排水を供給する原水供給工程と、処理流路2内に供給された排水1を処理流路2内でT方向に流して循環させる循環工程と、処理流路2内の排水1にpH調整剤5を添加し、排水1のpHを調整するpH調整工程と、pHが調整された排水1に凝集剤7を添加する凝集剤添加工程と、凝集剤7によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、処理流路2内において前記フロックが捕集された下流側の循環水29と前記フロックが捕集された上澄み水17とを電気分解する電気分解工程と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、金属含有排水の処理方法および金属含有排水の処理システムに関する。
金属イオンを含有する排水から金属イオンを除去するための処理手法(以下、単に「処理方法」という場合がある)としては、例えば、排水中に溶解した金属イオンを金属水酸化物や金属硫化物などの不溶性の化合物に変えて除去する方法や、排水中に溶解した金属イオンを金属キレートとして除去する方法などがある。
上述の処理方法では、排水中に溶解している金属をフロック(不溶性物質)として析出させた後、該フロックに沈殿分離、濾過分離、遠心分離などの固液分離処理を施し、排水中から金属を除去する必要がある。前述の固液分離処理の中でも処理コストを抑える点からフロックの自重を利用した沈殿分離がよく用いられるが、一般に、沈殿分離では、処理効率を確保するため、フロックの沈降速度が小さくなるほど沈殿槽の規模(設置面積)を大きくする必要がある。
フロックの除去効率を高め、かつ沈殿槽の規模を小さくすることを可能にする方法として、傾斜板を設置することによって有効処理面積を増加させる方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、多様な凝集剤を適用することによってフロックの沈降速度を高める方法(例えば、特許文献3、特許文献4参照)が提案、実用化されている。
特開2001−327981号公報 特開2002−136808号公報 特開2011−031229号公報 特開2016−026871号公報
しかしながら、上述のように傾斜板を利用することによってフロックの除去効率を高める方法においては、特に沈降速度が小さいフロックを除去する場合に、処理量と設置面積の制約が生じ、除去率100%(略100%の高除去率)を達成することが困難になってしまう。
また、多様な凝集剤を適用することによってフロックの沈降速度を高める方法においても、凝集剤の工夫で大きなフロックに成長させることには限界があり、さらに特殊な凝集剤を用いることで処理コストが増大してしまう。
上述の事情をふまえ、最近では、pH調整槽(すなわち、アルカリ処理槽)、凝集剤撹拌槽、沈殿槽を一つの槽とした処理方法が検討されている。この処理方法では、(1)必ずとも全てのフロックを除去しなくてもよい(すなわち、除去率が100%に達さなくてもよい)、(2)槽の内部を循環するフロックが金属水酸化物として析出される際の核となるので、高い沈殿性能のフロックが生成される、(3)排水に添加するアルカリ剤の量を低減することができる、(4)各槽を結ぶポンプや配管が不要であるなどの効果が得られる。ところが、前述の処理方法では、上述の(3)で記載した効果が得られるとはいえ、アルカリ剤や処理水のpHを排水基準値の範囲内に調整するための酸が大量に必要になるという問題が残っていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アルカリ剤や処理水のpHを排水基準値の範囲内に調整するための酸(以下、単に「酸」とする場合がある)の使用量を抑えることができる金属含有排水の処理方法および金属含有排水の処理システムを提供する。
請求項1に記載の金属含有排水の処理方法は、金属含有排水から金属を除去するための金属含有排水の処理方法であって、環状の処理流路内に前記金属含有排水を供給する原水供給工程と、前記処理流路内に供給された前記金属含有排水を前記処理流路内で所定の方向に流して循環させる循環工程と、前記処理流路内の前記金属含有排水にpH調整剤を添加し、前記金属含有排水のpHを調整するpH調整工程と、pHが調整された前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、前記処理流路内において前記フロックが捕集された下流側の循環水と前記フロックが捕集された上澄み水とを電気分解する電気分解工程と、を備えていることを特徴とする。
上述の構成によれば、電気分解工程では、pH調整工程で予めpHの処理がなされた循環水と上澄み水とを電気分解することにより、上澄み水のpHを調整するための薬剤(即ち、酸)を多く必要とせずに済む。また、上澄み水のpHを調整するために利用した酸に対応する分の水酸化物イオンを陰極側で発生させることで、循環工程で金属含有排水(即ち、循環水)に添加するアルカリ剤(pH調整剤)の量を低減することができる。さらに、前述の水酸化物イオンや水素イオンと対になる塩(水酸化ナトリウムであればナトリウムイオン)の蓄積を抑えることができる。
請求項2に記載の金属含有排水の処理方法は、金属含有排水から金属を除去するための金属含有排水の処理方法であって、環状の処理流路内に前記金属含有排水を供給する原水供給工程と、前記処理流路内に供給された前記金属含有排水を前記処理流路内で所定の方向に流して循環させる循環工程と、前記処理流路内の前記金属含有排水にpH調整剤を添加し、前記金属含有排水のpHを調整するpH調整工程と、pHが調整された前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、前記フロックが捕集された上澄み水にpH調整液を添加し、前記上澄み水のpHを調整する第二のpH調整工程と、前記処理流路内において前記フロックが捕集された下流側の循環水と内部で前記pH調整液を作成する槽に満たされている溶液とを電気分解する電気分解工程と、を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の金属含有排水の処理方法では、上述の金属含有排水の処理方法において、前記pH調整液中のハロゲン化合物の含有量は0.2質量%以下であることが好ましい。
上述の構成によれば、電気分解工程では、pH調整工程で予めpHの処理がなされた循環水とpH調整液の作成槽に満たされている溶液とを電気分解することにより、例えば酸性水を作成し、この酸性水を用いて排水基準を満足するように上澄み水のpHを調整し、最終処理水とすることができる。また、上述の金属含有排水の処理方法と同様に、酸の使用量を抑えることができる。
さらに、pH調整液中のハロゲン化合物の含有量が0.2質量%以下というように少ないことで、酸性水を円滑に生成することができる。
請求項4に記載の金属含有排水の処理システムは、金属含有排水から金属を除去処理するためのシステムであって、処理対象の前記金属含有排水を一時的に貯留する環状の処理流路と、前記処理流路の内部に前記金属含有排水を供給する原水供給部と、前記処理流路の内部の前記金属含有排水を所定の方向に流して循環させるための流れ発生手段と、を備えるとともに、前記処理流路に、前記金属含有排水にpH調整剤を添加して前記金属含有排水のpHを調整するpH調整部と、前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集部と、前記フロックが捕集された上澄み水のpHを調整するpH調整槽と、を備え、前記処理流路内において前記フロック捕集部の下流側に配置された陰極と前記pH調整槽の内部に配置された陽極と電源とを有する電気分解部と、をさらに備えていることを特徴とする。
上述の構成によれば、電気分解部によって、pH調整工程で予めpHの処理がなされた循環水と上澄み水が電気分解されることにより、酸の使用量が抑えられる。また、上澄み水のpHを調整するために利用した酸に対応する分の水酸化物イオンが陰極で発生することで、処理流路で金属含有排水(即ち、循環水)に添加されるアルカリ剤(pH調整剤)の量が抑えられる。さらに、前述の水酸化物イオンや水素イオンと対になる塩(水酸化ナトリウムであればナトリウムイオン)の蓄積が抑えられる。
請求項5に記載の金属含有排水の処理システムは、金属含有排水から金属を除去処理するためのシステムであって、処理対象の前記金属含有排水を一時的に貯留する環状の処理流路と、前記処理流路の内部に前記金属含有排水を供給する原水供給部と、前記処理流路の内部の前記金属含有排水を所定の方向に流して循環させるための流れ発生手段と、を備えるとともに、前記処理流路に、前記金属含有排水にpH調整剤を添加して前記金属含有排水のpHを調整するpH調整部と、前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集部と、前記フロックが捕集された上澄み水のpHを調整するpH調整槽と、前記上澄み水のpHを調整するためのpH調整液を作成するpH調整液作成槽と、を備え、前記処理流路内において前記フロック捕集部の下流側に配置された陰極と前記pH調整液作成槽の内部に配置された陽極と電源とを有する電気分解部と、をさらに備えていることを特徴とする。
請求項6に記載の金属含有排水の処理システムでは、前記pH調整液作成槽に満たされている溶液中のハロゲン化合物の含有量は0.2質量%以下であることが好ましい。
上述の構成によれば、電気分解部では、pH調整工程で予めpHの処理がなされた循環水とpH調整液が電気分解されることにより、例えば酸性水が作成され、この酸性水を用いて排水基準を満足するように上澄み水のpHが調整され、最終処理水が得られる。また、上述の金属含有排水の処理システムと同様に、酸の使用量が抑えられる。
また、ハロゲン化合物の含有量が少ない溶液でpH調整液作成槽の内部が満たされていることで、円滑に酸性水が生成される。
本発明に係る金属含有排水の処理方法および金属含有排水の処理システムによれば、酸の使用量を抑えることができる。
本発明を適用した第一実施形態の金属含有排水の処理システムの図であって、上段が平面図であり、下段が側面図である。 本発明を適用した第二実施形態の金属含有排水の処理システムの図であって、上段が平面図であり、下段が側面図である。
以下、本発明を適用した金属含有排水の処理方法の実施形態について説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
(第一実施形態)
始めに、本発明を適用した第一実施形態の金属含有排水の処理システム(以下、単に「処理システム」という場合がある)の一例について説明する。
図1に示すように、第一実施形態の金属含有排水の処理システムBは、処理対象の排水1を一時的に貯留する環状の処理流路2と、処理流路2の内部に金属含有排水1aを供給する原水供給部3と、処理流路2の内部の排水1をT方向(一方向)に流して循環させるための流れ発生手段4と、処理流路2でpHが調整された循環水29と、処理流路2から取り出された処理水(上澄み水)とを電気分解する電気分解手段20と、を備えている。
処理流路2は、排水1にpH調整剤5を添加して排水1のpHを調整するpH調整部6と、排水1に凝集剤7を添加する凝集剤添加部8と、凝集剤7によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集部9と、を備えている。
また、処理システムBは、フロック捕集部9に捕集されたフロックをフロック捕集部9から処理流路2の外部に排出させて回収するためのフロック回収部10と、フロックが沈降するとともに排水1の上澄み水を取水して処理流路2の外部に排出させるための集水トラフ11と、排水1の流れを整えるための整流手段12と、を備えている。
流れ発生手段4は、環状の処理流路2の内部で排水1のT方向の流れをつくり、排水1を循環させるためのものである。また、流れ発生手段4は、軸線周りに回転駆動する軸部4aと、軸部4aから径方向に延出された複数の回転板4bと、を備えている。さらに、流れ発生手段4は、軸部4aとともに軸線周りに回転する複数の回転板4bが排水1を順次T方向に押しかくことにより、T方向の流れ、ひいては循環流をつくるように構成されている。
凝集剤添加部8は、処理流路2のpH調整部6と流れ発生手段4との間に設けられている。凝集剤添加部8は、pH調整部6でpHが調整された排水1に、例えばアニオン系の高分子凝集剤などの凝集剤7を添加し、水酸化物のフロックを凝集して成長させるためのものである。凝集剤添加部8には、添加した凝集剤7と排水1を混合撹拌する撹拌手段13が設けられている。
フロック捕集部9は、流れ発生手段4よりもT方向の下流側に設けられている。フロック捕集部9は、凝集剤添加部8で凝集剤7を添加することによって成長し、処理流路2の底面2aに沈降するフロックを堆積させるように捕集するためのものである。また、フロック捕集部9は、処理流路2の底面2aを上流側から下流側に向かうに従い漸次下方に傾斜し、最低部2bから下流側に向かうに従って漸次上方に傾斜してなるフロック集積凹部14を備えている。
フロック回収部10は、フロック捕集部9に捕集され、フロック捕集部9の最低部2b(フロック集積凹部14)に堆積して収集されたフロックを処理流路2の外部に排出して回収するためのものである。フロック回収部10は、例えば、フロック捕集部9の最低部2bの底面に開口するフロック回収口に繋がる回収配管(図示略)と、回収配管を通じてフロックを処理流路2から引き抜くためのポンプなどの回収駆動手段(図示略)と、を備えている。
集水トラフ11は、例えば、フロック捕集部9よりも排水1のT方向下流側に設けられている。集水トラフ11は、フロックが沈降した後の排水1の上澄み水を取水して処理流路2の外部に排出させるためのものである。なお、集水トラフ11の位置は、排水1の上澄み水を取水して系外に排出させることが可能であれば、特に限定されない。
整流手段12は、流れ発生手段4とフロック捕集部9との間に設けられている。整流手段12は、撹拌手段13によって撹拌混合して乱れた排水1の流れを整え、フロック捕集部9に送るためのものである。整流手段12は、例えば、所定の間隔をあけ、平行配置された複数の整流板を備えている。
処理システムBにおいては、流れ発生手段4によって処理流路2内の排水1に対してT方向の流れがつくられ、環状の処理流路2内で排水1が循環する。また、排水1の循環流に対し、原水供給部3から金属含有排水の原水1aが適宜供給される。
そして、処理流路2を循環する排水1にpH調整部6でpH調整剤5が添加され、撹拌手段13で撹拌されることによって、排水1のpHが所定のpHに調整される。このようにpHを調整すると、排水1中の金属イオンが水酸化物となり、フロックが形成される。
pH調整部6で形成されたフロックを含む排水1が凝集剤添加部8に達し、凝集剤7が添加されるとともに撹拌手段13で撹拌混合されることにより、微細なフロック同士が凝集し、大きなフロックへと成長する。
凝集剤添加部8を通過した排水1は整流手段12を通過するとともに、撹拌手段13で乱された排水1の流れが整えられる。
排水1に含まれた大きなフロックは自重によって徐々に沈降し、処理流路2の底面2aに達する。処理流路2の底面2aには、T方向の下流側に向かうに従って漸次下方に傾斜し、最低部2bに達してからT方向の下流側に向かうに従って漸次上方に傾斜するフロック捕集部9のフロック集積凹部14が設けられているので、排水1の流れとともに移動しつつ処理流路2の底面2aに達するフロックがフロック捕集部9のフロック集積凹部14に自動的に捕集され、集積する。
フロック捕集部9の最低部2bには、処理流路2の内部から外部にフロックを排出させるためのフロック回収口が設けられている。フロック捕集部9で捕集され且つ集積したフロックは適当なタイミングでフロック回収口から処理流路2の外部に排出/抽出され、脱水処理装置15で脱水処理される。これにより、金属含有排水1aの金属が除去処理され、脱水ケーキ16として処分される。
処理流路2の内部の排水の上澄み水(フロックが沈降して清浄化した処理水)17は、集水トラフ11によって取水され、処理流路2の外部に排出される。上澄み水17のpHは、pH調整槽18で調整される。調整された上澄み水17は、最終処理水19として排出される。
電気分解手段20は、電源31と、電源31の負極に接続された陰極33(所謂、カソード)と、電源31の正極に接続された陽極35(所謂、アノード)と、を備えている。陰極33は、処理流路2の内部において集水トラフ11のT方向の下流側に配置されている。陽極35は、pH調整槽18の内部に配置されている。
上述の構成では、既にpH調整剤5が添加されて処理流路2の内部でpHが調整された循環水29とpH調整槽18でpHが調整された上澄み水17とで電気分解され、上澄み水17のpHの調整に使用された酸に対応する分の水酸化物イオンが陰極33で発生する。発生した水酸化物イオンは循環水29に添加され、循環水29はT方向に循環する。
本発明を適用した第一実施形態の金属含有排水の処理方法(以下、単に「処理方法」という場合がある)は、処理システムBを用いた処理方法であって、環状の処理流路2の内部に金属含有排水を供給する原水供給工程と、処理流路2の内部に供給された金属含有排水を処理流路2の内部でT方向(所定の方向)に流して循環させる循環工程と、処理流路2の内部の金属含有排水にpH調整剤5を添加し、金属含有排水のpHを調整するpH調整工程と、pHが調整された金属含有排水に凝集剤7を添加する凝集剤添加工程と、凝集剤7によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、処理流路2の内部においてフロックが捕集された下流側の循環水29とフロックが捕集された上澄み水17とを電気分解する電気分解工程と、を備えている。
したがって、第一実施形態の金属含有排水の処理システムB及び処理方法においては、pH調整工程で予めpHの処理がなされた循環水と上澄み水とを電気分解することにより、上澄み水のpHを調整するための薬剤(即ち、酸)を多く必要とせずに済む。また、上澄み水のpHを調整するために利用した酸に対応する分の水酸化物イオンを陰極33で発生させることで、循環工程で金属含有排水(即ち、循環水29)に添加するアルカリ剤(pH調整剤)の量を低減することができる。さらに、前述の水酸化物イオンや水素イオンと対になる塩(水酸化ナトリウムであればナトリウムイオン)の蓄積を抑えることができる。
また、第一実施形態の金属含有排水の処理システムBにおいては、除去しきれなかったフロックが自動的に複数回、各部で処理されながら循環するため、除去しきれなかったフロックをこの複数回の循環の中で確実に大きなフロックに成長させ、除去することができる。
また、複数の処理を一つのシステム内で連続して行えるように構成したことにより、金属含有排水に添加するpH調整剤5の量を低減することができ、さらに、従来の各処理工程を結ぶポンプや配管を不要にすることができる。
よって、第一実施形態の金属含有排水の処理システムBによれば、沈降速度が小さいフロックに対しても、より効果的且つ経済的に沈降分離して確実に除去処理することができる。
(第二実施形態)
次いで、本発明を適用した第二実施形態の処理システム及び処理方法について説明する。なお、第二実施形態の処理システムの構成要素のうち、第一実施形態の処理システムBと共通する構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2に示すように、第二実施形態の処理システムCは、第一実施形態の処理システムBの構成に加えて、内部で上澄み水17のpHを調整するためのpH調整液30を作成するpH調整液作成槽40を備えている。また、電気分解手段20の陽極35は、pH調整液作成槽40の内部に配置されている。
pH調整液30としての酸性水を円滑に作成するために、pH調整液作成槽40の内部に満たされている溶液44中のハロゲン化合物の含有量は0質量%以上0.2質量%以下であることが好ましい。即ち、pH調整液作成槽40はハロゲン元素を高濃度に含まない溶液44(例えば、海水のように、ハロゲン元素を高濃度に含んでいない水道水)で満たされていることが好ましい。
本発明を適用した第二実施形態の金属含有排水の処理方法(以下、単に「処理方法」という場合がある)は、処理システムCを用いた処理方法であって、環状の処理流路2の内部に金属含有排水を供給する原水供給工程と、処理流路2の内部に供給された金属含有排水を処理流路2の内部でT方向(所定の方向)に流して循環させる循環工程と、処理流路2の内部の金属含有排水にpH調整剤5を添加し、金属含有排水のpHを調整するpH調整工程と、pHが調整された金属含有排水に凝集剤7を添加する凝集剤添加工程と、凝集剤7によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、フロックが捕集された上澄み水17にpH調整液30を添加し、上澄み水17のpHを調整する第二のpH調整工程と、処理流路2の内部においてフロックが捕集された下流側の循環水29と溶液44とを電気分解する電気分解工程と、を備えている。
したがって、第二実施形態の金属含有排水の処理システムC及び処理方法においては、予めpHの処理がなされた循環水29とpH調整液作成槽40に満たされている溶液44とを電気分解することにより、例えば酸性水(pH調整液30として機能)を作成し、この酸性水を用いて排水基準を満足するように上澄み水17のpHを調整し、最終処理水19とすることができる。また、処理システムC及び処理方法では、第一実施形態の処理システムB及び処理方法と同様に、酸の使用量を抑えることができる。
さらに、pH調整液作成槽40が上述のようにハロゲン元素を含まない溶液44で満たされていることで、酸性水を円滑に生成することができる。
このような処理システムC及び処理方法は、特に油分を除去済みの石油随伴水等の塩分を多く含む排水の処理にも有用である。
以上、本発明に係る金属含有排水の処理システムの一実施形態について説明したが、本発明は上述の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、集水トラフ11の配置や数を工夫し、集水トラフ11を利用して排水1の流速を低減させ、フロックの沈降を促進させるように構成してもよい。すなわち、フロック捕集部9でのフロックの捕集効率を向上させるように集水トラフ11の配置や数を決めるようにしてもよい。
2…処理流路、3…原水供給部、4…流れ発生手段、5…pH調整剤、6…pH調整部、7…凝集剤、8…凝集剤添加部、9…フロック捕集部、10…フロック回収部、17…上澄み水、18…pH調整槽、19…最終処理水、29…循環水、30…pH調整液、40…pH調整液作成槽(内部でpH調整液を作成する槽)、44…溶液、B,C…金属含有排水の処理システム、T…方向(一方向、排水の流通方向)

Claims (6)

  1. 金属含有排水から金属を除去するための金属含有排水の処理方法であって、
    環状の処理流路内に前記金属含有排水を供給する原水供給工程と、
    前記処理流路内に供給された前記金属含有排水を前記処理流路内で所定の方向に流して循環させる循環工程と、
    前記処理流路内の前記金属含有排水にpH調整剤を添加し、前記金属含有排水のpHを調整するpH調整工程と、
    pHが調整された前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、
    前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、
    前記処理流路内において前記フロックが捕集された下流側の循環水と前記フロックが捕集された上澄み水とを電気分解する電気分解工程と、
    を備えていることを特徴とする金属含有排水の処理方法。
  2. 金属含有排水から金属を除去するための金属含有排水の処理方法であって、
    環状の処理流路内に前記金属含有排水を供給する原水供給工程と、
    前記処理流路内に供給された前記金属含有排水を前記処理流路内で所定の方向に流して循環させる循環工程と、
    前記処理流路内の前記金属含有排水にpH調整剤を添加し、前記金属含有排水のpHを調整するpH調整工程と、
    pHが調整された前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、
    前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集工程と、
    前記フロックが捕集された上澄み水にpH調整液を添加し、前記上澄み水のpHを調整する第二のpH調整工程と、
    前記処理流路内において前記フロックが捕集された下流側の循環水と内部で前記pH調整液を作成する槽に満たされている溶液とを電気分解する電気分解工程と、
    を備えていることを特徴とする金属含有排水の処理方法。
  3. 前記pH調整液中のハロゲン化合物の含有量は0.2質量%以下であることを特徴とする請求項2に記載の金属含有排水の処理方法。
  4. 金属含有排水から金属を除去処理するためのシステムであって、
    処理対象の前記金属含有排水を一時的に貯留する環状の処理流路と、
    前記処理流路の内部に前記金属含有排水を供給する原水供給部と、
    前記処理流路の内部の前記金属含有排水を所定の方向に流して循環させるための流れ発生手段と、を備えるとともに、
    前記処理流路に、前記金属含有排水にpH調整剤を添加して前記金属含有排水のpHを調整するpH調整部と、前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集部と、
    前記フロックが捕集された上澄み水のpHを調整するpH調整槽と、
    を備え、
    前記処理流路内において前記フロック捕集部の下流側に配置された陰極と前記pH調整槽の内部に配置された陽極と電源とを有する電気分解手段と、
    をさらに備えていることを特徴とする金属含有排水の処理システム。
  5. 金属含有排水から金属を除去処理するためのシステムであって、
    処理対象の前記金属含有排水を一時的に貯留する環状の処理流路と、
    前記処理流路の内部に前記金属含有排水を供給する原水供給部と、
    前記処理流路の内部の前記金属含有排水を所定の方向に流して循環させるための流れ発生手段と、を備えるとともに、
    前記処理流路に、前記金属含有排水にpH調整剤を添加して前記金属含有排水のpHを調整するpH調整部と、前記金属含有排水に凝集剤を添加する凝集剤添加部と、前記凝集剤によって凝集し沈降したフロックを捕集するフロック捕集部と、
    前記フロックが捕集された上澄み水のpHを調整するpH調整槽と、
    前記上澄み水のpHを調整するためのpH調整液を作成するpH調整液作成槽と、
    を備え、
    前記処理流路内において前記フロック捕集部の下流側に配置された陰極と前記pH調整液作成槽の内部に配置された陽極と電源とを有する電気分解手段と、
    をさらに備えていることを特徴とする金属含有排水の処理システム。
  6. 前記pH調整液作成槽に満たされている溶液中のハロゲン化合物の含有量は0.2質量%以下であることを特徴とする請求項5に記載の金属含有排水の処理システム。
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