JP2018182508A - 歪みキャンセル装置および歪みキャンセル方法 - Google Patents

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Satoyuki Matsubara
聡之 松原
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雄介 飛子
耕平 太田
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Abstract

【課題】演算処理量の増大を抑制し、回路規模を削減すること。【解決手段】歪みキャンセル装置は、送信信号取得部と、受信信号取得部と、送信信号合成部と、キャンセル信号生成部と、キャンセル部と、を有する。送信信号取得部は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する。受信信号取得部は、複数の送信信号によって発生する相互変調信号が付加された複数の受信信号を取得する。送信信号合成部は、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号を生成する。キャンセル信号生成部は、少なくとも1つの合成送信信号、および、複数の受信信号を用いた演算式により、相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成する。キャンセル部は、キャンセル信号に基づいて、複数の受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルする。【選択図】図3

Description

本発明は、歪みキャンセル装置および歪みキャンセル方法に関する。
近年、無線通信システムにおけるスループットを向上することを目的として、例えばキャリアアグリゲーションやMIMO(Multi Input Multi Output)などの技術が導入されている。キャリアアグリゲーションは、周波数が異なる複数のキャリアを用いて基地局装置と無線端末装置とが通信する技術である。また、MIMOは、送信側が複数の送信アンテナからそれぞれ異なるデータを送信し、受信側が複数の受信アンテナにおける受信信号に基づいて各送信アンテナから送信されたデータを分離する技術である。
これらの技術が導入されることにより、基地局装置及び無線端末装置などの無線通信装置内外においては、周波数が異なる様々な信号が伝送されている。そして、これらの信号の伝送路上に例えば金属などの歪み発生源が存在すると、周波数が異なる信号の相互変調によって、相互変調信号が発生する。すなわち、それぞれの信号の周波数の倍数の和や差の周波数を有する相互変調信号が歪み発生源において発生する。そして、相互変調信号の周波数が無線通信装置の受信周波数帯に含まれる場合には、相互変調信号によって受信信号の復調及び復号が阻害され、受信品質が低下する。
このような相互変調信号による受信品質低下を抑制するために、例えば無線通信装置から送信される送信信号と他の無線通信装置から送信される干渉信号との相互変調による相互変調信号を近似的に再生し、受信信号に含まれる相互変調信号を相殺することなどが検討されている。
周波数が異なる複数の信号から発生する相互変調信号は、演算によって再生することが可能である。例えば、LTE(Long Term Evolution)の周波数帯域幅を10MHzとし、送信信号の中心周波数をf1=1935[MHz]、f2=1975[MHz]とする。この場合、3次の相互変調歪は、1935MHz、1975MHz、2015MHz、1895MHz、1935MHz、1975MHzの周波数帯域に発生する。
これらは以下の計算式によって算出された値である。
1935[MHz]=f1*f1*conj(f1)
1975[MHz]=f1*f2*conj(f1)
2015[MHz]=f2*f2*conj(f1)
1895[MHz]=f1*f1*conj(f2)
1935[MHz]=f1*f2*conj(f2)
1975[MHz]=f2*f2*conj(f2)
すなわち、受信信号Rx1の中心周波数を1895[MHz]とすれば、f1*f1*conj(f2)である3次の相互変調歪が受信帯域に重なり、PIM(Passive Intermodulation)を発生させる。
ここで、LTEの周波数帯域幅を10MHzとした場合、3次相互変調歪の帯域幅は30MHzとなり、1880〜1910MHzの帯域にPIMが発生することになる。受信信号Rx1の受信周波数帯域は、1880〜1890MHzであるため、受信信号Rx1の全帯域にPIMが発生する。
一般的に、LTEにおいて、各送信周波数帯域に応じた帯域幅の信号が用いられるため、ある送信周波数帯域に対しては1キャリアが存在することになる。そのため、LTEにおいては、図16に示すように、受信信号Rx1に対して、1つの3次相互変調歪として、f1*f1*conj(f2)の3次相互変調歪をキャンセルすればよい。
このように、LTEにおいて、2キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する場合、3次相互変調歪を生成する回路は1個でよい。
特表2009−526442号公報
しかしながら、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)においては、1キャリア当たりの帯域幅が決まっており、各送信周波数帯域に対して複数のキャリアが存在する場合、3次相互変調歪の種類は飛躍的に増加することになる。
例えば、信号をW−CDMAとし、送信信号の中心周波数をf11=1932.5[MHz]、f12=1937.5[MHz]、f21=1972.5[MHz]、f22=1977.5[MHz]とする。受信信号Rx1の受信周波数帯域は、1890〜1895MHzであり、受信信号Rx2の受信周波数帯域は、1895〜1900MHzである。この場合、図17に示すように、W−CDMAにおいては、受信信号Rx1、Rx2の各々に対して、5つの3次相互変調歪をキャンセルすることになる。
例えば、受信信号Rx1に対して、f11*f11*conj(f21)、f11*f12*conj(f21)の3次相互変調歪をキャンセルすることになる。また、受信信号Rx1に対して、f11*f11*conj(f22)、f11*f12*conj(f22)、f12*f12*conj(f22)の3次相互変調歪をキャンセルすることになる。
例えば、受信信号Rx2に対して、f11*f11*conj(f21)、f11*f12*conj(f21)、f12*f12*conj(f21)の3次相互変調歪をキャンセルすることになる。また、受信信号Rx2に対して、f11*f12*conj(f22)、f12*f12*conj(f22)の3次相互変調歪をキャンセルすることになる。
このように、W−CDMAにおいて、4キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する場合、3次相互変調歪を生成する回路は合計10個となる。
3次相互変調歪などの相互変調信号をキャンセルするためにキャンセル信号が用いられる。キャンセル信号は、複数の送信信号によって発生する相互変調信号のレプリカである。上述のように、相互変調信号は、演算によって再生することが可能である。しかしながら、相互変調信号を求める演算式には、多くの係数が含まれているため、相互変調信号を算出するための処理負荷が大きく、装置の回路規模が増大するという問題がある。
例えば、相互変調信号は、3次歪み及び5次歪みなどの奇数次の相互変調歪みや、2次歪み及び4次歪みなどの偶数次の相互変調歪みを含む。特に、受信周波数帯に含まれる相互変調信号には、3次歪み及び5次歪みなどの奇数次の相互変調歪みが含まれることが多い。そして、高次の相互変調歪みになるほど、算出に用いられる演算式には多くの係数が含まれるため、高次の相互変調歪みを考慮して相互変調信号を算出する場合には、処理量が増大する。このため、無線通信システムにおける実際の通信状況を反映して、実効的な相互変調信号のレプリカを生成するには、多大な演算処理が必要となる。したがって、相互変調信号を算出するための処理負荷が大きく、装置の回路規模が増大する。これは、キャリアの数が多くなるほど、指数的に、装置の回路規模が増大する。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、演算処理量の増大を抑制し、回路規模を削減することができる歪みキャンセル装置および歪みキャンセル方法を提供することを目的とする。
1つの態様では、歪みキャンセル装置は、送信信号取得部と、受信信号取得部と、送信信号合成部と、キャンセル信号生成部と、キャンセル部と、を有する。送信信号取得部は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する。受信信号取得部は、複数の送信信号によって発生する相互変調信号が付加された複数の受信信号を取得する。送信信号合成部は、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号を生成する。キャンセル信号生成部は、少なくとも1つの合成送信信号、および、複数の受信信号を用いた演算式により、相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成する。キャンセル部は、キャンセル信号に基づいて、複数の受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルする。
1つの側面では、演算処理量の増大を抑制し、回路規模を削減することができる。
図1は、実施例1に係る無線通信システムの構成の一例を示すブロック図である。 図2は、キャンセル式の係数の数の具体例を示す図である。 図3は、キャンセル装置のプロセッサの機能(基本構成)の一例を示すブロック図である。 図4は、実施例1に係る無線通信システムにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。 図5は、実施例1に係る無線通信システムのキャンセル装置のプロセッサの機能の一例を示すブロック図である。 図6は、実施例1に係る無線通信システムのキャンセル装置の送信信号合成部の構成の一例を示すブロック図である。 図7は、実施例1に係る無線通信システムのキャンセル装置の歪みキャンセル処理の一例を示すフローチャートである。 図8は、実施例2に係る無線通信システムにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。 図9は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置のプロセッサの機能の一例を示すブロック図である。 図10は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置の受信信号合成部の構成の一例を示すブロック図である。 図11は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置の受信信号分離部の構成の一例を示すブロック図である。 図12は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置の歪みキャンセル処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施例3に係る無線通信システムにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。 図14は、実施例3に係る無線通信システムのキャンセル装置のプロセッサの機能の一例を示すブロック図である。 図15は、実施例3に係る無線通信システムのキャンセル装置の歪みキャンセル処理の一例を示すフローチャートである。 図16は、LTEにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。 図17は、W−CDMAにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。
以下、本願が開示する歪みキャンセル装置および歪みキャンセル方法の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例により本発明が限定されるものではない。
[無線通信システムの構成]
図1は、実施例1に係る無線通信システムの構成の一例を示すブロック図である。実施例1に係る無線通信システムは、REC(Radio Equipment Control)100と、キャンセル装置200と、RE(Radio Equipment)300a、300bとを有する。なお、図1においては、2つのRE300a、300bを図示したが、1つまたは3つ以上のREがキャンセル装置200に接続されていても良い。また、1つのRECを図示したが、2つ以上のRECがキャンセル装置200に接続されていても良い。
REC100は、ベースバンド処理を実行し、送信データを含むベースバンド信号をキャンセル装置200へ送信する。また、REC100は、受信データを含むベースバンド信号をキャンセル装置200から受信し、このベースバンド信号に対してベースバンド処理を施す。具体的には、REC100は、プロセッサ110と、メモリ120と、インタフェース130とを有する。
プロセッサ110は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはDSP(Digital Signal Processor)などを備え、RE300a、300bそれぞれから送信される送信信号を生成する。本実施例においては、RE300aが2本のアンテナ310a、311aからそれぞれ互いに異なる周波数f1、f2で送信信号を送信し、RE300bが2本のアンテナ310b、311bからそれぞれ互いに異なる周波数f3、f4で送信信号を送信する場合を例に説明する。このため、プロセッサ110は、RE300aの2本のアンテナ310a、311aそれぞれから送信される送信信号Tx1、Tx2と、RE300bの2本のアンテナ310b、311bそれぞれから送信される送信信号Tx3、Tx4と、を生成する。また、プロセッサ110は、RE300a、300bによって受信された受信信号から受信データを得る。
メモリ120は、例えばRAM(Random Access Memory)またはROM(Read Only Memory)などを備え、プロセッサ110が処理を実行するために使用する情報を記憶する。
インタフェース130は、例えば光ファイバなどでキャンセル装置200と接続され、キャンセル装置200との間でベースバンド信号を送受信する。インタフェース130が送信するベースバンド信号には、上述した送信信号Tx1、Tx2、Tx3、Tx4が含まれる。
キャンセル装置200は、REC100とRE300a、300bとの間に接続され、REC100とRE300a、300bとの間で送受信されるベースバンド信号を中継する。また、キャンセル装置200は、送信信号Tx1、Tx2、Tx3、Tx4に基づいて、相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、受信信号にキャンセル信号を合成する。
なお、相互位相変調信号等の高次歪(例えば、3次歪)は、単一の送信信号、例えば、送信信号Tx1から発生する場合と、複数の送信信号、例えば、周波数の異なる送信信号Tx1と送信信号Tx2から発生する場合とがある。本実施例においては、高次歪として歪み発生源に送信信号Tx1、Tx2が照射されて相互変調信号が発生し、この相互変調信号の周波数がRE300a、300bの受信周波数帯に含まれるものとする。すなわち、キャンセル装置200は、送信信号Tx1、Tx2の相互変調によって発生する相互変調信号を受信信号からキャンセルする。
キャンセル装置200は、インタフェース210、240と、プロセッサ220と、メモリ230とを有する。
インタフェース210は、REC100と接続され、REC100との間でベースバンド信号を送受信する。すなわち、インタフェース210は、プロセッサ110によって生成された送信信号をREC100のインタフェース130から受信する。また、インタフェース210は、RE300a、300bによって受信された受信信号をREC100のインタフェース130へ送信する。
プロセッサ220は、例えばCPU、FPGAまたはDSPなどを備え、インタフェース210によって受信された複数の送信信号に基づいて、相互変調信号をキャンセルするためのキャンセル信号を生成する。また、プロセッサ220は、インタフェース240によって受信された受信信号にキャンセル信号を合成し、受信信号に付加された相互変調信号をキャンセルする。プロセッサ220の機能については、後に詳述する。
メモリ230は、例えばRAMまたはROMなどを備え、プロセッサ220が処理を実行するために使用する情報を記憶する。すなわち、メモリ230は、例えばプロセッサ220がキャンセル信号を生成する際に使用するパラメータなどを記憶する。
インタフェース240は、例えば光ファイバなどでRE300a、300bと接続され、RE300a、300bとの間でベースバンド信号を送受信する。すなわち、インタフェース240は、REC100から受信された送信信号をRE300a、300bへ送信する。また、インタフェース240は、RE300a、300bによって受信された受信信号をRE300a、300bから受信する。インタフェース240がRE300a、300bから受信する受信信号には、周波数f1の信号および周波数f2の信号の相互変調によって発生した相互変調信号が付加されている。
RE300a、300bは、キャンセル装置200から受信したベースバンド信号をそれぞれ無線周波数f1〜f4にアップコンバートし、アンテナを介して送信する。すなわち、RE300aは、送信信号Tx1、Tx2をそれぞれ周波数f1、f2にアップコンバートし、アンテナ310a、311aから送信する。そして、RE300bは、送信信号Tx3、Tx4をそれぞれ周波数f3、f4にアップコンバートし、アンテナ310b、311bから送信する。また、RE300a、300bは、アンテナを介して受信した受信信号をベースバンド周波数にダウンコンバートし、キャンセル装置200へ送信する。RE300a、300bによって受信される受信信号には、上記の周波数f1、f2の信号の相互変調によって発生した相互変調信号が付加されている。
[キャンセル信号]
上述したように、キャンセル装置200のプロセッサ220は、送信信号Tx1、Tx2の相互変調によって発生する相互変調信号のキャンセル信号を生成する。キャンセル信号は、複数の送信信号によって発生する相互変調信号のレプリカであり、その生成には、例えば以下のキャンセル式(1)を用いることができる。ただし、式(1)は、周波数(2f1−f2)が受信周波数帯に含まれる場合に、この受信周波数帯における3次歪み、5次歪み、7次歪みをキャンセルするキャンセル信号Cを生成する式である。
C={p11|Tx1|4+p21|Tx1|2|Tx2|2+p31|Tx2|4
+p41|Tx1|2+p51|Tx2|2
+p61}・Tx1・Tx1・conj(Tx2) ・・・(1)
式(1)において、p11〜p61は所定の係数であり、conj(x)はxの複素共役を示す。キャンセル式(1)にはp11〜p61の6個の係数が含まれ、キャンセル式(1)を用いてキャンセル信号Cを算出する場合には、これらの6個の係数を求めてからキャンセル信号Cが算出される。
図2は、キャンセル式の係数の数の具体例を示す図である。上式(1)は、周波数f1、f2の2バンドの送信信号によって発生する3次歪み、5次歪み、7次歪みを求めるキャンセル式であるため、係数の数が6個となっている。すなわち、バンド数、および、考慮する歪みの次数が多くなるほど係数の数が多くなり、キャンセル式を用いたキャンセル信号Cの算出が困難となることがわかる。
このように、キャンセル式には多数の係数が含まれ、キャンセル信号Cを算出する演算処理が複雑になる傾向がある。そこで、実施例1に係るプロセッサ220は、周波数が異なる送信信号Tx1、Tx2の歪み発生源までの伝送路における振幅および位相のゲイン差を求め、ゲイン差を用いたキャンセル式を生成する。すなわち、プロセッサ220は、歪み発生源において下記の式(2)を満たすゲイン差aを求め、ゲイン差aを用いて上式(1)を変形したキャンセル式(3)を生成する。
Tx1=a・Tx2 ・・・(2)
C={S7/32・(21|Tx1|4+70・a2・|Tx1|2|Tx2|2+63・a4・|Tx2|4)
+S5/8・(5|Tx1|2+10・a2・|Tx2|2)
+S3・3/4}・Tx1・Tx1・conj(a・Tx2) ・・・(3)
上式(3)において、S3、S5、S7は、それぞれ、3次歪み、5次歪み、7次歪みの係数である。したがって、キャンセル式(1)を用いる場合には、6個の係数p11〜p61が求められてからキャンセル信号Cが算出されるのに対し、キャンセル式(3)を用いる場合には、3個の係数S3、S5、S7が求められれば、キャンセル信号Cが算出される。このことから、キャンセル式(3)を用いることにより、演算処理量を低減できることがわかる。
[キャンセル装置200の基本構成]
図3は、キャンセル装置200のプロセッサ220の機能(基本構成)を示すブロック図である。プロセッサ220は、送信信号取得部221と、送信信号送出部222と、受信信号取得部223と、キャンセル部224と、受信信号送出部225と、キャンセル信号生成部231とを有する。キャンセル信号生成部231は、キャンセル式生成部228と、係数決定部229とを有する。
送信信号取得部221は、インタフェース210によってREC100から受信された送信信号を取得する。すなわち、送信信号取得部221は、送信信号Tx1、Tx2、Tx3、Tx4を取得する。
送信信号送出部222は、送信信号取得部221によって取得された送信信号を、インタフェース240を介してRE300a、300bへ送出する。具体的には、送信信号送出部222は、送信信号Tx1、Tx2をRE300aへ送出し、送信信号Tx3、Tx4をRE300bへ送出する。
受信信号取得部223は、インタフェース240によってRE300a、300bから受信された受信信号を取得する。受信信号取得部223によって取得される受信信号には、送信信号Tx1、Tx2の相互変調によって発生した相互変調信号が付加されている。
キャンセル部224は、キャンセル式生成部228によってキャンセル式が用いられて生成されるキャンセル信号Cを受信信号に合成する。すなわち、キャンセル部224は、相互変調信号が付加された受信信号にキャンセル信号Cを合成(加算)することにより、相互変調信号をキャンセルする。
受信信号送出部225は、相互変調信号がキャンセルされた後の受信信号を、インタフェース210を介してREC100へ送出する。
キャンセル信号生成部231において、キャンセル式生成部228は、例えば送信信号取得部221によって取得された送信信号Tx1、Tx2から、3次相互変調歪(3次の相互変調信号)を生成する。そして、キャンセル式生成部228は、生成された3次の相互変調信号から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式を生成する。具体的には、キャンセル式生成部228は、上式(3)を生成する。また、キャンセル式生成部228は、キャンセル式の係数が係数決定部229によって決定されると、キャンセル式によって生成されるキャンセル信号Cをキャンセル部224へ出力する。
キャンセル信号生成部231において、係数決定部229は、キャンセル式に含まれる係数を例えば最小二乗法などによって決定する。すなわち、係数決定部229は、上式(3)に含まれる係数S3、S5、S7を、例えば受信信号Rx1を用いた最小二乗法などにより決定する。また、係数決定部229は、例えばキャンセル信号Cと受信信号Rx1との相関を最大にする係数S3、S5、S7を決定しても良い。そして、係数決定部229は、決定した係数S3、S5、S7をキャンセル式生成部228へ通知する。
[問題点とその解決策]
ここで、従来の問題点、および、実施例1において上記問題点を解決する解決策について、具体例をあげて説明する。
例えば、LTEにおいて、LTEの周波数帯域幅を10MHzとし、受信信号Rx1の中心周波数を1895[MHz]とする。受信信号Rx1の受信周波数帯域は、1880〜1890MHzである。この場合、LTEにおいて、各送信周波数帯域に応じた帯域幅の信号が用いられるため、受信信号Rx1に対して、1つの3次相互変調歪として、f1*f1*conj(f2)の3次相互変調歪をキャンセルすればよい(図16を参照)。このように、LTEにおいて、2キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する場合、キャンセル式生成部228には、3次相互変調歪を生成する回路が1つ設けられていればよい。
しかしながら、W−CDMAにおいては、1キャリア当たりの帯域幅が決まっており、各送信周波数帯域に対して複数のキャリアが存在する場合、3次相互変調歪の種類は飛躍的に増加するため、装置の回路規模が増大するという問題がある。
例えば、信号をW−CDMAとし、送信信号の中心周波数をf11=1932.5[MHz]、f12=1937.5[MHz]、f21=1972.5[MHz]、f22=1977.5[MHz]とする。受信信号Rx1の受信周波数帯域は、1890〜1895MHzであり、受信信号Rx2の受信周波数帯域は、1895〜1900MHzである。この場合、W−CDMAにおいては、受信信号Rx1、Rx2に対して、5つの3次相互変調歪をキャンセルすることになる(図17を参照)。このように、W−CDMAにおいて、4キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する場合、キャンセル式生成部228には、受信信号Rx1、Rx2に対して、3次相互変調歪を生成する回路が5個必要となる。
そこで、上記問題点を解決するために、実施例1では、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成する。図4は、実施例1に係る無線通信システムにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。
例えば、実施例1では、複数の送信信号のうち、それぞれ異なる周波数f11、f12で送信される送信信号Tx1、Tx2(この場合、送信信号Tx11、Tx12)を合成する。また、実施例1では、複数の送信信号のうち、それぞれ異なる周波数f21、f22で送信される送信信号Tx3、Tx4(この場合、送信信号Tx21、Tx22)を合成する。このように、実施例1では、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成することにより、周波数f11、f12を周波数f1に集約し、周波数f21、f22を周波数f2に集約することが可能となる。
実施例1において、キャンセル式生成部228は、4キャリアの送信信号から単純に3次相互変調歪を生成するのではなく、4キャリアの送信信号から2キャリアの送信信号に合成し、合成後の2キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する。したがって、図4に示すように、実施例1においては、受信信号Rx1、Rx2に対して、1つの3次相互変調歪として、f1*f1*conj(f2)の3次相互変調歪をキャンセルすればよい。この場合、キャンセル式生成部228には、受信信号Rx1、Rx2に対して、3次相互変調歪を生成する回路が1つ設けられていればよい。
[キャンセル装置200の上記問題点を解決する構成]
図5は、実施例1に係る無線通信システムのキャンセル装置200のプロセッサ220の機能の一例を示すブロック図である。プロセッサ220は、図3の基本構成に対して、更に、送信信号合成部226を有する。
送信信号合成部226は、送信信号取得部221によって取得された送信信号Tx1、Tx2を合成する。すなわち、送信信号合成部226は、それぞれ異なる周波数f11、f12で送信される送信信号Tx11、Tx12を合成して合成送信信号を生成することにより、周波数f11、f12を周波数f1に集約する。周波数f1に集約された合成送信信号は、送信信号Tx1としてキャンセル信号生成部231に出力される。また、送信信号合成部226は、それぞれ異なる周波数f21、f22で送信される送信信号Tx21、Tx22を合成して合成送信信号を生成することにより、周波数f21、f22を周波数f2に集約する。周波数f2に集約された合成送信信号は、送信信号Tx2としてキャンセル信号生成部231に出力される。
キャンセル信号生成部231において、キャンセル式生成部228は、送信信号合成部226によってそれぞれ周波数f1、f2に集約された送信信号Tx1、Tx2から、受信信号Rx1、Rx2に対する1つの3次相互変調歪を生成する。そして、キャンセル式生成部228は、受信信号Rx1、Rx2に対して、生成された1つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式を生成する。すなわち、キャンセル式生成部228によって、上式(3)が生成される。そこで、キャンセル式生成部228は、受信信号Rx1、Rx2に対して、生成されたキャンセル式と、係数決定部229により決定された係数とに基づいて、キャンセル信号Cを生成する。生成されたキャンセル信号Cは、キャンセル部224に出力される。
図6は、実施例1に係る無線通信システムのキャンセル装置200の送信信号合成部226の構成の一例を示すブロック図である。送信信号合成部226は、アップサンプリング部20a、20bと、周波数シフト部21a、21bと、信号合成部22と、を有する。
送信信号取得部221により取得された送信信号Tx11は、アップサンプリング部20aによって信号レート変換処理が行われ、周波数シフト部21aによって周波数シフト処理が行われる。また、送信信号取得部221により取得された送信信号Tx12は、アップサンプリング部20bによって信号レート変換処理が行われ、周波数シフト部21bによって周波数シフト処理が行われる。その後、送信信号Tx11、Tx12は、信号合成部22によって合成処理され、合成送信信号として送信信号Tx1が生成される。送信信号Tx1は、キャンセル式生成部228に送出される。
同様に、送信信号取得部221により取得された送信信号Tx21は、アップサンプリング部20aによって信号レート変換処理が行われ、周波数シフト部21aによって周波数シフト処理が行われる。また、送信信号取得部221により取得された送信信号Tx22は、アップサンプリング部20bによって信号レート変換処理が行われ、周波数シフト部21bによって周波数シフト処理が行われる。その後、送信信号Tx21、Tx22は、信号合成部22によって合成処理され、合成送信信号として送信信号Tx2が生成される。合成送信信号Tx2は、キャンセル式生成部228に送出される。
これにより、キャンセル式生成部228において、受信信号Rx1、Rx2に対して、本来では、3次相互変調歪を生成する回路が5個必要としていたが、実施例1の構成では、3次相互変調歪を生成する回路が1個あればよい。したがって、実施例1に係る無線通信システムは、演算処理量の増大を抑制し回路規模を削減することができる。
[歪みキャンセル処理]
図7は、実施例1に係る無線通信システムのキャンセル装置200の歪みキャンセル処理の一例を示すフローチャートである。
REC100から送信される送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22は、インタフェース210を介してプロセッサ220の送信信号取得部221によって取得される(ステップS101)。なお、送信信号取得部221によって取得された送信信号は、送信信号送出部222からインタフェース240を介してRE300a、300bへ送出される。一方、RE300a、RE300bによって受信される受信信号Rx1、Rx2は、インタフェース240を介してプロセッサ220の受信信号取得部223によって取得される(ステップS102)。RE300a、RE300bにおける受信信号Rx1、Rx2には、それぞれ送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22の相互変調による相互変調信号が付加されている。
送信信号および受信信号が取得されると、プロセッサ220の送信信号合成部226によって、送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうち、それぞれ異なる周波数f11、f12で送信される送信信号Tx11、Tx12が合成される。すなわち、周波数f11、f12が周波数f1に集約される。また、送信信号合成部226によって、送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうち、それぞれ異なる周波数f21、f22で送信される送信信号Tx21、Tx22が合成される。すなわち、周波数f21、f22が周波数f2に集約される(ステップS103)。それぞれ周波数f1、f2に集約された合成送信信号は、送信信号Tx1、Tx2としてキャンセル信号生成部231に出力される。
その後、キャンセル信号生成部231のキャンセル式生成部228によって、それぞれ周波数f1、f2に集約された送信信号Tx1、Tx2から、受信信号Rx1、Rx2に対する1つの3次相互変調歪が生成される。そして、キャンセル式生成部228によって、受信信号Rx1、Rx2に対して、生成された1つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式が生成される(ステップS105)。すなわち、キャンセル式生成部228によって、上式(3)が生成される。そして、係数決定部229によって、例えば受信信号Rx1、Rx2を用いた最小二乗法や相関検出などが実行されることにより、キャンセル式の係数が決定される(ステップS106)。ここでは、上式(3)の係数S3、S5、S7が係数決定部229によって決定される。
係数が決定された場合、キャンセル式によってキャンセル信号Cを生成することが可能となるため、キャンセル式生成部228によって、受信信号Rx1、Rx2に対して、キャンセル信号Cが生成される(ステップS107)。生成されたキャンセル信号Cは、キャンセル部224に出力される。そして、キャンセル部224によって、受信信号Rx1、Rx2にキャンセル信号Cが合成(加算)されることにより(ステップS108)、受信信号Rx1、Rx2に付加された相互変調信号がキャンセルされる。相互変調信号がキャンセルされた後の受信信号Rx1、Rx2は、受信信号送出部225によって、インタフェース210を介してREC100へ送出される(ステップS110)。
なお、実施例1において、送信信号合成部226は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうち、送信信号Tx11、Tx12を合成し、送信信号Tx21、Tx22を合成しているが、これに限定されない。例えば、周波数f11、f12がW−CDMAに対応し、周波数f2がLTEに対応する場合、図7において、送信信号合成部226は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx2のうち、送信信号Tx11、Tx12を合成し、送信信号Tx2を合成しない。具体的には、送信信号合成部226は、それぞれ異なる周波数f11、f12で送信される送信信号Tx11、Tx12を合成して合成送信信号を生成することにより、周波数f11、f12を周波数f1に集約する(ステップS103)。周波数f1に集約された合成送信信号は、送信信号Tx1としてキャンセル信号生成部231に出力される。また、周波数f2で送信される送信信号Tx2は合成されない。
この場合、キャンセル信号生成部231において、キャンセル式生成部228は、送信信号合成部226によって周波数f1に集約された送信信号Tx1(合成送信信号)、および、周波数f2で送信される送信信号Tx2から、1つの3次相互変調歪を生成する。そこで、キャンセル式生成部228は、受信信号Rx1、Rx2に対して、生成された1つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式を生成する(ステップS105)。キャンセル式生成部228は、キャンセル式の係数が係数決定部229によって決定されると、キャンセル式によって生成されるキャンセル信号Cをキャンセル部224へ出力する(ステップS107)。そして、キャンセル部224によって、受信信号Rx1、Rx2にキャンセル信号Cが合成(加算)されることにより、受信信号Rx1、Rx2に付加された相互変調信号がキャンセルされる(ステップS108)。
以上の説明により、実施例1に係る無線通信システムの歪みキャンセル装置(キャンセル装置200)は、送信信号取得部221、受信信号取得部223、キャンセル信号生成部231、キャンセル部224を有する。キャンセル装置200は、更に、送信信号合成部226を有する。送信信号取得部221は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22を取得する。受信信号取得部223は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22によって発生する相互変調信号(3次相互変調歪)が付加された複数の受信信号Rx1、Rx2を取得する。送信信号合成部226は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号(例えば合成送信信号Tx1、Tx2)を生成する。キャンセル信号生成部231は、合成送信信号Tx1、Tx2、および、複数の受信信号Rx1、Rx2を用いた演算式により、相互変調信号に対応するキャンセル信号Cを生成する。キャンセル部224は、キャンセル信号Cに基づいて、複数の受信信号Rx1、Rx2に付加された相互変調信号をキャンセルする。
このように、実施例1に係る無線通信システムでは、まず、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号(合成送信信号Tx1、Tx2)を生成する。その後に、合成送信信号Tx1、Tx2、および、複数の受信信号Rx1、Rx2を用いた演算式により、キャンセル信号Cを生成する。これにより、実施例1に係る無線通信システムでは、従来技術と比べて、相互変調信号(3次相互変調歪)を算出するときの演算処理量の増大を抑制することができ、装置の回路規模を削減することができる。
また、実施例1に係る無線通信システムにおいて、キャンセル信号生成部231は、少なくとも1つの合成送信信号(合成送信信号Tx1)、送信信号Tx2、および、複数の受信信号Rx1、Rx2を用いた演算式により、キャンセル信号Cを生成する。送信信号Tx2は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx2のうちの合成されていない送信信号である。この場合でも、実施例1に係る無線通信システムによれば、従来技術と比べて、相互変調信号(3次相互変調歪)を算出するときの演算処理量の増大を抑制することができ、装置の回路規模を削減することができる。
なお、実施例1においては、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成しているが、これに限定されない。複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成してもよい。この場合の実施例を実施例2として以下に説明する。なお、実施例2では、実施例1と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
[問題点とその解決策]
まず、従来の問題点、および、実施例2において上記問題点を解決する解決策について、具体例をあげて説明する。
例えば、信号をW−CDMAとし、送信信号の中心周波数をf11=1932.5[MHz]、f12=1937.5[MHz]、f21=1972.5[MHz]、f22=1977.5[MHz]とする。受信信号Rx1の受信周波数帯域は、1890〜1895MHzであり、受信信号Rx2の受信周波数帯域は、1895〜1900MHzである。この場合、W−CDMAにおいては、受信信号Rx1、Rx2に対して、5つの3次相互変調歪をキャンセルすることになる(図17を参照)。このように、W−CDMAにおいて、4キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する場合、キャンセル式生成部228には、受信信号Rx1、Rx2に対して、3次相互変調歪を生成する回路が5個必要となる。
そこで、上記問題点を解決するために、実施例2では、複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成する。図8は、実施例2に係る無線通信システムにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。
例えば、実施例2では、複数の受信信号のうち、受信信号Rx1、Rx2を合成する。このように、実施例1では、受信信号Rx1、Rx2を合成することにより、受信信号Rx1、Rx2を受信信号Rxに集約することが可能となる。
したがって、図8に示すように、実施例2においては、受信信号Rxに対して、6つの3次相互変調歪をキャンセルすればよい。この場合、キャンセル式生成部228には、受信信号Rxに対して、3次相互変調歪を生成する回路が6つ設けられていればよい。
[キャンセル装置200の上記問題点を解決する構成]
図9は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置200のプロセッサ220の機能の一例を示すブロック図である。プロセッサ220は、図3の基本構成に対して、更に、受信信号合成部227と、受信信号分離部232とを有する。
受信信号合成部227は、受信信号取得部223によって取得された受信信号Rx1、Rx2を合成する。すなわち、受信信号合成部227は、受信信号Rx1、Rx2を合成して合成受信信号を生成する。合成受信信号は、受信信号Rxとして、係数決定部229およびキャンセル部224に出力される。
キャンセル信号生成部231において、キャンセル式生成部228は、送信信号取得部221によって取得された送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22から、受信信号Rxに対する6つの3次相互変調歪を生成する。そして、キャンセル式生成部228は、受信信号Rxに対して、生成された6つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式を生成する。すなわち、キャンセル式生成部228によって、上式(3)が生成される。そこで、キャンセル式生成部228は、受信信号Rxに対して、生成されたキャンセル式と、係数決定部229により決定された係数とに基づいて、キャンセル信号Cを生成する。生成されたキャンセル信号Cは、キャンセル部224に出力される。
図10は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置200の受信信号合成部227の構成の一例を示すブロック図である。受信信号合成部227は、アップサンプリング部23a、23bと、周波数シフト部24a、24bと、信号合成部25と、を有する。
受信信号取得部223により取得された受信信号Rx1は、アップサンプリング部23aによって信号レート変換処理が行われ、周波数シフト部24aによって周波数シフト処理が行われる。また、受信信号取得部223により取得された受信信号Rx2は、アップサンプリング部23bによって信号レート変換処理が行われ、周波数シフト部24bによって周波数シフト処理が行われる。その後、受信信号Rx1、Rx2は、信号合成部25によって合成処理され、合成受信信号として受信信号Rxが生成される。受信信号Rxは、係数決定部229およびキャンセル部224に送出される。
図11は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置200の受信信号分離部232の構成の一例を示すブロック図である。受信信号分離部232は、周波数シフト部26a、26bと、ダウンサンプリング部27a、27bと、信号分離部28と、を有する。
キャンセル部224により相互変調信号がキャンセルされた受信信号Rx(合成受信信号)は、周波数シフト部26a、26bによって周波数シフト処理が行われる。周波数シフト部26a、26bによって周波数シフト処理が行われた受信信号は、それぞれ、ダウンサンプリング部27a、27bによって信号レート変換処理が行われ、相互変調信号がキャンセルされた受信信号として受信信号Rx1、Rx2が生成される。受信信号Rx1、Rx2は、受信信号送出部225に送出される。
このように、キャンセル式生成部228において、本来では、受信信号Rx1、Rx2に対して、3次相互変調歪を生成する回路が5個必要としていたが、実施例2の構成では、受信信号Rxに対して、3次相互変調歪を生成する回路が1個あればよい。したがって、実施例2に係る無線通信システムは、演算処理量の増大を抑制し回路規模を削減することができる。
[歪みキャンセル処理]
図12は、実施例2に係る無線通信システムのキャンセル装置200の歪みキャンセル処理の一例を示すフローチャートである。
REC100から送信される送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22は、インタフェース210を介してプロセッサ220の送信信号取得部221によって取得される(ステップS101)。なお、送信信号取得部221によって取得された送信信号は、送信信号送出部222からインタフェース240を介してRE300a、300bへ送出される。一方、RE300a、RE300bによって受信される受信信号Rx1、Rx2は、インタフェース240を介してプロセッサ220の受信信号取得部223によって取得される(ステップS102)。RE300a、RE300bにおける受信信号Rx1、Rx2には、それぞれ送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22の相互変調による相互変調信号が付加されている。
送信信号および受信信号が取得されると、プロセッサ220の受信信号合成部227によって、受信信号Rx1、Rx2が合成される。すなわち、受信信号Rx1、Rx2が受信信号Rxに集約される(ステップS104)。受信信号Rx(合成受信信号)は、係数決定部229およびキャンセル部224に出力される。
その後、キャンセル信号生成部231のキャンセル式生成部228によって、送信信号取得部221によって取得された送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22から、受信信号Rxに対する6つの3次相互変調歪が生成される。そして、キャンセル式生成部228によって、受信信号Rxに対して、生成された1つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式が生成される(ステップS105)。すなわち、キャンセル式生成部228によって、上式(3)が生成される。そして、係数決定部229によって、例えば受信信号Rxを用いた最小二乗法や相関検出などが実行されることにより、キャンセル式の係数が決定される(ステップS106)。ここでは、上式(3)の係数S3、S5、S7が係数決定部229によって決定される。
係数が決定された場合、キャンセル式によってキャンセル信号Cを生成することが可能となるため、キャンセル式生成部228によって、受信信号Rxに対して、キャンセル信号Cが生成される(ステップS107)。生成されたキャンセル信号Cは、キャンセル部224に出力される。そして、キャンセル部224によって、受信信号Rxにキャンセル信号Cが合成(加算)されることにより(ステップS108)、受信信号Rxに付加された相互変調信号がキャンセルされる。相互変調信号がキャンセルされた後の受信信号Rxは、受信信号分離部232によって、受信信号Rx1、Rx2に分離される(ステップS109)。その後、受信信号Rx1、Rx2は、受信信号送出部225によって、インタフェース210を介してREC100へ送出される(ステップS110)。
なお、実施例2において、受信信号合成部227は、受信信号Rx1、Rx2を合成しているが、これに限定されない。例えば、受信信号Rx1、Rx2がW−CDMAに対応し、受信信号Rx3がLTEに対応する場合、図12において、受信信号合成部227は、複数の受信信号のうち、受信信号Rx1、Rx2を合成し、受信信号Rx3については合成しない。具体的には、受信信号合成部227は、受信信号Rx1、Rx2を合成して合成受信信号を生成することにより、受信信号Rx1、Rx2を受信信号Rxに集約する(ステップS104)。受信信号Rx(合成受信信号)は、係数決定部229およびキャンセル部224に出力される。また、受信信号Rx3は合成されない。
この場合、キャンセル信号生成部231において、キャンセル式生成部228は、送信信号取得部221によって取得された送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22から、6つの3次相互変調歪を生成する。そこで、キャンセル式生成部228は、受信信号Rx、受信信号Rx3に対して、生成された6つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式を生成する(ステップS105)。キャンセル式生成部228は、キャンセル式の係数が係数決定部229によって決定されると、キャンセル式によって生成されるキャンセル信号Cをキャンセル部224へ出力する(ステップS107)。そして、キャンセル部224によって、受信信号Rx、受信信号Rx3にキャンセル信号Cが合成(加算)されることにより、受信信号Rx、受信信号Rx3に付加された相互変調信号がキャンセルされる(ステップS108)。
以上の説明により、実施例2に係る無線通信システムの歪みキャンセル装置(キャンセル装置200)は、送信信号取得部221、受信信号取得部223、キャンセル信号生成部231、キャンセル部224を有する。キャンセル装置200は、更に、受信信号合成部227、受信信号分離部232を有する。送信信号取得部221は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22を取得する。受信信号取得部223は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22によって発生する相互変調信号(3次相互変調歪)が付加された複数の受信信号Rx1、Rx2を取得する。受信信号合成部227は、複数の受信信号Rx1、Rx2のうちの少なくとも1組の受信信号を合成して少なくとも1つの合成受信信号(例えば合成受信信号Rx)を生成する。キャンセル信号生成部231は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22、および、合成受信信号Rxを用いた演算式により、相互変調信号に対応するキャンセル信号Cを生成する。キャンセル部224は、キャンセル信号Cに基づいて、合成受信信号Rxに付加された相互変調信号をキャンセルする。受信信号分離部232は、相互変調信号がキャンセルされた合成受信信号Rxを複数の受信信号Rx1、Rx2に分離する。
このように、実施例2に係る無線通信システムでは、まず、複数の受信信号Rx1、Rx2のうちの少なくとも1組の受信信号を合成して少なくとも1つの合成受信信号(合成受信信号Rx)を生成する。その後に、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22、および、合成受信信号Rxを用いた演算式により、キャンセル信号Cを生成する。このため、実施例2に係る無線通信システムによれば、従来技術と比べて、相互変調信号(3次相互変調歪)を算出するときの演算処理量の増大を抑制することができ、装置の回路規模を削減することができる。
また、実施例2に係る無線通信システムにおいて、キャンセル信号生成部231は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22、合成受信信号Rx、および、受信信号Rx3を用いた演算式により、キャンセル信号Cを生成する。受信信号Rx3は、複数の受信信号Rx1、Rx2、Rx3のうちの合成されていない受信信号である。キャンセル部224は、キャンセル信号Cに基づいて、合成受信信号Rxおよび受信信号Rx3に付加された相互変調信号をキャンセルする。この場合でも、実施例2に係る無線通信システムによれば、従来技術と比べて、相互変調信号(3次相互変調歪)を算出するときの演算処理量の増大を抑制することができ、装置の回路規模を削減することができる。
なお、実施例1においては、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成し、実施例2においては、複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成しているが、これに限定されない。実施例1、2を組み合わせてもよい。この場合の実施例を実施例3として以下に説明する。なお、実施例3では、実施例1、2と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
[問題点とその解決策]
まず、従来の問題点、および、実施例3において上記問題点を解決する解決策について、具体例をあげて説明する。
例えば、信号をW−CDMAとし、送信信号の中心周波数をf11=1932.5[MHz]、f12=1937.5[MHz]、f21=1972.5[MHz]、f22=1977.5[MHz]とする。受信信号Rx1の受信周波数帯域は、1890〜1895MHzであり、受信信号Rx2の受信周波数帯域は、1895〜1900MHzである。この場合、W−CDMAにおいては、受信信号Rx1、Rx2に対して、5つの3次相互変調歪をキャンセルすることになる(図17を参照)。このように、W−CDMAにおいて、4キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する場合、キャンセル式生成部228には、受信信号Rx1、Rx2に対して、3次相互変調歪を生成する回路が5個必要となる。
そこで、上記問題点を解決するために、実施例3では、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成し、複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成する。図13は、実施例3に係る無線通信システムにおける受信信号に対するキャンセル対象の3次相互変調歪の一例を示す説明図である。
例えば、実施例3では、複数の送信信号のうち、それぞれ異なる周波数f11、f12で送信される送信信号Tx1、Tx2(この場合、送信信号Tx11、Tx12)を合成する。また、実施例3では、複数の送信信号のうち、それぞれ異なる周波数f21、f22で送信される送信信号Tx3、Tx4(この場合、送信信号Tx21、Tx22)を合成する。このように、実施例3では、複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成することにより、周波数f11、f12を周波数f1に集約し、周波数f21、f22を周波数f2に集約することが可能となる。
また、実施例3では、複数の受信信号のうち、受信信号Rx1、Rx2を合成する。このように、実施例3では、受信信号Rx1、Rx2を合成することにより、受信信号Rx1、Rx2を受信信号Rxに集約することが可能となる。
実施例3において、キャンセル式生成部228は、4キャリアの送信信号から単純に3次相互変調歪を生成するのではなく、4キャリアの送信信号から2キャリアの送信信号に合成し、合成後の2キャリアの送信信号から3次相互変調歪を生成する。したがって、図13に示すように、実施例3においては、受信信号Rx(合成受信信号)に対して、1つの3次相互変調歪として、f1*f1*conj(f2)の3次相互変調歪をキャンセルすればよい。この場合、キャンセル式生成部228には、受信信号Rxに対して、3次相互変調歪を生成する回路が1つ設けられていればよい。
[キャンセル装置200の上記問題点を解決する構成]
図14は、実施例3に係る無線通信システムのキャンセル装置200のプロセッサ220の機能の一例を示すブロック図である。プロセッサ220は、図3の基本構成に対して、更に、実施例1における送信信号合成部226と、実施例2における受信信号合成部227および受信信号分離部232とを有する。
[歪みキャンセル処理]
図15は、実施例3に係る無線通信システムのキャンセル装置200の歪みキャンセル処理の一例を示すフローチャートである。
REC100から送信される送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22は、インタフェース210を介してプロセッサ220の送信信号取得部221によって取得される(ステップS101)。なお、送信信号取得部221によって取得された送信信号は、送信信号送出部222からインタフェース240を介してRE300a、300bへ送出される。一方、RE300a、RE300bによって受信される受信信号Rx1、Rx2は、インタフェース240を介してプロセッサ220の受信信号取得部223によって取得される(ステップS102)。RE300a、RE300bにおける受信信号Rx1、Rx2には、それぞれ送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22の相互変調による相互変調信号が付加されている。
送信信号および受信信号が取得されると、プロセッサ220の送信信号合成部226によって、送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうち、それぞれ異なる周波数f11、f12で送信される送信信号Tx11、Tx12が合成される。すなわち、周波数f11、f12が周波数f1に集約される。また、送信信号合成部226によって、送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうち、それぞれ異なる周波数f21、f22で送信される送信信号Tx21、Tx22が合成される。すなわち、周波数f21、f22が周波数f2に集約される(ステップS103)。それぞれ周波数f1、f2に集約された合成送信信号は、送信信号Tx1、Tx2としてキャンセル信号生成部231に出力される。
また、プロセッサ220の受信信号合成部227によって、受信信号Rx1、Rx2が合成される。すなわち、受信信号Rx1、Rx2が受信信号Rxに集約される(ステップS104)。受信信号Rx(合成受信信号)は、係数決定部229およびキャンセル部224に出力される。
その後、キャンセル信号生成部231のキャンセル式生成部228によって、それぞれ周波数f1、f2に集約された送信信号Tx1、Tx2から、受信信号Rxに対する1つの3次相互変調歪が生成される。そして、キャンセル式生成部228によって、受信信号Rxに対して、生成された1つの3次相互変調歪から、キャンセル信号Cを生成するためのキャンセル式が生成される(ステップS105)。すなわち、キャンセル式生成部228によって、上式(3)が生成される。そして、係数決定部229によって、例えば受信信号Rxを用いた最小二乗法や相関検出などが実行されることにより、キャンセル式の係数が決定される(ステップS106)。ここでは、上式(3)の係数S3、S5、S7が係数決定部229によって決定される。
係数が決定された場合、キャンセル式によってキャンセル信号Cを生成することが可能となるため、キャンセル式生成部228によって、受信信号Rxに対して、キャンセル信号Cが生成される(ステップS107)。生成されたキャンセル信号Cは、キャンセル部224に出力される。そして、キャンセル部224によって、受信信号Rxにキャンセル信号Cが合成(加算)されることにより(ステップS108)、受信信号Rxに付加された相互変調信号がキャンセルされる。相互変調信号がキャンセルされた後の受信信号Rxは、受信信号分離部232によって、受信信号Rx1、Rx2に分離される(ステップS109)。その後、受信信号Rx1、Rx2は、受信信号送出部225によって、インタフェース210を介してREC100へ送出される(ステップS110)。
以上の説明により、実施例3に係る無線通信システムの歪みキャンセル装置(キャンセル装置200)は、送信信号取得部221、受信信号取得部223、キャンセル信号生成部231、キャンセル部224を有する。キャンセル装置200は、更に、送信信号合成部226、受信信号合成部227、受信信号分離部232を有する。送信信号取得部221は、異なる周波数で無線送信される複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22を取得する。受信信号取得部223は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22によって発生する相互変調信号(3次相互変調歪)が付加された複数の受信信号Rx1、Rx2を取得する。送信信号合成部226は、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号(例えば合成送信信号Tx1、Tx2)を生成する。受信信号合成部227は、複数の受信信号Rx1、Rx2のうちの少なくとも1組の受信信号Rx1、Rx2を合成して少なくとも1つの合成受信信号(例えば合成受信信号Rx)を生成する。キャンセル信号生成部231は、合成送信信号Tx1、Tx2、および、合成受信信号Rxを用いた演算式により、相互変調信号に対応するキャンセル信号Cを生成する。キャンセル部224は、キャンセル信号Cに基づいて、合成受信信号Rxに付加された相互変調信号をキャンセルする。受信信号分離部232は、相互変調信号がキャンセルされた合成受信信号Rxを複数の受信信号Rx1、Rx2に分離する。
このように、実施例3に係る無線通信システムでは、まず、複数の送信信号Tx11、Tx12、Tx21、Tx22のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号(合成送信信号Tx1、Tx2)を生成する。また、複数の受信信号Rx1、Rx2のうちの少なくとも1組の受信信号を合成して少なくとも1つの合成受信信号(合成受信信号Rx)を生成する。その後に、合成送信信号Tx1、Tx2、および、合成受信信号Rxを用いた演算式によりキャンセル信号Cを生成する。このため、実施例3に係る無線通信システムによれば、従来技術と比べて、相互変調信号(3次相互変調歪)を算出するときの演算処理量の増大を抑制することができ、装置の回路規模を削減することができる。
なお、上記各実施例においては、キャンセル装置200のプロセッサ220によって歪みキャンセル処理が実行されるものとしたが、キャンセル装置200は、必ずしも独立した装置として配置されなくても良い。すなわち、キャンセル装置200のプロセッサ220の機能が例えばREC100のプロセッサ110に備えられていても良い。また、プロセッサ220と同等の機能を有するプロセッサがRE300aまたはRE300bに備えられていても良い。
上記各実施例において説明した歪みキャンセル処理をコンピュータが実行可能なプログラムとして記述することも可能である。この場合、このプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピュータに導入することも可能である。コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、例えばCD−ROM、DVDディスク、USBメモリなどの可搬型記録媒体や、例えばフラッシュメモリなどの半導体メモリが挙げられる。
20a、20b アップサンプリング部
21a、21b 周波数シフト部
22 信号合成部
23a、23b アップサンプリング部
24a、24b 周波数シフト部
25 信号合成部
26a、26b 周波数シフト部
27a、27b ダウンサンプリング部
100 REC
110 プロセッサ
120 メモリ
130 インタフェース
200 キャンセル装置
210 インタフェース
220 プロセッサ
221 送信信号取得部
222 送信信号送出部
223 受信信号取得部
224 キャンセル部
225 受信信号送出部
226 送信信号合成部
227 受信信号合成部
228 キャンセル式生成部
229 係数決定部
230 メモリ
231 キャンセル信号生成部
232 受信信号分離部
240 インタフェース
300a、300b RE
310a、310b、311a、311b アンテナ

Claims (7)

  1. 異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する送信信号取得部と、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が付加された複数の受信信号を取得する受信信号取得部と、
    前記複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号を生成する送信信号合成部と、
    前記少なくとも1つの合成送信信号、および、前記複数の受信信号を用いた演算式により、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、
    前記キャンセル信号に基づいて、前記複数の受信信号に付加された前記相互変調信号をキャンセルするキャンセル部と、
    を有することを特徴とする歪みキャンセル装置。
  2. 前記キャンセル信号生成部は、前記少なくとも1つの合成送信信号、前記複数の送信信号のうちの合成されていない送信信号、および、前記複数の受信信号を用いた演算式により、前記キャンセル信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の歪みキャンセル装置。
  3. 前記複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成して少なくとも1つの合成受信信号を生成する受信信号合成部と、
    受信信号分離部と、
    を更に有し、
    前記キャンセル信号生成部は、前記少なくとも1つの合成送信信号、および、前記少なくとも1つの合成受信信号を用いた演算式により、前記キャンセル信号を生成し、
    前記キャンセル部は、前記キャンセル信号に基づいて、前記少なくとも1つの合成受信信号に付加された前記相互変調信号をキャンセルし、
    前記受信信号分離部は、前記相互変調信号がキャンセルされた前記少なくとも1つの合成受信信号を前記複数の受信信号に分離する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の歪みキャンセル装置。
  4. 異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得する送信信号取得部と、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が付加された複数の受信信号を取得する受信信号取得部と、
    前記複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成して少なくとも1つの合成受信信号を生成する受信信号合成部と、
    前記複数の送信信号、および、前記少なくとも1つの合成受信信号を用いた演算式により、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成部と、
    前記キャンセル信号に基づいて、前記少なくとも1つの合成受信信号に付加された前記相互変調信号をキャンセルするキャンセル部と、
    前記相互変調信号がキャンセルされた前記少なくとも1つの合成受信信号を前記複数の受信信号に分離する受信信号分離部と、
    を有することを特徴とする歪みキャンセル装置。
  5. 前記キャンセル信号生成部は、前記複数の送信信号、前記少なくとも1つの合成受信信号、および、前記複数の受信信号のうちの合成されていない受信信号を用いた演算式により、前記キャンセル信号を生成し、
    前記キャンセル部は、前記キャンセル信号に基づいて、前記少なくとも1つの合成受信信号および前記合成されていない受信信号に付加された前記相互変調信号をキャンセルする、
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の歪みキャンセル装置。
  6. 異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得し、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が付加された複数の受信信号を取得し、
    前記複数の送信信号のうちの少なくとも1組の送信信号を合成して少なくとも1つの合成送信信号を生成し、
    前記少なくとも1つの合成送信信号、および、前記複数の受信信号を用いた演算式により、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、
    前記キャンセル信号に基づいて、前記複数の受信信号に付加された前記相互変調信号をキャンセルする、
    処理を有することを特徴とする歪みキャンセル方法。
  7. 異なる周波数で無線送信される複数の送信信号を取得し、
    前記複数の送信信号によって発生する相互変調信号が付加された複数の受信信号を取得し、
    前記複数の受信信号のうちの少なくとも1組の受信信号を合成して少なくとも1つの合成受信信号を生成し、
    前記複数の送信信号、および、前記少なくとも1つの合成受信信号を用いた演算式により、前記相互変調信号に対応するキャンセル信号を生成し、
    前記キャンセル信号に基づいて、前記少なくとも1つの合成受信信号に付加された前記相互変調信号をキャンセルし、
    前記相互変調信号がキャンセルされた前記少なくとも1つの合成受信信号を前記複数の受信信号に分離する、
    処理を有することを特徴とする歪みキャンセル方法。
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