JP2018182003A - 多層プリント配線板及び半導体パッケージ - Google Patents
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Abstract
Description
以上のように、内層回路が細線化すると共に、多層化するプリプレグの樹脂組成物の流動時の粘度が高くなるため、回路間の隙間に樹脂組成物を充填するのが難しくなる。回路間の隙間に樹脂組成物を十分に充填させる方法としては、成型時の圧力を高める方法が挙げられる。しかし、製品圧力を高くすると、内層回路にかかる応力が高くなり、内層回路が基板から剥離する、いわゆるライン浮きが発生するという問題がある。当該問題を解決することを目的として、内層回路にアンダーコート剤を塗布してから紫外線照射することでタックフリー化して平坦化し、その後、熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔をラミネートした後、加熱一体硬化させることによる多層プリント配線板の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
そこで、本発明の課題は、内層回路の基板からの剥離(ライン浮き)が予防された多層プリント配線板、及び該プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージを提供することにある。
[1]回路基板から凸状に突き出た回路と該回路によって形成される凹部に樹脂組成物を配置した後、少なくともプリプレグを積層して得られる多層プリント配線板。
[2]前記樹脂組成物がフィルム化された樹脂組成物である、上記[1]に記載の多層プリント配線板。
[3]前記凹部に配置した前記樹脂組成物と、前記プリプレグが含有する樹脂組成物とが同一である、上記[1]又は[2]に記載の多層プリント配線板。
[4]前記プリプレグ上にさらに銅箔又は厚み3〜20μmの銅箔付き樹脂フィルムを積層して得られる、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の多層プリント配線板。
[5]回路の最弱部の接着力が20mN以下である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の多層プリント配線板。
[6]製品圧力1.5MPa以上の条件で圧着されて形成された、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の多層プリント配線板。
[7]回路のライン幅(L)とラインスペース(S)との関係(L/S)が、10μm/10μm〜60μm/60μmの回路を含有する、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の多層プリント配線板。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
また、本発明では、回路基板から凸状に突き出た回路と該回路によって形成される凹部に配置する樹脂組成物と、前記プリプレグが含有する樹脂組成物とを同一の樹脂とすることができるため、この場合、両者の間に界面が形成されず、多層プリント配線板に剥離及び導通劣化等の界面由来の不具合が発生しない。
本発明の多層プリント配線板は、回路基板から凸状に突き出た回路と該回路によって形成される凹部に樹脂組成物を配置した後、少なくともプリプレグを積層して得られる多層プリント配線板である。該凹部は、回路のライン同士で形成される部位であり、回路のラインとラインの間に相当する。
前記回路を形成する導体(金属)としては、銅、金、銀、ニッケル、白金、モリブデン、ルテニウム、アルミニウム、タングステン、鉄、チタン、クロム、又はこれらの金属元素のうちの少なくとも1種を含む合金であることが好ましい。合金としては、銅系合金、アルミニウム系合金、鉄系合金が好ましい。銅系合金としては、銅−ニッケル合金等が挙げられる。鉄系合金としては、鉄−ニッケル合金(42アロイ)等が挙げられる。これらの中でも、導体としては、銅、ニッケル、42アロイがより好ましく、入手容易性及びコストの観点からは、銅がさらに好ましい。
本発明によれば、回路の最弱部の接着力が20mN以下であっても、基板からの剥離(ライン浮き)を抑制でき、10mN以下であっても同様の効果が得られる。なお、該回路の最弱部の接着力とは、多層プリント配線板内の全回路において最も弱い接着力を指す。ここで、前記接着力は、実施例に記載の方法に従って測定した接着力である。
該樹脂フィルムの厚みに特に制限はないが、「回路の導体厚み×(100−回路パターン残導体率)×0.4」以上の厚みであれば、前記凹部に予め樹脂組成物を配置する効果が大きくなるために好ましい。ここで、前記式中の残導体率(導体が銅の場合には残銅率と称する。)とは、パターニング前の金属箔面積に対するパターニング後の金属箔面積の比率を指す。
該熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フラン樹脂等が挙げられる。また、特にこれらに制限されず、公知の熱硬化性樹脂を使用できる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、成形性及び電気絶縁性の観点から、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。
また、エポキシ樹脂として、難燃性の観点から、ハロゲン化エポキシ樹脂を用いてもよい。エポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、絶縁信頼性及び耐熱性の観点から、2種以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量に特に制限はないが、耐熱性の観点から、好ましくは50〜500g/eq、より好ましくは100〜400g/eq、さらに好ましくは200〜250g/eqである。
マレイミド化合物としては、複数のマレイミド基のうちの任意の2個のマレイミド基の間に脂肪族炭化水素基を有するマレイミド化合物であるか、又は、複数のマレイミド基のうちの任意の2個のマレイミド基の間に芳香族炭化水素基を含有するマレイミド化合物[以下、芳香族炭化水素基含有マレイミドと称する]が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、誘電特性、ガラス転移温度、熱膨張係数及び成形性の観点から、芳香族炭化水素基含有マレイミドが好ましい。芳香族炭化水素基含有マレイミドは、任意に選択した2つのマレイミド基の組み合わせのいずれかの間に芳香族炭化水素基を含有していればよい。
また、各成分を十分に混合するために、樹脂組成物の調製に際し、水又は有機溶剤を使用して樹脂ワニスとしてもよい。
前記樹脂ワニスを離型フィルムに塗布し、水又は有機溶剤を除去して乾燥させることにより、樹脂組成物をフィルム化することができる。当該方法によって、離型フィルム付き樹脂フィルムが得られる。この離型フィルム付き樹脂フィルムを用いて前記凹部に樹脂組成物を配置するのに用いてもよいし、又は、繊維基材に加熱ラミネートすることによって後述のプリプレグを形成することもできる。
離型フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリエチレン、ポリビニルフルオレート、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)等の有機フィルム;銅、アルミニウム、及びこれら金属の合金のフィルムか、これら有機フィルム又は金属フィルムの表面に離型剤で離型処理を行ったフィルムなどが挙げられる。これらの離型フィルムは、離型剤によって離型処理されたものであってもよい。
該プリプレグとしては、プリント配線板に用いられる公知のプリプレグを使用することができる。前記凹部に配置した前記樹脂組成物と、前記プリプレグが含有する樹脂組成物とが同一であると、両者の間に界面が形成されず、多層プリント配線板に剥離及び導通劣化等の界面由来の不具合が発生しないため、特許文献1の問題(アンダーコート剤と熱硬化型絶縁性接着剤の組成が相違する点)を解消でき、この観点から、当該態様が好ましい。ここで、樹脂組成物が「同一」であるとは、含有する成分が同一であることを意味し、各成分の含有量まで一致している必要はない。しかし、1つの樹脂組成物を、凹部に配置するための樹脂組成物と、プリプレグが含有する樹脂組成物とに分けて用いることがより好ましく、このとき、両者の樹脂組成物は完全同一であると言える。
繊維基材としては、各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。繊維基材の材質としては、紙、コットンリンターのような天然繊維;ガラス繊維及びアスベスト等の無機物繊維;セルロース、アラミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、テトラフルオロエチレン及びアクリル等の有機繊維;これらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、難燃性の観点から、ガラスクロスが好ましい。
これらの繊維基材は、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット又はサーフェシングマット等の形状を有する。なお、材質及び形状は、目的とする成形物の用途及び性能により選択され、1種を単独で使用してもよいし、必要に応じて、2種以上の材質及び形状を組み合わせることもできる。
プリプレグ全体の厚さは、成形性及び作業性の観点から、10〜700μmであってもよく、10〜500μmであってもよく、20〜250μmであってもよく、30〜170μmであってもよいが、本発明においては、プリプレグ全体の厚さが10〜50μmであっても、前記課題が解決された多層プリント配線板を得ることが可能であり、プリプレグの厚み、ひいては樹脂組成物部位の厚みを考慮する必要がない。
具体的には、前記プリプレグ上にさらに銅箔又は厚み3〜20μmの銅箔付き樹脂フィルムを積層して得られる。厚み3〜20μmの銅箔付き樹脂フィルムは、一般的にはセミアディティブ工法用プライマーと称されることがあり、樹脂層の厚みは2〜8μm程度、より詳細には、5±1μm程度のもの(例えば、商品名:SAPP(日立化成株式会社製)等)が市販されている。また、銅箔の厚みは、好ましくは5〜15μmである。
金属箔が配置された後、加熱圧着することによって、本発明の多層プリント配線板が得られる。加熱圧着の際の条件としては、特に制限されるものではないが、好ましくは、真空下、80℃から150℃までは2〜3℃/分で昇温し、その後220℃まで昇温してから80〜110分保持する。また、110℃までは0.5MPaを維持し、その後は0.05〜0.5MPa/分で昇圧し、0.5〜3.0MPaで加熱終了まで圧力を保持するという条件が好ましい。特に、製品圧力1.5MPa以上、詳細には1.5〜3.0MPa(特に2.0〜3.0MPa)の条件で圧着されたとしても、内層回路の基板からの剥離(ライン浮き)が生じ難い点、並びにボイドが生じ難くなる点で有利である。なお、加熱圧着する際のより詳細な条件は、実施例に記載の条件を参照できる。
本発明は、前記多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージも提供する。本発明の半導体パッケージは、前記多層プリント配線板の所定の位置に半導体チップ、メモリ等の半導体素子を搭載し、封止樹脂等によって半導体素子を封止することによって製造できる。
なお、各例で実施した評価方法又は測定方法は、以下の通りである。
各例で用いた、ライン幅20μm及びライン幅50μmの両方の回路パターンの基板への接着力について、標準タイプデジタルフォースゲージ(ZTS−2N、株式会社イマダ製)を用いて、引き剥がし角度90±5°、引き剥がし速度2.5mm/分で5mm引き剥がして測定した。なお、各ライン幅で1mm毎にピーク接着力を読取り、5点の平均値を求め、これを接着力とした。
その結果、(1)ライン幅20μmの回路パターンの接着力は18mN、(2)ライン幅50μmの回路パターンの接着力は43mNであった。
各例で得た多層プリント配線板の外層銅箔をエッチング除去した後、倍率100倍の拡大鏡を使用して、内層回路の変形(ライン浮き)について観察した。観察は、基板の表裏について、中央及び4隅の合計5箇所で、且つ(1)ライン幅20μmの回路パターンと(2)ライン幅50μmの回路パターンの両方についてそれぞれ2個ずつ観察し、各ライン幅において計20点を観察し、内層回路の変形(ライン浮き)が観察された箇所を数えた。
各例で得た多層プリント配線板の外層銅箔をエッチング除去して評価試料とし、該評価試料を用いて、ボイドの有無を目視で観察し、多層プリント配線板の成形性について、下記評価基準に従って評価した。
A:ボイドがなく、成形性が良好である。
C:ボイドがあり、成形性が不良である。
各例で得た多層プリント配線板の外層銅箔をエッチング除去した後、さらに外周50mm相当を除いた部分から50mm角の試験片を5つ切り出した。その試験片5つを吸湿処理(条件:D−1/100)した後、288℃のはんだ浴に浮かべ、膨れる(破壊する)までの時間(秒)を測定し、耐熱性の指標とした。
288℃のはんだ浴に浮かべる処理は300秒で終了とし、変化のない試験片については、300秒と記載した。
但し、前記の成形性評価にてボイドのあった場合は、耐熱性の試験を実施しなかった。
(樹脂フィルムAの作製)
o−トリジン35.8g、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン469.5g、m−アミノフェノール35.7g、及びジメチルアセトアミド360.0gを容器に入れ、100℃で2時間反応させて、分子中にビフェニル骨格を有したポリイミド化合物含有溶液Aを得た。
得られたポリイミド化合物含有溶液A 50質量部に対して、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名、エピクロンN−770)30質量部、クレゾールノボラック樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェノライトKA−1165)20質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名:HP−360)30質量部、溶融シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名:SC2050−KC)90質量部、硬化促進剤としてイミダゾール誘導体(第一工業製薬株式会社製、商品名:G8009L)0.3質量部にメチルエチルケトンを加えて混合及び溶解し、樹脂分65質量%の樹脂ワニスAを作製した。
得られた樹脂ワニスAを、580mm幅のPETフィルム(商品名:テイジンテトロンフィルムG2、帝人デュポンフィルム株式会社製)に塗布した。このとき、塗布幅は525mmで厚みは乾燥後5μmになるように、塗布量を調整し、110℃で乾燥させることによって樹脂フィルムAを作製した。
(プリプレグAの作製)
前記熱樹脂ワニスAを、530mm幅のガラスクロス(IPCスペック#1027、日東紡株式会社製)に乾燥後の樹脂分量が74質量%となるように塗布し、プリプレグAを作製した。
(1)ライン幅(L)/ライン間隔(S)=20μm/20μm、ライン長40mm、本数80本の櫛形パターン、及び
(2)ライン幅(L)/ライン間隔(S)=50μm/50μm、ライン長40mm、本数80本の櫛形パターン、
の2通りの櫛形パターンを1セットとしたパターンを4個纏めたものを銅張積層板(日立化成株式会社製、商品名:MCL−E−700G、厚み0.4mm、銅箔の厚み12μm)510mm角の基板の両面に、中央及び4隅の計5箇所に、そして他の部分はφ5mmの水玉模様で残銅率30%になる様にサブトラクティブ工法でパターン成型した。得られた内層基板を内層密着処理(CZ−8101処理、メック株式会社製)し、内層基板Aを作製した。
この内層基板Aの両面に、樹脂フィルムAをロール温度100℃、線圧0.2MPa、速度2.0m/分でロールラミネートし、次いで、冷却ロールで室温まで冷却し、内層基板の表面に絶縁樹脂層を形成した内層基板aを作製した。
(多層プリント配線板の作製)
厚み1.8mmで530mm角のSUS製鏡板によって、「銅箔(三井金属鉱業株式会社製、商品名:MT−18Ex−5)/プリプレグA/PETフィルムを剥離した内層基板a/プリプレグA/銅箔」の構成にしたものを挟み、真空雰囲気下、製品温度80〜150℃における昇温温度が2〜3℃/分、そして最高到達温度220℃で90分保持し、製品圧力は、製品温度110℃までは0.5MPaとし、その後、0.5MPa/分で昇圧して3.0MPaで加熱終了まで圧力を保持するという条件で積層し、4層プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
(樹脂フィルムBの作製)
実施例1において、樹脂ワニスAをPETフィルム(商品名:テイジンテトロンフィルムG2、帝人デュポンフィルム株式会社製)に塗布する際に、乾燥後の厚みが15μmになるように塗布量を調整したこと以外は同様にして操作を行い、樹脂フィルムBを作製した。
(プリプレグBの作製)
実施例1のプリプレグAの作製において、乾燥後の樹脂分量が68質量%になるように塗布したこと以外は同様にして操作を行い、プリプレグBを作製した。
実施例1の内層基板Aの作製において、φ5mmの水玉模様の残銅率を70%となる様にサブトラクティブ工法でパターン成型したこと以外は同様にして操作を行い、内層基板Bを作製した。
この内層基板Bの両面に、真空ラミネータ(商品名:MVLP500、名機製作所製)によって、120℃で、真空時間20秒、次いで、0.3MPaにて加圧時間30秒で、樹脂フィルムBを接着し、内層基板Bの表面に絶縁樹脂層を形成した内層基板bを作製した。
(多層プリント配線板の作製)
厚み1.8mmで530mm角のSUS製鏡板によって、「セミアディティブ工法用プライマー(商品名:SAPP、日立化成株式会社製)/プリプレグB/PETフィルムを剥離した内層基板b/プリプレグB/セミアディティブ工法用フィルム」の構成にしたものを挟み、真空雰囲気下、製品温度80〜150℃における昇温温度が2〜3℃/分、そして最高到達温度220℃で90分保持し、製品圧力は、製品温度110℃までは0.5MPaとし、その後、0.1MPa/分で昇圧して3.0MPaで加熱終了まで圧力を保持するという条件で積層し、4層プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、内層基板Aに樹脂フィルムAを貼らず、直接プリプレグAが内層基板と接するように構成したこと以外は同様にして、4層プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2において、内層基板Bに樹脂フィルムBを貼らず、直接プリプレグBが内層基板と接するように構成したこと以外は同様にして、4層プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
(樹脂フィルムA及びプリプレグAの作製)
実施例1と同様にして、樹脂フィルムA及びプリプレグAを作製した。
(絶縁樹脂付きプリプレグAの作製)
プリプレグAの片面に、樹脂フィルムAをロール温度100℃、線圧0.2MPa、速度2.0m/分でロールラミネートし、次いで、冷却ロールで室温まで冷却し、絶縁樹脂付きプリプレグAを作製した。
(多層プリント配線板の作製)
実施例1の多層プリント配線板の作製において、「銅箔(三井金属鉱業株式会社製、商品名:MT−18Ex−5)/絶縁樹脂付きプリプレグA/内層基板A/絶縁樹脂付きプリプレグA/銅箔」の構成にしたこと以外は同様にして操作を行い、4層プリント配線板を製造した。なお、絶縁樹脂付きプリプレグAの絶縁樹脂側を内層基板Aに向けた構成とした。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
(樹脂フィルムB及びプリプレグBの作製)
実施例2と同様にして、樹脂フィルムB及びプリプレグBを作製した。
(絶縁樹脂付きプリプレグBの作製)
プリプレグBの片面に、樹脂フィルムBをロール温度100℃、線圧0.2MPa、速度2.0m/分でロールラミネートし、次いで、冷却ロールで室温まで冷却し、絶縁樹脂付きプリプレグBを作製した。
(多層プリント配線板の作製)
実施例2の多層プリント配線板の作製において、「セミアディティブ工法用プライマー(商品名:SAPP、日立化成株式会社製)/絶縁樹脂付きプリプレグB/内層基板B/絶縁樹脂付きプリプレグB/セミアディティブ工法用フィルム」の構成にしたこと以外は同様にして操作を行い、4層プリント配線板を製造した。なお、絶縁樹脂付きプリプレグBの絶縁樹脂側を内層基板Bに向けた構成とした。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
比較例3において、加熱終了まで保持する圧力を3.0MPaから1.0MPaへ変更したこと以外は同様にして操作を行い、4層プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
比較例4において、加熱終了まで保持する圧力を3.0MPaから1.0MPaへ変更したこと以外は同様にして操作を行い、4層プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、内層基板Aの表面に樹脂フィルムAをラミネートせずに、内層基板Aの表面にアンダーコート(商品名:UC3000−15、山栄化学株式会社製)をスクリーン印刷法で形成した。印刷後、前記アンダーコートを紫外線硬化(露光量:1J/cm2)し、バフケンマ(商品名:クリアバフEV#1000、株式会社角田ブラシ製作所製)で研磨した後、内層回路の回路パターン上にアンダーコート層が10μm残る様に研磨し、内層基板cを作製した。
実施例1の多層プリント配線板の作製において、内層基板aを内層基板cに置き換えたこと以外は同様にして操作を行い、4層板プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
実施例2において、内層基板Bの表面に樹脂フィルムBをラミネートせずに、内層基板Bの表面にアンダーコート(商品名:UC3000−15、山栄化学株式会社製)をスクリーン印刷法で形成した。印刷後、前記アンダーコートを紫外線硬化(露光量:1J/cm2)し、バフケンマ(商品名:クリアバフEV#1000、株式会社角田ブラシ製作所製)で研磨した後、内層回路の回路パターン上にアンダーコート層が10μm残る様に研磨し、内層基板dを作製した。
実施例2の多層プリント配線板の作製において、内層基板bを内層基板dに置き換えたこと以外は同様にして操作を行い、4層板プリント配線板を製造した。
得られた4層プリント配線板について、前記方法に従った各評価及び測定を行った。結果を表1に示す。
比較例1及び2の結果から、内層基板に樹脂フィルムを貼らなかった場合には、内層回路が変形し易く、且つ耐熱性が低下することがわかる。
比較例3及び4の結果から、単に樹脂組成物(絶縁樹脂)を内層回路側へ配置するだけでは内層回路が変形し易いことがわかる。
比較例5及び6では、内層回路が変形しないように保持圧力を低下させたが、その結果、成形性が低下してしまい、内層回路の変形抑制と成形性の保持との両立が困難であることがわかる。
実施例の結果と、参考例1及び2の結果とを対比すると、内層基板にラミネートする樹脂組成物とプリプレグが含有する樹脂組成物とが同一であることが、耐熱性の観点から好ましいことがわかる。
Claims (8)
- 回路基板から凸状に突き出た回路と該回路によって形成される凹部に樹脂組成物を配置した後、少なくともプリプレグを積層して得られる多層プリント配線板。
- 前記樹脂組成物がフィルム化された樹脂組成物である、請求項1に記載の多層プリント配線板。
- 前記凹部に配置した前記樹脂組成物と、前記プリプレグが含有する樹脂組成物とが同一である、請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
- 前記プリプレグ上にさらに銅箔又は厚み3〜20μmの銅箔付き樹脂フィルムを積層して得られる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層プリント配線板。
- 回路の最弱部の接着力が20mN以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層プリント配線板。
- 製品圧力1.5MPa以上の条件で圧着されて形成された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層プリント配線板。
- 回路のライン幅(L)とラインスペース(S)との関係(L/S)が、10μm/10μm〜60μm/60μmの回路を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層プリント配線板。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多層プリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体パッケージ。
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