JP6830191B2 - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板 Download PDF

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本発明は、エポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板に関する。
従来から、半導体装置は高密度化、高集積化及び動作の高速化の傾向にあり、パッケージ形態はピン挿入方式から表面実装方式に移行するとともに小型、薄型化が積極的に行われている。
表面実装方式として、ベアチップ(半導体)を基板上に直接搭載してワイヤーボンディングにより接続する、チップオンボード(COB:Chip On Board)が広く用いられている(特許文献1)。特に、高温に長時間曝されてもワイヤーボンディングの接合信頼性や、耐熱性が要求される場面では、図4に示す半導体装置100が用いられている。半導体装置100は、接合体130を介してセラミック基板110上に半導体120を搭載し、金製の金属ワイヤー(以下、金ワイヤー140という)で半導体120とセラミック基板110のアルミニウム製のボンドパッド部(以下、アルミパッド部111という)とを電気的に接続し、封止樹脂体150で封止してなる。
近年、コスト削減のため、セラミック基板110をより安価な有機基板に置き換える動向がある。
特開2008−060309号公報
しかしながら、セラミック基板110を有機基板に置き換えた半導体装置100が高温(160℃)環境下に長時間(2000時間)曝されると、例えばアルミパッド部111と金ワイヤー140とのワイヤー接合部Aの接合強度が低下して十分ではなくなるおそれがあった。すなわち、有機基板を備える半導体装置100が高温環境下に長時間曝されると、金ワイヤーとアルミパッド部とのワイヤーボンディングの接合信頼性が十分ではなくなるおそれがあった。
そこで、高温環境下に長時間曝されても、金ワイヤーとアルミパッド部とのワイヤーボンディングの接合信頼性に優れる半導体装置とすることができるエポキシ樹脂組成物、プリプレグ、金属張積層板及びプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む有機成分と、平均粒子径が1.5μm以上3μm以下である球状シリカ粒子を含む無機成分と、を含有し、硬化後のブタノール含有量が、ガスクロマトグラフィー質量(GC−MS)分析法にて測定検出限界未満であり、硬化後の塩素含有量が900ppm以下、且つ、硬化後の臭素含有量が900ppm以下であることを特徴とする。
本発明のプリプレグは、繊維基材と、前記繊維基材に含浸された、前記エポキシ樹脂組成物の半硬化物と、を備えることを特徴とする。
本発明の金属張積層板は、前記プリプレグの1枚の硬化物又は複数枚の積層物の硬化物と、前記硬化物の片面または両面に接着された金属箔と、を備えることを特徴とする。
本発明のプリント配線板は、前記プリプレグの1枚の硬化物又は複数枚の積層物の硬化物と、前記硬化物の片面または両面に接着された導体配線と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高温環境下に長時間曝されても、金ワイヤーとアルミパッド部とのワイヤーボンディングの接合信頼性に優れる半導体装置とすることができる。
本発明の実施形態に係る半導体装置の、プリント配線板の厚み方向における概略断面図である。 図2Aは、熱衝撃試験に用いる評価用基板の4層階段デイジーチェーンパターンの形成部位の概略断面図であり、図2Bは、熱衝撃試験に用いる評価用基板の外層デイジーチェーンパターンの形成部位の概略断面図である。 図3Aは格子パターンの一部に形成された中抜け部を示す、4層板成型性の評価試験で用いるコア基板の概略正面図であり、図3Bは図3A中のP部の拡大正面図である。 従来の半導体装置の、セラミック基板の厚み方向における概略断面図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
[本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物]
図1は、本実施形態に係る半導体装置1の、プリント配線板10の厚み方向に切断した概略断面図である。図1中、1は半導体装置、10はプリント配線板、11はアルミニウム製のボンドパッド部(以下、アルミパッド部という)、20は半導体、30は金製の金属ワイヤー(以下、金ワイヤーという)、40は接合体、50は封止樹脂体である。なお、図1において、プリント配線板1の導体配線、スルーホール、半田付け用電子部品などは省略している。
本実施形態に係るエポキシ樹脂組成物(以下、単にエポキシ樹脂組成物という場合がある)は、COBタイプの半導体装置1に用いられるプリント配線板10の構成材料として好適に用いられ、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む有機成分を含有する。さらにエポキシ樹脂組成物は、硬化後のブタノール含有量が、ガスクロマトグラフィー質量(GC−MS)分析法にて測定検出限界未満(以下、単に測定検出限界未満という場合がある)であり、硬化後の塩素含有量が900ppm以下、且つ、硬化後の臭素含有量が900ppm以下である。これにより、高温(160℃)の環境下に長時間(2000時間)曝されても、金ワイヤー30とアルミパッド部11とのワイヤーボンディングの接合信頼性に優れる半導体装置1とすることができる。これは、プリント配線板10のアルミパッド部11と金ワイヤー30とのワイヤー接合部Aの腐食の進行を加速させる要素が少なくなったためと推測される。腐食とは、例えば、ボイドが発生することなどをいう。さらに、従来のセラミック基板110に代えてプリント配線板10を用いることができるので、コスト面で有利である。
硬化後のブタノール含有量とは、エポキシ樹脂組成物を用いて実施例と同様にして金属張積層板を作製し、実施例に記載のブタノール含有量の測定方法と同一の測定方法により測定した値である。測定検出限界未満とは、実施例に記載のブタノール含有量の測定方法と同一の測定方法により測定した値が0.16ppm未満であることをいう。硬化後の塩素含有量とは、エポキシ樹脂組成物を用いて実施例と同様にして金属張積層板を作製し、実施例に記載の塩素含有量の測定方法と同一の測定方法により測定した値である。硬化後の臭素含有量とは、エポキシ樹脂組成物を用いて実施例と同様にして金属張積層板を作製し、実施例に記載の臭素含有量の測定方法と同一の測定方法により測定した値である。
エポキシ樹脂組成物は、硬化後のブタノール含有量が、ガスクロマトグラフィー質量(GC−MS)分析法にて測定検出限界未満である。ブタノール含有量が測定検出限界を超えると、塩素含有量及び臭素含有量が上記範囲内であっても、エポキシ樹脂組成物の硬化物中に含まれる微量の塩素又は臭素(以下、まとめてハロゲンという場合がある)と、ブタノールとが反応して、ハロブタンが生成しやすくなる。これによりワイヤー接合部Aにボイドが発生しやすくなり、半導体装置1はワイヤーボンディングの接合信頼性が不十分となるおそれがある。これは、ハロブタンが、ワイヤー接合部Aの外周部から内部に入り込み、カーケンドール現象の進行を加速させるためと推測される。特に、ブタノールが直鎖状のn−ブチルアルコールの場合、ハロゲン化合物が生成しやすい。なお、ブタノールは、エポキシ樹脂組成物を構成する材料として用いられていなくとも、半導体装置1を製造する過程、特にエポキシ樹脂組成物を硬化させる過程においてエポキシ樹脂組成物の分解等によってブタノールが生成することがある。このような材料として、例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製の品名「XZ92741」などが挙げられる。ここで、カーケンドール現象とは、異なる2つの金属が相互拡散により接合される場合、各々の材料がもつ固有拡散係数に差があると、拡散係数の大きい材料側にボイドが生じる現象である。この現象は特に高温時に起こりやすい。ハロブタンとしては、ブタノールの水酸基がハロゲン原子に置換したハロゲン化合物等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物は、硬化後の塩素含有量が900ppm以下、好ましくは450ppm以下、より好ましくは300ppm以下である。エポキシ樹脂組成物は、硬化後の臭素含有量が900ppm以下、好ましくは450ppm以下、より好ましくは300ppm以下である。エポキシ樹脂組成物は、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量の少なくとも一方が900ppmを超えると、硬化後のブタノール含有量が測定検出限界未満であっても、ワイヤー接合部Aにボイドやクラックが発生しやすくなり、半導体装置1はワイヤーボンディングの接合信頼性が不十分となるおそれがある。これは、このエポキシ樹脂組成物由来のハロゲンがワイヤー接合部Aの外周部から内部に入り込み、ハロゲンが触媒となってワイヤー接合部Aの腐食の進行を加速させるためと推測される。なお、塩素及び臭素は、エポキシ樹脂組成物を構成する材料がハロゲンフリーであっても、半導体装置1を製造する過程でエポキシ樹脂組成物に不可避的に混入してしまうことがある。
エポキシ樹脂組成物は、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量の合計は、好ましくは900ppm以下、より好ましくは600ppm以下である。硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量の合計が上記範囲内であれば、高温環境下に長時間曝されてもワイヤーボンディングの接合信頼性により優れる半導体装置1とすることができる。
<有機成分>
エポキシ樹脂組成物は有機成分を含有する。有機成分としては、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含有し、必要に応じて、ゴム粒子、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などをさらに含有してもよい。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂組成物は有機成分としてエポキシ樹脂を含有する。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタンノボラック型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のアリールアルキレン型エポキシ樹脂、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂などのナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンジオールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、メトキシナフタレン変性クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、メトキシナフタレンジメチレン型エポキシ樹脂等のナフタレン骨格変性エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などを用いることができる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、これら2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、エポキシ樹脂がナフタレン骨格を有すること、すなわちエポキシ樹脂としてナフタレン型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。これにより、プリント配線板10や後述する本実施形態に係る金属張積層板(以下、まとめてプリント配線板10等という)のガラス転移温度(Tg)を、ナフタレン型エポキシ樹脂を用いない場合に比べて、より高くすることができる。さらにプリント配線板10等の抵抗変化率を±5%以内に抑制することができる。プリント配線板10等の抵抗変化率は、実施例に記載の熱衝撃試験の測定方法と同一の測定方法により測定した値である。
エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂組成物中の有機成分100質量部に対して、好ましくは75質量部以上125質量部以下、より好ましくは85質量部以上100質量部以下である。なかでもナフタレン型エポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂組成物中の有機成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上70質量部以下、より好ましくは30質量部以上60質量部以下である。
(硬化剤)
エポキシ樹脂組成物は、有機成分として硬化剤を含有する。硬化剤としては、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物、イミダゾール系化合物、スルフィド樹脂、ジシアンジアミドなどを用いることができる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、これら2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、硬化剤がフェノール骨格を有すること、すなわち硬化剤としてフェノール型硬化剤を含むことが好ましい。これにより、より吸湿しにくいプリント配線板10等とすることができる。
(硬化促進剤)
エポキシ樹脂組成物は、有機成分として硬化促進剤を含有する。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物、アミン系化合物、チオール化合物、金属石鹸などの有機酸金属塩などを用いることができる。
<無機成分>
エポキシ樹脂組成物は、無機成分をさらに含有してもよい。無機成分を構成する材料としては、例えば、シリカ、ベーマイト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、クレー、マイカなどを用いることができる。これらのうちの1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機成分の形状は、特に限定されず、例えば、球状、破砕状などが挙げられる。無機成分の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上5μm以下、より好ましくは0.1μm以上2.5μm以下である。なかでも、無機成分は球状シリカ粒子を含み、この球状シリカ粒子の平均粒子径が0.1μm以上3μm以下であることが好ましい。これにより、4層板成型性に優れるプリント配線板10等とすることができる。球状シリカ粒子の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上3μm以下、より好ましくは0.1μm以上2.5μm以下である。ここで、平均粒子径とは、体積累積平均径(D50)を意味する。平均粒子径の測定には、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置MT−3300(日機装(株)製)を用いることができる。
無機成分の含有量は、有機成分100質量部に対して、好ましくは150質量部以上220質量部以下、より好ましくは160質量部以上210質量部以下である。これにより、プリント配線板10等の熱膨張係数(Coefficient of Thermal Expansion)を20ppm以下に抑制することができる。プリント配線板10等の熱膨張係数は、実施例に記載の熱膨張係数(CTE(α1))の測定方法と同一の測定方法により測定した値である。
[エポキシ樹脂組成物の調製方法]
エポキシ樹脂組成物の調製方法としては、例えば、有機成分、その他必要に応じて配合する成分を、それぞれ所定の配合量準備し、これらを溶媒中で配合し、さらに攪拌、混合する方法などが挙げられる。溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエンなどを用いることができる。
[本実施形態に係るプリプレグ]
本実施形態に係るプリプレグ(以下、単にプリプレグという場合がある)は、繊維基材と、繊維基材に含浸された、エポキシ樹脂組成物の半硬化物と、を備える。
プリプレグは上記のエポキシ樹脂組成物の半硬化物を備えるので、プリプレグの硬化後のブタノール含有量、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量は、エポキシ樹脂組成物の硬化後のブタノール含有量、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量とそれぞれ同一である。また、プリプレグの硬化後のブタノール含有量、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量の測定方法は、エポキシ樹脂組成物の硬化後のブタノール含有量、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量の測定方法と同一である。
繊維基材を構成する繊維としては、例えば、ガラス繊維、芳香族ポリアミド繊維、液晶ポリエステル繊維、ポリ(パラフェニレンベンゾビスオキサゾール)(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)繊維などを用いることができ、なかでもガラス繊維を用いることが好ましい。
ガラス繊維としては、例えば、Eガラス繊維、Dガラス繊維、Sガラス繊維、Tガラス繊維、NEガラス繊維、石英繊維(Qガラス)などを用いることができる。これにより、電気絶縁性、誘電特性により優れるプリプレグの硬化物とすることができる。
繊維基材の表面はカップリング剤で改質されていてもよい。カップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
繊維基材の形態としては、例えば、平織などのように縦糸及び横糸がほぼ直交するように織られた織布;不織布などが挙げられる。繊維基材の厚みは、好ましくは10〜200μmである。
プリプレグの製造方法としては、連続式製法、バッチ式製法などが挙げられる。連続式製法は、走行する長尺状の繊維基材を、溶媒を含むエポキシ樹脂組成物(以下、ワニスという場合がある)に含浸させて樹脂含浸基材を得、得られる樹脂含浸基材を加熱乾燥し、溶媒を除去することにより、エポキシ樹脂組成物を半硬化させ、必要な大きさに切断する方法である。バッチ式製法は、必要な大きさに切断した繊維基材を、ワニスに含浸させて樹脂含浸基材を得、得られる樹脂含浸基材を加熱乾燥し、溶媒を除去することにより、エポキシ樹脂組成物を半硬化させる方法である。加熱乾燥する温度は、好ましくは110℃以上150℃以下である。
[本実施形態に係る金属張積層板]
本実施形態に係る金属張積層板(以下、単に金属張積層板という場合がある)は、プリプレグの1枚の硬化物又は複数枚の積層物の硬化物(以下、第一絶縁層という場合がある)と、この硬化物の片面または両面に接着された金属箔と、を備える。すなわち、金属張積層板の構成は、第一絶縁層と、この第一絶縁層の片面に接着された金属箔との2層構成、又は第一絶縁層と、この第一絶縁層の両面に接着された金属箔との3層構成である。
金属張積層板を構成する第一絶縁層は上記のエポキシ樹脂組成物の硬化物を備えるので、金属張積層板のブタノール含有量、塩素含有量及び臭素含有量は、エポキシ樹脂組成物の硬化後のブタノール含有量、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量とそれぞれ同一である。金属張積層板のブタノール含有量、塩素含有量及び臭素含有量の測定方法は、実施例に記載のブタノール含有量の測定方法、塩素含有量の測定方法及び臭素含有量の測定方法とそれぞれ同一である。
金属張積層板の製造方法としては、例えば、プリプレグを複数枚重ね合わせて積層物を得、得られた積層物の片側又は両側に金属箔を配置して金属箔付きの積層物を得、この金属箔付きの積層物を加熱加圧成形して、積層一体化する方法;1枚のプリプレグの片面又は両面に金属箔を配置して金属箔付きのプリプレグを得、この金属箔付きのプリプレグを加熱加圧成形して、積層一体化する方法などが挙げられる。加熱加圧成形をする方法としては、例えば、多段真空プレス法、ダブルベルトプレス法などが挙げられる。多段真空プレス法の条件は、例えば、140〜200℃、0.5〜5.0MPa、40〜240分間である。
[本実施形態に係るプリント配線板10]
本実施形態のプリント配線板10(以下、単にプリント配線板10という場合がある)は、プリプレグの1枚の硬化物又は複数枚の積層物の硬化物(以下、第二絶縁層という場合がある)と、この硬化物の片面又は両面に設けられた導体配線とを備える。プリント配線板10は、第二絶縁層と、この第二絶縁層の片面又は両面に導体配線とからなる単層構造のプリント配線板(以下、コア基板という場合がある);コア基板の導体配線が形成された面上に、第二絶縁層(以下、層間絶縁層という場合がある)と内層の導体配線(以下、内層導体配線という場合がある)とが交互に形成されて構成され、最外層に導体配線が形成された多層構造のプリント配線板などを含む。多層構造のプリント配線板の層数は特に限定されない。
プリント配線板10を構成する第二絶縁層は上記のエポキシ樹脂組成物の硬化物を備えるので、プリント配線板10のブタノール含有量、塩素含有量及び臭素含有量は、エポキシ樹脂組成物の硬化後のブタノール含有量、硬化後の塩素含有量及び硬化後の臭素含有量とそれぞれ同一である。プリント配線板10のブタノール含有量、塩素含有量及び臭素含有量の測定方法は、実施例に記載のブタノール含有量の測定方法、塩素含有量の測定方法及び臭素含有量の測定方法とそれぞれ同一である。
単層構造のプリント配線板の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記の金属張積層板の金属箔の一部をエッチングにより除去して導体配線を形成するサブトラクティブ法;上記の金属張積層板の金属箔の全てをエッチングにより除去して積層体の硬化物を得、得られた積層体の硬化物の片面又は両面に無電解めっきによる薄い無電解めっき層を形成し、めっきレジストにより非回路形成部を保護した後、電解めっきにより回路形成部に電解めっき層を厚付けし、その後めっきレジストを除去し、回路形成部以外の無電解めっき層をエッチングにより除去して導体配線を形成するセミアディティブ法などが挙げられる。多層構造のプリント配線板の製造方法としては、特に限定されず、例えば、ビルドアッププロセスなどが挙げられる。
プリント配線板10はCOBタイプの半導体装置1に好適に用いられる。半導体装置1は、図1に示すように、プリント配線板10と、半導体20と、金ワイヤー30と、接合体40と、封止樹脂体50とを備える。プリント配線板10の導体配線はアルミパッド部11を有する。半導体20は、素子面20aを有し、この素子面20aに電極パッド部(図示せず)を有する。半導体20は、接合体40を介してプリント配線板10上に、素子面20aがプリント配線板10側とは反対側となるように載置されている。半導体20の電極パッド部とプリント配線板10のアルミパッド部11とは、金ワイヤー30により電気的に接続されている。半導体20、金ワイヤー30及びアルミパッド部11は、封止樹脂体50によって封止されている。また、半導体装置1のプリント配線板10上には、チップ抵抗、チップコンデンサなどの半田付け用電子部品が搭載されていてもよい。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1〜6、比較例1〜6]
(エポキシ樹脂組成物)
エポキシ樹脂組成物の原料として、以下のものを用意した。有機成分、無機成分及び溶媒を表1及び表2に示す割合で配合して、これを撹拌、混合して均一化することにより、エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、表1及び表2中の各製品の質量部の記載について、「(固形分)」の記載があるものは製品の固形分の質量部を指し、「(固形分)」の記載がないものは製品自体の質量部を指す。
<有機成分>
(エポキシ樹脂)
・品名「EPPN502H」(トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、エポキシ当量:170g/eq)
・品名「HP4710」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、DIC株式会社製、エポキシ当量240g/eq)
・品名「5046B80」(臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学株式会社、溶剤:MEK(メチルエチルケトン)、臭素含有量:21%、固形分:80%(MEKカット)、エポキシ当量:470g/eq)
・品名「NC3000」(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、エポキシ当量:230g/eq)
(硬化剤)
・品名「TD−2090 60M」(ノボラック型フェノール樹脂、DIC株式会社製、固形分:60%、溶剤:MEK、水酸基当量:105g/eq)
・品名「XZ92741」(リンフェノール樹脂、ダウ・ケミカル日本株式会社製)
・品名「LA−7052」(ATN(アミノトリアジンノボラック)、DIC株式会社製、溶剤:MEK、窒素含有量:8%、固形分:60%、水酸基当量:120g/eq)
(硬化促進剤)
・品名「2E4MZ」(イミダゾール、四国化成工業株式会社製)
<無機成分>
・品名「SC2500−SQ」(球状シリカ粒子、株式会社アドマテックス製、平均粒子径:0.5μm)
・品名「SC5500−SQ」(球状シリカ粒子、株式会社アドマテックス製、平均粒子径:1.5μm)
・品名「AC9000−SI」(アルミニウム粒子、株式会社アドマテックス製、平均粒子径:10μm)。
<溶媒>
・MEK
・ブタノール
なお、上記のエポキシ当量、臭素含有量、固形分、水酸基当量、窒素含有量及び平均粒子径はカタログ値である。
(プリプレグ)
得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、下記の連続式製法により、第一プリプレグと、第二プリプレグの2種類のプリプレグを得た。第一プリプレグは後述する金属張積層板の材料として用いられる。第二プリプレグは後述する熱衝撃試験及び4層板成型性の評価試験に用いられる。
<第一プリプレグ>
走行する長尺状のガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯2116タイプ、WEA116E、Eガラス)を、プリプレグの硬化物の厚みが0.1mmとなるようにエポキシ樹脂組成物に含浸させた。次いで、ガラスクロスに含浸されたエポキシ樹脂組成物を半硬化状態となるまで非接触タイプの加熱ユニットによって加熱乾燥した。これにより、エポキシ樹脂組成物中の溶媒を除去した。加熱温度は110〜160℃、乾燥時間は約1.5〜5分であった。次いで、必要な長さに切断して、ガラスクロスと、このガラスクロスに含浸されたエポキシ樹脂組成物の半硬化物とを備える第一プリプレグを得た。第一プリプレグのレジンコンテント(樹脂量)は、第一プリプレグ100質量部に対して55質量部であった。
<第二プリプレグ>
ガラスクロス(日東紡績株式会社製の#1078タイプ、WEA1078、Eガラス)を用い、このガラスクロスを第二のプリプレグの厚さが0.06mmとなるようにエポキシ樹脂組成物を含有させた他は第一プリプレグの連続式製法と同様にして、0.06mm厚さの第二プリプレグを得た。
(金属張積層板)
得られた第一プリプレグを用いて、下記の方法により、0.4mm厚さの両面金属張積層板(以下、第一金属張積層板という)と、0.8mm厚さの両面金属張積層板(以下、第二金属張積層板という)との2種類の金属張積層板を得た。第一金属張積層板は、後述するブタノール含有量、塩素含有量、臭素含有量、ガラス転移温度(Tg)及び熱膨張係数(CTE(α1))の測定試験、4層板成型性の評価試験に用いられる。第二金属張積層板は、後述する熱衝撃試験、吸水率の測定試験及びワイヤーボンディングの接合信頼性の評価試験に用いられる。
<第一金属張積層板>
まず、第一プリプレグを4枚重ねて積層物を得、得られた積層物の両面に金属箔として第一銅箔(厚み:12μm)を重ねて、銅箔付きの積層物を得た。次いで、この銅箔付きの積層物を、加熱加圧成形することによって、0.4mm厚さの第一金属張積層板を得た。加熱加圧成形の条件は、210℃、4MPa、120分間であった。
<第二金属張積層板>
第一プリプレグを8枚重ねた他は第一金属張積層板の製造方法と同様にして、0.8mm厚さの第二金属張積層板を得た。
[材料特性の測定及び評価]
下記方法により、ブタノール含有量、塩素含有量、臭素含有量、ガラス転移温度(Tg)、抵抗変化率、吸水率及び熱膨張係数(CTE(α1))を測定した。さらに、4層板成形性及びワイヤーボンディングの接合信頼性の評価を行った。材料特性の測定及び評価の結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2中、「<0.16(n.d.)」とは、測定検出限界未満であることを意味する。
(ブタノール含有量)
0.4mm厚さの第一金属張積層板の両面に接着された第一銅箔ごと表面に位置するプリプレグの硬化物を表裏各1枚はがして、0.2mm厚さの硬化物のみの試料を得た。得られた試料のブタノール含有量を、ガスクロマトグラフィー質量分析計(「PerkinElmer, Inc.社製TurboMatrix650ATD/Clarus600/Clarus600T、カラム:SPB-1、吸着加熱条件:130℃・60分加熱、カラム昇温条件:35℃・5分〜(10℃/分)〜100℃〜(20℃/分)〜290℃・24分」、キャリアガス:ヘリウム(1mL/分)、注入量:14.3%)、測定モード:スキャン(m/z=24〜400)SIR(m/z=31、41、56))を用いて定量した。
(塩素含有量、臭素含有量)
0.4mm厚さの第一金属張積層板の両面に接着された第一銅箔ごと表面に位置するプリプレグの硬化物を表裏各1枚はがして、0.2mm厚さの硬化物のみの試料を得た。得られた試料の塩素含有量を、JISK 7229に規定のフラスコ燃焼法に準拠して、硝酸銀滴定法によって定量した。得られた試料の臭素含有量を、JIS K 7229に規定のフラスコ燃焼法に準拠して、硝酸銀滴定法によって定量した。
(ガラス転移温度 Tg)
0.4mm厚さの第一金属張積層板の両面に接着された第一銅箔をエッチングにより除去して、積層物の硬化物を得た。上記ガラスクロスは縦糸及び横糸がほぼ直交するように織られた織布からなる。この縦糸又は横糸に対して斜め45°方向に、この積層物の硬化物を切断して、サイズが50mm×5mmの試料を作製した。この試料のガラス転移温度Tgを、JIS C 6481に規定のDMA法(Dynamin-mechanical analysis)に準拠し、動的粘弾性測定装置(Seiko Instruments Inc.社製「DMA/DMS6100」)を用いて測定した。
(熱衝撃試験)
図2Aは、評価用基板の4層階段デイジーチェーンパターンの形成部位の概略断面図である。図2Bは、評価用基板の外層デイジーチェーンパターンを形成部位の概略断面図である。図2A及び図2B中、60は評価用基板、60Aは4層階段デイジーチェーンパターンが形成された第一部位、60Bは外層デイジーチェーンパターンが形成された第二部位、70はコア基板、71は積層体の硬化物、72A,72Bは内層配線、73は第二プリプレグの硬化物、74A,74Bは貫通穴、75A,75Bは外層配線、76A,76Bはスルーホールめっきを指す。
下記方法により、4層階段デイジーチェーンパターンが形成された第一部位60Aと、外層デイジーチェーンパターンが形成された第二部位60Bとを有し、4層階段デイジーチェーンパターンの始点と、外層デイジーチェーンパターンの終点とがリード線で接続された評価用基板60を得た。4層階段デイジーチェーンパターンにおける電流Eは、図2Aに示すように階段状の経路で流れる。外層デイジーチェーンパターンにおける電流Eは、図2Bに示すように、矩形状の経路で流れる。
まず、0.8mm厚さの第二金属張積層板の両面に接着された第一銅箔の一部をエッチング除去し、第一内層配線72A及び第二内層配線72Bを形成して、コア基板70を得た。
次いで、このコア基板70の両面に0.06mm厚さの第二プリプレグ及び第二銅箔(厚み:12μm)をこの順で積層し、加熱加圧成形することによって、多層積層板を得た。加熱加圧成形の条件は、210℃、3MPa、90分間であった。
多層積層板にドリル加工を施し、デスミア処理を行った。これにより、第一部位60Aには、直径0.30mmの第一貫通穴74Aを2.0mmピッチで480穴を形成した。さらに、第二部位60Bには、直径0.30mmの第二貫通穴74Bを2.0mmピッチで500穴を形成した。
次いで、多層積層板の両面に接着された第二銅箔の一部をエッチング除去し、第一外層配線75A及び第二外層配線75Bを形成した。
次いで、第一貫通穴74A及び第二貫通穴74Bの内壁にめっき処理を施し、20〜30mm厚さの第一スルーホールめっき76A及び第二スルーホールめっき76Bを形成した。これにより第一部位60Aには4層階段デイジーチェーンパターンを形成し、第二部位60Bには外層デイジーチェーンパターンを形成した。
次いで、4層階段デイジーチェーンパターンの始点と、外層デイジーチェーンパターンの終点とをはんだによりリード線で接続し、980穴のデイジーチェーンパターンを有する評価用基板60を得た。
この評価用基板60のデイジーチェーンパターンの初期の電気抵抗値を二端子法により測定した。次いで、この評価用基板を温度サイクル試験機内に投入し、−40℃を15分間保持し、−40℃から185℃まで1.5分間で昇温し、185℃を15分間保持し、185℃から−40℃まで1.5分間で降温するサイクルを1サイクルとする処理を2000サイクル行った。熱衝撃試験後の電気抵抗値を測定し、下記式より抵抗変化率を求めた。
抵抗変化率(%)=100×(熱衝撃試験後の電気抵抗値−初期の電気抵抗値)/初期の電気抵抗値
(吸水率)
0.8mm厚さの第二金属張積層板の両面に接着された第一銅箔をエッチングにより除去して、積層物の硬化物を得た。得られた積層物の硬化物を用いて、JIS C6481に準拠して試料を作製した。この試料の、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度未満の温度における吸水率を、JIS C 6481に準拠して測定した。
(熱膨張係数(CTE(α1))
0.4mm厚さの第一金属張積層板の両面に接着された第一銅箔をエッチングにより除去して、積層物の硬化物を得た。得られた積層物の硬化物の、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度未満の温度におけるタテ方向の熱膨張係数を測定した。測定はJIS C6481に規定のTMA法(Termo-mechanical analysis)に準拠し、熱分析装置(Seiko Instruments Inc.社製「TMA/SS6000」)を用いた。ここで、タテ方向とは、積層物の硬化物の面において、プリプレグを連続式製法により製造する際のガラスクロスの走行方向に平行な方向をいう。
(4層板成型性)
図3Aは格子パターン81の一部に形成された中抜け部81Aを示す、4層板成型性の評価試験で用いるコア基板80の概略正面図である。図3Bは図3A中のP部の拡大正面図である。図3Aでは、金属細線82を略している。
0.4mm厚さの第一金属張積層板の両面に接着された第一銅箔の一部をエッチングにより除去して、コア基板80(サイズ:340mm×510mm)を得た。コア基板80は、その両面に格子パターン81が形成されている。この格子パターン81は、図3Aに示すように、中抜け部81Aと、格子部81Bとを有する。中抜け部81Aは、図3Aに示すように、金属細線82が形成されていない正方形状(一辺の長さ:15mm)の部位であり、各中抜け部81Aは100mmおきに規則的に形成されている。格子部81Bは、図3Bに示すように、金属細線82(線幅:1.5mm)からなる正方形状の格子83(一辺の長さ:3.0mm)が連続的に形成されている部位である。
次いで、このコア基板80の両面に0.06mm厚さの第二プリプレグ及び銅箔(厚み:12μm)をこの順で積層し、加熱加圧成形することによって、4層板を得た。
この加熱加圧成形は下記の条件で行った。4層板に掛ける単位圧力は、加熱加圧成形の開始から20〜30分間は0.49〜0.98MPa(5〜10kg/cm)(一次圧力)とし、次いで、4層板に掛ける温度(以下、製品温度)が3℃/分の昇温速度で120℃となるまでに昇圧して2.94MPa(30kg/cm)(二次圧力)とした。その後、加熱加圧成形の処理が終わるまで、二次圧力を維持した。製品温度は、加熱加圧成形の開始から製品温度が160℃になるまで3℃/分の昇温速度で加熱し、その後、製品温度が160℃以上の状態を50分維持した。このときの製品温度の最高温度は170〜180℃であった。その後、2〜6℃/分の冷却速度で、4層板の温度が室温となるまで冷却した。雰囲気は、製品温度が130〜140℃になるまで13.3kPa(100Torr)以下の雰囲気を維持し、その後、大気開放した。
この4層板の両面に接着された第二銅箔の全てをエッチングにより除去して、両面を目視にてカスレの有無を確認し、下記判断基準により、4層板成型性を評価した。
○:両面にカスレが確認できなかった。
△:中抜け部81Aのみにカスレが確認できた。
×:両面の格子部81B、中抜け部81Aの両方にカスレが確認できた。
ここで、カスレとは、加熱加圧成形を行った際、第二プリプレグを構成するエポキシ樹脂組成物が格子パターン81全体を埋め尽くすように十分に行き渡らず、第二プリプレグの硬化物中や、第二プリプレグの硬化物と格子パターン81との間に気泡残りが発生していることをいう。このような気泡残りが発生している部位は、白色に見える。
(ワイヤーボンディングの接合信頼性)
0.8mm厚さの第二金属張積層板の片面に接着された第一銅箔の一部をエッチングにより除去して、導体配線を形成した。さらに、この導体配線上にスパッタリング法によりアルミニウム薄膜(組成:Al98.5質量%、Si 1.0質量%、Cu 0.5質量%)を形成し、アルミパッド部を有するプリント配線板を得た。
半導体ウェハ裏面に、FH−900−25(日立化成工業製)を貼付け、ダイサー(DISCO製 DFD−6361)を用いて7.5mm×7.5mmにダイシングし、プリント配線板上にフレキシブルダイボンダ((株)ルネサス東日本セミコンダクタ製DB730SP)にて150℃/0.04MPa/1秒にて熱圧着した。
次いで、超音波熱圧着(サーモソニック)方式ワイヤボンダ(カイジョー製の「FB−988」)を用いて、金ワイヤー(田中電子工業製の「GSB」、線径:20μm)を用いて、半導体と、プリント配線板のアルミパッド部とを電気的に接続し、半導体装置を得た。
この半導体装置を乾燥機内に導入し、160℃の環境下で2000時間放置した。次いで、乾燥機内から半導体装置を取り出し、その後、パット部とワイヤーとの接続部分を1000ポイント断面観察した。下記判断基準により、ワイヤーボンディングの接合信頼性を評価した。
OK:4μm以上のクラックが観察されなかった。
NG:4μm以上のクラックが観察された。
Figure 0006830191
Figure 0006830191
1 半導体装置
10 プリント配線板
11 ボンドパッド部
20 半導体
30 金属ワイヤー
40 接合体
50 封止樹脂体
60 評価用基板
60A 4層階段デイジーチェーンパターンが形成された第一部位
60B 外層デイジーチェーンパターンが形成された第二部位
70 コア基板
71 積層体の硬化物
72A,72B 内層配線
73 第二プリプレグの硬化物
74A,74B 貫通穴
75A,75B 外層配線
76A,76B スルーホールめっき

Claims (6)

  1. ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む有機成分と、平均粒子径が1.5μm以上3μm以下である球状シリカ粒子を含む無機成分と、を含有し、
    硬化後のブタノール含有量が、ガスクロマトグラフィー質量(GC−MS)分析法にて測定検出限界未満であり、硬化後の塩素含有量が900ppm以下、且つ、硬化後の臭素含有量が900ppm以下であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記硬化剤がフェノール骨格を有することを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記無機成分の含有量が、前記有機成分100質量部に対して、150質量部以上220質量部以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 繊維基材と、
    前記繊維基材に含浸された、請求項1〜のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物の半硬化物と、を備えることを特徴とするプリプレグ。
  5. 請求項に記載のプリプレグの1枚の硬化物又は複数枚の積層物の硬化物と、
    前記硬化物の片面または両面に接着された金属箔と、
    を備えることを特徴とする金属張積層板。
  6. 請求項に記載のプリプレグの1枚の硬化物又は複数枚の積層物の硬化物と、
    前記硬化物の片面または両面に接着された導体配線と、
    を備えることを特徴とするプリント配線板。
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