JP2018179222A - 車両用無段変速機 - Google Patents

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範一 赤松
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Abstract

【課題】車両用ベルト式無段変速機において、可動シーブの移動を規制する部材の磨耗による寿命の低下を抑制することによって、前記部材の小型化が可能となり、車両用ベルト式無段変速機を小型化にもつながる前記部材の構造を提供する。【解決手段】可動シーブ66b、70bの位置決めに用いられるシリンダシート100とシリンダ部材96とを保持するナット98の円筒状部分102の一部に外周溝108を形成する。これによって、ナット98に掛かるモーメント荷重が軽減されることでシーブシャフト78の雄ネジ84およびナット98の雌ネジ104への負荷が軽減されると共に、シリンダ部材96と接触する座面106の面積を大きくすることができるため、ナット98の小型化が可能となり、さらに無段変速機24の小型化が可能となる。【選択図】図6

Description

本発明は、車両用無段変速機に係り、可動シーブの移動を規制するナットの磨耗による寿命の低下を抑制することのできる構造に関するものである。
車両の変速機において、シーブシャフトと一体に形成された固定シーブと前記固定シーブに対向した状態で前記シーブシャフトに軸方向の相対移動可能且つ軸まわりに相対回転不能にスプライン嵌合された可動シーブと前記シーブシャフトの端面側に前記可動シーブを前記軸方向に移動させるための油圧を供給する油圧室を形成するシリンダ部材とをそれぞれ有する一対の可変シーブと、前記一対の可変シーブに巻き掛けられた伝動ベルトとを備えた車両用無段変速機が良く知られている。特許文献1の車両用無段変速機においては、可動シーブのスラスト力すなわち伝動ベルトによって伝えられる荷重によって生じる可動シーブをシーブシャフトの軸方向の外側に移動させる力が、可動シーブを所定の位置に保持するためのナットのネジ部の一部、すなわち可動シーブ側の端部に集中することによって、ナットおよびシーブシャフトに形成されたネジ部の耐久性が低下する虞が生じている。これを避けるため、ナットの外径を可動シーブ側のみ小さくする切り込み部をナットの可動シーブ側に設け、このナットの切り込み部によって可動シーブから生じるスラスト力を受ける構造としている。これによってナットのネジ部の中央に近い部分でスラスト力を受けることとなり、ネジ部の端部に集中していたナットのネジ部からシーブシャフトのネジ部に伝達される力を分散することが可能となり、これによってナットおよびシーブシャフトに形成されたネジ部の耐久性の低下が抑制されている。
特開2010−255700号公報
しかしながら、ナットの一部の外径を小さくして切り込み部を設け、この切り込み部でスラスト力を受ける場合、スラスト力を受ける面積すなわち座面が減少することとなる。伝動ベルトによって可変シーブに伝えられる力は、可変シーブの各部分において伝動ベルトとの接触時と非接触時とで周期的に変動する力であり、ナットの座面において磨耗が生じやすく、座面の面積が減少することによって前記座面の磨耗により寿命が低下する虞が生じる。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、ナットの座面における磨耗を抑制することが可能であり、また、ナットに入力する荷重を低減することが可能となる構造を提供することによって可動シーブの移動を規制するナットの小型化を図り、これによって車両用無段変速機の小型化に寄与することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a)シーブシャフトと一体に形成された固定シーブと前記固定シーブに対向した状態で前記シーブシャフトに軸方向の相対移動可能且つ軸まわりに相対回転不能にスプライン嵌合された可動シーブと前記シーブシャフトの軸端部側に前記可動シーブを前記軸方向に移動させるための油圧を供給する油圧室を形成するシリンダ部材とをそれぞれ有する一対の可変シーブと、前記一対の可変シーブに巻き掛けられた伝動ベルトと、前記シーブシャフトに形成された雄ネジに螺合され、前記可動シーブの前記シーブシャフトの軸端部側へのスラスト力を前記シリンダ部材を介して受けるナットとを、備える車両用ベルト式無段変速機であって、(b)前記ナットは、前記雄ネジに螺合される雌ネジと前記シリンダ部材に当接する座面とを有し、前記ナットの中心軸線方向において前記座面と前記シリンダ部材とは反対側の端面との間の円筒状部分には周方向に連続する外周溝が形成されていることを特徴とする。
前記ナットは、前記雄ネジに螺合される雌ネジと前記シリンダ部材に当接する座面とを有し、前記ナットの中心軸線方向において前記座面と前記シリンダ部材とは反対側の端面との間の円筒状部分には周方向に連続する外周溝が形成されていることによって、外周溝の溝底径によって前記ナットに加えられる荷重モーメントを減少することが可能となる。これによって座面の面積、すなわち前記ナットの可動シーブのスラスト力を受ける端面の面積を大きくしても荷重モーメントを抑制することが可能となる。座面の面積を大きくすることによって、単位面積当たりの圧力が減少することから接触面における磨耗を抑制することができる。また、ナットの外周部に溝部を追加することにより溝部の存在によって荷重モーメントを減少することが可能となり、ナットの雌ネジとシーブシャフトの雄ネジとが受ける荷重モーメントを減少できる。このため、ナットの雌ネジの中心軸方向への長さを短くすることと、外径を小さくすることとが可能となり、ナットを小さくすることによって、無段変速機の小型化および軽量化も可能となる。
本発明が適用された車両を構成するエンジンから駆動輪までの動力伝達経路の概略構成を説明する図である。 図1の車両における動力伝達装置の走行パターンの切り替わりを説明する図である。 図1のベルト式無産変速機における1対の可動シーブと固定シーブと周辺部品との構造を説明する断面図である。 図3の可動シーブの固定用のナットにフランジナットを用いた場合を拡大して示した断面図である。 図3の可動シーブの固定用のナットに六角ナットを用いた場合を拡大して示した断面図である。 図3の可動シーブの固定用のナットに前記円筒状部分において外周溝を設けたナットを用いた場合を拡大して示した断面図である。
好適には、前記外周溝の溝底径は前記ナットの前記円筒状部分の外径よりも小さい。このようにすれば外周溝の溝底径によって荷重モーメントが決定されることとなり、ナットが受ける荷重モーメントが減少する。このため、ナットの雌ネジ部のシーブシャフトの軸方向への長さを短くすることが可能となり、ナットを小さくすることによって、無段変速機の小型化および軽量化も可能となる。
また、好適には、前記ナットの前記座面側の前記円筒状部分の一部に他の前記円筒状部分の外径より大径であるフランジ状部分を有する。このようにすれば前記ナットの可動シーブのスラスト力を受ける径方向端部すなわち座面の面積を大きくすることが可能となり、単位面積当たりの圧力が減少することから接触面における磨耗を減少することができる。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動源として機能するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等のエンジン12と、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間に設けられた動力伝達装置16とを備えている。動力伝達装置16は、非回転部材としてのハウジング18内において、エンジン12に連結された流体式伝動装置としてのトルクコンバータ20、トルクコンバータ20に連結された入力軸22、入力軸22に連結されたベルト式無段変速機24(以降、無段変速機と呼ぶ)、同じく入力軸22に連結された前後進切替装置26、前後進切替装置26を介して入力軸22に連結されて無段変速機24と並列に設けられたギヤ伝動部としてのギヤ伝動機構28、無段変速機24及びギヤ伝動機構28の共通の出力回転部材である出力軸30、カウンタ軸32、出力軸30及びカウンタ軸32に各々相対回転不能に設けられて噛み合う一対のギヤから成る減速歯車装置34、カウンタ軸32に相対回転不能に設けられたギヤ36に連結されたデフギヤ38、デフギヤ38に連結された1対の車軸40等を備えている。このように構成された動力伝達装置16において、エンジン12の動力(特に区別しない場合にはトルクや力と同義)は、トルクコンバータ20、無段変速機24或いは前後進切替装置26及びギヤ伝動機構28、減速歯車装置34、デフギヤ38、及び車軸40等を順次介して1対の駆動輪14へ伝達される。また、エンジン12の作動中は、エンジン12の出力トルクは常時入力軸22に入力される。
このように、動力伝達装置16は、エンジン12(ここではエンジン12の動力が伝達される入力回転部材である入力軸22も同意)と駆動輪14(ここでは駆動輪14へエンジン12の動力を出力する出力回転部材である出力軸30も同意)との間に並列に設けられた、第1変速部としてのギヤ伝動機構28及び第2変速部としての無段変速機24を備えている。よって、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を介して駆動輪14側(すなわち出力軸30)へ伝達する第1動力伝達経路PT1と、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を介して駆動輪14側(すなわち出力軸30)へ伝達する第2動力伝達経路PT2との複数の動力伝達経路PTを、入力軸22と出力軸30との間に並列に備えている。動力伝達装置16は、車両10の走行状態に応じてその第1動力伝達経路PT1とその第2動力伝達経路PT2とが切り替えられる。その為、動力伝達装置16は、エンジン12の動力を駆動輪14側へ伝達する動力伝達経路PTを、第1動力伝達経路PT1と第2動力伝達経路PT2とで選択的に切り替える複数の係合装置を備えている。この係合装置は、第1動力伝達経路PT1を断接する第1クラッチC1と、第2動力伝達経路PT2を断接する第2係合装置としての第2クラッチC2とを含んでいる。
トルクコンバータ20は、入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に設けられており、エンジン12に連結されたポンプ翼車20p、及び入力軸22に連結されたタービン翼車20tを備えている。ポンプ翼車20pには、無段変速機24を変速制御したり、前記複数の係合装置を作動したり、動力伝達装置16の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ42が連結されている。エンジン12の作動中には、エンジン12の出力トルクがトルクコンバータ20を介して常時入力軸22へ入力される。
前後進切替装置26は、第1動力伝達経路PT1において入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心すなわち第1軸心RC1上に設けられており、ダブルピニオン型の遊星歯車装置26p、第1クラッチC1、及び第1ブレーキB1を備えている。遊星歯車装置26pは、入力要素としてのキャリヤ26cと、出力要素としてのサンギヤ26sと、反力要素としてのリングギヤ26rとの3つの回転要素を有する差動機構である。キャリヤ26cは入力軸22に一体的に連結され、リングギヤ26rは第1ブレーキB1を介してハウジング18に選択的に連結され、サンギヤ26sは入力軸22回りにその入力軸22に対して同軸心に相対回転可能に設けられた小径ギヤ44に連結されている。又、キャリヤ26cとサンギヤ26sとは、第1クラッチC1を介して選択的に連結される。よって、第1クラッチC1は、前進ギヤ走行のために前記3つの回転要素のうちの2つの回転要素を選択的に連結する係合装置であり、第1ブレーキB1は、後進進行のために前記反力要素としてのリングギヤ26rをハウジング18に選択的に連結する係合装置である。
ギヤ伝動機構28は、小径ギヤ44と、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転不能に設けられてその小径ギヤ44と噛み合う大径ギヤ48とを備えている。又、ギヤ伝動機構28は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転可能に設けられたアイドラギヤ50と、出力軸30回りにその出力軸30に対して同軸心に相対回転不能に設けられてそのアイドラギヤ50と噛み合う出力ギヤ52とを備えている。出力ギヤ52は、アイドラギヤ50よりも大径である。従って、ギヤ伝動機構28は、入力軸22と出力軸30との間の動力伝達経路PTにおいて、所定の変速比(変速段)としての1つの変速比(変速段)が形成されるギヤ伝動機構である。ギヤ機構カウンタ軸46回りには、更に、大径ギヤ48とアイドラギヤ50との間に、これらの間を選択的に断接する噛合式クラッチD1が設けられている。
具体的には、噛合式クラッチD1は、ギヤ機構カウンタ軸46回りにそのギヤ機構カウンタ軸46に対して同軸心に相対回転不能に設けられたクラッチハブ54と、アイドラギヤ50とクラッチハブ54との間に配置されてそのアイドラギヤ50に固設されたクラッチギヤ56と、クラッチハブ54に対してスプライン嵌合(係合)されることによりギヤ機構カウンタ軸46の軸心回りの相対回転不能且つその軸心と平行な方向の相対移動可能に設けられた円筒状のスリーブ58とを備えている。クラッチハブ54と常に一体的に回転させられるスリーブ58がクラッチギヤ56側へ移動させられてそのクラッチギヤ56と噛み合わされることで、アイドラギヤ50とギヤ機構カウンタ軸46とが接続される。更に、噛合式クラッチD1は、スリーブ58とクラッチギヤ56とを嵌合する際に回転を同期させる、同期機構としての公知のシンクロメッシュ機構S1を備えている。このように構成された噛合式クラッチD1では、フォークシャフト60が油圧アクチュエータ62によって作動させられることにより、フォークシャフト60に固設されたシフトフォーク64を介してスリーブ58がギヤ機構カウンタ軸46の軸心と平行な方向に摺動させられ、係合状態と解放状態とが切り替えられる。
第1動力伝達経路PT1は、噛合式クラッチD1と噛合式クラッチD1よりも入力軸22側に設けられた第1クラッチC1(又は第1ブレーキB1)とが共に係合されることで形成される。動力伝達装置16では、第1動力伝達経路PT1が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22からギヤ伝動機構28を経由して出力軸30へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第1動力伝達経路PT1は、少なくとも第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が共に解放されるか、或いは少なくとも噛合式クラッチD1が解放されると、動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
無段変速機24は、トルクコンバータ20を介してエンジンと連結されて第2クラッチC2が解放されているエンジン12の作動中には車両停止中でも、エンジン12と共に回転する入力軸22に設けられた有効径が可変のプライマリシーブ(プライマリプーリ)66と、出力軸30と同軸心の回転軸68に設けられた有効径が可変のセカンダリシーブ(セカンダリプーリ)70と、それら各シーブ66,70の間に巻き掛けられた伝動ベルト72とを備え、各シーブ66,70と伝動ベルト72との間の摩擦力(ベルト挟圧力)を介して動力伝達が行われる。プライマリシーブ66では、プライマリシーブ66へ供給するシーブ油圧(すなわち油圧シリンダ66cへ供給されるプライマリ圧Pin)が図示されていない油圧制御回路によって調圧制御されることにより、固定シーブ66a,可動シーブ66b間のV溝幅を変更するプライマリ推力Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)が付与される。又、セカンダリシーブ70では、セカンダリシーブ70へ供給するシーブ油圧(すなわちセカンダリ側油圧アクチュエータ70cへ供給されるセカンダリ圧Pout)が前記油圧制御回路によって調圧制御されることにより、固定シーブ70a,可動シーブ70b間のV溝幅を変更するセカンダリ推力Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)が付与される。無段変速機24では、プライマリ推力Win(プライマリ圧Pin)及びセカンダリ推力Wout(セカンダリ圧Pout)が各々制御されることで、各シーブ66,70のV溝幅が変化して伝動ベルト72の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γcvt(=プライマリシーブ回転速度Npri/セカンダリシーブ回転速度Nsec)が変化させられると共に、伝動ベルト72が滑りを生じないように各シーブ66,70と伝動ベルト72との間の摩擦力が制御される。
出力軸30は、回転軸68回りにその回転軸68に対して同軸心に相対回転可能に配置されている。第2クラッチC2は、無段変速機24よりも駆動輪14(ここでは出力軸30も同意)側に設けられており(すなわちセカンダリシーブ70と出力軸30との間に設けられており)、セカンダリシーブ70(回転軸68)と出力軸30との間を選択的に断接する。第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が係合されることで形成される。動力伝達装置16では、第2動力伝達経路PT2が形成されると、エンジン12の動力を入力軸22から無段変速機24を経由して出力軸30へ伝達することができる動力伝達可能状態とされる。一方で、第2動力伝達経路PT2は、第2クラッチC2が解放されると、ニュートラル状態とされる。
図2は、動力伝達装置16の各走行パターン(走行モード)毎の係合装置の係合表を用いて、その走行パターンの切り替わりを説明する為の図である。図2において、C1は第1クラッチC1の作動状態に対応し、C2は第2クラッチC2の作動状態に対応し、B1は第1ブレーキB1の作動状態に対応し、D1は噛合式クラッチD1の作動状態に対応し、「○」は係合(接続)を示し、「×」は解放(遮断)を示している。
図2において、ギヤ伝動機構28を介してエンジン12の動力が出力軸30に伝達される走行モード(すなわちギヤ伝動機構28を介した第1動力伝達経路PT1を用いる走行モード)であるギヤ走行モードでは、第1クラッチC1及び噛合式クラッチD1が係合され且つ第2クラッチC2及び第1ブレーキB1が解放される。このギヤ走行モードでは前進走行が可能となる。尚、第1ブレーキB1及び噛合式クラッチD1が係合され且つ第2クラッチC2及び第1クラッチC1が解放されると、後進走行が可能となる。
又、無段変速機24を介してエンジン12の動力が出力軸30に伝達される走行モード(すなわち無段変速機24を介した第2動力伝達経路PT2を用いる走行モード)であるCVT走行モード(ベルト走行モードともいう)では、第2クラッチC2が係合され且つ第1クラッチC1及び第1ブレーキB1が解放される。このCVT走行モードでは前進走行が可能となる。このCVT走行モードのうちでCVT走行(中車速)モードでは噛合式クラッチD1が係合される一方で、CVT走行(高車速)モードでは噛合式クラッチD1が解放される。噛合式クラッチD1は、駆動輪14側からの入力を遮断する被駆動入力遮断クラッチとして機能する。
ギヤ走行モードは、例えば車両停止中を含む低車速領域において選択される。動力伝達装置16では、ギヤ伝動機構28を介した第1動力伝達経路PT1にて形成される変速比γgear(変速比ELともいう)は、無段変速機24を介した第2動力伝達経路PT2にて形成できる最大変速比(すなわち最低車速側の変速比である最ロー変速比)γmaxよりも大きな値(すなわちロー側の変速比)に設定されている。つまり、第2動力伝達経路PT2は、第1動力伝達経路PT1にて形成される変速比ELよりも高車速側(ハイ側)の変速比γcvtが形成される。例えば変速比ELは、動力伝達装置16における第1速変速段の変速比γである第1速変速比γ1に相当し、無段変速機24の最ロー変速比γmaxは、動力伝達装置16における第2速変速段の変速比γである第2速変速比γ2に相当する。その為、ギヤ走行モードとCVT走行モードとは、例えば有段変速機の変速マップにおける第1速変速段と第2速変速段とを切り替える為の変速線に従って切り替えられる。又、CVT走行モードにおいては、例えばアクセル開度や車速などの走行状態に基づいて変速比γcvtが変化させられる変速が実行される。
図3は、図1の無段変速機24のプライマリシーブ66の断面図である。プライマリシーブ66は、軸受74および軸受76を介して図1のハウジング18に回転可能に支持されているシーブシャフト78に一体成形されている円盤状の固定シーブ66aと、その固定シーブ66aとの間にV字形状の第1プーリ溝80を形成するように、シーブシャフト78に相対回転不能且つ軸方向の相対移動可能である可動シーブ66bと、供給される油圧に応じて可動シーブ66bを軸方向に移動させて、固定シーブ66aと可動シーブ66bとを軸方向に接近または離間させることにより、第1プーリ溝80の溝幅を変化させる油圧シリンダ66cとを備えている。シーブシャフト78は、その外周両端がハウジング18に嵌め着けられている軸受け74および軸受け76によって第1軸心RC1周りに回転可能に支持されている。可動シーブ66bの内径には側面がインボリュート曲線をもつ溝が形成され、可動シーブ66bに形成された溝とシーブシャフト78の外径に形成された溝とでインボリュートスプライン嵌合(以降、スプライン嵌合とする)することで、可動シーブ66bとシーブシャフト78が相対回転不能かつ相対移動可能とされている。
プライマリシーブ66の固定シーブ66aは、シーブシャフト78の外周面から径方向に突き出す円盤状の部材である。この固定シーブ66aには、径方向に向かうに従って可動シーブ66bから離間する方向に形成される円錐状のテーパ面82が形成されている。
プライマリシーブ66の可動シーブ66bは、内周部がシーブシャフト78に対して軸方向の相対移動可能且つ第1軸心RC1まわりの相対回転不能にスプライン嵌合されているボス部88と、そのボス部88の軸方向において固定シーブ66a側の端部から径方向に突き出す円盤部90と、その円盤部90の外周部から軸方向において固定シーブ66aから遠ざかる方向に第1軸心RC1と並行に伸びる外周筒部92と、から構成されている。円盤部90には、径方向に向かうに従って固定シーブ66aから離間する方向に形成される円錐状のテーパ面94が形成されている。この可動シーブ66bに形成されるテーパ面94と、固定シーブ66aに形成されるテーパ面82によって、前記第1プーリ溝80が形成される。
油圧シリンダ66cは、可動シーブ66bの軸方向においてテーパ面94の背面側に配設されている有底円筒状のシリンダ部材96を備えている。シリンダ部材96は、その内周部がストッパ部材として機能する円盤状のシリンダシート100を介してシーブシャフト78の段差部78aとナット98との間で軸方向に挟まれた状態で、ナット98がシーブシャフト78の軸端部に形成された雄ネジ84に締結されることで軸方向への移動不能に固定されている。可動シーブ66bは、第1軸心RC1方向に位置固定に設けられたストッパであるシリンダシート100に接触することで、可動シーブ66bと固定シーブ66aとの距離が最も大きくなる、変速比γcvtが最ローすなわち最低車速側の変速比を形成する。シリンダ部材96は屈曲形状を有し、そのシリンダ部材96の外周側には、第1軸心RC1と同心の円筒部が形成されている。この円筒部の内周面と可動シーブ66bの外周筒部92の外周端部とがオイルシールを介して摺動可能に構成されている。これにより、シリンダ部材96と可動シーブ66bとの間に、油密な油圧室97が形成される。なお、油圧室97には、シーブシャフト78に形成された油路や可動シーブ66bに形成された油路を介して、図示しない油圧制御回路から油圧が供給される。
図4は、図3に示したプライマリシーブ66を構成する可動シーブ66bとシリンダ部材96との一部を拡大した従来の図である。可動シーブ66bは、ストッパであるシリンダシート100に接触しており、可動シーブ66bと固定シーブ66aとの距離が最も大きくなっている状況、すなわちシーブシャフト78の軸心RC1方向へのスラスト力がシリンダシート100とシリンダ部材96とを介してナット98aに加えられており、変速比γcvtが最ローすなわち最低車速側の変速比が形成されている状況が示されている。図4のナット98aは、フランジ付き六角ナット98a(以降、フランジナットという)であり、図3のシーブシャフト78の雄ネジ84に螺合されている。前述のようにフランジナット98aは、シリンダシート100とシリンダ部材96とをシーブシャフト78の一部である段差部78との間に挟圧することで固定しており、伝動ベルト72によって可動シーブ66bに伝えられる力は、可変シーブ66bの各部分において伝動ベルト72との接触時と非接触時とで周期的に変動する力であることから、フランジナット98aの座面106において磨耗が生じやすい。フランジナット98aは、図4に矢印で示され外周を形成している円筒状部分102および円筒状部分102の一部分であるフランジ状部分103、内周に形成されている雌ネジ104、シリンダ部材96と接触している座面106とシリンダ部材96とは反対側の端面とを持っている。またフランジナット98aには、たとえばフランジナット98aの端部が塑性変形されることでゆるみ止めが行われている。フランジナット98aは、フランジ状部分103があることから座面106すなわちシリンダ部材96との接触面を大きくとり易く、接触面を大きくすることで単位面積当たりの面圧を下げて耐磨耗性を向上させることが可能である。一方、破線の矢印で示したように座面106の径方向寸法Laすなわちシリンダ部材96とシーブシャフトとの接触面からフランジナット98aまでの距離(モーメントアーム)Laが長くなることによって、可動シーブ66bから第1軸心RC1方向にスラスト力を受けた場合、荷重モーメントとしては大きい力を受けることなり、フランジナット98aの雌ネジ104およびシーブシャフト78の雄ネジ84に加わる負荷が増加するため雌ネジ104および雄ネジ84の耐久性が低下することとなる。
図5は、図4において示された部分と同じく従来のプライマリシーブ66を構成する可動シーブ66bとシリンダ部材96との一部が拡大して示されている。図5においては、図4において用いられているナット98は、フランジナット98aではなく、六角ナット98bが用いられている。六角ナット98bは、フランジが無いことからフランジナット98aを用いた場合と比較して、全体の大きさを小さくしたい場合、座面106すなわちシリンダ部材96との接触面を大きくすることが難しい。このため、単位面積当たりの面圧を下げることが難しく、周期的に変動するスラスト力を受けた場合の耐磨耗性を向上させることが難しい。一方、破線の矢印で示したように座面106の端部Lbすなわちシリンダ部材96とシーブシャフトとの接触面からフランジナット98aの端部までの距離(モーメントアーム)Lbはフランジナット98aと比較して小さくすることが可能となるため荷重モーメントが減少され、ナット98bの雌ネジ104およびシリンダシャフト78の雄ネジ84の耐久性を改善することが可能となる。
図6では、本実施例のナット98が図4および図5において示された部分と同じくプライマリシーブ66を構成する可動シーブ66bとシリンダ部材96との一部を拡大して示されている。図6において用いられているナット98は、フランジナット98aにおける円筒状部分102の一部に形成されたフランジ状部分103とフランジ状部分からとは反対側の端面との間、好適にはフランジ部分103と内周面に雌ネジ104が形成された円筒状部分102との間に外周溝108が形成されている。これによって、座面106すなわちシリンダ部材96との接触面は、フランジナット98aと同様の面積を確保することが可能となり、六角ナット98bと比較して単位面積当たりの面圧を下げることが可能となる。また、外周溝108が形成されたことによって、破線の矢印で示したように座面106の端部Lcすなわちシリンダ部材96とシーブシャフトとの接触面から外周溝108の溝底までの径方向寸法Lcが短くなることによって、荷重モーメントが減少する構造となっている。
本実施例の無段変速機24によれば、シーブシャフト78に形成された雄ネジ84に螺合され、可動シーブ66bのシーブシャフト78の軸端部側へのスラスト力をシリンダ部材96を介して受けるナット98は、雄ネジ84に螺合される雌ネジ104とシリンダ部材96に当接する座面106とを有し、ナット98の中心軸線方向において座面106とシリンダ部材96とは反対側の端面との間の円筒状部分102には周方向に連続する外周溝108が形成されている。これによって、外周溝108の溝底径によって荷重モーメントが決定されることとなる。これによって、荷重モーメントを増加させること無く、座面106の面積すなわちナット98が可動シーブ66bのスラスト力を受けるシリンダ部材96との接触面を大きくすることが可能となり、単位面積当たりの圧力が減少することから接触面すなわち座面106における磨耗を減少することができる。また、ナット98の円筒状部分102に外周溝108を追加することにより外周溝108の溝底径によって荷重モーメントが決定されるため、ナット98が受ける荷重モーメントを減少することが可能となり、ナット98を小さくすることができる。これによって、無段変速機24の小型化および軽量化も可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
前述の実施例では、プライマリシーブ66の可動シーブ66bを保持するナット98に外周溝108を設けるものとしたが、プライマリシーブ66に限らずセカンダリシーブ70の可動シーブ70bをナット98で保持する場合においてもプライマリシーブ66と同様の効果が期待できる。
また、前述の実施例においては、シリンダシート100が可動シーブ66bと接触してストッパ部材としての機能を果たすこととしたが、特にシリンダシート100に限らず、第1軸心RC1方向に位置固定用のストッパ部材として機能する部材たとえば油圧シリンダ66c、70c等をストッパとして用いても良い。
前述の実施例の無段変速機は24は、伝動ベルト72によって動力が伝達されるものであったが、必ずしも伝動ベルトに限定されず、例えばチェーンなど各プーリに巻き掛け可能な構成であれば特に限定されない。
さらに、前述の実施例では、固定シーブ66aは、シーブシャフト78と一体に形成されていたが、特に一体成型する必要はなく剛性が確保されるものであれば機械的な方法によって組み合わされ一体として用いられるものであっても良い。
上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
24:無段変速機(ベルト式無段変速機)
66a、70a:固定シーブ
66b、70b:可動シーブ
72:伝動ベルト
78:シーブシャフト
84:雄ネジ
96:シリンダ部材
97:油圧室
98:ナット
102:円筒状部分
104:雌ネジ
106:座面
108:外周溝

Claims (1)

  1. シーブシャフトと一体に形成された固定シーブと前記固定シーブに対向した状態で前記シーブシャフトに軸方向の相対移動可能且つ軸まわりに相対回転不能にスプライン嵌合された可動シーブと前記シーブシャフトの軸端部側に前記可動シーブを前記軸方向に移動させるための油圧を供給する油圧室を形成するシリンダ部材とをそれぞれ有する一対の可変シーブと、前記一対の可変シーブに巻き掛けられた伝動ベルトと、前記シーブシャフトに形成された雄ネジに螺合され、前記可動シーブの前記シーブシャフトの軸端部側へのスラスト力を前記シリンダ部材を介して受けるナットとを、備える車両用ベルト式無段変速機であって、
    前記ナットは、前記雄ネジに螺合される雌ネジと前記シリンダ部材に当接する座面とを有し、前記ナットの中心軸線方向において前記座面と前記シリンダ部材とは反対側の端面との間の円筒状部分には周方向に連続する外周溝が形成されている
    ことを特徴とする車両用ベルト式無段変速機。
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