JP2018178995A - 流体制御装置 - Google Patents

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文庸 渡邉
Fumiyasu Watanabe
文庸 渡邉
栄太郎 田中
Eitaro Tanaka
田中  栄太郎
晴彦 渡邊
Haruhiko Watanabe
晴彦 渡邊
和也 榎園
Kazuya Enokizono
和也 榎園
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Abstract

【課題】主流路を流れる流体の圧力にかかわらず、主流路の圧力の変化を高精度に検出可能な流体制御装置を提供する。【解決手段】燃料噴射装置1は、ハウジング20と起歪体70と差圧センサ80とを備えている。ハウジング20は、流体としての燃料が流入する流入口240、燃料が流出する、すなわち、噴射される噴孔13、および、流入口240と噴孔13とを接続し燃料が流れる主流路100を有している。起歪体70は、一方の面71に接する空間である第1空間S1が主流路100に連通し、他方の面72に接する空間である第2空間S2が主流路100に連通し、第1空間S1と第2空間S2との圧力差により弾性変形可能である。差圧センサ80は、起歪体70に設けられ、第1空間S1と第2空間S2との圧力差を検出可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、流体制御装置に関する。
従来、流体が流れる主流路の圧力を検出可能な流体制御装置が知られている。例えば特許文献1の流体制御装置は、燃料噴射装置であって、主流路に接続する圧力センサを備えている。この燃料噴射装置では、圧力センサの起歪体の一方の面に接する空間が主流路に連通している。なお、起歪体の他方の面は、空気(大気)に接している。特許文献1の流体制御装置では、燃料噴射時の主流路の圧力を圧力センサにより検出し、検出した圧力の変化に基づき、噴孔から噴射された燃料の量を推定している。
特開2009−222051号公報
特許文献1の燃料噴射装置では、高圧の燃料を噴射するため、燃料噴射時、主流路の圧力が高くなる。そのため、圧力センサの起歪体の剛性を高くする必要がある。特許文献1の燃料噴射装置では、剛性の高い起歪体を有する絶対圧センサが用いられている。しかしながら、絶対圧センサは耐圧性が高いものの起歪体の剛性が高く歪みにくいため、特許文献1の燃料噴射装置では、低圧側の圧力の検出が難しく、かつ、圧力センサによって検出可能な圧力の範囲が狭くなるおそれがある。そのため、主流路の圧力の変化を高精度に検出するのが困難になるおそれがある。
本発明の目的は、主流路を流れる流体の圧力にかかわらず、主流路の圧力の変化を高精度に検出可能な流体制御装置を提供することにある。
本発明の第1の態様による流体制御装置(1)は、ハウジング(20)と起歪体(70)と差圧センサ(80)とを備えている。
ハウジングは、流体が流入する入口(240)、流体が流出する出口(13)、および、入口と出口とを接続し流体が流れる主流路(100)を有している。
起歪体は、一方の面(71)に接する空間である第1空間(S1)が主流路に連通し、他方の面(72)に接する空間である第2空間(S2)が主流路に連通し、第1空間と第2空間との圧力差により弾性変形可能である。
差圧センサは、起歪体に設けられ、第1空間と第2空間との圧力差を検出可能である。
流体が主流路を流れるとき、起歪体の一方の面に接する第1空間、および、起歪体の他方の面に接する第2空間は、流体で満たされる。そのため、主流路の圧力が高くなる場合であっても、起歪体の両面に過大な圧力差が発生するのを抑制でき、起歪体の剛性を低く設定することができる。これにより、起歪体の歪量を大きくすることができ、差圧センサが検出可能な圧力の範囲を大きくすることができる。したがって、主流路を流れる流体の圧力にかかわらず、主流路の圧力の変化を高精度に検出することができる。
本発明の第2の態様による流体制御装置(1)は、ハウジング(20)と起歪体(70)と非圧縮性流体(78)と差圧センサ(80)とを備えている。
ハウジングは、流体が流入する入口(240)、流体が流出する出口(13)、および、入口と出口とを接続し流体が流れる主流路(100)を有している。
起歪体は、一方の面(71)に接する空間である第1空間(S1)が主流路に連通し、他方の面(72)に接する空間である第2空間(S2)と第1空間との圧力差により弾性変形可能である。
非圧縮性流体は、第2空間に設けられている。
差圧センサは、起歪体に設けられ、第1空間と第2空間との圧力差を検出可能である。
流体が主流路を流れるとき、起歪体の一方の面に接する第1空間は流体で満たされる。ここで、起歪体の他方の面に接する第2空間は、非圧縮性流体で満たされている。そのため、主流路の圧力が高くなる場合であっても、起歪体の両面に過大な圧力差が発生するのを抑制でき、起歪体の剛性を低く設定することができる。これにより、起歪体の歪量を大きくすることができ、差圧センサが検出可能な圧力の範囲を大きくすることができる。したがって、主流路を流れる流体の圧力にかかわらず、主流路の圧力の変化を高精度に検出することができる。
第1実施形態による流体制御装置を示す断面図。 第1実施形態による流体制御装置の起歪体および差圧センサを示す図であって、図1のII−II線断面に対応する断面図。 第1実施形態による流体制御装置の差圧センサを示す模式図。 第1実施形態による流体制御装置を示す模式図。 (A)は第1実施形態による流体制御装置の第1空間の圧力変化と第2空間の圧力変化とを示す図、(B)は第1空間と第2空間との差圧の変化を示す図。 第1実施形態による流体制御装置による燃料噴射量の補正に関する処理を示すフロー図。 第2実施形態による流体制御装置を示す断面図。 第2実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第3実施形態による流体制御装置を示す断面図。 第3実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第4実施形態による流体制御装置を示す断面図。 (A)は第4実施形態による流体制御装置の起歪体および差圧センサを示す図であって、図11のXIIA−XIIA線断面に対応する断面図、(B)は(A)のXIIB−XIIB線断面図。 第5実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第6実施形態による流体制御装置を示す断面図。 第6実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第7実施形態による流体制御装置を示す断面図。 第7実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第8実施形態による流体制御装置を示す断面図。 第8実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第9実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第10実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第11実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 図22のXXIII−XXIII線断面図。 第12実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。 第13実施形態による流体制御装置の起歪体の近傍を示す断面図。
以下、複数の実施形態による流体制御装置を図に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位は、同一または同様の作用効果を奏する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による流体制御装置を図1に示す。流体制御装置としての燃料噴射装置1は、例えば図示しない車両に搭載された内燃機関としての直噴式ガソリンエンジンに用いられ、燃料としてのガソリンをエンジンに噴射供給する。すなわち、燃料噴射装置1は、流体としての燃料を制御してエンジンに供給する。
燃料噴射装置1は、ハウジング20、ニードル30、可動コア40、固定コア50、アジャスティングパイプ53、隙間形成部材60、スプリング61、コイル62、ばね座部63、スプリング64、起歪体70、差圧センサ80、制御部91、圧力変化検出部92、流量推定部93、流量補正部94等を備えている。
ハウジング20は、ノズル部10、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23、インレット部24を有している。
ノズル部10は、例えばステンレス等の金属により形成されている。ノズル部10は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。ノズル部10は、ノズル筒部11、および、ノズル筒部11の一端を塞ぐノズル底部12を有している。ノズル底部12には、ノズル筒部11側の面とノズル筒部11とは反対側の面とを接続する噴孔13が複数形成されている。ここで、噴孔13は、「出口」に対応している。本実施形態では、噴孔13は、ノズル底部12の周方向に等間隔で複数形成されている。また、ノズル底部12のノズル筒部11側の面には、噴孔13の周囲に環状の弁座14が形成されている。
第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、いずれも略円筒状に形成されている。第1筒部21、第2筒部22および第3筒部23は、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23の順に同軸(軸Ax1)となるよう配置され、互いに接続している。
第1筒部21および第3筒部23は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により形成され、磁気安定化処理が施されている。第2筒部22は、例えばオーステナイト系ステンレス等の非磁性材料により形成されている。
第1筒部21の第2筒部22とは反対側の端部の内側には、ノズル筒部11のノズル底部12とは反対側の端部が接合されている。第1筒部21とノズル部10とは、例えば溶接により接合されている。
インレット部24は、例えばステンレス等の金属により筒状に形成されている。インレット部24は、一端が第3筒部23の第2筒部22とは反対側の端部の内側に接合するよう設けられている。インレット部24と第3筒部23とは、例えば溶接により接合されている。
ハウジング20の内側、すなわち、ノズル部10、第1筒部21、第2筒部22、第3筒部23およびインレット部24の内側には、主流路100が形成されている。主流路100は、噴孔13に接続している。インレット部24の第3筒部23とは反対側には、流入口240が形成されている。ここで、流入口240は、「入口」に対応している。なお、主流路100は、ハウジング20の外壁の内側に形成されている。
流入口240には、図示しない配管が接続される。これにより、主流路100には、燃料供給源からの燃料が配管、流入口240を経由して流入する。主流路100は、燃料を噴孔13に導く。燃料は、噴孔13から噴射される。
このように、ハウジング20は、流体としての燃料が流入する流入口240、燃料が流出する噴孔13、および、流入口240と噴孔13とを接続し燃料が流れる主流路100を有している。
インレット部24の内側には、フィルタ25が設けられている。フィルタ25は、主流路100に流入する燃料中の異物を捕集する。
ニードル30は、例えばステンレス等の金属により形成されている。ニードル30は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。
ニードル30は、主流路100内をハウジング20の軸Ax1方向へ往復移動可能なようハウジング20内に収容されている。ニードル30は、ニードル本体31、シール部32、鍔部33等を有している。
ニードル本体31は、棒状、より具体的には長い円柱状に形成されている。シール部32は、ニードル本体31の一端、すなわち、弁座14側の端部に環状に形成され、弁座14に当接可能である。鍔部33は、環状に形成され、ニードル本体31の他端、すなわち、弁座14とは反対側の端部の径方向外側に設けられている。本実施形態では、鍔部33は、ニードル本体31と一体に形成されている。
ニードル本体31の一端の近傍には、大径部311が形成されている。大径部311は、外径がニードル本体31の一端側の外径より大きい。大径部311は、外壁がノズル部10のノズル筒部11の内壁と摺動するよう形成されている。これにより、ニードル30は、弁座14側の端部の軸Ax1方向の往復移動が案内される。大径部311には、外壁の周方向の複数個所が面取りされるようにして面取り部312が形成されている。これにより、燃料は、面取り部312とノズル部10のノズル筒部11の内壁との間を流通可能である。
ニードル本体31の他端には、ニードル本体31の軸Ax2に沿って延びる軸方向穴部313が形成されている。すなわち、ニードル本体31の他端は、中空筒状に形成されている。また、ニードル本体31には、軸方向穴部313の弁座14側の端部とニードル本体31の外側の空間とを接続するようニードル本体31の径方向に延びる径方向穴部314が形成されている。これにより、主流路100内の燃料は、軸方向穴部313および径方向穴部314を流通可能である。このように、ニードル本体31は、弁座14とは反対側の端面から軸Ax2方向に延び径方向穴部314を経由してニードル本体31の外側の空間に連通する軸方向穴部313を有している。
ニードル30は、シール部32が弁座14から離間(離座)または弁座14に当接(着座)することで噴孔13を開閉する。以下、適宜、ニードル30が弁座14から離間する方向を開弁方向といい、ニードル30が弁座14に当接する方向を閉弁方向という。
可動コア40は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により略円筒状に形成されている。可動コア40は、磁気安定化処理が施されている。
可動コア40は、内側にニードル30のニードル本体31が挿通された状態でハウジング20内に収容されている。可動コア40は、内周壁がニードル30のニードル本体31の外周壁に摺動しつつ、ニードル30に対し相対移動可能である。また、可動コア40は、ニードル30と同様、主流路100内をハウジング20の軸Ax1方向へ往復移動可能なようハウジング20内に収容されている。なお、可動コア40の内周壁には、例えばNi−Pめっき等の硬質加工処理および摺動抵抗低減処理が施されている。
本実施形態では、可動コア40の弁座14とは反対側の面に、例えば硬質クロムめっき等の硬質加工処理および耐摩耗処理が施されている。
ニードル30の鍔部33は、弁座14側の面が可動コア40の弁座14とは反対側の面に当接可能である。つまり、ニードル30は、可動コア40の弁座14とは反対側の面に当接可能な当接面34を有している。可動コア40は、当接面34に当接または当接面34から離間可能なようニードル30に対し相対移動可能に設けられている。
固定コア50は、ハウジング20の内側の可動コア40に対し弁座14とは反対側に設けられている。固定コア50は、固定コア本体51およびブッシュ52を有している。固定コア本体51は、例えばフェライト系ステンレス等の磁性材料により略円筒状に形成されている。固定コア本体51は、磁気安定化処理が施されている。固定コア本体51は、ハウジング20の第3筒部23の内側に固定されるようにして設けられている。固定コア本体51とハウジング20の第3筒部23とは溶接されている。
ブッシュ52は、例えばステンレス等の硬度が比較的高い材料により略円筒状に形成されている。ブッシュ52は、固定コア本体51の弁座14側の端部の内周壁から径方向外側へ凹むよう形成された凹部511に設けられている。ここで、ブッシュ52の内径と固定コア本体51の内径とは概ね同等である。ブッシュ52の弁座14側の端面は、固定コア本体51の弁座14側の端面よりも弁座14側に位置している。そのため、可動コア40の弁座14とは反対側の面は、ブッシュ52の弁座14側の端面に当接可能である。
固定コア本体51には、溝部512が形成されている。溝部512は、固定コア本体51の内周壁から径方向外側へ凹むよう、かつ、固定コア本体51のブッシュ52の近傍からインレット部24側の端部近傍まで延びるよう形成されている。溝部512は、固定コア本体51の周方向に等間隔で4つ形成されている(図2参照)。ここで、溝部512は、主流路100の一部を形成している。
固定コア50は、シール部32が弁座14に当接した状態のニードル30の鍔部33が、ブッシュ52の内側に位置するよう設けられている。
アジャスティングパイプ53は、例えばステンレス等の金属により略円筒状に形成されている。本実施形態では、アジャスティングパイプ53は、「筒部」に対応している。
アジャスティングパイプ53は、外周壁が固定コア本体51の内周壁に嵌合するよう固定コア本体51の内側に設けられている。ここで、アジャスティングパイプ53は、溝部512の一端と他端との間に位置している。アジャスティングパイプ53は、一端が主流路100の噴孔13側に接続し、他端が主流路100の流入口240側に接続している。なお、アジャスティングパイプ53の他端は、溝部512、軸方向穴部313、径方向穴部314を経由して主流路100の噴孔13側にも接続している。
ニードル30および可動コア40に対し弁座14とは反対側には、隙間形成部材60が設けられている。隙間形成部材60は、例えば非磁性材料により形成されている。隙間形成部材60の硬度は、ニードル30およびブッシュ52の硬度とほぼ同等に設定されている。
隙間形成部材60は、有底円筒状に形成されている。隙間形成部材60の底部は、ニードル30、すなわち、ニードル本体31の弁座14とは反対側の端面、および、鍔部33の弁座14とは反対側の端面に当接可能である。
隙間形成部材60は、底部から弁座14側へ延びる筒部の内側にニードル30の鍔部33が位置するよう設けられている。また、隙間形成部材60の筒部は、弁座14側の端面が可動コア40の固定コア50側の端面に当接可能である。
本実施形態では、隙間形成部材60の筒部は、軸方向の長さが鍔部33の軸方向の長さより長くなるよう形成されている。そのため、隙間形成部材60は、底部がニードル30に当接し、筒部が可動コア40に当接しているとき、鍔部33と可動コア40との間に軸Ax2方向の隙間である軸方向隙間CL1を形成可能である。
ここで、隙間形成部材60の筒部の内径は、鍔部33の外径と同等、または、鍔部33の外径よりやや大きく設定されている。そのため、隙間形成部材60は、筒部の内周壁が鍔部33の外周壁と摺動可能であり、ニードル30に対し相対移動可能である。
また、隙間形成部材60の外径は、固定コア50の内径と同等、または、固定コア50の内径よりやや小さく設定されている。そのため、隙間形成部材60は、外周壁がブッシュ52の内周壁と摺動可能である。
本実施形態では、ニードル30は、弁座14側の端部がノズル部10のノズル筒部11の内壁により往復移動可能に支持され、固定コア50側の端部が隙間形成部材60および固定コア50により往復移動可能に支持される。このように、ニードル30は、ハウジング20の軸Ax1方向の2箇所の部位により、軸方向の往復移動が案内される。
隙間形成部材60は、孔部601をさらに有している。孔部601は、隙間形成部材60の底部の一方の端面と他方の端面とを接続し、ニードル30の軸方向穴部313に連通可能である。これにより、主流路100内の隙間形成部材60の弁座14とは反対側の燃料は、孔部601、ニードル30の軸方向穴部313、径方向穴部314を経由して可動コア40の弁座14側に流通可能である。
スプリング61は、例えばコイルスプリングであり、隙間形成部材60に対し弁座14とは反対側に設けられている。ここで、スプリング61は、「付勢部材」に対応している。スプリング61の一端は、隙間形成部材60の底部に当接している。スプリング61の他端は、アジャスティングパイプ53の一端、すなわち、弁座14側の端部に当接している。
スプリング61は、隙間形成部材60を弁座14側、すなわち、噴孔13側に付勢する。スプリング61は、隙間形成部材60の底部がニードル30に当接しているとき、隙間形成部材60を介してニードル30を噴孔13および弁座14側、すなわち、閉弁方向に付勢可能である。また、スプリング61は、隙間形成部材60の筒部が可動コア40に当接しているとき、隙間形成部材60を介して可動コア40を噴孔13および弁座14側に付勢可能である。すなわち、スプリング61は、隙間形成部材60を介してニードル30および可動コア40を噴孔13および弁座14側に付勢可能である。スプリング61の付勢力は、固定コア50に対するアジャスティングパイプ53の位置により調整することができる。
コイル62は、略円筒状に形成され、ハウジング20のうち特に第2筒部22および第3筒部23の径方向外側を囲むようにして設けられている。コイル62は、電力が供給(通電)されると磁力を生じる。コイル62に磁力が生じると、固定コア本体51、可動コア40、第1筒部21および第3筒部23に磁気回路が形成される。これにより、固定コア本体51と可動コア40との間に磁気吸引力が発生し、可動コア40は、固定コア50側に吸引される。このとき、可動コア40は、軸方向隙間CL1を加速しつつ開弁方向に移動し、ニードル30の鍔部33の当接面34に衝突する。これにより、ニードル30が開弁方向に移動し、シール部32が弁座14から離間し、開弁する。その結果、噴孔13が開放され、燃料が噴孔13から噴射される。このように、コイル62は、通電されると、可動コア40を固定コア50側に吸引し鍔部33に当接させ、ニードル30を弁座14とは反対側に移動させることが可能である。
上述のように、本実施形態では、閉弁状態において、隙間形成部材60が鍔部33と可動コア40との間に軸方向隙間CL1を形成するため、コイル62への通電時、可動コア40を軸方向隙間CL1で加速させて鍔部33に衝突させることができる。これにより、主流路100内の圧力が比較的高い場合でも、コイル62へ供給する電力を増大させることなく、開弁させることができる。よって、低消費電力で高圧の燃料を噴射することができる。
なお、可動コア40は、磁気吸引力により固定コア50側(開弁方向)に吸引されると、可動コア40の固定コア50側の端面がブッシュ52の弁座14側の端面に衝突する。これにより、可動コア40は、開弁方向への移動が規制される。
図1に示すように、インレット部24および第3筒部23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にコネクタ27が形成されている。コネクタ27には、コイル62へ電力を供給するための端子271がインサート成形されている。また、コイル62の径方向外側には、コイル62を覆うようにして筒状のホルダ26が設けられている。
ばね座部63は、例えばステンレス等の金属により管状に形成されている。ばね座部63は、可動コア40に対し弁座14側においてニードル本体31の径方向外側に設けられている。ばね座部63は、内周壁がニードル本体31の外周壁に嵌合するようニードル本体31に固定されている。このように、ばね座部63は、可動コア40に対し弁座14側においてニードル本体31の径方向外側に固定されている。
スプリング64は、例えばコイルスプリングであり、一端がばね座部63に当接し、他端が可動コア40の弁座14側の面に当接するよう設けられている。スプリング64は、可動コア40を固定コア50側に付勢可能である。スプリング64の付勢力は、スプリング61の付勢力よりも小さい。
スプリング61が隙間形成部材60を弁座14側に付勢することで、隙間形成部材60の底部とニードル30とが当接し、ニードル30は、シール部32が弁座14に押し付けられる。このとき、スプリング64が可動コア40を固定コア50側に付勢することで、隙間形成部材60の筒部と可動コア40とが当接する。この状態で、ニードル30の鍔部33の当接面34と可動コア40との間に軸方向隙間CL1が形成される。
可動コア40は、ニードル30の鍔部33とばね座部63との間で軸方向に往復移動可能に設けられている。つまり、可動コア40は、当接面34に当接または当接面34から離間可能なようニードル30に対し相対移動可能に設けられている。
なお、ばね座部63の外縁部とハウジング20の第1筒部21の内周壁との間には、環状の隙間が形成されている。そのため、軸方向穴部313内の燃料は、径方向穴部314、および、ばね座部63の外縁部と第1筒部21の内周壁との間の隙間を経由して、ばね座部63に対し弁座14側に流通可能である。
本実施形態では、可動コア40が固定コア50側に吸引されている状態でコイル62への通電を停止すると、ニードル30および可動コア40は、隙間形成部材60を介したスプリング61の付勢力により、弁座14側へ付勢される。これにより、ニードル30が閉弁方向に移動し、シール部32が弁座14に当接し、閉弁する。その結果、噴孔13が閉塞される。
起歪体70は、アジャスティングパイプ53と同じ材料、すなわち、ステンレス等の金属により板状に形成されている。起歪体70は、アジャスティングパイプ53の流入口240側の端部を塞ぐようにしてアジャスティングパイプ53と一体に形成されている。つまり、起歪体70は、アジャスティングパイプ53の流入口240側の端部の内側に設けられている(図1、2参照)。ここで、起歪体70は、一方の面71が噴孔13側を向き、他方の面72が流入口240側を向くようにして設けられている。
なお、アジャスティングパイプ53の内側には、一端が主流路100の噴孔13側に接続し他端が主流路100の流入口240側に接続する副流路101が形成されている。そのため、起歪体70は、副流路101に設けられているということもできる。
なお、副流路101の他端は、溝部512、軸方向穴部313、径方向穴部314を経由して主流路100の噴孔13側にも接続している。
図1、4に示すように、起歪体70の一方の面71に接する空間である第1空間S1は、主流路100に連通している。また、起歪体70の他方の面72に接する空間である第2空間S2は、主流路100に連通している。起歪体70は、第1空間S1と第2空間S2との圧力差により弾性変形可能である。ここで、起歪体70は、剛性が比較的低くなるよう形成されている。
差圧センサ80は、起歪体70の他方の面72の中央に当接するようにして設けられている。差圧センサ80は、センサ素子81を有している。
センサ素子81は、例えば単結晶シリコン等の半導体により形成されている。図3に示すように、センサ素子81は、ブリッジ回路82を有している。ブリッジ回路82には、抵抗821〜824が形成されている。差圧センサ80は、端子831〜834を有している。
抵抗821の一端と抵抗822の一端とは接続されている。抵抗823の一端と抵抗824の一端とは接続されている。抵抗821の他端と抵抗823の他端とは接続されている。抵抗822の他端と抵抗824の他端とは接続されている。
抵抗821の他端と抵抗823の他端との接続点は、端子831に接続している。抵抗822の他端と抵抗824の他端との接続点は、端子832に接続している。抵抗821の一端と抵抗822の一端との接続点は、端子833に接続している。抵抗823の一端と抵抗824の一端との接続点は、端子834に接続している。
端子831には、図示しないバッテリの正極が接続される。端子832は、車両のグランドに接続される。
第1空間S1と第2空間S2との圧力差により起歪体70に歪が生じると、センサ素子81に応力がかかり、抵抗821〜824の抵抗値がピエゾ抵抗効果により変化する。これにより、起歪体70に生じた歪の大きさ、すなわち、第1空間S1と第2空間S2との圧力差に対応する電気信号が端子833、834から出力される。
本実施形態では、差圧センサ80は、保護膜2により覆われている。保護膜2は、例えば樹脂等により形成され、熱伝導率が所定値以下に設定されている。すなわち、保護膜2の熱伝導率は、比較的低い。そのため、差圧センサ80と燃料との絶縁を図るとともに、差圧センサ80への温度の影響を小さくすることができる。また、保護膜2により、異物の付着による差圧センサ80のショートを防止することができる。
図4に示すように、主流路100および副流路101には、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1、および、第2空間S2と噴孔13とを接続する経路である第2経路R2が設定されている。ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達し、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する。
本実施形態では、第1経路R1の長さは、第2経路R2の長さより短い。そのため、主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する時間と、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する時間とに差が生じる。
そのため、図5(A)に示すように、第2空間S2には、第1空間S1の圧力変化(実線)に遅れて圧力変化(破線)が生じる。このとき、起歪体70には、第1空間S1と第2空間S2との差圧(図5(B)参照)に応じた歪が生じる。差圧センサ80は、当該歪の大きさに対応する電気信号を端子833、834から出力可能である。
なお、主流路100および副流路101を形成する部材と燃料との摩擦による減衰のため、第1経路R1を伝播する圧力変化と第2経路R2を伝播する圧力変化との時間差が大きくなる。また、噴孔13からの燃料の噴射量が少ない場合であっても、第1経路R1を伝播する圧力変化と第2経路R2を伝播する圧力変化との時間差により、第1空間S1と第2空間S2との差圧は大きくなる。
車両は、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)90を備えている。
ECU90は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROM、RAM、EEPROM、入出力手段としてのI/O等を有する小型のコンピュータである。ECU90は、車両の各部に設けられた各種センサからの信号等の情報に基づき、ROM等に格納されたプログラムに従い演算を実行し、車両の各種装置および機器の作動を制御する。このように、ECU90は、非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行する。このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。
ECU90は、各種センサからの信号等の情報に基づき、車両のスロットルバルブ、燃料噴射装置1等の作動を制御可能である。
ECU90は、スロットルバルブの作動を制御することにより、エンジンに供給される吸気の量を制御可能である。また、ECU90は、燃料噴射装置1の作動を制御することにより、エンジンの燃焼室に噴射供給される燃料の量を制御可能である。
図1に示すように、制御部91、圧力変化検出部92、流量推定部93、流量補正部94は、機能部としてECU90に設けられている。ここで、ECU90が実行する機能の一部または全部(機能部)を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。つまり、ECU90が提供する機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組み合わせによって提供することができる。
差圧センサ80の端子833、834は、ECU90に接続される。そのため、差圧センサ80から出力された電気信号は、ECU90に入力される。
制御部91は、コイル62への通電タイミングおよび通電時間等を制御することにより、噴孔13から流出する燃料の流量、すなわち、燃料の噴射量を制御可能である。
圧力変化検出部92は、差圧センサ80からの電気信号に基づき第1空間S1と第2空間S2との圧力差を検出し、検出した圧力差に基づき、主流路100の圧力の変化を検出可能である。
流量推定部93は、圧力変化検出部92により検出した圧力の変化に基づき、噴孔13から流出した燃料の流量、すなわち、燃料の噴射量を推定可能である。
流量補正部94は、流量推定部93により推定した流量に基づき、制御部91が制御する燃料の噴射量を補正可能である。
次に、ECU90による燃料噴射量の補正に関する処理について、図6に基づき説明する。
図6に示す一連の処理S100は、例えば車両のイグニッションキーがオンされECU90が起動すると、実行される。
S101では、ECU90は、圧力変化検出部92として機能し、主流路100の圧力の変化を検出する。具体的には、ECU90は、差圧センサ80からの電気信号に基づき第1空間S1と第2空間S2との圧力差を検出し、検出した圧力差に基づき、主流路100の圧力の変化を検出する。S101の後、処理はS102へ移行する。
S102では、ECU90は、流量推定部93として機能し、噴孔13から流出した燃料の流量を推定する。具体的には、ECU90は、S101で検出した圧力の変化に基づき、噴孔13から流出した燃料の流量、すなわち、燃料の噴射量を推定する。より詳細には、ECU90は、S101で検出した圧力の変化に基づき、噴射開始タイミング、噴射終了タイミング、および、噴射開始タイミングから噴射終了タイミングまでの圧力変化量を算出し、燃料の噴射量を推定する。S102の後、処理はS103へ移行する。
S103では、ECU90は、流量補正部94として機能し、制御部91が制御する燃料の噴射量を補正する。具体的には、ECU90は、S102で推定した燃料の噴射量に基づき、制御部91が制御する燃料の噴射量を補正する。より詳細には、ECU90は、S102で推定した燃料の噴射量に基づき、噴射条件毎の噴射量が燃料噴射装置1の使用開始直後と同様となるよう、コイル62への通電タイミングおよび通電時間等に関する指令信号を調整し、制御部91が制御する燃料の噴射量を補正する。S103の後、ECU90は、一連の処理S100を終了する。
ECU90は、処理S100を終了した後、再び処理S100を開始する。つまり、処理S100は、ECU90が起動している間、繰り返し実行される処理である。
制御部91は、処理S100で補正した噴射量に基づき、コイル62への通電タイミングおよび通電時間等を制御する。これにより、燃料噴射装置1から噴射される燃料の噴射条件毎の噴射量が、燃料噴射装置1の使用開始直後と同様となるよう維持される。
以上説明したように、(1)本実施形態による燃料噴射装置1は、ハウジング20と起歪体70と差圧センサ80とを備えている。
ハウジング20は、流体としての燃料が流入する流入口240、燃料が流出する、すなわち、噴射される噴孔13、および、流入口240と噴孔13とを接続し燃料が流れる主流路100を有している。
起歪体70は、一方の面71に接する空間である第1空間S1が主流路100に連通し、他方の面72に接する空間である第2空間S2が主流路100に連通し、第1空間S1と第2空間S2との圧力差により弾性変形可能である。
差圧センサ80は、起歪体70に設けられ、第1空間S1と第2空間S2との圧力差を検出可能である。
燃料が主流路100を流れるとき、起歪体70の一方の面71に接する第1空間S1、および、起歪体70の他方の面72に接する第2空間S2は、燃料で満たされる。そのため、主流路100の圧力が高くなる場合であっても、起歪体70の両面に過大な圧力差が発生するのを抑制でき、起歪体70の剛性を低く設定することができる。これにより、起歪体70の歪量を大きくすることができ、差圧センサ80が検出可能な圧力の範囲を大きくすることができる。したがって、主流路100を流れる燃料の圧力にかかわらず、主流路100の圧力の変化を高精度に検出することができる。
また、(2)本実施形態では、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1の長さは、第2空間S2と噴孔13とを接続する経路である第2経路R2の長さより短い。そのため、主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する時間と、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する時間とに差が生じる。これにより、噴孔13から燃料が噴射されたときの第1空間S1と第2空間S2との差圧を大きくすることができる。したがって、主流路100の圧力の変化をより高精度に検出することができる。
また、(3)本実施形態は、副流路101をさらに備えている。副流路101は、一端が主流路100の噴孔13側に接続し、他端が主流路100の流入口240側に接続している。起歪体70は、副流路101に設けられている。そのため、主流路100を流れる燃料の流れを起歪体70が妨げることはなく、噴射される燃料の圧損を抑制することができる。
また、本実施形態では、差圧センサ80は、起歪体70に生じた歪の大きさに対応する電気信号を出力可能なセンサ素子81を有している。そのため、センサ素子81を半導体技術で製造でき、量産性および低コスト性に優れる。
また、本実施形態では、センサ素子81は、ブリッジ回路82を有している。そのため、差圧センサ80から出力される電気信号への温度の影響を抑制することができる。これにより、温度による検出誤差を小さくでき、差圧センサ80による圧力差の検出精度を向上することができる。
また、本実施形態では、起歪体70は、ハウジング20の外壁の内側に設けられている。そのため、起歪体70および差圧センサ80をハウジング20の外壁の外側に設ける場合と比べ、燃料噴射装置1の搭載性を向上することができる。
また、(5)本実施形態は、筒部としてのアジャスティングパイプ53をさらに備えている。アジャスティングパイプ53は、一端が主流路100の噴孔13側に接続し、他端が主流路100の流入口240側に接続するよう設けられている。起歪体70は、筒部751の内側に設けられている。そのため、アジャスティングパイプ53と起歪体70および差圧センサ80とを一体化できる。これにより、燃料噴射装置1の組み付け性が向上する。
また、(6)本実施形態は、ニードル30と付勢部材としてのスプリング61とをさらに備えている。
ニードル30は、主流路100において往復移動可能に設けられ、噴孔13を開閉し噴孔13から流出する燃料の流量を制御可能である。
スプリング61は、ニードル30を噴孔13側に付勢する。
アジャスティングパイプ53は、一端がスプリング61のニードル30とは反対側の端部を係止するよう設けられている。
このように、起歪体70は、スプリング61を係止しスプリング61の付勢力を調整可能なアジャスティングパイプ53に設けられている。そのため、起歪体70を設置する部材等を別途設ける必要がなく、部材点数を削減することができる。
また、(12)本実施形態は、制御部91と圧力変化検出部92と流量推定部93と流量補正部94とをさらに備えている。
制御部91は、噴孔13から流出する燃料の流量、すなわち、燃料の噴射量を制御可能である。
圧力変化検出部92は、差圧センサ80により検出した圧力差に基づき、主流路100の圧力の変化を検出可能である。
流量推定部93は、圧力変化検出部92により検出した圧力の変化に基づき、噴孔13から流出した燃料の流量、すなわち、燃料の噴射量を推定可能である。
流量補正部94は、流量推定部93により推定した流量に基づき、制御部91が制御する燃料の流量、すなわち、燃料の噴射量を補正可能である。
そのため、燃料噴射装置1から噴射される燃料の噴射条件毎の噴射量を、燃料噴射装置1の使用開始直後と同様となるよう維持することができる。これにより、例えば経年等により、燃料噴射装置1の使用開始直後と比べ、指令信号に対する燃料噴射装置1からの燃料の噴射量が変化したとしても、制御部91は、燃料噴射装置1の使用開始直後と同様、燃料の噴射量を高精度に制御でき、エンジンの運転を高精度に制御することができる。
また、本実施形態では、主流路100を流れる流体は、燃料である。本実施形態による流体制御装置は、噴孔13から燃料を噴射する燃料噴射装置1である。
燃料としてのガソリンは、圧縮性流体である。ここで、「圧縮性流体」とは、流体粒子の内部で密度が変化し得る流体であって、圧縮や膨張の影響を受ける流体のことをいう。しかしながら、ガソリン等の液体の燃料は、圧縮性流体であるものの、圧縮や膨張の影響を受けた場合の流体粒子の内部における密度の変化は、空気等の気体と比べ、小さい。
燃料噴射装置1の使用時、主流路100および副流路101は、液体の燃料で満たされる。そのため、ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、燃料中の第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達し、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する。
また、燃料噴射装置1の使用時、起歪体70の一方の面71に接する第1空間S1と起歪体70の他方の面72に接する第2空間S2とは、液体の燃料で満たされる。そのため、主流路100の圧力が高くなる場合であっても、起歪体70の両面に過大な圧力差が発生するのを抑制でき、起歪体70の剛性を低く設定することができる。これにより、起歪体70の歪量を大きくすることができ、差圧センサ80が検出可能な圧力の範囲を大きくすることができる。したがって、主流路100を流れる燃料の圧力にかかわらず、主流路100の圧力の変化を高精度に検出することができる。よって、燃料噴射装置1からの燃料の噴射量を精度よく制御でき、燃費を向上することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態による燃料噴射装置を図7に示す。第2実施形態は、起歪体70の配置等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、ニードル30は、ニードル筒部35をさらに有している。本実施形態では、ニードル筒部35は、「筒部」に対応している。ニードル筒部35は、ニードル本体31の軸方向穴部313に対し噴孔13側において筒状に形成されている。ニードル筒部35の内側の空間は、軸方向穴部313に接続している。ニードル筒部35には、穴部351が形成されている。穴部351は、ニードル筒部35の内周壁と外周壁とを接続するよう形成されている。これにより、ニードル筒部35は、一端が穴部351を経由して主流路100の噴孔13側に接続し、他端が軸方向穴部313を経由して主流路100の流入口240側に接続している。なお、ニードル筒部35の他端は、軸方向穴部313、径方向穴部314を経由して主流路100の噴孔13側にも接続している。
本実施形態では、副流路101は、ニードル筒部35の内側において穴部351と径方向穴部314との間に形成されている。起歪体70は、ニードル30に形成された副流路101に設けられている。そのため、アジャスティングパイプ53の内側には主流路100が形成され、主流路100の流入口240側の燃料は、アジャスティングパイプ53の内側を経由して噴孔13側へ流れることができる。
起歪体70は、副流路101の中心よりも副流路101の一端側、すなわち、噴孔13側に設けられている。ここで、起歪体70は、一方の面71が噴孔13側を向き、他方の面72が流入口240側を向くようにして設けられている。差圧センサ80は、第1実施形態と同様、起歪体70の他方の面72の中央に当接するようにして設けられている。差圧センサ80は、保護膜2により覆われている。
図8に示すように、主流路100および副流路101には、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1、および、第2空間S2と噴孔13とを接続する経路である第2経路R2が設定されている。ここで、第1経路R1は穴部351を通る経路であり、第2経路R2は径方向穴部314を通る経路である。
ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達し、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する。
本実施形態では、第1経路R1の長さは、第2経路R2の長さより短い。そのため、第1実施形態と同様、主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する時間と、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する時間とに差が生じる。
第2実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
以上説明したように、(4)本実施形態では、起歪体70は、副流路101のうち中心よりも副流路101の一端側、すなわち、噴孔13側に設けられている。そのため、第1経路R1の長さを、第2経路R2の長さに対し、より短くすることができる。これにより、噴孔13から燃料が噴射されたときの第1空間S1と第2空間S2との差圧をより大きくすることができる。したがって、主流路100の圧力の変化をより一層高精度に検出することができる。
また、本実施形態では、ニードル30は、筒部としてのニードル筒部35をさらに有している。ニードル筒部35は、一端が主流路100の噴孔13側に接続し他端が主流路100の流入口240側に接続している。
起歪体70は、ニードル筒部35の内側に設けられている。そのため、ニードル30と起歪体70および差圧センサ80とを一体化でき燃料噴射装置1の組み付け性が向上するとともに、起歪体70を設置する部材等を別途設ける必要がなく、部材点数を削減することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態による燃料噴射装置を図9に示す。第3実施形態は、固定コア50の構成、起歪体70の配置等が第1実施形態と異なる。
第3実施形態では、固定コア本体51には、溝部512に代えて副流路101が形成されている。
副流路101は、一端が固定コア本体51の内側の空間のうちアジャスティングパイプ53に対し噴孔13側に接続し、他端が固定コア本体51の内側の空間のうちアジャスティングパイプ53に対し流入口240側に接続するよう、固定コア本体51の肉厚内に形成されている。すなわち、副流路101は、アジャスティングパイプ53をバイパスして主流路100の噴孔13側と流入口240側とを接続するよう形成されている。
ここで、副流路101は、一端が主流路100の噴孔13側に接続し、他端が主流路100の流入口240側に接続している。
本実施形態では、起歪体70は、固定コア本体51に形成された副流路101に設けられている。そのため、アジャスティングパイプ53の内側には主流路100が形成され、主流路100の流入口240側の燃料は、アジャスティングパイプ53の内側を経由して噴孔13側へ流れることができる。
なお、副流路101の他端は、アジャスティングパイプ53の内側を経由して主流路100の噴孔13側にも接続している。
起歪体70は、副流路101の中心よりも副流路101の一端側、すなわち、噴孔13側に設けられている。ここで、起歪体70は、一方の面71が噴孔13側を向き、他方の面72が流入口240側を向くようにして設けられている。差圧センサ80は、第1実施形態と同様、起歪体70の他方の面72の中央に当接するようにして設けられている。差圧センサ80は、保護膜2により覆われている。
図10に示すように、主流路100および副流路101には、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1、および、第2空間S2と噴孔13とを接続する経路である第2経路R2が設定されている。
ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達し、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する。
本実施形態では、第1経路R1の長さは、第2経路R2の長さより短い。そのため、第1実施形態と同様、主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する時間と、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する時間とに差が生じる。
第3実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
第4実施形態による燃料噴射装置を図11に示す。第4実施形態は、起歪体70の配置等が第3実施形態と異なる。
第4実施形態では、固定コア本体51には、副流路101は形成されていない。
第4実施形態は、筒部材75をさらに備えている。筒部材75は、筒部751、連通路752を有している。
筒部751は、例えば樹脂等により略円筒状に形成されている。連通路752は、筒部751の一方の端面と他方の端面とを接続するよう筒部751の肉厚内に形成されている。連通路752は、筒部751の周方向に等間隔で4つ形成されている(図12(A)参照)。
本実施形態では、副流路101は、筒部751の内側に形成されている。起歪体70は、筒部材75に形成された副流路101に設けられている。起歪体70は、例えばインサート成型により筒部材75に設けられている。主流路100は、筒部材75の連通路752に形成されている。そのため、主流路100の流入口240側の燃料は、連通路752、アジャスティングパイプ53の内側を経由して噴孔13側へ流れることができる。
起歪体70は、一方の面71が噴孔13側を向き、他方の面72が流入口240側を向くようにして設けられている。差圧センサ80は、第3実施形態と同様、起歪体70の他方の面72の中央に当接するようにして設けられている。差圧センサ80は、保護膜2により覆われている。
図12(B)に示すように、主流路100および副流路101には、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1、および、第2空間S2と噴孔13とを接続する経路である第2経路R2が設定されている。ここで、第2経路R2は連通路752を通る経路である。
ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達し、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する。
本実施形態では、第1経路R1の長さは、第2経路R2の長さより短い。そのため、第3実施形態と同様、主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する時間と、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する時間とに差が生じる。
第4実施形態は、上述した点以外の構成は、第3実施形態と同様である。
以上説明したように、(7)本実施形態は、筒部材75をさらに備えている。
筒部材75は、一端が主流路100の噴孔13側に接続し他端が主流路100の流入口240側に接続する筒部751、および、筒部751の一方の端面と他方の端面とを接続する連通路752を有している。起歪体70は、筒部751の内側に設けられている。
このように、本実施形態では、筒部材75と起歪体70および差圧センサ80とを一体化することができる。そのため、燃料噴射装置1の組み付け性が向上する。
(第5実施形態)
第5実施形態による燃料噴射装置の一部を図13に示す。第5実施形態は、差圧センサ80の配置等が第3実施形態と異なる。
第3実施形態では、差圧センサ80は、起歪体70の一方の面71の中央に当接するよう設けられている。
第3実施形態の燃料噴射装置1は、ダイヤフラム77、非圧縮性流体78をさらに備えている。
ダイヤフラム77は、起歪体70と同様、例えばステンレス等の金属により板状に形成されている。ダイヤフラム77は、副流路101において起歪体70の差圧センサ80側に設けられている。ここで、ダイヤフラム77は、起歪体70の一方の面71および差圧センサ80との間に密閉された空間S3を形成している。なお、空間S3は、一部が第1空間S1と重複している。
ダイヤフラム77は、一方の面側の空間と他方の面側の空間との圧力差により弾性変形可能である。ダイヤフラム77の弾性率は起歪体70と同等に設定されている。
非圧縮性流体78は、例えばシリコンオイル等の非圧縮性流体である。ここで、「非圧縮性流体」とは、流体粒子の内部で密度が一定の流体であって、圧縮や膨張の影響を無視できる流体のことをいう。そのため、非圧縮性流体78は、体積が変化せず、密度が常に一定であるとして扱うことができる。非圧縮性流体78は、起歪体70とダイヤフラム77との間の空間S3に設けられている。ここで、空間S3は、非圧縮性流体78で満たされている。なお、非圧縮性流体78の熱伝導率は、所定値以下に設定されている。すなわち、非圧縮性流体78の熱伝導率は、比較的低い。
本実施形態は保護膜2を備えず、差圧センサ80は非圧縮性流体78で覆われている。
本実施形態では、第1経路R1を伝播する圧力変化は、ダイヤフラム77および非圧縮性流体78を経由して起歪体70の一方の面71に伝播する。
第5実施形態は、上述した点以外の構成は、第3実施形態と同様である。
以上説明したように、(8)本実施形態は、ダイヤフラム77と非圧縮性流体78とをさらに備えている。
ダイヤフラム77は、起歪体70の差圧センサ80側に設けられ、弾性変形可能である。
非圧縮性流体78は、起歪体70とダイヤフラム77との間に設けられている。そのため、非圧縮性流体78で差圧センサ80を覆うことができる。これにより、差圧センサ80と燃料との絶縁を図るとともに、差圧センサ80への温度の影響を小さくすることができる。したがって、燃料の温度変化による差圧センサ80のセンサ出力のばらつきを小さくすることができる。
また、本実施形態では、起歪体70とダイヤフラム77との間の空間S3に非圧縮性流体78が設けられているため、差圧センサ80による圧力の検出遅れを抑制することができる。
(第6実施形態)
第6実施形態による燃料噴射装置を図14に示す。第6実施形態は、起歪体70の配置等が第4実施形態と異なる。
第6実施形態の燃料噴射装置1は、筒部材75に代えて流路形成部3をさらに備えている。
流路形成部3は、例えばステンレス等の金属により管状に形成されている。流路形成部3は、一端が固定コア本体51の内側の空間に接続し、他端がインレット部24の内側の空間に接続するよう設けられている。流路形成部3は、一端および他端を除く部分がハウジング20の外壁の外側に位置している。
本実施形態では、副流路101は、流路形成部3の内側に形成されている。ここで、副流路101は、一端がアジャスティングパイプ53の内側を経由して主流路100の噴孔13側に接続し、他端が主流路100の流入口240側に接続している。なお、副流路101の他端は、アジャスティングパイプ53の内側を経由して主流路100の噴孔13側にも接続している。
本実施形態では、起歪体70は、流路形成部3に形成された副流路101に設けられている。起歪体70は、ハウジング20の外壁の外側において、副流路101の中心よりも副流路101の一端側、すなわち、噴孔13側に設けられている。ここで、起歪体70は、一方の面71が噴孔13側を向き、他方の面72が流入口240側を向くようにして設けられている。差圧センサ80は、起歪体70の他方の面72の中央に当接するようにして設けられている。差圧センサ80は、保護膜2により覆われている。
図15に示すように、主流路100および副流路101には、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1、および、第2空間S2と噴孔13とを接続する経路である第2経路R2が設定されている。
ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達し、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する。
本実施形態では、第1経路R1の長さは、第2経路R2の長さより短い。そのため、第1実施形態と同様、主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する時間と、第2経路R2を伝播して第2空間S2に到達する時間とに差が生じる。
第6実施形態は、上述した点以外の構成は、第4実施形態と同様である。
以上説明したように、本実施形態では、起歪体70は、ハウジング20の外壁の外側に設けられている。そのため、燃料噴射装置1の組み付け性が向上するとともに、燃料噴射装置1の製造が容易になる。
(第7実施形態)
第7実施形態による燃料噴射装置を図16に示す。第7実施形態は、起歪体70の配置等が第6実施形態と異なる。
第7実施形態の燃料噴射装置1は、流体収容部4、非圧縮性流体78をさらに備えている。
流路形成部3は、一端がハウジング20の外壁の外側に位置している。
流体収容部4は、例えばステンレス等の金属により形成されている。流体収容部4の内側には、収容空間S4が形成されている。流体収容部4は、流路形成部3の一端に接続するよう流路形成部3と一体に形成されている。
流路形成部3の内側には、副流路101が形成されている。副流路101の一端は収容空間S4に接続している。
本実施形態では、起歪体70は、流路形成部3に形成された副流路101に設けられている。起歪体70は、ハウジング20の外壁の外側に位置している。ここで、起歪体70は、一方の面71がインレット部24側を向き、他方の面72が流体収容部4側を向くようにして設けられている。差圧センサ80は、起歪体70の他方の面72の中央に当接するようにして設けられている。差圧センサ80は、保護膜2により覆われていない。
非圧縮性流体78は、第5実施形態と同様、例えばシリコンオイル等の非圧縮性流体である。非圧縮性流体78は、収容空間S4、および、副流路101のうち起歪体70に対し流体収容部4側、すなわち、起歪体70の他方の面72に接する空間である第2空間S2に設けられている。ここで、第2空間S2は、非圧縮性流体78で満たされている。なお、非圧縮性流体78の熱伝導率は、所定値以下に設定されている。すなわち、非圧縮性流体78の熱伝導率は、比較的低い。
本実施形態は保護膜2を備えず、差圧センサ80は非圧縮性流体78で覆われている。
図17に示すように、主流路100および副流路101には、第1空間S1と噴孔13とを接続する経路である第1経路R1が設定されている。なお、第2空間S2は、非圧縮性流体78で満たされている。
ニードル30が開弁し噴孔13から燃料が噴射されることにより主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化は、第1経路R1を伝播して第1空間S1に到達する。
主流路100の噴孔13近傍で生じた圧力変化が第1空間S1に到達すると、第1空間S1と第2空間S2とに圧力差が生じる。これにより、起歪体70に歪が生じ、差圧センサ80から、起歪体70の歪の大きさに対応する電気信号が出力される。
第7実施形態においても、差圧センサ80からの電気信号に基づき、主流路100の圧力の変化を検出可能である。
第7実施形態は、上述した点以外の構成は、第6実施形態と同様である。
以上説明したように、(9)本実施形態による燃料噴射装置1は、ハウジング20と起歪体70と非圧縮性流体78と差圧センサ80とを備えている。
ハウジング20は、流体としての燃料が流入する流入口240、燃料が流出する、すなわち、噴射される噴孔13、および、流入口240と噴孔13とを接続し燃料が流れる主流路100を有している。
起歪体70は、一方の面71に接する空間である第1空間S1が主流路100に連通し、他方の面72に接する空間である第2空間S2と第1空間S1との圧力差により弾性変形可能である。
非圧縮性流体78は、第2空間S2に設けられている。
差圧センサ80は、起歪体70に設けられ、第1空間S1と第2空間S2との圧力差を検出可能である。
燃料が主流路100を流れるとき、起歪体70の一方の面71に接する第1空間S1は液体の燃料で満たされる。ここで、起歪体70の他方の面72に接する第2空間S2は、非圧縮性流体78で満たされている。そのため、主流路100の圧力が高くなる場合であっても、起歪体70の両面に過大な圧力差が発生するのを抑制でき、起歪体70の剛性を低く設定することができる。これにより、起歪体70の歪量を大きくすることができ、差圧センサ80が検出可能な圧力の範囲を大きくすることができる。したがって、主流路100を流れる燃料の圧力にかかわらず、主流路100の圧力の変化を高精度に検出することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態による燃料噴射装置およびその一部を図18、19に示す。第8実施形態は、燃料噴射装置の基本構成、および、起歪体70の配置等が第4実施形態と異なる。
第8実施形態では、ハウジング20の第1筒部21と第2筒部22とは一体に形成されている。また、第3筒部23と固定コア本体51とインレット部24とは一体に形成されている。また、インレット部24にフィルタ25は設けられていない。インレット部24は、内周壁により主流路100の一部を形成している。すなわち、インレット部24の内周壁は、流路形成壁面241に対応している。
第8実施形態では、支持部材55を備えている。支持部材55は、例えば金属により形成され、嵌合部551、隙間形成筒部552を有している。嵌合部551は、略円筒状に形成されている。嵌合部551の外径は、インレット部24の内径、すなわち、流路形成壁面241の内径よりやや大きい。
隙間形成筒部552は、筒状に形成され、テーパ部553、円筒部554を有している。テーパ部553は、一端が嵌合部551の端部に接続するよう嵌合部551と一体に形成されている。テーパ部553は、嵌合部551側から嵌合部551とは反対側へ向かうに従い内周壁および外周壁が軸に近付くようテーパ状に形成されている。円筒部554は、一端がテーパ部553の他端に接続するようテーパ部553と一体に形成されている。嵌合部551、テーパ部553、円筒部554は、同軸となるよう一体に形成されている。隙間形成筒部552、すなわち、テーパ部553および円筒部554の外径は、インレット部24の内径、すなわち、流路形成壁面241の内径より小さい。
支持部材55は、嵌合部551が流路形成壁面241に嵌合し、隙間形成筒部552側が流入口240とは反対側を向くようインレット部24の内側に設けられている。この状態において、隙間形成筒部552は、外周壁と流路形成壁面241との間に筒状の隙間である筒状隙間CL2を形成している。
支持部材55の内側には、副流路101が形成されている。円筒部554のテーパ部553近傍には、内周壁と外周壁とを接続する連通路550が形成されている。連通路550は、主流路100のうち支持部材55に対し流入口240側の空間と支持部材55に対し噴孔13側の空間とに連通している。流入口240からインレット部24に流入した燃料は、嵌合部551の内側、テーパ部553の内側、円筒部554の内側、連通路550、筒状隙間CL2を経由して噴孔13側へ流れることができる。本実施形態では、連通路550は、例えば円形状に形成されている。連通路550は、支持部材55の円筒部554の周方向に等間隔で2つ形成されている。
本実施形態では、起歪体70は、例えば金属により有底筒状に形成されている。起歪体70は、支持部材55とは別体に形成され、支持部材55の隙間形成筒部552の嵌合部551とは反対側の端部を底部の他方の面72により塞ぎつつ、筒部の内周壁が隙間形成筒部552の端部の外周壁に接合するよう、隙間形成筒部552の端部に設けられている。ここで、起歪体70の筒部の内周壁と隙間形成筒部552の外周壁とは液密に保持されている。起歪体70の底部の一方の面71は、噴孔13側を向いている。起歪体70の底部の他方の面72は、流入口240側を向いている。差圧センサ80および保護膜2は、起歪体70の一方の面71に設けられている。すなわち、本実施形態では、差圧センサ80は、支持部材55の外側に設けられている。起歪体70の底部は、第1空間S1と第2空間S2との圧力差により弾性変形可能である。
本実施形態では、インレット部24に端子穴部280が形成されている(図19参照)。端子穴部280は、インレット部24の外周壁と内周壁とを接続するよう形成されている。端子穴部280は、大径穴部281、小径穴部282を有している。大径穴部281は、インレット部24の外周壁から径方向内側へ延びるよう略円筒状に形成されている。小径穴部282は、インレット部24の内周壁から径方向外側へ延び、大径穴部281に接続するよう形成されている。大径穴部281と小径穴部282とは、同軸に形成されている。小径穴部282の内径は、大径穴部281の内径より小さい。そのため、大径穴部281と小径穴部282との間には、インレット部24の径方向外側を向く、略円環平面状の段差面283が形成されている。なお、支持部材55は、隙間形成筒部552の嵌合部551とは反対側の端部が端子穴部280の小径穴部282近傍に位置するようインレット部24の内側に設けられている。
本実施形態は、端子筒部材85、センサ端子861、封止材87をさらに備えている。端子筒部材85は、例えば金属により略円筒状に形成されている。端子筒部材85の外径は、端子穴部280の大径穴部281の内径よりやや大きい。端子筒部材85は、大径穴部281に嵌合するよう端子穴部280に設けられている。ここで、端子筒部材85の一方の端面は、端子穴部280の段差面283に当接している。また、端子筒部材85の他方の端部は、端子穴部280の径方向外側に飛び出している。さらに、端子筒部材85の内径は、小径穴部282の内径と略同じである。
センサ端子861は、端子筒部材85の内側に複数設けられている。封止材87は、例えばガラスにより形成され、端子筒部材85の内側に設けられている。封止材87は、端子筒部材85の内側において、センサ端子861と端子筒部材85の内周壁との間の空間を封止している。これにより、インレット部24の内側の燃料が端子穴部280を経由して外部に漏れるのを抑制することができる。
センサ端子861は、一端が隙間形成筒部552の起歪体70側の端部の径方向外側に位置するとともに差圧センサ80の端子831〜834に接続しており、他端が端子筒部材85の外部に露出するとともにECU90またはバッテリに接続される。これにより、バッテリからセンサ端子861を経由して差圧センサ80に電力が供給されるとともに、差圧センサ80からセンサ端子861を経由してECU90に電気信号が出力される。なお、本実施形態では、連通路550は、隙間形成筒部552の周方向において、センサ端子861の一端を避けた位置に形成されている。
以上説明したように、(10)本実施形態は、支持部材55をさらに備えている。支持部材55は、主流路100を形成する壁面である流路形成壁面241に嵌合する嵌合部551、および、流路形成壁面241の内径より小さな外径を有し外周壁と流路形成壁面241との間に筒状の隙間である筒状隙間CL2を形成する。起歪体70は、隙間形成筒部552の端部に設けられている。本実施形態では、支持部材55をインレット部24の内側に組付けるとき、および、支持部材55がインレット部24の内側に組付けられた状態において、嵌合部551には、流路形成壁面241から径内方向の外力が加わり、内部に応力が生じる。一方、隙間形成筒部552の外周壁と流路形成壁面241との間には筒状隙間CL2が形成されるため、隙間形成筒部552には、流路形成壁面241から径内方向の外力は加わらない。よって、隙間形成筒部552には応力が生じず、隙間形成筒部552に設けられた起歪体70の変形を抑制することができる。したがって、耐圧性の低下や組付け応力による検出精度の低下を招くことなく、差圧センサ80を設置することができる。
また、(11)本実施形態では、支持部材55は、主流路100のうち支持部材55に対し流入口240側の空間と支持部材55に対し噴孔13側の空間とに連通する連通路550を有している。連通路550は、支持部材55の周方向に等間隔で複数形成されている。そのため、連通路550前後での燃料の偏流を抑制することで、圧力分布の発生を抑え、差圧センサ80による圧力検出の検出精度の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、連通路550は、隙間形成筒部552の周方向において、センサ端子861の一端を避けた位置に形成されている。そのため、支持部材55の流入口240側から連通路550を経由して支持部材55の噴孔13側へ流れる燃料の流れがセンサ端子861により妨げられるのを抑制することができる。これにより、圧力分布の発生を抑え、差圧センサ80による圧力検出の検出精度の低下を抑制することができる。
(第9実施形態)
第9実施形態による燃料噴射装置の一部を図20に示す。第9実施形態は、支持部材55および起歪体70の配置等が第8実施形態と異なる。
第9実施形態では、支持部材55は、嵌合部551が流路形成壁面241に嵌合し、隙間形成筒部552側が流入口240側を向くようインレット部24の内側に設けられている。起歪体70は、支持部材55の隙間形成筒部552の嵌合部551とは反対側の端部を底部の一方の面71により塞ぎつつ、筒部の内周壁が隙間形成筒部552の端部の外周壁に接合するよう、隙間形成筒部552の端部に設けられている。ここで、起歪体70の底部の一方の面71は、噴孔13側を向いている。起歪体70の底部の他方の面72は、流入口240側を向いている。差圧センサ80および保護膜2は、起歪体70の一方の面71に設けられている。すなわち、本実施形態では、差圧センサ80は、支持部材55の内側に設けられている。流入口240からインレット部24に流入した燃料は、筒状隙間CL2、連通路550、円筒部554の内側、テーパ部553の内側、嵌合部551の内側を経由して噴孔13側へ流れることができる。第9実施形態は、上述した点以外の構成は第8実施形態と同様である。
(第10実施形態)
第10実施形態による燃料噴射装置の一部を図21に示す。第10実施形態は、支持部材55および起歪体70の構成等が第8実施形態と異なる。
第10実施形態では、支持部材55は、嵌合部551、隙間形成筒部552、テーパ部555を有している。嵌合部551は、第8実施形態と同様、略円筒状に形成されている。嵌合部551の外径は、インレット部24の内径、すなわち、流路形成壁面241の内径よりやや大きい。
隙間形成筒部552は、筒状に形成され、テーパ部553を有している。テーパ部553は、第8実施形態と同様、一端が嵌合部551の端部に接続するよう嵌合部551と一体に形成されている。テーパ部553は、嵌合部551側から嵌合部551とは反対側へ向かうに従い内周壁および外周壁が軸に近付くようテーパ状に形成されている。隙間形成筒部552、すなわち、テーパ部553の外径は、インレット部24の内径、すなわち、流路形成壁面241の内径より小さい。
テーパ部555は、一端が嵌合部551の隙間形成筒部552とは反対側の端部に接続するよう嵌合部551と一体に形成されている。テーパ部555は、嵌合部551側から嵌合部551とは反対側へ向かうに従い内周壁および外周壁が軸に近付くようテーパ状に形成されている。嵌合部551、テーパ部553、テーパ部555は、同軸となるよう一体に形成されている。
支持部材55は、嵌合部551が流路形成壁面241に嵌合し、隙間形成筒部552側が流入口240とは反対側を向くようインレット部24の内側に設けられている。この状態において、隙間形成筒部552は、外周壁と流路形成壁面241との間に筒状の隙間である筒状隙間CL2を形成している。
本実施形態では、連通路550は、テーパ部553の内周壁と外周壁とを接続するよう隙間形成筒部552に形成されている。連通路550は、主流路100のうち支持部材55に対し流入口240側の空間と支持部材55に対し噴孔13側の空間とに連通している。流入口240からインレット部24に流入した燃料は、テーパ部555の内側、嵌合部551の内側、テーパ部553の内側、連通路550、筒状隙間CL2を経由して噴孔13側へ流れることができる。本実施形態では、連通路550は、支持部材55のテーパ部553の周方向に等間隔で2つ形成されている。
本実施形態では、起歪体70は、支持部材55の隙間形成筒部552の嵌合部551とは反対側の端部を塞ぐよう支持部材55と一体に形成されている。すなわち、起歪体70は、隙間形成筒部552の端部の内側に設けられている。ここで、起歪体70の一方の面71は、噴孔13側を向いている。起歪体70の他方の面72は、流入口240側を向いている。差圧センサ80および保護膜2は、起歪体70の一方の面71に設けられている。すなわち、本実施形態では、差圧センサ80は、支持部材55の外側に設けられている。起歪体70は、第1空間S1と第2空間S2との圧力差により弾性変形可能である。
本実施形態では、センサ端子861は、一端が嵌合部551の径方向外側に位置するとともに差圧センサ80の端子831〜834に接続している。第10実施形態は、上述した点以外の構成は第8実施形態と同様である。
(第11実施形態)
第11実施形態による燃料噴射装置の一部を図22、23に示す。第11実施形態は、支持部材55の構成等が第8実施形態と異なる。
第11実施形態では、支持部材55は、嵌合部551、隙間形成筒部552を有している。隙間形成筒部552は、円筒部554を有している。円筒部554は、略円筒状に形成されている。隙間形成筒部552、すなわち、円筒部554の外径は、インレット部24の内径、すなわち、流路形成壁面241の内径より小さい。
嵌合部551は、隙間形成筒部552の端部の径方向外側に設けられている。嵌合部551は、隙間形成筒部552の周方向に等間隔で複数設けられている。嵌合部551は、例えば4つ設けられている(図23参照)。
支持部材55は、嵌合部551が流路形成壁面241に嵌合し、隙間形成筒部552の嵌合部551側の端部が流入口240側を向くようインレット部24の内側に設けられている。この状態において、隙間形成筒部552は、外周壁と流路形成壁面241との間に筒状の隙間である筒状隙間CL2を形成している。
本実施形態では、連通路550は、隙間形成筒部552の径方向外側において複数の嵌合部551の間に形成されている。連通路550は、主流路100のうち支持部材55に対し流入口240側の空間と支持部材55に対し噴孔13側の空間とに連通している。流入口240からインレット部24に流入した燃料は、連通路550、筒状隙間CL2を経由して噴孔13側へ流れることができる。本実施形態では、連通路550は、支持部材55の隙間形成筒部552の周方向に等間隔で4つ形成されている(図23参照)。
本実施形態では、起歪体70は、第8実施形態と同様、例えば金属により有底筒状に形成されている。起歪体70は、支持部材55とは別体に形成され、支持部材55の隙間形成筒部552の嵌合部551とは反対側の端部を底部の他方の面72により塞ぎつつ、筒部の内周壁が隙間形成筒部552の端部の外周壁に接合するよう、隙間形成筒部552の端部に設けられている。差圧センサ80および保護膜2は、起歪体70の一方の面71に設けられている。すなわち、本実施形態では、差圧センサ80は、支持部材55の外側に設けられている。
本実施形態では、センサ端子861は、一端が隙間形成筒部552の起歪体70側の端部の径方向外側に位置するとともに差圧センサ80の端子831〜834に接続している。なお、本実施形態では、連通路550は、隙間形成筒部552の周方向において、センサ端子861の一端を避けた位置に形成されている。すなわち、複数の嵌合部551のうちの1つは、隙間形成筒部552の周方向において、センサ端子861の一端と重なる位置に設けられている(図23参照)。第11実施形態は、上述した点以外の構成は第8実施形態と同様である。
(第12実施形態)
第12実施形態による燃料噴射装置の一部を図24に示す。第12実施形態は、支持部材55の構成が第8実施形態と異なる。
第12実施形態では、連通路550は、支持部材55の円筒部554の内周壁と外周壁とを接続するよう円形状に形成されている。連通路550は、円筒部554の周方向に等間隔で複数形成されている。なお、本実施形態の連通路550の内径は、第8実施形態の連通路550の内径より小さい。また、周方向に複数並ぶ連通路550は、円筒部554の軸方向にも複数形成されている。本実施形態の連通路550の流路面積の合計は、第8実施形態の連通路550の流路面積の合計と同程度である。第12実施形態は、上述した点以外の構成は第8実施形態と同様である。
(第13実施形態)
第13実施形態による燃料噴射装置の一部を図25に示す。第13実施形態は、支持部材55の構成が第12実施形態と異なる。
第13実施形態では、連通路550は、支持部材55の円筒部554の内周壁と外周壁とを接続するよう六角形状に形成されている。第13実施形態は、上述した点以外の構成は第12実施形態と同様である。
(他の実施形態)
上述の第1実施形態では、起歪体70をアジャスティングパイプ53の流入口240側の端部の内側に設ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、起歪体70をアジャスティングパイプ53の噴孔13側の部位の内側に設けることとしてもよい。また、起歪体70は、アジャスティングパイプ53とは別体に形成してもよい。
また、上述の実施形態では、差圧センサ80が、起歪体70に生じた歪の大きさに対応する電気信号を出力するセンサ素子81を有する、所謂歪式のセンサである例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、差圧センサ80は、振動子式、静電容量式、圧電式等のセンサであってもよい。また、センサ素子81は、ブリッジ回路82を有していなくてもよい。
また、上述の第5、7実施形態では、非圧縮性流体78として、シリコンオイルを用いる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、非圧縮性流体78としてエチレン等のアルコールを用いることとしてもよい。この場合、仮に非圧縮性流体78が主流路100に漏れ出たとしても、非圧縮性流体78がエンジンに噴射供給されることによる燃焼への影響を抑制することができる。
また、非圧縮性流体78として、熱伝導率が所定値より高い流体を用いることとしてもよい。また、差圧センサ80を覆う保護膜2を、熱伝導率が所定値より高い材料により形成してもよい。この場合、燃料の温度に応じて、差圧センサ80による検出値を補正することができる。
また、上述の実施形態では、起歪体70をステンレス等の金属により形成する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、起歪体70は、弾性変形可能な材料であれば、どのような材料により形成してもよい。例えば、第4実施形態において起歪体70を樹脂により、筒部751と一体に形成してもよい。また、筒部751は、樹脂に限らず、ステンレス等の金属により形成してもよい。
上述の第8〜13実施形態では、支持部材55の嵌合部551または隙間形成筒部552の軸に垂直な断面の形状が真円形となる例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、支持部材55の嵌合部551または隙間形成筒部552は、軸に垂直な断面の形状が、楕円形や三角形、四角形等の多角形となるよう形成されていてもよい。また、断面の形状が多角形となる場合において、多角形の2つの辺が交わる点、すなわち、多角形の頂点が曲線状に形成されていてもよい。また、隙間形成筒部552に設けられる起歪体70の形状も、隙間形成筒部552の形状に合わせて、楕円形や多角形等、真円形以外の形状に形成されていてもよい。
また、上述の第1、4実施形態では、起歪体70を筒部としてのアジャスティングパイプ53または筒部751の内側に設ける例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、起歪体70をアジャスティングパイプ53または筒部751の端部に設けることとしてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、差圧センサ80は、起歪体70の他方の面72または一方の面71のどちらに設けてもよい。
本発明は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、例えばポート噴射式のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等に適用してもよい。なお、油圧駆動式のディーゼルエンジン用燃料噴射装置に適用してもよい。
また、本発明の他の実施形態では、燃料以外の流体を制御対象としてもよい。この場合、上述の実施形態で示したハウジング20、起歪体70、差圧センサ80以外の部材を省略し、構成を簡略化することができる。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1 流体制御装置
240 流入口(入口)、13 噴孔(出口)、100 主流路、20 ハウジング、70 起歪体、71 一方の面、S1 第1空間、72 他方の面、S2 第2空間、80 差圧センサ、78 非圧縮性流体

Claims (12)

  1. 流体が流入する入口(240)、流体が流出する出口(13)、および、前記入口と前記出口とを接続し流体が流れる主流路(100)を有するハウジング(20)と、
    一方の面(71)に接する空間である第1空間(S1)が前記主流路に連通し、他方の面(72)に接する空間である第2空間(S2)が前記主流路に連通し、前記第1空間と前記第2空間との圧力差により弾性変形可能な起歪体(70)と、
    前記起歪体に設けられ、前記第1空間と前記第2空間との圧力差を検出可能な差圧センサ(80)と、
    を備える流体制御装置(1)。
  2. 前記第1空間と前記出口とを接続する経路である第1経路(R1)の長さは、前記第2空間と前記出口とを接続する経路である第2経路(R2)の長さより短い請求項1に記載の流体制御装置。
  3. 一端が前記主流路の前記出口側に接続し、他端が前記主流路の前記入口側に接続する副流路(101)をさらに備え、
    前記起歪体は、前記副流路に設けられている請求項1または2に記載の流体制御装置。
  4. 前記起歪体は、前記副流路のうち中心よりも前記副流路の一端側に設けられている請求項3に記載の流体制御装置。
  5. 一端が前記主流路の前記出口側に接続し、他端が前記主流路の前記入口側に接続するよう設けられた筒部(53)をさらに備え、
    前記起歪体は、前記筒部の内側または前記筒部の端部に設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体制御装置。
  6. 前記主流路において往復移動可能に設けられ、前記出口を開閉し前記出口から流出する流体の流量を制御可能なニードル(30)と、
    前記ニードルを前記出口側に付勢する付勢部材(61)と、をさらに備え、
    前記筒部は、一端が前記付勢部材の前記ニードルとは反対側の端部を係止するよう設けられている請求項5に記載の流体制御装置。
  7. 一端が前記主流路の前記出口側に接続し他端が前記主流路の前記入口側に接続する筒部(751)、および、前記筒部の一方の端面と他方の端面とを接続する連通路(752)を有する筒部材(75)をさらに備え、
    前記起歪体は、前記筒部の内側または前記筒部の端部に設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体制御装置。
  8. 前記起歪体の前記差圧センサ側に設けられ、弾性変形可能なダイヤフラム(77)と、
    前記起歪体と前記ダイヤフラムとの間に設けられた非圧縮性流体(78)と、
    をさらに備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体制御装置。
  9. 流体が流入する入口(240)、流体が流出する出口(13)、および、前記入口と前記出口とを接続し流体が流れる主流路(100)を有するハウジング(20)と、
    一方の面(71)に接する空間である第1空間(S1)が前記主流路に連通し、他方の面(72)に接する空間である第2空間(S2)と前記第1空間との圧力差により弾性変形可能な起歪体(70)と、
    前記第2空間に設けられた非圧縮性流体(78)と、
    前記起歪体に設けられ、前記第1空間と前記第2空間との圧力差を検出可能な差圧センサ(80)と、
    を備える流体制御装置(1)。
  10. 前記主流路を形成する壁面である流路形成壁面(241)に嵌合する嵌合部(551)、および、前記流路形成壁面の内径より小さな外径を有し外周壁と前記流路形成壁面との間に筒状の隙間である筒状隙間(CL2)を形成する隙間形成筒部(552)を有する支持部材(55)をさらに備え、
    前記起歪体は、前記隙間形成筒部の内側または前記隙間形成筒部の端部に設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体制御装置。
  11. 前記支持部材は、前記主流路のうち前記支持部材に対し前記入口側の空間と前記支持部材に対し前記出口側の空間とに連通する連通路(550)を有し、
    前記連通路は、前記支持部材の周方向に複数形成されている請求項10に記載の流体制御装置。
  12. 前記出口から流出する流体の流量を制御可能な制御部(91)と、
    前記差圧センサにより検出した圧力差に基づき、前記主流路の圧力の変化を検出可能な圧力変化検出部(92)と、
    前記圧力変化検出部により検出した圧力の変化に基づき、前記出口から流出した流体の流量を推定可能な流量推定部(93)と、
    前記流量推定部により推定した流量に基づき、前記制御部が制御する流体の流量を補正可能な流量補正部(94)と、
    をさらに備える請求項1〜11のいずれか一項に記載の流体制御装置。
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