JP2018178480A - 防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】網体による衝撃吸収効果を向上することができる防護柵を提供する。【解決手段】斜面に間隔を置いて支柱3,3A,3Bを立設し、これら支柱3,3A,3Bの間に防護面4を設ける。防護面4は、複数の支柱3,3A,3B間に設けた菱型金網5と、上横ロープ材6と、下横ロープ材7と、支柱3,3A,3B間に交差して配置された対をなす斜めロープ材8,9とを備え、支柱3,3A,3Bの下部を斜面2に固定し、端部の支柱3内の左右に補強材を設ける。防護面4に落石などにより衝撃力を受けると、菱型金網5、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9が変形することにより衝撃力が吸収される。この際、端部の支柱3には後側以外にも左右中央側に倒そうとする力が加わるが、支柱3内部の左右に設けた補強材により曲げ耐力が向上し、菱型金網5を備えた防護面4の衝撃力吸収効果を向上することできる。【選択図】図1

Description

本発明は、山沿いの道路等を落石や雪崩等から防護するための防護柵に関する。
従来、この種のものとして、間隔をおいて立設した支柱間に多段的に横ロ−プ材を横架して構成する衝撃吸収柵において、支柱に取り付けたメイン衝撃吸収装置により2本のロープ材の途上を把持すると共に、メイン衝撃吸収装置と横ロ−プ材の余長部に装着した端ストッパとの間をサブ衝撃吸収装置で把持し、前記メイン衝撃吸収装置及びサブ衝撃吸収装置がロープ材の引張強度以下の張力が作用した時に横ロープ材との摺動を許容する挟持力で把持し、端ストッパとサブ衝撃吸収装置とメイン衝撃吸収装置との当接時に横ロープ材の張力と支柱の曲げ力とを相互に伝達可能に構成した衝撃吸収柵(例えば特許文献1)がある。
上記衝撃吸収柵では、衝撃吸収装置を設けた横ロープ材を主体として落石などの衝撃力を吸収する構造であるから、多数の横ロープ材と衝撃吸収装置が必要となるため、部品点数が増加すると共に、衝撃吸収装置による把持力の管理等が煩雑になるという問題がある。
そこで、横ロープ材と衝撃吸収装置を減らしたのものとして、山間地の山側斜面に設置されたコンクリート基礎と、前記コンクリート基礎の上面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱間に亘って張設された金網と、一対のワイヤロープと、対をなすクロスワイヤと、前記一対のワイヤロープに前記金網とともに上下端部が連結され前記支柱間に所定間隔で配置された柱状の間隔材とを備え、前記ワイヤロープの両端部には緩衝装置が設けられ、前記各クロスワイヤの両端部にはループ状緩衝装置が設けられた防護柵(例えば特許文献2)がある。
特開平−54316号公報 特開2012−225036号公報
上記防護柵では、簡単な構成で、緩衝効果が大きく、より大きな衝撃エネルギーの吸収が可能となる。
ところで、上記衝撃吸収柵及び防護柵において、予想される落石などの衝撃力が比較的小さい場合、そのまま横ロープ材のサイズや衝撃吸収装置の性能を落しても、横ロープ材の本数や金具の数は大幅に減らないため、衝撃力が比較的小さい現場に適応することは難しい。
また、上記防護柵では、間隔材を設けることにより多段に設けた横ロープ材全体により衝撃力を分散させて吸収するように構成しているため、間隔材の分だけ部材が増えると共に、間隔材やクロスロープにより金網の変形による衝撃力吸収効果は低い面がある。
さらに、支柱に横ロープ材やクロスロープなどの複数のロープ材の端部を接続する場合、取付部が近接していると、それらロープ材の連結作業が煩雑となり、また、ロープ材毎に取付部を離すと、ロープ材と網体との間に隙間が発生し、そのロープ材と網体との連結作業が煩雑になると共に、僅かではあるが網体に加わった衝撃力がロープ材に伝わるまでに時間が掛かるため、網体とロープ材との一体的な挙動による衝撃吸収効果が削がれる懸念がある。
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、簡易な構成により、網体による衝撃吸収効果を向上することができる防護柵を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、設置場所に間隔を置いて支柱を立設し、これら支柱の間に防護面を設けた防護柵において、前記防護面は、複数の支柱間に設けた網体と、複数の支柱の上部間に設けた上横ロープ材と、複数の支柱の下部間に設けた下横ロープ材と、前記支柱間に交差して配置された対をなす斜めロープ材とを備え、前記支柱の下部を前記設置場所に固定し、端部の前記支柱内の左右に補強材を設けたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、前記網体は、該網体を構成する鋼線の引張強度が880N/mm以上の菱型金網であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、前記端部の支柱の前部に縦ロープ材を設け、この縦ロープ材に前記網体の端縁を連結し、前記端部の支柱の前部に斜め前向きの斜めロープ材用取付部を設け、この斜めロープ材用取付部に前記斜めロープ材の端部を連結したことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、前記中間の支柱の上部に上側係合部を設け、この上側係合部の上部に前記上横ロープ材の途中を挿通する挿入受け部を設けると共に、該上側係合部の下部に対をなす斜めロープ材の一方の途中を挿通する挿入受け部を設け、前記中間の支柱の下部に下側係合部を設け、この下側係合部の下部に前記下横ロープ材の途中を挿通する挿入受け部を設けると共に、該下側係合部の上部に対をなす斜めロープ材の他方を挿通する挿入受け部を設けたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、前記上側係合部の下部の挿入受け部には、前記斜めロープ材の途中を掛装する掛装部が設けられ、この掛装部に筒体を遊嵌し、前記下側係合部の上部の挿入受け部には前記斜めロープ材の途中を掛装する掛装部が設けられ、この掛装部に筒体を遊嵌したことを特徴とする。
請求項1の構成によれば、防護面の前面に落石などにより衝撃力を受けると、網体、上,下横ロープ材及び斜めロープ材が変形することにより衝撃力が吸収される。この際、端部の支柱には後側以外にも左右中央側に倒そうとする力が加わるが、支柱内部の左右に設けた補強材により曲げ耐力が向上し、網体を備えた防護面の衝撃力吸収効果を向上することできる。
請求項2の構成によれば、網体の変形により衝撃力吸収効果を向上することができ、使用条件により、緩衝装置の数が減り、或いは不要になり、現場での施工性が向上する共に、維持管理が容易となる。
請求項3の構成によれば、網体の端縁を縦ロープ材により支柱の前面に連結し、斜めロープ材用取付部を斜め前向きに支柱に設けることにより、斜めロープ材を網体の後面に沿うか近接した位置に配置して一体化を図ることでき、加わった衝撃力が同時に斜めロープ材に伝わり、網体と共にロープ材が変形して衝撃力を吸収することができる。
請求項4の構成によれば、施工においてロープ材の取付作業性が向上すると共に、防護面に衝撃力が加わり、ロープ材に張力が加わった場合、それぞれのロープ材が別々の挿入受け部に通されているため、ロープ材同士が干渉することを防止できる。
請求項5の構成によれば、斜めロープ材を折り曲げる箇所が筒体の外面で、その筒体が回動するため、折り曲げ箇所に無理な力が加わることなく、斜めロープ材の全長に引張力が加わり、衝撃力を吸収することができる。
本発明の実施例1を示す全体正面図である。 同上、支柱の側面図であり、図2(A)は中間の支柱、図2(B)は両端の支柱、図2(C)は端部の支柱を示す。 同上、支柱の要部の側面図である。 同上、支柱の要部の平面図である。 同上、端部の支柱の断面図である。 同上、両端の支柱の断面図である。 同上、中間の支柱の断面図である。 同上、中間の支柱の上部の拡大側面図である。 同上、中間の支柱の係合部の正面図であり、図9(A)は上側の係合部、図9(A)は上側の係合部を示す。 同上、緩衝金具の平面図である。 同上、緩衝金具の正面図である。 同上、把持体の側面図である。 同上、緩衝金具の側面図である。 同上、支柱上部の側面図である。 同上、支柱下部の側面図である。 同上、支柱上部の正面図である。 同上、支柱上部の正面図である。 同上、網体の正面図である。 同上、網体の要部の正面図である。 本発明の実施例2を示す全体正面図である。 同上、上弦材の断面図である。 同上、上弦材周りの正面図である。 本発明の実施例3を示す支柱上部の正面図である。 同上、支柱上部の正面図である。
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
図1〜図19は本発明の実施例1を示す。図1に示すように、防護柵1は、傾斜地である山間地の道路や線路等の山側の斜面に設けられるもので、土砂崩れ,落石,雪崩等を防止するために危険箇所に沿って設置される。
防護柵1は、山側の設置場所たる斜面2に立設され、この例では略垂直に立設されている(図15)。また、防護柵1は、例えば4本の支柱3,3A,3A,3Bと、各支柱3,3A,3A,3B間に設けた防護面4とにより構成されている。それら4本の支柱3,3A,3A,3Bは、左右方向に均等な間隔を置いて立設され、支柱3,3A,3A,3B全長の約1/3程度の支柱地中部が地中に位置し、2/3程度の支柱地上部が地表から垂直方向に立設されている。
前記支柱3は、防護柵1の端部に設けられる端部支柱であり、この端部の支柱3は、左右の一方のみに支柱3Aが位置し、両側には支柱3A,3Aは位置しない。また、前記支柱3Bは前記支柱3,3の間で、所定間隔で設けられる両端支柱である。また、前記支柱3Aは、前記支柱3,3Bの間、または支柱3B,3Bの間に設けられる中間支柱であり、この例では、支柱3と支柱3Bの間に2本の支柱3A,3Aを等間隔で設け、4本の支柱3,3A,3A,3Bを一組として前記防護面4が設けられている。尚、図1中で右側の支柱3Bの右側には、図示しない支柱3A,3A,3B又は支柱3A,3A,3が配置されている。
前記防護面4は、網体たる菱型金網5と、上,下横ロープ材6,7と、一方の斜めロープ材8と、この一方の斜めロープ材8に交差して配置される他方の斜めロープ材9とを備える。尚、各ロープ材6,7,8,9はワイヤロープなどからなる。
前記支柱3,3A,3Bは、直径,厚さ及び長さが同一の鋼管からなる。図3,図5及び図6に示すように、縦方向の前記支柱3,3Bの前側(山側)で上部と下部には、横方向の金属製平板からなる横ロープ材用取付部11,11Aを設け、これら取付部11,11Aの左右に緩衝金具51,51を取り付ける取付孔13が穿設されている。
尚、上側の取付部11には、前記上横ロープ材6の端末に設けた緩衝金具51が接続され、下側の取付部11Aには、前記下横ロープ材7の端末に設けた緩衝金具51が取り付けられる。また、下側の取付部11Aは、設置場所である斜面2に近接した地上に配置される。
尚、前記支柱3,3Bの上側において、縦ロープ材用取付部16は前記横ロープ材用取付部11より下に位置し、前記支柱3,3Bの下側において、縦ロープ材用取付部16は前記横ロープ材用取付部11Aより上に位置する。
前記支柱3,3Bの前側中央で上側と下側には、縦ロープ材81の上下を連結する縦ロープ材用取付部16,16が設けられ、この取付部16は、縦方向の金属製板片を前記支柱3,3Bの前側中央に溶着などにより固定してなり、その取付部16には縦ロープ材81を連結する取付孔17が穿設されている。
前記支柱3,3Bの前側の上側と下側には、斜めロープ材用取付部21,21が左右に設けられている。これら左右の取付部21,21は、縦方向の金属板片を、左右斜め前側に突設するように配置してなり、前記横ロープ材用取付部11,11Aが前後方向(山側と反山側の方向)で前側中央に突設されているのに対して、縦ロープ材用取付部16に対する左右の角度θが75度以下の方向に向いて、前記左右の取付部21,21が配置され、これら左右の取付部21,21に前記斜めロープ材8,9の端部を連結する取付孔22,22が穿設されている。尚、この例では、角度θは45度〜75度程度、図面では角度θは60度である。そして、角度θが75度を超えると取付孔22が菱型金網5の後面から離れてしまい、角度θが45度を未満、他の取付部16に近くなり、斜めロープ材8,9などの取付が煩雑になる虞があるため上記範囲とした。
このように斜めロープ材用取付部21,21を前側に向かって左右斜めに配置することにより、前記取付孔22を支柱3,3Bの前部に近い位置に配置することができる。従って、防護柵1の前側(山側)の面に設ける菱型金網5に近い位置、或いは菱型金網5の後面に沿う位置に斜めロープ材8,9を配置することができる。これにより後述する結合手段たる結合コイル82による斜めロープ材8,9と菱型金網5との結合作業が容易になると共に、斜めロープ材8,9と菱型金網5との一体化を図ることができる。
上側の横ロープ材用取付部11の取付孔13と、これより下で近接する縦ロープ材81の上側の取付部16の取付孔17との間に、前記斜めロープ材8,9の端部を連結する上側の取付孔22が位置し、また、下側の横ロープ材用取付部11Aの取付孔13と、これより上で近接する縦ロープ材81の下側の前記取付孔17との間に、前記斜めロープ材8,9の端部を連結する下側の取付孔22が位置する。
次に、本発明の特徴構成の一つである中間の支柱3Aの上側及び下側係合部31,31Aについて詳述する。図1、図8及び図9に示すように、上側及び下側係合部31,31Aは、前記支柱3Aの前側で上側と下側に設けられている。これら上側及び下側係合部31,31Aは、支柱3の前側(山側)に、上,中,下の係合部材32,32,32を前方に突出して設け、これら係合部材32,32,32は断面が円形の丸棒などからなり、この丸棒は鋼製などであって、支柱3Aの外周に溶着されている。
上側の係合部31において、それら上,中の係合部材32,32の間に、前記上横ロープ材6の途中を側方から挿入可能な挿入受け部33が形成され、中,下の係合部材32,32の間に、前記斜めロープ材8,9の一方の途中を側方から挿入可能な挿入受け部33が形成されている。また、下側の係合部31Aにおいて、それら中,下の係合部材32,32の間に、前記下横ロープ材7の途中を側方から挿入可能な挿入受け部33が形成され、上,中の係合部材32,32の間に、前記斜めロープ材8,9の他方の途中を側方から挿入可能な挿入受け部33が形成されている。
そして、挿入受け部33側は係合部材32,32の円柱部32K,32Kが位置している。また、上,中の係合部材32,32の先端上部に切欠き段部34,34を形成すると共に、下の係合部材32の先端下部に切欠き段部34Aを形成し、上中下の切欠き段部34,34,34Aの対応する位置で、係合部材32,32,32に透孔35,35,35を穿設し、開閉手段たるボルト36を上方から前記透孔35,35,35に挿通し、そのボルト36にナット37,37Aを螺合することにより、前記挿入受け部33,33を閉めることができ、逆に、ナット37,37Aを外してボルト36を抜くことにより、挿入受け部33,33を開くことができる。
上側の係合部31において、下の挿入受け部33に斜めロープ材8,9の一方の途中が挿入され、下の係合部材32の円柱部32Kに掛装されて斜めロープ材8,9の他方が向きを変える。また、下側の係合部31Aにおいて、上の挿入受け部33に斜めロープ材8,9の他方の途中が挿入され、上の係合部材32の円柱部32Kに掛装されて斜めロープ材8,9の他方が向きを変える。
上側及び下側係合部31,31Aにおいて、斜めロープ材8,9が掛装される円柱部32K,32Kに筒体38を遊嵌し、これにより円柱部32Kに、筒体38を回転可能に外装して設けている。筒体38は支柱と同じくメッキを施した鋼管からなり、筒体38の内径が円柱部32Kの外径より大きい。尚、筒体38が設けられ上側の係合部31の下の円柱部32Kと、筒体38が設けられ下側の係合部31Aの上の円柱部32Kとが掛装部である。尚、耐久性を考慮すると筒体38にステンレス管を用いることができる。
従って、上側の係合部31の下の挿入受け部33に挿入した斜めロープ材8,9は、筒体38の外面に沿って屈曲され、下側の係合部31Aの上の挿入受け部33に挿入した斜めロープ材8,9は、筒体38の外面に沿って屈曲され、この状態で斜めロープ材8,9が支柱3,3B間で張設される。従って、斜めロープ材8,9が長さ方向に沿ってスライドする際、筒体38が回ることにより、そのスライドが抵抗なくスムーズに行われる。
次に、前記支柱3,3A,3Bの補強体41,41A,41Aについて説明する。図2、図5〜図7に示すように、支柱3,3A,3B内に設ける補強体41,41A,41Aは、前記下側の横ロープ材用取付部11Aの下方で近接した位置の設置面対応箇所を挟んだ上下に、補強材42とスペーサ43を設けてなる。前記スペーサ43は前後方向の補強板44を有し、この補強板44は鋼板からなり、補強体41,41A,41Aの略全長に設けられている。また、前記スペーサ43の前後には、前記補強材42を支柱3,3A,3Bの前側及び後側において該支柱3,3A,3Bの内面に位置決めする位置決めリブ45,45が設けられている。尚、図2において、補強体41,41Aの上端41Jと下端41Kとの間に、設置面たる斜面2が位置する。
前記位置決めリブ45は、断面円形状の支柱3,3A,3Bを縮径した円弧状の鋼板で形成されると共に、支柱3,3A,3Bの長手方向の長さが、補強体41,41A,41Aの全長に対して短く形成され、支柱3,3A,3Bの中心軸上に示す仮想水平線Xを対称軸として線対称になるように設けられる。
尚、位置決めリブ45,45間を連結する補強板44は、支柱3,3A,3Bの肉厚11mmに対して、2分の1以上の9mmと肉厚のものを用いている。また、スペーサ43により位置決めされる補強材42は、異形棒鋼等の規格化された鉄筋から成り、本実施例では、支柱3,3A,3Bの前と後の圧縮領域側と引張領域側とに補強材42を四本配設して補強している。そして、これら補強材42を含む補強体41,41A,41Aを支柱3,3A,3B内に取付けて一体化する。尚、後述するように、端部の支柱3は、内部の左右にも補強材42が配置されている。
前記スペーサ43は、補強材42の長手方向に所定間隔をおいて配置される複数の位置決めリブ45,45を一つの補強板44で連結して設けられる。また、補強材42は、必要に応じて前記位置決めリブ45との接合部に溶接を施し、位置決めリブ45と補強板44と共に一体化され、補強体41,41A,41Aを構成する。そして、この補強体41,41A,41Aが支柱3,3A,3Bの端部開口から挿入配置される。尚、前記位置決めリブ45の長さは50mmで、支柱長さ方向に隣り合う位置決めリブ45,45は略2mの間隔を置いて配置されている。
さらに、支柱3,3A,3Bの内部に無収縮モルタルなどの不定形硬化材46を充填して耐荷材を形成する。
図5に示すように、端部の前記支柱3に設ける補強体41は、他の支柱3A,3Bの補強体41Aにはない下記の構成を備える。前記補強体41は、そのスペーサ43が前後方向の補強板44の中央で左右の補強板44A,44Aが一体に設けられ、これにより補強板44,44A,44Aは略十字形をなし、左右の補強板44A,44Aの端部に円弧状の位置決めリブ45A,45Aが設けられ、左右の位置決めリブ45A,45Aと支柱3の内面との間に2本の前記補強材42,42が配置されている。尚、補強板44Aの厚さは補強板44と同一である。また、前記補強板44Aは前記補強板44と同一構成である。
従って、端部の支柱3は、前後方向に倒そうとする力のみならず、該支柱3を左右方向に倒そうとする力に対しても、その場合の引張領域と圧縮領域である左右に補強材42,42が位置するため、左右方向の力に対して断面性能を向上することができる。具体的には、菱型金網5,上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9を備えた防護面4において、各部材から加わる荷重に対して支柱3が耐力を備えたものとなり、各部材による衝撃吸収効果を向上することができる。
図2に示すように、前記支柱3,3A,3Bの外周には、支柱地中部に、支柱長さ方向の回転止め部材48,48,48が固定されている。この回転止め部材48は鋼製の丸棒などからなり、前側と左右斜め後側で円周方向等間隔で3本設けられている(図5)。また、回転止め部材48は支柱3,3A,3Bの支柱地中部に設けられている。
従って、回転止め部材48により工場での製作中に横にした支柱3,3A,3Bが不用意に回ることがなく、作業性に優れる。また、施工においては、掘削孔95に支柱3,3A,3Bを挿入し、その掘削孔95に硬化材である無収縮モルタルを充填し、回転止め部材48により硬化したモルタルと支柱3,3A,3Bを一体化することができる。
前記支柱3,3A,3A,3Bの上部及び下部間には1本の前記上横ロープ材6及び下横ロープ材7が所定の張力を保持して架設される。このため前記支柱3,3Bの上下の取付部11,11Aには緩衝金具51が接続され、この緩衝金具51により横ロープ材6,7の端部の途中が把持されている。
前記上,下横ロープ材6,7は、前記緩衝金具51により、支柱3,3Bに揺動可能に連結される。その緩衝金具51は、図10〜図13に示すように、横ロープ材6,7を所定の摩擦力で把持する一対の把持体52,52を備え、これら把持体52,52の合せ面に、横ロープ材6,7に嵌合する嵌合溝52Aを形成し、両把持体52,52をボルトナットなどの締付手段53により締め付け固定する。相互に固定された把持体52,52の側面には、Uボルト54が係合する係合溝55,55が形成され、この係合溝55,55にUボルト54の両端部54T,54Tが係合する。また、Uボルト54の両端部54T,54Tを挿通する挿通部たるプレート56を備え、このプレート56には横ロープ材6,7を遊挿する溝部57が形成されている。
そして、Uボルト54をシャックル65により取付部11,11Aの取付孔13に連結し、そのUボルト54の両端部54T,54T間に、上,下横ロープ材6,7を締め付けた把持体52,52を嵌め入れ、さらに、端部54T,54Tをプレート56に挿通し、端部54T,54Tにナット58を螺合する。また、横ロープ材6,7の端部には、前記把持体52,52に係止するストッパ59が設けられている。
支柱3,3A,3A,3Bの間には、一対の斜めロープ材8,9が交差して配置され、端部の支柱3の上側に接続された一方の斜めロープ材8は、端部の支柱3の上側から隣りの支柱3Aの下側の挿入受け部33に挿入され、さらに、その隣りの支柱3Aの上側の挿入受け部33に挿入され、さらにまた、その隣りの支柱3Bの上側に接続されている。また、端部の支柱3の下側に接続された他方の斜めロープ材9は、端部の支柱3の下側から隣りの支柱3Aの上側の挿入受け部33に接続され、さらに、その隣りの支柱3Aの下側の挿入受け部33に接続され、さらにまた、その隣りの支柱3Bの上側に接続されている。
図1、図16及び図17に示すように、前記斜めロープ材8,9の端部には、ループ式緩衝装置61が設けられている。このループ式緩衝装置61は、斜めロープ材8,9の一部を構成するロープ材からなるループ部62を有し、このループ部62の交差部は、斜めロープ材8,9に張力がかかると一定の摺動抵抗を与える緩衝金具63により挟持されている。前記ループ部62の両端には輪部64,64が設けられ、ループ部62の中央側(反支柱側)の輪部64に斜めロープ材8,9の端部8T,9Tを連結している。
そして、支柱3,3Bの上部の取付孔22に、ループ部62の先端側(支柱側)の輪部64を、結金具たるシャックル65により連結している。一方、支柱3,3Bの下側の取付孔22に、シャックル65により張力調整手段たるターンバックル66の先端側を連結し、このターンバックル66にループ部62の先端側(支柱側)の輪部64を連結している。このようにして、各支柱3,3A,3A,3B間に一対の斜めロープ材8,9がX字状に張設される。
そして、前記ループ部62には、複数の摺動体67と、ループ部62のロープ材の摺動を止めるストッパ金具68とが中央部に設けられている。前記摺動体67は、斜めロープ材8,9に張力がかかり、ループ部62の径が小さくなって応力集中が生じ、斜めロープ材8,9が破断しないように、ループ部62の径が一定以下にならないように保つ機能を有する。
尚、斜めロープ材8,9を張設した状態で、ループ部62は自重により斜めロープ材8,9の下側に位置するから、図1などに示すように、下側のループ部62は、上側のループ部62より中央側に配置され、その下側のループ部62が斜面2などの設置面に触れないように構成している。そして、この例では、ターンバックル66の分だけ下側のループ部62が中央側に位置する。
前記菱型金網5には、亜鉛めっき鋼線71が用いられ、図18に示すように、縦方向の鋼線71を、上から下に向かって左右一方と左右他方で略85度に折り曲げて折り曲げ部72,72を形成し、隣り合う鋼線71,71の折り曲げ部72,72同士を係合して係合部73を形成し、斜め四辺が鋼線71で構成された菱型又は正方形の網目74を複数形成している。尚、鋼線71は、好ましくは引張強度TSが880N/mm以上のものを用いる。また、引張強度は、破断する前に材料に表れる最大の引張応力であり、JIS Z 2241に基く。また、前記亜鉛めっき鋼線71は、JIS G 3548の規格に基くものを用いる。
また、一例として、菱型金網5は、鋼線71の径が3.2mm、網目74の大きさが50mm×50mm(設計荷重100kJ用)、鋼線71の径が4.0mm、網目74の大きさが50mm×50mm(設計荷重300kJ用)、鋼線71の径が4.0mm、網目74の大きさが40mm×40mm(設計荷重500kJ用)のものなどが用いられる。尚、網目74の大きさが50mm×50mmとは、網目74を構成する平行な鋼線71,71の間隔Kと、残りの鋼線71,71の間隔を示す。
菱型金網5の上,下縁部は、図19に示すように、前記係合部73において左右一対の鋼線71,71の少なくとも一方を、この例では両方を鋼線71,71側に折り曲げた完全ナックル加工部75が形成されている。また、図18に示したように、菱型金網5の左右幅方向の端縁5Fは、縦方向の一方の鋼線71により複数の折り曲げ部72,72・・・が上下に並んで形成されている。尚、支柱3,3B間の間隔が広い場合は、複数の菱型金網5,5の端縁5Fを一体に連結したものを使用する。尚、菱型金網5の端縁5Fは、前記完全ナックル加工部75,75・・・が上下に並んだものでもよい。
端部の前記支柱3において、菱型金網5の端縁5Fは、縦ロープ材81と結合コイル82とにより前記支柱3に連結される。図14〜図17に示すように、前記縦ロープ材81には、両端にシンブルである輪部83,83(図15)が設けられ、これら輪部83,83をターンバックル84により連結して縦ロープ材81を輪状に形成し、上下に折り返し部81K,81Kを設け、これら上下の折り返し部81K,81K内にシンブル85,85を設け、このようにして縦長ループ状にした縦ロープ材81は、前後のロープ材前部81Fとロープ材後部81Rとを有する。
そして、上下のシンブル85,85を前記シャックル65,65により前記上下の取付孔17,17に連結している。また、ターンバックル84はロープ材後部81Rに配置されており、ロープ材前部81Fに複数の結合コイル82により菱型金網5の端縁5Fを連結している。尚、この場合、結合コイル82は、縦ロープ材81と菱型金網5の端縁5Fの網目74とに巻き付くように設けられる。
左右の支柱3A,3Aの間に位置する前記支柱3Bにおいて、支柱3と同様に縦ロープ材81を上下の取付孔17,17に連結し、左右の菱型金網5,5の端縁5F,5Fを、複数の結合コイル82によりロープ材前部81Fに連結する。
また、上,下横ロープ材6,7は菱型金網5の後面に添った状態で、複数の結合コイル82により菱型金網5に連結される。また、斜めロープ材8,9は菱型金網5の後面に添った状態で、複数の結合コイル82により菱型金網5に連結される。尚、菱型金網5の完全ナックル加工部75の設けた網目74より上下方向中央の網目74と、上,下横ロープ材6,7とが、結合コイル82により連結され、即ち、上,下横ロープ材6,7の上下方向外側には、少なくとも完全ナックル加工部75の設けた網目74が位置する。
前記支柱3,3A,3Bの上部にはキャップ91が固定され、このキャップ91の中央には透孔92が穿設されている。前記支柱3,3A,3Bの上面には、雌螺子部94(図3、図8)を有する鋼材(図示せず)を設け、前記透孔92にボルト93を挿通し、このボルト93を前記雌螺子部94に螺合することにより、支柱3,3A,3Bにキャップ91を固定している。
そして、山間地等の施工現場において、ダウンザホールなどの掘削手段により、所定の深さの掘削孔95を形成し、この掘削孔95に支柱3,3A,3Bを挿入し、掘削孔95に硬化性の充填材を充填する。
次に、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9を、各支柱3,3A,3A,3B間をつなぐように支柱3,3A,3A,3Bの山側に架設する。そして、菱型金網5を、支柱3,3A,3A,3Bの前側で前記ロープ材6,7,8,9の前側に渡って張設し、ロープ材6,7,8,9と菱型金網5とを結合コイル82により連結する。この場合、斜め前向きの取付部21により、斜めロープ材8,9は菱型金網5の後面に近接した位置にあるため、結合コイル82により結合作業が容易となる。また、菱型金網5の端縁5F,5Fを縦ロープ材81を介して支柱3,3Bと連結する。
次に、前記防護柵1の作用について説明する。防護柵1に落石や土砂が衝突すると、衝突時の運動エネルギーにより、菱型金網5、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9が谷側に変形し、引き延ばされる。この場合、菱型金網5の後には上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9だけが位置し、菱型金網5の上下の間隔を保持する部材等がないから、菱型金網5が大きく変形することができ、このように変形量が大きいと共に引張強度の高い鋼線71を用いることにより、従来の網体及びその取付構造を用いたものに比べて高い衝撃力吸収効果が得られる。
また、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9は、菱型金網5の谷側に架設されているので、菱型金網5を介して衝撃力が加わり、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9に張力がかかる。
この場合、斜め前向きの斜めロープ材用取付部21により、斜めロープ材8,9は端部側も菱型金網5の後面に近い位置に配置されているから、衝撃力を受けると、時間差なく斜めロープ材8,9に力が加わり、これら斜めロープ材8,9が菱型金網5と共に変形して衝撃力を吸収することができる。
さらに、上,下横ロープ材6,7に所定以上の引張力が加わると、緩衝金具51,51に対して横ロープ材6,7が摺動し、このように防護柵1が雪崩や落石等を受けて上,下横ロープ材6,に引張力が加わると、緩衝金具51に対して上,下横ロープ材6,7が摺動することにより、衝撃力を摩擦エネルギーに代えて吸収することができる。また、斜めロープ材8,9に所定以上の引張力が加わると、斜めロープ材8,9が緩衝金具63に対して摺動し、ループ部62が小さくなるように延び、緩衝金具63に対してループ部62が摺動することにより、衝撃力を摩擦エネルギーに代えて吸収することができる。
そして、菱型金網5、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9は、衝撃力により弾性変形して引き延ばされ、場合によっては塑性変形領域まで引き延ばされ、これにより衝撃エネルギーが吸収される。この際、端部の支柱3には、防護面4により防護柵1の左右方向内側に倒そうとする力が加わり、この場合の引張領域と圧縮領域である左右に補強材42が位置するため、左右方向の力に対して断面性能を向上することができる。従って、菱型金網5を主体とした防護面4の変形による衝撃吸収効果を確保することができる。
このように本実施例では、請求項1に対応して、設置場所たる斜面2に間隔を置いて支柱3,3A,3Bを立設し、これら支柱3,3A,3Bの間に防護面4を設けた防護柵1において、防護面4は、複数の支柱3,3A,3B間に設けた網体たる菱型金網5と、複数の支柱3,3A,3Bの上部間に設けた上横ロープ材6と、複数の支柱3,3A,3Bの下部間に設けた下横ロープ材7と、支柱3,3A,3B間に交差して配置された対をなす斜めロープ材8,9とを備え、支柱3,3A,3Bの下部を斜面2に固定し、端部の支柱3内の左右に補強材42,42を設けたから、防護面4の前面に落石などにより衝撃力を受けると、菱型金網5、上,下横ロープ材6,7及び斜めロープ材8,9が変形することにより衝撃力が吸収される。この際、端部の支柱3には後側以外にも左右中央側に倒そうとする力が加わるが、支柱3内部の左右に設けた補強材42,42により曲げ耐力が向上し、菱型金網5を備えた防護面4の衝撃力吸収効果を向上することできる。
このように本実施例では、請求項2に対応して、網体は、該網体を構成する鋼線71の引張強度が880N/mm以上の菱型金網5であるから、菱型金網5の変形により衝撃力吸収効果を向上することができ、使用条件により、緩衝装置である緩衝金具51及び緩衝装置61の数が減り、或いは不要になり、現場での施工性が向上する共に、維持管理が容易となる。
このように本実施例では、請求項3に対応して、端部の支柱3の前部に縦ロープ材81を設け、この縦ロープ材81に網体たる菱型金網5の端縁5Fを連結し、端部の支柱3の前部に斜め前向きの斜めロープ材用取付部21を設け、この斜めロープ材用取付部21に斜めロープ材8,9の端部を連結したから、斜めロープ材8,9を菱型金網5の後面に沿うか近接した位置に配置して一体化を図ることでき、加わった衝撃力が同時に斜めロープ材8,9に伝わり、菱型金網5と共に斜めロープ材8,9が変形して衝撃力を吸収することができる。また、実施例上の効果として、結合手段たる結合コイル82を用いた場合、菱型金網5と斜めロープ材8,9が近接しているため、両者の結合作業が容易となる。
このように本実施例では、請求項4に対応して、中間の支柱3Aの上部に上側係合部31を設け、この上側係合部31の上部に上横ロープ材6の途中を挿通する挿入受け部33を設けると共に、上側係合部31の下部に対をなす斜めロープ材8,9の一方の途中を挿通する挿入受け部33を設け、中間の支柱3Aの下部に下側係合部31Aを設け、この下側係合部31Aの下部に下横ロープ材7の途中を挿通する挿入受け部33を設けると共に、下側係合部31Aの上部に対をなす斜めロープ材8,9の他方を挿通する挿入受け部33を設けたから、施工においてロープ材6,7,8,9の取付作業性が向上すると共に、防護面4に衝撃力が加わり、ロープ材6,7,8,9に張力が加わった場合、それぞれのロープ材6,7,8,9が別々の挿入受け部33,33に通されているため、ロープ材6,7,8,9同士が干渉することを防止できる。
このように本実施例では、請求項5に対応して、上側係合部31の下部の挿入受け部33には、斜めロープ材8,9の途中を掛装する掛装部たる円柱部32Kが設けられ、この円柱部32Kに筒体たる筒体38を回転可能に外装し、下側係合部31Aの上部の挿入受け部33には斜めロープ材8,9の途中を掛装する掛装部たる円柱部32Kが設けられ、この円柱部32Kに筒体たる筒体38を回動可能に外装したから、斜めロープ材8,9を折り曲げる箇所が筒体38の外面で、その筒体38が回動するため、折り曲げ箇所に無理な力が加わることなく、斜めロープ材8,9の全長に引張力が加わり、衝撃力を吸収することができる。
以下、実施例上の効果として、上側において、支柱3,3Bの上から横ロープ材用取付部11,この下に左右斜め外向きの斜めロープ材用取付部21,21、この下に縦ロープ材用取付部16を配置することにより、狭い範囲で干渉することなく、複数のロープ材6,7,8,9,81を取り付けることができる。尚、支柱3,3Bの下側は取付部11,21,21,16の配置は上側と上下逆である。また、支柱3内には、その左右に補強材42,42及び位置決めリブ45A,45Aを補強体41の略全長に設けたから、防護柵1の左右方向内側への曲げ強度を効果的に向上することができる。また、支柱3,3A,3Bの外周に長さ方向の回転止め部材48を周方向に間隔を置いて複数設けたから、製造時の不用意な回転を防止でき、また、掘削孔95に立てこんだ際、該掘削孔95内に充填した充填材との一体化を図ることができる。また、菱型金網5の上縁及び下縁は完全ナックル加工部75を設けているから、菱型金網5が強度的に優れたものとなる。さらに、縦ロープ材81は、上下の折り返し部81K,81Kを端部の支柱3の上下に連結すると共に、上下の折り返し部81K,81Kの間にロープ材前部81Fとロープ材後部81Rを有し、ロープ材前部81Fに網体たる菱型金網5の端縁5Fを連結したから、ループ状の縦ロープ材81のロープ材後部81Rにターンバックル84を設けて縦ロープ材81を所定の張力で取り付け、ロープ材だけからなるロープ材前部81Fに菱型金網5の端縁5Fを連結することができる。
図20〜図22は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、支柱3,3A,3A,3Bの上端部には、上端部間を連結し支柱3,3A,3A,3B間の間隔を一定に維持させる金属製の長尺材である上弦材101が取り付けられている。また、この上弦材101の端部は、回動連結部102,102により、支柱3,3A,3A,3Bの前記キャップ91に前後方向及び上下方向に回動可能に連結されている。尚、上弦材101は前記上横ロープ材6の上部に配置される。
前記上弦材101の前側下部には、支柱側固定部材103が一体に設けられ、この支柱側固定部材103は、鋼製のフラットバーなどからなり、上弦材101の中心に対して斜め前下向きに固定され、複数の透孔104Aが穿設されている。また、前記支柱側固定部材103との間に菱型金網5を挟む網体用固定部材104を備え、この網体用固定部材104には前記透孔103Aに対応して透孔104Aが穿設されている。尚、網体用固定部材104は支柱側固定部材103に対して、左右方向の長さが略同一で、上下幅が狭い。
そして、上弦材101の前側に菱型金網5を配置し、この前側から網体用固定部材104を重ね合わせ、後側からボルト105を透孔103A,104A及び網目74に挿通し、ボルト105にナット105Aを螺合することにより、上弦材101に菱型金網5を固定することができる。
このように本実施例では、積雪荷重の大きな設置場所での設置に適したものとなる。即ち、上弦材101が無い場合、大きな積雪荷重を受けると、積雪荷重により防護面4が下向きに撓んでしまい、菱型金網5が撓んだり、ロープ材6,7が緩衝金具51に対してスライドしたりする虞があり、雪が解けた後、そのままでは落石などの衝撃力の吸収効果が低下する虞があるが、上弦材101を設けることにより問題を解消でき、また、積雪地域の斜面2に設けることにより雪崩予防柵としての効果が得られる。
さらに、菱型金網5の上下方向の間隔を保持する部材がなく、菱型金網5の上縁側のみを鋼管などの硬質材料からなる上弦材101に連結しただけであるから、衝撃力に対する菱型金網5の変形自由度を確保し、引張強度の高い鋼線71からなる菱型金網5の衝撃力吸収効果を確保することができる。
図23〜図24は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例の防護柵1は、緩衝金具51及びループ式緩衝装置61を用いていない。具体的には、上,下横ロープ材6,7の端部に、シンブルなどの輪部64を設け、この輪部64をシャックル65により取付孔17,17に連結している。
また、支柱3側において、斜めロープ材8の端部8Tに、シンブルなどの輪部64を設け、この輪部64をシャックル65により支柱3の上側の取付孔22に連結し、斜めロープ材9の端部9Tに、シンブルなどの輪部64を設け、この輪部64を、支柱3の下側の取付孔22に連結した前記ターンバックル66に連結している。
さらに、図示しないが、支柱3B側において、斜めロープ材9の端部に、シンブルなどの輪部64を設け、この輪部64をシャックル65により支柱3Bの上側の取付孔22に連結し、斜めロープ材9の端部に、シンブルなどの輪部64を設け、この輪部64を、支柱3Bの下側の取付孔22に連結した前記ターンバックル66に連結している。
このように本実施例では、比較的設計荷重の小さい防護柵1において、引張強度の高い鋼線71からなる菱型金網5の変形を主体として、落石などの衝撃力を吸収することができ、また、緩衝金具51及びループ式緩衝装置61を不要とすることにより、施工性の向上と、維持管理の容易性を確保することができる。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、支柱を垂直方向に設けたが、斜面に対して支柱を垂直に設けてもよい。また、コンクリート基礎に支柱を立設してもよい。さらに、支柱や補強材の長さや本数は適宜設定可能である。また、支柱を立設する間隔、網体の網目サイズ、外形寸法や枚数についても特に限定されず、施工現場の地形、受け止める対象物(石、土砂、雪)等に鑑みて、自由に設定することができる。さらに、網体は、菱型金網以外でも、平織金網,クリンプ金網や亀甲金網などを用いることができる。
1 防護柵
2 斜面(設置場所)
3 支柱(端部の支柱)
3A 支柱(中間の支柱)
3B 支柱(両端の支柱)
4 防護面
5 菱型金網(網体)
5F 端縁
6 上横ロープ材
7 下横ロープ材
8 一方の斜めロープ材
9 他方の斜めロープ材
31 上側係合部
31A 下側係合部
32K 円柱部(掛装部)
33 挿入受け部
38 筒体(筒体)
42 補強材
71 鋼線
81 縦ロープ材
81K 折り返し部

Claims (5)

  1. 設置場所に間隔を置いて支柱を立設し、これら支柱の間に防護面を設けた防護柵において、
    前記防護面は、複数の支柱間に設けた網体と、複数の支柱の上部間に設けた上横ロープ材と、複数の支柱の下部間に設けた下横ロープ材と、前記支柱間に交差して配置された対をなす斜めロープ材とを備え、
    前記支柱の下部を前記設置場所に固定し、端部の前記支柱内の左右に補強材を設けたことを特徴とする防護柵。
  2. 前記網体は、該網体を構成する鋼線の引張強度が880N/mm以上の菱型金網であることを特徴とする請求項1記載の防護柵。
  3. 前記端部の支柱の前部に縦ロープ材を設け、この縦ロープ材に前記網体の端縁を連結し、前記端部の支柱の前部に斜め前向きの斜めロープ材用取付部を設け、この斜めロープ材用取付部に前記斜めロープ材の端部を連結したことを特徴とする請求項1又は2記載の防護柵。
  4. 前記中間の支柱の上部に上側係合部を設け、この上側係合部の上部に前記上横ロープ材の途中を挿通する挿入受け部を設けると共に、該上側係合部の下部に対をなす斜めロープ材の一方の途中を挿通する挿入受け部を設け、前記中間の支柱の下部に下側係合部を設け、この下側係合部の下部に前記下横ロープ材の途中を挿通する挿入受け部を設けると共に、該下側係合部の上部に対をなす斜めロープ材の他方を挿通する挿入受け部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の防護柵。
  5. 前記上側係合部の下部の挿入受け部には、前記斜めロープ材の途中を掛装する掛装部が設けられ、この掛装部に筒体を遊嵌し、前記下側係合部の上部の挿入受け部には前記斜めロープ材の途中を掛装する掛装部が設けられ、この掛装部に筒体を遊嵌したことを特徴とする請求項4記載の防護柵。
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