JP2018177273A - ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法 - Google Patents

ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018177273A
JP2018177273A JP2017076971A JP2017076971A JP2018177273A JP 2018177273 A JP2018177273 A JP 2018177273A JP 2017076971 A JP2017076971 A JP 2017076971A JP 2017076971 A JP2017076971 A JP 2017076971A JP 2018177273 A JP2018177273 A JP 2018177273A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pentamethylene diisocyanate
container
less
acidity
diisocyanate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017076971A
Other languages
English (en)
Inventor
俊彦 中川
Toshihiko Nakagawa
俊彦 中川
森田 広一
Koichi Morita
広一 森田
山崎 聡
Satoshi Yamazaki
聡 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2017076971A priority Critical patent/JP2018177273A/ja
Publication of JP2018177273A publication Critical patent/JP2018177273A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Details Of Rigid Or Semi-Rigid Containers (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)

Abstract

【課題】低着色性および保存安定性に優れるペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法を提供すること。【解決手段】ペンタメチレンジイソシアネートと、ペンタメチレンジイソシアネートが収容された容器とを備えるペンタメチレンジイソシアネート入り容器1において、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量が200ppb以下であり、亜鉛含有量が25ppb以下であり、酸度が10ppm以上200ppm以下であり、容器3の内面には、樹脂層4が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法に関する。
従来、ポリイソシアネート化合物や、そのポリイソシアネート化合物を変性して得られるポリイソシアネート変性体(例えば、イソシアヌレート変性体、ポリオール変性体など)は、ポリウレタン樹脂の原料として広く用いられている。
一方、ポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート変性体は、その製造過程において副生する酸性成分(カルバモイルクロライドなどの加水分解性塩素成分)が、製造設備を腐食し、製造設備の材質に含まれる鉄などを溶出させる場合がある。
そして、ポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート変性体中に鉄などが溶出すると、着色を生じる場合がある。
そこで、ポリイソシアネート化合物およびポリイソシアネート変性体の着色を抑制するために、例えば、鉄分の含有量が60ppmを超過し、かつ、酸度が200ppmを超過する粗製ポリイソシアネートを、濾過および/または吸着処理して得られ、鉄分の含有量が60ppm以下、かつ、酸度が200ppm以下である有機ポリイソシアネート組成物が、提案されている。具体的には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などの各種ジイソシアネートと、トリメチロールプロパン(TMP)、ブタンジオール(BD)、ポリオキシプロピレンポリオール(PPG)などの活性水素基含有化合物とをウレタン化反応させ、得られた反応液を濾過することにより、鉄分含有量33〜53ppm、酸度1〜64ppmの有機ポリイソシアネート組成物を得ることが、提案されている(例えば、特許文献1(実施例1〜5)参照。)。
このような有機ポリイソシアネート組成物は、通常、各種容器に収容され、保存および輸送される。
有機ポリイソシアネート組成物を収容する容器としては、ガラス製容器、樹脂製容器、金属製容器などが広く使用されている。
ガラス製容器は大気(酸素)や水分の透過性が低く、容器表面から内容物への不純物の溶出が少ないため、少量での保存には適しているが、容器が重たく、また破損しやすいため、輸送を伴う工業用途では、使用が困難な場合がある。
また、樹脂製容器は、軽量で取扱いが容易であるが、大気(酸素)や水分の透過性に劣り、また、材質によっては非常に高価であるため、工業用途では、使用が困難な場合がある。
そのため、とりわけ工業用途では、有機ポリイソシアネート組成物を収容する容器として、ドラム缶などの金属製容器が用いられる。
特開2006−160684公報
しかるに、特許文献1に記載されるように、酸度および鉄含有量を調整された有機ポリイソシアネート組成物を金属製容器に収容し、保存および輸送すると、有機ポリイソシアネート組成物中の酸性成分が、金属製容器の材質中の鉄および/または亜鉛を溶出させるため、鉄含有量および/または亜鉛含有量が上昇し、白濁などの外観不良を生じる場合がある。
また、その有機ポリイソシアネート組成物を用いて、ポリイソシアネート変性体を製造すると、得られるポリイソシアネート変性体に着色を生じるなどの不具合を生じる場合がある。
とりわけ、有機ポリイソシアネート組成物のなかでも、ペンタメチレンジイソシアネートは、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しておらず、熱や光により着色しにくい特徴を有しているため、低着色性が要求される分野において用いられている。そのため、ペンタメチレンジイソシアネートおよびその変性体には、とりわけ優れた低着色性が要求されている。
一方、酸性成分による鉄および/または亜鉛の溶出を抑制するため、酸性成分を除去し、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度を低下させることも検討されるが、酸度が過度に低いペンタメチレンジイソシアネートは、保存安定性が十分ではなく、保存により高分子量化などの不具合を惹起する。
本発明は、低着色性および保存安定性に優れるペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法である。
本発明[1]は、ペンタメチレンジイソシアネートと、前記ペンタメチレンジイソシアネートが収容された容器とを備え、前記ペンタメチレンジイソシアネートの、鉄含有量が200ppb以下であり、亜鉛含有量が25ppb以下であり、酸度が10ppm以上200ppm以下であり、前記容器の内面には、樹脂層が設けられている、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器を含んでいる。
本発明[2]は、前記容器の材質が、鉄および/または亜鉛を含有する、上記[1]に記載のペンタメチレンジイソシアネート入り容器を含んでいる。
本発明[3]は、前記樹脂層が、ポリオレフィン樹脂層である、上記[1]または[2]に記載のペンタメチレンジイソシアネート入り容器を含んでいる。
本発明[4]は、ペンタメチレンジイソシアネートを、内面に樹脂層が設けられている容器に収容して、保存する、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法を含んでいる。
本発明[5]は、収容される前記ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が10ppm以上200ppm以下である、上記[4]に記載のペンタメチレンジイソシアネートの保存方法を含んでいる。
本発明のペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が所定値以上であるため、保存による高分子量化を抑制することができる。
また、本発明のペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、容器の内面に樹脂層が設けられているため、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が所定値以上であっても、その酸性成分により容器から鉄および/または亜鉛が溶出することを抑制できる。そのため、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量および亜鉛含有量を、所定値以下にすることができ、その結果、鉄および亜鉛に起因する低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
また、本発明のペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、酸度が所定値以下であるため、酸度に起因する低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
図1は、本発明のペンタメチレンジイソシアネート入り容器の一実施形態を示す概略図である。
図1において、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1は、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)と、そのペンタメチレンジイソシアネートが収容された容器2とを備えている。
収容されるペンタメチレンジイソシアネートとしては、例えば、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,4−ペンタメチレンジイソシアネート、1,3−ペンタメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
これらペンタメチレンジイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用することができる。
ペンタメチレンジイソシアネートとして、好ましくは、1,5−ペンタメチレンジイソシアネートが挙げられる。
ペンタメチレンジイソシアネートは、例えば、市販品(例えば、三井化学社製 スタビオ)として入手することもできるが、公知の方法、例えば、生化学的手法(例えば、リシンおよび/またはその塩の脱炭酸酵素反応など)などによりペンタメチレンジアミンまたはその塩を製造し、そのペンタメチレンジアミンまたはその塩を、ホスゲン化法、カルバメート化法などの方法でイソシアネート化反応させることにより、製造することができる。
また、ペンタメチレンジイソシアネートは、必要により、精留(蒸留)、抽出などの公知の方法によって精製される。
ペンタメチレンジイソシアネートの純度は、例えば、95質量%以上、好ましくは、98質量%以上、より好ましくは、99質量%以上、さらに好ましくは、99.5質量%以上、とりわけ好ましくは、99.9質量%以上であり、通常、100質量%以下である。
また、収容される(収容される前の)ペンタメチレンジイソシアネートの酸度は、例えば、10ppm以上、好ましくは、15ppm以上、より好ましくは、20ppm以上であり、例えば、200ppm以下、好ましくは、150ppm以下、より好ましくは、100ppm以下である。
なお、酸度は、例えば、JIS K 1603−2(2007)に準拠して測定することができる(以下同様)。
また、収容される(収容される前の)ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量は、例えば、200ppb以下、好ましくは、100ppb以下、より好ましくは、50ppb以下、さらに好ましくは、40ppb以下、とりわけ好ましくは、25ppb以下、さらには、10ppb以下である。下限としては、例えば、0.1ppb以上、さらには、0.5ppb以上、次いで、1ppb以上である。
また、収容される(収容される前の)ペンタメチレンジイソシアネートの亜鉛含有量は、例えば、25ppb以下、好ましくは、20ppb以下、より好ましくは、10ppb以下である。下限としては、例えば、0.1ppb以上である。
鉄含有量および亜鉛含有量は、例えば、ICP−MS(アジレント・テクノロジー社製、Agilent7500cs)で測定することができる(以下同様)。
また、収容される(収容される前の)ペンタメチレンジイソシアネートの高分子量体含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のUV検出(実施例に準拠)の検出強度として、例えば、2mV以下、好ましくは、1mV以下、より好ましくは、0.5mV以下である。
なお、高分子量体の生成は、後述する実施例に準拠して、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のUV検出により確認することができる(以下同様)。
容器2としては、例えば、一斗缶、ドラム缶、ペール缶、キャニスター缶などの種々の形状の容器が挙げられ、好ましくは、一斗缶、ドラム缶が挙げられる。図1には、ドラム缶状の容器2を示している。
また、容器2の大きさは、特に制限されず、種々のサイズのものが用いられる。具体的には、容器の容量は、例えば、0.5L以上、好ましくは1L以上、より好ましくは、16L以上であり、例えば、20000L以下、好ましくは、250L以下である。
このような容器2の材質は、通常、鉄および/または亜鉛を含有している。また、容器2の内面には、図1の拡大図に示されるように、樹脂層4が設けられている。換言すれば、容器2は、容器本体3と、その容器本体3に積層される樹脂層4とを備えている。
容器本体3は、容器2の外形を形成する金属板3aと、その金属板3aの一方面(容器2の内面)に積層される表面処理層3bとを備えている。
金属板3aは、特に制限されないが、例えば、鉄および/または亜鉛を含有する金属板であり、具体的には、鋼板(スチール板)が挙げられ、より具体的には、炭素鋼板などが挙げられ、さらに具体的には、冷間圧延鋼板、熱間圧延鋼板などが挙げられる。
金属板3aの厚みは、例えば、0.5mm以上、好ましくは、1.0mm以上であり、例えば、2.0mm以下、好ましくは、1.6mm以下である。
表面処理層3bは、例えば、公知の化成処理により形成される化成皮膜が挙げられる。
化成皮膜としては、特に制限されず、鉄メッキ皮膜、亜鉛メッキ皮膜、錫メッキ皮膜、クロムメッキ皮膜、アルミニウムメッキ皮膜、ニッケルメッキ皮膜、鉄−亜鉛メッキ皮膜、アルミニウム−亜鉛メッキ皮膜、ニッケル−亜鉛メッキ皮膜、リン酸鉄メッキ皮膜、リン酸亜鉛メッキ皮膜などが挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。
表面処理層3bとして、通常、鉄および/または亜鉛を含有する皮膜が挙げられ、具体的には、鉄メッキ皮膜、亜鉛メッキ皮膜、リン酸鉄皮膜、リン酸亜鉛メッキ皮膜が挙げられ、より具体的には、リン酸鉄皮膜、リン酸亜鉛メッキ皮膜が挙げられ、さらに具体的には、リン酸亜鉛皮膜が挙げられる。
表面処理層3bの厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、5μm以上であり、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
なお、図示しないが、容器本体3は、例えば、表面処理層3bを備えていなくともよい。また、必要に応じて、例えば、金属板3aの一方面(容器2の内面)、金属板3aの他方面(容器2の外面)、表面処理層3bの一方面(容器2の内面)、金属板3aと表面処理層3bとの界面などに、例えば、塗装層、プライマー層などが形成されていてもよい。
樹脂層4は、特に制限されず、容器本体3の内面に、樹脂を積層することによって形成される。
樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂など)、AS(アクリロニトリル-スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ・フェノール樹脂、各種ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド-イミド樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
これら樹脂は、単独使用または2種類以上併用することができる。
樹脂として、好ましくは、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられ、低着色性および保存安定性の観点から、より好ましくは、ポリオレフィン樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、ポリエチレン樹脂が挙げられる。すなわち、容器2は、好ましくは、ポリオレフィン樹脂層、より好ましくは、ポリエチレン樹脂層を備えている。
樹脂層4の形成方法としては、特に制限されず、公知の方法が採用される。
より具体的には、樹脂層4は、例えば、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、静電塗装法、パウダーコーティング法(粉体塗装法)などの公知の樹脂コーティング法により、上記の樹脂が容器本体3の内面にコーティングされることにより形成される。
また、樹脂層4は、例えば、ドライラミネート、ホットメルトラミネートなどの公知の樹脂ラミネート法により、上記の樹脂のフィルム(単層フィルム、複層フィルム)が、容器本体3の内面にラミネートされることによっても形成される。
樹脂層4の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
このような容器2として、具体的には、例えば、ポリオレフィンコート缶、ポリオレフィンラミネート缶、ポリエポキシコート缶などが挙げられ、好ましくは、ポリオレフィンコート缶、ポリオレフィンラミネート缶が挙げられる。
なお、図示しないが、容器2に無機酸化物などを蒸着させることにより、ガスバリア性および水バリア性を向上させることもできる。
そして、このような容器2にペンタメチレンジイソシアネートを収容して保存することにより、低着色性および保存安定性に優れたペンタメチレンジイソシアネート入り容器1が得られる。
このような保存方法において、容器2に収容される(収容される前の)ペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量および亜鉛含有量は、上記の範囲であるが、収容されるペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量および/または亜鉛含有量が上記上限を超過、または、上記下限未満である場合には、それらを上記範囲に調整することができる(調整工程)。
具体的には、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が上記下限未満である場合には、ペンタメチレンジイソシアネートに塩化水素ガスを吹き込むことにより、酸性成分をペンタメチレンジイソシアネート中に生成させ、酸度を上昇させることができる。
また、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が上記上限を超過する場合には、ペンタメチレンジイソシアネートを精製して酸性成分を除去するか、または、酸度がより低いペンタメチレンジイソシアネートを添加(混合)することによって、全体としての酸度を低下させることができる。
また、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量および/または亜鉛含有量が上記上限を超過する場合には、ペンタメチレンジイソシアネートを精製して鉄および/または亜鉛を公知の方法で除去するか、または、鉄含有量および/または亜鉛含有量がより低いペンタメチレンジイソシアネートを添加(混合)することによって、全体としての鉄含有量および/または亜鉛含有量を低下させることができる。
そして、容器2に収容した(保存時の)ペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量および亜鉛含有量も上記範囲であれば、低着色性および保存安定性の向上を図ることができる。
具体的には、ペンタメチレンジイソシアネートは、その製造過程において副生する酸性成分(例えば、カルバモイルクロライドなどの加水分解性塩素成分)を含有する場合がある。
ペンタメチレンジイソシアネート中の酸性成分が過度に少ない場合には、保存中にペンタメチレンジイソシアネートの高分子量体が生成するという不具合がある。
高分子量体が生成すると、ペンタメチレンジイソシアネートの粘度の増加を惹起し、また、溶剤やポリオール成分(後述)に対するペンタメチレンジイソシアネートの溶解性の低下を惹起する場合がある。さらには、ペンタメチレンジイソシアネート変性体(後述)の増加を惹起し、また、溶剤やポリオール成分に対するペンタメチレンジイソシアネート変性体(後述)の溶解性の低下を惹起する場合がある。
これに対して、容器2に収容した(保存時の)ペンタメチレンジイソシアネートが酸性成分を所定値以上の割合で含有すると、その酸性成分が高分子量化反応の負触媒として作用するため、ペンタメチレンジイソシアネートの高分子量化を抑制することができる。
具体的には、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が、10ppm以上、好ましくは、15ppm以上、より好ましくは、20ppm以上であると、ペンタメチレンジイソシアネートの高分子量化を抑制することができる。
このような場合、ペンタメチレンジイソシアネートの高分子量体含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)のUV検出(実施例に準拠)の検出強度として、例えば、2mV以下、好ましくは、1mV以下、より好ましくは、0.5mV以下である。
一方、酸度が上記所定値以上であるペンタメチレンジイソシアネートを、ぶりき缶(JIS G 3303(2008年))やリン酸亜鉛メッキドラム缶などの樹脂層4を有していない容器で保存すると、酸性成分が容器の材質中の鉄および/または亜鉛を溶出させる場合があり、ペンタメチレンジイソシアネートが溶出した鉄および/または亜鉛を含有する場合がある。
そして、ペンタメチレンジイソシアネートが鉄および/または亜鉛を含有する場合、そのペンタメチレンジイソシアネートを用いて変性体を製造すると、得られた変性体に着色を生じるなどの不具合を生じる場合がある。
これに対して、上記のペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、容器2の内面に樹脂層4が設けられている。そのため、容器2に収容した(保存時の)ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が上記所定値以上であっても、その酸性成分により容器から鉄および/または亜鉛が溶出することを抑制できる。そのため、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量および亜鉛含有量を所定値以下に保つことができる。
具体的には、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1において、ペンタメチレンジイソシアネート(ペンタメチレンジイソシアネートおよび鉄を含有するペンタメチレンジイソシアネート組成物)の鉄含有量は、200ppb以下、好ましくは、100ppb以下、より好ましくは、50ppb以下、さらに好ましくは、40ppb以下、とりわけ好ましくは、25ppb以下、さらには、10ppb以下である。
ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量が上記所定値以下であれば、低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
なお、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量の下限としては、例えば、0.1ppb以上、さらには、0.5ppb以上、次いで、1ppb以上である。
また、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1において、ペンタメチレンジイソシアネート(ペンタメチレンジイソシアネートおよび亜鉛を含有するペンタメチレンジイソシアネート組成物)の亜鉛含有量は、25ppb以下、好ましくは、20ppb以下、より好ましくは、10ppb以下である。
ペンタメチレンジイソシアネートの亜鉛含有量が上記所定値以下であれば、低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
なお、ペンタメチレンジイソシアネートの亜鉛含有量の下限としては、例えば、0.1ppb以上である。
一方、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量および亜鉛含有量が上記所定値以下であっても、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が過度に高い場合には、ペンタメチレンジイソシアネートの保存(とりわけ、5℃以下などの低温環境下における保存)により白濁などの外観不良を生じる場合があり、また、そのペンタメチレンジイソシアネートを用いて変性体を製造すると、得られた変性体に着色を生じるなどの不具合を生じる場合がある。
そのため、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度の上限は、200ppm以下、好ましくは、150ppm以下、より好ましくは、100ppm以下である。
ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が上記所定値以下であれば、低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
なお、ペンタメチレンジイソシアネートが、酸性成分、鉄および/または亜鉛を含有する場合、そのペンタメチレンジイソシアネートは、ペンタメチレンジイソシアネート組成物である。
また、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1は、必要に応じて、窒素ガスなどの不活性ガスでシールされていてもよい。
このようなペンタメチレンジイソシアネート入り容器1において、ペンタメチレンジイソシアネートは、上記の容器2に収容された状態で保存される。
保存条件としては、保存温度が、例えば、−5℃以上、好ましくは、0℃以上であり、例えば、30℃以下、好ましくは、25℃以下である。また、低温保存時には、保存温度が、例えば、5℃以下、好ましくは、1℃以下である。
また、保存期間は、例えば、0.5日以上、好ましくは、1日以上、より好ましくは、10日以上、さらに好ましくは、30日以上、とりわけ好ましくは、90日以上であり、例えば、3年以下、好ましくは、1年以下、より好ましくは、150日以下である。
そして、上記したように、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が所定値以上であるため、保存による高分子量化を抑制することができる。
また、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、容器2の内面に樹脂層4が設けられているため、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が所定値以上であっても、その酸性成分により容器から鉄および/または亜鉛が溶出することを抑制できる。そのため、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量および亜鉛含有量を、所定値以下にすることができ、その結果、鉄および亜鉛に起因する低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
また、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法では、酸度が所定値以下であるため、これに起因する低温保存時の外観不良(白濁)や、ペンタメチレンジイソシアネートの変性体の着色を抑制することができる。
このようなペンタメチレンジイソシアネート入り容器1中のペンタメチレンジイソシアネートは、ペンタメチレンジイソシアネート変性体の製造において好適に用いられる。
なお、ペンタメチレンジイソシアネートがペンタメチレンジイソシアネート組成物である場合、以下のペンタメチレンジイソシアネート変性体は、ペンタメチレンジイソシアネート変性体組成物である。
ペンタメチレンジイソシアネート変性体は、好ましくは、下記(a)〜(i)からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を含有する。
(a)イソシアヌレート基
(b)アロファネート基
(c)ビュレット基
(d)ウレタン基
(e)ウレア基
(f)ウレトジオン基
(g)イミノオキサジアジンジオン基
(h)ウレトンイミン基
(i)カルボジイミド基
上記(a)の官能基(イソシアヌレート基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートの三量体(トリマー)であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートを公知のイソシアヌレート化触媒の存在下において反応させ、三量化することにより、得ることができる。
上記(b)の官能基(アロファネート基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのアロファネート変性体であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートと公知のアルコール類とを反応させた後、公知のアロファネート化触媒の存在下でさらに反応させることにより、得ることができる。
上記(c)の官能基(ビュレット基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのビウレット変性体であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートと、例えば、水、第三級アルコール(例えば、t−ブチルアルコールなど)、第二級アミン(例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミンなど)とを反応させることにより、得ることができる。
上記(d)の官能基(ウレタン基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのポリオール変性体(ポリオール誘導体)であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートとポリオール成分(例えば、トリメチロールプロパンなどの公知の3価アルコール)との反応により、得ることができる。
上記(e)の官能基(ウレア基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのポリアミン変性体であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートと水、ポリアミン成分などとの反応により、得ることができる。
上記(f)の官能基(ウレトジオン基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのウレトジオン変性体(二量体、ダイマー)であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートを公知の二量化触媒の存在下において反応させ、二量化することにより、得ることができる。
上記(g)の官能基(イミノオキサジアジンジオン基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートの三量体(トリマー)であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートを公知のイミノオキサジアジンジオン化触媒の存在下において反応させ、三量化することにより、得ることができる。
上記(h)の官能基(ウレトンイミン基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのウレトンイミン変性体であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートとカルボジイミド化合物との反応により、得ることができる。
上記(i)の官能基(カルボジイミド基)を含有する変性体は、ペンタメチレンジイソシアネートのカルボジイミド変性体であって、例えば、ペンタメチレンジイソシアネートの脱炭酸縮合反応により、得ることができる。
なお、ペンタメチレンジイソシアネート変性体は、上記(a)〜(i)の官能基を少なくとも1種含有していればよく、2種以上含有することもできる。そのような変性体は、上記の反応を適宜併用することにより、生成される。
また、蒸留などにより未反応のペンタメチレンジイソシアネートを回収し、上記したペンタメチレンジイソシアネートの保存方法により保存することにより、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器1を得ることもできる。
そして、このようなペンタメチレンジイソシアネート変性体は、上記のペンタメチレンジイソシアネート入り容器1中のペンタメチレンジイソシアネートを変性して得られるため、低着色性に優れる。
また、上記のペンタメチレンジイソシアネート入り容器1中のペンタメチレンジイソシアネート、および/または、ペンタメチレンジイソシアネート変性体は、ポリウレタン樹脂の製造において、好適に用いられる。
ポリウレタン樹脂は、上記ペンタメチレンジイソシアネート、および/または、ペンタメチレンジイソシアネート変性体と、活性水素化合物とを反応させることにより、得ることができる。
活性水素化合物は、例えば、水酸基、メルカプト基、アミノ基などの活性水素基を分子中に1つ以上有する有機化合物であって、例えば、モノオール成分、ポリオール成分、モノチオール成分、ポリチオール成分、モノアミン成分、ポリアミン成分などの公知の活性水素化合物が挙げられ、好ましくは、ポリオール成分が挙げられる。
上記ペンタメチレンジイソシアネート、および/または、ペンタメチレンジイソシアネート変性体と、活性水素化合物との反応では、例えば、バルク重合や溶液重合などの公知の方法を採用することができ、また、工業的には、ワンショット法およびプレポリマー法などの公知の方法を採用することができる。
なお、上記の各種変性体およびポリウレタン樹脂の製造においては、脂肪族ポリイソシアネートとして、ペンタメチレンジイソシアネートの他、ヘキサメチレンジイソシアネートを用いることも知られている。
しかし、ペンタメチレンジイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートに比べ、硬度や耐薬品性に優れるため、高い意匠性が要求される用途に使用されることが多い。そのため、低着色性が厳しく要求され、また、高分子量化の低減、優れた外観(すなわち、保存安定性)も要求される。さらに、ペンタメチレンジイソシアネートはイソシアネート基の反応性が高いため、保存中に自己重合による高分子量化が進みやすいという特徴があり、この制御が重要である。
そのため、上記ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法により保存されたペンタメチレンジイソシアネートが、好適に用いられる。
そして、このようにして得られたポリウレタン樹脂は、例えば、ガラス代替プラスチックなどの透明性硬質プラスチック、コーティング材料、粘着剤、接着剤、防水材、ポッティング剤、インク、バインダー、フィルム、シート、バンド、チューブ、ブレード、スピーカー、センサー類、高輝度用LED封止剤、有機EL部材、太陽光発電部材、ロボット部材、アンドロイド部材、ウェアラブル部材、衣料用品、衛生用品、化粧用品、食品包装部材、スポーツ用品、レジャー用品、医療用品、介護用品、住宅用部材、音響部材、照明部材、シャンデリア、外灯、シール材、封止材、コルク、パッキン、防振・制震・免震部材、防音部材、日用品、雑貨、クッション、寝具、応力吸収材、応力緩和材、自動車の内外装部品、鉄道部材、航空機部材、光学部材、OA機器用部材、雑貨表面保護部材、半導体封止材、自己修復材料、健康器具、メガネレンズ、玩具などとして、好適に用いることができる。
また、ポリウレタン樹脂は、上記用途に限らず、支持体として様々な用途に用いることができる。また、ポリウレタン樹脂を製造するときには、予め、成形型(例えば、金属型、シリコン型、樹脂型など)に、各種部材(例えば、LEDなどの照明部材、例えば、電子回路、圧力などの各種センサー、例えば、有機ELなどの各種ディスプレー、その他、伝熱線、発電素子など)を導入することもできる。
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
また、各種測定方法を下記する。
<酸度(ppm)>
酸度は、JIS K 1603−2(2007)に準拠して測定した。
<鉄含有量(ppb)および亜鉛含有量(ppb)>
試料をるつぼに入れて灰化処理後、酸を加えて液化処理した。これを検液として鉄含有量および亜鉛含有量を測定した。
なお、測定装置として、ICP−MS(ICP質量分析装置、Agilent 7500cs アジレント・テクノロジー社製)を用いた。
<ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による高分子量体評価>
測定対象(ペンタメチレンジイソシアネート)を約0.04g採取し、メタノールでメチルウレタン化させた後、過剰のメタノールを除去し、テトラヒドロフラン10mLを添加して溶解させたものをサンプルとした。そして、得られたサンプルを、以下の条件でGPC測定した。そして、UV検出器により保持時間16〜18分に観測されるピークの強度を確認し、これを高分子量体のピークとして評価した。評価基準を下記する。
なお、ペンタメチレンジイソシアネートのメチルウレタン化物の示差屈折率により検出されるピークの保持時間は、32.5分であった。
装置;HLC−8020(東ソー社製)
注入量;100μL
カラム;G1000HXL、G2000HXLおよびG3000HXL(以上、東ソー製商品名)を直列に連結
カラム温度;40℃
溶離液;テトラヒドロフラン
流量;0.8mL/min
検出方法;示差屈折率、UV(λ=254nm)
評価基準;
微少:保持時間16〜18分のピーク強度が1mV未満
少 :保持時間16〜18分のピーク強度が1mV以上2mV未満
多 :保持時間16〜18分のピーク強度が2mV以上
<イソシアヌレート変性体の色相(APHA)>
ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体の色相を、JIS K 0071(1998年)に準拠した方法により測定した。
<外観>
:サンプル約100mlをガラス製の容器(容量110ml)に採取し、目視で外観を確認した。評価基準を下記する。
○:無色透明
×:浮遊物あり(白濁)
調製例1:ペンタメチレンジイソシアネートA(PDI−A)およびイソシアヌレート変性体の調製
国際公開第2012/121291号パンフレットの明細書における実施例1に準拠して製造し、ペンタメチレンジイソシアネート[PDI−A]を得た。PDI−Aの酸度は8ppmであった。
また、ペンタメチレンジイソシアネートの鉄含有量、亜鉛含有量および高分子量体量を評価した。その結果を表1に示す。
また、得られたペンタメチレンジイソシアネートを用いて、以下の方法でイソシアヌレート変性体を製造した。
すなわち、撹拌器、温度計、還流管、および窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、ペンタメチレンジイソシアネートを500質量部、イソブチルアルコールを1質量部、2,6−ジ(tert−ブチル)−4−メチルフェノールを0.3質量部、および、トリス(トリデシル)ホスファイトを0.75質量部装入し、80℃で2時間反応させた。
次いで、トリマー化触媒としてN−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエート(エアープロダクツジャパン製、商品名:DABCO(r)TMR)を0.05質量部添加し、反応を継続した。50分反応後o−トルエンスルホンアミドを0.12部添加した。得られた反応液を薄膜蒸留装置に通液して真空度0.09KPa、温度150℃で蒸留し、未反応のペンタメチレンジイソシアネートを留去して、ペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を得た。
そして、得られたイソシアヌレート変性体の色相を評価した。その結果を表1に示す。
調製例2:高酸度ペンタメチレンジイソシアネートHA(PDI−HA)の調製
製造例1により調製したPDI−Aをガラス製の四つ口フラスコに装入した。さらに塩化水素ガスを吹き込み、高酸度ペンタメチレンジイソシアネート(PDI−HA)を調製した。PDI−HAの酸度は490ppmであった。
調製例3〜7:ペンタメチレンジイソシアネートB〜F(PDI−B〜F)およびイソシアヌレート変性体の調製
表1に示す配合比で、PDI−AとPDI−HAとを混合して、ペンタメチレンジイソシアネートB〜F(PDI−B〜F)を調製した。
また、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量、亜鉛含有量および高分子量体量を評価した。その結果を表1に示す。
また、得られたペンタメチレンジイソシアネートを用いて、調製例1と同じ方法で、イソシアヌレート変性体を製造し、イソシアヌレート変性体の色相を評価した。その結果を表1に示す。
調製例8:ペンタメチレンジイソシアネートG(PDI−G)およびイソシアヌレート変性体の調製
調製例1でペンタメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体を製造するときに、回収された未反応のペンタメチレンジイソシアネートを、ペンタメチレンジイソシアネートG(PDI−G)とした。
また、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量、亜鉛含有量および高分子量体量を評価した。その結果を表1に示す。
また、得られたペンタメチレンジイソシアネートを用いて、調製例1と同じ方法で、イソシアヌレート変性体を製造し、イソシアヌレート変性体の色相を評価した。その結果を表1に示す。
調製例9:ペンタメチレンジイソシアネートH(PDI−H)およびイソシアヌレート変性体の調製
表1に示す配合比で、PDI−AとPDI−Gとを混合して、ペンタメチレンジイソシアネートH(PDI−H)を調製した。
また、ペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量、亜鉛含有量および高分子量体量を評価した。その結果を表1に示す。
また、得られたペンタメチレンジイソシアネートを用いて、調製例1と同じ方法で、イソシアヌレート変性体を製造し、イソシアヌレート変性体の色相を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2018177273
実施例1〜12および比較例1〜19
各調製例で調製したペンタメチレンジイソシアネートを、それぞれ、下記の所定の容器に装入し、十分に窒素ガスでシールした後、密閉した。
その後、25℃および1℃の環境で3か月間、静置した。
3か月後、各容器を開放してサンプルを採取し、目視により外観を確認した。
そして、25℃で保存した後のペンタメチレンジイソシアネートの酸度、鉄含有量、亜鉛含有量および高分子量体量を評価し、外観を目視で評価した。その結果を表2〜5に示す。
また、25℃で保存した後のペンタメチレンジイソシアネートを用いて、調製例1と同じ方法で、イソシアヌレート変性体を製造し、イソシアヌレート変性体の色相を評価した。その結果を表2〜5に示す。
さらに、1℃で保存した後のペンタメチレンジイソシアネートの外観を目視で評価した。その結果を表2〜5に示す。
<保存容器>
・樹脂層を備える容器
ポリオレフィンラミネート缶:多層ポリエチレン系フィルムを熱融着ラミネート加工処理 ハイブリッド缶(大日製缶社製)
エポキシコート缶:エポキシ樹脂内面コート缶(大日製缶社製)
ポリエチレン粉体塗装ドラム缶:ポリマイト(商標登録)ドラム缶(JFEコンテナー社製)
・樹脂層を備えない容器
スチール缶:スズフリー・クロムメッキ処理スチール缶(大日製缶社製)
リン酸亜鉛処理ドラム缶:リン酸亜鉛処理鋼板製ドラム缶(JFEコンテナー社製)
Figure 2018177273
Figure 2018177273
Figure 2018177273
Figure 2018177273
1 ペンタメチレンジイソシアネート入り容器
2 容器
3 容器本体
4 樹脂層

Claims (5)

  1. ペンタメチレンジイソシアネートと、
    前記ペンタメチレンジイソシアネートが収容された容器と
    を備え、
    前記ペンタメチレンジイソシアネートの、
    鉄含有量が200ppb以下であり、
    亜鉛含有量が25ppb以下であり、
    酸度が10ppm以上200ppm以下であり、
    前記容器の内面には、樹脂層が設けられている
    ことを特徴とする、ペンタメチレンジイソシアネート入り容器。
  2. 前記容器の材質が、鉄および/または亜鉛を含有する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のペンタメチレンジイソシアネート入り容器。
  3. 前記樹脂層が、ポリオレフィン樹脂層である
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載のペンタメチレンジイソシアネート入り容器。
  4. ペンタメチレンジイソシアネートを、内面に樹脂層が設けられている容器に収容して、保存する
    ことを特徴とする、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法。
  5. 収容される前記ペンタメチレンジイソシアネートの酸度が10ppm以上200ppm以下である
    ことを特徴とする、請求項4に記載のペンタメチレンジイソシアネートの保存方法。
JP2017076971A 2017-04-07 2017-04-07 ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法 Pending JP2018177273A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017076971A JP2018177273A (ja) 2017-04-07 2017-04-07 ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017076971A JP2018177273A (ja) 2017-04-07 2017-04-07 ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018177273A true JP2018177273A (ja) 2018-11-15

Family

ID=64282678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017076971A Pending JP2018177273A (ja) 2017-04-07 2017-04-07 ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018177273A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2021256417A1 (ja) * 2020-06-18 2021-12-23
CN113980238A (zh) * 2021-10-27 2022-01-28 万华化学集团股份有限公司 一种苯二亚甲基二异氰酸酯组合物及其制备方法、应用
US11920041B2 (en) 2018-02-02 2024-03-05 Fujifilm Corporation Composition, film, infrared transmitting filter, and solid-state imaging element

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005048073A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Mitsui Takeda Chemicals Inc 安定剤含有有機ポリイソシアネート組成物
JP2005298365A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Mitsui Takeda Chemicals Inc 有機ポリイソシアネート組成物
JP2006160684A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 有機ポリイソシアネート組成物、該有機ポリイソシアネートの製造方法、接着剤組成物及び塗料用組成物
JP2010047503A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd イソシアネート混合物の製造方法
JP2010111611A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 有機ポリイソシアネート組成物
WO2012121291A1 (ja) * 2011-03-09 2012-09-13 三井化学株式会社 ペンタメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法、ポリイソシアネート組成物、ポリウレタン樹脂およびポリウレア樹脂
WO2013108860A1 (ja) * 2012-01-18 2013-07-25 三井化学株式会社 1,5-ペンタメチレンジアミンの製造方法、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法およびポリイソシアネート組成物の製造方法
JP2015214349A (ja) * 2014-05-09 2015-12-03 渡邉 俊夫 内面被覆ドラム缶およびその製造方法
JP2017031114A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 三井化学株式会社 ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法およびペンタメチレンジイソシアネートの製造装置
WO2018070540A1 (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 旭化成株式会社 イソシアネート組成物、イソシアネート組成物の製造方法、及びイソシアネート重合体の製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005048073A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Mitsui Takeda Chemicals Inc 安定剤含有有機ポリイソシアネート組成物
JP2005298365A (ja) * 2004-04-07 2005-10-27 Mitsui Takeda Chemicals Inc 有機ポリイソシアネート組成物
JP2006160684A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd 有機ポリイソシアネート組成物、該有機ポリイソシアネートの製造方法、接着剤組成物及び塗料用組成物
JP2010047503A (ja) * 2008-08-20 2010-03-04 Nippon Polyurethane Ind Co Ltd イソシアネート混合物の製造方法
JP2010111611A (ja) * 2008-11-05 2010-05-20 Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc 有機ポリイソシアネート組成物
WO2012121291A1 (ja) * 2011-03-09 2012-09-13 三井化学株式会社 ペンタメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法、ポリイソシアネート組成物、ポリウレタン樹脂およびポリウレア樹脂
WO2013108860A1 (ja) * 2012-01-18 2013-07-25 三井化学株式会社 1,5-ペンタメチレンジアミンの製造方法、1,5-ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法およびポリイソシアネート組成物の製造方法
JP2015214349A (ja) * 2014-05-09 2015-12-03 渡邉 俊夫 内面被覆ドラム缶およびその製造方法
JP2017031114A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 三井化学株式会社 ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法およびペンタメチレンジイソシアネートの製造装置
WO2018070540A1 (ja) * 2016-10-14 2018-04-19 旭化成株式会社 イソシアネート組成物、イソシアネート組成物の製造方法、及びイソシアネート重合体の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11920041B2 (en) 2018-02-02 2024-03-05 Fujifilm Corporation Composition, film, infrared transmitting filter, and solid-state imaging element
JPWO2021256417A1 (ja) * 2020-06-18 2021-12-23
WO2021256417A1 (ja) * 2020-06-18 2021-12-23 三井化学株式会社 キシリレンジイソシアネート入り容器、キシリレンジイソシアネートの保管方法およびキシリレンジイソシアネートの輸送方法
CN114502476A (zh) * 2020-06-18 2022-05-13 三井化学株式会社 装有苯二甲撑二异氰酸酯的容器、苯二甲撑二异氰酸酯的保管方法及苯二甲撑二异氰酸酯的输送方法
JP7286882B2 (ja) 2020-06-18 2023-06-05 三井化学株式会社 キシリレンジイソシアネート入り容器、キシリレンジイソシアネートの保管方法およびキシリレンジイソシアネートの輸送方法
EP4116208A4 (en) * 2020-06-18 2023-09-06 Mitsui Chemicals, Inc. CONTAINER CONTAINING XYLYLENE DIISOCYANATE, METHOD FOR STORING XYLYLENE DIISOCYANATE AND METHOD FOR TRANSPORTING XYLYLENE DIISOCYANATE
CN113980238A (zh) * 2021-10-27 2022-01-28 万华化学集团股份有限公司 一种苯二亚甲基二异氰酸酯组合物及其制备方法、应用
CN113980238B (zh) * 2021-10-27 2024-02-27 万华化学集团股份有限公司 一种苯二亚甲基二异氰酸酯组合物及其制备方法、应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3825301B1 (en) Xylylenediisocyanate composition, xylylenediisocyanate-modified composition, two-component resin material, and resin
JP2018177273A (ja) ペンタメチレンジイソシアネート入り容器、および、ペンタメチレンジイソシアネートの保存方法
AU2012242949B2 (en) Modified diphenylmethane diisocyanate-based adhesives
US9845376B2 (en) Polyurea that is particularly useful as an adhesion primer for adhering metal to rubber
EP1369443B1 (en) Gas-barrier polyurethane resin, and adhesive for laminate, film and paint containing the same
US9617372B2 (en) Sulphur-comprising polyaromatic polyamine that can be used in the synthesis of polyurea
US20200190249A1 (en) Xylylenediisocyanate composition, xylylenediisocyanate-modified composition, two-component resin material, and resin
JP6528479B2 (ja) 低温貯蔵安定性ポリイソシアネート組成物、及び該組成物の製造方法
ATE37383T1 (de) Verfahren zur herstellung von festen polyisocyanaten retardierter reaktivitaet, polymerumhuellte, feinteilige polyisocyanate und ihre verwendung.
CN105273160B (zh) 一种透明耐黄变聚氨酯弹性体及其制备方法
EP3233959B1 (en) Adhesive composition
EP3653658A1 (en) Thermoplastic polyurethane
JP2023104999A (ja) キシリレンジイソシアネート入り容器、キシリレンジイソシアネートの保管方法およびキシリレンジイソシアネートの輸送方法
KR20080091472A (ko) 카르보디이미드기 및/또는 우레톤이민기 함유 액상저장안정성 유기 이소시아네이트의 제조 방법
WO2007092459A3 (en) Polyurethane elastomers comprising allophanate modified isocyanates
EP3176196A1 (en) One-component solvent-free polyurethane lamination adhesives
JP2021195347A (ja) ポリイソシアネート組成物および変性体組成物
JP2019143004A (ja) コーティング組成物および太陽電池バックシート
SK992001A3 (en) MONOMER-POOR POLYURETHANE BONDING AGENT HAVING AN IMPROVEDì (54) LUBRICANT ADHESION
US10793667B2 (en) Curable compositions, products and articles formed therefrom, and methods of forming the same
JP7228683B2 (ja) 接着剤キットおよび積層体の製造方法
WO2024103324A1 (zh) 一种异氰酸酯组合物、改性组合物和聚氨酯弹性体
US11834546B2 (en) Polyurethane-based composition
JP2024510194A (ja) キシリレンジイソシアネート組成物及びその調製方法と使用
WO2022270550A1 (ja) ポリイソシアネート組成物、重合性組成物、樹脂、成形体、光学素子およびレンズ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220125