JP2018176847A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】シートヒータを、サーモスタットとともにシートカバーの裏側に性能よく配置することにある。【解決手段】シートカバー4Sが、シートの着座側に露出して配置されている第一シートカバー部位31と、第一シートカバー部位31とは異なる第二シートカバー部位32とを有し、シートの着座面(天板メイン部4a)を覆っている第一シートカバー部位31の裏側にシートヒータ10の発熱部位HAが配置され、第二シートカバー部位32の裏側にサーモスタット12が配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、意匠面を構成しているシートカバーと、シートカバーの裏側に配置されたシートヒータとを備え、シートヒータが、発熱部位とサーモスタットを有している乗物用シートに関する。
この種の乗物用シートとして、シートクッションが、表皮部材と、発熱体と、サーモスタットを有している乗物用シートが公知である(特許文献1を参照)。表皮部材は、本発明のシートカバーに相当する面材であり、シート外形をなしている発泡体製パッドを被覆している。また発熱体は、通電により発熱可能なワイヤ状の部材であり、発泡体製パッドと表皮部材の間に配置されている。そしてサーモスタットは、発熱体の温度を調節する立方体状の部材であり、発熱体の後部側に固定されている。公知技術では、発熱体とサーモスタットを表皮部材と発泡体製パッドの間に配置するに際して、発熱体を、シートクッションの着座面となる部分に配置し、サーモスタットを着座面の後部側に配置する。そして発熱体を、サーモスタットによって温度調整しながら発熱させることにより、着座面上の乗員を適切に加温することができる。
実開平05−74348号公報
ところで公知技術では、サーモスタットを着座面の後部側に配置しているが、この着座面は、乗員の着座する位置であるとともに目立ちやすく人目につきやすい部分である。このため公知技術の構成では、サーモスタットが原因となって着座面に異物感が生じるおそれがあり、さらにサーモスタットの配置された表皮部材が盛り上がるなどして意匠性が損なわれるおそれがあった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、シートヒータを、サーモスタットとともにシートカバーの裏側に性能よく配置することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、シートの意匠面を構成するシートカバーと、シートカバーの裏側に配置されたシートヒータとを備え、シートヒータが、通電により発熱可能な発熱部位と、発熱部位の温度を調節するサーモスタットとを有する。この種の構成においては、シートヒータを、サーモスタットとともにシートカバーの裏側に性能よく(例えば着座性や意匠性を損なうことなく)配置することが望ましい。本発明では、シートカバーが、シートの着座側に露出して配置されている第一シートカバー部位と、第一シートカバー部位とは異なる第二シートカバー部位とを有している。そこでシートの着座面を覆っている第一シートカバー部位の裏側に発熱部位が配置され、第二シートカバー部位の裏側にサーモスタットが配置されている。本発明では、第一シートカバー部位の裏側に配置されているシートヒータの発熱部位にて着座面を加温することができる。またサーモスタットを、相対的に目立ちにくく且つ着座面を構成しない第二シートカバー部位の裏側に配置することで、シートの着座性と意匠性の悪化を極力回避することができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、サーモスタットのシートカバーを臨む側が、シートカバーよりも断熱性に優れている被覆部材で覆われている。本発明では、サーモスタットのシートカバーを臨む側を被覆部材で覆うことにより、サーモスタットを、シート周囲の外部環境の影響を受けにくい状態でシートに配設することができる。
第3発明の乗物用シートは、第2発明の乗物用シートにおいて、第二シートカバー部位が、複数の表皮ピースを縫合することで形成されている。そして被覆部材の一端が、隣り合う表皮ピースを縫合しているステッチ部に共縫いされて固定されており、被覆部材の一端とは反対の他端が、第二シートカバー部位に非固定状態で配置されている。本発明では、被覆部材の一端を、第二シートカバー部位に共縫いして安定的に取付けることができる。そして被覆部材の他端を、第二シートカバー部位に対して非取付け状態としておくことにより、第二シートカバー部位が、被覆部材からの張引などで過度に変形することを好適に回避することができる。
第4発明の乗物用シートは、第1発明〜第3発明のいずれかの乗物用シートにおいて、シートクッションと、シートクッションの後部で上方に盛り上がっている土手部位と、土手部位の上方に配置されているシートバックとを備えている。またシートクッションが、シートバックに対面配置されている土手部位の上面部と、上面部の後端から下方に向けて延びている後面部と、土手部位の前方に設けられている着座面とを有している。そこで本発明では、着座面をなす第一シートカバー部位の裏側に発熱部位が配置され、上面部と後面部の少なくとも一方を覆っている第二シートカバー部位の裏側にサーモスタットが配置されている。そしてサーモスタットが、シートクッションの高さ方向において、着座面の配置されている位置以上の高さ位置に配置されている。本発明では、サーモスタットを、相対的に目立ちにくい上面部と後面部に配置する第二シートカバー部位の裏側に配置することで、シートカバーの意匠性向上に資する構成となる。またサーモスタットの高さ方向の配置位置を調整して、シートヒータの発熱部位に近づけておく。こうすることで発熱部位とサーモスタットをつなげている各種部材(発熱線や電極や配線等)の配索距離を縮めることができ、シートの省電力化とコスト低減に資する構成となる。
本発明に係る第1発明によれば、シートヒータを、サーモスタットとともにシートカバーの裏側に性能よく配置することができる。また第2発明によれば、サーモスタットを、シートカバーの裏側により性能よく配置することができる。また第3発明によれば、サーモスタットを、シートカバーの裏側に更に性能よく配置することができる。そして第4発明によれば、サーモスタットを、シートクッションのシートカバーの裏側に性能よく配置することができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートカバーの斜視図である。 シートカバーの概略断面図である。 シートクッション後部の拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図4を参照して説明する。各図には、便宜上、乗物用シートの前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示することがある。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材(4,6,8)は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、シート外形をなすシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4(詳細後述)の後部にシートバック6の下部が起倒可能に連結されている。また起立状態のシートバック6の上部にヘッドレスト8が配置されている。
[シートクッション]
シートクッション4は、上述の基本構成4F,4P,4Sと、シートヒータ10と、サーモスタット12を有している(各部材の詳細は後述)。そしてシートヒータ10とサーモスタット12は、シートクッション4に着座した乗員を効率良く加温する必要上、着座状態の乗員に近いシートカバー4Sの裏側に配置されている。この種の構成では、シートカバー4Sの裏側に配置されているサーモスタット12によって、シート性能(着座性や意匠性等)が悪化することは極力回避すべきである。そこで本実施例では、後述する構成によって、シートヒータ10を、サーモスタット12とともにシートカバー4Sの裏側に性能よく配置することとした。以下、各構成について詳述する。
[基本構成]
図1に示すシートクッション4では、シートパッド4Pが、シートフレーム4F(図示省略)上に配置された状態で後述のシートカバー4Sで被覆されている。ここでシートフレーム4Fは、典型的に上方視で略矩形の枠体であり、金属や硬質樹脂などの剛性に優れる素材にて形成できる。またシートパッド4Pは、乗員を弾性的に支持可能な上方視で略矩形状の部材であり、後述する土手部位20を有している。このシートパッド4Pの材質は特に限定しないが、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂を例示できる。そして後述の土手部位20を除くシートパッド4P部分は、上面(天板メイン部4a,左右一対の天板サイド部4b)と、周面(カマチ部4c,フロント部4d)に区分けできる。天板メイン部4aは、本発明の着座面に相当する略平坦な上面部分であり、シート幅方向である左右方向の中央に形成されている。この天板メイン部4aは、乗員の着座が可能な幅寸法を有して前後方向に延びている。また各天板サイド部4bは、天板メイン部4aの左方と右方において相対的に上側に突出している上面部分であり、コーナリング走行時等に乗員の側方を支持することができる。またカマチ部4cは、シートパッド4Pの左側面と右側面をなす周面部分であり、フロント部4dは、シートパッド4Pの前面をなす周面部分である。
[土手部位]
また土手部位20は、図1及び図3を参照して、シートパッド4Pの後部で上方に向けて盛り上がっている部位である。この土手部位20は、シートパッド4Pそのもので形成されているとともに、天板メイン部4aと左右の天板サイド部4bの後方でこれらを左右方向に横断するように形成されている。そして土手部位20は、断面視で略矩形状をなして上方に盛り上がっており、図3を参照して、前面部21aと、上面部21bと、上方後面部21cと、下方後面部21dを有している。前面部21aは、天板メイン部4a等の後方で上方且つ後方に延びている傾斜面である。また上面部21bは、前面部21aの上端から後方に向けて延長している概ね平坦な面であり、シートバック6の直下に配置されている。また上方後面部21cと下方後面部21dは、土手部位20を含むシートパッド4Pの後面をなす部位であり、上面部21bの後縁から下方に概ね垂直に延びている。
そして上方後面部21cは、図3を参照して、シートパッド4Pの着座面となる天板メイン部4aから水平に後方に延びている仮想線VLを想定した場合、この仮想線VLの上側に位置している後面部の部位である。また下方後面部21dは、仮想線VLの下側に位置している後面部の部位であり、上方後面部21cの下方に途切れなく連続的につながっている。そして本実施例では、仮想線VLが、シートクッション4の高さ方向である上下方向において、着座面となる天板メイン部4aの配置されている位置を示し、仮想線VLの上側が、天板メイン部4aの配置されている位置以上の高さ位置を示している。なお仮想線VLを想定する場合には、天板メイン部4aの上下高さ位置の平均値を基準とすることができ、天板メイン部4a中の最も下側(又は上側)に位置する部分の上下高さ位置を基準とすることもできる。
[シートカバー]
シートカバー4Sは、図2〜図4を参照して、シートの意匠面を構成する面材であり、後述する被覆部材36を有している。そしてシートカバー4Sは、シートクッション4を正面から見た場合の露出度合を基に、後述の第一シートカバー部位31と第二シートカバー部位32とに区分けでき、これら各シートカバー部位31,32はいずれも複数の表皮ピースSP,SP1〜SP4(詳細後述)で構成されている。ここで各表皮ピースSP,SP1〜SP4の材質として、例えば布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)を用いることができる。また各表皮ピースSP,SP1〜SP4の裏側には、パッド材や裏基布を取付けることができる。そして隣り合う表皮ピース同士は、図3及び図4を参照して、これらの縁端同士が中表状に重ねられている縫い代部34,34A,34Bで縫合されている(図3及び図4では、便宜上、特定の縫い代部に特定の符号34A,34Bを付し、その他の縫い代部には共通の符号34を付している)。そして各縫い代部34,34A,34Bは、シートカバー4Sの裏側に突出して配置されており、シートパッド4Pの対応する溝部(符号省略)内に適宜収納することができる(なお各図では、便宜上、着座面の溝部のみ図示している)。
[第一シートカバー部位]
そして第一シートカバー部位31は、図2及び図3を参照して、相対的に目につきやすいシートカバー部分であり、複数の表皮ピースSPを縫合することで形成されている(図2及び図3では、便宜上、第一シートカバー部位をなす各表皮ピースに共通の符号SPを付す)。この第一シートカバー部位31は、シートクッション4を正面(図1の前方)から見た場合に、シートの着座側に露出して配置されている表皮ピースSPで構成されている。例えば本実施例の乗物用シート2は、前方と左方と右方に別部材が隣接配置されていない状態である。このような場合の第一シートカバー部位31は、シートパッド4Pの上面及び周面(天板メイン部4a,左右の天板サイド部4b,左右のカマチ部4c,フロント部4d)と土手部位20の前面部21aを被覆している表皮ピースSPで構成できる。
[第二シートカバー部位]
また第二シートカバー部位32は、図2及び図3を参照して、第一シートカバー部位31以外のシートカバー部分であり、複数の表皮ピース(第一表皮ピースSP1〜第四表皮ピースSP4)を縫合することで形成されている。この第二シートカバー部位32は、シートクッション4を正面から見た場合に、第一シートカバー部位31に比して目立ちにくい箇所に配置されている表皮ピースSP1〜SP4で構成されている。すなわち第二シートカバー部位32は、図3に示す土手部位20の上面部21b及び後面部21c,21dを被覆している表皮ピースSP1〜SP4で構成できる。そして第一表皮ピースSP1は、土手部位20の上面部21bを覆う表皮ピースであり、上方に配置するシートバック6が邪魔となって、シートの着座側に実質的に露出しない表皮ピースである。また第二表皮ピースSP2〜第四表皮ピースSP4は、土手部位20を含むシートパッド4Pの後面部21c,21dを被覆する表皮ピースであり、シートの着座側に露出しない表皮ピースである。これら第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3と第四表皮ピースSP4は、この順で第一表皮ピースSP1の後端から下方に連なった状態で対応する縫い代部で縫合されている。例えば図4を参照して、第一表皮ピースSP1の後縁端と第二表皮ピースSP2の上縁端とが上方縫い代部34Aのステッチ部SEWで縫合されている。また第二表皮ピースSP2の下縁端と第三表皮ピースSP3の上縁端も同様に下方縫い代部34Bで縫合されている。
[被覆部材]
被覆部材36は、図3及び図4を参照して、シートカバー4Sよりも断熱性に優れる部材であり、シートカバー4Sに縫合可能な部材であることが望ましい。この種の被覆部材36の素材として、ウレタンラミなどの発泡樹脂からなるシート体やボード体やマット体、合成繊維や無機繊維や天然繊維からなる繊維積層体、熱を反射可能な金属層を備えた樹脂フィルムや樹脂板を例示できる。そして被覆部材36は、後述するサーモスタット12を網羅可能な略矩形の面材であり、第二表皮ピースSP2の裏側に配置されて、上方後面部21cに対面状に配置されている。この被覆部材36の上端は、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の縫合箇所となる上方縫い代部34Aのステッチ部SEWに共縫いされて固定されている。また被覆部材36の下端は、第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の縫合箇所となる下方縫い代部34B付近まで延長されているが、この下方縫い代部34Bには共縫いされておらず自由状態とされている。このように被覆部材36の上端だけをシートカバー4Sに取付ける構成とすることで、第二シートカバー部位32が、被覆部材36からの張引などで過度に変形することを好適に回避することができる。なお被覆部材36の図示しない右端と左端も、第二シートカバー部位32には固定されておらず自由状態とされている。
また第二シートカバー部位32側に被覆部材36を取付けておくことで、シートヒータ側に被覆部材36を取付けた場合に比して、被覆部材36を安定的に取付けておくことができる。例えば後述するシートヒータ10の配置作業時(シートヒータの取り回し時)に、このシートヒータ10を曲げたり、シートカバー4Sやシートパッド4Pなどの別部材に接触させたりする。このときシートヒータ10に被覆部材36を取付けておくと、この被覆部材36に無理な力がかかってシートヒータ10から脱落したり破損したりすることが懸念される。そこで本実施例では、第二シートカバー部位32側に被覆部材36を取付けておくことで、被覆部材36の脱落や破損を極力回避しつつ、シートヒータ10を適切に取り回すことができる。さらにシートヒータ側に被覆部材36を取付ける場合には、接着剤や貼り付け工程などが必要となる。これとは異なり本実施例のように第二シートカバー部位32側に被覆部材36を共縫いすることで、シートカバー4Sの縫製作業と同時に被覆部材36を取付けることができ、さらに接着剤も不要であるため製造コストの低減に資する構成となる。
[シートヒータ]
シートヒータ10は、図1〜図3を参照して、上方視で略矩形の面材で構成されており、複数の発熱部位HAと、複数の連結部位JAと、後述のサーモスタット12を有している(図3では、便宜上、各発熱部位に共通の符号HAを付し、各連結部位にも共通の符号JAを付している)。このシートヒータ10は、着座面となる天板メイン部4aに配置可能な幅寸法と、天板メイン部4aから土手部位20にかけての部分を網羅可能な長さ寸法とを有している。ここでシートヒータ10の素材は特に限定しないが、フェルトや布帛や皮革や軟質樹脂シートなどの可撓性を備える素材であることが好ましく、シートカバー4Sよりも剛性に優れる素材であることが更に好ましい。
また図3に示す複数の発熱部位HAは、それぞれ通電により発熱可能な部位であり、発熱線や発熱層を比較的に密に配置することで形成できる。この種の発熱線として、炭素繊維のフィラメント、炭素繊維のカバリング糸、金属(銅やアルミニウム等)や合金などの線材、金属や合金でメッキされた線材を例示できる。そして発熱線は、例えば図示しない電源に電気的につながっている電極(又は電極につながる配線)からの通電で発熱可能である。また発熱層は、通電により発熱可能な微粒子や繊維体を含む樹脂層であり、印刷などの手法でシートヒータ10に形成できる。また連結部位JAは、隣り合う発熱部位HA同士を連結する部位であり、シートカバー4Sの縫い代部34に対応する位置に設けられている。この連結部位JAは、各発熱部位HAに比して幅寸法が狭小とされており、縫い代部34が溝部内に収容される際に邪魔とならない構成とされている。
[サーモスタット]
サーモスタット12は、図1〜図4を参照して、各発熱部位HAの温度を調節する部材であり、略立方体状の筐体と、筐体内に配置されている制御機構を有している(各図では、便宜上、サーモスタットを示す符号12を筐体に付す)。このサーモスタット12は、シートヒータ10の後部に固定されて一体化されており、各発熱部位HAよりも後方に配置されている。そして筐体は、図4に示す展開状態の第二表皮ピースSP2よりも小寸とされており、典型的に金属や樹脂などの剛性に優れる素材で形成されている。また制御機構として、バイメタル式、電子式、油圧式及びロッド・チューブ式の制御機構を用いることができる。そしてサーモスタット12と発熱部位HAを、各種部材(発熱線の一部や電極の一部や配線)を介してつなげることで、サーモスタット12にて発熱部位HAの温度を調節可能とする。例えばバイメタル式の制御機構を、発熱線や電極や配線の接点部分(図示省略)に密着可能に配置しておくことにより、各発熱部位HAの通電と非通電の切り替えが可能となる。
[シートヒータとサーモスタットの配設作業]
図3を参照して、シートパッド4Pをシートカバー4Sで被覆するに際して、シートヒータ10を、サーモスタット12とともにシートカバー4Sの裏側に配置しておく。そしてシートヒータ10が、サーモスタット12によって温度調節されることにより、シートカバー4S上に着座した乗員を加温する。この種の構成では、シートカバー4Sの裏側に配置されているサーモスタット12によって、シート性能(着座性や意匠性等)が悪化することは極力回避すべきである。そこで本実施例では、シートヒータ10の各発熱部位HAが、シートの着座面をなす第一シートカバー部位31の裏側に配置され、サーモスタット12が、第二シートカバー部位32の裏側に配置されている。
すなわち本実施例では、シートヒータ10の各発熱部位HAが、それぞれ着座面をなす天板メイン部4aを覆っている第一シートカバー部位31(各表皮ピースSP)の裏側に配置されている。これにより各発熱部位HAから発する熱を、シートカバー4Sを介して着座状態の乗員に効率良く伝達することができる。またシートヒータ10の後側が、土手部位20と後面部21c,21dを覆っている第二シートカバー部位32(各表皮ピースSP1〜SP4)の裏側に配置されている。そして図3及び図4を参照して、シートヒータ10後部のサーモスタット12が、上方後面部21cを覆う第二表皮ピースSP2の裏側に配置されており、この第二表皮ピースSP2は、シートの着座側に露出しない第二シートカバー部位32である。このようにサーモスタット12を、相対的に目立ちにくく且つ着座面を構成しない第二シートカバー部位32の裏側に配置することで、シートカバー4Sの着座性と意匠性に悪影響を極力与えない構成とすることができる。
さらに本実施例では、図4を参照して、第二表皮ピースSP2の裏側に取付けられている被覆部材36によって、サーモスタット12のシートカバー4Sを臨む側(図4では後側)が覆われている。このようにサーモスタット12が、被覆部材36で覆われることにより、シート周囲の外部環境(外気温など)の影響を極力受けにくい構成となり、シートヒータ10を適切に制御することができる。さらにサーモスタット12は、シートパッド4Pの上方後面部21cに対面状に配置されて、図3に示す着座面となる天板メイン部4aの高さ位置を示す仮想線VLの上側に位置している。このため本実施例では、サーモスタット12を仮想線VLの下側に配置する場合に比して、発熱部位HAとサーモスタット12をつなげている各種部材(発熱線や電極や配線等)の配索距離を縮めることができ、シートの省電力化とコスト低減に資する構成となる。
以上説明した通り本実施例では、第一シートカバー部位31の裏側に配置されているシートヒータ10の発熱部位HAにて着座面を加温することができる。またサーモスタット12を、相対的に目立ちにくく且つ着座面を構成しない第二シートカバー部位32の裏側に配置することで、シートの着座性と意匠性の悪化を極力回避することができる。また本実施例では、サーモスタット12のシートカバー4Sを臨む側を被覆部材36で覆うことにより、サーモスタット12を、シート周囲の外部環境の影響を受けにくい状態でシートに配設することができる。そして被覆部材36の一端(本実施例では上端)を、第二シートカバー部位に共縫いして安定的に取付けることができる。このとき被覆部材36の他端(本実施例では下端)を、第二シートカバー部位32に対して非取付け状態としておくことにより、第二シートカバー部位32が、被覆部材36からの張引などで過度に変形することを好適に回避することができる。そして本実施例では、サーモスタット12を、相対的に目立ちにくい上面部21bと後面部21c,21dに配置する第二シートカバー部位32の裏側に配置することで、シートカバー4Sの意匠性向上に資する構成となる。またサーモスタット12の高さ方向の配置位置を仮想線VLの上側になるように調整して、着座面側のシートヒータ10の発熱部位HAに近づけておく。こうすることで発熱部位HAとサーモスタット12をつなげている各種部材(発熱線や電極や配線等)の配索距離を縮めることができ、シートの省電力化とコスト低減に資する構成となる。このため本実施例によれば、シートヒータ10を、サーモスタット12とともにシートカバー4Sの裏側に性能よく配置することができる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、シートヒータ10とサーモスタット12の構成(形状,寸法,配置位置,配置数など)を例示したが、これら各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばシートヒータの発熱部位は、天板メイン部と天板サイド部の少なくとも一方に配置することができ、天板サイド部だけに配置する場合には天板サイド部が着座面となる。またシートヒータの発熱部位を発熱線だけで形成することもでき、この場合のシートヒータは線状の部材となる。またサーモスタットの構成も適宜変更可能であり、第二シートカバー部位の位置関係に対応してシートヒータの適宜の位置に固定しておくことができる。
また本実施形態では、第一シートカバー部位31と第二シートカバー部位32の構成(形状,寸法,配置位置,表皮ピースの構成、被覆部材の構成など)を例示したが、これら各シートカバー部位の構成を限定する趣旨ではない。例えば乗物用シートの前方や左方や右方に他部材が隣接して配置されており、この他部材によって対応する表皮ピースが隠されている場合には、この隠されている表皮ピース部分も第二シートカバー部位とみなすことができる。また第二シートカバー部位裏側の適宜の位置にサーモスタットを配置でき、本実施例では、上方後面部のほか、上面部や下方後面部に配置することができる。また各シートカバー部位は、単一の表皮ピースで構成することもできる。また被覆部材は、一端と他端のいずれか一方を第二シートカバー部位に共縫いすることができ、両端を共縫いすることもできる。また被覆部材の一端として、上端と下端と右端と左端のいずれかを採用できる。また被覆部材は、共縫いのほか、他のステッチ部による縫合、接着や融着、ステープルやクリップなどの物理的手法で第二シートカバー部位に固定することができる。なお被覆部材の上端と下端のいずれか(又は双方)を固定する場合には、左端と右端は、第二シートカバー部位に固定してもよく固定していなくともよい。また被覆部材の右端と左端のいずれか(又は双方)を固定する場合には、上端と下端は、第二シートカバー部位に固定してもよく固定していなくともよい。
また本実施形態では、シートパッド4P及び土手部位20の構成(形状,寸法,土手部位の形成位置や形成数など)を例示したが、これら各部材などの構成を限定する趣旨ではない。例えば土手部位は、断面視で略矩形のほか、三角や台形等の多角形状や半円や半楕円形状などの各種形状を取ることができ、いずれの土手部位においても上方のシートバックで隠されている部分が生じることとなる。またシートパッド4Pの上面全体を略平坦として着座面を構成することもできる。また上方後面部と下方後面部は、面一状に連なっていてもよく、段差状に連なっていてもよい。
また本実施形態では、乗物用シート2の構成(形状,寸法,構成部材など)を例示したが、乗物用シートの構成を限定する趣旨ではない。また本実施例では、シートクッション4を一例に説明したが、本実施例の構成は、シートバック6やヘッドレスト8等の各種シート構成部材のシートカバーに適用できる。例えばシートバック6に本発明の構成を適用する場合、第二シートカバー部位は、シートバックの後面部や下面部を覆う表皮ピースで構成できる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
4F シートフレーム
4P シートパッド
4S シートカバー
4a 天板メイン部(本発明の着座面)
4b 天板サイド部
4c カマチ部
4d フロント部
10 シートヒータ
HA 発熱部位
JA 連結部位
12 サーモスタット
20 土手部位
21a 前面部
21b 上面部
21c 上方後面部
21d 下方後面部
31 第一シートカバー部位
32 第二シートカバー部位
34 縫い代部
34A 上方縫い代部
34B 下方縫い代部
36 被覆部材
SEW ステッチ部
SP 表皮ピース
SP1 第一表皮ピース
SP2 第二表皮ピース
SP3 第三表皮ピース
SP4 第四表皮ピース

Claims (4)

  1. シートの意匠面を構成するシートカバーと、前記シートカバーの裏側に配置されたシートヒータとを備え、前記シートヒータが、通電により発熱可能な発熱部位と、前記発熱部位の温度を調節するサーモスタットとを有する乗物用シートにおいて、
    前記シートカバーが、シートの着座側に露出して配置されている第一シートカバー部位と、前記第一シートカバー部位とは異なる第二シートカバー部位とを有し、
    シートの着座面を覆っている前記第一シートカバー部位の裏側に前記発熱部位が配置され、前記第二シートカバー部位の裏側に前記サーモスタットが配置されている乗物用シート。
  2. 前記サーモスタットの前記シートカバーを臨む側が、前記シートカバーよりも断熱性に優れている被覆部材で覆われている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記第二シートカバー部位が、複数の表皮ピースを縫合することで形成されており、
    前記被覆部材の一端が、隣り合う表皮ピースを縫合しているステッチ部に共縫いされて固定されており、前記被覆部材の一端とは反対の他端が、前記第二シートカバー部位に非固定状態で配置されている請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記乗物用シートが、シートクッションと、前記シートクッションの後部で上方に盛り上がっている土手部位と、前記土手部位の上方に配置されているシートバックとを備えるとともに、前記シートクッションが、前記シートバックに対面配置されている前記土手部位の上面部と、前記上面部の後端から下方に向けて延びている後面部と、前記土手部位の前方に設けられている着座面とを有し、
    前記着座面をなす前記第一シートカバー部位の裏側に前記発熱部位が配置され、前記上面部と前記後面部の少なくとも一方を覆っている前記第二シートカバー部位の裏側に前記サーモスタットが配置され、
    前記サーモスタットが、前記シートクッションの高さ方向において、前記着座面の配置されている位置以上の高さ位置に配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
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