JP2018176691A - ポリエチレン系シーラントフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電防止剤の添加量の増大を抑制しつつ、包装資材に求められる引裂き性の良さを兼ね備えたポリエチレン系シーラントフィルムを提供する。【解決手段】基材層部10とシーラント層部20とラミネート層部30を備え、基材層部はコモノマーとして1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレン等を基材層部組成樹脂として含有し、シーラント層部はコモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン等をシーラント層部組成樹脂として含有し、ラミネート層部は線状低密度ポリエチレンを主体とするラミネート層部組成樹脂として含有し、ラミネート層部組成樹脂の融点は123℃以上であり、ラミネート層部組成樹脂の融点は基材層部組成樹脂及びシーラント層部組成樹脂の融点より高くし、帯電防止剤をシーラントフィルム中の全体重量の1.5重量%以下の添加量とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエチレン系シーラントフィルムに関し、特に良好な引裂き性能と帯電防止性能を併せ持つポリエチレン系シーラントフィルムに関する。
食品包装等に使用されるフィルムの多くでは、シーラントフィルムがポリアミドやポリエステル等の延伸基材フィルムに積層される。シーラントフィルムの素材として無延伸ポリエチレン等が用いられる。当該包装フィルムは適宜の袋状にヒートシール等により加工される。そして、食品等の物品が充填される。包装フィルムにおいて、シーラントフィルム側が食品等の内容物と接触する。
各種の内容物には、極性の乏しい物品、例えば、小麦粉や蕎麦粉等の粉状物も存在する。このような粉状物の包装に際し、シーラントフィルムに何らの処理が施されなければ、静電気の影響からシーラントフィルム側に粉状物が付着してしまい、上手く内容物を取り出すことができない。また、粉状物の充填に際しても、開口部へ粉状物が付着するおそれがある。そうすると、ヒートシールによる封止部位の融着不良の原因となりやすい。
このことから、シーラントフィルムには帯電防止剤が添加されてきた。帯電防止剤には練り込み型等が知られている。この型の帯電防止剤はフィルムの樹脂中に混入され、帯電防止剤はブリードによりフィルム表面に現れる。しかしながら、帯電防止剤の量は制御できるものの、実際のブリード量(表面へ染み出す量)は環境により大きく変動する。ブリード量が過剰であればラミネートの不良が生じやすい。また、ブリード量が過少であれば所望の静電気抑制効果は発揮されない。加えて、シーラントフィルムと他の表基材フィルムは接着剤により接着される(ドライラミネート)。しかしながら、帯電防止剤が接着剤側へ移動し、シーラントフィルムの内容物と接する面側の濃度が低下する現象も知られている。
この流れとは別に、包装フィルムに求められる特性に引裂きしやすさ(易カット性)がある。商品の訴求効果として開封しやすさは重要である。前述のとおり、帯電防止剤をフィルム内に添加することは一般的である。しかしながら、帯電防止剤をシーラントフィルムの内容物と接する面側に選択的にブリードさせることは難しく、ドライラミネートされる側の面にもブリードが生じる。結果、ドライラミネート用の接着剤にも影響が生じ、シーラントフィルムと他の表基材フィルムとの接着強度(ラミネート強度)が低下しやすくなる。そうすると、所望の引裂きやすさから程遠くなり、包装フィルムとしての使い勝手等の魅力が減る。
当該説明のとおり、シーラントフィルムにおける帯電防止機能と引裂きしやすさ(易カット性)は容易には両立しない。この点に鑑み、例えば、高圧法低密度ポリエチレンを配合したフィルムが提案されている(特許文献1参照)。また、フィルム中にスリップ剤を含まないフィルムが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、良好な帯電防止性能の発現とドライラミネート後の包装体における引裂きの良さの双方を両立させたフィルムについては依然として満足できなかった。特に、粉状物の包装を想定し、その開封しやすさまで求めたフィルムについての開発が待たれていた。
特開2001−64456号公報 特開2004−339398号公報
その後、発明者らは鋭意検討を重ねてポリエチレン系シーラントフィルムの組成樹脂の見直しを進め、満足できる帯電防止性能を発現するとともに良好な引裂き性能も実現したシーラントフィルムを開発するに至った。
本発明は、上記状況に鑑み提案されたものであり、ポリエチレン系シーラントフィルムにおいて、帯電防止剤の添加量を抑制しつつ、良好な帯電防止性能を発現し、包装資材に求められる引裂き性の良さも兼ね備えるポリエチレン系シーラントフィルムを提供する。
すなわち、第1の発明は、基材層部と、前記基材層部の第1面側に配したシーラント層部と、前記基材層部の第2面側に配したラミネート層部とを備えたシーラントフィルムであって、前記基材層部はコモノマーとして1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレンまたは長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくは両方を基材層部組成樹脂として含有し、前記基材層部組成樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜15g/10minであり、前記シーラント層部はコモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレンまたはコモノマーとして1−オクテンを有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくは両方をシーラント層部組成樹脂として含有し、前記ラミネート層部は線状低密度ポリエチレンを主体とするラミネート層部組成樹脂として含有し、前記ラミネート層部組成樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜15g/10minであり、前記ラミネート層部組成樹脂の融点は123℃以上であり、前記ラミネート層部組成樹脂の融点は前記基材層部組成樹脂の融点より高く、かつ、前記ラミネート層部組成樹脂の融点は前記シーラント層部組成樹脂の融点より高く、帯電防止剤が前記シーラントフィルム中に該シーラントフィルムの全体重量の1.5重量%以下の添加であることを特徴とするポリエチレン系シーラントフィルムに係る。
第2の発明は、前記帯電防止剤が、グリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤である第1の発明に記載のポリエチレン系シーラントフィルムに係る。
第3の発明は、前記帯電防止剤が、2種類以上のグリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物である第1の発明に記載のポリエチレン系シーラントフィルムに係る。
第4の発明は、前記シーラントフィルムの前記ラミネート層部、前記基材層部、及び前記シーラント層部の順における厚さの比が、1:1:1ないし1:10:1である第1ないし3のいずれかの発明に記載のポリエチレン系シーラントフィルムに係る。
第5の発明は、JIS K 7128−2(1998)に準拠した前記シーラントフィルムの引裂荷重の測定において、前記シーラントフィルムの製膜方向の50μm換算の引裂荷重が4N以下であり、幅方向の50μm換算の引裂荷重が8N以下である第1ないし4のいずれかの発明に記載のポリエチレン系シーラントフィルムに係る。
第1の発明に係るポリエチレン系シーラントフィルムによると、基材層部と、前記基材層部の第1面側に配したシーラント層部と、前記基材層部の第2面側に配したラミネート層部とを備えたシーラントフィルムであって、前記基材層部はコモノマーとして1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレンまたは長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくは両方を基材層部組成樹脂として含有し、前記基材層部組成樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜15g/10minであり、前記シーラント層部はコモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレンまたはコモノマーとして1−オクテンを有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくは両方をシーラント層部組成樹脂として含有し、前記ラミネート層部は線状低密度ポリエチレンを主体とするラミネート層部組成樹脂として含有し、前記ラミネート層部組成樹脂のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜15g/10minであり、前記ラミネート層部組成樹脂の融点は123℃以上であり、前記ラミネート層部組成樹脂の融点は前記基材層部組成樹脂の融点より高く、かつ、前記ラミネート層部組成樹脂の融点は前記シーラント層部組成樹脂の融点より高く、帯電防止剤が前記シーラントフィルム中に該シーラントフィルムの全体重量の1.5重量%以下の添加であるため、帯電防止剤の添加量を抑制しつつ、良好な帯電防止性能を発現し、包装資材に求められる引裂き性の良さも兼ね備えるポリエチレン系シーラントフィルムを得ることができる。
第2の発明に係るポリエチレン系シーラントフィルムによると、第1の発明において、前記帯電防止剤が、グリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤であるため、少量の添加においても効果を発揮し得る。
第3の発明に係るポリエチレン系シーラントフィルムによると、第1の発明において、前記帯電防止剤が、2種類以上のグリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物であるため、少量の添加においても効果を発揮し、帯電防止剤の効果を得やすく、添加量をさらに低減できる。
第4の発明に係るポリエチレン系シーラントフィルムによると、第1ないし第3のいずれかの発明において、前記シーラントフィルムの前記ラミネート層部、前記基材層部、及び前記シーラント層部の順における厚さの比が、1:1:1ないし1:10:1であるため、シーラントフィルムとして使用可能な範囲を網羅しており、既存のシーラントフィルムとの置き換えも容易である。
第5の発明に係るポリエチレン系シーラントフィルムによると、第1ないし第4のいずれかの発明において、JIS K 7128−2(1998)に準拠した前記シーラントフィルムの引裂荷重の測定において、前記シーラントフィルムの製膜方向の50μm換算の引裂荷重が4N以下であり、幅方向の50μm換算の引裂荷重が8N以下であるため、引裂き開封等は容易になる。
本発明のポリエチレン系シーラントフィルムの概略断面模式図である。 図1のシーラントフィルムの使用例を示す概略断面模式図である。
図1の概略断面模式図は、本発明の「ポリエチレン系シーラントフィルム」であるシーラントフィルム1の構造例である。ポリエチレン系シーラントフィルムは単独もしくは後記する他の樹脂フィルム40とラミネートされる。シーラントフィルム1において、シーラント層部20の表面となる最内面21は包装対象となる物品と接触する。そして、袋状に加工される際に、最内面21同士はヒートシールにより互いに融着し合う。ラミネート層部30の最外面32には他のフィルム、アルミニウム箔等がラミネート用の接着剤等を介して積層される。そこで、シーラントフィルム1を含んでラミネートフィルム5は構成される(図2参照)。シーラントフィルム1を含むラミネートフィルム5の用途は、生鮮食品や加工食品、菓子類等の食品包装資材、洗剤、化粧品、その他薬剤等の包装資材等である。むろん、この他にも適宜使用される。
シーラントフィルム1は主に次の3層を備えて構成される。中央に基材層部10が置かれ、基材層部10の第1面11側にシーラント層部20が配される。また、基材層部10の第2面12側にラミネート層部30が配される。シーラントフィルム1は3層構造であり、Tダイ共押出し等の公知の技術製法により製膜される。後記の実施例はTダイ共押出の無延伸による製膜である。基材層部10の第1面11または第2面12の区別は便宜上の扱いであり、形成面の変更は許容される。
基材層部10は基材層部組成樹脂(R1)により組成される。基材層部組成樹脂(R1)は、コモノマーとして1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレンまたは長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくはこれら両方である。線状低密度ポリエチレンはメタロセン触媒による重合が好ましい。純粋に直鎖状のポリエチレンのみの使用とすると、密度の加減による調整が難しい。そこで、適度な分岐部位を分子中に備えたポリエチレンが選択される。基材層部組成樹脂(R1)は単独種または2種混合の両方である。そこで単独種も2種の樹脂混合の場合の物性は基材層部組成樹脂(R1)として網羅して把握される。JIS K 7210−1(2014)に準拠した測定のメルトフローレートが用いられる。基材層部組成樹脂(R1)のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1ないし15g/10minである。
基材層部組成樹脂(R1)のメルトフローレートが1g/10minを下回る場合、流動性不足であり製膜に支障を来たす。同メルトフローレートが15g/10minを超過する場合、逆に流動性過剰となり基材層部10の安定化の点から好ましくない。また、ヒートシール等への耐性も低下する。特に、基材層部組成樹脂(R1)はシーラントフィルム1の中央の基材層部10を構成する樹脂である。このため、形状安定化は重要である。そこで、性能上の均衡から基材層部組成樹脂(R1)のメルトフローレートは前記の範囲内となる。
シーラント層部20はシーラント層部組成樹脂(R2)により組成される。シーラント層部組成樹脂(R2)は、コモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレンまたはコモノマーとして1−オクテンを有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくはこれら両方である。シーラント層部組成樹脂(R2)も単独種または2種混合の両方である。そこで単独種も2種の樹脂混合の場合の物性はシーラント層部組成樹脂(R2)として網羅して把握される。シーラント層部組成樹脂(R2)についても、純粋に直鎖状のポリエチレンのみの使用とすると、密度の加減による調整が難しい。そこで、適度な分岐部位を分子中に備えたポリエチレン樹脂が選択される。また、樹脂種の選択は後記する融点の制御のためである。
ラミネート層部30はラミネート層部組成樹脂(R3)により組成され、同樹脂(R3)は線状低密度ポリエチレンを主体として含有する。また、融点制御の目的から線状低密度ポリエチレンよりも融点の高い樹脂として、高密度ポリエチレン等が配合される場合もある。ラミネート層部組成樹脂(R3)をはじめ、前記の基材層部組成樹脂(R1)及びシーラント層部組成樹脂(R2)の線状低密度ポリエチレンは、引張り、耐引裂き、耐衝撃強度、シール強度、耐ストレスクラッキング性等の点において優れている。ただし、ラミネート層部組成樹脂(R3)の線状低密度ポリエチレン樹脂は、前出の各層の樹脂ほどの分子構造の制約はない。
なお、ラミネート層部組成樹脂(R3)のJIS K 7210−1(2014)に準拠した測定のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)において、1ないし15g/10minである。ラミネート層部組成樹脂(R3)のメルトフローレートが1g/10minを下回る場合、流動性不足であり製膜に支障を来たす。同メルトフローレートが15g/10minを超過する場合、逆に流動性過剰となりラミネート層部30の安定化の点から好ましくない。
基材層部10を構成する基材層部組成樹脂(R1)、シーラント層部20を構成するシーラント層部組成樹脂(R2)、及びラミネート層部30を構成するラミネート層部組成樹脂(R3)の各樹脂の選択に際し、組成樹脂R1,R2,R3の融点の高低の傾斜も指標に加えられる。組成樹脂R1,R2,R3の融点間の勾配は、後出の帯電防止剤のブリードを制御する要因となり得る。
具体的には、ラミネート層部30を構成するラミネート層部組成樹脂(R3)は、融点(Tm3)を123℃より高い樹脂から選択される。下限の123℃はラミネート層部30直下の基材層部10を構成する基材層部組成樹脂(R1)、シーラント層部20を構成するシーラント層部組成樹脂(R2)の樹脂選択を見越して設定される融点の下限値である。
ラミネート層部30を構成するラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)は、基材層部10を構成する基材層部組成樹脂(R1)の融点(Tm1)よりも高い。かつ、ラミネート層部30を構成するラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)は、シーラント層部20を構成するシーラント層部組成樹脂(R2)の融点(Tm2)よりも高い。なお、融点(Tm1)と融点(Tm2)は、融点(Tm3)との関係を満たす限り同融点または異融点のいずれも許容される。
ラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)が基材層部組成樹脂(R1)の融点(Tm1)及びシーラント層部組成樹脂(R2)の融点(Tm2)よりも高くする理由は、帯電防止剤のラミネート層部側へのブリードを抑制するためである。低融点の樹脂ほど、帯電防止剤の移動が容易である。そこで、層内、層外への帯電防止剤の移動に伴うブリードは多くなり易い。この性質を利用して、ラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)を最も高く設計することによって、帯電防止剤のラミネート層部さらにはラミネート用の接着剤への移動に制約が設けられる。
シーラントフィルム1の層構造は、図1のとおり「ラミネート層部30/基材層部10/シーラント層部20」の3層構造である。シーラントフィルム1の全体の厚さは適宜ではあるものの、20ないし150μmの範囲である。図1中、シーラントフィルム1における基材層部10の厚さは「t1」、シーラント層部20の厚さは「t2」、ラミネート層部30の厚さは「t3」である。各層の厚さの関係は、「t3:t1:t2」の順として表される。シーラントフィルム1の各層の厚さ割合(相対比)は、ラミネート層部30、基材層部10、シーラント層部20の順で概ね「1:1:1」ないし「1:10:1」の範囲である。当該範囲はシーラントフィルムとして使用可能な範囲を網羅しており、既存のシーラントフィルムとの置き換えも容易である。
シーラントフィルム1中に添加される帯電防止剤は練り込み型から選択され、その中でもグリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤が好ましく使用される。さらに同グリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤は、好ましくは2種類以上のグリセリン脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物である。グリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤とは、トリオールであるグリセリンの一または二の水酸基に脂肪酸がエステル結合したモノグリセリドの化合物、グリセリンの一の水酸基にさらに他のグリセリンが結合したジグリセリドの化合物の脂肪酸エステルが挙げられる。エステル結合する脂肪酸は、炭素数12ないし20で長鎖脂肪酸あり、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸によるエステル化合物となる。実施例は、グリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノステアレート、ジグリセリンモノパルミテートの使用である。
グリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤は少量の添加においても効果を発揮し得る。従って、フィルムを構成する樹脂組成への影響を軽微とすることができる。また、2種類以上のグリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物とすることにより、帯電防止剤の効果を得やすく、添加量をさらに低減できる。
シーラントフィルム1における帯電防止剤の添加量は、当該シーラントフィルムの全体重量の1.5重量%以下、より好ましくは1重量%以下の量である。帯電防止剤の添加先は基材層部10、または基材層部10及びシーラント層部20の両方、もしくは、ラミネート層30等である。この量を超えた添加量となる場合、帯電防止剤のブリードに伴う影響が大きく後述するラミネート接着に支障を来たすおそれがある。
一連の説明にあるシーラントフィルム1について、当該フィルム自体の引裂きの良否も必要である。そこで、評価に際してシーラントフィルム1のエルメンドルフ引裂強度が求められる。シーラントフィルムの引裂荷重の測定はJIS K 7128−2(1998)に準拠し、シーラントフィルム1の製膜方向(MD(長さ方向または巻き取り方向とも称す。))の50μm換算の引裂荷重が4N以下であり、かつ、幅方向(TD)の50μm換算の引裂荷重が8N以下である。なお、フィルムの厚さが影響するため、個々の引裂荷重の測定値は一定の厚さ(実施例では50μm)に換算される。シーラントフィルムの製膜時の方向性の関係から、シーラントフィルム1の製膜方向(MD)側の引裂荷重は幅方向(TD)よりも数値は低くなる。シーラントフィルム1が概ね前記の引裂荷重を満たすことにより、引裂き開封等は容易になる。
シーラントフィルム1は、単独での使用に加えて、主に図2の概略断面模式図に示すとおり、他の樹脂フィルム40と組み合わせられ、ラミネートフィルム5が形成される。その後、ラミネートフィルム5は裁断、ヒートシール等を経て製袋される。そして、袋内に粉状物をはじめとする内容物が充填、封止される。
ラミネートフィルム5への加工に際し、シーラントフィルム1のラミネート層部30の表面(最外面32)に樹脂フィルム40が公知の手法により積層(ラミネート)される。図2はラミネート用の接着剤層50を形成した例である。樹脂フィルム40の材質は適宜であり、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロン樹脂(ポリアミド樹脂)フィルム、ポリ乳酸のフィルム等の各種樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルム40の層の数や種類は単一とは限らず、複数種類の積層となる。さらには、アルミニウムの薄膜の積層も可能である。
結果、シーラントフィルムに構造強度、耐久性、耐光性、印刷特性等の新たな性質が付与される。なお、本発明のシーラントフィルムには、前述の帯電防止剤に加えてアンチブロッキング剤、スリップ剤、酸化防止剤、中和剤、着色剤等の添加剤が必要に応じて添加される。添加剤の種類は用途により適切に選択される。
ラミネートフィルム5の袋状物の被包装物(充填物)が小麦粉、蕎麦粉、片栗粉(澱粉)、粉コーヒー、その他の粉状物である場合、一般に無極性の粉状物は、静電気の影響からシーラントフィルム1のシーラント層部20側の最内面21に付着しやすい。すなわち、開封後の袋内の残存量が多くなり内容量の全量を取り出すことが難しい。それゆえ、前述のとおり、シーラントフィルム1には帯電防止剤が添加され静電気の作用が緩和されている。
ただし、シーラントフィルム1に含有されている帯電防止剤はブリードしてラミネートフィルム5を接着する接着剤にも浸透する。結果、両層を接着する接着剤の接着力は低下しかねない。製袋品のラミネートフィルム5を引裂くに際し、シーラントフィルム1と樹脂フィルム40との層間にずれが生じ、ラミネートフィルム5の全体が一括して引裂きにくくなる。ここで、ブリードを意識して帯電防止剤量を抑制すると、フィルムにおける帯電防止性能が低下し、前述の粉状物の包装に不向きとなる。
このような観点から、フィルムにおける帯電防止性能の確保、及びラミネート用の接着剤等へのブリードの影響軽減に伴う引裂きの改善を両立させることが求められている。そこで、本発明のシーラントフィルムは、各層のポリエチレン系樹脂の選択と融点の制御、さらには、添加する帯電防止剤量の調整を通じて実現するに至った。
[ポリエチレン系シーラントフィルムの作製]
実施例1ないし9及び比較例1ないし3のポリエチレン系シーラントフィルムについて、後出の表1ないし表3に示した各層の配合割合(重量部)に基づき、原料となる樹脂と帯電防止剤をともに溶融、混練して共押出しTダイフィルム成形機を用い無延伸により製膜した。実施例及び比較例のポリエチレン系シーラントフィルムは、共押出し時の設定により厚さを調整し、当該フィルムを構成する層の厚さの割合(厚さ比)も表中に記した。使用原料について、ラミネート層部、基材層部、及びシーラント層部の各層部において合計で100重量%となる配合割合である。
[使用原料]
原料樹脂として、以下の「樹脂1」ないし「樹脂8」を使用した。表中では「樹脂1」等と表記する。
{樹脂1}:1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン/C6−LLDPE
宇部丸善ポリエチレン株式会社製,商品名「ユメリット(登録商標)4040FC」,MFR:3.5g/10min,融点:126℃,密度:0.938g/cm3
{樹脂2}:1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン/C6−LLDPE
宇部丸善ポリエチレン株式会社製,商品名「ユメリット(登録商標)3540FC」,MFR:3.6g/10min,融点:123℃,密度:0.931g/cm3
{樹脂3}:1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン/C6−LLDPE
宇部丸善ポリエチレン株式会社製,商品名「ユメリット(登録商標)2040FC」,MFR:5g/10min,融点:117℃,密度:0.919g/cm3
{樹脂4}:1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレン/C4−LLDPE
宇部丸善ポリエチレン株式会社製,商品名「ユメリット(登録商標)715FT」,MFR:4g/10min,融点:113℃,密度:0.913g/cm3
{樹脂5}:1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン/C6−LLDPE
宇部丸善ポリエチレン株式会社製,商品名「ユメリット(登録商標)2540F」,MFR:4g/10min,融点:119℃,密度:0.923g/cm3
{樹脂6}:1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン/C6−LLDPE
宇部丸善ポリエチレン株式会社製,商品名「ユメリット(登録商標)1540F」,MFR:4g/10min,融点:99℃と114℃,密度:0.913g/cm3
{樹脂7}:高密度ポリエチレン/HDPE
日本ポリエチレン株式会社製,商品名「HF560」,MFR:7g/10min,融点:134℃,密度:0.963g/cm3
{樹脂8}:長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレン
住友化学株式会社製,商品名「CB2001」,MFR:2g/10min,融点:106℃,密度:0.920g/cm3
帯電防止剤として、以下の「As1」ないし「As4」を使用した。表中では「As1」等と表記する。
{As1}:グリセリンモノステアレート
{As2}:ジグリセリンモノステアレート
{As3}:ジグリセリンモノパルミテート
{As4}:非イオン界面活性剤有機スルホン酸塩
その他の配合成分として、アンチブロッキング剤、スリップ剤、酸化防止剤、及び中和剤を使用した。これらは微量であるため、表中に記していない。
[ラミネートフィルムの作製]
シーラントフィルムに積層するフィルム(被積層フィルム)として、アルミニウム蒸着二軸延伸ポリエステルフィルム(株式会社麗光製,商品名「ダイアラスター FK」,厚さ12μm)を使用した。
前記の被積層フィルム表面に、ドライラミネート用に調製した接着剤を約4g/m2塗布し、いったん接着剤を乾燥した。接着剤は、東洋モートン株式会社製,主剤:TM−329,硬化剤:CAT−8B,溶剤:酢酸エチルによる調製とした。その後、実施例及び比較例のポリエチレン系シーラントフィルムのラミネート層部側に前記の被積層フィルムと貼り合わせ、ラミネートフィルムとした。
[測定]
〔メルトフローレート〕
各樹脂のMFRは、JIS K 7210−1(2014)に準拠したメルトフローレートの測定に基づき、190℃、2.16kg荷重とした。
〔融点〕
各層部において、単一の樹脂使用の場合、樹脂の仕様の融点を用いた。これに対し、2種類以上の樹脂を混合して使用した場合、ペレット状の樹脂を各例の配合に応じた配合でドライブレンドし、単軸押出機を通して溶融混合して試料に調製した。当該試料について、JIS K 7121(2012)に準拠した示差走査熱量測定(DSC)から融点を求めた。
〔厚さ〕
実施例及び比較例の各シーラントフィルムの厚さは、JIS K 7130(1999)に準拠して測定した。
〔エルメンドルフ引裂強度〕
実施例及び比較例の各シーラントフィルムのエルメンドルフ引裂強度の測定はJIS K 7128−2(1998)に準拠した。各例のシーラントフィルムを製膜方向(MD)76mm、幅方向(TD)63mmに裁断しシーラントフィルム試験片とした。株式会社東洋精機製作所製,引裂試験機(SA−WP)を使用して長方形のシーラントフィルム試験片の製膜方向(MD)及び幅方向(TD)のエルメンドルフ引裂強度(単位:N)を計測した。個々の引裂強度について、式(i)により厚さ50μmに換算して、当該実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける両方向のエルメンドルフ引裂強度とした。
Figure 2018176691
〔トラウザー引裂強度〕
実施例及び比較例のシーラントフィルムを包含したラミネートフィルムについて、トラウザー引裂強度の測定はJIS K 7128−1(1998)に準拠した。製膜方向(MD)の引裂強度の測定に際し、各ラミネートフィルムの幅方向(TD)を長辺、製膜方向(MD)を短辺とする150mm×50mmの長方形のMD用試験片に裁断した。短辺の中点から当該MD用試験片の長手方向に75mmの切れ込みを入れ、両方の片部分を互いに逆方向に引張し引裂き量が50mmに到達した時点の荷重(N)(MDの引裂強度)を計測した(単位:N)。
幅方向(TD)の引裂強度の測定では、各ラミネートフィルムの幅方向(TD)を短辺、製膜方向(MD)を長辺とする50mm×150mmの長方形のTD用試験片に裁断した。そして、短辺の中点から当該TD用試験片の長手方向に75mmの切れ込みを入れ、両方の片部分を互いに逆方向に引張し引裂き量が50mmに到達した時点の荷重(N)(TDの引裂強度)を計測した(単位:N)。トラウザー引裂強度の測定に株式会社島津製作所製,万能試験機オートグラフAG−1を使用した。
〔表面抵抗率〕
表面抵抗率は、JIS K 6911(1995)に準拠して、実施例及び比較例のシーラントフィルム単体、及びシーラントフィルムを包含するラミネートフィルムのそれぞれについて測定した(単位:Ω/□)。測定に際し、三菱ケミカル株式会社製,ハイレスタ−UX MCP−HT800 高抵抗 抵抗率計を使用した。
表1ないし3において、実施例1ないし9と比較例1ないし3のポリエチレン系シーラントフィルムの各層毎の原料樹脂及び帯電防止剤の種類と量(重量%)と融点(℃)、及び帯電防止剤のシーラントフィルムの全体に占める重量割合(重量%)を表す。また、シーラントフィルムの厚さ(μm)、層比、エルメンドルフ引裂荷重(N)(MD側とTD側)、表面抵抗率(Ω/□)(ラミネート層部側とシーラント層部側)を表すとともに、ラミネートフィルムについてのトラウザー引裂荷重(N)(シーラントフィルム側)を表す。
Figure 2018176691
Figure 2018176691
Figure 2018176691
[ポリエチレン系シーラントフィルムの結果と考察]
〔樹脂組成〕
比較例1の基材層部組成樹脂はコモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン樹脂である。比較例1では、エルメンドルフ引裂荷重は大きく上昇した。これに対し、他の実施例の基材層部組成樹脂はコモノマーとして1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレン樹脂または長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレン樹脂である。当該樹脂使用の結果によると、エルメンドルフ引裂荷重を抑制できた。
シーラント層部のシーラント層部組成樹脂にあっては、いずれの実施例もコモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレン樹脂である。結果、各指標への影響なく良好であった。ラミネート層部のラミネート層部組成樹脂は、コモノマーの種類を問わず使用できた。また、高密度ポリエチレンは融点調整目的であり、物性への影響は特段見られなかった。
〔融点の高低関係〕
ポリエチレン系シーラントフィルムの各層の組成樹脂の融点(Tm1,Tm2,Tm3)に着目すると、比較例2はラミネート層部側の融点を他層よりも低くした例である。ここで、実施例1と比較例2の帯電防止剤の添加量は同量であり、添加先も基材層部で共通する。ところが、比較例2のシーラントフィルム使用のラミネートフィルムの表面抵抗率が上昇した。この点について、樹脂融点の高低差の影響から、フィルム内に含有された帯電防止剤がラミネート層部側、さらにはラミネート接着剤へブリードし、本来所望のシーラント層部側へのブリードが相対的に減少したためと類推する。
また、ラミネート層部組成樹脂の融点(Tm3)については、実施例2,8の結果から、123℃以上が適するといえる。このように、ポリエチレン系シーラントフィルムの各層の組成樹脂の融点を相互に調整することにより、帯電防止剤のブリードの指向性制御を可能にした意義は大きい。樹脂の相互の融点の関係を見ると、「Tm3≧123℃」であり、「Tm3>Tm1」かつ「Tm3>Tm2」が成立する。
〔帯電防止剤量と種類〕
実施例5はグリセリン−脂肪酸エステル系以外の帯電防止剤の使用例である。この例においても各表面抵抗率は良好であるものの、添加量は相対的に多い。これに対し他の実施例はグリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤の使用例であり、より低量であっても十分な性能を発揮した。そこで、シーラントフィルム全体重量に占める帯電防止剤の添加量を見ると、比較例3の無添加は論外として、実施例1の0.15重量%から効果を発揮した。そこで、実施例5を含めた上限を勘案すると1.5重量%となる。グリセリン−脂肪酸エステル系に限ると、上限は1重量%以下、さらには0.7重量%以下の勘案できる。
〔厚さ比〕
一連の実施例より、厚さ比の設定については通常の3層のシーラントフィルムの構造として製膜することができた。それゆえ、ラミネート層部、基材層部、及びシーラント層部の順における厚さの比は、1:1:1ないし1:10:1である。
〔引裂荷重〕
表中のシーラントフィルムのエルメンドルフ引裂荷重によると、いずれの実施例もMD側では4N以下の荷重を満たし、TD側も8N以下の荷重を満たした。比較例1との対比から、引裂荷重の値が大きくなると引裂きやすさの障害となる。同じく比較例1のトラウザー引裂荷重の数値からも引裂きが容易でないことが判明した。そこで、シーラントフィルムの強度を確保しつつ引裂きやすさを確保しようとすると、実施例のMD側及びTD側の各値が良否の基準となる。それぞれの下限については概ね1Nが考えられる。
本発明はポリエチレン系シーラントフィルムにおいて、帯電防止剤の添加量を抑制しつつ、良好な帯電防止性能を発現し、包装資材に求められる引裂き性の良さも兼ね備えることができ、開封し易さ等の商品価値に寄与する性能を有する。そこで、従前のポリエチレン系シーラントフィルムの代替として有利である。加えて、粉状物の資材用に好例である。
1 ポリエチレン系シーラントフィルム
5 ラミネートフィルム
10 基材層部
11 基材層部の第1面
12 基材層部の第2面
20 シーラント層部
21 最内面
30 ラミネート層部
32 最外面
40 樹脂フィルム
50 接着剤層
1 基材層部の厚さ
2 シーラント層部の厚さ
3 ラミネート層部の厚さ

Claims (5)

  1. 基材層部(10)と、前記基材層部の第1面側に配したシーラント層部(20)と、前記基材層部の第2面側に配したラミネート層部(30)とを備えたシーラントフィルム(1)であって、
    前記基材層部(10)はコモノマーとして1−ブテンを有する線状低密度ポリエチレンまたは長鎖分岐を有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくは両方を基材層部組成樹脂(R1)として含有し、前記基材層部組成樹脂(R1)のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜15g/10minであり、
    前記シーラント層部(20)はコモノマーとして1−ヘキセンを有する線状低密度ポリエチレンまたはコモノマーとして1−オクテンを有する線状低密度ポリエチレンのいずれか一方もしくは両方をシーラント層部組成樹脂(R2)として含有し、
    前記ラミネート層部(30)は線状低密度ポリエチレンを主体とするラミネート層部組成樹脂(R3)として含有し、前記ラミネート層部組成樹脂(R3)のメルトフローレート(190℃、2.16kg荷重)は1〜15g/10minであり、
    前記ラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)は123℃以上であり、前記ラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)は前記基材層部組成樹脂(R1)の融点(Tm1)より高く、かつ、前記ラミネート層部組成樹脂(R3)の融点(Tm3)は前記シーラント層部組成樹脂(R2)の融点(Tm2)より高く、
    帯電防止剤が前記シーラントフィルム(1)中に該シーラントフィルム(1)の全体重量の1.5重量%以下の添加である
    ことを特徴とするポリエチレン系シーラントフィルム。
  2. 前記帯電防止剤が、グリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤である請求項1に記載のポリエチレン系シーラントフィルム。
  3. 前記帯電防止剤が、2種類以上のグリセリン−脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物である請求項1に記載のポリエチレン系シーラントフィルム。
  4. 前記シーラントフィルム(1)の前記ラミネート層部(30)、前記基材層部(10)、及び前記シーラント層部(20)の順における厚さの比が、1:1:1ないし1:10:1である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリエチレン系シーラントフィルム。
  5. JIS K 7128−2(1998)に準拠した前記シーラントフィルム(1)の引裂荷重の測定において、前記シーラントフィルム(1)の製膜方向(MD)の50μm換算の引裂荷重が4N以下であり、幅方向(TD)の50μm換算の引裂荷重が8N以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリエチレン系シーラントフィルム。
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