JP2018176220A - ホットプレス成形品の溶接方法 - Google Patents

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【課題】スポット溶接を実施した際に溶接部の品質を安定させることができるホットプレス成形品の溶接方法を提供する。【解決手段】表面に亜鉛メッキ層G1を有する鋼板S1からホットプレス成形によりホットプレス成形品P1を得る。ホットプレス成形品P1の表面における複数のスポット溶接の打点実施予定部X1をそれぞれ矩形状に囲う溶接予定領域A1に対し、ファイバーレーザ発振器51aを用いてレーザ光L1を照射して溶接予定領域A1に付着する酸化被膜W1を気化させて除去する。その後、ホットプレス成形品P1にプレス板P2を重ね合わせるとともに、各溶接予定領域A1における打点実施予定部X1にスポット溶接を実施する。【選択図】図3

Description

本発明は、ホットプレスにより得られたホットプレス成形品を溶接する方法に関する。
従来より、表面に亜鉛メッキ層又は合金化亜鉛メッキ層を有する鋼板からホットプレス成形によりホットプレス成形品を得ると、その表面に酸化被膜が形成されることが一般的に知られている。このホットプレス成形品の表面に付着する酸化被膜は、塗膜の密着性を低下させるおそれがあるため、例えば、特許文献1では、ホットプレス成形品の表面にレーザ光を照射して酸化被膜を気化させることにより除去した後、塗装処理を行うことで塗膜の密着性を高めている。
特開2015−105422号公報
ところで、ホットプレス成形品をスポット溶接により溶接する際、ホットプレス成形品の表面に酸化被膜が付着していると、電極チップでホットプレス成形品を加圧保持して通電する際に、電極チップの先端面とホットプレス成形品との間における電気抵抗が酸化被膜によって高くなってしまう。したがって、通電経路が不安定になって分流が発生してしまい、形成される溶接部の品質にばらつきが生じてしまう。
これに対応するために、特許文献1の如きレーザ光を照射する方法でホットプレス成形品の表面に付着する酸化被膜を除去した後、スポット溶接を行うことで溶接部の品質を安定化させることが考えられる。
しかし、特許文献1では、塗膜の密着性を高めるためのレーザ光による酸化被膜の除去の仕方についての記載はあるものの、スポット溶接により形成される溶接部の品質を安定させるためのレーザ光による酸化被膜の除去の仕方については、当然に考慮されていない。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スポット溶接を実施した際に溶接部の品質を安定させることができるホットプレス成形品の溶接方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、ホットプレス成形品の表面に付着する酸化被膜の一部領域のみをレーザ光により除去するようにし、酸化被膜を除去した領域と他の領域との間に段差が生じるようにしたことを特徴とする。
すなわち、第1の発明では、表面に亜鉛メッキ層又は合金化亜鉛メッキ層を有する鋼板からホットプレス成形によりホットプレス成形品を得た後、当該ホットプレス成形品の表面における複数のスポット溶接の打点実施予定部をそれぞれ矩形状か、或いは、円形状に囲う溶接予定領域に対し、レーザ発振器を用いてレーザ光を照射することによって上記溶接予定領域に付着する酸化被膜を気化させて除去するか、或いは、酸化被膜の膜厚を減らし、その後、上記ホットプレス成形品に他のプレス成形品か鋼板を重ね合わせるとともに、上記各溶接予定領域における打点実施予定部にスポット溶接を実施することを特徴とする。
第2の発明では、第1の発明において、上記溶接予定領域は、スポット溶接時に使用する電極チップの先端面に対応する円形状であり、上記ホットプレス成形品の表面における上記溶接予定領域に付着する酸化被膜の膜厚が当該溶接予定領域を除く領域に付着する酸化被膜の膜厚よりも薄くなるように、且つ、所定量の厚みだけ残るように上記溶接予定領域に上記レーザ光を照射することを特徴とする。
第1の発明では、ホットプレス成形品表面の各溶接予定領域に付着する酸化被膜が無くなるか、或いは、付着する酸化被膜の量が減って、ホットプレス成形品表面における各溶接予定領域とその他の領域との間に段差が発生するようになる。すると、電極チップでホットプレス成形品を加圧保持して通電する際に、電極チップの先端面とホットプレス成形品との間における電気抵抗が小さくなるとともに、ホットプレス成形品表面の各溶接予定領域とその他の領域との間において電気抵抗の差が大きくなるので、通電時の分流を防ぐことができるようになり、溶接部の品質を安定化させることができる。
第2の発明では、打点実施予定部において電極チップでホットプレス成形品を加圧保持した際、電極チップにおける先端面の周縁部分が酸化被膜の段差部分に対応した位置になる。したがって、電極チップの先端面とホットプレス成形品との間に電流を流すと、電流の流れが打点実施予定部に集中するようになって分流を確実に防ぐことができるようになり、溶接部の品質をさらに安定化させることができる。また、溶接予定領域に付着する酸化被膜が所定量残るようにレーザ光を照射しているので、レーザ光が亜鉛メッキ層又は合金化亜鉛メッキ層や母材に直接当たらない。したがって、亜鉛メッキ層又は合金化亜鉛メッキ層が損傷したり、或いは、母材の硬度に影響が出るといったことを防ぐことができ、スポット溶接後においても防食性、防錆性、及び剛性の高いホットプレス成形品にすることができる。
本発明の実施形態1に係る溶接方法が適用された生産ラインのレイアウト図である。 本発明の実施形態1に係る溶接方法が適用された生産ラインのブロック図である。 図1のIII矢視図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 酸化被膜を除去する前のホットプレス成形品の断面を示す写真である。 酸化被膜を除去した後のホットプレス成形品の断面を示す写真である。 ホットプレス成形品において酸化被膜を除去する前後の母材の硬度を示すグラフである。 最大加熱条件で成形したホットプレス成形品に対してレーザ出力を変化させながら酸化被膜を除去したときの各種酸化被膜除去条件と、その各種酸化被膜除去条件で酸化被膜を除去したホットプレス成形品を一対の電極チップで加圧保持したときの電極チップ間の抵抗値との関係を示したグラフである。 最小加熱条件で成形したホットプレス成形品に対してレーザ出力を変化させながら酸化被膜を除去したときの各種酸化被膜除去条件と、その各種酸化被膜除去条件で酸化被膜を除去したホットプレス成形品を一対の電極チップで加圧保持したときの電極チップ間の抵抗値との関係を示したグラフである。 最大加熱条件で成形したホットプレス成形品に対して加工速度を変化させながら酸化被膜を除去したときの各種酸化被膜除去条件と、その各種酸化被膜除去条件で酸化被膜を除去したホットプレス成形品を一対の電極チップで加圧保持したときの電極チップ間の抵抗値との関係を示したグラフである。 最小加熱条件で成形したホットプレス成形品に対して加工速度を変化させながら酸化被膜を除去したときの各種酸化被膜除去条件と、その各種酸化被膜除去条件で酸化被膜を除去したホットプレス成形品を一対の電極チップで加圧保持したときの電極チップ間の抵抗値との関係を示したグラフである 酸化被膜が付着するホットプレス成形品に対してスポット溶接を実施したときの電流値と溶接部のナゲット径との関係を示したグラフである。 酸化被膜を除去したホットプレス成形品に対してスポット溶接を実施したときの電流値と溶接部のナゲット径との関係を示したグラフである。 実施形態2に係る図4相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る生産ライン1を示す。該生産ライン1では、車体フレームB1を生産するようになっていて、図2に示すように、生産ライン1の上流側から順に、表面に亜鉛メッキ層G1(又は合金化亜鉛メッキ層)を有する複数枚の鋼板S1を蓄えておく搬入工程2と、該搬入工程2から搬入された鋼板S1を加熱する加熱工程3と、該加熱工程3で加熱された鋼板S1からホットプレス成形品P1を成形するホットプレス工程4と、ホットプレス成形時においてホットプレス成形品P1の表面に付着する酸化被膜W1(図4参照)を除去する被膜除去工程5と、酸化被膜を除去した後のホットプレス成形品P1と平板状のプレス板P2(鋼板)とをスポット溶接により一体にして上記車体フレームB1を得る溶接工程6とが直線上に配置されている。
搬入工程2は、図1に示すように、複数枚の鋼板S1を積層した状態で載置するパレット20を有している。
搬入工程2と加熱工程3との間には、パレット20に積み上げられた複数枚の鋼板S1を順次加熱工程3に搬入する第1ロボットR1が配設されている。
加熱工程3は、生産ライン1の上流側から下流側に沿って延びる加熱炉30を備え、該加熱炉30は、フロアに設置された下側炉体30aと、該下側炉体30aの上方の位置に対向配置された上側炉体30bとを有している。
下側炉体30aには、鋼板S1を搬送する複数の搬送ローラ(図示せず)が設けられる一方、上側炉体30bには、当該上側炉体30bと下側炉体30aとの間の雰囲気ガスを上昇させるヒータ(図示せず)が取り付けられ、上記加熱炉30は、鋼板S1の搬送時に当該鋼板S1の温度を約800〜1000℃にまで上昇させるようになっている。
加熱工程3とホットプレス工程4との間には、加熱炉30で加熱された鋼板S1をホットプレス工程4まで搬送する第2ロボットR2が配設されている。
ホットプレス工程4は、上型41及び下型42を有するホットプレス成形用の金型40と、サーボモータ制御の油圧式プレス43とを備え、該油圧式プレス43は、上型41を下型42に対して昇降させるようになっている。
上型41には、断面略凹状の上側加圧面41aが形成される一方、下型42には、上側加圧面41aに対応する断面略凸状の下側加圧面42aが形成されている。
そして、加熱状態の鋼板S1を下型42の下側加圧面42a上にセットして上型41を下死点まで下降させることにより、鋼板S1を上側加圧面41a及び下側加圧面42aに沿う断面略ハット形状の成形体に成形するとともに、当該成形体を上型41及び下型42で加圧保持して冷却することで成形体に焼き入れを施してホットプレス成形品P1を得るようになっている。
ホットプレス工程4と被膜除去工程5との間には、ホットプレス工程4で成形されたホットプレス成形品P1を被膜除去工程5へと順次搬送する第3ロボットR3が配設されている。
被膜除去工程5は、ホットプレス成形品P1を載置可能な載置台50と、該載置台50の側方に配置された被膜除去装置51とを備えている。
該被膜除去装置51は、産業用ロボットである第4ロボットR4と、該第4ロボットR4の側方に配置されたファイバーレーザ発振器51aと、該ファイバーレーザ発振器51aにファイバーケーブル51bを介して接続され、上記第4ロボットR4のアーム先端に取り付けられたガルバノスキャナヘッド51cとを備え、該ガルバノスキャナヘッド51cは、ファイバーレーザ発振器51aで励起したレーザ光L1を対象物に対して走査させることが可能になっている。
載置台50に載置されたホットプレス成形品P1のフランジ部F1には、図3に示すように、スポット溶接の複数の打点実施予定部X1が予め設定されていて、上記被膜除去装置51は、各打点実施予定部X1をそれぞれ矩形状に囲う溶接予定領域A1に対してレーザ光L1を走査させながら照射することにより、図4に示すように、各溶接予定領域A1に付着する酸化被膜W1を気化させて除去するようになっている。
酸化被膜除去後のホットプレス成形品P1は、図示しない産業用ロボットによって溶接工程6に搬送されるようになっている。
溶接工程6は、図1に示すように、酸化被膜除去後のホットプレス成形品P1とプレス板P2とを重ねて位置決めできる治具61と、該治具61の側方に配置され、アーム先端に溶接ガンT1が取り付けられた第5ロボットR5とを備え、溶接ガンT1を用いて各打点実施予定部X1にスポット溶接を実施することにより、ホットプレス成形品P1とプレス板P2とを一体にして車体フレームB1を得るようになっている。
次に、ホットプレス成形品P1における酸化被膜W1を除去する作業と酸化被膜W1の除去後のホットプレス成形品P1を溶接する作業とについて詳述する。
ホットプレス工程4にて得られるホットプレス成形品P1の表面には、図5に示すように、膜厚が約2〜5μmの酸化被膜W1が付着している。
被膜除去工程5において、酸化被膜W1が付着するホットプレス成形品P1を載置台50に載置すると、第4ロボットR4がガルバノスキャナヘッド51cをホットプレス成形品P1におけるフランジ部F1の上方に移動させる。
次に、ガルバノスキャナヘッド51cがフランジ部F1における酸化被膜W1を除去する前の所定の溶接予定領域A1の上方に到達すると、ファイバーレーザ発振器51aで励起されたレーザ光L1がガルバノスキャナヘッド51cから溶接予定領域A1に向かって照射される。具体的には、図3及び図4に示すように、30mm×30mmの面積の溶接予定領域A1に対し、走査幅を30mm、加工速度(レーザ光L1における図3矢印Z1方向の移動速度)を30mm/secとして出力100Wのレーザ光L1を走査させる。すると、図6に示すように、ホットプレス成形品P1の表面に付着する酸化被膜W1が除去される。尚、溶接予定領域A1は、その他の広さであってもよい。
次いで、ガルバノスキャナヘッド51cにおける所定の溶接予定領域A1における酸化被膜W1の除去作業が終了すると、第4ロボットR4は、次に酸化被膜W1の除去作業を行う溶接予定領域A1の上方に向けてガルバノスキャナヘッド51cを移動させる。このように、全ての溶接予定領域A1における酸化被膜W1の除去作業を順番に行う。
全ての溶接予定領域A1における酸化被膜W1の除去作業が終了すると、図1に示すように、酸化被膜W1除去後のホットプレス成形品P1が図示しないロボットによって溶接工程6に搬送され、治具61上にセットされたプレス板P2に重ね合わされるとともに治具61に位置決めされる。
そして、第5ロボットR5が溶接ガンT1を移動させてホットプレス成形品P1における各打点実施予定部X1にスポット溶接を実施する。すると、ホットプレス成形品P1とプレス板P2とが一体になって車体フレームB1が得られる。
次に、酸化被膜W1の除去作業後におけるホットプレス成形品P1の硬度評価について説明する。
図7は、ホットプレス成形品P1における溶接予定領域A1の酸化被膜W1を除去する前及び除去した後のそれぞれにおいて硬度を測定した結果を示したグラフであり、横軸をホットプレス成形品P1の表面からの深さ、縦軸を硬度としている。この結果より、ホットプレス成形品P1における酸化被膜W1を除去する前と除去した後とにおいて母材硬さに変化が無く、本発明の被膜除去工程5における酸化被膜W1の除去作業がホットプレス成形時における焼き入れ効果に影響を及ぼさないことを確認できた。
次に、加熱工程3における加熱条件を910℃にしてホットプレス成形により得られたホットプレス成形品P1と、加熱工程3における加熱条件を890℃にしてホットプレス成形により得られたホットプレス成形品P1とにおいて、各溶接予定領域A1の酸化被膜W1の除去作業を各種酸化被膜除去条件で行った実験について説明する。
ガルバノスキャナヘッド51cから照射されるレーザ光L1の出力、加工速度、及び周波数の組み合わせを変更した条件A〜Fによって酸化被膜W1の除去作業を行うとともに、酸化被膜W1を除去した後の溶接予定領域A1を一対の電極チップで挟み込んで5.88kNの加圧力で加圧し、電極チップ間の抵抗値を調べる作業を複数回行った。尚、ホットプレス成形品P1及びプレス板P2の板厚をそれぞれ1.8mmとする。
すると、レーザ光L1の加工速度及び周波数を同条件にするとともに出力を変化させた場合、図8及び図9に示すように、加熱条件を変えたどちらのホットプレス成形品P1においてもレーザ光L1の出力が100Wのときに電極チップ間の抵抗値が低く安定した値になることが分かった。
また、レーザ光L1の出力及び周波数を同条件にするとともに加工速度を変化させた場合、図10及び図11に示すように、加熱条件を変えたどちらのホットプレス成形品P1においてもレーザ光L1の加工速度が30mm/secのときに電極チップ間の抵抗値が低く安定した値になることが分かった。
次に、酸化被膜W1を除去する前と除去した後とのそれぞれのホットプレス成形品P1に対してスポット溶接を実施した実験について説明する。
ホットプレス成形品P1に通電させる電流値を変化させながらスポット溶接を実施し、それぞれ形成される溶接部のナゲット径を測定した。尚、スポット溶接の他の溶接条件を、加圧力:5.88kN、電極先端径:φ6R40mm、通電時間24cycle、保持時間2cycleとした。
図12に示すように、酸化被膜W1を除去する前のホットプレス成形品P1に対してスポット溶接を実施すると、溶接品質を確保できるナゲット径の基準値を満たす電流値の範囲(適正電流範囲)が非常に狭くなってしまうことが分かった。
一方、図13に示すように、酸化被膜W1を除去した後のホットプレス成形品P1に対してスポット溶接を実施すると、溶接品質を確保できるナゲット径の基準値を満たす電流値の範囲(適正電流範囲)を広くすることができることが分かった。
以上より、本発明の実施形態1によると、ホットプレス成形品P1における表面の各溶接予定領域A1に付着する酸化被膜W1が無くなり、図4に示すように、ホットプレス成形品P1の表面における各溶接予定領域A1とその他の領域との間に段差が発生するようになる。すると、電極チップでホットプレス成形品P1を加圧保持して通電する際に、電極チップの先端面とホットプレス成形品P1との間における電気抵抗が小さくなるとともに、ホットプレス成形品P1表面の各溶接予定領域A1とその他の領域との間において電気抵抗の差が大きくなるので、通電時の分流を防ぐことができるようになり、溶接部の品質を安定化させることができる。
《発明の実施形態2》
図14は、本発明の実施形態2に係る生産ライン1の被膜除去工程5においてホットプレス成形品P1の表面から酸化被膜W1を除去している状態を示す。この実施形態2では、酸化被膜W1の除去の仕方が実施形態1と異なっているだけで、その他は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分のみを詳細に説明する。
実施形態2の溶接予定領域A1は、スポット溶接時に使用する電極チップの先端面に対応する円形状をなしている。
また、実施形態2では、溶接予定領域A1にレーザ光L1を照射する際、ホットプレス成形品P1の表面における溶接予定領域A1に付着する酸化被膜W1の膜厚H1が当該溶接予定領域A1を除く領域に付着する酸化被膜W1の膜厚H2よりも薄くなるように、且つ、所定量の厚みだけ残るようにしている。
以上より、本発明の実施形態2によると、打点実施予定部X1において電極チップでホットプレス成形品P1を加圧保持した際、電極チップにおける先端面の周縁部分が酸化被膜W1の段差部分に対応した位置になる。したがって、電極チップの先端面とホットプレス成形品P1との間に電流を流すと、電流の流れが打点実施予定部X1に集中するようになって分流を確実に防ぐことができるようになり、溶接部の品質をさらに安定化させることができる。
また、溶接予定領域A1に付着する酸化被膜W1が所定量残るようにレーザ光L1を照射しているので、レーザ光L1が亜鉛メッキ層G1及び母材に直接当たらない。したがって、亜鉛メッキ層G1が損傷したり、或いは、母材の硬度に影響が出るといったことを防ぐことができ、スポット溶接後においても防食性、防錆性、及び剛性の高いホットプレス成形品P1にすることができる。
尚、本発明の実施形態1,2では、平板状のプレス板P2をホットプレス成形品P1に重ね合わせるとともにスポット溶接にて一体にしているが、平板状で無いプレス成形品をホットプレス成形品P1に重ね合わせるとともにスポット溶接にて一体にしてもよい。
また、本発明の実施形態1,2では、レーザ光L1を発振する発振器としてファイバーレーザ発振器51aを用いているが、YAGレーザ発振器を用いてレーザ光L1を発振するようにしてもよい。
さらに、本発明の実施形態1,2では、ガルバノスキャナヘッド51cを用いてレーザ光L1を溶接予定領域A1に照射しているが、その他のレーザ加工ヘッドを用いて溶接予定領域A1にレーザ光L1を照射するようにしてもよい。
本発明は、ホットプレスにより得られたホットプレス成形品を溶接する方法に適している。
A1 溶接予定領域
G1 亜鉛メッキ層
L1 レーザ光
P1 ホットプレス成形品
P2 プレス板(鋼板)
S1 鋼板
W1 酸化被膜
X1 打点実施予定部

Claims (2)

  1. 表面に亜鉛メッキ層又は合金化亜鉛メッキ層を有する鋼板からホットプレス成形によりホットプレス成形品を得た後、当該ホットプレス成形品の表面における複数のスポット溶接の打点実施予定部をそれぞれ矩形状か、或いは、円形状に囲う溶接予定領域に対し、レーザ発振器を用いてレーザ光を照射することによって上記溶接予定領域に付着する酸化被膜を気化させて除去するか、或いは、酸化被膜の膜厚を減らし、その後、上記ホットプレス成形品に他のプレス成形品か鋼板を重ね合わせるとともに、上記各溶接予定領域における打点実施予定部にスポット溶接を実施することを特徴とするホットプレス成形品の溶接方法。
  2. 請求項1に記載のホットプレス成形品の溶接方法において、
    上記溶接予定領域は、スポット溶接時に使用する電極チップの先端面に対応する円形状であり、
    上記ホットプレス成形品の表面における上記溶接予定領域に付着する酸化被膜の膜厚が当該溶接予定領域を除く領域に付着する酸化被膜の膜厚よりも薄くなるように、且つ、所定量の厚みだけ残るように上記溶接予定領域に上記レーザ光を照射することを特徴とするホットプレス成形品の溶接方法。
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