JP2018173662A - 防眩フィルム、偏光板、液晶パネルおよび画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は本実施形態に係る防眩フィルムの概略構成図であり、図2は図1の一部を拡大した図であり、図3は図2の一部を拡大した図であり、図4は本実施形態に係る防眩フィルムの透過像鮮明度を透過像鮮明度測定装置で測定する様子を示した模式図である。
C(n)={(M−m)/(M+m)}×100(%) …(1)
式(1)中、C(n)は光学くしの幅n(mm)のときの透過像鮮明度(%)、Mは光学くしの幅n(mm)のときの最高光量であり、mは光学くしの幅n(mm)のときの最低光量である。
θa=tan−1Δa …(2)
式中、Δaは傾斜を縦横比率で表したものであり、各凹凸の極小部と極大部の差(各凸部の高さに相当)の総和を基準長さで割った値である。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
光透過性基材11としては、光透過性を有すれば特に限定されないが、例えば、セルロースアシレート基材、シクロオレフィンポリマー基材、ポリカーボネート基材、アクリレート系ポリマー基材、ポリエステル基材、またはガラス基材が挙げられる。
防眩層12は、防眩性を発揮する層であり、図2に示されるように、複数の有機微粒子13と、複数の無機微粒子14と、バインダ樹脂15とを含んでいる。防眩層12は、防眩性を発揮するとともに、他の機能を発揮するものであってもよい。具体的には、防眩層12は、防眩性を発揮するとともに、例えば、ハードコート性、反射防止性、帯電防止性、または防汚性等の機能を発揮する層であってもよい。
複数の有機微粒子13のうち少なくとも一部の有機微粒子13は2個以上の有機微粒子13が凝集した有機微粒子凝集体13Aとして存在していることが好ましい。有機微粒子凝集体13Aを構成する有機微粒子13の個数が、2個以上であることにより、凹凸面12Aにおいて、傾斜が緩やかな凸部山頂の面積が増加し、傾斜が急な凸部立ち上がり面の面積が減少するので、コントラストの劣化を抑制できる。
0.2<R/T<0.7…(3)
無機微粒子14としては、特に限定されないが、例えば、シリカ(SiO2)微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、酸化スズ微粒子、アンチモンドープ酸化スズ(略称;ATO)微粒子、酸化亜鉛微粒子等の無機酸化物微粒子が挙げられる。
1.5<Nb/Nf …(4)
バインダ樹脂15は、光重合性化合物の重合物(架橋物)を含むものである。バインダ樹脂は、光重合性化合物の重合物(架橋物)の他、溶剤乾燥型樹脂や熱硬化性樹脂を含んでいてもよい。光重合性化合物は、光重合性官能基を少なくとも1つ有するものである。本明細書における、「光重合性官能基」とは、光照射により重合反応し得る官能基である。光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性二重結合が挙げられる。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」および「メタクリロイル基」の両方を含む意味である。また、光重合性化合物を重合する際に照射される光としては、可視光線、並びに紫外線、X線、電子線、α線、β線、およびγ線のような電離放射線が挙げられる。
光重合性モノマーは、重量平均分子量が1000以下のものである。なお、光重合性モノマーを、1種類のみならず、複数種類用いてもよい。
光重合性オリゴマーは、重量平均分子量が1000を超え10000以下のものである。光重合性オリゴマーとしては、光重合性官能基が3つ(3官能)以上の多官能オリゴマーが好ましい。光重合性オリゴマーとしては、2官能以上の多官能オリゴマーが好ましい。多官能オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、 ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
光重合性プレポリマーは、重量平均分子量が10000を超えるものであり、重量平均分子量としては10000以上80000以下が好ましく、10000以上40000以下がより好ましい。重量平均分子量が80000を超える場合は、粘度が高いため塗工適性が低下してしまい、得られる防眩フィルムの外観が悪化するおそれがある。上記多官能ポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、イソシアヌレート(メタ)アクリレート、ポリエステル−ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
防眩フィルム10は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、光透過性基材11上に防眩層用組成物を塗布する。防眩層用組成物を塗布する方法としては、スピンコート、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法等の公知の塗布方法が挙げられる。
防眩層用組成物は、少なくとも、有機微粒子13、無機微粒子14および上記光重合性化合物を含んでおり、好ましくは、有機微粒子凝集体13A、第1の無機微粒子凝集体14Aおよび第2の無機微粒子凝集体14Dを含んでいる。その他、必要に応じて、防眩層用組成物に、上記熱可塑性樹脂、上記熱硬化性樹脂、溶剤、重合開始剤を添加してもよい。さらに、防眩層用組成物には、防眩層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、従来公知の分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
溶剤としては、例えば、アルコール(例、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME、エチレングリコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、シクロヘプタノン、ジエチルケトン等)、エーテル類(1,4−ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテルジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合物であってもよい。
重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルを発生して光重合性化合物の重合(架橋)を開始または進行させる成分である。
防眩フィルム10は、例えば、偏光板に組み込んで使用することができる。図5は本実施形態に係る防眩フィルムを組み込んだ偏光板の概略構成図である。図5に示されるように偏光板20は、防眩フィルム10と、偏光子21と、保護フィルム22とを備えている。偏光子21は、光透過性基材11における防眩層12が形成されている面とは反対側の面に形成されている。保護フィルム22は、偏光子21の防眩フィルム10が設けられている面とは反対側の面に設けられている。保護フィルム22は位相差フィルムであってもよい。
防眩フィルム10や偏光板20は、液晶パネルに組み込んで使用することができる。図6は本実施形態に係る防眩フィルムを組み込んだ液晶パネルの概略構成図である。
防眩フィルム10、偏光板20、液晶パネル30は、画像表示装置に組み込んで使用することができる。画像表示装置としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、タブレットPC、電子ペーパー等が挙げられる。図7は本実施形態に係る防眩フィルムを組み込んだ画像表示装置の一例である液晶ディスプレイの概略構成図である。
まず、下記に示す組成となるように各成分を配合して、防眩層用組成物を得た。
(防眩層用組成物1)
・アクリル−スチレン共重合体粒子(有機微粒子、平均一次粒径2.0μm、屈折率1.52、積水化成品工業社製):3質量部
・フュームドシリカ(無機微粒子、ヘキサメチルジシラザン処理、平均一次粒径50nm、日本アエロジル社製):1質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・イソシアヌル酸エトキシ変性ジアクリレート(製品名「M−215」、東亜合成社製):40質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:120質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):30質量部
・アクリル−スチレン共重合体粒子(有機微粒子、平均一次粒径2.0μm、屈折率1.52、積水化成品工業社製):4質量部
・フュームドシリカ(無機微粒子、ヘキサメチルジシラザン処理、平均一次粒径50nm、日本アエロジル社製):1質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名「PETA」、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・ウレタンアクリレート(製品名「UV1700B」、日本合成化学社製):40質量部・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:120質量部
・シクロヘキサノン:30質量部
・アクリル−スチレン共重合体粒子(有機微粒子、平均一次粒径2.0μm、屈折率1.52、積水化成品工業社製):2質量部
・フュームドシリカ(無機微粒子、オクチルシラン処理、平均一次粒径12nm、日本アエロジル社製):2質量部
・ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)(製品名「PETA」、ダイセル・サイテック社製):60質量部
・ウレタンアクリレート(製品名「UV1700B」、日本合成化学社製):40質量部・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:105質量部
・イソプロピルアルコール:30質量部
・シクロヘキサノン:15質量部
・アクリル−スチレン共重合体粒子(有機微粒子、平均一次粒径3.5μm、屈折率1.52、積水化成品工業社製):4.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):65質量部
・イソシアヌル酸変性トリアクリレート(製品名「M−313」、東亜合成社製):35質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:110質量部
・シクロヘキサノン:50質量部
・不定形シリカ粒子(無機微粒子、疎水化処理、平均粒子径(レーザー回折散乱法)2.3μm、富士シリシア化学社製):2質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:150質量部
・メチルイソブチルケトン(MIBK):35質量部
なお、上記不定形シリカ粒子は、ゲル法で作製されたものであった。
・アクリル−スチレン共重合体粒子(有機微粒子、平均一次粒径3.0μm、屈折率1.52、積水化成品工業社製):7質量部
・不定形シリカ粒子(無機微粒子、疎水化処理、平均粒子径(レーザー回折散乱法)2.7μm、富士シリシア化学社製):2質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(製品名「PETIA」、ダイセル・サイテック社製):100質量部
・重合開始剤(製品名「イルガキュア184」、BASFジャパン社製):5質量部
・ポリエーテル変性シリコーン(製品名「TSF4460」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製):0.025質量部
・トルエン:120質量部
・シクロヘキサノン:30質量部
なお、上記不定形シリカ粒子は、ゲル法で作製されたものであった。
光透過性基材としての厚さ60μmのトリアセチルセルロース基材(富士フイルム社製、TD60UL)を準備し、トリアセチルセルロース基材の片面に、防眩層用組成物1を塗布し、塗膜を形成した。次いで、形成した塗膜に対して、0.2m/sの流速で70℃の乾燥空気を15秒間流通させた後、さらに10m/sの流速で70℃の乾燥空気を30秒間流通させて乾燥させることにより塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を窒素雰囲気(酸素濃度200ppm以下)下にて積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、硬化時の厚みが4μmの防眩層を形成し、実施例1に係る防眩フィルムを作製した。
実施例2においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物2を用い、硬化時の防眩層の厚みを3μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
実施例3においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
比較例1においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物4を用い、硬化時の防眩層の厚みを6μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
比較例2においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物5を用い、硬化時の防眩層の厚みを3μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
比較例3においては、防眩層用組成物1に代えて防眩層用組成物6を用い、硬化時の防眩層の厚みを3μmとした以外は、実施例1と同様にして、防眩フィルムを作製した。
上記実施例1および実施例2において得られた防眩フィルムの断面を、走査電子顕微鏡(SEM)(S−4800、日立ハイテク社製)の走査透過電子顕微鏡(STEM)機能を用いて撮影し、得られたSTEM断面写真を観察した。図8は走査電子顕微鏡の走査透過電子顕微鏡機能を用いて撮影した実施例1に係る防眩フィルムの断面写真であり、図9はその拡大写真である。
実施例及び比較例で得られた各防眩フィルムについて、JIS K7374の透過法による像鮮明度の測定法に準拠して、写像性測定器(型番:ICM−1T、スガ試験機社製)を設定し、トリアセチルセルロース基材側を光源に向けて設置して、透過画像鮮明度を測定した。光学くしとしては、0.125mm、0.25mm幅、0.5mm幅、1.0mm、2.0mm幅のものを用いて、透過画像鮮明度をそれぞれ測定した。また、それぞれ測定した透過画像鮮明度を合計して、算術平均値を求め、さらにこの算術平均値と各透過画像鮮明度の値との差の絶対値を求めた。
実施例及び比較例で得られた各防眩フィルムのトリアセチルセルロース基材における防眩層が形成されている面とは反対側の面に、透明粘着剤を介して、裏面反射を防止するための黒アクリル板を貼りサンプルとした。このサンプルを明室環境下で目視にて、被験者15人により、観測者及び観測者の背景の映り込みが気にならない程度の防眩性が得られているか否かを下記の基準により評価した。
◎:良好と答えた人が10人以上
○:良好と答えた人が5〜9人
×:良好と答えた人が4人以下
実施例および比較例で得られた各防眩フィルムにおいて、以下のようにしてギラツキを評価した。輝度1500cd/m2のライトボックス(白色面光源)、140ppiのブラックマトリクスガラス、防眩フィルムの順に下から重ねた状態にし、30cm程度の距離から上下、左右様々な角度から、被験者15人が目視評価を行った。ギラツキが気になるか否かを判定し、下記の基準により評価した。
◎:良好と答えた人が10人以上
○:良好と答えた人が5〜9人
×:良好と答えた人が4人以下
実施例および比較例で得られた各防眩フィルムにおいて、以下のようにして黒彩感を評価した。ソニー社製液晶テレビ「KDL−40X2500」の最表面の偏光板を剥離し、表面塗布のない偏光板を貼付した。次いで、その上に得られた実施例および比較例に係る防眩フィルムを、防眩層側が最表面となるように、防眩フィルム用透明粘着フィルム(全光線透過率91%以上、ヘイズ0.3%以下、膜厚20〜50μmの製品、例えばMHMシリーズ:日栄加工社製など)により貼付した。この液晶テレビを、照度が約1000Lxの環境下の室内に設置し、メディアファクトリー社のDVD「オペラ座の怪人」を表示して、液晶テレビから1.5〜2.0m程度離れた場所から、この映像を被験者15人が鑑賞することで、黒彩感を官能評価により評価した。黒彩感は、動画像を表示したとき、コントラストが高く、かつ画像に照りや輝きがあり、躍動感を感じるか否かで判定した。
評価基準は以下のとおりである。
◎:良好と答えた人が10人以上
○:良好と答えた人が5〜9人
×:良好と答えた人が4人以下
上記実施例および比較例で得られた各防眩フィルムについて、以下のようにして、全ヘイズ、内部ヘイズ、表面ヘイズを測定した。まず、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従って防眩フィルムの全ヘイズ値を測定した。その後、防眩層の表面に、透明光学粘着層を介してトリアセチルセルロース基材(富士フイルム社製、TD60UL)を貼り付けた。これによって、防眩層における凹凸面の凹凸形状が潰れ、防眩フィルムの表面が平坦になった。この状態で、ヘイズメーター(HM−150、村上色彩技術研究所製)を用いて、JIS K7136に従ってヘイズ値を測定し、更に上記の粘着層自身のヘイズを差し引くことで内部ヘイズ値を求めた。そして、全ヘイズ値から内部ヘイズ値を差し引くことにより、表面ヘイズ値を求めた。
実施例及び比較例で得られた各防眩フィルムの表面において、Sm、θa、およびRaを測定した。SmおよびRaの定義は、JIS B0601−1994に従うものとし、θaは表面粗さ測定器:SE−3400/(株)小坂研究所製取り扱い説明書(1995.07.20改訂)に従うものとする。
1)表面粗さ検出部の触針((株)小坂研究所製の商品名SE2555N(2μ標準))・先端曲率半径2μm、頂角90度、材質ダイヤモンド
2)表面粗さ測定器の測定条件
・基準長さ(粗さ曲線のカットオフ値λc):2.5mm
・評価長さ(基準長さ(カットオフ値λc)×5):12.5mm
・触針の送り速さ:0.5mm/s
・予備長さ:(カットオフ値λc)×2
・縦倍率:2000倍
・横倍率:10倍
実施例及び比較例で得られた各防眩フィルムにおいて、マンドレルを有する屈曲試験機を用いて耐屈曲性試験を行い、クラックが生じなかったマンドレルの最小直径を表2に記載した。耐屈曲性試験はJIS K5600−5−1(1999)に準じて行われた。
実施例および比較例で得られた各防眩フィルムおいて、スチールウール♯0000(製品名:ボンスター、日本スチールウール株式会社製)を用い、荷重700g/cm2を加えながら、速度100mm/秒で10往復擦った後、トリアセチルセルロース基材における防眩層が形成されている面とは反対側の面に黒いテープを貼り、傷の有無を3波長蛍光ランプ下での目視により評価した。耐擦傷性評価の評価基準は以下の通りとした。
○:傷が確認されなかった、または傷が若干確認されたが実用上問題のないレベルであった。
×:傷が多数確認された。
[1]光透過性基材と、前記光透過性基材上に設けられ、かつ凹凸面を有する防眩層を備える防眩フィルムであって、
前記防眩層が、複数の有機微粒子と、複数の無機微粒子と、バインダ樹脂とを含み、
0.125mm幅、0.25mm幅、0.5mm幅、1.0mm幅、2.0mm幅の光学くしを用いて測定された前記防眩フィルムの透過画像鮮明度の算術平均値が70%以上95%以下であり、かつ前記算術平均値と前記各光学くしを用いて測定された前記透過画像鮮明度との差の絶対値が10%以内である、防眩フィルム。
[2]複数の前記有機微粒子のうち少なくとも一部の前記有機微粒子は2個以上の前記有機微粒子が凝集した有機微粒子凝集体として存在し、複数の前記無機微粒子のうち少なくとも一部の前記無機微粒子は3個以上の前記無機微粒子が凝集した第1の無機微粒子凝集体として存在し、前記第1の無機微粒子凝集体が、前記無機微粒子が連なることによって形成され、かつ前記バインダ樹脂で埋められた内側領域を有する屈曲部を含む、[1]に記載の防眩フィルム。
[3]前記第1の無機微粒子凝集体が、少なくとも、前記有機微粒子凝集体の表面の位置と、前記有機微粒子凝集体から離間し、かつ前記有機微粒子凝集体間の位置とに存在する、[2]に記載の防眩フィルム。
[4]複数の前記無機微粒子のうち一部の前記無機微粒子が、2個以上の無機微粒子が凝集した複数の第2の無機微粒子凝集体として存在し、
前記第2の無機微粒子凝集体は、前記凹凸面またはその近傍の位置に存在し、かつ前記防眩層の厚み方向における前記第2の無機微粒子凝集体の凝集径に比べて前記厚み方向と直交する方向の前記第2の無機微粒子凝集体の凝集径が大きい、[3]に記載の防眩フィルム。
[5]前記防眩層中における前記第1の無機微粒子凝集体の存在割合は、前記防眩層の凹凸面側より前記防眩層の前記光透過性基材側の方が高い、[2]に記載の防眩フィルム。
[6]前記防眩層の厚みをTとし、前記有機微粒子の平均粒径をRとしたとき、
0.2<R/T<0.7
の関係を満たす、[1]に記載の防眩フィルム。
[7]前記無機微粒子の平均一次粒子径が、1nm以上100nm以下である、[1]に記載の防眩フィルム。
[8]前記防眩層の厚み方向に沿った断面において、前記凹凸面のうち、前記有機微粒子および前記無機微粒子に対応する領域以外の領域の長さの割合が、15%以上70%以下である、[1]に記載の防眩フィルム。
[9][1]に記載の防眩フィルムと、
前記防眩フィルムの前記光透過性基材における前記防眩層が形成されている面とは反対側の面に形成された偏光素子とを備えることを特徴とする、偏光板。
[10][1]に記載の防眩フィルム、または[9]に記載の偏光板を備える、液晶表示パネル。
[11][1]に記載の防眩フィルム、または[9]に記載の偏光板を備える、画像表示装置。
10A…表面
11…光透過性基材
12…防眩層
12A…凹凸面
13…有機微粒子
13A…有機微粒子凝集体
14…無機微粒子
14A…第1の無機微粒子凝集体
14B…屈曲部
14C…内側領域
14D…第2の無機微粒子凝集体
15…バインダ樹脂
20…偏光板
21…偏光子
30…液晶パネル
40…画像表示装置
Claims (1)
- 光透過性基材と、前記光透過性基材上に設けられ、かつ凹凸面を有する防眩層を備える防眩フィルムであって、
前記防眩層が、複数の有機微粒子と、複数の無機微粒子と、バインダ樹脂とを含み、
0.125mm幅、0.25mm幅、0.5mm幅、1.0mm幅、2.0mm幅の光学くしを用いて測定された前記防眩フィルムの透過画像鮮明度の算術平均値が70%以上95%以下であり、かつ前記算術平均値と前記各光学くしを用いて測定された前記透過画像鮮明度との差の絶対値が10%以内である、防眩フィルム。
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