JP2018173470A - 感光性着色樹脂組成物、カラーフィルター基板及び表示装置 - Google Patents

感光性着色樹脂組成物、カラーフィルター基板及び表示装置 Download PDF

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航 福島
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憲一 川邉
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Abstract

【課題】高色純度でありながら高い透過率と高感度を両立でき、達成でき、高照度露光時でも安定した加工性を実現できる感光性着色樹脂組成物を提供することを目的とすること。【解決手段】本発明は、少なくとも1)着色剤、2)光重合開始剤、3)ラジカル重合性多官能モノマー、4)アルカリ可溶性樹脂、5)多官能チオール化合物および6)酸化防止剤を含み、前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤を含み、前記多官能チオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を含む感光性着色樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性着色樹脂組成物、カラーフィルター基板及び表示装置に関する。
液晶や有機エレクトロルミネッセンス等を利用したカラーフィルター基板を用いた表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の特性を活かし、テレビ、ノートパソコン、携帯情報端末、デジタルカメラ又はデスクトップモニタ等、様々な用途で使用されている。
近年、従来のCRTテレビでは表現できなかった真紅のバラの鮮やかな色や、南国の海の美しい緑色等を忠実に再現するため、表示装置の色再現範囲を拡大して、DCI(Digital Cinema Initiatives)等の広色域を表示可能とする、高色純度化の要求が高まりつつある。 色再現範囲が広い表示装置を得るためには、カラーフィルター基板の着色画素に含有される着色剤の充填量を高くする必要がある。このカラーフィルター基板の製造方法としては着色樹脂組成物を用いて、インクジェット方式や転写方式により各色の画素を形成する方法があるが、フォトリソグラフィー方式により形成する方法が主流である。即ち、透明基板上に、感光性着色組成物を塗布、乾燥した後に、フォトマスクを介して、所望のエリアに露光し、現像処理することにより、各色の画素を得る方式である。したがって、カラーフィルター基板の着色画素の色を濃くするためには、感光性着色組成物に含まれる着色剤の濃度を高くする必要がある。このように着色剤の濃度を高くすると、フォトリソグラフィーに必要な感光性樹脂成分が相対的に少なくなるため、露光感度、現像性、また画素輝度低下が発生しやすくなる。画素輝度低下は感光性樹脂分が不足することでの着色剤自体の輝度低下や、樹脂が黄変することが起因している。このような問題に対して、酸化防止剤を添加することで、輝度低下を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
一方で、近年、高精細化の流れが進展しており、カラーフィルター基板の形成にはブラックマトリックス(BM)画素上のRGB画素の色置き加工性精度が求められている。この問題に対して、従来のプロキシミティー露光機に変わり、複数の投影光学ユニットを有するマルチレンズスキャン型露光装置が提案されている(例えば特許文献3)。この方式は超高圧水銀灯の分光分布において、300nm以下の光のピーク強度を350nm〜450nmのピーク強度の半分以下に抑えて、短時間照射するため、感光性着色組成物には更に高感度化が求められる。しかしながら、このような高感度が必要な露光条件下で、酸化防止剤を用いると所望の感度がでないという問題があった。
そこで、特許文献4および特許文献5には、酸化防止剤の他に多官能チオールを添加している感光性着色樹脂組成物が開示されているが、感度の高いものは得られていなかった。
特開2012−211975号公報 特開2014−215474号公報 国際公開第2006/080285号 特開2006−71890号公報 特開2004−83857号公報
そこで本発明は、高色純度でありながら高い透過率を達成でき、高照度露光時でも安定した加工性を実現できる感光性着色樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討をした結果、上記課題の解決に極めて有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は下記の構成を有する。
(1)少なくとも1)着色剤、2)光重合開始剤、3)ラジカル重合性多官能モノマー、4)アルカリ可溶性樹脂、5)多官能チオール化合物および6)酸化防止剤を含み、
前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤を含み、
前記多官能チオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を含む感光性着色樹脂組成物。
(2)前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が、感光性着色樹脂組成物の固形分に対して、0.5〜3質量%である前記感光性着色樹脂組成物。
(3)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)がアルカリ可溶性樹脂およびラジカル重合性多官能モノマーの合計に対し3質量%以下である前記いずれかの感光性着色樹脂組成物。
(4)
ラジカル重合性多官能モノマーが3官能モノマーを含む前記いずれかの感光性着色樹脂組成物。
(5)
前記いずれかの感光性着色樹脂組成物の硬化物の画素を有するカラーフィルター基板。
(6)前記カラーフィルター基板を有する表示装置
本発明の感光性着色樹脂組成物によれば、表示装置の色再現範囲の拡大に資する高色純度の画素が得られる。また高照度かつ短時間の露光をした際に、安定に加工ができかつカラーフィルター基板製造工程で色画素が高透過率であるカラーフィルター基板の形成が可能となる。
[着色剤]
本発明の着色剤として使用できる赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(以下、「PR」)PR7、PR9、PR14、PR41、PR48、PR48:1、PR48:2、PR48:3、PR48:4、PR57:1、PR81、PR81:1、PR81:2、PR81:3、PR81:4、PR97、PR122、PR123、PR144、PR146、PR149、PR166、PR168、PR169、PR176、PR177、PR178、PR179、PR180、PR184、PR185、PR187、PR192、PR200、PR202、PR208、PR209、PR210、PR215、PR216、PR217、PR220、PR223、PR224、PR226、PR227、PR228、PR240、PR242、PR246、PR254,PR255、PR255、PR264、PR270、PR272、PR273、PR274、PR276、PR277、PR278、PR279、PR280、PR281,PR283、PR284、PR285、PR286、またはPR287が挙げられる。また臭素化ジケトピロロピロールを用いることもできる。
黄色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(以下、「PY」)12、PY13、PY17、PY20、PY24、PY83、PY86、PY93、PY95、PY109、PY110、PY117、PY125、PY129、PY137、PY138、PY139、PY147、PY148、PY150、PY153、PY154、PY166、PY168又はPY85が挙げられる。色純度、透過率及びコントラスト比を高めるためには、PY129、PY138、PY139又はPY150が好ましく、PY138又はPY150がより好ましく、PY150がさらに好ましい。
オレンジ色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ(以下、「PO」)13、PO31、PO36、PO38、PO40、PO42、PO43、PO51、PO55、PO59、PO61、PO64、PO65又はPO71が挙げられる。
緑色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリ−ン(以下、「PG」)7、PG10、PG36、PG37、PG58、又はPG59が挙げられる。
青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(以下、「PB」)15:3、PB15:4、PB15:6、PB21、PB22、PB60又はPB64が挙げられる。
紫色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントバイオレット(以下「PV」)19、PV23、PV29、PV30、PV37、PV40又はPV50が挙げられる(以上、番号はいずれもカラーインデックスNo.)。
これらの顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理又は塩基性処理等の表面処理がされていても構わず、分散剤として顔料誘導体が添加されていても構わない。
またこれらの顔料と着色剤として染料の組合せ、もしくは染料のみによる調色も可能である。 染料としては、例えば、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料は酸性媒染染料が挙げられる。また、上記染料をレーキ化して用いたり、染料と含窒素化合物との造塩化合物として用いたりしても構わない。
赤色、緑色、青色、紫色又は黄色の染料などがある。例えば、直接染料、酸性染料又は塩基性染料が挙げられる。これら染料の具体例としては、例えば、アゾ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系染料、ローダミン系染料、シアニン系染料、スクアリリウム系染料、クロコニウム系染料、メロシアニン系染料、スチルベン系染料、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、フルオラン系染料、スピロピラン系染料、フタロシアニン系染料、インジゴ系染料、フルギド系染料、ニッケル錯体系染料又はアズレン系染料が挙げられる。染料は樹脂組成物中に溶解させても、顔料のように粒子として分散させても構わない。
熱、光、酸、アルカリ、有機溶剤等に対する耐性を高めるため、塩基性染料は、有機スルホン酸若しくは有機カルボン酸等の有機酸又は過塩素酸と四級アンモニウム塩とからなる造塩化合物であることが好ましい。なかでもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸又はその過塩素酸と四級アンモニウム塩とからなる造塩化合物であることがより好ましい。
また熱、光、酸、アルカリ、有機溶剤等に対する耐性を高めるため、酸性染料及び直接染料は、四級アンモニウム塩、一〜三級アミン又はスルホンアミドからなる造塩化合物であることが好ましい。
本発明の感光性着色樹脂組成物に占める全着色剤の割合は、全固形分に対して10〜60質量%が好ましく、15〜55質量%がより好ましい。全固形分に占める全着色剤の割合が10質量%以上であると、色純度が高くなる。一方で、全固形分に占める全着色剤の割合が60質量%以下であると、現像時の組成物の溶解が早くなり、パターニングが早くなる。ここで全固形分とは、感光性着色樹脂組成物における、溶媒以外の全成分をいう。
顔料を含有する感光性着色樹脂組成物の場合、顔料、アルカリ可溶性樹脂及び溶剤、並びに、適宜追加される分散剤を、分散機により分散して顔料分散液を調製した後、その他の各種材料を加えることによって製造できる。顔料は、予めその粉体に溶剤等を添加して、分散機により剪断応力を印加し、二次粒子(粒子径は1〜50μm程度)を微細化しておく必要がある。剪断応力を印加するための分散機としては、例えば、サンドミル、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミルおよびアトライター等が挙げられるが、分散効率に優れるビーズミルが好ましい。ビーズミルで用いる分散ビーズとしては、ジルコニアビーズ、アルミナビーズおよびガラスビーズが挙げられるが、ジルコニアビーズが好ましい。
上記の分散剤としては、例えば、顔料の中間体若しくは顔料の誘導体等の低分子分散剤又は高分子分散剤が挙げられる。顔料の誘導体としては、例えば、顔料の適度な湿潤や安定化を保つための、主顔料構造のアルキルアミン変性体、カルボン酸誘導体又はスルホン酸誘導体が挙げられるが、微細顔料の安定化に顕著な効果を有する、顔料骨格のスルホン酸誘導体が好ましい。
高分子分散剤としては、例えば、ポリエステル、ポリアルキルアミン、ポリアリルアミン、ポリイミン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリイミドおよびポリアミドイミド等の重合体又は共重合体が挙げられる。
中でも、塩基性基を有する高分子分散剤が好ましい。塩基性基を有する、市販品の高分子分散剤としては、例えば、“ソルスパース”(登録商標。以下同じ。)(アビシア社製)、“EFKA”(登録商標)(エフカ社製)、“アジスパー”(登録商標。以下同じ)(味の素ファインテクノ社製)および“BYK”(登録商標)(ビックケミー社製)が挙げられるが、中でも“ソルスパース”24000、“EFKA”4300、同じく4330、4340、“アジスパー”PB821同じくPB822ならびに“BYK”161、161、163、2000、2001、6919および21116が好ましい。高分子分散剤の添加量は、顔料に対して2〜100質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。高分子分散剤の添加量が2質量%未満であると、良好な顔料分散安定性が得られない場合があり、100質量%を超えると、アルカリ現像性が低下する場合がある。
[アルカリ可溶性樹脂]
本発明の感光性着色樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする。ここでアルカリ可溶性樹脂は無機アルカリ水溶液、もしくは有機アルカリ水溶液に溶解する樹脂のことをいう。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、それぞれアルカリ可能性の、アクリル系ポリマー、ポリシロキサン系ポリマーおよびポリアミック酸重合体が挙げられる。なお、本発明の感光性着色樹脂組成物は、アルカリ可溶性基を有しないアクリル系樹脂、アルカリ可溶性基を有しないポリシロキサン系樹脂又はアルカリ可溶性基を有しないエポキシ系樹脂等、アルカリ可溶性基を有しない樹脂を含有しても構わない。
ここでアクリル系アルカリ可溶性樹脂としては、共重合成分として不飽和カルボン酸を含む重合体が好ましい。共重合成分となる不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸若しくはビニル酢酸等のモノカルボン酸又はイタコン酸、マレイン酸若しくはフマル酸等のジカルボン酸あるいはそれらの酸無水物が挙げられる。なかでもメタクリル酸が共重合成分として含まれることが好ましい。
不飽和カルボン酸以外の共重合成分となるものとしては、不飽和カルボン酸のエステル化合物があげられる。例えば、以下のものである。アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、メタクリル酸nープロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソ−ブチル、メタクリル酸イソ−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸n−ペンチル、メタクリル酸n−ペンチル、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート若しくはイソボルニル(メタ)アクリレート。
また不飽和カルボン酸アルキルエステル、アミノエチルアクリレート等の不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル。他にはグリシジル(メタ)アクリレートおよびグリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル。さらにフタル酸モノ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)等の多価カルボン酸モノエステルが挙げられる。
不飽和カルボン酸又はその誘導体以外の共重合成分として、現像時の組成物の密着性の向上のため、さらにトリシクロデカン骨格又はジシクロペンタジエン骨格を有するエチレン性不飽和化合物が含まれることがより好ましい。このような化合物としては、例えば、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート又はトリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル系アルカリ可溶性樹脂は、上記以外のエチレン性不飽和化合物を共重合成分としても構わない。そのような化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン若しくはα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、酢酸ビニル若しくはプロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル若しくはα−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、1,3−ブタジエン若しくはイソプレン等の脂肪族共役ジエン、それぞれの末端にアクリロイル基若しくはメタクリロイル基を有するポリスチレン又はポリメチルアクリレート、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート若しくはポリシリコーン等のマクロモノマーが挙げられる。
アクリル系アルカリ可溶性樹脂は、露光及び現像の際の感度向上のため、側鎖にビニル基、アリル基、アクリル基又はメタクリル基のようなエチレン性不飽和基を有することが好ましい。アクリル系アルカリ可溶性樹脂の側鎖にエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、アクリル系アルカリ可溶性樹脂が有するカルボキシル基又は水酸基に対し、エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物又は(メタ)アクリル酸クロライドを付加反応させる方法が挙げられる。ここでエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物としては、グリシジル基又は脂環式エポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物が挙げられる。具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、(イソ)クロトン酸グリシジルエーテル、N−(3,5−ジメチル−4−グリシジル)ベンジルアクリルアミドおよび(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、その他の導入方法としてアクリル系アルカリ可溶性樹脂の構造単位としてエポキシ基を有するものを使用し、カルボキシル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させる方法も挙げられる。ここでカルボキシル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物としてはアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
アクリル系アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(以下、「Mw」)は、3千〜20万が好ましく、5千〜10万がより好ましい。Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて算出したものである。Mwが3千未満であると、硬化膜に十分な強度が得られない。一方で、Mwが20万を超えると、現像性が悪化する。
また(B)アクリル系アルカリ可溶性樹脂の酸価は、適度なアルカリ現像性を得るため、20〜200(mg/KOH/g)が好ましく、30〜150(mg/KOH/g)がより好ましい。
[ラジカル重合性多官能モノマー]
本発明の感光性着色樹脂組成物は、感光性を付与する成分として、ラジカル重合性多官能モノマーを含有する。ここでラジカル重合性多官能モノマーとは、分子中に2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する化合物をいう。
エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物としては例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート若しくはアルキッド変性(メタ)アクリレート等のオリゴマー、又は、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート若しくは9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンが挙げられる。
また、本発明のラジカル重合性多官能モノマーはその構造の一部にアルカリ可溶性をもたらすカルボキシル基を有することを一部含んでいてもよい。3官能基モノマーを含まない場合、パターン加工性が悪化し残渣などを生じる傾向がある。
ラジカル重合性多官能モノマーは酸性基をもっていてもよい。例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との遊離水酸基含有ポリ(メタ)アクリレート類と、ジカルボン酸類とのエステル化物;多価カルボン酸と、モノヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類とのエステル化物等を挙げることができる。具体例としては、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等のモノヒドロキシオリゴアクリレートまたはモノヒドロキシオリゴメタクリレート類と、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸類との遊離カルボキシル基含有モノエステル化物等があげられる。
本発明に用いられる感光性着色樹脂組成物に含まれる高分子分散剤およびアルカリ可溶性樹脂など高分子材料の和とラジカル重合性多官能モノマーとの質量比は、10:90〜80:20の範囲であることが好ましい。ここで高分子分散剤とは顔料分散に用いる分子量1000以上の樹脂を指す。より好ましい範囲は20:80〜60:40である。ラジカル重合性多官能モノマーの質量比が90を超えると、現像時の残渣が残りやすく加工性が悪化し、ラジカル重合性多官能モノマーの質量比が40より小さくなると、塗膜硬化が不足気味となり、色画素の耐光性、耐熱性などが悪化する。
[光重合開始剤]
本発明の感光性着色樹脂組成物は、感光性を付与する成分として、光重合開始剤を含む。 光重合開始剤とは、光(紫外線又は電子線を含む)により分解及び/又は反応し、ラジカルを発生させる化合物をいう。光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル系化合物、α−アミノアセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、オキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、カルバゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物およびチタノセン系化合物が挙げられる。
具体的には、例えば、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)フェニル〕−,2−(O−ベンゾイルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)。また“オプトマー”(商標登録)N−1919、同じくNCI−831、同じくNCI−930(以上、いずれもADEKA社製)。“IRGACURE”(商標登録)OXE01、同じくOXE02(以上、いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製)が挙げられる。感光性着色樹脂組成物が高感度となる、N−1919、OXE−02、NCI−930およびNCI−831が好ましい。
さらに芳香族又は脂肪族の第3級アミン等の増感補助剤を添加すると、さらに感度を向上させることができ、好ましい。
アルカリ可溶性樹脂及びラジカル重合性多官能モノマーの合計量に対する光重合開始剤の割合は、ラジカル硬化を十分なものとし、残存した光重合開始剤の溶出を抑制して耐溶剤性を確保するため、0.01〜40質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。
[酸化防止剤]
本発明の感光性着色樹脂組成物は酸化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を含有する。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2−チオビス(4−メチル−6―t−ブチルフェノール)(例えば“IRGANOX”(登録商標。以下同じ)BASF社製1081)、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製“IRGANOX”(登録商標。以下同じ)1010)、3,9−ビス[2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(ADEKA社製アデカスタブAO−80)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製“IRGANOX”259)、2,2’−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](BASF社製“IRGANOX”1035)、1,3,5,−トリメチル−2,4,6,−トリス(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(BASF社製“IRGANOX”1330、ADEKA社製アデカスタブAO−330)、トリエチレングリコール-ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製“IRGANOX”245、ADEKA社製アデカスタブAO−70)、オクタデシル−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(BASF社製“IRGANOX”1076)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(BASF社製“IRGANOX”3114、)、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(BASF社製“IRGANOX”1098)、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−O−クレゾール(BASF社製“IRGANOX”1520L)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(BASF社製“IRGANOX”565)、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾールBASF社製“IRGANOX”1726)、3−(4−ヒドロキシ−3,5−ジイソプロピルフェニル)プロピオン酸オクチル(BASF社製“IRGANOX”1135)等が挙げられる。
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
本発明におけるヒンダードフェノール系酸化防止剤の含有量は、感光性着色組成物中の固形分に対して、通常、0.5〜3質量%が好ましいが、より好ましくは0.75〜3質量%、特に好ましくは1〜3質量%である。かかる含有量が少ないと耐光性が得られない傾向がある。一方、3質量%を超えると、感度不足や、不溶物の発生および現像後残渣が発生する傾向がある。ここでいう固形分とは、本発明の感光性着色組成物に任意に添加できる溶剤を除いた成分をいう。
[多官能チオール化合物]
本発明の感光性着色樹脂組成物は多官能チオール化合物としてペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を含有することを特徴とする。またペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を含有していれば、別の多官能チオールと併用してもよい。併用する多官能チオールとしては例えば、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ヘキサンジチオール 、デカンジチオール 、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられる。
本発明におけるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)の含有量は、分散剤とアルカリ可溶性樹脂とラジカル重合性多官能モノマーの総量100質量%に対して0.5〜3質量%が好ましく、より好ましくは1〜3質量%である。この多官能チオール化合物を1質量%以上用いることで、より良い現像耐性を得ることができる。3%を超えると、膜の硬化が進みすぎて、現像で画素が剥がれてしまい加工性が悪化する。また他の多官能チオール化合物のみを適用すると膜べり量が大きくなりカラーフィルター基板製造時に大型基板での面内色度ばらつきが大きくなる。
[溶剤]
本発明の感光性着色樹脂組成物は溶剤を含有することができる。樹脂組成物が含有するアルカリ可溶性樹脂の種類等に応じて、溶剤の種類を適宜選択することができる。本発明の樹脂組成物がアクリル系アルカリ可能性樹脂を含有する場合には、以下のものが使用できる。例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトールおよびプロピレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコール又はプロピレングリコール誘導体。プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」)、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート若しくは3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の脂肪族エステル類。エタノール若しくは3−メチル−3−メトキシブタノール等の脂肪族アルコール類。シクロペンタノン若しくはシクロヘキサノン等のケトン類。その他にも使用できる。
さらには、2種類以上の溶剤の混合溶剤を選択することも好ましい。この場合には、副溶剤として、アルカリ可能性樹脂に対する貧溶媒を用いても構わない。そのような混合溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドンとシクロペンタノンとの混合物が挙げられる。溶剤の含有量は、感光性着色組成物中の総量100質量%に対して20〜70%質量%が好ましく、より好ましくは30〜50重量%である。かかる含有量が20%以下では感光剤等の溶解性が悪く感度不足や、不溶物の発生する可能性があり、含有量が70%以上では乾燥性が悪化し、塗布不良やムラの可能性がある。
[その他の化合物]
本発明の樹脂組成物は、その他の添加剤を含有しても構わない。その他の添加剤としては、例えば、密着改良剤、界面活性剤、重合禁止剤、有機酸、有機アミノ化合物又は硬化剤が挙げられる。
密着改良剤は本発明の組成物の硬化膜の基板への密着性を向上させるものである。例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。
樹脂の凝集を抑制しながら現像密着性を確保するため、全固形分に占める密着改良剤の割合は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
界面活性剤としては、以下のものが例示される。ラウリル硫酸アンモニウム若しくはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン等の陰イオン界面活性剤。ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤。ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル。ソルビタンモノステアレート等の非イオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤。
樹脂組成物の塗布性を適度なものとしつつ、表面均一性を向上させるため、全固形分に占める界面活性剤の割合は、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。
重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン系又はカテコール系の重合禁止剤が挙げられる。ヒドロキノン系の重合禁止剤としては、例えば、ヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン又は2,5−ビス(1,1−ジメチルブチル)ヒドロキノンが挙げられ、カテコール系の重合禁止剤としては、例えば、カテコール又はtert−ブチルカテコールが挙げられる。
全固形分に占める重合禁止剤の割合は、0.01〜0.5質量%が好ましい。重合禁止剤の割合が0.01質量%未満であると、樹脂組成物の経時安定性が不十分となる場合がある。一方で、重合禁止剤の割合が0.5質量%を超えると、極性溶媒浸漬時に感度の低下により膜表面が浸食され、シミが発生し易くなる場合がある。
次に、本発明の感光性着色樹脂組成物を用いたカラーフィルター基板の製造方法の例を説明する。
[パターン加工]
本発明の感光性着色樹脂組成物は基板上に塗布され、パターン露光され、そして現像されてパターンとなる。このパターンはカラーフィルター基板の画素に好適である。カラーフィルター基板としては、例えば、石英ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラス若しくは表面をシリカコートしたソーダライムガラス等の無機ガラスの板又は有機プラスチックのフィルム若しくはシートが挙げられる。なお、本発明のカラーフィルター基板を備える表示装置が反射型の表示装置である場合は、不透明な基板であっても構わない。
感光性着色樹脂組成物を基板上に塗布する方法としては、その溶液を、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷法などで基板に塗布する方法、基板を着色組成物中に浸漬する方法、着色組成物を基板に噴霧するなど種々の方法を用いることができる。
上記方法により、基板上に感光性着色組成物の溶液を塗布した後、風乾、減圧乾燥、加熱乾燥などにより有機溶剤を除去し、塗膜を形成する。とくに減圧乾燥工程を設けた後、オーブンあるいはホットプレートで追加の加熱乾燥することにより、対流によって生じる塗布欠点が解消され収率が向上する。減圧乾燥は常温〜100℃、5秒〜10分、気圧500〜5Pa、より好ましくは気圧100〜10Paの範囲で行うのが好ましい。加熱乾燥はオーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜120℃の範囲で10秒〜30分行うのが好ましい。この後、必要に応じて塗膜上に酸素遮断膜を設けても良い。
次に、プロキシミティー露光機、スキャン露光装置、プロジェクション露光機又はステッパー等によりフォトマスクを介して、紫外線等により選択的に露光を行う。感光性着色樹脂組成物は架橋し、硬化する。
ついでアルカリ性現像液で現像を行う。アルカリ性現像液に用いるアルカリ性物質としては特に限定はしないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類、コリン等の4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等のアルコールアミン類、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノナン、モルホリン等の環状アミン類などの有機アルカリ類等が挙げられる。
これら現像液のアルカリ性物質の濃度は特に限定されるわけではないが、通常溶液中、0.01〜50質量%、好ましくは0.05〜5質量%である。また、現像液は作業環境、廃現像液処理の点から、アルカリ水溶液の水系現像液が好ましい。アルカリ水溶液の水系現像液を用いる場合、現像液にエタノール、γ −ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、N −メチル− 2 − ピロリドン等の水溶性有機溶剤を適宜加えても良い。
現像方式は浸漬法、スプレー法、パドル法等を用いることができる。また、現像後適宜純水などによる洗浄工程を加えても良い。
ここで、現像液として非イオン系界面活性剤などの界面活性剤を0 . 0 1 〜 1 質量% 添加したアルカリ性現像液を使用すると、より良好なパターンが得られるため好ましい。
得られた着色組成物硬化膜のパターンは、その後、加熱処理することによってパターンニングされた着色画素となる。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるいは、真空中などで、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度のもとで、0.25〜 5時間、連続的または段階的に行われる。
[カラーフィルター基板]
本発明のカラーフィルター基板における感光性着色樹脂組成物の硬化パターンからなる着色画素の膜厚は、高色純度を達成しながら高いコントラスト比及び透過率を維持するため、1.5〜3.0μmが好ましい。1.8〜2.8μmがより好ましい。膜厚が1.5μm以上であると、光の吸収が大きくなり、カラーフィルター基板の色純度を高くし易い。一方で、膜厚が3.0μm以内であると、カラーフィルター基板の平坦性、パターン加工性、及び、信頼性の低下等の、様々な問題が生じ難くなる。
本発明の樹脂組成物、及び、本発明のカラーフィルター基板の着色画素が含有する着色剤の種類は、例えば、レーザーラマン分光法(Arレーザー(457.9nm))を用いて得られたスペクトルと、既知の着色剤のスペクトルと、を比較することにより、同定することができる。また、MALDI質量分析装置又は飛行時間型二次イオン質量分析計で得られたマススペクトルの分子イオンピークと、計算によって得られる分子量と、を比較することにより、同定することもできる。
本発明の樹脂組成物、及び、本発明のカラーフィルター基板の着色画素が含有する着色剤の量は、MALDI質量分析装置又は飛行時間型二次イオン質量分析計を用いて、質量分析を行うことにより定量することができ、得られた各着色剤の質量から、全着色剤に占める特定の着色剤の割合(質量%)等を求めることができる。
上記の着色画素を覆うように、平坦化層が形成されていても構わない。平坦化層の形成に使用する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂又はポリイミド樹脂が挙げられる。平坦化層の膜厚としては、0.5〜5.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmがさらに好ましい。
本発明のカラーフィルター基板には、さらに透明電極が形成されていても構わない。透明電極としては、例えば、アルミ、クロム、タンタル、チタン、ネオジム若しくはモリブデン等の金属膜、又は、Indium−Tin−Oxide(ITO)若しくはIndium−Zinc−Oxide(InZnO)等の膜が挙げられる。
本発明のカラーフィルター基板には、必要に応じて、スペーサーや配向膜が形成されていても構わない。 本発明のカラーフィルター基板は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等の表示装置の構成要素とすることができる。すなわち、本発明の表示装置は、本発明のカラーフィルター基板を具備することを特徴とする。
本発明の表示装置の製造方法の一例として、液晶表示装置の製造方法を以下に示す。カラーフィルター基板とアレイ基板とを、それらの基板上に設けられた液晶配向膜及びセルギャップ保持のためのスペーサーを介して、対向させて貼り合わせる。なお、アレイ基板上に薄膜トランジスタ(TFT)素子若しくは薄膜ダイオード(TFD)素子、走査線又は信号線等を設けることで、TFT液晶表示装置又はTFD液晶表示装置を製造することができる。次に、シール部に設けられた注入口から液晶を注入した後に、注入口を封止する。さらに、バックライトを取り付け、ICドライバー等を実装することにより、液晶表示装置が完成する。なお、バックライトとしては、2波長LED、3波長LED又はCCFL等を用いることができるが、液晶表示装置の色再現範囲が拡大でき、かつ消費電力を低く押さえられることから、3波長LEDが好ましい。
以下に本発明をその実施例及び比較例を挙げて詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
(パターン作製方法)
感光性着色樹脂組成物を、無アルカリガラス(日本電気硝子(株)製、OA10:50mm×70mm、厚さ0.7mm)基板表面上に、スピンコーター(ミカサ(株)製、1H−D2型)を用いて塗布したのち、90℃のイナートオーブン(ダバイエスペック(株)製、PERFECTOVEN 、PV−210)内で10分間加熱乾燥(プリベイク)を行い、膜厚2.50μmの塗膜を形成した。その後、この基板を室温に冷却したのち、露光機(ユニオン光学(株)製、紫外線露光機PEM−6M、コリメーションアングルθ=2°、露光照度=40mW/cm)の光路にj線カットフィルターを挿入し、j線のピーク強度を光源のi線強度の10%以下とした。フォトマスク(HOYA(株)製、ネガマスク、50〜2μmの各種ストライプ設計線幅)を介して、j線:313nm、i線:365nm、h線:405nmおよびg線:436nmの各波長を含む紫外線で25mJ/cmの照度で露光した。そのときの露光強度は365nmの強度を1にしたときに、313nmの強度は1%以下であった。
次に、TMAHを0.3質量%とエマルゲンA−60(花王(株)製)を0.3質量%含む23℃の水溶液を現像液に用い、基板を自動現像装置(ミカサ(株)製、AD−2000)で所定の時間シャワー現像したのち、純水で洗浄し、風乾した。さらに230℃のオーブンで30分間加熱を行い、基板上に各色パターンを形成した。
(評価方法)
1.加工性
上記のパターン作製方法にしたがって形成した、50〜2μmマスク幅に対応したストライプパターンを、光学顕微鏡で観察し、ストライプパターンが基板上に残っている最小加工マスク幅を以下の基準で評価した。
○:最小加工可能マスク幅が10μm以下のもの(10μmを含む)
△:最小加工可能マスク幅が10〜20μm以下のもの
(10μmを含まず、20μを含む)
本評価では高精細品のカラーフィルター基板に適用ができる。
×:最小加工可能マスク幅が20μm以上のもの(20μmを含まない)
本評価では高精細品のカラーフィルター基板には適用ができない。
2.現像による膜ベリ評価
上記のパターン作製段階で、10分間の乾燥後に高精細カラーフィルター基板光学検査装置(LCF−100MA SF;大塚電子(株)製)を用いて、光源がC光源の時のCIE1931XYZ表色系色度(x、y、Y)を測定した。その後、上記、パターン作製方法に従い、露光、現像後、再度、高精細CF基板光学検査装置を用いて色度を測定した。測定した乾燥後の輝度Y1と現像後の輝度Y2の輝度変化(ΔY=Y2/Y1)を以下の基準で評価した。
○:ΔY≦1.05の場合
△:1.05<ΔY≦1.10の場合
×:ΔY>1.10の場合。
3.耐光性
上記のパターン形成方法で作製した基板を高精細カラーフィルター基板光学検査装置(LCF−100MA SF;大塚電子(株)製)を用いて、光源がC光源の時のCIE1931XYZ表色系色度(x、y、Y)を測定した。その後、同基板を卓上型表面処理装置(SSP16−110;セン特殊光源株式会社製)に入れ、UVランプからの距離3cmの高さにセットし、2.5J/cm(254nm換算)で照射後、230℃×30分加熱後、再度、高精細カラーフィルター基板光学検査装置を用いて色度を測定した。測定したパターン形成後の輝度Y3とUV照射、加熱後の輝度Y4の輝度変化△Y=Y4/Y3を以下の基準で評価した。
○:0.95≦ΔYの場合
×:ΔY<0.95の場合。
(アクリル系アルカリ可溶性樹脂(A)の合成)
500mLの三口フラスコに、33gのメタクリル酸メチル(0.33mol)、33gのスチレン(0.32mol)、34gのメタクリル酸(0.33mol)、3gの2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(0.015mol)及び150gのPGMEAを仕込み、90℃で2時間撹拌してから内温を100℃に昇温して、さらに1時間反応させた。得られた反応溶液に、33gのメタクリル酸グリシジル(0.2mol)、1.2gのジメチルベンジルアミン(0.009mol)及び0.2gのp−メトキシフェノール(0.002mol)を添加して、90℃で4時間撹拌し、反応終了時に50gのPGMEAを添加して、アクリル系アルカリ可溶性樹脂(A)(以下ポリマー(A)とする)のPGMEA溶液(固形分濃度40質量%)を得た。アクリル系アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価は80.0(mg/KOH/g)であり、Mwは22000であった。
(実施例1)
顔料としてピグメントブルー15:6とピグメントバイオレット23の85/15(質量比)混合物を14質量部、高分子分散剤として“Disperbyk”2001を9質量部、ポリマー(A)のPGMEA溶液を4質量部、有機溶剤として、PGMEA73質量部を混合した。その後、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。次に、この顔料分散液100質量部に対し、
ポリマー(A)のPGMEA溶液を10質量部、
ラジカル重合性多官能モノマーとして、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(M520;東亞合成(株)製)およびペンタエリスリトールトリアクリレート(M305;東亜合成(株)製)を各6質量部、
光重合開始剤としてNCI1919(ADEKA(株)製)を8質量部、多官能チオールとして、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(MT−PE−01;昭和電工(株)製)を0.27質量部、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(BASF社製IRGANOX1010)を0.27質量部、
密着改良剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503:信越化学(株)製)を1.7質量部、
界面活性剤としてR−08を0.1質量部、ならびに
有機溶剤としてPGMEA100質量部を混合して、感光性着色組成物を調製した。加工性、現像膜ベリ量、耐光性の評価結果を表1に示す。全ての評価項目において良好な結果であり、感度と耐光性を両立する緑色感光性着色樹脂組成物が得られた。
(実施例2)
ピグメントブルー15:6とピグメントバイオレット23との85/15(質量比)混合物を14質量部、高分子分散剤として“Disperbyk”2001を9質量部、ポリマー(A)のPGMEA溶液を4質量部、有機溶剤として、PGMEA73質量部を混合した後、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。次に、この顔料分散液100質量部に対し、
ポリマー(A)のPGMEA溶液を10質量部、
ラジカル重合性多官能モノマーとして、M520およびM305を各6質量部、
光重合開始剤としてNCI1919を8質量部、
多官能チオールとして、MT−PE−01を0.27質量部、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製IRGANOX1035)を0.27質量部、
密着改良剤としてKBM503を1.7質量部、界面活性剤としてR−08を0.1質量部、ならびに
有機溶剤としてPGMEA100質量部を混合して、感光性着色組成物を調製した。加工性、現像膜ベリ量、耐光性の評価結果を表1に示す。全ての評価項目において良好な結果であり、感度と耐光性を両立する緑色感光性着色樹脂組成物が得られた。
(実施例3)
顔料としてピグメントブルー15:6とピグメントバイオレット23の80/20(質量比)混合物を14質量部、高分子分散剤として“Disperbyk”2001を9質量部、ポリマー(A)のPGMEA溶液を4質量部、有機溶剤として、PGMEA73質量部を混合した後、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。次に、この顔料分散液100質量部に対し、
ポリマー(A)のPGMEA溶液を10質量部、
ラジカル重合性多官能モノマーとして、M520および(M305)を各6質量部、
光重合開始剤として2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“IRGACURE”907、以下「IC907」とする)6質量部、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製、
“カヤキュア”DETX−S、以下DETXとする)2質量部、
多官能チオールとして、MT−PE−01を0.27質量部、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、IRGANOX”1010を0.13質量部、
密着改良剤としてKBM503を1.7質量部、界面活性剤としてR−08を0.1質量部、重合禁止剤としてt−ブチルカテコール(以下、TBC。DIC社製)0.1質量部(色材を除く固形分に対して0.25質量%)、ならびに
有機溶剤としてPGMEA100質量部を混合して、感光性着色組成物を調製した。評価結果を表1に示す。全ての評価項目において良好な結果であり、感度と耐光性を両立する緑色感光性着色樹脂組成物が得られた。
(実施例4)
顔料としてピグメントブルー15:6とピグメントバイオレット23の80/20(質量比)混合物を14質量部、高分子分散剤として“Disperbyk”2001を9質量部、ポリマー(A)のPGMEA溶液を4質量部、有機溶剤として、PGMEA73質量部を混合した後、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。次に、この顔料分散液100質量部に対し、ポリマー(A)のPGMEA溶液を10質量部、
ラジカル重合性多官能モノマーとして、M520およびM305を各6質量部、
光重合開始剤としてIC907を6質量部、カヤキュア”DETX−S、を2質量部、
多官能チオールとして、MT−PE−01を0.13質量部、ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、 “IRGANOX”1010を0.27質量部、
密着改良剤としてKBM503を1.7質量部、界面活性剤としてR−08を0.1質量部、
重合禁止剤としてTBC0.1質量部(色材を除く固形分に対して0.25質量%)、ならびに有機溶剤としてPGMEA100質量部を混合して、感光性着色組成物を調製した。評価結果を表1に示す。全ての評価項目において良好な結果であり、感度と耐光性を両立する緑色感光性着色樹脂組成物が得られた。
(実施例5)
顔料としてピグメントブルー15:6とAcidRED289の80/20(質量比)混合物を14質量部、高分子分散剤として“Disperbyk”6919を9質量部、ポリマー(A)のPGMEA溶液を4質量部、有機溶剤として、PGMEA73質量部を混合した後、ジルコニアビーズが充填されたミル型分散機を用いて分散し、顔料分散液を得た。次に、この顔料分散液100質量部に対し、ポリマー(A)のPGMEA溶液を10質量部、ラジカル重合性多官能モノマーとして、M520およびM305を各6質量部、
光重合開始剤としてIC907をを6質量部、DETX−Sを2質量部、
多官能チオールとして、MT−PE−01を0.27質量部、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤として、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)(BASF社製IRGANOX1098)を0.27質量部、
密着改良剤としてKBM503を1.7質量部、
界面活性剤としてR−08を0.1質量部、重合禁止剤としてTBC0.1質量部(色材を除く固形分に対して0.25質量%)、ならびに有機溶剤としてPGMEA100質量部を混合して、感光性着色組成物を調製した。評価結果を表1に示す。全ての評価項目において良好な結果であり、感度と耐光性を両立する緑色感光性着色樹脂組成物が得られた。
(実施例6)
実施例1の多官能チオールの添加量を0.54質量部に変更した以外は実施例3と同様の手順で実施した。多官能チオールが必要以上に入ると、加工性が悪化した。ただし本評価では高精細品のカラーフィルター基板に適用ができる。
(実施例7)
実施例1のヒンダードフェノール系酸化防止剤の添加量を0.54質量部に変更した以外は実施例3と同様の手順で実施した。ヒンダードフェノール系酸化防止剤が必要以上に入ると、加工性が悪化した。ただし本評価では高精細品のカラーフィルター基板に適用ができる。
(実施例8)
実施例1のM305を添加しなかった以外は実施例1と同様の手順で実施した。3官能基のラジカル重合性モノマーが含まれないことで溶解性が遅くなり加工性が悪化した。ただし本評価では高精細品のカラーフィルター基板に適用ができる。
(比較例1)
実施例1の多官能チオールとヒンダードフェノール酸化防止剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の手順で実施した。ヒンダードフェノール酸化防止剤が含まれないことで耐光性が悪く、多官能チオールが含まれないことで現像膜ベリが悪化した。また感度が低下し、加工性が悪化した。
(比較例2)
実施例1の多官能チオールを添加しなかった以外は実施例1と同様の手順で実施した。多官能チオールが含まれないことで現像膜ベリが悪化した。また感度が低下し、加工性が悪化した。
(比較例3)
実施例1のヒンダードフェノール酸化防止剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の手順で実施した。ヒンダードフェノール酸化防止剤が含まれないことで耐光性が悪化した。
(比較例4)
実施例1の多官能チオールをシルセスキオキサンであるSQ109(荒川工業株式会社製)0.27質量部に変更した以外は実施例3と同様の手順で実施した。該多官能チオールでは加工性が悪化、また膜べり量が大きくなることを確認した。
(比較例5)
実施例1の多官能チオールをペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP;堺化学工業社製)0.27質量部に変更した以外は実施例3と同様の手順で実施した。該多官能チオールでは感度が不足し、加工性が悪化した。
(比較例6)
実施例1のヒンダードフェノール酸化防止剤をカテコール系酸化防止剤であるTBC0.27質量部に変更した以外は実施例3と同様の手順で実施した。該酸化防止剤では感度不足し、十分な耐光性がえられなかった。
Figure 2018173470

Claims (6)

  1. 少なくとも1)着色剤、2)光重合開始剤、3)ラジカル重合性多官能モノマー、4)アルカリ可溶性樹脂、5)多官能チオール化合物および6)酸化防止剤を含み、
    前記酸化防止剤がヒンダードフェノール系酸化防止剤を含み、前記多官能チオール化合物が、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)を含む感光性着色樹脂組成物。
  2. 前記ヒンダードフェノール系酸化防止剤が感光性着色樹脂組成物の固形分に対して0.5〜3質量%である請求項1に記載の感光性着色樹脂組成物。
  3. 多官能チオール化合物がアルカリ可溶性樹脂およびラジカル重合性多官能モノマーの合計に対し0.5〜3質量%以下である請求項1または2に記載の感光性着色樹脂組成物。
  4. ラジカル重合性多官能モノマーが3官能モノマーを含む請求項1〜3いずれかに記載の感光性着色樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の感光性着色樹脂組成物の硬化物の画素を有するカラーフィルター基板。
  6. 請求項5に記載のカラーフィルター基板を有する表示装置。
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