JP2018171714A - 車両用内装材の製造方法、及び、車両用内装材 - Google Patents

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Toru Sekiguchi
徹 関口
寛男 松原
Hiroo Matsubara
寛男 松原
貴彦 谷口
Takahiko Taniguchi
貴彦 谷口
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Abstract

【課題】射出成形による樹脂の成形部が基材の少なくとも裏面に接合された車両用内装材の裏面形状の設計自由度を向上させることが可能な新規の製造方法、及び、裏面に形状の自由度が高い樹脂射出成形部が接合された新規の車両用内装材を提供する。
【解決手段】意匠面15から裏面10bに繋がる貫通孔14を有し空気Arを含む所要形状の基材5を形成し、基材5の形状に合わせられた一般面340を含む型面330を有しゲート316が基材5の意匠面15側となりキャビティCA1が基材5の裏面10b側となる射出成形型310の外から該射出成形型310に基材5を移し、基材5が配置された射出成形型310のキャビティCA1にゲート316から貫通孔14を介して樹脂R1を射出し、樹脂R1による成形部50が基材5に接合された車両用内装材1を得る。
【選択図】図5

Description

本発明は、成形された基材に射出成形による樹脂の成形部を接合した車両用内装材、及び、その製造方法に関する。
特許文献1には、繊維及び熱可塑性樹脂を含むトリムボードと、トリムボード上に射出成形されたリブ付き取付ボスと、を備えたドアトリムの製造方法が開示されている。成形前のプレボードを加熱された状態で金型によってプレス成形し、その状態、すなわち、プレボードに含まれる熱可塑性樹脂が溶融している高温状態で金型に形成されたリブ付き取付ボス用キャビティに溶融樹脂を射出すると、トリムボード上にリブ付き取付ボスが形成される。すなわち、プレボードのプレス成形とリブ付き取付ボス用の射出成形とで同じ金型が用いられ、該金型には基材形成用のキャビティとリブ付き取付ボス形成用のキャビティとが存在する。取付ボス形成用のキャビティには、樹脂射出口であるゲートから取付ボス成形空間に繋がるリブ用ランナーが含まれる。プレボードをプレス成形する成形装置の下型には、ランナーに沿って上型に向かって突出した突出部が形成されている。この突出部によりトリムボードの裏面が強く押圧されるため、突出部とトリムボード裏面との間に溶融樹脂が入り込む事態、すなわち、溶融樹脂がトリムボード裏面上に浸み出す事態が抑制される。
特許文献1に示される製造方法では、プレボードをプレス成形する際にプレボードの一部がリブ付き取付ボス用キャビティ内部に入り込む事態を抑制するため、まず、プレボードにおけるリブ付き取付ボスの成形箇所が、その周囲よりも薄肉状の凹部となるように加熱プレスをする加熱プレス工程を行っている。そのうえで、前記凹部を有するプレボードを金型によって所要形状にプレス成形し、この状態で溶融樹脂を射出してリブ付き取付ボスを形成している。前記凹部を有するプレボードは、略平板形状であり、ドアトリムとしての所要形状を有していない。
特開2014−188688号公報
上述した金型には、リブ付き取付ボス形成用のキャビティ、及び、ゲートに繋がる射出装置がトリムボードの裏面側に配置されている。従って、トリムボードの裏面にリブ付き取付ボス等の構造物を射出成形するためには、ゲート及び射出装置の配置も考慮する必要があり、その分、設計の自由度が低くなる。
尚、上述のような問題は、ドアトリム以外にも、デッキサイドトリムやルーフトリム等、種々の車両用内装材について同様に存在する。
本発明は、車両用内装材の新規の製造方法、及び、新規の車両用内装材を開示するものである。
本発明は、空気を含む基材に樹脂による成形部が接合された車両用内装材の製造方法であって、
意匠面から裏面に繋がる貫通孔を有し所要形状の前記基材を形成する基材形成工程と、
前記基材の形状に合わせられた一般面を含む型面を有しゲートが前記基材の意匠面側となりキャビティが前記基材の裏面側となる射出成形型の外から該射出成形型に前記基材を移す移送工程と、
前記基材が配置された前記射出成形型の前記キャビティに前記ゲートから前記貫通孔を介して前記樹脂を射出する射出工程と、を含む、態様を有する。
また、本発明の車両用内装材は、意匠面から裏面に繋がる貫通孔を有する成形された基材と、
該基材の少なくとも裏面に接合された樹脂の成形部であって前記貫通孔を通って前記基材の意匠面側にある樹脂射出用のゲートの跡に繋がった成形部と、を備える、態様を有する。
請求項1〜請求項5に係る発明によれば、射出成形による樹脂の成形部が基材の少なくとも裏面に接合された車両用内装材の裏面形状の設計自由度を向上させることが可能な新規の製造方法を提供することができる。
請求項6〜請求項8に係る発明によれば、裏面に形状の自由度が高い樹脂射出成形部が接合された新規の車両用内装材を提供することができる。
自動車の内装の例を側面部の図示が省略された状態で示す垂直断面図。 成形部を有する内装材の例を車室側から見て示す側面図。 補強リブ及びゲート跡を通る位置における内装材の断面の例を模式的に示す断面図。 加飾部及びゲート跡を通る位置における内装材の断面の例を模式的に示す断面図。 内装材の製造方法の例を模式的に示す図。 基材の意匠面側に押圧部を有する射出成形型の型面の要部を模式的に例示する図。 射出成形型から取り出される内装材の基材において意匠面側の押圧部により圧縮された第一周囲部の厚みの少なくとも一部が復元する例を模式的に示す断面図。 基材の裏面側に押圧部を有する射出成形型の型面の要部を模式的に例示する図。 射出成形型から取り出される内装材の基材において裏面側の押圧部により圧縮された第一周囲部の厚みの少なくとも一部が復元する例を模式的に示す断面図。 入子型を有する射出成形型から取り出される内装材の基材において押圧部により圧縮された第一周囲部の厚みが復元する例を模式的に示す断面図。 裁断前の内装材の例を車室側から見て示す側面図。 比較例において基材の貫通孔を通る位置における内装材の断面を模式的に示す断面図。
以下、本発明の実施形態を説明する。むろん、以下の実施形態は本発明を例示するものに過ぎず、実施形態に示す特徴の全てが発明の解決手段に必須になるとは限らない。
(1)本発明に含まれる技術の概要:
まず、図1〜12に示される例を参照して本発明に含まれる技術の概要を説明する。尚、本願の図は模式的に例を示す図であり、これらの図に示される各方向の拡大率は異なることがあり、各図は整合していないことがある。むろん、本技術の各要素は、符号で示される具体例に限定されない。
[態様1]
図3,5等に例示するように、本技術の車両用内装材1の製造方法は、空気Arを含む基材5に樹脂R1による成形部50が接合された車両用内装材1の製造方法であって、基材形成工程ST1、移送工程ST2、及び、射出工程ST3を含む。前記基材形成工程ST1では、意匠面15から裏面10bに繋がる貫通孔14を有し所要形状の前記基材5を形成する。前記移送工程ST2では、前記基材5の形状に合わせられた一般面340を含む型面330を有しゲート316が前記基材5の意匠面15側となりキャビティCA1が前記基材5の裏面10b側となる射出成形型310の外(例えばプレス成形型210)から該射出成形型310に前記基材5を移す。前記射出工程ST3では、前記基材5が配置された前記射出成形型310の前記キャビティCA1に前記ゲート316から前記貫通孔14を介して前記樹脂R1を射出する
上記態様1では、基材5が配置された射出成形型310において基材5の意匠面15側にあるゲート316から基材5の貫通孔14を介して基材5の裏面10b側にあるキャビティCA1に樹脂が射出される。本態様は、射出成形型310に対して樹脂の射出装置320を基材5の裏面10b側に配置する必要が無いので、射出成形型310において基材5の裏面10bに接合される樹脂R1の成形部50を形成する構造の設計自由度が向上する。従って、本態様は、射出成形による樹脂の成形部が基材の少なくとも裏面に接合された車両用内装材の裏面形状の設計自由度を向上させることが可能な新規の製造方法を提供することができる。
ここで、空気を含む基材は、繊維が集合した基材、発泡樹脂製の基材、繊維と発泡樹脂を組み合わせた基材、等を含む。これらの材料に表皮材等が接着した基材も、空気を含む基材に含まれる。尚、繊維が集合した基材に成形するための素材は、繊維が集合した素材シート等を含む。
射出される樹脂は、溶融樹脂、硬化性の液状樹脂、等を含む。
尚、上記態様1の付言は、以下の態様も同様である。
[態様2]
図10に例示するように、前記射出成形型310は、型締め時に前記基材5の貫通孔14を介して前記キャビティCA1と繋がる意匠面側キャビティCA2を有してもよい。前記射出工程ST3では、前記基材5が配置された前記射出成形型310の前記意匠面側キャビティCA2及び前記キャビティCA1に前記ゲート316から前記樹脂R1を射出してもよい。本製造方法では、前記基材5の貫通孔14を介して前記基材5の意匠面15側と前記基材5の裏面10b側とに繋がった前記成形部50が前記基材5に接合された前記車両用内装材1を得てもよい。本態様は、射出成形による樹脂R1の成形部50が意匠面15側と裏面10b側とに同時に形成されるので、接着や溶着等の後加工を不要にすることが可能な新規の製造方法を提供することができる。
尚、上記態様2には含まれないが、射出成形型に意匠面側キャビティが無い場合も、本技術に含まれる。
[態様3]
図5に例示するように、前記基材形成工程ST1では、前記基材5に前記貫通孔14を形成するための構造(例えば穿孔構造220)を有する素材成形型(例えばプレス成形型210)で素材(例えば素材シート20)を前記所要形状の基材5に成形するとともに前記基材5に前記貫通孔14を形成してもよい。この態様は、基材に成形部が接合された内装材の製造効率を向上させることが可能な製造方法を提供することができる。
ここで、素材の成形は、プレス成形、射出成形、等を含む。すなわち、素材成形型は、プレス成形型、射出成形型、等を含む。素材を成形することには、空気を含む素材シートをプレス成形型で空気を含む所要形状の基材にプレス成形すること、素材を射出成形型に射出して発泡させながら所要形状の基材に射出成形すること、等が含まれる。
尚、上記態様3の付言は、以下の態様も同様である。
また、上記態様3には含まれないが、基材に貫通孔を形成するための構造が素材成形型に無く別工程で貫通孔を形成する場合も、本技術に含まれる。
[態様4]
図6〜10に例示するように、前記型面330は、前記一般面340、及び、前記基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11を該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも圧縮させる押圧部350を含んでもよい。前記基材形成工程ST1では、熱可塑性の材料を含む素材(20)を前記基材5に成形してもよい。前記射出工程ST3では、型締め前に前記熱可塑性の材料の融点未満とされた前記基材5が配置された前記射出成形型310の前記キャビティCA1に前記ゲート316から前記貫通孔14を介して前記樹脂R1を射出してもよい。本製造方法は、前記樹脂による成形部50とともに前記基材5を前記射出成形型310から取り出し、前記押圧部350により圧縮された前記第一周囲部11の厚みの少なくとも一部が復元した前記基材5の少なくとも裏面10bに前記成形部50が接合された前記車両用内装材1を得る取出工程ST4をさらに含んでもよい。
上記態様4では、射出成形型310に配置された基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11が該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも圧縮される。従って、ゲート316から型面330の一般面340と基材5の表面(15,10b)との間に樹脂R1が入り込むという樹脂漏れ、すなわち、樹脂R1が基材5の表面に浸み出すという樹脂漏れが抑制される。その結果、射出圧力を高めることにより、ゲートから射出された樹脂が流れる最大の長さを意味する限界流動長を増やすことが可能となる。
また、射出成形型310に配置された基材5が熱可塑性の材料の融点以上あると変形してキャビティCA1に入り込み、成形部50が形成されるべきキャビティCA1における樹脂R1の流れが妨げられる懸念がある。キャビティCA1内の樹脂R1の流れが妨げられると、成形部50の一部が形成されない可能性が考えられる。本技術の態様4では、射出成形型310に配置される基材5が型締め前に熱可塑性の材料の融点未満とされているので、基材5の変形が抑制されて基材5がキャビティCA1に入り込み難くなり、樹脂R1の流動性が向上する。これにより、良好な成形部50が形成される。従って、本態様は、ゲート周りからの樹脂漏れを抑制しながら良好な成形部を形成することが可能な新規の製造方法を提供することができる。
さらに、成形部50とともに基材5を射出成形型310から取り出すと、基材5において押圧部350により圧縮された第一周囲部11の厚みの少なくとも一部が復元する。これにより、局所的に強い押圧による内装材の劣化が抑制される。
ここで、基材の第一周囲部は、ゲートの周囲に限定された部位でもよいし、成形部に沿った部位等を含んでもよい。ゲートの周囲は、ゲートから離れた部位でもよく、ゲート周りの成形部の周囲が含まれる。型面の押圧部は、ゲートの周囲のうちキャビティを除く部位でもよい。従って、基材の第一周囲部は、ゲートの周囲のうち成形部を除く部位でもよい。
取出工程で得られる内装材は、不要部分を切除する前の内装材でもよい。
尚、上記態様4の付言は、以下の態様も同様である。
[態様5]
図6,7,10に例示するように、前記型面330は、前記基材5の意匠面15側に前記押圧部350を含んでもよい。ゲート周りの樹脂漏れは、型面330において押圧部350が基材5の裏面10b側にある場合よりも基材5の意匠面15側にある方が起き難い。本態様では、型面330において押圧部350が基材5の意匠面15側にあるので、ゲート周りからの樹脂漏れをさらに抑制しながら良好な成形部を形成することが可能な製造方法を提供することができる。
[態様6]
さらに、図3,4等に例示するように、本技術の車両用内装材1は、意匠面15から裏面10bに繋がる貫通孔14を有する成形された基材5と、該基材5の少なくとも裏面10bに接合された樹脂R1の成形部50であって前記貫通孔14を通って前記基材5の意匠面15側にある樹脂射出用のゲート316の跡60に繋がった成形部50と、を備える、態様を有する。
上述したように、射出成形型310に対して樹脂R1の射出装置320を基材5の意匠面15側に配置すると、射出成形型310において基材5の裏面10bに接合される樹脂R1の成形部50を形成する構造の設計自由度が向上する。従って、本態様は、裏面に形状の自由度が高い樹脂射出成形部が接合された新規の車両用内装材を提供することができる。
[態様7]
図7,9等に例示するように、前記基材5は、前記ゲート316の跡60の周囲にある第一周囲部11、及び、該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12を有してもよい。前記第一周囲部11は、前記第二周囲部12よりも薄くてもよい。上述したように、射出成形型310に配置された基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11が該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも圧縮されると、樹脂が基材5の表面に浸み出すという樹脂漏れが抑制される。従って、本態様は、成形部が接合された面に樹脂漏れが発生することが抑制された新規の車両用内装材を提供することができる。
[態様8]
また、図7に例示するように、前記基材5の意匠面15は、前記第二周囲部12よりも前記第一周囲部11の方が凹んでいてもよい。上述したように、ゲート周りの樹脂漏れは、基材5においてゲート316の無い裏面10b側よりもゲート316のある意匠面15側の方が起き易く、基材5の意匠面15において第一周囲部11が第二周囲部12よりも圧縮されると樹脂R1が基材5の意匠面15に浸み出すという樹脂漏れが抑制される。従って、本態様は、成形部近傍の意匠面に樹脂漏れが発生することが抑制された新規の車両用内装材を提供することができる。
(2)本技術の製造方法により製造される車両用内装材の具体例:
図1は、自動車の内装の例を側面部の図示が省略された状態で示している。図2は、車両用内装材の例を車室側から見て示している。図3は、補強リブ及びゲート跡を通る位置における車両用内装材の断面の例を模式的に示している。図4は、加飾部及びゲート跡を通る位置における車両用内装材の断面の例を模式的に示している。これらの図中、FRONT、REAR、UP、DOWNは、それぞれ、前、後、上、下を示す。左右の位置関係は、自動車100から前を見る方向を基準とする。また、符号D1は自動車100の前後方向を示し、符号D2は自動車100の上下方向を示し、符号D3は車両用内装材1の厚み方向を示し、符号D4は補強リブ51の延びた方向を示し、符号D5は基材5に沿った方向を示す。図2に示す補強リブ51の延びた方向D4は、基材5に沿った方向D5に含まれる。図4では、一つの加飾部52、及び、その周辺を示している。
図1に示す自動車100は、道路上で使用されるように設計及び装備された路上走行自動車とされ、例えば、鋼板製といった金属製の車体パネル105(図4参照)が車室SP1及び荷室SP2を囲んで車体を形成している。また、図1に示す自動車100は、後部の荷室SP2が車室SP1と繋がり、2列のシート101(前席と後席)を備えるワゴンタイプの乗用自動車とされている。むろん、本技術を適用可能な自動車には、3列シートタイプといった2列シートタイプ以外の自動車も含まれ、いわゆるステーションワゴンやワンボックスカー等の他、セダンタイプ等の自動車も含まれる。
自動車100の車体パネルには、室内(SP1,SP2)側において種々の内装材1が配置されている。荷室SP2から側方にあるデッキサイドパネル(車体パネルの例)には、荷室SP2側においてデッキサイドトリム111(内装材1の例)が設置されている。車室SP1から側方にあるドアパネル(車体パネルの例)には、車室SP1側においてドアトリム112(内装材1の例)が設置されている。同じく車室SP1から側方にあるピラー(車体パネルの例)には、車室SP1側においてピラートリム113(内装材1の例)が設置されている。車室SP1及び荷室SP2から上方にあるルーフパネル(車体パネルの例)には、室内(SP1,SP2)側においてルーフトリム114(内装材1の例)が設置されている。
図2〜4は、内装材1の例としてデッキサイドトリムの例を示している。図3に示すデッキサイドトリム111では、凹凸を有する所要形状に成形された基材本体10の表面10aと表皮材30のバッキング40とが接着し、基材5の意匠面15及び裏面10bの一部に樹脂製の成形部50が一体的に射出成形されている。図2〜4に示す成形部50には、基材5の裏面10b側にある補強リブ51、及び、基材5の貫通孔14を通っている加飾部52が含まれる。基材5が表皮材30を有している場合、表皮材30は基材5の意匠面15となる。図3,4に示す基材本体10の裏面10bは、基材5全体の裏面である。
デッキサイドトリム111は、荷室SP2の左右の側面部に配置され、車室SP1に繋がった荷室SP2に良好な意匠を付与する。補強リブ51は、三次元形状に成形された基材5に対して、内装材としての剛性が不足しやすい外周付近や大きな平面上などに配置される。図2,4に示す加飾部52は、自動車100のドアの開閉を円滑にするための空気取り入れ口である貫通孔52eを有し、デッキサイドトリム111のルーバー部を構成する。
尚、本技術の車両用内装材は、表皮材30とバッキング40が無くてもよい。この場合、表皮材30の代わりに表面10aが車両用内装材の意匠面15となる。
基材本体10には、繊維F1が集合した基材10A、発泡樹脂製の基材10B、繊維と発泡樹脂を組み合わせた基材、等の空気Arを含む基材であって、熱可塑性樹脂といった熱可塑性の材料を含む基材を用いることができる。
繊維質の基材10Aには、通気性のあるプレス成形された繊維マット等、繊維F1を集合させて空気Arを含むように成形された繊維集合体を用いることができる。基材10Aは、意匠層と保形層と吸音層を積層した繊維マット等、多層構造の繊維集合体でもよい。
基材10Aを形成するための繊維F1には、熱可塑性樹脂といった合成樹脂(エラストマーを含む)の繊維、合成樹脂に添加剤を添加した繊維、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、ケナフといった植物繊維、反毛繊維、これらの少なくとも一部の組合せ、等を用いることができ、熱可塑性樹脂繊維といった熱可塑性の繊維を含む繊維が好ましい。前記熱可塑性樹脂には、ポリプロピレン(PP)樹脂やポリエチレン樹脂(PE)といったポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂といったポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、アクリル(PMMA)樹脂、等を用いることができる。繊維F1には、主繊維と接着性繊維(バインダー)が含まれてもよく、芯鞘構造やサイドバイサイド構造といったコンジュゲート構造の繊維が含まれてもよい。また、熱可塑性の繊維にガラス繊維といった無機繊維を混ぜると、基材の剛性を高めることができる。基材10Aに含まれる熱可塑性の材料は、繊維F1に含まれてもよいし、繊維F1以外の材料に含まれてもよい。
繊維質の基材10Aの厚みTbは、軽量で所要の剛性を得る点から、1mm以上、且つ、8mm以下が好ましく、2mm以上、且つ、7mm以下がより好ましい。基材10Aの目付は、軽量で所要の剛性を得る点から、450g/m2以上、且つ、1200g/m2以下が好ましい。
発泡樹脂製の基材10Bには、樹脂材料を発泡させて気泡(空気Ar)を含むように成形された発泡成形体を用いることができる。樹脂材料の発泡成形には、例えば、射出成形を用いることができる。また、基材10Bは、表面にスキン層を残した発泡樹脂成形品、発泡樹脂層の少なくとも一面に対して実質的に非発泡の層を積層した成形品、等、多層構造でもよい。
基材10Bを形成するための樹脂材料は、熱可塑性樹脂といった熱可塑性の材料が含まれていれば、種々の合成樹脂(エラストマーを含む)を用いることができ、添加剤が添加されてもよい。基材10Bを形成するための熱可塑性樹脂には、PP樹脂やPE樹脂といったポリオレフィン樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、これらの組合せ、等を用いることができ、充てん材等の添加剤が含まれてもよい。樹脂の発泡には、シリンダー内で加圧された気体を溶融樹脂に溶解させる物理発泡、化学発泡剤を添加して熱分解や化学反応により気体を溶融樹脂に混入させる化学発泡、等を採用することができる。発泡剤には、ブタンやペンタンといった炭化水素を発生させる揮発性発泡剤、アゾジカルボンアミド(ADCA)やヒドラゾジカルボンアミド等といった有機系発泡剤、炭酸アンモニウムといった炭酸ガス等を発生させる無機系発泡剤、等を用いることができる。
発泡樹脂製の基材10Bの厚みTbは、軽量で所要の剛性を得る点から、1mm以上、且つ、8mm以下が好ましく、2mm以上、且つ、7mm以下がより好ましい。基材10Bの目付は、軽量で所要の剛性を得る点から、450g/m2以上、且つ、1200g/m2以下が好ましい。
表皮材30には、不織布、織物、編物、カーペット、合成樹脂(エラストマーを含む)、ゴム、等を用いることができる。表皮材30の裏面には、バッキング(裏打ち層)40が形成されてもよい。バッキング40には、熱可塑性樹脂といった合成樹脂(エラストマーを含む)等を用いることができる。前記熱可塑性樹脂には、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、といった低融点の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
図2,3に示す樹脂製の補強リブ51は、基材裏面10bに略直交するように延出した薄板状に形成されている。補強リブの高さHrは、特に限定されないが、例えば、2〜10mm程度とすることができる。補強リブの厚みTrは、特に限定されないが、例えば、1〜5mm程度とすることができる。補強リブ51は、図5〜9に例示するように溶融樹脂R1を射出成形することにより形成することができ、意匠面15側にゲート316の跡60が形成されることがある。
図2,4に示す樹脂製の加飾部52は、意匠面15側の加飾部52a、裏面10b側の加飾部52b、及び、両加飾部52a,52bに繋がる貫通部52dを有している。この貫通部52dは、厚み方向D3へ貫通した貫通孔52eを有し、基材5の貫通孔14を通っている。意匠面側の加飾部52aは、基材5の貫通孔14の縁部を隠している。裏面側の加飾部52bは、貫通部52dとデッキサイドパネル(車体パネル105)との間に配置された目隠し部52cを有している。
図12は、上記加飾部52が無い比較例のデッキサイドトリム900におけるルーバー部の断面を模式的に示している。デッキサイドトリム900のルーバー部には、自動車100のドアの開閉を円滑にするための貫通孔910が複数形成されている。これらの貫通孔910は、基材5に対して厚み方向D3へ貫通している。このため、室内(SP2)から貫通孔910を通して車体パネル105が見える可能性がある。車体パネル105が見えると見栄えが低下するので、基材5の裏面10b側において複数の貫通孔910をまとめて覆う目隠し部材920が基材5の裏面10bに貼り付けられている。目隠し部材920の貼り付けには、接着や溶着等といった後工程が必要である。
一方、図2,4に示すデッキサイドトリム111では、射出成形された加飾部52の目隠し部52cが貫通孔52eから車体パネル105が見えないようにしているので、室内(SP2)の意匠が向上している。むろん、目隠し部52cを配置するために接着や溶着等といった後工程は不要である。また、意匠面側の加飾部52aが基材5の貫通孔14の縁部を隠している点でも、室内(SP2)の意匠が向上している。
加飾部52に目隠し部52cを形成するためには、図10に示すような入子型(insert die)315を有する射出成形型310を用いて樹脂R1を射出成形する必要がある。尚、入子型は、母型(master block)の中にはめ込んで使用する部分的金型であり、スライド型とも呼ばれる可動式でもよいし、固定式でもよい。基材5の裏面10b側に射出装置を配置する場合、射出装置からキャビティCA1までの溶融樹脂R1の経路が入子型315により大きく制約され、内装材の裏面形状の設計自由度が小さい。そこで、本具体例では、基材5の意匠面15側に射出装置320を配置し、内装材の裏面形状の設計自由度を向上させている。このため、意匠面側の加飾部52aにゲート316の跡60が形成されている。
尚、跡60が形成されるゲート316の位置は、影となる位置のように目立たない位置が好ましい。また、跡60を成形部50の意匠の一部にすることも、好ましい。むろん、跡60を隠す別体の部品を基材5の意匠面15(例えば成形部50)に取り付けてもよい。
成形部50を形成するための樹脂材料は、種々の合成樹脂(エラストマーを含む)を用いることができ、添加剤が添加されてもよく、成形の容易性の点から熱可塑性樹脂といった熱可塑性の樹脂材料が好ましい。前記熱可塑性樹脂には、PP樹脂やPE樹脂といったポリオレフィン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、これらの組合せ、等を用いることができ、繊維等の添加剤が含まれてもよい。樹脂材料に線膨張率が低いABS樹脂等を用いると、冷却による補強リブの収縮が抑制されて基材の反りが少ない良好な補強リブを有する内装材を得ることができる。前記繊維には、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、ケナフといった植物繊維、これらの組合せ、等を用いることができる。
また、図7,9,10に示す溶融樹脂R1に発泡性の樹脂を用い、気泡を含むように射出成形された発泡樹脂で成形部50を形成してもよい。すると、溶融樹脂R1の発泡力により溶融樹脂の限界流動長を増やすことができるので、ゲートの数を減らしたり、面形状といった成形部50の形状(設計)の自由度を向上させたりすることができる。また、射出圧力を低くすることができるので、ゲート周りの樹脂漏れをさらに効果的に抑制することができ、表皮材といった内装材の劣化をさらに効果的に抑制することができる。さらに、射出樹脂の冷却による収縮がさらに抑制されるので、基材の反りもさらに効果的に抑制される。
発泡樹脂で成形部50を形成するための樹脂材料も、上述した種々の合成樹脂を用いることができ、添加剤が添加されてもよく、成形の容易性の点から熱可塑性樹脂といった熱可塑性の樹脂材料が好ましい。発泡樹脂製の基材10Bの場合と同様、樹脂の発泡には、シリンダー内で加圧された気体を溶融樹脂に溶解させる物理発泡、化学発泡剤を添加して熱分解や化学反応により気体を溶融樹脂に混入させる化学発泡、等を採用することができる。発泡剤には、揮発性発泡剤、有機系発泡剤、無機系発泡剤、等を用いることができる。樹脂材料には、特にPP樹脂といった熱可塑性樹脂が好適に用いられ、タルクといった充填材を例えば15〜25重量%添加したものを用いることが好ましい。タルクといった充填材を樹脂材料に添加すると、充填材が発泡の核となって発泡状態が良好になるため、基材の反りがさらに効果的に抑制される。
尚、基材5に接合される成形部50は、補強リブや加飾部以外にも、クリップ取付座、内装材の開口に取り付けられる樹脂枠、等でもよい。ここで、前記クリップ取付座は、内装材を車体パネルといった相手部材に固定するためのクリップを取り付けるための部位である。前記樹脂枠には、例えば、デッキサイドトリム(内装材の例)に設けられたメンテナンスホール(開口の例)を開閉可能に覆う別体のメンテナンスカバー(サービスカバー)のツメを嵌合させることが可能な樹脂枠等がある。
(3)車両用内装材の製造方法の具体例:
図5は、車両用内装材の製造方法の例を模式的に示している。図6は、基材の意匠面側に押圧部を有する射出成形型の型面の例として固定型312における型面330の要部を模式的に示している。尚、キャビティCA1はゲート316の無い可動型314における型面330にあるため、固定型312における型面330に対応するキャビティCA1の位置を二点鎖線で示している。図7は、図6のA1−A1の位置における射出成形機300の断面の例を模式的に示している。また、図7は、図6に示す射出成形型310から取り出される内装材1の基材5において意匠面15側の押圧部350により圧縮された第一周囲部11の厚みの少なくとも一部が復元する例を模式的に示している。図8は、基材の裏面側に押圧部を有する射出成形型の型面の例として可動型314における型面330の要部を模式的に示している。図9は、図8のA2−A2の位置における射出成形機300の断面の例を模式的に示している。また、図9は、図8に示す射出成形型310から取り出される内装材1の基材5において裏面10b側の押圧部350により圧縮された第一周囲部11の厚みの少なくとも一部が復元する例を模式的に示している。図10は、意匠面側キャビティを有する射出成形機300の断面の例を模式的に示している。また、図10は、意匠面側キャビティCA2を有する射出成形機300から取り出される内装材1の基材5において押圧部350により圧縮された第一周囲部11の厚みが復元する例を模式的に示している。
図5〜10に示す製造方法では、所要形状の基材本体10を形成するための素材シート20(素材の例)に熱可塑性の繊維が集合した繊維集合体(すなわち、空気Arを含む繊維集合体)を用い、成形部50を射出成形するための樹脂材料に熱可塑性樹脂を用いている。本製造方法は、基材形成工程ST1、移送工程ST2、射出工程ST3、及び、取出工程ST4を含む。前記基材形成工程ST1には、プレス成形前の素材シート20をプレス成形型210(素材成形型の例)にセットする素材セット工程ST1a、及び、成形前の素材シート20をプレス成形機200でプレス成形するプレス工程ST1bが含まれる。また、基材形成工程ST1には、基材5に対して厚み方向D3へ貫通した貫通孔14を形成する孔形成工程ST5も含まれる。
図5に示すプレス成形機200は、プレス成形型210を構成する上型212及び下型214が近接及び離隔可能に設けられている。上型212は、内装材1の荷室SP2側の凹凸形状(所要形状の例)に合わせた型面を有する金型とされている。下型214は、基材5の裏面10bの凹凸形状(所要形状の例)に合わせた型面を有する金型とされている。図5では上型212が可動型で下型214が固定型とされているが、上型212が固定型で下型214が可動型でもよいし、両型212,214が可動型でもよい。図5に示すプレス成形型210は、基材5に貫通孔14を形成するための穿孔構造220を有している。この穿孔構造220は、上型212の型面から下型214の方へ出た穿孔用の凸部222、及び、該凸部222に対応する位置において上型212から離れるように下型214の型面から凹んだ凹部224を有している。
図5に示す射出成形機300は、射出成形型310を構成する固定型312及び可動型314が近接及び離隔可能に設けられている。尚、型312を可動型にして型314を固定型にしてもよいし、両型312,314を可動型にしてもよい。
まず、図6,7に示すように、押圧部350が基材5の意匠面15側にある場合に裏面10b側に成形部50を射出成形する例を説明する。図6,7に示す固定型312は、内装材1の荷室SP2側の凹凸形状に合わせられた一般面340、及び、基材5の特定部位(第一周囲部11)を周囲よりも押圧する押圧部350を含む型面330を有する金型とされている。図6,7に示す可動型314は、基材5の裏面10bの凹凸形状に合わせられた一般面340を含む型面330を有する金型とされている。可動型314における型面330には、補強リブ51、図10に示す裏面側の加飾部52b、必要に応じてクリップ取付座、等を形成するためのキャビティCA1が形成されている。各キャビティCA1には、溶融した熱可塑性樹脂R1が射出装置320からゲート316及び貫通孔14を介して射出される。図6,7に示す押圧部350は、樹脂射出用のゲート316の周囲に形成され、基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11を該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも厚み方向D3へ圧縮させる。
図6,7に示すように、基材5に沿った方向D5において第一周囲部11のゲート316の外周316oから第二周囲部12までの長さW1は、押圧部350の幅W2にほぼ合わせられる。押圧部350の幅W2は、一般面340に沿った方向D6において押圧部350の内周(ゲート316の外周316o)から外周350oまでの長さである。第一周囲部11の長さW1、及び、押圧部350の幅W2は、1.5mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましい。これらの長さW1,W2を前記下限以上にすると、ゲート316から所要の領域以外への樹脂漏れを効果的に抑制することができ、射出した溶融樹脂R1の限界流動長が増えるためゲートの数を効果的に減らすことができる。また、これらの長さW1,W2は、4.0mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましい。これらの長さW1,W2を前記上限以下にすると、基材5において局所的に強い押圧が加わる第一周囲部11がゲート周りの狭い範囲となるので、内装材(例えば表皮材)に局所的な押圧による跡が残っても目立たず、内装材の美観の低下を抑制することができる。
尚、意匠面15に加飾部を成形する場合、上記長さW1を意匠面側キャビティの外周から第二周囲部までの長さに読み替えることができる。この場合の押圧部350は、意匠面側キャビティの外周から第二周囲部までに合わせられる。長さW1,W2の好ましい範囲は、上述の通りである。
本具体例では、押圧部350及び第一周囲部11をゲート316、又は、ゲート周りの意匠面側キャビティの外周から所定範囲(長さW1,W2)内に限定しており、この所定範囲以外においてキャビティCA1及び補強リブ51に沿った押圧部や第一周囲部は無い。押圧部が広い範囲にあると押圧部の跡が広い範囲に残って内装材の意匠性が低下する可能性があるが、押圧部350及び第一周囲部11が所定範囲に限定されていることにより、局所的な強い押圧による内装材の劣化を効果的に抑制することができ、溶融樹脂R1の限界流動長も増やすことができる。
押圧部350の高さH1は、射出成形型310に配置された基材5を厚み方向D3へ圧縮する量に対応する。押圧部350の高さH1は、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。また、基材5の厚みや材質によっては、押圧部350の高さH1は、基材5の厚みTcの15%(すなわち0.15Tc)以上が好ましく、基材5の厚みTcの20%(すなわち0.20Tc)以上がより好ましい。高さH1を前記下限以上にすると、ゲート316から所要の領域以外への樹脂漏れを効果的に抑制することができ、射出した溶融樹脂R1の限界流動長が増えるためゲートの数を効果的に減らすことができる。さらに、押圧部350の高さH1は、1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。また、基材5の厚みや材質によっては、押圧部350の高さH1は、基材5の厚みTcの35%(すなわち0.35Tc)以下が好ましく、基材5の厚みTcの30%(すなわち0.30Tc)以下がより好ましい。高さH1を前記上限以下にすると、押圧部350により押圧された跡が残り難いので、局所的な強い押圧による内装材の劣化を効果的に抑制することができる。
意匠面15に加飾部を成形する場合の高さH1の好ましい範囲も、上述の通りである。
押圧部350は、図8,9に示すように基材5の裏面10b側にあってもよい。図8,9に示す可動型314は、内装材1の荷室SP2側の凹凸形状に合わせられた一般面340、及び、基材5の特定部位(第一周囲部11)を周囲よりも押圧する押圧部350を含む型面330を有する金型とされている。図8,9に示す固定型312は、基材5の裏面10bの凹凸形状に合わせられた一般面340を含む型面330を有する金型とされている。可動型314における型面330に形成された各キャビティCA1には、溶融した熱可塑性樹脂R1が射出装置320からゲート316及び貫通孔14を介して射出される。図8,9に示す押圧部350は、樹脂射出用のゲート316の周囲に形成され、基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11を該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも厚み方向D3へ圧縮させる。
図8,9に示すように、基材5に沿った方向D5において第一周囲部11のゲート316の外周316oから第二周囲部12までの長さW3は、押圧部350の幅W4にほぼ合わせられる。第一周囲部11の長さW3、及び、押圧部350の幅W4は、1mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましい。これらの長さW3,W4を前記下限以上にすると、ゲート316から所要の領域以外への樹脂漏れを効果的に抑制することができ、射出した溶融樹脂R1の限界流動長が増えるためゲートの数を効果的に減らすことができる。また、これらの長さW3,W4は、10mm以下が好ましく、5mm以下がより好ましく、3mm以下がさらに好ましい。これらの長さW3,W4を前記上限以下にすると、基材5において局所的に強い押圧が加わる第一周囲部11がゲート周りの狭い範囲となるので、局所的に強い押圧による内装材(例えば表皮材)の劣化を効果的に抑制することができる。
尚、意匠面15に加飾部を成形する場合、上記長さW3を意匠面側キャビティの外周から第二周囲部までの長さに読み替えることができる。この場合の押圧部350は、意匠面側キャビティの外周から第二周囲部までに合わせられる。長さW3,W4の好ましい範囲は、上述の通りである。
押圧部350の高さH3は、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。高さH3を前記下限以上にすると、ゲート316から所要の領域以外への樹脂漏れを効果的に抑制することができ、射出した溶融樹脂R1の限界流動長が増えるためゲートの数を効果的に減らすことができる。また、押圧部350の高さH3は、1.0mm以下が好ましく、0.7mm以下がより好ましい。高さH3を前記上限以下にすると、基材5において局所的に強い押圧が加わる第一周囲部11がゲート周りの狭い範囲となるので、局所的に強い押圧による内装材の劣化を効果的に抑制することができる。
試験を行ったところ、基材5の裏面10b側に押圧部350があるよりも基材5の意匠面15側に押圧部350がある方が、ゲート316又は意匠面側キャビティから所要の領域以外への樹脂漏れが効果的に抑制されることが判った。従って、押圧部350は、基材5の裏面10b側にあるよりも、基材5の意匠面15側にある方が、好ましい。
射出成形型310は、図10に示すように型締め時に基材5の貫通孔14を介してキャビティCA1と繋がる意匠面側キャビティCA2を有していてもよい。図10に示す固定型312は、一般面340及び押圧部350を含む型面330を有し、意匠面15側の加飾部52aを形成するための意匠面側キャビティCA2が形成されている。基材5の裏面10b側には、母型である可動型314と入子型315が配置されている。裏面10b側の加飾部52bを形成するためのキャビティCA1は、可動型314と入子型315とで形成される。図10に示す可動型314及び入子型315は、基材5の裏面10bの凹凸形状に合わせられた一般面340を含む型面330を有する。基材5に沿った方向D5において第一周囲部11の意匠面側キャビティCA2の外周から第二周囲部12までの長さW1、及び、押圧部350の幅W2は、上述したように、1.5〜4.0mmが好ましく、2.0〜3.0mmがより好ましい。押圧部350の高さH1の好ましい範囲も、上述の通りである。
尚、図5に示すように、意匠面15側のゲート316から裏面10b側のホットランナー317を介してキャビティCA1に溶融樹脂R1を射出してもよい。この場合には、基材5の裏面10b側に連絡口318の跡が残ることになる。
次に、図5に示す各工程の詳細を順に説明する。
最初の素材セット工程ST1aでは、所要形状が付与されていない素材シート20を熱可塑性の材料の軟化点以上、好ましくは熱可塑性の材料の融点以上に加熱して型212,214の間にセットする。尚、図5には示していないが、素材シート20の表面20aに表皮材30と必要に応じてバッキング40等を重ねてもよい。この場合、表皮材30と必要に応じてバッキング40等も加熱しプレス成形前の素材シート20の表面20a側に重ねて型212,214の間にセットすればよい。むろん、素材シート20と表皮材30と必要に応じてバッキング40が原反状態で一体となっている場合、同時に加熱してもよい。加熱された素材シート20が接着機能を有する場合、表皮材30やバッキング40の加熱を省略してもよいし、バッキング40自体を省略してもよい。
続くプレス工程ST1bでは、両型212,214を近接させて少なくとも素材シート20を三次元形状にプレス成形する。表皮材30を重ねた場合には所要形状の基材本体10(具体的には図3に示す繊維F1が集合した基材10A)と表皮材30の積層物が得られ、表皮材30とバッキング40を重ねた場合には所要形状の基材本体10とバッキング40と表皮材30の積層物が得られる。このようにして、素材シート20から所要形状の基材5にプレス成形される。このとき、穿孔構造220の凸部222が少なくとも素材シート20を貫通して凹部224とで貫通孔14を素材シート20に形成する(孔形成工程ST5)。
以上が、基材形成工程ST1である。
続く移送工程ST2では、射出成形型310の外にあるプレス成形機200の両型212,214を離隔させて所要形状の基材5を取り出し、射出成形機300の型312,314の間に移してセットする。図10に示すように入子型315を用いる場合には、可動型314に入子型315を入れておく。プレス成形型210から射出成形型310に移す間に基材5は、冷えて熱可塑性の材料の融点未満となり、該熱可塑性の材料が固化されていく。尚、射出成形型310にセットされる基材5の温度は、熱可塑性の材料の軟化点未満が好ましい。基材5の温度低下は、大気中の自然冷却による温度低下でもよいし、冷風を当てる等の強制冷却による温度低下でもよい。
図6〜10で示したように押圧部350が型面330にあるので、射出成形機300の両型312,314を閉じると、すなわち、型締めすると、基材5のうち第一周囲部11が該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも厚み方向D3へ圧縮される。図7,9では、第一周囲部11が元の厚みTcから押圧部350の高さH1,H3を差し引いた分の厚み(Tc−H1),(Tc−H3)となっていることが示されている。ここで、型締め前に基材5が熱可塑性の材料の融点未満とされて該熱可塑性の材料の固化が進んでいる。従って、押圧部350に押された第一周囲部11は、弾性変形し、復元力を有している。また、圧縮された第一周囲部11に押されることにより基材5が変形してキャビティCA1や意匠面側キャビティCA2に入り込むことが抑制されている。
続く射出工程ST3では、熱可塑性の材料の融点未満、好ましくは軟化点未満とされた基材5がセットされた両型312,314を閉じた型締め状態で基材5の貫通孔14を介してキャビティCA1にゲート316から溶融樹脂R1を射出する。すなわち、溶融樹脂R1は、意匠面15側のゲート316から貫通孔14を流れ、裏面10b側のキャビティCA1に流入する。図10で示したように意匠面側キャビティCA2がある場合には、意匠面側キャビティCA2及び裏面側キャビティCA1にゲート316から溶融樹脂R1を射出する。この場合、溶融樹脂R1は、意匠面15側のゲート316から意匠面側キャビティCA2に流入し、基材5の貫通孔14を通って裏面10b側のキャビティCA1に流入する。上述したように、射出成形型310に配置された基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11が該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも圧縮されるので、ゲート316から型面330と基材裏面10bとの間に溶融樹脂R1が入り込むという樹脂漏れが抑制される。
以上により、成形部50が射出成形され、樹脂R1が固化すると空気Arを含む基材5に成形部50が接合されて固定された状態となる。図10で示した射出成形機300では、基材5の貫通孔14を介して基材5の意匠面15側と基材5の裏面10b側とに繋がった加飾部52が基材5に接合された状態となる。
続く取出工程ST4では、射出成形機300の両型312,314を離隔させ、溶融樹脂R1による成形部50とともに基材5を射出成形型310から取り出す。このとき、基材5の意匠面15側にゲート316の跡60が残る。また、押圧部350により圧縮されていた第一周囲部11は、自らの復元力により、図7,9の状態ST71,ST81のように元の厚みTcにほぼ復元するか、図7,9の状態ST72,ST82のように押圧部350の跡13を若干残して元の厚みTcに近づく厚み(Tc−H2),(Tc−H4)に復元する。状態ST72,ST82では、跡13の深さH2,H4は押圧部350の高さH1,H3よりも小さいため、第一周囲部11の厚みの一部が復元したことになる。この場合、第一周囲部11が第二周囲部12よりも薄い内装材1が得られる。図7で示した内装材1は、第二周囲部12よりも第一周囲部11の方が凹んでいる。図10では元の厚みTcにほぼ復元した状態を示しているが、図10に示す場合も押圧部350の跡を若干残して元の厚みに近づく厚みに復元することがある。
以上より、取出工程ST4では、基材5の貫通孔14を通って意匠面15側にある樹脂射出用のゲート316の跡60に繋がった成形部50が基材5の少なくとも裏面10bに接合された内装材1を得ることになる。図10で示した射出成形機300では、基材5の貫通孔14を介して基材5の意匠面15側と基材5の裏面10b側とに繋がった加飾部52が基材5に接合された内装材1を得ることになる。
尚、基材本体10に発泡樹脂製の基材10B(図3参照)を用いる場合、例えば、貫通孔14を有する所要形状に射出成形するための素材成形型に樹脂材料(素材の例)を射出し発泡させて気泡(空気Ar)を含むように射出成形し(上記基材形成工程ST1)、得られる所要形状の発泡成形体(基材10B)を前記素材成形型から射出成形型310に移せばよい(上記移送工程ST2)。前記素材成形型から射出成形型310に移す間に基材10Bは冷えて熱可塑性の材料の融点未満(好ましくは軟化点未満)となる。射出成形型310を型締めすると、基材10Bのうち押圧部350に押された第一周囲部11は、弾性変形して第二周囲部12よりも厚み方向D3へ圧縮され、復元力を有している。上記射出工程ST3でキャビティCA1に溶融樹脂R1を射出し、上記取出工程ST4で溶融樹脂R1による補強リブ51等とともに基材10Bを射出成形型310から取り出すと、第一周囲部11の厚みの少なくとも一部が復元した基材10Bに成形部50が接合された内装材1を得ることになる。この内装材1も、貫通孔14を通って意匠面15側にあるゲート316の跡60に繋がった成形部50が基材5の少なくとも裏面10bに接合されている。
製造される内装材1は、所要形状の基材本体10が繊維F1の集合した基材10Aと発泡樹脂製の基材10Bの少なくとも一方であるので、軽量である。このような内装材1を形成するための射出成形型310に対して樹脂の射出装置320を基材5の裏面10b側に配置する必要が無いので、射出成形型310において基材5の裏面10bに接合される樹脂R1の成形部50を形成する構造の設計自由度が向上する。従って、本具体例は、射出成形による樹脂の成形部が基材の少なくとも裏面に接合された車両用内装材の裏面形状の設計自由度を向上させることができ、裏面に形状の自由度が高い樹脂射出成形部が接合された新規の車両用内装材を提供することができる。
また、射出成形型310に配置された基材5のうちゲート316の周囲にある第一周囲部11が該第一周囲部11の周囲にある第二周囲部12よりも圧縮されるので、ゲート周りからの樹脂漏れが抑制される。その結果、射出圧力を高めることにより、ゲート316から射出された溶融樹脂R1の限界流動長を増やすことが可能となる。
さらに、射出成形型310に配置される基材5に含まれる熱可塑性の材料の固化が進んでいるので、基材5の変形が抑制されて基材5がキャビティCA1に入り込み難くなり、溶融樹脂R1の流動性が向上する。これにより、成形部50が良好に形成される。
さらに、成形部50とともに基材5を射出成形型310から取り出すと、基材5において押圧部350により圧縮された第一周囲部11の厚みの少なくとも一部が復元する。これにより、局所的に強い押圧による内装材1の劣化が抑制され、内装材1の品質が向上し、基材本体10に表皮材30を接合する場合には表皮材30の劣化が抑制される。
従って、本具体例は、射出成形による樹脂の成形部が基材に接合された車両用内装材を製造する際にゲート周りからの樹脂漏れを抑制し、局所的に強い押圧による内装材の劣化を抑制しながら良好な成形部を形成することが可能となる。
(4)変形例:
本発明は、種々の変形例が考えられる。
例えば、本技術は、ドアトリム112、ピラートリム113、ルーフトリム114、トランクの内装材、等に適用可能である。
繊維F1が集合した基材10Aと発泡樹脂製の基材10Bとが混在した基材にも、本技術を適用可能である。
孔形成工程ST5は、プレス工程ST1bとは別に実施されてもよい。例えば、プレス工程ST1bで自動車室内の凹凸形状を有する基材5を形成した後に孔形成工程ST5を実施して基材5に貫通孔14を形成することが可能である。また、先に孔形成工程ST5を実施して素材シート20に貫通孔14を形成した後にプレス工程ST1bで貫通孔14を有する所要形状の基材5を形成してもよい。
第一周囲部11を押圧する押圧部350は、相対向する位置において意匠面15側と裏面10b側の両方に配置されてもよい。
ホットランナーを配置する都合等により射出成形型にゲートを製品の位置に設定することできない場合、ゲートを製品外の位置に設定して成形部を射出成形した後に成形部が接合された基材から製品と不要部分とを分ける裁断工程を実施してもよい。
図11は、裁断前の内装材の例を車室側から見て示している。図11の下部には、裁断線LN1と交差した長尺状の補強リブ51(成形部50の例)及びその周辺を拡大して示している。
図11に示す裁断前の内装材2は、仮想の裁断線LN1を境に、製品としての内装材1と、切除される不要部分3と、が繋がっている。ゲート316の跡60は、成形部50のうち不要部分3に形成されている。図11に示す成形部50を形成するための射出成形型310は、不要部分3の位置にあるゲート316から製品部分の方へ延出して裁断線LN1と交差した長尺状のキャビティCA1を有している。これにより、不要部分3の位置にあるゲート316から射出された溶融樹脂R1が製品部分の方へ流れて成形部50が形成される。
製品外の不要部分3では基材表面の劣化を考慮する必要が無いため、押圧部350の幅を図6,8で示した幅W2,W4よりも広くしてもよい。基材5に沿った方向D5において第一周囲部11のキャビティCA1の縁部から第二周囲部12までの長さW5、及び、一般面340に沿った方向D6においてキャビティCA1に沿った押圧部350の幅は、7mm以上が好ましく、10mm以上がより好ましい。尚、キャビティCA1に沿った押圧部350の高さは、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。一方、型面330のうち製品に対応する部分には押圧部350が無くてもよい。これにより、押圧部350の跡が内装材1に残らず、局所的に強い押圧による内装材の劣化が効果的に抑制される。
内装材1の製造方法としては、例えば、上述した工程ST1,ST2,ST3,ST4を順に実施した後、得られる裁断前の内装材2を裁断線LN1に沿って裁断して不要部分3を除去する除去工程を実施すればよい。
本具体例も、射出成形による樹脂の成形部が基材の少なくとも裏面に接合された車両用内装材の裏面形状の設計自由度を向上させることができる。
(5)結び:
以上説明したように、本発明によると、種々の態様により、射出成形による樹脂の成形部が基材の少なくとも裏面に接合された車両用内装材の裏面形状の設計自由度を向上させる技術等を提供することができる。むろん、独立請求項に係る構成要件のみからなる技術でも、上述した基本的な作用、効果が得られる。
また、上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術及び上述した例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も実施可能である。本発明は、これらの構成等も含まれる。
1…内装材、2…裁断前の内装材、3…不要部分、5…基材、
10…基材本体、10A…繊維が集合した基材、10B…発泡樹脂製の基材、
10a…表面、10b…裏面、11…第一周囲部、12…第二周囲部、13…跡、
14…貫通孔、
15…意匠面、
20…素材シート(素材の例)、20a…表面、
30…表皮材、40…バッキング、
50…成形部、51…補強リブ、
52,52a,52b…加飾部、52c…目隠し部、52d…貫通部、52e…貫通孔、
60…跡、
100…自動車、101…シート、105…車体パネル、
111…デッキサイドトリム、112…ドアトリム、
113…ピラートリム、114…ルーフトリム、
200…プレス成形機、
210…プレス成形型(素材成形型の例)、212…上型、214…下型、
220…穿孔構造、222…凸部、224…凹部、
300…射出成形機、
310…射出成形型、312…固定型、314…可動型、315…入子型、
316…ゲート、316o…外周、320…射出装置、
330…型面、340…一般面、350…押圧部、350o…外周、
Ar…空気、CA1…キャビティ、CA2…意匠面側キャビティ、
D1…前後方向、D2…上下方向、D3…厚み方向、D4…延びた方向、
D5…基材に沿った方向、D6…一般面に沿った方向、
F1…繊維、H1,H3…押圧部の高さ、H2,H4…押圧部の跡の深さ、
R1…樹脂、
SP1…車室、SP2…荷室、
ST1…基材形成工程、ST1a…素材セット工程、ST1b…プレス工程、
ST2…移送工程、ST3…射出工程、ST4…取出工程、ST5…孔形成工程。

Claims (8)

  1. 空気を含む基材に樹脂による成形部が接合された車両用内装材の製造方法であって、
    意匠面から裏面に繋がる貫通孔を有し所要形状の前記基材を形成する基材形成工程と、
    前記基材の形状に合わせられた一般面を含む型面を有しゲートが前記基材の意匠面側となりキャビティが前記基材の裏面側となる射出成形型の外から該射出成形型に前記基材を移す移送工程と、
    前記基材が配置された前記射出成形型の前記キャビティに前記ゲートから前記貫通孔を介して前記樹脂を射出する射出工程と、を含む、車両用内装材の製造方法。
  2. 前記射出成形型は、型締め時に前記基材の貫通孔を介して前記キャビティと繋がる意匠面側キャビティを有し、
    前記射出工程では、前記基材が配置された前記射出成形型の前記意匠面側キャビティ及び前記キャビティに前記ゲートから前記樹脂を射出し、
    前記基材の貫通孔を介して前記基材の意匠面側と前記基材の裏面側とに繋がった前記成形部が前記基材に接合された前記車両用内装材を得る、請求項1に記載の車両用内装材の製造方法。
  3. 前記基材形成工程では、前記基材に前記貫通孔を形成するための構造を有する素材成形型で素材を前記所要形状の基材に成形するとともに前記基材に前記貫通孔を形成する、請求項1又は請求項2に記載の車両用内装材の製造方法。
  4. 前記型面は、前記一般面、及び、前記基材のうちゲートの周囲にある第一周囲部を該第一周囲部の周囲にある第二周囲部よりも圧縮させる押圧部を含み、
    前記基材形成工程では、熱可塑性の材料を含む素材を前記基材に成形し、
    前記射出工程では、型締め前に前記熱可塑性の材料の融点未満とされた前記基材が配置された前記射出成形型の前記キャビティに前記ゲートから前記貫通孔を介して前記樹脂を射出し、
    本製造方法は、前記樹脂による成形部とともに前記基材を前記射出成形型から取り出し、前記押圧部により圧縮された前記第一周囲部の厚みの少なくとも一部が復元した前記基材の少なくとも裏面に前記成形部が接合された内装材を得る取出工程をさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用内装材の製造方法。
  5. 前記型面は、前記基材の意匠面側に前記押圧部を含む、請求項4に記載の車両用内装材の製造方法。
  6. 意匠面から裏面に繋がる貫通孔を有する成形された基材と、
    該基材の少なくとも裏面に接合された樹脂の成形部であって前記貫通孔を通って前記基材の意匠面側にある樹脂射出用のゲートの跡に繋がった成形部と、を備える、車両用内装材。
  7. 前記基材は、前記ゲートの跡の周囲にある第一周囲部、及び、該第一周囲部の周囲にある第二周囲部を有し、
    前記第一周囲部が前記第二周囲部よりも薄い、請求項6に記載の車両用内装材。
  8. 前記基材は、前記ゲートの跡の周囲にある第一周囲部、及び、該第一周囲部の周囲にある第二周囲部を有し、
    前記基材の意匠面は、前記第二周囲部よりも前記第一周囲部の方が凹んでいる、請求項6又は請求項7に記載の車両用内装材。
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