JP2018170896A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より迅速に故障を検出することができるモータ制御装置を提供する。【解決手段】ECUは、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0以下である場合(ステップS2のNO)、モータが低速回転している旨判定する(ステップS4)。ECUは、電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0*よりも大きく、かつ実電流値Iが実電流値閾値I0よりも小さく、かつモータが低速回転している場合(ステップS5のYES)、故障検出カウントCNTを加算する(ステップS6)。この後、ECUは、故障検出カウントCNTが故障検出カウント閾値Th以上である場合(ステップS7のYES)、駆動回路および電流検出回路の故障を検出する(ステップS8)。【選択図】図3

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、車両の操舵機構にモータの駆動力を付与することにより、運転者のステアリング操作をアシストするステアリング装置が知られている。たとえば、特許文献1には、運転者のステアリング操作に応じて、モータの駆動を制御するモータ制御装置が開示されている。モータ制御装置は、操舵トルクに基づいて操舵機構に付与するアシスト力の目標値として電流指令値を演算し、当該電流指令値に基づいて駆動回路を制御することにより、モータに付与される電流を制御する。
モータ制御装置は、電流指令値がより大きな値に設定されているにも関わらず、モータに実際に流れる実電流値がより小さな値である場合、すなわち電流指令値と実電流値との偏差が閾値以上である場合、電流検出回路に故障が発生したことを検出する。
特開2005−67351号公報
ところで、前述の故障判定条件に基づいて、電流検出回路に故障が発生したことを検出しようとすると、故障を確定するまでに十分な時間を確保する必要がある。電流検出回路に何ら故障が発生していない正常状態であっても一時的に当該故障判定条件を満たしてしまう場合があるためである。このため、より迅速に電流検出回路の故障を検出する方法が求められていた。なお、電流検出回路に限らず、たとえば駆動回路の故障についても、迅速に検出することが好ましい。
本発明は、より迅速に故障を検出することができるモータ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成しうるモータ制御装置は、操舵機構に動力を付与するモータを制御するモータ制御装置において、前記モータに電力を供給する駆動回路と、前記駆動回路から前記モータに供給される実電流値を検出する電流検出回路と、操舵状態に応じて前記モータに付与する前記実電流値の目標である電流指令値を演算する電流指令値演算部と、前記実電流値を前記電流指令値に追従させる電流フィードバック制御を行うことにより、前記駆動回路を制御する制御部と、前記操舵機構のステアリングシャフトの操舵角度を微分することにより得られる操舵速度が、操舵速度閾値よりも大きいか否かに基づいて、前記モータが高速回転しているか否かを判定するモータ回転速度判定部と、前記モータが高速回転していない場合、前記電流指令値がより大きな値に設定されているにも関わらず、前記実電流値がより小さな値である状況が一定時間継続しているとき、前記駆動回路および前記電流検出回路の少なくとも一方の故障を判定する故障判定処理を実行する故障判定部と、を備えている。
モータの回転速度が増大するほど、実電流値が流れるのを妨げる、より大きな逆起電力が発生する。このため、駆動回路および電流検出回路に何ら故障が発生していない正常時であっても、電流指令値がより大きな値に設定されたにも関わらず、実電流値が小さな値である状況が一時的に発生してしまう。この点、本実施形態では、故障判定処理を実行するのは、モータが高速回転していないときである。モータが低速回転しているときには、逆起電力もより小さな値となる。このため、正常時であるにも関わらず、逆起電力によって一時的に誤って駆動回路および電流検出回路の少なくとも一方が故障していると判定される状況が発生しにくくなる。正常時であるにも関わらず、誤って故障と判定されにくくなる分、モータが低速回転しているときに故障判定処理を行う場合は、モータが高速回転しているときに故障判定処理を行う場合と比べて、故障判定処理に要する時間を短く設定することができ、より迅速に故障を検出することができる。判定条件の「一定時間継続しているか否か」の一定時間をより短く設定したとしても、正常時であるにも関わらず、電流指令値がより大きな値、かつ実電流値がより小さな値であるために異常時であると誤って判定されることが抑制されるからである。
上記のモータ制御装置において、前記電流指令値がより大きな値に設定されているにも関わらず、前記実電流値がより小さな値である状況は、前記電流指令値と前記実電流値との電流偏差が電流偏差閾値よりも大きい場合であってもよい。
この構成によれば、電流指令値と実電流値との電流偏差が電流偏差閾値よりも大きい場合、電流指令値がより大きな値に設定されているにも関わらず、実電流値がより小さな値である状況であるとする。このため、モータが低速回転している場合に、電流指令値と実電流値との電流偏差が電流偏差閾値よりも大きいときには、前記駆動回路および前記電流検出回路の少なくとも一方の故障が判定される。
上記のモータ制御装置において、前記故障判定部は、前記モータが高速回転していない場合、前記故障判定処理を実行し、前記モータが高速回転している場合、前記故障判定処理を実行しないようにしてもよい。
この構成によれば、モータが高速回転していないときにのみ故障判定処理を実行することにより、より確実に駆動回路および電流検出回路の少なくとも一方の故障を検出することができる。
上記のモータ制御装置は、ブラシ付きモータを制御するのに好適である。
本発明のモータ制御装置によれば、より迅速に故障を検出することができる。
一実施形態のモータ制御装置が搭載される電動パワーステアリング装置の概略構成図。 一実施形態のモータ制御装置における制御ブロック図。 一実施形態のモータ制御装置において、駆動回路および電流検出回路の故障検出方法を示すフローチャート。 一実施形態のモータ制御装置において、駆動回路および電流検出回路の故障判定処理の故障判定のタイミングを示すグラフ。 他の実施形態のモータ制御装置において、駆動回路および電流検出回路の故障検出方法を示すフローチャート。 他の実施形態のモータ制御装置において、駆動回路および電流検出回路の故障検出方法を示すフローチャート。 他の実施形態のモータ制御装置において、駆動回路および電流検出回路の故障検出方法を示すフローチャート。
以下、モータ制御装置を電動パワーステアリング装置に適用した一実施形態について説明する。
図1に示すように、EPS1(電動パワーステアリング装置)は、運転者のステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪18を転舵させる操舵機構2、運転者のステアリング操作を補助するEPSアクチュエータ3、およびEPSアクチュエータ3を制御するモータ制御装置としてのECU30(電子制御装置)を備えている。
操舵機構2は、ステアリングホイール10およびステアリングホイール10と一体回転するステアリングシャフト11を備えている。ステアリングシャフト11は、ステアリングホイール10と連結されたコラムシャフト12、コラムシャフト12の下端部に連結されたインターミディエイトシャフト13、およびインターミディエイトシャフト13の下端部に連結されたピニオンシャフト14を有している。ピニオンシャフト14の下端部はラックアンドピニオン機構16を介してラックシャフト15に連結されている。したがって、操舵機構2では、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト14の先端に設けられたピニオンと、ラックシャフト15に設けられたラックからなるラックアンドピニオン機構16を介してラックシャフト15の軸方向(図1の左右方向)の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動は、ラックシャフト15の両端にそれぞれ連結されたタイロッド17を介して左右の転舵輪18にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪18の転舵角が変更される。
EPSアクチュエータ3は、ステアリングシャフト11にアシスト力を付与するモータ20を備えている。モータ20には、ブラシ付きのDCモータが採用される。モータ20の回転軸は、減速機21を介してコラムシャフト12に連結されている。減速機21は、モータ20の出力トルク(回転力)を、コラムシャフト12へと伝達する。減速機21は、コラムシャフト12に連結されたホイールギア22と、モータ20に連結されてホイールギア22と噛み合うウォームギア23とを有している。減速機21によって、モータ20の回転が減速されて、その減速されたモータ20の回転力がアシスト力としてステアリングシャフト11に伝達されることにより、運転者のステアリング操作が補助される。
ECU30は、車両に設けられた各種のセンサの検出結果に基づいてモータ20を制御する。各種のセンサとしては、たとえば舵角センサ40およびトルクセンサ41が設けられている。舵角センサ40およびトルクセンサ41は、コラムシャフト12に設けられている。舵角センサ40は、ステアリングシャフト11の舵角θを検出する。トルクセンサ41は、運転者のステアリング操作に伴いステアリングシャフト11に付与される操舵トルクτを検出する。また、ECU30には、操舵速度検出部42が接続されている。操舵速度検出部42は、舵角センサ40により検出される舵角θを微分することにより、操舵速度ωを検出する。操舵速度検出部42により検出される操舵速度ωは、たとえば車両に設けられたCAN通信を介してECU30に出力される。ECU30は、各センサの出力に基づいて、モータ20に供給される駆動電力を制御する。
つぎに、ECU30の構成を詳細に説明する。
図2に示すように、ECU30は、電流検出回路31と、電流指令値演算部33と、PI演算部34(制御部)と、PWM制御部35(制御部)と、駆動回路36と、モータ回転速度判定部37と、故障判定部38と、減算器39と、を備えている。
電流指令値演算部33は、舵角センサ40により検出された舵角θ、およびトルクセンサ41により検出された操舵トルクτに基づいて、電流指令値Ia*を演算する。減算器39は、電流指令値Ia*から、故障判定部38により演算される電流補正値Ie*を減算した値である電流指令値I*を演算する。
駆動回路36は、スイッチング素子であるFET36A〜36Dを備えたH型ブリッジ回路である。駆動回路36は、バッテリBとグランドGndとの間に設けられている。FET36A〜36Dとしては、たとえばMOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が採用される。2つのFET36A,36Cが直列に接続され、2つのFET36B,36Dが直列に接続されている。FET36A,36CとFET36B,36Dとは、互いに並列に接続されている。
FET36A〜36Dは、PWM信号Spに基づいて、OFF状態とON状態との間で切り替えられる。FET36A,36DがON状態、かつFET36B,36CがOFF状態になったとき、モータ20は正方向に回転する。また、FET36B,36CがON状態、かつFET36A,36DがOFF状態になったとき、モータ20は逆方向に回転する。このように、FET36A〜36DをON状態あるいはOFF状態に切り替えることにより、モータ20の回転方向が切り替わる。また、各FET36A〜36DにおけるOFF状態を維持する期間と、ON状態を維持する期間との比、すなわちPWM信号Spのデューティ比Dによりモータ20の回転速度が制御される。
電流検出回路31は、電流センサ32および抵抗Rを備えている。抵抗Rは、駆動回路36とグランドGndとの間に設けられている。また、電流センサ32は、抵抗Rの両端に接続されている。電流センサ32は、抵抗Rに流れる電流を検出することにより、モータ20に流れる電流(実電流値I)を検出する。
PI演算部34は、減算器39により演算された電流指令値I*、および電流センサ32により検出された実電流値Iに基づいて、電圧指令値V*を演算する。すなわち、PI演算部34は、電流指令値I*に実電流値Iを追従させるべく、電流フィードバック制御を実行することにより、電圧指令値V*を演算する。
PWM制御部35は、PI演算部34により演算される電圧指令値V*に基づいて、デューティ比DからなるPWM信号Spを演算することにより、駆動回路36をPWM制御する。PWM制御部35は、PWM信号Spに基づいて、FET36A〜36DのON状態およびOFF状態を制御する。
モータ回転速度判定部37は、操舵速度検出部42により検出される操舵速度ωを取得する。モータ回転速度判定部37は、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0よりも大きいか否かに基づいて、モータ20が高速回転しているか否かを判定する。なお、操舵速度閾値ω0は、メモリなどに記憶されており、モータ20が高速回転することにより、実電流値Iがほとんど流れなくなるほど逆起電力が発生したときの操舵速度を基準に設定される。言い換えると、操舵速度閾値ω0は、逆起電力の影響によって、誤って駆動回路36および電流検出回路31が故障であると判定されない程度の操舵速度に設定されている。
故障判定部38は、電流センサ32により検出される実電流値I、電流指令値演算部33により演算される電流指令値Ia*、およびモータ回転速度判定部37により判定されるモータ20が高速回転しているか否かの判定結果を取り込む。また、故障判定部38は、各種の閾値として、たとえば実電流値Iの閾値である実電流値閾値I0、電流指令値Ia*の閾値である電流指令値閾値Ia0*、および故障検出カウント閾値Thをメモリより取り込む。故障判定部38は、電流指令値Ia*、実電流値I、高速回転か否かの判定結果、電流指令値閾値Ia0*、実電流値閾値I0、および故障検出カウント閾値Thに基づいて、駆動回路36および電流検出回路31の故障を判定する。
また、故障判定部38は、駆動回路36および電流検出回路31の故障を判定した場合、電流指令値Ia*を低減するための電流補正値Ie*を演算する。たとえば、故障判定部38は、電流指令値Ia*と等しい電流補正値Ie*を演算することで、電流指令値I*を「0」とすることにより、EPS1によるアシスト制御を停止するなどのフェイルセーフ制御を実行する。これに対し、故障判定部38は、駆動回路36および電流検出回路31が故障していない旨判定した場合、電流補正値Ie*の出力を停止する(たとえば電流補正値Ie*を「0」とする)ことにより、電流指令値Ia*の低減を停止する。
つぎに、駆動回路36および電流検出回路31の故障判定方法について説明する。
図3のフローチャートに示すように、ECU30は、外部機器から操舵速度ωを取り込む(ステップS1)。
つぎに、ECU30は、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0よりも大きいか否か、すなわちモータ20が高速回転しているか否かを判定する(ステップS2)。
ECU30は、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0よりも大きい場合(ステップS2のYES)、モータ20が高速回転している旨判定する(ステップS3)。
また、ECU30は、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0以下である場合(ステップS2のNO)、モータ20が低速回転している旨判定する(ステップS4)。
つぎに、ECU30は、駆動回路36の故障判定条件が成立しているかどうかを判定する(ステップS5)。すなわち、ECU30は、電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0*よりも大きい、かつ実電流値Iが実電流値閾値I0よりも小さい、かつモータ20が低速回転しているか否かを判定する(ステップS5)。なお、電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0よりも大きく、かつ実電流値Iが実電流値閾値I0よりも小さい場合は、モータ20に電流指令値I*に応じた電流を流そうとしているにも関わらず、実際には十分な電流が流れていない状況である。
ECU30は、故障判定条件が成立している旨判定される場合(ステップS5のYES)、故障検出カウントCNTを加算する(ステップS6)。
つぎに、ECU30は、故障検出カウントCNTが故障検出カウント閾値Th以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
ECU30は、故障検出カウントCNTが故障検出カウント閾値Th以上である場合(ステップS7のYES)、駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出し(ステップS8)、処理を終了する。また、ECU30は、駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出した場合は、EPS1のアシスト制御を停止するなどのフェイルセーフ制御を実行する。
これに対し、ECU30は、故障検出カウントCNTが故障検出カウント閾値Th未満である場合(ステップ7のNO)、処理を終了する。この場合、ECU30は、まだ駆動回路36および電流検出回路31に故障が発生していることを確定できないためである。
また、ECU30は、故障判定条件が成立していない旨判定される場合(ステップS5のNO)、故障検出カウントCNTをリセットし(ステップS9)、処理を終了する。
以上で処理を終了する。
つぎに、駆動回路36および電流検出回路31の故障判定処理の故障判定のタイミングを説明する。駆動回路36および電流検出回路31に故障が発生していない場合を正常時、故障が発生している場合を異常時とする。
図4に示すように、正常時には電流指令値I*に追従して実電流値Iが変化するものの、異常時には電流指令値I*(電流指令値Ia*)の変化に実電流値Iが追従できなくなる。たとえば、異常時には電流検出回路31により検出される実電流値Iが「0」になることにより、電流指令値I*の変化によらずに、実電流値Iは一定になってしまう。このため、異常時には、電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0*よりも大きく、かつ実電流値Iが実電流値閾値I0よりも小さいという条件を満たす。
また、モータ回転速度判定部37は、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0よりも大きい場合にモータ20が高速回転していると判定し、操舵速度ωが操舵速度閾値ω0以下である場合にモータ20が低速回転していると判定する。
異常時において、低速回転である場合、電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0*よりも大きく、かつ実電流値Iが実電流値閾値I0よりも小さいとき、故障検出カウントCNTが徐々に増加していく。そして、故障検出カウントCNTが故障検出カウント閾値Thを超えると、フェイルセーフ確定状態として、フェイルセーフ制御を実行し、EPSのアシスト制御は停止される。
本実施形態の作用および効果を説明する。
(1)比較例として、電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0*よりも大きい(第1の条件)、かつ実電流値Iが実電流値閾値I0よりも小さいか否か(第2の条件)を含む故障判定条件に基づいて駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出する場合、駆動回路36の故障検出に長い時間を要してしまう。これは、正常時であっても、ステアリング操作に伴って逆起電力が発生した場合、故障判定条件を一時的に満たしてしまうことがあるからである。特に、モータ20の高速回転時には、逆起電力の影響で電流指令値I*と実電流値Iとの差が大きくなる。このため、たとえば4秒などの長い時間、故障判定条件を満たした場合に駆動回路36の故障が検出されていた。なお、正常時に故障判定条件を長時間満たす状況が継続されることは通常考えられない。
この点、本実施形態では、故障判定条件として、上記2つの条件に加えて、第3の条件としてモータ20が低速回転していることを設定している。モータ20が低速回転している場合には、逆起電力の影響がほとんどないため、モータ20には電流指令値I*に応じた電流が流れると考えられる。すなわち、モータ20が低速回転している場合には、電流指令値I*に実電流値Iが追従しやすいと考えられるため、正常時であるにも関わらず、誤って故障判定条件(第1の条件および第2の条件)を満たしてしまうことは少ない。これにより、モータ20が低速回転している場合には、実電流値Iが逆起電力によって流れにくくなる状況が生じにくい分、誤って故障判定条件が満たされる回数を減らすことができるので、より故障検出カウント閾値Thを減らすことが可能である。このため、第1〜第3の条件からなる故障判定条件を満たす場合は、駆動回路36のFET36A〜36Dのいずれかのオープン故障や断線故障が発生したことにより、実電流値Iが流れなくなったものと考えられる。または、モータ20には適切な電流が流れているものの、電流検出回路31が故障することにより、実電流値Iを検出できなくなったものと考えられる。このため、より迅速に(たとえば100msなどで)駆動回路36および電流検出回路31の少なくとも一方が故障していることを検出できる。
(2)ブラシ付きモータでは、より安価な仕様とするために、モータの回転角を検出する回転角センサが設けられないことが多い。このため、故障判定条件(第1の条件および第2の条件)のみで駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出しようとすると、誤って故障判定条件が満たされることがあるのを考慮する必要がある分、故障を検出するのに必要な時間が長くなっていた。またブラシ付きモータに電力を付与する際の端子間電圧に基づいて、回転角を検出する方法もあるが、その精度は低い。
この点、本実施形態では、CAN通信を介して舵角センサ40から比較的精度が良いことが期待できる舵角θを用いて、操舵速度ωを演算している。これにより、精度良くモータ20が高速回転しているか否かを判定することができる。また、モータ20の回転角を検出するための回転角センサを設けることなしに、モータ20の回転速度を推定することができるため、新たに故障判定条件の精度を高めるためのセンサを設けなくても、より確実に駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出することができる。
なお、本実施形態は次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・本実施形態では、故障判定処理により、駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出したが、駆動回路36の故障のみを検出するようにしてもよいし、電流検出回路31の故障のみを検出するようにしてもよい。
・図3のステップS5における故障判定処理において、「電流指令値Ia*が電流指令値閾値Ia0*よりも大きい」という条件に代えて、「デューティ比がデューティ比閾値よりも大きい」という条件にしてもよいし、「電圧指令値が電圧指令値閾値よりも大きい」という条件としてもよい。すなわち、モータ20に電流を流そうとしているにも関わらず、実際には電流が流れていないことを検出できればよい。
・故障判定条件をつぎのように設定してもよい。すなわち、図5に示すように、図3のステップS5の代わりに、ステップS10として、電流指令値Ia*と実電流値Iとの電流偏差dI(dI=Ia*−I)が予め定められた電流偏差閾値dI0よりも大きい、かつモータ20が低速回転している場合に、駆動回路36および電流検出回路31の故障を検出するようにしてもよい。
・本実施形態では、スイッチング素子として、FET36A〜36D(特にMOS−FET)が用いられたが、これに限らない。たとえば、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を用いてもよい。
・本実施形態では、ECU30の内部にグランドGndが設けられたが、ECU30の外部にグランドを設けてもよい。
・本実施形態では、PI演算部34は、故障判定部38により駆動回路36の故障が検出された場合、EPS1におけるアシスト機能を停止したが、操舵機構2に付与されるアシスト力を低減した状態でアシスト機能を継続してもよい。
・図6に示すように、ECU30は、モータ20が高速回転している場合、故障判定条件(第1の条件および第2の条件)を満たしているかどうかを判定することなく、処理を終了してもよい。なお、ここでは、故障判定条件は第1の条件および第2の条件からなるものとする。たとえば、ECU30は、図3のステップS3,4の後、モータ20が低速回転しているか否かを判定し(ステップS11)、モータ20が低速回転している場合(ステップS11のYES)、故障判定条件を満たしているか否かを判定する(ステップS12)。ECU30は、ステップS12でYESの場合は、ステップS6〜8へ移行し、ステップS12でNOの場合は、故障検出カウントCNTをリセットし(ステップS13)、処理を終了する。また、ECU30は、モータ20が低速回転していない場合(ステップS11のNO)、故障判定処理を実行せず(ステップS14)、故障検出カウントCNTをリセットする(ステップS13)。すなわち、ECU30は、モータ20が低速回転している場合には、故障判定処理(第1および第2の条件)を実行し、モータ20が高速回転している場合には、故障判定処理を実行しない。
・図7に示すように、ECU30は、モータ20が高速回転している場合と、低速回転している場合とで、故障判定条件を満たした場合の故障検出カウントCNTの増加量を変更してもよい。なお、ここでは、故障判定条件は、第1の条件および第2の条件からなるものとする。たとえば、ECU30は、図3のステップS3,4の後、モータ20が低速回転しているか否かを判定し(ステップS11)、モータ20が低速回転している場合(ステップS11のYES)、故障判定条件を満たしているか否かを判定する(ステップS12)。ECU30は、ステップS12でYESの場合、ステップS6〜8へ移行し、ステップS12でNOの場合は故障検出カウントCNTをリセットし(ステップS13)、処理を終了する。また、ECU30は、モータ20が低速回転していない場合(ステップS11のNO)、ステップS12と同様に、故障判定条件を満たしているか否かを判定する(ステップS15)。ECU30は、ステップS15でYESの場合、故障検出カウントCNTを加算せず(ステップS16)、ステップS15でNOの場合、故障検出カウントCNTをリセットする(ステップS13)。
・本実施形態では、操舵速度検出部42は、ECU30の外部に設けられたが、ECU30の内部に操舵速度検出部42を設けてもよい。
・本実施形態では、ECU30(モータ制御装置)の制御対象はモータ20(ブラシ付きモータ)であったが、ブラシ付きモータに限らず、モータ20の回転軸の回転速度を検出するための回転角センサが設けられないようなモータであってもよい。
・本実施形態のECU30は、運転者のステアリング操作をアシストするEPS1に具体化したが、これに限らない。すなわち、ECU30はどのようなステアリング装置に応用してもよく、たとえばステアバイワイヤに適用してもよい。
つぎに、上記実施形態およびその変形例から把握できる技術的思想について追記する。
(イ)前記駆動回路は、一対のスイッチング素子を直列に接続することにより構成されており、前記スイッチング素子は、前記制御部により出力されるPWM信号に基づいてオンオフするものであり、前記故障判定部は、前記電流指令値が前記電流指令値閾値よりも大きいとき、かつ前記実電流値が実電流値閾値よりも小さいとき、に加算されるカウンタが、カウント閾値を超えたとき、一定時間が経過しているものとして、前記駆動回路および前記電流検出回路の少なくとも一方の故障を判定することが好ましい。
この構成によれば、モータが低速回転、かつ電流指令値が電流指令値閾値よりも大きく、かつ実電流値が実電流値閾値よりも小さいとき、に加算されるカウンタがカウンタ閾値を超えたときに、駆動回路および電流検出回路の少なくとも一方の故障を判定できる。
1…EPS、2…操舵機構、3…EPSアクチュエータ、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、12…コラムシャフト、13…インターミディエイトシャフト、14…ピニオンシャフト、15…ラックシャフト、16…ラックアンドピニオン機構、17…タイロッド、18…転舵輪、20…モータ、21…減速機、22…ホイールギア、23…ウォームギア、30…ECU(モータ制御装置)、31…電流検出回路、32…電流センサ、33…電流指令値演算部、34…PI演算部(制御部)、35…PWM制御部、36…駆動回路、36A〜36D…FET(スイッチング素子)、37…モータ回転速度判定部、38…故障判定部、39…減算器、40…舵角センサ、41…トルクセンサ、42…操舵速度検出部、θ…舵角、τ…操舵トルク、ω…操舵速度、B…バッテリ、I…実電流値、R…抵抗、V…車速、ω0…操舵速度閾値、I*,Ia*,Ie*…電流指令値、I0…実電流値、Sp…PWM信号、τ…操舵トルク、CNT…故障検出カウント、Gnd…グランド、Th…故障検出カウント閾値。

Claims (4)

  1. 操舵機構に動力を付与するモータを制御するモータ制御装置において、
    前記モータに電力を供給する駆動回路と、
    前記駆動回路から前記モータに供給される実電流値を検出する電流検出回路と、
    操舵状態に応じて前記モータに付与する前記実電流値の目標である電流指令値を演算する電流指令値演算部と、
    前記実電流値を前記電流指令値に追従させる電流フィードバック制御を行うことにより、前記駆動回路を制御する制御部と、
    前記操舵機構のステアリングシャフトの操舵角度を微分することにより得られる操舵速度が、操舵速度閾値よりも大きいか否かに基づいて、前記モータが高速回転しているか否かを判定するモータ回転速度判定部と、
    前記モータが高速回転していない場合、前記電流指令値がより大きな値に設定されているにも関わらず、前記実電流値がより小さな値である状況が一定時間継続しているとき、前記駆動回路および前記電流検出回路の少なくとも一方の故障を判定する故障判定処理を実行する故障判定部と、を備えるモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記電流指令値がより大きな値に設定されているにも関わらず、前記実電流値がより小さな値である状況は、前記電流指令値と前記実電流値との電流偏差が電流偏差閾値よりも大きい場合であるモータ制御装置。
  3. 請求項1または2に記載のモータ制御装置において、
    前記故障判定部は、前記モータが高速回転していない場合、前記故障判定処理を実行し、前記モータが高速回転している場合、前記故障判定処理を実行しないモータ制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ制御装置において、
    前記モータは、ブラシ付きモータであるモータ制御装置。
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