JP2018160410A - 電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐デンドライト性を有していて長寿命であり、かつ高出力性である電池を提供する。【解決手段】 放電反応で水が反応する正極、充放電に伴って形態変化が起こる負極、正極と負極との間を絶縁するセパレータ、及び、電解質を含んで構成される電池であって、該セパレータは、2層以上の構造を有し、正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にある層の少なくとも1層の保水性よりも高く、該セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上であることを特徴とする電池である。【選択図】図2

Description

本発明は、電池に関する。より詳しくは、特にニッケル正極及び亜鉛負極を含む蓄電池(二次電池)等の電池、及び、該電池に用いられるセパレータに関する。
近年、小型携帯機器から自動車等大型用途まで多くの産業において、電池の重要性が急速に高まっており、主にその容量、エネルギー密度や二次電池化の面において優位性を持つ新たな電池系が種々開発・改良されている。例えば、亜鉛種を負極活物質とする亜鉛負極が、電池の普及とともに古くから研究されてきており、特に、空気・亜鉛一次電池、マンガン・亜鉛一次電池、銀・亜鉛一次電池は実用化され、広く世界で使用されている。
しかし、亜鉛負極を用いて構成される二次電池については、長期間充放電を繰り返すと、電極の活物質層等の近傍で金属の溶解析出反応が起こる過程で、デンドライトという電極活物質の樹状結晶が発生し、このデンドライトによる電極間の短絡に起因して電池の短寿命化が起こるという課題があるため、まだ実用化されていない。カドミウム負極、リチウム負極等の充放電に伴って形態変化が起こる電極を含んで構成される二次電池についても同様の課題がある。
このような課題に対し、多くの技術開発がなされており、デンドライトによる電極間の短絡を物理的に抑止するためのセパレータが開示されている(例えば、特許文献1〜9参照。)。例えば、ニッケル亜鉛電池において、亜鉛デンドライトや亜鉛極のシェイプチェンジを抑制するために、水酸化物イオン伝導性を有するが透水性を有しないセパレータを用いたもの(例えば、特許文献1、2参照。)や、微孔を有する耐アルカリ、非導電性シートで亜鉛負極を被包したもの(例えば、特許文献3参照。)が開示されている。
ところで、特に車両用ないし動力用(産業用)の二次電池は瞬発的なエネルギー放出が求められ、高出力の放電電流が流せることが望まれている。そのため、非水系のリチウムイオン電池が市場に広く拡大しつつも、ハイブリッド車や産業向け蓄電池では高出力性の水系蓄電池等が使われており、例えば次世代水系二次電池としてニッケル亜鉛電池が注目されている。
国際公開2016/006331号 国際公開2016/006330号 特開平6−89719号公報 特開2016−152082号公報 特開2016−146263号公報 国際公開2014/119665号 特開2015−95286号公報 特開2015−15229号公報 特開2016−225297号公報
上記特許文献1、2に記載のニッケル亜鉛電池は、特に車両用ないし動力用(産業用)の電池に求められるような、高出力性の電池とするための工夫の余地があった。また、特許文献1、2に記載のニッケル亜鉛電池のセパレータは透水性を有さないほど緻密化された無機固体であるため、デンドライト成長は抑止できるものの正極槽と負極槽とで水の交換ができず、正極での放電反応で水が反応するニッケル亜鉛電池では各槽内の水面の高さに違いが生じると共に、それを許容できる程度のものとするためには電池の大容積化が必要となるため、蓄電池として高密度化することが実質的に不可能であった。
上記特許文献3に記載のシートは、透水性が高く上記電池において一定の放電性能が期待できるが、微孔を有するため亜鉛デンドライトが貫通しやすく、電極間の短絡を防止して電池をより長寿命化するための工夫の余地があった。
本発明者らは、これまでアニオン伝導性材料を開発し、これをセパレータ等の電池構成部材として用いてデンドライト成長の抑止を図ってきた(特許文献4〜9参照。)。特に特許文献9において、物理的に重要な要素を抽出し、セパレータとして望ましい特徴として提案した。しかしながら、これまでの提案は、電池をより高出力性とすることを目的としたものではなく、特に車両用や産業用蓄電池に特化した電池に着目した場合に工夫の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、耐デンドライト性を有していて長寿命であり、かつ高出力性である電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述したように、亜鉛負極等の充放電に伴って形態変化が起こる負極を含んで構成される電池において、これまでデンドライトの成長をより効果的に抑制して長寿命化することを目指し、透気度が充分に低いセパレータを作製した。本発明者らは、このセパレータが、デンドライトの成長を効果的に抑制できる一方、透気度が低い材料は一般的に保水性に劣ることが多く、保水性に劣る材料を放電反応で水が反応する正極側に配置する場合、正極に充分な水が供給されなくなってしまい、電池の出力性が充分なものでなくなってしまうおそれがあることを見出した。そこで、本発明者らは、電池の出力性を向上できるセパレータについて種々検討し、放電反応で水が反応する正極、及び、充放電に伴って形態変化が起こる負極を含んで構成される電池において、電池のセパレータが2層以上の構造を有し、少なくとも1層の透気度が低く、かつ正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にある層の少なくとも1層の保水性よりも高いものとした。本発明者らは、このような電池が、耐デンドライト性を有していて長寿命であり、かつ高出力性であり、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、放電反応で水が反応する正極、充放電に伴って形態変化が起こる負極、正極と負極との間を絶縁するセパレータ、及び、電解質を含んで構成される電池であって、該セパレータは、2層以上の構造を有し、正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にある層の少なくとも1層の保水性よりも高く、該セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上であることを特徴とする電池である。
本発明は、上述の構成よりなり、放電反応で水が反応する正極、及び、充放電に伴って形態変化が起こる負極を含んで構成される電池を長寿命かつ高出力のものとすることができる。
本発明の一実施形態の電池が含む電解液槽の模式図である。 図1の破線で囲んだ面の拡大図である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
<本発明の電池>
本発明の電池は、放電反応で水が反応する正極、充放電に伴って形態変化が起こる負極、正極と負極との間を絶縁するセパレータ、及び、電解質を含んで構成される。セパレータは、2層以上の構造を有し、正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にある層の少なくとも1層の保水性よりも高く、該セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上である。
先ず、本発明において放電反応で水が反応する正極を含んで構成される電池を高出力とすることができるメカニズムを説明する。
放電反応で水が反応する正極を含んで構成される電池の一例として、ニッケル亜鉛電池を挙げて説明する。ニッケル亜鉛電池の正負極それぞれの放電反応は下記反応式で表される。
ニッケル正極:NiOOH+HO+e→Ni(OH)+OH
亜鉛負極:Zn+4OH→Zn(OH) 2−+2e
出力性能は、放電時に必要な要素のうち、最も供給が遅い物質に支配される。上記反応式のうち活物質であるNiOOH、Znは既に正極に存在するため除外すると、正極への水(HO)と電子(e)、負極へのOHの3つが残る。電子は集電体等から高速で供給され、水酸化物イオンは電解液等の電解質中で平衡状態を保つために自然に拡散されるものであるが、水に関しては物質移動を伴うものであり、ある程度は正極近傍の部材から供給される必要があると考えられる。
ここで、放電で消費される水の量は、上記反応式から分かるように1molのニッケル活物質を完全放電する場合に1molである。したがって、ニッケル正極が有するニッケルの活物質量を、単位面積当たりXmol/cmとすると、単位面積当たりXmol/cmのHOが必要と言える。このXmol/cmのHOを1時間かけて消費する放電反応が、1Cレートである。単位を整理すると、HOの質量数18g/molを導入し、単位面積あたりのHOの供給速度をV[mol/hour・cm]とし、単位時間をS[hour]とすると、下記式を得る。
V=X/S[mol/hour・cm]=18/3600×X[g/sec・cm
=0.005×X[cm/sec](※水の比重を1とし、1g=1cmで換算)
更に、CレートをA[C]とすれば、瞬発的に必要なHO量はそのA倍になる。なお、本明細書中、単位面積とは、正極とセパレータの層とが互いに対向する部分の面の単位面積を言う。
このように、放電性能を高めるためには充分な量の水が正極近傍の部材から供給されることが重要である。本発明の電池では、セパレータの正極側の層から正極に水を供給する。なお、これにより電極間間隔を一定に維持することも可能である。以下では、本発明の電池を構成するセパレータ、正極、負極、及び、電解質について順に説明する。
(セパレータ)
[セパレータの正極側の層]
本発明に係るセパレータにおいて、正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にある層の少なくとも1層の保水性よりも高い。中でも、正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にあるいずれの1層の保水性よりも高いことが好ましく、正極側の層よりも負極側にある層全体の保水性よりも高いことがより好ましい。
なお、上記正極側の層は、最も正極側の層を含み、セパレータの一部である限り、1層であってもよく、2層以上の積層構造であってもよい。なお、上記正極側の層中、最も正極側の層が、その他の層の少なくとも1層と同等以上の保水性をもつことが好ましい。
セパレータの層の保水性は、セパレータの層が吸液する(保水可能な)電池中の電解液量を示し、乾燥状態のセパレータの層と湿潤状態のセパレータの層との質量差から求められる。
上記正極側の層は、単位面積当たりの保水可能な水の量(本明細書中、保水可能な水の量を単に保水量とも言う。)が0.001mol/cm以上であることが好ましく、0.002mol/cm以上であることがより好ましく、0.003mol/cm以上であることが更に好ましく、0.004mol/cm以上であることが特に好ましい。
上記正極側の層における単位面積当たりの保水可能な水の量は、その上限値は特に限定されないが、通常は10mol/cm以下である。
上記正極側の層は、正極の完全放電で反応する水の50%以上を保水可能であることが好ましく、該水の66%以上を保水可能であることがより好ましく、該水の100%以上を保水可能であることが更に好ましい。これにより、本発明の電池は、良好な出力性能を得ることができる。なお、上記正極側の層が保水可能な水は、正極側の層が保持可能な電解質(電解液)中の水成分である。
上記正極側の層は、その保水性の上限は特に限定されないが、通常は、正極の完全放電で反応する水の10000%以下を保水可能なものである。
上記正極の完全放電で反応する水に対する、正極側の層の保水可能な水の好ましい割合は、上記正極の単位面積当たりの活物質量に対する、正極側の層の単位面積当たりの保水可能な水の好ましい割合と言い換えることが可能である。
上記正極側の層は、通常、電池中の電解液を吸い上げることができるものであり、乾燥状態にある正極側の層の端部を1時間電解液に浸したときの吸い上げ高さが、10mm以上が好ましく、50mm以上であることがより好ましく、100mm以上であることが更に好ましい。
上記正極側の層の平均厚みは、エネルギー密度の観点からは1000μm以下が好ましく、750μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることが更に好ましい。
上記平均厚みは、上述した保水性を充分に発揮する観点から、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、100μm以上であることが更に好ましい。
なお、上記平均厚みは、後述する実施例の方法により測定されるものである。また、上述したように、上記正極側の層の平均厚みは、2層以上の積層構造の平均厚みであってもよい。
上記正極側の層は、正極と負極とを隔離し、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材であればよく、ポリオレフィン製の不織布、濾紙、ポリエチレンやポリプロピレン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン部位含有ポリマー、ポリフッ化ビニリデン部位含有ポリマー、セルロース、フィブリル化セルロース、ビスコースレイヨン、酢酸セルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール含有ポリマー、セロファン、ポリスチレン等の芳香環部位含有ポリマー、ポリアクリロニトリル部位含有ポリマー、ポリアクリルアミド部位含有ポリマー、ポリハロゲン化ビニル部位含有ポリマー、ポリアミド部位含有ポリマー、ポリイミド部位含有ポリマー、ナイロン等のエステル部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸部位含有ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸塩部位含有ポリマー、ポリイソプレノールやポリ(メタ)アリルアルコール等の水酸基含有ポリマー、ポリカーボネート等のカーボネート基含有ポリマー、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリウレタン等のカルバメートやカルバミド基部位含有ポリマー、寒天、ゲル化合物、有機無機ハイブリッド(コンポジット)化合物、イオン交換膜性ポリマー、環化ポリマー、スルホン酸塩含有ポリマー、第四級アンモニウム塩含有ポリマー、第四級ホスホニウム塩ポリマー、環状炭化水素基含有ポリマー、エーテル基含有ポリマー、セラミックス等の無機物等が挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
なお、上記正極側の層は、上記部材の1種のみを用いた単一層又は積層構造であってもよく、上記部材を2種以上用い、これら部材が混合された単一層であってもよく、積層構造であってもよい。積層構造は、一体化した積層構造であってもよく、互いが独立して重ね合わされた積層構造であってもよい。また、明確な界面を有する積層構造であってもよいし、これらの成分が混合された混合層を有する積層構造を形成していてもよい。
[透気度がガーレー値で1000秒以上である層]
本発明に係るセパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上である。これにより、デンドライト成長を効果的に抑止できることができる。
上記「セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上である」は、セパレータ中の2層以上の積層構造の透気度がガーレー値で1000秒以上であってもよい。
ガーレー値は、実施例に記載のガーレー法により測定されるものである。ガーレー値は、気体の通過しやすさを表す指標であり、値が大きいほど気体を通しにくい。デンドライトの成長抑制のためには、気体が容易に通過できるような貫通孔が少ないことが重要な要素であるところ、ガーレー法により貫通孔の少なさを簡易的に測定できる。
上記ガーレー値は、負極から発生するデンドライトを抑止する観点からは、2000秒以上であることが好ましく、5000秒以上であることがより好ましく、7000秒以上であることが更に好ましく、8000秒以上であることが特に好ましい。
上記ガーレー値は、電池反応に関与するイオンを透過する限りその上限値は特に限定されず、無限大であってもよいが、通常は例えば200000秒以下である。
透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、セパレータの最も正極側の層を含むものであってもよいが、セパレータの最も正極側の層以外の少なくとも1層であることが本発明の電池の好ましい形態の1つである。その場合、透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、正極側へ電解液を供給する必要がないため、保水量について特に制限はないが、保水可能な水の量が、正極の完全放電で反応する水の50%未満であることが好ましい。
保水可能な水の量は、その下限値は特に限定されないが、通常は単位面積1m当たり0.1g以上であり、1m当たり1g以上であることが好ましく、1m当たり10g以上であることがより好ましい。
透気度がガーレー値で1000秒以上である層の平均厚みは、エネルギー密度の観点からは500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましい。
透気度がガーレー値で1000秒以上である層の平均厚みは、5μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましく、50μm以上であることが更に好ましい。これにより、デンドライトの成長を抑制する効果がより高くなり、電池寿命をより長くすることができる。
上記平均厚みは、透気度がガーレー値で1000秒以上である層が複数の層が積層された構造を有する場合は、複数の層の合計の平均厚みである。
なお、上記平均厚みは、後述する実施例の方法により測定されるものである。
上記透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、密度が0.1g/cm以上であることが好ましく、0.3g/cm以上であることがより好ましく、0.5g/cm以上であることが更に好ましく、1.5g/cm以上であることが特に好ましい。
上記密度は、その上限値は特に限定されないが、10g/cm以下であることが好ましく、5g/cm以下であることがより好ましく、3g/cm以下であることが更に好ましい。
なお、上記密度は、上記層の試験片について、質量と体積を測定し、質量を体積で除すことにより算出されるものである。試験片の体積は、試験片の縦方向の長さ、横方向の長さを、ノギスを用いて測定し、膜厚を実施例に記載の方法に基づき測定することにより算出される。また、試験片の質量は、体積を測定した試験片について小数点4桁の精密天秤を用いて測定される。
上記透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、イオン伝導による電池において電池反応に関与するイオンを透過するものであればよく、例えばポリオレフィン製の不織布;ポリオレフィン製の微多孔膜;有機物と無機物との混合物を含むアニオン伝導性膜;その他の後述するセパレータとして使用される膜等が挙げられる。
中でも、上記透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、アニオン伝導による電池に適用する観点からは、微多孔膜、又は、上記アニオン伝導性膜であることが好ましく、当該電池をより長寿命化する観点からは、該アニオン伝導性膜であることがより好ましい。言い換えれば、上記透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、有機物及び無機物を含むことがより好ましい。上記有機物及び無機物については、後述する。
上記透気度がガーレー値で1000秒以上である層が不織布又は微多孔膜である場合は、複数の不織布又は微多孔膜が積層された構造を有することが好ましい。複数の不織布又は微多孔膜が積層された構造とすることにより、該層が貫通孔を有していても、層毎に貫通孔の位置がずれることになり、ガーレー値が大きくなり、デンドライトの成長を抑制する効果が向上する。
上記透気度がガーレー値で1000秒以上である層が不織布又は微多孔膜である場合、例えば、3つ以上の層が積層された構造を有することがより好ましく、4つ以上の層が積層された構造を有することが更に好ましい。
以下では、上記アニオン伝導性膜について説明する。
本明細書中、上記アニオン伝導性膜は、電池反応に関与する水酸化物イオン等のアニオンを透過する膜であって、有機物と、無機物を含むものである。上記アニオン伝導性膜は、後述する無機物等の作用により、透過するアニオンの選択性を有する。当該アニオンの選択性は、ガーレー値を無限大まで大きくしてガスを透過しなくしても発揮されるものであり、例えば、水酸化物イオン等のアニオンは透過しやすく、アニオンであってもイオン半径の大きな、活物質に由来する金属含有イオン(例えば、Zn(OH) 2−)等の透過は充分に防止する。本明細書中、アニオン伝導性とは、水酸化物イオン等のイオン半径の小さなアニオンを充分に透過すること、ないし、当該アニオンの透過性能を意味する。金属含有イオン等のイオン半径の大きなアニオンは、より透過しにくいものであり、全く透過しなくても構わない。
このようなアニオン伝導性膜は、水酸化物イオンが電池反応に関与する電池(例えば、亜鉛負極を含んで構成される電池)の電池構成部材に好適に適用することができ、デンドライトの成長を抑制して該電池を長寿命化させることができる。
上記アニオン伝導性膜は、有機物と、無機物を含む。
〔無機物〕
上記無機物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Mg、Sc、Y、ランタノイド、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Ru、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、B、Al、Ga、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、Sb、Bi、S、Se、Te、F、Cl、及び、Brからなる群より選択される少なくとも1つの元素を含むことが好ましい。
上記無機物としては、例えば、酸化物;複合酸化物;層状複水酸化物等の層状無機化合物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;合金;ゼオライト;ハロゲン化物;カルボキシラート化合物;炭酸化合物;炭酸水素化合物;硝酸化合物;硫酸化合物;スルホン酸化合物;ヒドロキシアパタイト等のリン酸化合物;亜リン化合物;次亜リン酸化合物、ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;硫化物;オニウム化合物;塩等が挙げられる。中でも、酸化物;複合酸化物;ハイドロタルサイト等の層状複水酸化物;水酸化物;粘土化合物;固溶体;ゼオライト;フッ化物;リン酸化合物;ホウ酸化合物;ケイ酸化合物;アルミン酸化合物;塩が好ましいものとして挙げられる。
これらの中でも、上記無機物は、酸化物、水酸化物、層状無機化合物、及び、硫化物からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物であることがより好ましい。
上記酸化物としては、例えば酸化セリウム、酸化ジルコニウムが好ましい。より好ましくは、酸化セリウムである。また、酸化セリウムは、例えば、酸化サマリウム、酸化ガドリニウム、酸化ビスマス等の金属酸化物がドープされたものや、酸化ジルコニウム等の金属酸化物との固溶体であってもよい。上記酸化物は、酸素欠陥を持つものであってもよい。
上記水酸化物としては、例えば水酸化マグネシウム、水酸化セリウム、水酸化ジルコニウムが好ましい。
上記層状無機化合物は、1層だけであってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。上記層状無機化合物としては、例えば層状複水酸化物が挙げられる。
上記層状複水酸化物とは、下記式;
[M 1−x (OH)](An−x/n・mH
(Mは、Mg、Fe、Zn、Ca、Li、Ni、Co、Cu、Mnのいずれかである二価の金属イオンを表す。Mは、Al、Fe、Mn、Co、Cr、Inのいずれかである三価の金属イオンを表す。An−は、OH、Cl、NO 、CO 2−、COO等の1〜3価のアニオンを表す。mは0以上の数である。nは、1〜3の数である。xは、0.20〜0.40の数である。)に代表される化合物である。なお、An−は、2価以下のアニオンであることが好ましい。
このような層状複水酸化物は、天然産のもの(例えばハイドロタルサイト(Hydrotalcite)、マナッセイト(Manasseite)、モツコレアイト(Motukoreaite)、スティッヒタイト(Stichtite)、ショグレナイト(Sjogrenite)、バーバートナイト(Barbertonite)、パイロアウライト(Pyroaurite)、イオマイト(Iomaite)、クロロマガルミナイト(Chlormagaluminite)、ハイドロカルマイト(Hydrocalmite)、グリーン ラスト1(Green Rust 1)、ベルチェリン(Berthierine)、タコバイト(Takovite)、リーベサイト(Reevesite)、ホネサイト(Honessite)、イヤードライト(Eardlyite)、メイキセネライト(Meixnerite)等)の他、人工的に合成されたものであってもよく、150℃〜900℃で焼成することにより、脱水した化合物や、層間内の陰イオンを分解させた化合物、層間内の陰イオンを水酸化物イオン等に交換した化合物であってもよい。これらの層状複水酸化物の中でも、ハイドロタルサイト等のMg−Al系層状複水酸化物が好ましい。上記層状複水酸化物には、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、シラノール基等の官能基を持つ化合物が配位していてもよい。
上記硫化物としては、例えば硫化セリウム、硫化ジルコニウムが好ましい。
上記無機物は、平均粒子径が1000μm以下であるものが好ましい。より好ましくは、100μm以下である。一方、該平均粒子径は、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。
上記平均粒子径は、レーザー回折法により測定されるものである。
上記無機物の粒子の形状としては、微粉状、粉状、粒状、顆粒状、鱗片状、多面体状、ロッド状、曲面含有状等が挙げられる。なお、平均粒子径が上述のような範囲の粒子は、例えば、粒子をボールミル等により粉砕し、得られた粗粒子を分散剤に分散させて所望の粒子径にした後に乾固する方法や、該粗粒子をふるい等にかけて粒子径を選別する方法のほか、粒子を製造する段階で調製条件を最適化し、所望の粒径の(ナノ)粒子を得る方法等により製造することが可能である。
上記無機物の質量割合は、アニオン伝導性膜100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、50質量%以上であることが特に好ましい。また上記化合物の割合は、99質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、80質量%以下であることが更に好ましく、70質量%以下であることが特に好ましい。
上記質量割合は、無機物が2種類以上である場合、2種以上の無機物の質量割合の合計である。
〔有機物〕
上記アニオン伝導性膜が含む有機物としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンに代表される炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等に代表される芳香族基含有ポリマー;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のアルキレングリコール等に代表されるエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコールやポリ(α−ヒドロキシメチルアクリル酸塩)、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等)等に代表される水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンやN−置換ポリアクリルアミド等に代表されるアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド、ポリイミド等に代表されるイミド結合含有ポリマー;(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来のモノマー単位を主成分として含む(メタ)アクリル系ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、ポリマレイン酸(塩)、ポリイタコン酸(塩)、ポリメチレングルタル酸(塩)、カルボキシメチルセルロース等に代表されるカルボキシ基含有ポリマー(カルボキシ基の金属塩(アルカリ金属等)やアンモニウム塩等を含む);ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリマレイン酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリメチレングルタル酸塩等に代表されるカルボン酸塩含有ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー;エポキシ樹脂等のエポキシ基が開環することにより結合したポリマー;スルホン酸(塩)部位含有ポリマー;ARB(Aは、N又はPを表す。Bは、ハロゲンアニオンやOH等のアニオンを表す。R、R、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜7のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシル基、芳香環基を表す。R、R、Rは、結合して環構造を形成してもよい。)で表される基が結合したポリマーに代表される第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;陽イオン・陰イオン交換膜等に使用されるイオン交換性ポリマー;天然ゴム、人工ゴム等の主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム状ポリマー;酢酸セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸(塩)等に代表される糖類;ポリエチレンイミンに代表されるアミノ基含有ポリマー;カルバメート基部位含有ポリマー;カルバミド基部位含有ポリマー;エポキシ基部位含有ポリマー;複素環、及び/又は、イオン化した複素環部位含有ポリマー;ポリマーアロイ;ヘテロ原子含有ポリマー;低分子量界面活性剤等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
なお、これらのポリマーは、公知の有機架橋剤化合物により、架橋されていてもよい。
これらの中でも、上記有機物は、主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム状ポリマーを含むことが好ましい。
主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム状ポリマーとしては、例えば共役ジエン系ポリマーが挙げられる。
上記共役ジエン系ポリマーは、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン等の共役ジエン構造を有するモノマー(共役ジエン系モノマー)由来のモノマー単位を有するポリマーであり、例えば、天然ゴム;イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等の人工ゴムが好適なものとして挙げられる。上記共役ジエン系ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、コポリマーであってもよいが、無機化合物がアニオン伝導性膜中で均一に存在しうることや膜の機械的強度の観点から、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位を更に有する共役ジエン系共ポリマーであることがより好ましい。また、上記共役ジエン系ポリマーの組成を以下に示すような組成とすること、例えば、官能基を導入したり、酸基等を有するその他の不飽和モノマーに由来するモノマー単位を含むものとしたり、公知の乳化剤を用いて調製したりすることにより、アニオン伝導性膜の透気度値を好適に調節することができる。
上記共役ジエン系モノマーは、脂肪族共役ジエン系モノマーであることが好ましい。脂肪族共役ジエン系モノマーとしては、上述したように、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレン等が挙げられ、中でも1,3−ブタジエンが好ましい。共役ジエン系モノマーは、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
なお、共役ジエン系ポリマーは、エステル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の官能基が導入されていてもよい。これらの官能基が導入されていることにより、共役ジエン系ポリマーと無機物粒子との親和性が上がり、材料の均一性が向上する。
上記共役ジエン系ポリマーとしては、上述したように、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のホモポリマー、コポリマー等の1種又は2種以上を用いることができるが、例えば、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位を更に有するコポリマーであることが好ましい。
芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−エトキシスチレン、m−エトキシスチレン、p−エトキシスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、o−アセトキシスチレン、m−アセトキシスチレン、p−アセトキシスチレン、o−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。これらの中でも、アニオン伝導性膜の耐熱性や機械的強度が高くできる点でスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。これらの芳香族ビニルモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記共役ジエン系ポリマーは、脂肪族共役ジエン系モノマー由来のモノマー単位と、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位との質量比が、例えば1/9以上、9/1以下であることが好ましく、2/8以上、8/2以下であることがより好ましく、3/7以上、7/3以下であることが更に好ましい。
上記共役ジエン系ポリマーとしては、膜の成形性の観点から、スチレン−ブタジエン系ポャマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン系ポリマー等の1種又は2種以上を好適に用いることができる。これらの中で、透気度値を非常に大きくすることができる点や無機物がアニオン伝導性膜中で均一に存在しうる点、膜の機械的強度の観点から、特にスチレン−ブタジエン系ポリマーが好ましい。
上記共役ジエン系ポリマーは、脂肪族共役ジエン系モノマー由来のモノマー単位、芳香族ビニルモノマー由来のモノマー単位以外の、その他の不飽和モノマー由来のモノマー単位を有していてもよい。
上記共役ジエン系ポリマー100質量%中、その他の不飽和モノマー由来のモノマー単位の質量割合は、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下であることが特に好ましい。
また上記アニオン伝導性膜が主鎖に不飽和炭素結合を有するゴム状ポリマーを含む場合、その他のポリマーを含んでいてもよい。
上記有機物は、例えば、上述したポリマーが含む構成単位を形成するモノマー成分を重合することにより製造することができる。
モノマー成分の重合方法としては特に限定されず、例えば、水溶液重合法、乳化重合法、逆相懸濁重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の方法を挙げることができる。これらの方法の中でも、簡便に製造できる観点から、乳化重合法を用いることが好ましい。乳化重合には、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤を好適に使用できる。
上記各モノマー成分の重合には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては通常用いられているものを1種又は2種以上使用することができる。
上記重合開始剤の使用量としては、ポリマーの原料として用いられた全モノマー成分100質量%に対して、0.02質量%以上、2質量%以下であることが好ましい。
上記各モノマー成分の重合には、重量平均分子量を調整する目的で、t−ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を用いることもできる。連鎖移動剤を使用する場合、その使用量は、使用するモノマーの種類や量、重合温度や濃度等の重合反応条件、目標とするポリマーの分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、例えば、共役ジエン系ポリマーの原料として用いられた全モノマー成分100質量%に対して、10質量%以下とすることが好ましい。重量平均分子量を調整する観点から、0.01質量%以上とすることが好ましい。
上記有機物を製造する重合反応の温度は、重合反応が進行する限り特に限定されないが、20℃以上、100℃以下であることが好ましい。該温度は、より好ましくは、40℃以上、90℃以下である。
また、重合反応の時間は、特に限定されないが、生産性を考慮すると、1時間以上、10時間以下が好ましい。
上記有機物の含有量は、セパレータの機械的強度及びイオン伝導性の観点から、セパレータ100質量%中、1質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。また、該含有量は、99質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。
上記質量割合は、有機物が2種類以上である場合、2種以上の有機物の質量割合の合計である。
上記アニオン伝導性膜を製造する際には、アニオン伝導性材料を混練・圧延する工程を含む方法を用いることができる。アニオン伝導性材料とは、アニオン伝導性膜を形成するのに用いられる材料であり、有機物及び無機物と共に、必要に応じて、上記その他の成分を含むものを言う。
上記アニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料を混練する工程を経て得られたものであることが好ましい。
例えば、有機物、及び、無機物等と共に、必要に応じて、上記その他の成分を混練する。混練には、ミキサー、ブレンダー、ニーダー、ビーズミル、レディミル、ボールミル等を使用することができる。混練の際、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン等の有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合溶剤を加えても良い。上記混練においては、ポリマーを水等に分散させたディスパージョンとすることが好ましい。これにより、得られるアニオン伝導性膜がより緻密なものとなり、透気度値及び突刺強度が大きくなるため、上記X値がより大きなものとなる。これによりデンドライトの成長を阻止する効果がより高くなる。
上記混練の時間は、適宜設定できるが、2分以上であることが好ましい。特に、高温条件下(例えば、40℃以上)で混練時間が長くなることが好ましい。これにより、得られるアニオン伝導性膜がより緻密なものとなり、透気度値及び突刺強度が大きくなるため、上記X値がより大きなものとなる。
上記混練の時間の上限は、特に限定されないが、例えば混練の時間を30分以下とすることが好ましい。
上記混練の温度は、適宜設定できるが、20℃以上であることが好ましい。これにより、得られるアニオン伝導性膜がより緻密なものとなり、透気度値が大きくなる。
上記混練の温度の上限は、有機物と無機物が分解しない限り特に限定されないが、例えば混練の温度を200℃以下とすることが好ましい。
上記アニオン伝導性膜は、アニオン伝導性材料を混練する工程を経た後、更に圧延する工程を経て得られたものであることが好ましい。
本発明に係るセパレータは、上述したセパレータの正極側の層、透気度がガーレー値で1000秒以上である層以外のその他の層を更に1層又は2層以上含んでいてもよい。
(放電反応で水が反応する正極)
本発明の電池は、放電反応で水が反応する正極を含んで構成されるものである。
上記正極としては、放電反応で水が反応する限り特に限定されず、例えばニッケル種、マンガン種等を活物質として有するものが挙げられるが、中でも、正極は、ニッケル種を有することが好ましい。なお、例えばニッケル種とは、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等のニッケル含有化合物を意味し、マンガン種とは二酸化マンガン等のマンガン含有化合物を意味する。
(充放電に伴って形態変化が起こる負極)
本発明の電池は、充放電に伴って形態変化が起こる負極を含んで構成されるものである。
上記負極としては、充放電に伴って形態変化が起こる限り特に限定されず、例えば亜鉛種、カドミウム種、リチウム種、ナトリウム種、マグネシウム種、鉛種、錫種を活物質として有するものが挙げられるが、中でも、負極は、亜鉛種を有することがより好ましい。これにより、本発明の効果が顕著なものになる。なお、例えば亜鉛種とは、亜鉛の金属単体又は亜鉛化合物を意味し、カドミウム種とはカドミウムの金属単体又はカドミウム化合物を意味する。リチウム種、ナトリウム種、マグネシウム種、鉛種、及び、錫種についても同様である。
例えば、本発明の電池が、ニッケル種を有する正極、及び、亜鉛種を有する負極を含んで構成されることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記正極及び負極は、活物質層内に、上記活物質とともに結着剤、導電助剤、その他の成分等を含んでいてもよい。
上記結着剤としては種々の公知のポリマーを用いることができるが、熱可塑性、熱硬化性のいずれであってもよく、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有ポリマー、ポリオレフィン等の炭化水素部位含有ポリマー、ポリスチレン等の芳香族基含有ポリマー;アルキレングリコール等のエーテル基含有ポリマー;ポリビニルアルコール等の水酸基含有ポリマー;ポリアミド、ポリアクリルアミド等のアミド結合含有ポリマー;ポリマレイミド等のイミド基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸塩等のカルボン酸塩基含有ポリマー;スルホン酸塩部位含有ポリマー;第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム塩含有ポリマー;イオン交換性ポリマー;天然ゴム;スチレンブタジエンゴム(SBR)等の人工ゴム;ヒドロキシアルキルセルロース(例えば、ヒドロキシエチルセルロース)、カルボキシメチルセルロース等の糖類;ポリエチレンイミン等のアミノ基含有ポリマー;ポリウレタン等が挙げられる。なお、上記結着剤は、1種でも2種以上でも使用することができる。
上記導電助剤としては、特に制限されないが、例えば、導電性カーボン、導電性セラミックス、亜鉛・銅・真鍮・ニッケル・銀・ビスマス・インジウム・鉛・錫等の金属等の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に係る活物質層の平均厚みは、100μm以上であることが好ましく、200μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることが更に好ましく、本発明のイオン伝導性膜を電極用保護膜として用いる場合、活物質の脱落等を抑制して大量の活物質を搭載したエネルギー密度の高い電池を構成できる観点から、1mm以上であることが特に好ましい。該活物質層の平均厚みは、例えば10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることが好ましい。
上記活物質層の平均厚みは、マイクロメーターにより任意に5点を測定して算出することができる。
本発明の電極は、更に、集電体を含むことが好ましい。
上記集電体としては、(電解)銅箔、銅メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡銅、パンチング銅、真鍮等の銅合金、真鍮箔、真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)、発泡真鍮、パンチング真鍮、ニッケル箔、耐食性ニッケル、ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)、パンチングニッケル、金属亜鉛、耐食性金属亜鉛、亜鉛箔、亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)、(パンチング)鋼板、導電性を付与した不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等を添加した(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;Ni・Zn・Sn・Pb・Hg・Bi・In・Tl・真鍮等によりメッキされた(電解)銅箔・銅メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡銅・パンチング銅・真鍮等の銅合金・真鍮箔・真鍮メッシュ(エキスパンドメタル)・発泡真鍮・パンチング真鍮・ニッケル箔・耐食性ニッケル・ニッケルメッシュ(エキスパンドメタル)・パンチングニッケル・金属亜鉛・耐食性金属亜鉛・亜鉛箔・亜鉛メッシュ(エキスパンドメタル)・(パンチング)鋼板・不織布;銀;アルカリ(蓄)電池や空気亜鉛電池に集電体や容器として使用される材料等が挙げられる。
本発明の電池は、正極と負極とが交互に積層されているものであってもよい。例えば、正極と負極とが交互に積層され、正極と負極との間に正極側の層及び透気度がガーレー値で1000秒以上である層が配置されていることが本発明の電池の好ましい一実施形態である。このような一実施形態を図1及び図2に示す。
(電解質)
本発明の電池に用いる電解質としては、固体電解質を使用してもよいが、蓄電池の電解液として通常用いられるものを好適に用いることができ、特に制限されないが、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ジメトキシメタン、ジエトキシメタン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、イオン性液体、フッ素含有カーボネート類、フッ素含有エーテル類、ポリエチレングリコール類、フッ素含有ポリエチレングリコール類等が挙げられる。上記有機溶剤系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液としては、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、硫酸亜鉛水溶液、硝酸亜鉛水溶液、リン酸亜鉛水溶液、酢酸亜鉛水溶液等が挙げられる。これらの中でも、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液といったアルカリ性電解質が好ましい。上記水系電解液は、1種でも2種以上でも使用することができる。水系電解液は、上記有機溶剤系電解液を含んでいてもよい。
また、本発明の電池の形態としては、一次電池、充放電が可能な二次電池、メカニカルチャージ(亜鉛負極の機械的な交換)の利用、第3極の利用(正極として、充電に適した電極と放電に適した電極をそれぞれ用いる)等、いずれの形態であっても良いが、例えば二次電池であることが好ましい。
本発明の電池は、公知の方法を適宜用いて製造することができる。例えば、負極を電池セル中に配置し、電解質溶液を電池セル中に導入し、更に、正極、参照極、セパレータ等を必要に応じて配置して電池を作製することができる。
本発明の電池は、耐デンドライト性を有していて長寿命であり、かつ高出力性であるため、小型携帯機器から自動車等大型用途まで多くの用途に用いることができ、特に車両用や産業用蓄電池に好適なものである。
<本発明のセパレータ>
本発明はまた、放電反応で水が反応する正極、充放電に伴って形態変化が起こる負極、及び、電解質を含んで構成される電池に用いられるセパレータであって、該セパレータは、2層以上の構造を有し、外層の一方の保水性が、該外層の一方以外の層の少なくとも1層の保水性よりも高く、該セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上であるセパレータであってもよい。
上記外層の一方は、最外層の一方を含み、セパレータの一部である限り、1層であってもよく、2層以上の積層構造であってもよい。
上記「セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上である」は、セパレータ中の2層以上の積層構造の透気度がガーレー値で1000秒以上であってもよい。
透気度がガーレー値で1000秒以上である層は、セパレータの上記最外層の一方を含むものであってもよいが、セパレータの上記最外層の一方以外の少なくとも1層であることが本発明のセパレータの好ましい形態の1つである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
下記セパレータで互いに隔離されるように下記2つの電極を、下記電解液を保持する正極槽と負極槽に配置して電池を構築した。
実施例における各種測定は、以下の方法により行った。
<膜厚の測定>
平均膜厚(μm)は、株式会社ミツトヨ製 デジマチックインジケータ 543−394を用いて任意に5点を測定し、その平均値として算出した。
(セパレータ)
[共役ジエン系ポリマーの調製例]
滴下ロート、撹拌機、窒素ガス導入管、温度計、及び、還流冷却管を備えたフラスコ内にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、脱イオン水57質量部を仕込んだ後、フラスコ内を窒素ガスで置換した。
一方、滴下ロートにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5質量部、スチレン58質量部、1,3−ブタジエン40質量部、フマル酸2質量部、t−ドデシルメルカプタン0.5質量部および脱イオン水38質量部を仕込み、プレエマルションを調製した。その後、フラスコ内にゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら撹拌下で65℃まで昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液6質量部を添加し、次いで、前記で得られたプレエマルションを5時間にわたって均一にフラスコ内に滴下した。滴下終了後、脱イオン水5質量部で滴下ロートを洗浄し、得られた洗浄液をフラスコ内に滴下した。その後、フラスコ内の内容物を65℃で2時間維持し、重合を終了した。得られた反応液を室温まで冷却し、不揮発分含量が48.1質量%の共役ジエン系ポリマーの水分散液を得た。
[セパレータの調製例]
ハイドロタルサイト(商品名:DHT−6、協和化学工業社製、平均粒子径0.20μm)100質量部、上記調製例で調製した共役ジエン系ポリマーの水分散液100質量部及び純水25質量部を計り取り、ニーダーを用いて均一な状態になるまで混練を行った後、得られた混練物を厚さ100μmになるまでロールプレスすることで、セパレータを作製した。
正極側に配置するセパレータA、負極側に配置するセパレータBとして、それぞれ下記のものを使用した。
〔セパレータA〕
(A1)ポリオレフィン製不織布、平均厚み100μm×1枚(保水量0.0013mol/cm、透気度1秒)
(A2)ポリオレフィン製不織布、平均厚み100μm×2枚(保水量0.0021mol/cm、透気度2秒)
(A3)ポリオレフィン製不織布、平均厚み100μm×4枚(保水量0.0042mol/cm、透気度4秒)
(A4)アニオン伝導性材料:上記セパレータの調製例で調製したアニオン伝導性膜(平均厚み101μm;特願2015−213144の実施例1に記載のアニオン伝導性材料と同一)
〔セパレータB〕
(B1)親水性微多孔膜セルガード3500(セルガード社製、平均厚み25μm、透気度200秒)
(B2)親水性微多孔膜セルガード3400(セルガード社製、平均厚み25μm、透気度620秒)
(B3)親水性微多孔膜セルガード3400×4枚(セルガード社製、平均厚み25μm×4枚、透気度2500秒)
(B4)アニオン伝導性材料:上記セパレータの調製例で調製したアニオン伝導性膜(平均厚み101μm;特願2015−213144の実施例1に記載のアニオン伝導性材料と同一)
(ニッケル正極)
表面にコバルトをコーティングした水酸化ニッケル粉末をポリアクリル酸ナトリウム水容器とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)エマルション(Nv60%)と共に混合し、水酸化ニッケル含有率97%のスラリーを調整した。このスラリーを発泡Niに含浸後、乾燥させたあと圧延プレスしニッケル正極とした。活物質である水酸化ニッケルは、電極の総厚み1mmの正極において、0.0027[mol/cm]程度であった。
(亜鉛負極)
酸化亜鉛粉末とPTFEを固形分比率95:5の割合で混合したペーストを、錫メッキされたパンチング鋼板上に平坦に配置し、圧延プレスによって脱水・接着し、亜鉛負極を作製した。作製した亜鉛極の理論容量は、200mAh/cm程度とした。
(電解液)
6.7mol/Lに調整された水酸化カリウム水溶液に酸化亜鉛を飽和濃度まで溶かした溶液を電解液とした。
(測定器)
北斗電工社製充放電試験装置(HJ−1005SD8)を用いて充放電試験を実施した。
<保水量>
乾燥状態と湿潤状態の重量差(単位面積あたり[cm])を測定し、HO質量数(18)で割ることで算出した。
<透気度>
JIS P 8117に準じて、ガーレー測定器を用いて測定した(100ccの空気が透過する時間を測定)。
<寿命>
正極利用率80%としたときに、0.1Cのレートで充放電したときの100サイクル後の放電効率を測定し、測定結果を下記評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:90%以上
〇:80%以上、90%未満
×:80%未満
<放電試験>
0.1Cレートで充電し、5Cレートで放電したときの放電効率を測定し、測定結果を下記評価基準で評価した。
[評価基準]
◎:50%以上
〇:30%以上、50%未満
△:20%以上、30%未満
×:20%未満
結果は下記表1に示す通りである。
Figure 2018160410
従って、上記実施例の結果から、本発明の技術的範囲全般において、また、本明細書において開示した種々の形態において本発明が適用でき、有利な作用効果を発揮することができると言える。
1:正極側の層
3:充放電に伴って形態変化が起こる負極
5:透気度がガーレー値で1000秒以上である層
7:放電反応で水が反応する正極
10:電解槽容器

Claims (7)

  1. 放電反応で水が反応する正極、充放電に伴って形態変化が起こる負極、正極と負極との間を絶縁するセパレータ、及び、電解質を含んで構成される電池であって、
    該セパレータは、2層以上の構造を有し、正極側の層の保水性が、正極側の層よりも負極側にある層の少なくとも1層の保水性よりも高く、
    該セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上であることを特徴とする電池。
  2. 前記正極は、ニッケル種を有することを特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 前記負極は、亜鉛種を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
  4. 前記正極側の層は、正極の完全放電で反応する水の50%以上を保水可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電池。
  5. 前記透気度がガーレー値で1000秒以上である層の少なくとも1層は、有機物及び無機物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電池。
  6. 前記透気度がガーレー値で1000秒以上である層の少なくとも1層は、層状無機化合物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電池。
  7. 放電反応で水が反応する正極、充放電に伴って形態変化が起こる負極、及び、電解質を含んで構成される電池に用いられるセパレータであって、
    該セパレータは、2層以上の構造を有し、外層の一方の保水性が、該外層の一方以外の層の少なくとも1層の保水性よりも高く、
    該セパレータの少なくとも1層の透気度がガーレー値で1000秒以上であることを特徴とするセパレータ。
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