JP2018158999A - 自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性に優れたポリオール組成物を提供する。【解決手段】 ポリオール(A)と、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単量体として含む重合体微粒子(JR)と、アクリロニトリルとを含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づいて該アクリロニトリルの重量が0.05〜30ppmである自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X);前記ポリオール(A)と重合体微粒子(JR)との重量比[(A)/(JR)]が50/50〜90/10であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリオール組成物に関する。
ポリオール組成物は、ポリウレタンフォームなどの原料として幅広く使用されている。例えば、自動車座席のシートのクッション材として、難燃性有機リン化合物とハロゲン系化合物とを使用したポリウレタン用難燃性組成物が提案されている。(例えば、特許文献1)。しかしながら、上記の技術でも、多くの添加量が必要であり、耐熱性について十分満足できるとは言えなかった。
特開平5−105811号公報
本発明の課題は、耐熱性に優れたポリオール組成物を提供することにある。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリオール(A)と、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単量体として含む重合体微粒子(JR)と、アクリロニトリルとを含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づいて該アクリロニトリルの重量が0.05〜30ppmである自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)である。
本発明の自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)は以下の効果を奏する。
(1)ポリオール組成物を用いたポリウレタンフォームは、耐熱性に優れる。
(2)ポリウレタンフォームは、臭気に優れる。
<ポリオール(A)>
本発明におけるポリオール(A)は、例えば、2〜8価又はそれ以上の多価水酸基含有化合物(HG1)、複数個の活性水素を有するアミノ基含有化合物(HG2)、多価カルボキシル基含有化合物(HG3)、多価チオール基含有化合物(HG4)、複数個の活性水素を有するリン酸化合物(HG5)及び分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物(HG6)から選ばれる化合物から選ばれる1種以上である活性水素含有化合物(HG)のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。ポリオール(A)は、1種単独でも、2種またはそれ以上を併用してもよい。
多価水酸基含有化合物(HG1)としては、水、2〜8価の多価アルコール及び多価フェノール等が挙げられる。具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等の2価アルコール;グリセリン及びトリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリト―ル、ソルビト―ル及びショ糖等の4〜8価のアルコ―ル;ピロガロ―ル、カテコール及びヒドロキノン等の多価フェノ―ル;ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF及びビスフェノールS等のビスフェノ―ル;ポリブタジエンポリオール;ひまし油系ポリオール;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリレートとは、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、以下において同様である。
複数個の活性水素を有するアミノ基含有化合物(HG2)としては、アミン、アミノアルコール等が挙げられる。具体的には、アンモニア;炭素数(以下、Cと略記する)1〜20のアルキルアミン(ブチルアミン等)及びアニリン等のモノアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン及びジエチレントリアミン等の直鎖又は分岐脂肪族ポリアミン;ピペラジン及びN−アミノエチルピペラジン等の複素環式ポリアミン;ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン;フェニレンジアミン、トリレンジアミン及びジフェニルメタンジアミン等の芳香族ポリアミン;トリエタノ―ルアミン等のアルカノールアミン;ジカルボン酸と過剰のポリアミンとの縮合により得られるポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリアミン;ヒドラジン(ヒドラジン及びモノアルキルヒドラジン等)、ジヒドラジッド(コハク酸ジヒドラジッド及びテレフタル酸ジヒドラジッド等)、グアニジン(ブチルグアニジン及び1−シアノグアニジン等)等;並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
多価カルボキシル基含有化合物(HG3)としては、コハク酸及びアジピン酸等の脂肪族ポリカルボン酸;フタル酸及びトリメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸;アクリル酸の(共)重合物等のポリカルボン酸重合体(官能基数2〜100)等が挙げられる。
多価チオール基含有化合物(HG4)としては、ポリチオール化合物が含まれ、2〜8価の多価チオールが挙げられる。具体的にはエタンジチオール及び1、6−ヘキサンジチオール等が挙げられる。
複数個の活性水素を有するリン酸化合物(HG5)としては燐酸、亜燐酸及びホスホン酸等が挙げられる。
分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物(HG6)としては、モノエタノ―ルアミン及びジエタノ―ルアミン等のアルカノ―ルアミンが挙げられる。
これらの活性水素含有化合物(HG)のうち、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、多価水酸基含有化合物(HG1)、複数個の活性水素を有するアミノ基含有化合物(HG2)及び分子内に2種以上の活性水素含有官能基を有する化合物(HG6)が好ましく、更に好ましくは、水、多価アルコール及びアミンである。
活性水素含有化合物の活性水素当量は、得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、20〜300が好ましい。
活性水素含有化合物(HG)に付加させるアルキレンオキサイド(以下、AOと略す)としては、炭素数[以下、Cと略記することがある]2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド及び1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から、PO及びEOが好ましい。AOを2種以上使用する場合(例えば、PO及びEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
AOとしては、C3以上の1,2−AOとEOとのみからなるものが好ましいが、これらに加えてこれら以外のAOを少割合(例えば全AOの重量を基準として5重量%以下)で含んでいてもよい。用いるAO中の、C3以上の1,2−AOの含量は、得られるポリウレタンフォームの機械物性の観点から、全AOの重量を基準として50重量%以上が好ましく、さらに好ましくは70重量%以上である。
<エチレン性不飽和化合物(E)>
エチレン性不飽和化合物(E)としては、例えば、スチレン[以下、Stと略記することがある]、アクリロニトリル[以下、ACNと略記することがある]、その他のエチレン性不飽和化合物(e)が挙げられる。
上記(E)のうち、好ましいのは、好ましいのはスチレンおよびアクリロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種を前記(E)の重量に基づいて90重量%以上含有するもの、さらに好ましいのはスチレン、アクリロニトリル、スチレンとアクリロニトリルとの併用である。
その他のエチレン性不飽和化合物(e)としては、炭素数(以下、Cと略す)2以上かつMn{Mn(数平均分子量)、Mw(重量平均分子量)の測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による。}1,000未満のもので、St及び/又はACNと共重合可能なものであれば特に制限はなく、下記に示す1官能のもの{不飽和ニトリル(e1)、芳香環含有モノマー(e2)、(メタ)アクリル酸エステル(e3)、不飽和アルコールのアルキレンオキサイド付加物(e4)及びその他のエチレン性不飽和モノマー(e5)}及び多官能モノマー(e6)等が使用できる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(e1)としてはメタクリロニトリル等が挙げられる。
(e2)としてはα−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン及びクロルスチレン等が挙げられる。
(e3)としては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及びドコシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基がC1〜24);ヒドロキシポリオキシアルキレン(アルキレン基がC2〜8)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタアクリル酸エステルを意味する。以下における(メタ)アクリル酸及び(メタ)アリル等についても同様の表記法を用いる。
(e4)の不飽和アルコールとしては、末端不飽和アルコールが好ましく用いられる。不飽和アルコールの炭素数は、重合体粒子の分散性の観点から、3〜12が好ましい。末端不飽和アルコールとしては、アリルアルコール、3−ブテン−2−オール、3−ブテン−1−オール及び1−ヘキセン−3−オールが挙げられる。
(e4)において、不飽和アルコールに付加するAOとしては、C2〜12のものが挙げられ、例えばEO、PO、1,2−ブチレンオキサイド(以下、BOと略す)、テトラヒドロフラン並びにこれらの2種以上の併用(ランダム付加及び/又はブロック付加)が挙げられる。AOとしては、分散安定性及び粘度の観点から、PO及び/又はEOが好ましい。
AOの付加モル数は、分散安定性及び粘度の観点から、1〜9が好ましく、さらに好ましくは1〜6、特に好ましくは1〜3である。
その他のエチレン性不飽和モノマー(e5)としては、C2〜24のエチレン性不飽和モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸等のビニル基含有カルボン酸;エチレン及びプロピレン等の脂肪族炭化水素モノマー;パーフルオロオクチルエチルメタクリレート及びパーフルオロオクチルエチルアクリレート等のフッ素含有ビニルモノマー;ジアミノエチルメタクリレート及びモルホリノエチルメタクリレート等の窒素含有ビニルモノマー;ビニル変性シリコーン;ノルボルネン、シクロペンタジエン及びノルボルナジエン等の環状オレフィン及び環状ジエン;等が挙げられる。
多官能モノマー(e6)としては、C8〜40の多官能モノマーが好ましく、ジビニルベンゼン、エチレンジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキサイドグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(e1)〜(e6)のうち、ポリマーポリオールの粘度及びフォーム硬さの観点から、(e3)、(e4)及び(e6)が好ましく、さらに好ましくは(e4)及び(e6)、特に好ましくは末端不飽和アルコールのPO及び/又はEO付加物並びに2官能モノマー、最も好ましくはアリルアルコールのPO付加物及びジビニルベンゼンである。
<重合体微粒子(JR)>
本発明における重合体微粒子(JR)は、前記エチレン性不飽和化合物(E)を構成単量体として含む重合体微粒子である。
重合体微粒子(JR)のメジアン粒子径は、後述のポリオール組成物(X)の粘度およびフォーム硬度の観点から、好ましくは0.10〜10μmであり、さらに好ましくは0.15〜5.0μm、とくに好ましくは0.20〜3.0μmである。
本発明におけるメジアン粒子径(単位:μm)の測定は、以下の方法にて行う。
<メジアン径>
50mlのガラス製ビーカーにメタノール30mlを入れ、ポリオール組成物(X)を2mg投入し、長径2cm、短径0.5cmのスターラーピースを用いてマグネチックスターラーで400rpm×3分間撹拌、混合して均一液とする。混合後、5分間以内に測定セルに投入し、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置[型番:LA−750、(株)堀場製作所製]を用いて体積基準によるメジアン径を測定する。
重合体微粒子(JR)の形状は特に限定なく、球状、回転楕円体状及び平板状等いずれの形状でもよいが、ポリマーポリオールの粘度及びフォーム硬さの観点から、球状が好ましい。
<自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)>
本発明の自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)は、前記ポリオール(A)と、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単量体として含む重合体微粒子(JR)と、アクリロニトリルとを含有してなる組成物である。
なお、本発明において自己消火型とは、炎から離された後、消火する性質を意味する。
該組成物の重量に基づいて該アクリロニトリルの重量[以下において、含有量ともいう]は0.05〜30ppmであり、好ましくは0.10〜25ppm、とくに好ましくは0.50〜20ppmである。
該アクリロニトリルの重量が0.05ppm未満では、後述のポリウレタンフォームの耐熱性が不十分であり、30ppmを超えるとポリウレタンフォームの臭気が不快になる場合がある。
ポリウレタンフォームの耐熱性と臭気とは後述の方法により評価した。
上記アクリロニトリルの重量は、ポリオール組成物(X)をガスクロマトグラフィー法により測定して、アクリロニトリル(ACN)を定量することで算出できる。
本発明にポリオール組成物(X)は、例えば、ポリオール(A)を含む分散媒中で、エチレン性不飽和化合物(E)を重合させる製造方法により製造できる。
重合方法としては、ラジカル重合、配位アニオン重合、メタセシス重合及びディールス・アルダー重合等が挙げられるが、工業的な観点から好ましいのはラジカル重合である。
ラジカル重合は、種々の方法、例えば分散剤(B)を含むポリオール(A)中で、エチレン性不飽和化合物(E)をラジカル重合開始剤(KI)の存在下に重合させる方法(米国特許第3383351号等に記載の方法)等が使用できる。
ラジカル重合開始剤(KI)としては、遊離基を生成して重合を開始させる化合物が使用でき、アゾ化合物及び過酸化物等{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報等に記載のもの}が使用できる。また、(KI)の10時間半減期温度は、(E)の重合率及び重合時間とポリオール組成物(X)の生産性の観点から、30〜150℃が好ましく、さらに好ましくは40〜140℃、特に好ましくは50〜130℃である。
(KI)の使用量(重量%)は、(E)の合計重量に基づいて、(E)の重合度及び得られるポリウレタンフォームの物性(フォーム硬さ)の観点から好ましくは0.05〜20、さらに好ましくは0.1〜5、特に好ましくは0.2〜2である。
ラジカル重合開始剤(KI)はそのまま使用してもよいし、希釈溶剤(c)、分散剤(B)及び/又はポリオール(A)に溶解(又は分散)したものを使用してもよい。
分散剤(B)としては、Mnが1,000以上(好ましくは1,000〜10,000)の種々のもの、例えば、公知の分散剤(特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報等に記載のもの)等を使用することができ、(B)には、St又はACNと共重合し得るエチレン性不飽和基を有する反応性分散剤、及びSt又はACNとは共重合しない非反応性分散剤が含まれる。
なお本発明において、エチレン性不飽和基を含有する反応性分散剤はMn1,000以上であり、Mnが1,000未満のエチレン性不飽和モノマー(e)とは区別される。
分散剤(B)の使用量(重量%)は、ポリオール(A)の重量に基づいて、重合体微粒子(JR)の粒子径及びポリオール組成物(X)の粘度の観点から、2〜15が好ましく、さらに好ましくは5〜10である。この範囲であると本発明に用いるポリマーポリオールが得られやすい。
ラジカル重合においては、必要により希釈溶剤(c)を使用してもよい。(c)としては、芳香族炭化水素(C6〜10、例えばトルエン、キシレン);飽和脂肪族炭化水素(C5〜15、例えばヘキサン、ヘプタン、n−デカン);不飽和脂肪族炭化水素(C5〜30、例えばオクテン、ノネン、デセン);及びその他公知の溶剤(例えば特開2005−162791号公報等に記載のもの)等が使用できる。これらのうちポリマーポリオールの粘度の観点から好ましいのは芳香族炭化水素溶剤である。
希釈溶剤(c)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、ポリオール組成物(X)の粘度及びフォーム硬さの観点から、5〜50が好ましく、さらに好ましくは10〜40である。(c)は重合反応終了後にポリマーポリオール中に残存してもよいが、フォーム硬さの観点から重合反応後に減圧ストリッピング等により除去するのが望ましい。
また、ラジカル重合においては必要により連鎖移動剤(g)を使用してもよい。(g)としては脂肪族チオール(C1〜20、例えばn−ドデカンチオール、メルカプトエタノール)等種々の連鎖移動剤{特開2005−162791号公報、特開2004−002800号公報等に記載のもの}が使用できる。
連鎖移動剤(g)の使用量(重量%)は、エチレン性不飽和化合物(E)の合計重量に基づいて、ポリオール組成物(X)の粘度及び得られるフォーム硬さの観点から好ましくは0.01〜2、さらに好ましくは0.1〜1である。
重合工程としては、バッチ式及び連続式等といった公知{特開2005−162791号公報、特開平8−333508号公報、特開2004−002800号公報等に記載のもの}の工程からなる製造方法で製造できる。本発明に用いるポリマーポリオールを得る工程として、バッチ式重合法及び連続重合法が好ましく、(X)の粘度の観点から、好ましくは多段連続重合法である。
また、ポリオール組成物(X)の重量に基づく、アクリロニトリル(ACN)の含有量は、ポリオール組成物(X)を製造する任意の工程で調整でき、例えば以下の方法が挙げられる。
<1>アクリロニトリルを含むエチレン性不飽和化合物(E)用いて、ポリオール(A)の全部または一部を含む分散媒中で重合して、重合体微粒子(JR)を製造した後、減圧ストリッピング等により、アクリロニトリル(ACN)の含有量を調整して、必要により、ポリオール(A)の残りを加えて、ポリオール組成物(X)を得る方法。
<2>エチレン性不飽和化合物(E)を、ポリオール(A)の全部または一部を含む分散媒中を重合して、重合体微粒子(JR)を製造した後、必要により減圧ストリッピング等により、アクリロニトリル(ACN)を0.05ppm未満にして、これにアクリロニトリルを加え、さらに必要により、ポリオール(A)の残りを加えて、ポリオール組成物(X)を得る方法。
前記ポリオール(A)と重合体微粒子(JR)との重量比[(A)/(JR)]は、該(JR)の凝集防止およびフォーム物性の観点から、好ましくは50/50〜90/10、さらに好ましくは60/40〜80/20である。
なお、該重量比[(A)/(JR)]は、後述のポリオール組成物(X)中の重合体微粒子(JR)含有量(重量%)から、算出される。
<重合体粒子(JR)の含有量>
遠心分離用50ml遠沈管に、ポリオール組成物(X)約5gを精秤し、ポリマーポリオール重量(W1)とする。メタノール50gを加えて希釈する。冷却遠心分離機[型番:H−9R、コクサン(株)製]を用いて、18,000rpm×60分間、20℃にて遠心分離する。上澄み液をガラス製ピペットを用いて除去する。残留沈降物にメタノール50gを加えて希釈し、上記と同様に遠心分離して上澄み液を除去する操作を、さらに3回繰り返す。遠沈管内の残留沈降物を、3〜4kPaで80℃×3時間減圧乾燥し、乾燥した沈降物を重量測定し、該重量を(W2)とする。次式で算出した値を、重合体粒子含有量(重量%)とする。

重合体粒子含有量(重量%)=(W2)×100/(W1)
本発明の自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)は、ポリウレタンフォームの製造、とりわけ自動車座席用等のクッション材用に使用するポリオール成分として好適に使用できる。
<ポリウレタンフォーム(Z)>
本発明のポリウレタンフォーム(Z)は、前記ポリオール組成物(X)と、ポリイソシアネート(Y)とを含有してなるポリウレタン形成性組成物(Z0)が反応したものである。
すなわち、本発明のポリオール組成物(X)とポリイソシアネート(Y)とを含むポリウレタン形成性組成物(Z0)を、公知の方法{特開2004−263192号公報等に記載の方法}等で反応させてポリウレタンフォームを得ることができる。
ポリイソシアネート(Y)としては、従来からポリウレタンフォームの製造に使用されている公知のポリイソシアネート{特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報に記載のもの}が使用できる。
これらのうちでポリウレタンフォームの機械物性の観点から、2,4−及び2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI(TDIを精製した際の残留物);4,4'−及び2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI(MDIを精製した際の残留物)が好ましい。
ポリウレタンフォームの製造におけるNCO指数[NCO基と活性水素原子との当量比(NCO基/活性水素原子)×100]は、ポリウレタンフォームの機械物性の観点から適宜調整することができるが、80〜140が好ましく、さらに好ましくは85〜120、特に好ましくは95〜115である。
なお、ポリウレタン形成性組成物(Z0)には、必要に応じて、後述のウレタン化触媒、発泡剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
ポリウレタンフォームの製造に際しては反応を促進させるため、ウレタン化反応に使用される種々の触媒{特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報に記載のもの}を使用することができる。触媒の使用量は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて10重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.001〜5重量%である。
ポリウレタンフォームの製造に際し、発泡剤を使用できる。例えば、水、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、メチレンクロライド及び特開2006−152188号公報、特開2004−263192号公報に記載のものが挙げられる。
発泡剤の使用量はポリウレタンフォームの所望の密度により変えることができ、特に限定はされないが、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて、20重量%以下が好ましい。
ポリウレタンフォームを製造に際し、整泡剤を使用できる。整泡剤としては特開2005−162791号公報、特開2004−263192号公報等に記載のものが挙げられ、ポリウレタンフォーム中のセル径の均一性の観点から、シリコーン界面活性剤(例えばポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体)が好ましい。
整泡剤の使用量は、ポリウレタン形成性組成物の全重量に基づいて、5重量%以下が好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量%である。
ポリウレタンフォームの製造において、必要により反応遅延剤、着色剤、内部離型剤、老化防止剤、抗酸化剤、可塑剤、殺菌剤及び充填剤(カーボンブラックを含む)からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を使用できる。
本発明の自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)を用いたポリウレタンフォームが、臭気と耐熱性とに優れるのは、仮説であるが、特定量のアクリロニトリルが含有していることに起因していると推定される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。
実施例および比較例に使用した原料の組成、記号等は次の通りである。
(1)ポリオール
ポリオール(A−1):
グリセリンにプロピレンオキサイド(PO)を付加した後、エチレンオキサイド(EO)を付加して得られた、水酸基価=34、末端EO含量=14%のポリオール。
ポリオール(A−2):
ペンタエリスリトールにPO−EOの順にブロック付加させた、水酸基価=32、末端EO単位含量=14%のポリオール。
ポリオール(A−3):
グリセリンにPO−EOをランダム付加して得られた、水酸基価=56、EO含量=5%のポリオール。
(2)分散剤
分散剤(B−1):
ポリオール(A−2)0.14モルと2−ヒドロキシメタクリレート0.07モルをTDI0.16モルでジョイントして得られる水酸基価=20、不飽和基数/含窒素基数=0.22の反応性分散剤〔特開2002−308920号公報参照〕
分散剤(B−2):
ACNとStとの重量比がACN:St=70:30であるMwが600,000のACN−St共重合オリゴマー型非反応性分散剤{このオリゴマー型分散剤を含有量が10%となるようにポリオール(A−2)に混合して使用した。この混合物の水酸基価=29.0}
(3)ラジカル重合開始剤
ラジカル重合開始剤(K−1):1,1’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)〔
商品名「V−59」、和光純薬工業(株)製〕
(5)ウレタン化触媒
触媒A:
東ソー(株)製「TEDA−L33」(トリエチレンジアミン/ジプロピレングリコール=33/67(重量比)溶液)
触媒B:
東ソー(株)社製「TOYOCAT ET」(ビス(ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液)
触媒C:日東化成(株)社製「ネオスタン U−28」(スタナスオクトエート)
(6)整泡剤
整泡剤A:
EVONIK社製「TEGOSTAB B8737」
(7)ポリイソシアネート(Y)
イソシアネート(Y−1):
日本ポリウレタン工業(株)社製「CE−729」[TDI−80(2,4−及び2,6−TDI、2,4−体の比率が80%)/粗製MDI(平均官能基数:2.9)=80/20(重量比)]
<実施例1>
温度調節器、バキューム攪拌翼、滴下ポンプ、減圧装置、ジムロート冷却管、窒素流入口および流出口を備えた4口フラスコに、表1の初期仕込(部)にしたがって、ポリオール(A−1)300部、ポリオール(A−2)100部、及び分散剤(B−2)30.0部を投入し、窒素雰囲気下を1時間通気した。さらに、工業用窒素を通気しながら130℃に昇温した。
次に、表1のモノマー含有混合液(部)にしたがって、ポリオール(A−1)140部、ポリオール(A−2)140部、ACN245部、St105部、分散剤(B−2)30及びラジカル重合開始剤(K−1)3.0部のモノマー含有混合液を滴下ポンプを用いて25部/分の速度で連続的に滴下し、滴下終了後さらに130℃で30分重合させた。
その後、130℃減圧下で、2時間、脱溶剤を行い、アクリロニトリル(ACN)含有量が、検出限界(0.01ppm未満)であることを確認した。さらに室温に冷却し、ポリオール組成物(X0−1)を得た。
次に、表1にしたがって、容器に、ポリオール組成物(X0−1)50部、ポリオール(A−1)50部、アクリロニトリル(ACN)0.0001部を仕込んで、混合して、自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X−1)を得た。
該(X−1)中のアクリロニトリル(ACN)含有量は、ガスクロマトグラフィー法で定量したところ、1.0ppmであった。結果を表1に示す。
<実施例2〜6>
実施例1において、表1にしたがった以外は、実施例1と同様にして、各ポリオール組成物(X)を得た。結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、アクリロニトリル(ACN)0.0001部を仕込まなかった以外は、実施例1と同様にして、ポリオール組成物(比X−1)を得た。
該(比X−1)中のスチレン(St)含有量は、ガスクロマトグラフィー法で定量したところ、検出限界(0.01ppm未満)であった。結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、アクリロニトリル(ACN)0.0001部を0.004部にした以外は、実施例1と同様にして、ポリオール組成物(比X−2)を得た。
該(比X−1)中のアクリロニトリル(ACN)含有量は、ガスクロマトグラフィー法で定量したところ、40ppmであった。結果を表1に示す。
実施例11〜16、比較例11〜12
表2の発泡処方(部)したがって、ポリウレタン形成性組成物(Z0)を得て、下記の発泡条件により軟質ポリウレタンフォームを金型内で発泡してフォームを形成後、金型から取り出して、各ポリウレタンフォーム(P)を得た。24時間後のポリウレタンフォームについて、下記の評価方法により、評価を行った。結果を表2に示す。
<発泡条件>
金型SIZE:40cm×40cm×10cm(高さ)
金型温度:65℃
金型材質:アルミ
ミキシング方法:高圧ウレタン発泡機(ポリマーエンジニアリング社製)を用いて表2
に記載のポリオールプレミックスとイソシアネートとを15MPaで混合
(1)耐熱性(自己消火性の評価)
試験片(タテ35cm×ヨコ10cm×高さ2cm)を秤量した(W0)。この試験片を水平に保持し、試験片の下部の中心部分に、4cmの炎を15秒間接炎し、10分間、燃焼試験を実施した。試験後の試験片を秤量し(W1)、<残量(%)>を以下の基準で評価した。

<残量(%)>=[(W0)−(W1)]×100/(W0)

<評価基準>
◎:残量が70%以上
○:残量が50%以上、70%未満
△:残量が30%以上、50%未満
×:残量が30%未満
(2)臭気:
得られたポリウレタンフォームを20cm×20cm×5cmに裁断して、これを塩化ビニル製の袋[40cm×40cm]に入れた。さらに3リットルの空気を入れて、密閉した。2時間後、開封して、臭気について官能試験を行い、下記の評価基準で評価した。
<評価基準>
◎:不快な臭気がない
○:ほとんど不快な臭気がない
△:わずかに不快な臭気がする
×:不快な臭気が多い
(3)密度:
得られたポリウレタンフォームについて、JIS K6400に準拠して測定した(単位:kg/m3)。
(4)引張強度:
得られたポリウレタンフォームについて、JIS K6400に準拠して測定した(単位:kgf/cm2)。
Figure 2018158999
Figure 2018158999
表1〜2の結果から、本発明のポリオール組成物を用いたポリウレタンフォームは、比較のものと比べて、臭気と耐熱性とに優ることがわかる。
本発明の自己消火型ポリオール組成物(X)を用いたポリウレタンフォームは、臭気と耐熱性に優れる。該ポリウレタンフォームは、各種の幅広い用途に使用され、とくに車両座席用クッション材、その他の車両用内装材、家具用、寝具用、アパレル用、電気機器用、電子機器用、放送用等に好適に用いられるため、きわめて有用である。

Claims (5)

  1. ポリオール(A)と、エチレン性不飽和化合物(E)を構成単量体として含む重合体微粒子(JR)と、アクリロニトリルとを含有してなる組成物であって、該組成物の重量に基づいて該アクリロニトリルの重量が0.05〜30ppmである自己消火型ポリウレタンフォーム用ポリオール組成物(X)。
  2. 前記ポリオール(A)と重合体微粒子(JR)との重量比[(A)/(JR)]が50/50〜90/10である請求項1記載のポリオール組成物。
  3. 前記重合体微粒子(JR)のメジアン粒子径が0.1〜10μmである請求項1または2記載のポリオール組成物。
  4. エチレン性不飽和化合物(E)が、スチレンおよびアクリロニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種を前記(E)の重量に基づいて90重量%以上含有する請求項1〜3のいずれか記載のポリオール組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のポリオール組成物(X)と、ポリイソシアネート(Y)とを含有してなるポリウレタン形成性組成物(Z0)が反応したポリウレタンフォーム(Z)。
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