JP2018155679A - 時刻補正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】「PTP」未対応の通信機器を想定したシステムにおいて、時刻補正の精度向上を図る。【解決手段】マスター装置1とスレーブ装置2a,2bとの間におけるパケットの最小往復時間と実際に前記パケットが往復した伝送時間との時間差に基づき測定誤差を算出する。つぎにスレーブ装置2a,2bの内部時計4b、4cのクロックに対する調整量の記録に基づき最大調整量を取得する。取得した最大調整量に前回調整後の経過時間を乗じて推定精度を算出する。最後に推定精度と測定誤差とを比較し、推定精度より推定誤差が大きければ、その測定値はスレーブ装置2b,2cの時刻補正に使用されない。【選択図】図1

Description

本発明は、IEEE1588規格の「Precision Time Protocol」(以下、「PTP」とする。)における時刻補正方法に関する。
「PTP」による時刻同期は、装置間で時刻を配信することにより各装置の時刻を同期させている。この「PTP」における送受信の測定をハードウェアにより実施することで測定の高精度化が可能である。
また、装置間で「PTP」パケットを往復させることで、ネットワーク上のグランドマスタークロック(以下、「GM」とする。)などの基準時計と各装置の時計との時間差を算出し、算出された時間差に基づき時刻を補正する。
「PTP」の時刻同期は、例えばロボット間の時刻同期や継電器の時刻同期などに利用されている。特許文献1を一例に説明すれば、ターゲットを複数ロボットでトラッキングする際の時刻同期に「PTP」が利用されている。具体的には、まず複数ロボット群の各マスター装置を「GM」に時刻同期させ、つぎに時刻同期後のマスター装置に各ロボット群のスレーブ装置を時刻同期させている。
特開2014−211851
前述のように「PTP」の時刻同期の際、ネットワーク上の装置は「GM」と「PTP」パケットを往復させる通信を実行する。この往復の時間差に基づき正しい時間を算出して時刻を補正するが、これは往復時の伝送時間が等しいことを前提条件とする。
ここで「PTP」対応の通信機器がネットワークに使用されていれば、伝送時間の変動は補正されるものの、PTP未対応の通信機器では伝送時間の遅延した変動の「1/2」が測定誤差とされる。この誤差は時刻の進みの方向と時刻の遅れの方向にそれぞれ現れるため、該誤差の幅は伝送時間の差異に等しい。したがって、PTP対応の通信機器により前記誤差が補正されれば、時刻は正確となる。
しかしながら、「PTP」対応の通信機器のみでネットワークを構築できるとは限らず、通常は「PTP」未対応の通信機器の存在を想定して時計を調整している。この時計の調整方法としては、サーボ制御(「PID」制御)がよく使用されている。
すなわち、時計の調整にて誤差を含んだ制御を行うと大きく変動してしまうため、サーボ制御による「PID」制御の「P(比例)」を小さくして大きな外乱とならないようにする。これは時間をかけて平均化しているのと同じであり、時計調整に時間がかかるのが欠点である。また、「PTP」パケットの往路と帰路とで伝送時間の分布が不均一であれば、正しい時刻からずれた時刻となってしまう。
したがって、サーボ制御では、現在の時計の精度を算定することは困難であり、またサーボ制御のパラメータが適切だとしても正しい時間との誤差は最大変動の「1/2」とするしない。そうすると、正しい時刻に設定する観点からすれば、単純なサーボ制御では無理があり、特に高精度を要求されるシステムでは問題が生じるおそれがある。
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされ、「PTP」未対応の通信機器を想定したシステムにおいて、時刻補正の精度向上を図ることを解決課題としている。
本発明は、マスター側の装置とスレーブ側の装置との間でパケットを往復させ、該往復の時刻に基づき前記スレーブ側の装置の時刻を補正する方法に関する。
この方法は、前記パケットの最小往復時間と実際の前記パケットの往復時間との時間差に基づき測定誤差を算出する測定誤差算出ステップと、前記スレーブ側の装置の内部時計のクロックに対する調整量の記録に基づき最大調整量を取得し、取得した最大調整量と前回調整後の経過時間とに基づき推定精度を算出する推定精度算出ステップと、を有する。この推定精度算出ステップで算出された推定精度より測定誤差算出ステップで算出された測定誤差が大きければ、前記往復時間の測定値を前記スレーブ側の装置の時刻補正に使用しない。
前記測定誤差算出ステップの一態様としては、最小往復時間を(1)伝送路の距離と中継装置の段数とに基づく算出,(2)過去の往復時間の測定記録に基づく最小値の取得のいずれかにより求めることができる。
前記測定誤差算出ステップの一態様としては、{[測定誤差]=([往復時間]−[最小往復時間])/2}により前記測定誤差を算出することができる。また、推定精度算出ステップの一態様としては、{[推定精度]=[最大調整量]×[前回調整後の経過時間]}により前記推定精度を算出することができる。
本発明は、前記推定精度が事前設定の目標精度よりも悪ければ、精度異常を出力する出力ステップをさらに有していてもよい。また、前記推定精度算出ステップにおいて、前記調整量の記録を一定時間経過後に破棄することが好ましい。さ
本発明によれば、「PTP」未対応の通信機器を想定したシステムにおいて、時刻補正の精度向上を図ることができる。
本発明の実施形態に係る時刻補正方法を実行するIEEE1588規格の「PTP」のシステム構成図。 同 「PTP」パケット往復時の時間差の算出を示す説明図。 同 1秒間のクロックの調整量を示す説明図。 (a)は伝送路状況例1の「PTP」パケットの往復時間と経過時間とを示すグラフ、(b)は(a)の時間差を示すグラフ。 (a)は伝送路状況例2の「PTP」パケットの往復時間と経過時間とを示すグラフ、(b)は(a)の時間差を示すグラフ。 (a)は伝送路状況例3の「PTP」パケットの往復時間と経過時間とを示すグラフ、(b)は(a)の時間差を示すグラフ。 (a)は図5の伝送路状況例に本発明を適用した場合の「PTP」パケットの往復時間と経過時間とを示すグラフ、(b)は(a)の時間差を示すグラフ、(c)は(b)の時間経過後の状態を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態に係る時刻補正方法を説明する。この時刻補正方法は、「PTP」の時刻同期システムに適用される。この「PTP」によれば、ネットワーク上の装置は「GM」などの基準時計との時間差を得ることができ、該時間差が正確であれば装置内の内部時計の調整に適用できる。
ところが、実際は伝送路上を「PTP」パケットが往復する際に伝送時間の変動に影響され、正確な時間差を得ることは難しく、誤差を含んだ測定値となることが多い。この点を従来はサーボ制御としてのPID制御により対処していた。
本来、サーボ制御は、目標の出力結果を得るための正確な制御入力を算出できないときに出力結果の差異を求めて制御入力に戻して補正する制御である。しかしながら、「PTP」における目標の出力結果は時刻なため、これを進めるのも遅らせるのも時刻調整するだけであり、正確な制御入力は算出できる。
そうするとサーボ制御のようなフィードバック制御は不要となるが「PTP」により得られた時間差には伝送時間の変動による誤差を含むため、出力に反応してしまう。そこで、サーボ制御による応答性を緩やかにする必要が生じる。このとき出力(時間)に対して調整するのではなく、出力(時刻)を測定したときの誤差に対してサーボ制御をかけていることになる。
ここで「PTP」パケットの伝送時間が変動する点については、様々な原因が考えられるが、「PTP」未対応の通信機器(例えばスイッチングハブ)を使用すると受信した「PTP」パケットが内部のバッファに格納されるため、送信されるまでの時間に遅延が発生するおそれがある。
例えば「1Gbps」伝送路で「1000byte」のパケットが10個送信待ちならば、「80μsec」の遅延が発生する。このとき「PTP」における時間差の測定誤差は、その半分の「40μsec」となる(ただし、伝送負荷の状況により変動する。)。
このような測定誤差により時刻が変動することは好ましくないため、前述のようにサーボ制御(「PID」制御)により変動を抑えている。例えば比例にて時間差の「1/10」を適用すれば、瞬間的な伝送遅延の影響は「1/10」に抑制され、時間変動は小さくなる(ただし、測定された時間に一致するには時間を要する。)。
従来のサーボ制御でも測定された時間差において突出した数値は破棄する。あるいは平均化するなどの処理が行われている。しかし、これらの方法は精度を考慮しない処理であるため、瞬間的な異常には対応できても問題が解決するわけではない。
例えば伝送負荷が高く安定しているスイッチングハブの伝送遅延も安定し、「PTP」パケットの往復において特定の方向のみ伝送負荷が高いと時間差は偏った方向に安定してしまう。これは測定誤差を考慮しない点に問題がある。このような問題に前記時刻補正方法は対処する。
≪システム構成例≫
図1に基づき前記時刻同期システムの構成例を説明する。図1中の1は、「GM」に選定されたマスター側の装置(以下、「GM」とする。)を示している。また、2a,2bは、「GM」1と図示省略の中継装置(例えばスイッチングハブ,ルータなど)を介して接続された2台のスレーブ側の装置(以下、スレーブ装置とする。)を示している。
前記時刻同期システムによれば、「GM」1から各スレーブ装置2a,2bに「PTP」パケットが配信され、スレーブ装置2a,2bで時刻同期が実行される。図2に基づき概略を説明すれば、まず「GM」1は、スレーブ側の装置2a,2bに矢印Aの「Syncメッセージ(同期メッセージ)」を送信し、該送信の時刻t1を記憶する。このとき「GM」1は、時刻t1を含む図示省略の「Follow_upメッセージ(同期メッセージ)」をさらにスレーブ側の装置2a,2bに送信する。
つぎにスレーブ装置2a,2bは前記両メッセージを受信し、「Syncメッセージ」を受信した時間t2を記憶する。また、「Follow_upメッセージ」から時刻t1を抽出し、時刻t1を記憶する。さらにスレーブ装置2a,2bは、「GM」1に矢印Bの「Delay_reqメッセージ(遅延要求メッセージ)」を送信し、送信の時刻t3を記録する。
そして、「Delay_reqメッセージ」を「GM」1が受信すれば、受信の時刻t4を記憶する。また、「GM」1は、時刻t4を含む矢印Cの「Delay_Respメッセージ(遅延応答メッセージ)」をスレーブ装置2a,2bに送信する。ここまでを「PTP」パケットの1ステップとする。
ここで伝送時間「T1(行き)」と伝送時間「T2(帰り)」が同じであれば、スレーブ装置2a,2bの「GM」1との時間差は、「時間差={(t2−t1)−(t4−t3)}/2」で算出される。算出された時間差を使ってスレーブ装置2a,2bの時刻補正が行われる。
ただし、前記時刻補正方法によれば、「PTP」パケットの往復時間の測定値をスレーブ装置2a,2bの時刻補正(時計4b,4cの調整)に使用するか否かが判定される。以下、前記補正方法の具体的処理内容を説明する。
≪第1実施形態≫
第1実施形態の前記時刻補正方法は、「PTP」パケットの往復伝送時間の変化から[今回の測定誤差]を算出する測定誤差算出ステップと、クロック(時刻)の精度と「PTP」パケットの状態から[推定精度]を算出する推定精度算出ステップと、[推定精度]よりも[今回の測定誤差]が大きいか否かを判定する判定ステップとを有する。
(1)測定誤差算出ステップ
測定誤差算出ステップは、「PTP」パケットの最小往復時間と、実際に「PTP」パケットが往復した今回の伝送時間との時間差に基づき[今回の測定誤差]を算出する。
詳細を説明すれば、伝送負荷がなく最小の伝送時間のときが「PTP」パケットの往復時間について高精度の測定といえる。その反面、「PTP」パケットの往復にかかった時間が長いほど誤差を含んだ時間差といえる。この[今回の測定誤差]は、式1により算出される。
式1:[今回の測定誤差]=([今回の往復時間]−[最小往復時間])/2
この式1中の最小往復時間は、(A)伝送路の距離と中継装置の段数とに基づく算出方法,(B)過去の往復時間の測定記録に基づく取得方法のいずれかで求めることができる。
まず、伝送路の距離と中継装置の段数とに基づく算出方法を説明する。ここでは中継装置としてスイッチングハブが用いられているものとし、伝送路の長さとスイッチングハブの段数が固定であれば、式2により最小往復時間を算出することができる。
式2:[最小往復時間]={「距離」÷「光速」×0.7)}+{(「「PTP」パケットビット数」÷「伝送速度」)+α}×「HUB数」
(α:HUBのパケット転送における遅延時間)
一般にスイッチングハブは、パケットサイズを受信してから送信するため、パケットサイズ分の時間がかかる。また、伝送速度の「100%」で「PTP」パケットを転送するが、単発の転送では時間がかかる場合があるので、式2中は「α」にて調整する。なお、「PTP」対応のスイッチングハブを適用した区間は、遅延を補正するので「距離」による時間のみ加算する。また、「光速」は真空中の速度であるが、銅線や光ファイバーは「光速」の「0.7」倍の速度なため、それを乗じてある。
つぎに過去の往復時間の測定記録に基づく取得方法を説明する。すなわち、スレーブ装置2a,2bの記憶装置には、「PTP」パケットの過去の往復時間(図2中の「T1」+「T2」)が記録されている。
この記録中における過去の往復時間は、時計4b,4cが時計4aに時刻同期していなくとも[最小往復時間]よりも大きい値となる。ここでは過去の特定の期間、即ち前記記録中の特定期間において最小の測定値(往復時間)の半分を片道分の所要時間とし、該最小の測定値を最小往復時間とする。
ただし、過去の往復時間の測定記録に基づく取得方法は、確実ではなく、例えば伝送負荷が常に高い回線の場合などでは必ずしも正しい値にはならないため、手動で最小往復時間を設定可能な仕様とすることが好ましい。
(2)推定精度算出ステップ
推定精度算出ステップは、スレーブ装置2a,2bの内部時計4b,4cのクロックに対する調整量の記録に基づき最大調整量を取得し、取得した最大調整量に前回調整後の経過時間を乗じて推定精度を算出する
各内部時計4a〜4cの電子回路には、「1秒」の長さを調整するためのカウンタが存在する。ここで「PTP」時刻補正によれば、スレーブ装置2a,2bの内部時計4b,4cは前記カウンタを調整することにより、「1秒」の進む速度を増減させて時刻を「GM」1の内部時計4aに合わせている。
図3に基づき説明すれば、X1は、「GM」1の内部時計4aの「1秒」を示し、X2はスレーブ装置2a,2bの内部時計4b,4cの「1秒」を示している。ここでは水晶5b,5cの周波数が水晶5aよりも高いため、「X2<X1」が成立し、内部時計4b,4cは内部時計4aより1秒が短い。
このとき矢印Pの時刻同期においては、内部時計4aの1秒に合わせるため、内部時計4b,4cの「1秒」とするカウント値を増大させる。図2中のX3は、時刻同期で増大させた部分の時間(調整量)を示している。なお、X3のような過去の調整量はスレーブ装置2a,2bの記憶装置に記録しておくものとする。
ここで記録された記録データ中の調整量の変動に基づき最近の[最大調整量]を取得し、取得した[最大調整量]を推定精度、即ちクロック精度の推定に利用する。例えば30秒前の測定で「1秒」を「300nsec」短く調整し、20秒前の測定で「1秒」を「100nsec」長く調整し、その後に10秒前の測定で「1秒」を「200nsec」短く調整したとする。
この場合の調整量の変動は、30秒前〜20秒前までが「400nsec/10秒」の変化であり、20秒前〜10秒前までが「300nsec/10秒」の変化であり、[最大調整量]は「40nsec/sec」であり、1秒経過するごとに「40nsec/sec」ずれることになる。このとき[推定精度]は、式3により算出される。
式3:[推定精度]=([最大調整量]×[前回のPTP調整後の経過時間])
ここで式3中、[最大調整量]については「PTP」時刻補正前は算出できないので、スレーブ装置2a,2bの起動時は水晶5b,5cなどのデータシートによる最悪値を採用してもよい。また、高精度の測定が2回実施できれば、その時点での精度でクロックの進む速度の補正ができたと解釈できる。
これを繰り返し実施すると水晶5b,5bへの調整量の変動が求められる。その最大変動を推定誤差の傾きとして[最大調整量]とすることができる。ここで一般に水晶の精度は温度や電圧などの環境に依存するため、古いデータに基づく算出は好ましくない。
そこで、測定時にタイムアウトをセットしておき古いデータを破棄することが望ましい。なお、式3によれば、「PPT」時刻補正により時刻が補正された瞬間の[推定精度]は、そのときの[今回の測定誤差]に該当する。
(3)判定ステップ
判定ステップは、[推定精度]と[今回の測定誤差]とを比較し、[推定精度]よりも[今回の測定誤差]が大きいか否かを判定する。
この判定の結果、[推定精度]より[今回の測定誤差]が大きければ、今回の測定値(往復時間)は「PTP」時刻補正には使用しない。一方、[推定精度]より[今回の測定誤差]が大きくなければ、今回の測定値(往復時間)は「PTP」時刻補正に使用する。
例えばスイッチングハブで「1Gbps 1518byte」パケットの送信中に「PTP」パケットを受けたとき、「PTP」パケットに最大「12.1μsec」の遅延が発生したとする。
このとき[今回の測定誤差]は、{[今回の測定誤差]=([今回の往復時間]−[最小往復時間])/2=6.0μsec}と算出される。
また、この状態までの「PTP」補正の調整量としては、{[最大調整量]=40nsec/sec}とする。そうすると、前回の時刻調整から1秒経過した時点では、{[推定精度]<[今回の測定誤差]}の関係が成立するため、今回の測定値は「PTP」時刻補正には使用しない。
すなわち、この時点で「PTP」時刻補正に使用すれば測定誤差が大きく外乱となるだけであり、その後150秒経過すれば[測定精度]は「6.0μsec」を越える。このとき([今回の測定誤差]=6.0μsec)が成立していれば、該測定値は「PTP」時刻補正に使用できる。
このように前記時刻補正方法によれば、スレーブ装置2a,2bの内部時計4b,4cを調整する際に[推定精度]と[今回の測定誤差]とを比較し、「PTP」時刻補正に使用可能か否かが判定される(サーボ制御に適用する場合も同じ)。これにより前記時刻補正により以下の効果を得ることができる。
(A)伝送回線に遅延変動がなければ時刻を高速に同期できる。すなわち、サーボ制御による方法は、比例や積分を調整しても時刻が安定するまでに時間がかかる。これに対して前記時刻補正方法によれば、測定誤差を把握して「PTP」時刻補正を行うため、同じサーボ制御でも外乱を受けにくく、安定するまでの時間を短縮することができる。
(B)[推定精度]と[今回の測定誤差]との比較、言い換えれば現在の時刻誤差と測定誤差との比較の結果、測定誤差が小さいときだけ時刻補正する。これにより誤差の大きい測定値であっても外乱を受けにくくなる。また、時刻の変動が安定し、またサーボ制御の比例の項目を高く設定でき、応答性の向上が図られる。
(C)サーボ制御においてパラメータ設定が容易となる。すなわち、通常の方法では回線の特性に応じてパラメータを設定する必要があった。このとき遅延変動による外乱が多いとき比例は小さくする必要があるが応答性が悪い。
一方、比例を大きくすれば応答性は良いが変動が激しくなる。また、積分は目標値に調整できないオフセットを解消するためものであるが、強くかけると出力がふらつく現象が生じる。
このように伝送回線の特性に応じたパラメータを決めることは容易ではない。この点につき前記時刻補正方法によれば、[推定精度]と[今回の測定誤差]との比較結果の判定により誤差の大きい測定値を排除する。これにより従来よりも外乱を受けにくくパラメータの決定は容易となる。
(D)[推定精度]算出によれば、「GM」1の内部時計4aなどの基準と、スレーブ装置2a,2bの内部時計との差分を推定することができる。すなわち、サーボ制御は、測定された時間差により正しいと思われる時刻の方向に制御するにすぎない。
したがって、「PTP」の測定における誤差は認識できず、現在時刻の差分を把握することはできない。これに対して前記時刻補正方法によれば、「PTP」パケットの往復時間の記録に基づきクロックの変動量を抽出し、時刻の差分(最大調整量)が算出される。この点で時刻精度の向上に貢献でき、精度に制限が加えられたシステムに適切に対応することができる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態の前記時刻補正方方法は、[推定精度]が[目標精度]よりも悪ければ精度異常を出力する出力ステップが追加されている。
すなわち、時刻同期の精度が問題となるシステムでは、精度が保てないときに異常を出力してその対処を行うことが必要になる。そこで、第2実施形態では、[目標精度]を決めて[推定精度]がそれより劣るときに精度異常の信号を出力させている。この[目標精度]は、システムで必要とされる精度としてユーザにより事前に設定されていればよい。
そうすると精度異常の判定は、[目標精度]に左右され、たとえ伝送時間の変化があってもその変動よりも[目標精度]が大きく設定されて設定範囲内であれば異常とは判定されず、精度異常が出力されることはない。
一方、[目標精度]が高くなると「PTP」パケットの往復時間の変動は許容できなくなり、[推定精度]が[目標精度]を維持できる時間が短くなり易い。ここで精度異常が出力されれば、システムの仕様にしたがった異常処理が実行される。
したがって、第2実施形態の前記時刻補正方法によれば、スレーブ装置2a,2bの内部時計4b,4cの調整量から[推定精度]が算出され、ユーザが決めた[目標精度]よりも悪化していれば精度異常としての処理が実行される。
≪伝送遅延の変動による影響≫
以下、図4〜図7に基づき伝送遅延の変動に対する「PTP」時刻補正について説明する。ここで図4(a),図5(a),図6(a),図7(a)の縦軸は「PTP」パケットの往復時間(図2のT1+T2)を示し、横軸は経過時間を示している。この各図中の矢印Dは、伝送路にかかる往復時間(伝送路時間:光速の70%の伝送速度での時間)を示している。
図4(b),図5(b),図6(b),図7(b)(c)は、基準時計(「GM」1の内部時計4aなど)とスレーブ側の装置の内部時計との差分、即ち時刻の誤差の変動を示している。
(1)図4(a)の伝送路状況例1においては、「PTP」パケットの往復時間が伝送路時間にほぼ等しく、その精度は高い。その結果、図4(b)の矢印Fに示すように時間差は、ほぼ毎回「0」に近く、精度が高い。
ただし、矢印Eに示す1回だけ往復時間が長く、測定誤差が大きい。この測定値を使って「PTP」時刻補正を実行すると大きな変動を生じる。この場合には従来方法により該測定値は破棄されるため、伝送路遅延の変動は小さいが、時間経過により誤差は増大する。
(2)図5(a)の伝送路状況例2においては、矢印E1の「PTP」パケットの往復以降は伝送時間が増大し、[今回の測定誤差]の大きい状態が継続している。このとき従来方法では「PTP」時刻補正ができず、図5(b)の矢印F1に示すように時刻の誤差は増大していくこととなる。
(3)例えばPTP未対応の通信機器による伝送時間の増大は伝送負荷により発生する。そのため、図4,5に示すように伝送時間の増大が発生する場合もあれば、図6に示すように稀に高精度の測定が可能な状況もある。図6の場合、従来方法によれば、誤差の少ないときに「PTP」時刻補正を行うことができる。
(4)従来方法のように伝送時間が[最小の往復時間]に近いときしか時刻補正ができないと図5に示す状態となる。そこで、前記時刻補正方法は、[今回の測定誤差]が[推定精度]よりも小さくなったときに時刻補正を実施する。ここでは式3により時間が経過すれば、[推定精度]が増大するため、[今回の測定値]の値を越えたときに時刻補正が実行される。この点が図7に示されている。
図7(a)に示すように、図5と同様に矢印E3の「PTP」パケットの往復以降は伝送時間が増大し、[今回の測定誤差]の大きい状態を続いている。このとき図7(b)の矢印E4に示す「PTP」パケットの往復時には{[今回の測定誤差(A/2)]<[推定精度(B)]}が成立し、時刻補正が実施される。
ここでは時刻補正が施されたので、[推定精度(B)]は[今回の測定精度(A/2)]となり、図7(c)に示すように[推定精度]は[今回の測定誤差(A/2)]から時間経過により増大していく(同図中の「β」は該増加分を示している。)。
このように前記時刻補正方法によれば、「PTP」時刻補正において測定誤差の推定精度に対する大小に基づき時刻補正をするか否かが判定することにより、精度と安定性を得ることが可能となる。なお、時刻の精度は、伝送路における遅延時間の状況により定まる。
1…マスター側の装置(マスター装置)
2a,2b…スレーブ側の装置(スレーブ装置)
4a〜4c…内部時計
5a〜5c…水晶

Claims (6)

  1. マスター側の装置とスレーブ側の装置との間でパケットを往復させ、該往復の時刻に基づき前記スレーブ側の装置の時刻を補正する方法であって、
    前記パケットの最小往復時間と実際の前記パケットの往復時間との時間差に基づき測定誤差を算出する測定誤差算出ステップと、
    前記スレーブ側の装置の内部時計のクロックに対する調整量の記録に基づき最大調整量を取得し、取得した最大調整量と前回調整後の経過時間とに基づき推定精度を算出する推定精度算出ステップと、を有し、
    推定精度算出ステップで算出された推定精度より測定誤差算出ステップで算出された測定誤差が大きければ、
    前記往復時間の測定値を前記スレーブ側の装置の時刻補正に使用しないことを特徴とする時刻補正方法。
  2. 前記測定誤差算出ステップにおいて最小往復時間は、
    伝送路の距離と中継装置の段数とに基づく算出と、
    過去の往復時間の測定記録に基づく最小値の取得と、
    のいずれかにより求められることを特徴とする請求項1記載の時刻補正方法。
  3. 前記測定誤差算出ステップにおいて前記測定誤差は、
    [測定誤差]=([往復時間]−[最小往復時間])/2
    により算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の時刻補正方法。
  4. 推定精度算出ステップにおいて推定精度は、
    [推定精度]=[最大調整量]×[前回調整後の経過時間]
    により算出されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の時刻補正方法。
  5. 前記推定精度が事前設定の目標精度よりも悪ければ、精度異常を出力する出力ステップをさらに有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の時刻補正方法。
  6. 前記推定精度算出ステップにおいて、
    前記調整量の記録は一定時間経過後に破棄されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の時刻補正方法。
JP2017054088A 2017-03-21 2017-03-21 時刻補正方法 Active JP6834642B2 (ja)

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