JP2018155607A - 方位誤差検出方法および装置 - Google Patents

方位誤差検出方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018155607A
JP2018155607A JP2017052775A JP2017052775A JP2018155607A JP 2018155607 A JP2018155607 A JP 2018155607A JP 2017052775 A JP2017052775 A JP 2017052775A JP 2017052775 A JP2017052775 A JP 2017052775A JP 2018155607 A JP2018155607 A JP 2018155607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
azimuth
error
vehicle
regression
stationary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017052775A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6769898B2 (ja
Inventor
尭之 北村
Takayuki Kitamura
尭之 北村
直継 清水
Naotsugu Shimizu
直継 清水
鈴木 幸一郎
Koichiro Suzuki
幸一郎 鈴木
千晴 山野
Chiharu Yamano
千晴 山野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Denso IT Laboratory Inc
Original Assignee
Denso Corp
Denso IT Laboratory Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Denso IT Laboratory Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2017052775A priority Critical patent/JP6769898B2/ja
Publication of JP2018155607A publication Critical patent/JP2018155607A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6769898B2 publication Critical patent/JP6769898B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

【課題】車載レーダ装置の方位誤差を短時間で求める技術を提供する。【解決手段】S220では、自車両の直進時に、車載レーダ装置にて観測された反射点の方位および相対速度、並びに自車速の観測値を用いて、反射点のうち静止していると推定される静止点を抽出する。S230では、方位の観測値には実方位と方位誤差とが含まれるものとして、静止点のそれぞれについて、観測値に対する誤差が最小となる自車速、実方位、方位誤差の推定値を、最尤法を用いて求めることで、方位の観測値を、実方位および方位誤差に分離する。S240〜S330では、分離された実方位と方位誤差との関係を表す点の分布から、実方位と方位誤差との関係を表す回帰関数を求める。【選択図】図4

Description

本開示は、車載レーダ装置の方位誤差を検出する技術に関する。
車載レーダ装置をバンパ内に設置した場合、送信したレーダ波がパンパ内で多重反射することによって生じるアンテナの放射特性に乱れにより、物体が存在する方位の検出性能が劣化することが知られている。
これに対して、特許文献1には、レーダ波を反射した静止物との相対速度および反射波の到来方向の分布を求め、これを、自車両と静止物との相対速度と方位の関係を表す理論曲線と比較することによって方位誤差を求める技術が開示されている。
特開2016−121899号公報
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、特許文献1に記載の従来技術について、以下の課題を見出した。即ち、従来技術は、方位に対応づけられた周波数ビン毎に、収集されたデータと理論曲線との誤差を求める。このため、統計的な処理を実施したときに有意な結果が得られる程度のデータを、全ての周波数ビンについて収集する必要がある。従って、必要な精度の誤差が全方位にわたって求められるまでに多大な時間を要していた。
本開示は、車載レーダ装置の方位誤差を短時間で求める技術を提供する。
本開示の一態様による方位誤差検出方法は、第1のステップと、第2のステップと、第3のステップとを有する。
第1のステップでは、車載レーダ装置を搭載する車両である自車両の直進時に、車載レーダ装置にて観測された反射点の方位および相対速度、並びに自車両の車速である自車速の観測値を用いて、反射点のうち静止していると推定される静止点を抽出する。
第2のステップでは、方位の観測値には実方位と方位誤差とが含まれるものとして、第1のステップにて抽出された静止点のそれぞれについて、観測値に対する誤差が最小となる自車速、実方位、方位誤差の推定値を、最尤法を用いて求めることで、方位の観測値を、実方位および方位誤差に分離する。
第3のステップでは、第2のステップにて分離された実方位と方位誤差との関係を表す点の分布から、実方位と方位誤差との関係を表す回帰関数を求める。
このような方法によれば、方位の観測値を実方位と方位誤差とに分離し、その分離した実方位と方位誤差との関係を表す点の分布から、両者の関係を表す回帰関数を、全方位範囲に渡って一括して求めている。従って、個々の方位で検出されるデータが少なくても、有意な回帰関数を求めること、即ち、全方位に渡って方位誤差を求めることができる。
本開示の別の態様による方位誤差検出装置は、抽出部と、分離部と、回帰処理部とを備える。なお、抽出部は、上述した第1のステップの処理を実現し、分離部は、上述した第2のステップの処理を実現し、回帰処理部は、上述した第3のステップの処理を実現する。
このような構成によれば、上述の方位誤差検出方法を実施することで得られる効果と同様の効果を得ることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
車載レーダ装置の構成を示すブロック図である。 車載レーダの取り付け状態や観測モデルに関する説明図である。 メイン処理のフローチャートである。 学習処理のフローチャートである。 静止点の抽出方法を示す説明図である。 方位の観測値がばらつく様子をシミュレーションによって求めたグラフである。 静止点から生成した回帰関数を例示するグラフである。 静止点から他の手法で生成した回帰関数を例示するグラフである。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.構成]
車載レーダ装置1は、電磁波を透過する材料で構成されたバンパ内に設置して使用される。具体的には、図2に示すように、車載レーダ装置1は、車両の後側に設置されたバンパに、車両の進行方向に向かって右端付近に設置される。また、車載レーダ装置1は、水平面内における検知範囲の中心軸方向が車両の進行方向に対して所定角度φinstだけ傾いた状態で設置される。
車載レーダ装置1は、図1に示すように、アンテナ部2と送受信部3と信号処理部4とを備える。
アンテナ部2は、水平方向に一列に配置された複数のアンテナを備え、レーダ波として電磁波を送受信する。
送受信部3は、レーダ波として多周波連続波(以下、多周波CW)を、アンテナ部2を介して一定時間間隔で周期的に送受信する。送受信部3は、アンテナ部2を構成する各アンテナで受信される受信信号毎に、受信信号と送信信号との差の周波数成分からなるビート信号を生成する。送受信部3は、ビート信号をA/D変換し、そのA/D変換の結果として得られる受信データを信号処理部4に供給する。なお、多周波CWは、所定周波数(例えば、1MHz程度)ずつ周波数が異なるGHzオーダの複数の連続波からなる。
信号処理部4は、CPU41と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ(以下、メモリ42)と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。また、信号処理部4は、図示しない車載ローカルエリアネットワーク(以下、車載LAN)を介して、他の車載装置と通信可能に接続されている。
信号処理部4の各種機能は、CPU41が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ42が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、信号処理部4を構成するマイクロコンピュータの数は1つでも複数でもよい。
信号処理部4は、CPU41がプログラムを実行することでレーダ波を反射した物体を検出し、その物体に関する情報を生成するメイン処理を少なくとも実行する。信号処理部4の機能を実現する手法はソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の要素について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現してもよい。
メモリ42の一部は、車載レーダ装置1の電源をオフしてもメモリの内容が保持される不揮発性メモリで構成されている。この不揮発性メモリには、ビート信号を周波数解析することで得られる物体の方位である計測方位と、その計測方位での方位誤差との対応関係を表す方位補正テーブルが記憶されている。
[2.処理]
[2−1.メイン処理]
次に、信号処理部4が実行するメイン処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。本処理は、レーダ波を送受信する測定サイクル毎に起動する。
信号処理部4は、本処理が起動すると、S110にて、送受信部3がレーダ波を送受信することで得られるビート信号のサンプリングデータを取得する。ここで取得するサンプリングデータには、多周波CWの全ての送信周波数に関するサンプリングデータが含まれる。
S120では、サンプリングデータを周波数解析することにより、多周波CWの送信周波数毎かつアンテナ部2を構成するアンテナ毎に周波数スペクトルを算出する。ここでは、周波数解析として高速フーリエ変換を用いる。これにより得られる周波数スペクトルの周波数ビンは、レーダ波を反射した物体との相対速度を表す。
S130では、S120にて求められた周波数スペクトルに基づき、アンテナ毎に平均周波数スペクトルを算出する。
S140では、平均周波数スペクトルから、受信強度が予め設定された閾値以上となるピーク値が検出される周波数ビンを抽出し、その周波数ビン毎に、方位推定処理を実行する。方位推定処理は、MUSIC等の高分解能な推定処理が望ましいが、ビームフォーミング等を用いてもよい。
S150では、S140で推定された方位(以下、推定方位)を、メモリ42に記憶されている方位補正テーブルを用いて補正する。具体的には、推定方位をインデックスとして方位補正テーブルから方位誤差を取得し、推定方位に、その取得した方位誤差を加算することで補正する。以下では、補正結果を検出方位という。
S160では、平均周波数スペクトルにピークを発生させた各物体について、その物体との相対速度、その物体が存在する方位を少なくとも含んだ物体情報を生成する。生成した物体情報は、車載LANを介して、物体情報を利用する各車載装置に提供する。
S170では、先のS130およびS140での処理結果を用いて、方位誤差を学習し、方位補正テーブルを更新する学習処理を実行して本処理を終了する。
[2−2.学習処理]
S170で実行する学習処理について説明する前に、学習処理で使用する観測モデルについて説明する。以下では、車載レーダ装置1を搭載する車両を自車両、自車両の車速度を自車速という。
自車速、静止物の相対速度、静止物の方位に関する観測値は、(1)〜(3)式で表される。vは自車速、wは相対速度、φは車載レーダ装置1の中心軸を基準とした方位である。ハット等のない記号は真の値、ハット付きの記号は観測値、波形付きの記号は観測誤差を表す。観測誤差は、いずれも平均が0であり、既知の分散σ 、σ 、σφ を有するガウス分布に従うものとする。
つまり、いずれの観測値にも、観測誤差が含まれる。静止物の相対速度は、自車速と同じであるが、図2に示すように、観測されるのは検出方位に沿った成分である。観測される方位には、(3)式右辺の第2項に示すように、バンパでの多重反射等に基づく検出誤差であるバイアスエラーが含まれる。バイアスエラーは、方位φに依存して変化するため方位φを変数とする関数として表現される。以下で説明する学習処理では、ガウス過程(以下、GP)回帰により、S140で求められた推定方位(即ち、モデルでは方位の観測値)から推定方位に付加されるバイアスエラーを予測する回帰関数を求める。
学習処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。
信号処理部4は、本処理が起動すると、S210にて、予め設定された直進条件を充足しているか否かを判断する。直進条件を充足してなければ、本処理を終了し、直進条件を充足していれば、S220に移行する。なお、直進条件とは、自車両が直進中であるか否かを判断する条件である。具体的には、自車両の挙動を表すステアリング角等の情報から、直進中とみなせる状態が所定時間以上継続していること、自車両の前後所定範囲内における走行路の道路形状が直線とみなせること等を、直進条件として用いる。なお、判断の対象となるステアリング角の検出値や道路形状を表す地図情報は、例えば、車載LANを介して取得する。
S220では、S130およびS140にて検出されたレーダ波を反射した各反射点に関する情報に基づいて、静止物に関する反射点である静止点を抽出する。具体的には、図5のグラフに示された相対速度とから所定速度範囲(例えば、±5m/s)内に分布する反射点を静止点として抽出する。なお、図5のグラフは、ノイズのない理想的な条件で観測される静止物の見かけ上の相対速度と静止点の方位φとの関係、即ち(2)式から右辺第2項を除去した式が示す関係の理論値をグラフ化したものである。
S230では、S220にて抽出された静止点のそれぞれについて、最尤法を用いて、方位φの観測値を実方位xとバイアスエラーyとに分離する分離処理を実行する。具体的には、v,x,yを算出対象パラメータとして、(4)式に示すコスト関数Jが最小となる算出対象パラメータを求める。なお、式中のiは、静止点を識別するパラメータであり、分離処理は、静止点毎に実施されることを意味する。コスト関数Jは、算出対象パラメータのそれぞれについて求められる観測値との誤差を、全て加算したものである。
このようにして、全ての静止点に対して分離処理を実行した結果(v,x,y)を、静止点情報としてメモリ42に記憶する。
以下のS240〜S310では、静止点情報を用いて、実方位x=φとバイアスエラーy=f(φ)との関係を表す回帰関数を求める。
ここで、回帰関数の算出に使用する入力データモデルについて説明する。
静止点をPとし、分離処理によって分離された実方位をx、バイアスエラーをyiで表す。実方位xは(5)式で表され、真の方位zに観測ノイズが重畳されていることを表す。バイアスエラーyは(6)式で表され、真の方位zから回帰関数を用いて求められる真のバイアスエラーf(z)に、観測ノイズが重畳されていることを表す。但し、観測ノイズは、(7)式に示すように、平均0、分散D −1の正規分布に従うものとする。
但し、(7)式で用いられる分散D −1は、CRB推定誤差下限で与える。具体的な計算については、(8)(9)式で与える。
S240では、処理の繰り返し回数を表すパラメータであるkを1に初期化する。
S250では、S220にて抽出された複数の静止点の中からランダムに一つの静止点を選択する。以下では、選択された静止点を対象点Pという。iは静止点を識別するパラメータである。
S260では、対象点Pについてメモリ42に記憶されている実方位xに基づき、(10)(11)式に従って、真の方位についての第1方位候補c1と、第2方位候補c2とを生成する。即ち、ここでは、実方位xをそのまま第1方位候補c1とし、実方位xに、平均0、分散m(z,v)の正規分布に従ったノイズηを重畳したものを第2方位候補c2とする。なお、ノイズηは、上記正規分布に従った擬似乱数を発生させる乱数器を用い、乱数器が発生させた乱数をサンプリングすることで生成する。
S270では、(12)〜(14)式に示すいずれもN+1+M次元の候補ベクトルZ、方位ベクトルX、エラーベクトルYを用意する。
これらのベクトルは、メモリ42に記憶されているN個の静止点P〜Pの静止点情報(x,y)〜(x,y)、S260にて生成された第2方位候補c2、バイアスエラーを評価するために設けられたM個の評価点u〜uに基づいて生成する。但し、評価点u〜uは、車載レーダ装置1の検知対象となる方位範囲内に等角度間隔で並ぶよう設定される。方位ベクトルXおよびエラーベクトルYにおいて、第2方位候補c2と、評価点u〜uと表すM+1個の値の初期値は全て0に設定される。候補ベクトルZにおいて、評価点u〜uの初期値は全て0に設定され、2サイクル目以降の処理では、前サイクルで求められた値が設定される。以下では、候補ベクトルZの各要素を、z〜zN+1+Mで表すものとする。つまり、z〜zがx〜xに対応し、zN+1がc2に対応し、zN+2〜zN+1+Mがu〜uに対応する。
S280では、候補ベクトルZを用いて、(15)式に示すグラム行列Kを生成する。
(15)式において、K1はN行N列、k2はN行1列、K3はN行M列、k3は1行1列、k4はM行1列、K5はM行M列の行列を表す。(16)は、グラム行列Kにおけるp行q列の要素Kpqを求める算出式である。p,qは、それぞれ1〜N+1+Mの値をとる。要素z,zの値(即ち、方位)が同じであればKpq=1となり、両者の値(即ち、方位)が異なるほどKpqは小さな値となる。βは予め設定された定数である。
S290では、候補ベクトルZのそれぞれについて、(17)〜(20)式を用いて、真の方位zとバイアスエラーf(z)との関係を表す回帰関数Fを求めて、その結果をメモリ42に記憶する。
(17)式に示すように、回帰関数Fは平均μ、分散Vである正規分布に従う。このため、実際には、前記正規分布に従う擬似乱数を発生させる乱数器を用い、乱数器が発生させた乱数をサンプリングすることで、回帰関数FのM+1+M個の各要素を求める。なお、平均μは(18)式、分散Vは(19)式で求められる。但し、(19)式中のD22+は、(20)式で求められる。また、分散Vは、0に近い固有値を持つ場合が多いので、(21)式により求めてもよい。
S300では、S290で求めた回帰関数Fを用い、(22)式を用いて判定値αを求める。α>1であれば第2方位候補c2、1>α>0であれば第1方位候補c1のほうが真の値らしいことを表す。そして、(23)式に示すように、α>1のときには、α=1に値を制限する。
但し、尤度は(24)式、(24)式中のγは(25)式、遷移確率は(26)式で表される。尤度は、S290で求められた回帰関数Fを前提として、対象点Piの第j方位候補cj(j=1,2)が真の方位であると仮定した場合に、対象点Pi=(xi,yi)が観測点として得られる確率である。γは、対象点Piに対する方位候補cjのずれ量を表す。遷移確率は、方位c1から方位c2へ遷移する確率を表す。方位c2から方位c1に遷移する確率を表すq(c1|c2)は、(26)式において、c1とc2を入れ替えることで得られる。
S310では、S300で求めた評価値αを用いて、第1方位候補c1または第2方位候補c2のいずれかを選択する。具体的には、乱数発生器に0〜1の乱数を発生させ、その乱数が、評価値α以上であれば第1方位候補c1、評価値αより小さければ第2方位候補c2を選択する。そして、第2方位候補c2を選択した場合は、メモリ42に記憶されている対象点Piの実方位x(即ち、第1方位候補c1)を第2方位候補c2で更新する。
S320では、パラメータkをインクリメントする。
S330では、パラメータkが予め設定された繰返数NPmaxより大きいか否かを判断する。i≦NPmaxであればS250に戻り、i>NPmaxであればS340に移行する。但し、繰返数NPmaxは、例えば、処理に使用する静止点の数の数百倍〜数千倍の値に設定される。
S340では、最終的に得られた回帰関数Fに従って、メモリ42に記憶されている方位補正テーブルを更新して本処理を終了する。例えば、評価点u〜uの値を、そのまま方位補正テーブルとして用いることが考えられる。
なお、S290の処理がガウス過程回帰(即ち、GPR)を適用した処理であり、S250〜S280、S300〜S310が、マルコフ連鎖モンテカルロ(即ち、MCMC)法を適用した処理である。
本実施形態において、S220が第1のステップおよび抽出部、S230が第2のステップおよび分離部、S240〜S330が第3のステップおよび回帰処理部に相当する。また、信号処理部4が方位誤差検出装置に相当する。
[3.動作例]
図6は、真の(φ、f(φ))を与え、(2)式で表されるレーダ観測値を模擬し、最尤法を用いて求めた推定値(φ、f(φ))の分布を表す。図中の×印が真の(φ、f(φ))である。推定値は、バイアスエラーf(φ)が大きくなるほど実方位φのずれも大きくなるため、図に示すように、グラフ上の推定値は、×印を中心として斜めに傾いた楕円状の分布を有する。(11)式のηは、この分布を表現したものとなる。
図7は、シミュレーションに使用した50個の静止点のサンプルと、S250〜S310の処理を500回繰り返した時点で得られた回帰関数Fを実線で表す。また、実際の誤差関数を一点鎖線で表す。図中、回帰関数F上の*印は、個々の静止点の実方位を表す。図中、静止点のサンプルを起点とする点線は、そのサンプルから求められた実方位との対応関係を示すものである。
図7は、選択したサンプルにノイズを加えて回帰関数Fを算出する処理を、500回繰り返した結果であるが、繰り返し数を多くするほど、回帰関数Fは、実施の誤差関数に近づく。
[4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)車載レーダ装置1では、最尤法を用いて方位の観測値を実方位xとバイアスエラーyとに分離し、その分離した実方位xとバイアスエラーyとの関係を表す回帰関数を求めることで、観測値に含まれる方位誤差を定めている。従って、車載レーダ装置1によれば、少ない観測値から精度のよい回帰関数を短時間で求めることができる。
(2)車載レーダ装置1では、回帰関数の算出に、表現能力の大きいガウス過程回帰を用いているため、様々なタイプのバイアスエラーに柔軟に対応することができる。
(3)車載レーダ装置1では、マルコフ連鎖モンテカルロ法を適用し、観測値にランダムにノイズを付与して回帰関数の生成を繰り返すことで回帰関数を最適化するため、バイアスエラーとは別に観測値に重畳される観測誤差の影響が考慮された精度のよい回帰関数を求めることができる。
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(a)上記実施形態では、ガウス過程回帰とマルコフ連鎖モンテカルロ法とにより回帰関数を求めているが、これに限定されるものではなく、回帰関数を求める任意の手法を用いることができる。
(b)上記実施形態では、S250〜S310の処理を繰り返し、前回の処理結果を用いて回帰関数を更新し、所定回NPmaxだけ繰り返すことで最終的に得られた回帰関数を出力しているが、これに限定されるものではない。例えば、S250〜S310の処理を繰り返す毎に得られる回帰関数を逐次記憶しておき、NPmax個得られる回帰関数の平均を、最終的な回帰関数の出力としてもよい。この場合、図8に示すように、より少ない繰り返し回数で、実際の誤差関数により近似した回帰関数を得ることができる。
(c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(d)上述した信号処理部4により実現される方位誤差検出装置および方位誤差検出方法の他、当該方位誤差検出装置を構成要素とするシステム、当該方位誤差検出装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…車載レーダ装置、2…アンテナ部、3…送受信部、4…信号処理部、41…CPU、42…メモリ。

Claims (6)

  1. 車載レーダ装置の検出結果に含まれる方位誤差を検出する方位誤差検出方法であって、
    前記車載レーダ装置を搭載する車両である自車両の直進時に、前記車載レーダ装置にて観測された反射点の方位および相対速度、並びに前記自車両の車速である自車速の観測値を用いて、前記反射点のうち静止していると推定される静止点を抽出する第1のステップ(S220)と、
    前記方位の観測値には実方位と方位誤差とが含まれるものとして、前記第1のステップにて抽出された前記静止点のそれぞれについて、前記観測値に対する誤差が最小となる前記自車速、前記実方位、前記方位誤差の推定値を、最尤法を用いて求めることで、前記方位の観測値を、前記実方位および前記方位誤差に分離する第2のステップ(S230)と、
    前記第2のステップにて分離された前記実方位と前記方位誤差との関係を表す点の分布から、前記実方位と前記方位誤差との関係を表す回帰関数を求める第3のステップ(S240〜S330)と、
    を備える方位誤差検出方法。
  2. 車載レーダ装置の検出結果に含まれる方位誤差を検出する方位誤差検出装置であって、
    前記車載レーダ装置を搭載する車両である自車両の直進時に、前記車載レーダ装置にて観測された反射点の方位および相対速度、並びに前記自車両の車速である自車速の観測値を用いて、前記反射点のうち静止していると推定される静止点を抽出する抽出部(S220)と、
    前記方位の観測値には実方位と方位誤差とが含まれるものとして、前記抽出部にて抽出された前記静止点のそれぞれについて、前記観測値に対する誤差が最小となる前記自車速、前記実方位、前記方位誤差の推定値を、最尤法を用いて求めることで、前記方位の観測値を、前記実方位および前記方位誤差に分離する分離部(S230)と、
    前記分離部にて分離された前記実方位と前記方位誤差との関係を表す点の分布から、前記実方位と前記方位誤差との関係を表す回帰関数を求める回帰処理部(S240〜S330)と、
    を備える方位誤差検出装置。
  3. 前記回帰処理部は、前記回帰関数をガウス過程回帰により求める
    請求項2に記載の方位誤差検出装置。
  4. 前記回帰処理部は、マルコフ連鎖モンテカルロ法に従い、前記観測値にランダムにノイズを付与して前記回帰関数の生成を繰り返すことで、前記回帰関数を最適化する
    請求項2又は請求項3に記載の方位誤差検出装置。
  5. 前記回帰処理部は、繰り返し生成される回帰関数の平均を、最終的に出力する回帰関数とする、
    請求項4に記載の方位誤差検出装置。
  6. 前記抽出部は、前記静止点の方位と、該静止点の方位および前記自車速から求められる前記静止点の相対速度の理論値との関係を表すグラフを基準として予め設定された速度範囲内に分布する反射点を、前記静止点として抽出する、
    請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の方位誤差検出装置。
JP2017052775A 2017-03-17 2017-03-17 方位誤差検出方法および装置 Active JP6769898B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017052775A JP6769898B2 (ja) 2017-03-17 2017-03-17 方位誤差検出方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017052775A JP6769898B2 (ja) 2017-03-17 2017-03-17 方位誤差検出方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018155607A true JP2018155607A (ja) 2018-10-04
JP6769898B2 JP6769898B2 (ja) 2020-10-14

Family

ID=63717225

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017052775A Active JP6769898B2 (ja) 2017-03-17 2017-03-17 方位誤差検出方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6769898B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018194391A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社デンソー 方位誤差検出方法および装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007003395A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Mitsubishi Electric Corp 軸ずれ角推定装置および軸ずれ角推定方法
JP2007139690A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Mitsubishi Electric Corp レーダシステム
US20130218398A1 (en) * 2012-02-22 2013-08-22 GM Global Technology Operations LLC Method for determining object sensor misalignment
JP2014153256A (ja) * 2013-02-12 2014-08-25 Denso Corp 車載レーダ装置
JP2015525873A (ja) * 2012-06-28 2015-09-07 オートリブ ディベロップメント エービー 車両用レーダセンサのミスアライメント処理
JP2016121899A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 株式会社デンソー 方位誤差検出方法および装置、車載レーダ装置
JP2016156725A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社デンソー 搭載角度誤差検出方法および装置、車載レーダ装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007003395A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Mitsubishi Electric Corp 軸ずれ角推定装置および軸ずれ角推定方法
JP2007139690A (ja) * 2005-11-22 2007-06-07 Mitsubishi Electric Corp レーダシステム
US20130218398A1 (en) * 2012-02-22 2013-08-22 GM Global Technology Operations LLC Method for determining object sensor misalignment
JP2015525873A (ja) * 2012-06-28 2015-09-07 オートリブ ディベロップメント エービー 車両用レーダセンサのミスアライメント処理
JP2014153256A (ja) * 2013-02-12 2014-08-25 Denso Corp 車載レーダ装置
JP2016121899A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 株式会社デンソー 方位誤差検出方法および装置、車載レーダ装置
JP2016156725A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社デンソー 搭載角度誤差検出方法および装置、車載レーダ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018194391A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 株式会社デンソー 方位誤差検出方法および装置
JP7002860B2 (ja) 2017-05-16 2022-01-20 株式会社デンソー 方位誤差検出方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6769898B2 (ja) 2020-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6520203B2 (ja) 搭載角度誤差検出方法および装置、車載レーダ装置
JP5320792B2 (ja) 到来方向推定装置、到来方向推定方法および到来方向推定プログラム
JP6677408B2 (ja) 到来方向推定装置、到来方向推定方法、到来方向推定プログラム
JP6321464B2 (ja) レーダ装置
CN109581353B (zh) 一种基于汽车雷达的多目标跟踪方法及***
CN111521998B (zh) 用于去混叠和配置雷达***的深度学习
CN107110956B (zh) 使用了推定方位的方位误差检测方法以及装置、车载雷达装置
WO2014136754A1 (ja) 推定装置
JP2008096137A (ja) レーダ装置及び測角装置
JP6439728B2 (ja) 搭載角度学習装置
US10983195B2 (en) Object detection apparatus
JP6384018B2 (ja) 車載用レーダ装置
CN106662644B (zh) 用于检测至少一个对象相对于接收信号的接收器的速度和距离的方法及装置
CN104360346B (zh) 合成带宽雷达高分辨成像方法
CN107923967B (zh) 处理从目标反射的接收辐射
JP6769898B2 (ja) 方位誤差検出方法および装置
JP7160561B2 (ja) 方位演算装置及び方位演算方法
KR102099388B1 (ko) 안테나 어레이 외삽을 이용한 레이더 수신신호의 도착방향 추정 방법 및 장치
JP2020003333A (ja) 到来方向推定装置及び到来方向推定方法
JP6246024B2 (ja) レーダ信号処理装置
EP4006583A1 (en) Image change detection device and image change detection method
JP7002860B2 (ja) 方位誤差検出方法および装置
JP2021188943A (ja) レーダ装置
JP2021124422A (ja) 信号処理装置
CN114063005B (zh) 基于融合中心反馈信息的最大后验波达方向估计方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170529

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200924

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6769898

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250