JP2018152441A - 基板搬送装置、基板搬送方法および塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の下面を部分的に吸着保持しながらステージ上面から噴出される気体によってステージから浮上させた状態で搬送する基板搬送技術において吸着保持を確実に行い、基板搬送を良好に安定して行う。
【解決手段】ステージ上面から基板の下面に向けて気体を噴出することによって基板に浮力を付与する浮上ステージと、浮上ステージの上方に位置する基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドと、吸着パッドを浮上ステージに沿って走行させる走行機構とを有する搬送部と、ステージ上面から単位時間当たりに噴出される気体の流量である、噴出流量を制御する流量制御機構とを備え、流量制御機構は、吸着パッドで基板を吸着する際の噴出流量を、吸着前の噴出流量よりも低減させる。
【選択図】図7
【解決手段】ステージ上面から基板の下面に向けて気体を噴出することによって基板に浮力を付与する浮上ステージと、浮上ステージの上方に位置する基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドと、吸着パッドを浮上ステージに沿って走行させる走行機構とを有する搬送部と、ステージ上面から単位時間当たりに噴出される気体の流量である、噴出流量を制御する流量制御機構とを備え、流量制御機構は、吸着パッドで基板を吸着する際の噴出流量を、吸着前の噴出流量よりも低減させる。
【選択図】図7
Description
この発明は、基板の下面に向けて気体を噴出して前記基板に浮力を与える浮上ステージに沿って前記基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドを走行させて前記基板を搬送する基板搬送装置および基板搬送方法、ならびに上記基板搬送装置を装備する塗布装置に関するものである。なお、上記基板には、半導体基板、フォトマスク用基板、液晶表示用基板、有機EL表示用基板、プラズマ表示用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品等の製造工程では、基板の上面に塗布液を吐出して基板の上面を塗布する塗布装置が用いられている。例えば特許文献1に記載の塗布装置は、基板の下面に気体を吹き付けて基板をステージから浮上させた状態で当該基板を搬送しながらポンプによって塗布液をスリットノズルに送液してスリットノズルの吐出口から基板の表面に吐出して基板のほぼ全体に塗布液を塗布する。
この特許文献1に記載の装置では、基板を浮上させるためにステージの上面から気体が上方に向けて噴出されるとともに、当該ステージから浮上した状態で基板を搬送するために基板搬送チャックが設けられている。基板搬送チャックは、基板を吸着保持するチャック部と、チャック部をステージに沿って移動させるリニアモータとを有しており、下面がステージから非接触状態にある基板の両側端を吸着保持しながら基板を搬送方向に搬送する。なお、特許文献1にチャック部の具体的な構成は記載されていないが、例えば特許文献2に記載された吸着パッドをチャック部の本体に埋設したものを用いるのが一般的である。この吸着パッドは吸引ポンプによって空気を吸引する筒状のノズルであり、基板のエッジの下面を吸着して保持することが可能となっている。
しかしながら、浮上状態の基板の下面を吸着パッドにより吸着保持しようとした際に、吸着不良が生じることがある。というのも、基板の下面に対してステージ上面から気体が吹き付けられ、基板に対して上方に持ち上げる力が作用しているからである。また、基板の下面に吹き付けられた気体は下面に沿ってエッジ方向に流れ、基板の側端から基板外部にパージされる。このようにパージされる気体が吸着パッドに流れ込むため、吸着パッドにより基板のエッジの下面を効果的に吸着するのが難しくなることがあった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板の下面を部分的に吸着保持しながらステージ上面から噴出される気体によってステージから浮上させた状態で搬送する基板搬送技術において吸着保持を確実に行い、基板搬送を良好に安定して行うことを目的とする。
この発明の第1態様は、基板搬送装置であって、ステージ上面から基板の下面に向けて気体を噴出することによって基板に浮力を付与する浮上ステージと、浮上ステージの上方に位置する基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドと、吸着パッドを浮上ステージに沿って走行させる走行機構とを有する搬送部と、ステージ上面から単位時間当たりに噴出される気体の流量である、噴出流量を制御する流量制御機構とを備え、流量制御機構は、吸着パッドで基板を吸着する際の噴出流量を、吸着前の噴出流量よりも低減させることを特徴としている。
また、この発明の第2態様は、基板の下面に向けて気体を噴出して基板に浮力を与える浮上ステージに沿って基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドを走行させて基板を搬送する基板搬送方法であって、浮上ステージのステージ上面から気体を単位時間当たりに第1噴出流量で噴出して浮上ステージから基板を浮上させる第1工程と、浮上ステージから浮上している基板の下面と部分的に対向するように吸着パッドを基板の下方位置に位置決めする第2工程と、ステージ上面から気体を単位時間当たりに噴出する噴出流量を第1噴出流量よりも低い第2噴出流量に設定した状態で基板の下方位置に位置決めされた吸着パッドで基板の下面を部分的に吸着して保持する第3工程と、を備えることを特徴としている。
さらに、この発明の第3態様は、塗布装置であって、上記基板搬送装置と、基板搬送装置により搬送される基板の上面に塗布液を吐出して塗布するノズルとを備えることを特徴としている。
このように構成された発明では、吸着パッドが基板の下面を部分的に吸着して保持する際に、ステージ上面から単位時間当たりに噴出される気体の流量、つまり噴出流量が吸着前よりも低減される。このため、ステージ上面から噴出される気体により基板が持ち上げられる力が弱くなる。また、基板の側端から基板外部にパージされる気体の量が少なくなる。その結果、吸着パッドにより基板の下面が確実に吸着される。
以上のように、吸着パッドで基板を吸着する際の噴出流量(単位時間当たりにステージ上面から噴出される気体の流量)を吸着前よりも低減させているため、吸着パッドによる基板の吸着保持が確実なものとなり、基板搬送を良好に安定して行うことができる。
図1は本発明にかかる基板搬送装置の一実施形態を装備する塗布装置の全体構成を模式的に示す図である。この塗布装置1は、図1の左手側から右手側に向けて水平姿勢で搬送される基板Wの上面Wfに塗布液を塗布するスリットコータである。なお、以下の各図において装置各部の配置関係を明確にするために、基板Wの搬送方向を「X方向」とし、図1の左手側から右手側に向かう水平方向を「+X方向」と称し、逆方向を「−X方向」と称する。また、X方向と直交する水平方向Yのうち、装置の正面側を「−Y方向」と称するとともに、装置の背面側を「+Y方向」と称する。さらに、鉛直方向Zにおける上方向および下方向をそれぞれ「+Z方向」および「−Z方向」と称する。
まず図1を用いてこの塗布装置1の構成および動作の概要を説明し、その後で各部のより詳細な構造について説明する。なお、塗布装置1の基本的な構成や動作原理は、本願出願人が先に開示した特許第5346643号(特許文献1)に記載されたものと共通している。そこで、本明細書では、塗布装置1の各構成のうちこれらの公知文献に記載のものと同様の構成を適用可能なもの、およびこれらの文献の記載から構造を容易に理解することのできるものについては詳しい説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を主に説明することとする。
塗布装置1では、基板Wの搬送方向Dt(+X方向)に沿って、入力コンベア100、入力移載部2、浮上ステージ部3、出力移載部4、出力コンベア110がこの順に近接して配置されており、以下に詳述するように、これらにより略水平方向に延びる基板Wの搬送経路が形成されている。なお、以下の説明において基板Wの搬送方向Dtと関連付けて位置関係を示すとき、「基板Wの搬送方向Dtにおける上流側」を単に「上流側」と、また「基板Wの搬送方向Dtにおける下流側」を単に「下流側」と略することがある。この例では、ある基準位置から見て相対的に(−X)側が「上流側」、(+X)側が「下流側」に相当する。
処理対象である基板Wは図1の左手側から入力コンベア100に搬入される。入力コンベア100は、コロコンベア101と、これを回転駆動する回転駆動機構102とを備えており、コロコンベア101の回転により基板Wは水平姿勢で下流側、つまり(+X)方向に搬送される。入力移載部2は、コロコンベア21と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構22とを備えている。コロコンベア21が回転することで、基板Wはさらに(+X)方向に搬送される。また、コロコンベア21が昇降することで基板Wの鉛直方向位置が変更される。このように構成された入力移載部2により、基板Wは入力コンベア100から浮上ステージ部3に移載される。
浮上ステージ部3は、基板の搬送方向Dtに沿って3分割された平板状のステージを備える。すなわち、浮上ステージ部3は入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33を備えており、これらの各ステージの上面は互いに同一平面の一部をなしている。入口浮上ステージ31および出口浮上ステージ33のそれぞれの上面には浮上制御機構35から供給される圧縮空気を噴出する噴出孔がマトリクス状に多数設けられており、噴出される気流から付与される浮力により基板Wが浮上する。こうして基板Wの下面Wbがステージ上面から離間した状態で水平姿勢に支持される。基板Wの下面Wbとステージ上面との距離、つまり浮上量は、例えば10マイクロメートルないし500マイクロメートルとすることができる。
一方、塗布ステージ32の上面では、圧縮空気を噴出する噴出孔と、基板Wの下面Wbとステージ上面との間の空気を吸引する吸引孔とが交互に配置されている。浮上制御機構35が噴出孔からの圧縮空気の噴出量と吸引孔からの吸引量とを制御することにより、基板Wの下面Wbと塗布ステージ32の上面との距離が精密に制御される。これにより、塗布ステージ32の上方を通過する基板Wの上面Wfの鉛直方向位置が規定値に制御される。浮上ステージ部3の具体的構成としては、例えば特許第5346643号(特許文献1)に記載のものを適用可能である。
塗布ステージ32に対して出口浮上ステージ33が図1に示すように搬送方向(+X)に離間して並設され、両者の間には隙間領域CLが生じている。この隙間領域CLの鉛直下方に気体供給管6が配置され、浮上制御機構35からの圧縮空気の供給を受けて隙間領域CLに圧縮空気を噴出する。これによって、塗布ムラの発生を抑制している。この点については、浮上制御機構35の構成説明と併せて後で詳述する。
なお、入口浮上ステージ31には、図には現れていないリフトピンが配設されており、浮上ステージ部3にはこのリフトピンを昇降させるリフトピン駆動機構34が設けられている。
入力移載部2を介して浮上ステージ部3に搬入される基板Wは、コロコンベア21の回転により(+X)方向への推進力を付与されて、入口浮上ステージ31上に搬送される。入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33は基板Wを浮上状態に支持するが、基板Wを水平方向に移動させる機能を有していない。浮上ステージ部3における基板Wの搬送は、入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33の下方に配置された基板搬送部5により行われる。
基板搬送部5は、基板Wの下面周縁部に部分的に当接することで基板Wを下方から支持するチャック機構51と、チャック機構51上端の吸着部材(後の図3、図4、図5中の符号513)に設けられた吸着パッドおよび吸着溝(後の図5中の符号514、515)に負圧を与えて基板Wを吸着保持させる機能およびチャック機構51をX方向に往復走行させる機能を有する吸着・走行制御機構52とを備えている。チャック機構51が基板Wを保持した状態では、基板Wの下面Wbは浮上ステージ部3の各ステージの上面よりも高い位置に位置している。したがって、基板Wは、チャック機構51により周縁部を吸着保持されつつ、浮上ステージ部3から付与される浮力により全体として水平姿勢を維持する。なお、基板搬送部5の構成および動作については後で詳述する。
入力移載部2から浮上ステージ部3に搬入された基板Wをチャック機構51が保持し、この状態でチャック機構51が(+X)方向に移動することで、基板Wが入口浮上ステージ31の上方から塗布ステージ32の上方を経由して出口浮上ステージ33の上方へ搬送される。搬送された基板Wは、出口浮上ステージ33の(+X)側に配置された出力移載部4に受け渡される。
出力移載部4は、コロコンベア41と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構42とを備えている。コロコンベア41が回転することで、基板Wに(+X)方向への推進力が付与され、基板Wは搬送方向Dtに沿ってさらに搬送される。また、コロコンベア41が昇降することで基板Wの鉛直方向位置が変更される。そして、出力移載部4により、基板Wは出口浮上ステージ33の上方から出力コンベア110に移載される。
出力コンベア110は、コロコンベア111と、これを回転駆動する回転駆動機構112とを備えており、コロコンベア111の回転により基板Wはさらに(+X)方向に搬送され、最終的に塗布装置1外へと払い出される。なお、入力コンベア100および出力コンベア110は塗布装置1の構成の一部として設けられてもよいが、塗布装置1とは別体のものであってもよい。また例えば、塗布装置1の上流側に設けられる別ユニットの基板払い出し機構が入力コンベア100として用いられてもよい。また、塗布装置1の下流側に設けられる別ユニットの基板受け入れ機構が出力コンベア110として用いられてもよい。
このようにして搬送される基板Wの搬送経路上に、基板Wの上面Wfに塗布液を塗布するための塗布機構7が配置される。塗布機構7は、スリットノズルであるノズル71と、ノズル71に対しメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット75とを備えている。ノズル71には、図示しない塗布液供給部から塗布液が供給され、ノズル下部に下向きに開口する吐出口から塗布液が吐出される。
ノズル71は、位置決め機構73によりX方向およびZ方向に移動位置決め可能となっている。位置決め機構73により、ノズル71が塗布ステージ32の上方の塗布位置(点線で示される位置)に位置決めされる。塗布位置に位置決めされたノズルから塗布液が吐出されて、塗布ステージ32との間を搬送されてくる基板Wに塗布される。こうして基板Wへの塗布液の塗布が行われる。
メンテナンスユニット75は、ノズル71を洗浄するための洗浄液を貯留するバット751と、予備吐出ローラ752と、ノズルクリーナ753と、予備吐出ローラ752およびノズルクリーナ753の動作を制御するメンテナンス制御機構754とを備えている。メンテナンスユニット75の具体的構成としては、例えば特開2010−240550号公報に記載された構成を適用することが可能である。
ノズル71が予備吐出ローラ752の上方で吐出口が予備吐出ローラ752の上面に対向する位置(予備吐出位置)では、ノズル71の吐出口から予備吐出ローラ752の上面に対して塗布液が吐出される。ノズル71は、塗布位置へ位置決めされるのに先立って予備吐出位置に位置決めされ、吐出口から所定量の塗布液を吐出して予備吐出処理を実行する。このように塗布位置へ移動させる前のノズル71に予備吐出処理を行わせることにより、塗布位置での塗布液の吐出をその初期段階から安定させることができる。
メンテナンス制御機構754が予備吐出ローラ752を回転させることで、吐出された塗布液はバット751に貯留された洗浄液に混合されて回収される。また、ノズル71がノズルクリーナ753の上方位置(第1洗浄位置)にある状態では、ノズルクリーナ753が洗浄液を吐出しながらY方向に移動することにより、ノズル71の吐出口およびその周囲に付着した塗布液が洗い流される。
また、位置決め機構73は、ノズル71を第1洗浄位置よりも下方でノズル下端がバット751内に収容される位置(待機位置)に位置決めすることが可能である。ノズル71を用いた塗布処理が実行されないときには、ノズル71はこの待機位置に位置決めされる。なお、図示を省略しているが、待機位置に位置決めされたノズル71に対し吐出口における塗布液の乾燥を防止するための待機ポッドが配置されてもよい。
この他、塗布装置1には、装置各部の動作を制御するための制御ユニット9が設けられている。制御ユニット9は所定の制御プログラムや各種データを記憶する記憶手段、この制御プログラムを実行することで装置各部に所定の動作を実行させるCPUなどの演算手段、ユーザーや外部装置との情報交換を担うインターフェース手段などを備えている。
図2は塗布装置を鉛直上方から見た平面図である。また、図3は図2から塗布機構を取り外した平面図である。また、図4は図2のA−A線断面図である。さらに、図5は基板搬送部の構成を示す図である。以下、これらの図を参照しながら塗布装置1の具体的な機械的構成を説明する。幾つかの機構については特許第5346643号(特許文献1)の記載を参照することでより詳細な構造を理解することが可能である。なお、図2および図3においては入力コンベア100等が有するコロの記載が省略されている。また、図5の(b)および(c)欄は吸着部材の近傍領域Rの拡大斜視図である。
塗布機構7のノズルユニット70は、図2および図4に示すように架橋構造を有している。具体的には、ノズルユニット70は、浮上ステージ部3の上方でY方向に延びる梁部材731のY方向両端部を、基台10から上方に立設された1対の柱部材732,733で支持した構造を有している。柱部材732には例えばボールねじ機構により構成された昇降機構734が取り付けられており、昇降機構734により梁部材731の(+Y)側端部が昇降自在に支持されている。また、柱部材733には例えばボールねじ機構により構成された昇降機構735が取り付けられており、昇降機構735により梁部材731の(−Y)側端部が昇降自在に支持されている。制御ユニット9からの制御指令に応じて昇降機構734,735が連動することにより、梁部材731が水平姿勢のまま鉛直方向(Z方向)に移動する。
梁部材731の中央下部には、ノズル71が吐出口711を下向きにして取り付けられている。したがって、昇降機構734,735が作動することで、ノズル71のZ方向への移動が実現される。
柱部材732,733は基台10上においてX方向に移動可能に構成されている。具体的には、基台10の(+Y)側および(−Y)側端部上面のそれぞれに、X方向に延設された1対の走行ガイド81L,81Rが取り付けられており、柱部材732はその下部に取り付けられたスライダ736を介して(+Y)側の走行ガイド81Lに係合される。スライダ736は走行ガイド81Lに沿ってX方向に移動自在となっている。同様に、柱部材733はその下部に取り付けられたスライダ737を介して(−Y)側の走行ガイド81Rに係合され、X方向に移動自在となっている。
また、柱部材732,733はリニアモータ82L,82RによりX方向に移動される。具体的には、リニアモータ82L,82Rのマグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に沿って延設され、コイルモジュールが移動子として柱部材732,733それぞれの下部に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ82L,82Rが作動することで、ノズルユニット70全体がX方向に沿って移動する。これにより、ノズル71のX方向への移動が実現される。柱部材732,733のX方向位置については、スライダ736,737の近傍に設けられたリニアスケール83L,83Rにより検出可能である。
このように、昇降機構734,735が動作することによりノズル71がZ方向に移動し、リニアモータ82L,82Rが動作することによりノズル71がX方向に移動する。すなわち、制御ユニット9がこれらの機構を制御することにより、ノズル71の各停止位置(塗布位置、予備吐出位置等)への位置決めが実現される。したがって、昇降機構734,735、リニアモータ82L,82Rおよびこれらを制御する制御ユニット9等が一体として、図1の位置決め機構73として機能している。
メンテナンスユニット75は、バット751に予備吐出ローラ752およびノズルクリーナ753が収容された構造を有している。また、図示を省略しているが、メンテナンスユニット75には予備吐出ローラ752およびノズルクリーナ753を駆動するためのメンテナンス制御機構754が設けられている。バット751はY方向に延設された梁部材761により支持され、梁部材761の両端部が1対の柱部材762,763により支持されている。1対の柱部材762,763はY方向に延びるプレート764のY方向両端部に取り付けられている。
プレート764のY方向両端部の下方には、基台10上に1対の走行ガイド84L,84RがX方向に延設されている。プレート764のY方向両端部は、スライダ766,767を介して走行ガイド84L,84Rに係合されている。このため、メンテナンスユニット75が走行ガイド84L,84Rに沿ってX方向に移動可能となっている。プレート764の(−Y)方向端部の下方には、リニアモータ85が設けられている。リニアモータ85はプレート764の(+Y)方向端部の下方に設けられてもよく、Y方向両端部の下方にそれぞれ設けられてもよい。
リニアモータ85では、マグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に沿って延設され、コイルモジュールが移動子としてメンテナンスユニット75に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ85が作動することで、メンテナンスユニット75全体がX方向に沿って移動する。メンテナンスユニット75のX方向位置については、スライダ766,767の近傍に設けられたリニアスケール86により検出可能である。
次に基板搬送部5の構成および動作について図3、図4および図5を参照して説明する。基板搬送部5のチャック機構51は、XZ平面に関して互いに対称な形状を有しY方向に離隔配置された1対のチャック51L,51Rを備える。これらのうち(+Y)側に配置されたチャック51Lは、基台10にX方向に延設された走行ガイド87LによりX方向に走行可能に支持されている。具体的には、チャック51Lは、X方向に位置を異ならせて設けられた2つの水平なプレート部位と、これらのプレート部位を接続する接続部位とを有するベース部512を備えている。ベース部512の2つのプレート部位の下部にはそれぞれスライダ511が設けられ、スライダ511が走行ガイド87Lに係合されることで、ベース部512は走行ガイド87Lに沿ってX方向に走行可能になっている。
ベース部512の2つのプレート部位の上部には、上方に延びてその上端部に吸着部材513,513が設けられている。ベース部512が走行ガイド87Lに沿ってX方向に移動すると、これと一体的に2つの吸着部材513,513がX方向に移動する。なお、ベース部512の2つのプレート部位は互いに分離され、これらのプレート部位がX方向に一定の距離を保ちながら移動することで見かけ上一体のベース部として機能する構造であってもよい。この距離を基板の長さに応じて設定すれば、種々の長さの基板に対応することが可能となる。
チャック51Lは、リニアモータ88LによりX方向に移動可能となっている。すなわち、リニアモータ88Lのマグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に延設され、コイルモジュールが移動子としてチャック51Lの下部に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ88Lが作動することで、チャック51LがX方向に沿って移動する。チャック51LのX方向位置についてはリニアスケール89Lにより検出可能である。
(−Y)側に設けられたチャック51Rも同様に、2つのプレート部位および接続部位を有するベース部512と、吸着部材513,513とを備えている。ただし、その形状は、XZ平面に関してチャック51Lとは対称なものとなっている。各プレート部位はそれぞれスライダ511により走行ガイド87Rに係合される。また、チャック51Rは、リニアモータ88RによりX方向に移動可能となっている。すなわち、リニアモータ88Rのマグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に延設され、コイルモジュールが移動子としてチャック51Rの下部に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ88Rが作動することで、チャック51RがX方向に沿って移動する。チャック51RのX方向位置についてはリニアスケール89Rにより検出可能である。
制御ユニット9は、チャック51L,51RがX方向において常に同一位置となるように、これらの位置制御を行う。これにより、1対のチャック51L,51Rが見かけ上一体のチャック機構51として移動することになる。チャック51L,51Rを機械的に結合する場合に比べ、チャック機構51と浮上ステージ部3との干渉を容易に回避することが可能となる。
図3に示すように、4つの吸着部材513はそれぞれ、保持される基板Wの四隅に対応して配置される。すなわち、チャック51Lの2つの吸着部材513,513は、基板Wの(+Y)側周縁部であって搬送方向Dtにおける上流側端部と下流側端部とをそれぞれ保持する。一方、チャック51Rの2つの吸着部材513,513は、基板Wの(−Y)側周縁部であって搬送方向Dtにおける上流側端部と下流側端部とをそれぞれ保持する。具体的には、吸着部材513および吸着・走行制御機構52は以下のように構成されている。
各吸着部材513の上面は基板Wの下面Wbに対して部分的に当接する当接面513aとして機能する。この当接面513aの中央部には、図5の(b)欄および(c)欄に示すように、2つの開口が互いに離間して設けられている。各開口は吸着パッド514を埋設するための凹部513bの開口であり、当該開口を介して吸着パッド514の上端部が鉛直方向Zに進退自在となっている。すなわち、各吸着パッド514はゴム等の弾性素材で形成された筒状の部材であり、側部がいわゆる蛇腹状に仕上げられ、鉛直方向Zに伸縮自在となっている。また、当接面513aのうち上記開口を除く領域に複数個(本実施形態では6個)の吸着溝515が設けられている。
これらの吸着パッド514および吸着溝515は吸着・走行制御機構52に接続されており、制御ユニット9からの吸着指令に応じて基板Wを吸着して保持し、吸着解除指令に応じて基板Wの吸着を解除する。より詳しくは、図5に示すように、吸着・走行制御機構52は、塗布装置1を設置する工場に装備された負圧供給源から提供される負圧を吸着パッド514および吸着溝515に供給する機能を有している。なお負圧供給源の代わりに、塗布装置1に吸引ポンプを設け、これにより負圧供給を行うように構成してもよい。
負圧供給源に対しては2つの負圧供給系統52L、52Rが接続されている。負圧供給系統52Lは(+Y)側に配置されたチャック51Lに設けられた吸着パッド514および吸着溝515に負圧を供給するためのものであり、負圧供給系統52Rは(−Y)側に配置されたチャック51Rに設けられた吸着パッド514および吸着溝515に負圧を供給するためのものである。これらの負圧供給系統52L、52Rはいずれも手動レギュレータ521、エアオペレーションバルブ522および圧力計523を有している。各負圧供給系統52L、52Rでは、制御ユニット9からの吸着指令にしたがってエアオペレーションバルブ522が閉成されている間、吸着パッド514および吸着溝515を介した吸引は停止されており、吸着パッド514は、図5の(b)欄に示すように上端部に吸着口が当接面513aよりも上方に突出した状態となっている。また、同図の(c)欄に示すように、基板Wの下面Wbの一部が吸着パッド514の上端部に支持された状態で、制御ユニット9からの吸着指令にしたがってエアオペレーションバルブ522が開成されると、手動レギュレータ521で設定された圧力で吸着パッド514が吸引され、基板Wの下面Wbが部分的に吸着されるとともに吸着パッド514が基板Wを吸着したまま鉛直方向Zに収縮して吸着パッド514の上端部が凹部513b内に後退する。これによって、基板Wの下面Wbは吸着パッド514に吸着されたまま当接面513aに当接する。また、吸着パッド514の引き込みによって、吸着溝515の開口が確実に塞がれて吸着溝515による基板吸着が加わる。最終的には、2種類の吸着手段によって基板Wの四隅がチャック機構51により下方から吸着保持される。
図1および図4に示すように、チャック機構51は、浮上ステージ部3の各ステージ、すなわち入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33の上面よりも上方に基板Wの下面Wbを保持した状態で基板Wを搬送する。チャック機構51は、基板Wのうち各ステージ31,32,33と対向する中央部分よりもY方向において外側の周縁部の一部を保持するのみであるため、基板Wの中央部は周縁部に対し下方に撓むことになる。浮上ステージ部3は、このような基板Wの中央部に浮力を与えることで基板Wの鉛直方向位置を制御して水平姿勢に維持する機能を有する。
浮上ステージ部3の各ステージのうち出口浮上ステージ33については、その上面位置がチャック機構51の上面位置よりも低くなる下部位置と、上面位置がチャック機構51の上面位置よりも高くなる上部位置との間で昇降可能となっている。この目的のために、出口浮上ステージ33は昇降駆動機構36によって支持されている。
次に、浮上制御機構35の構成について図6を参照しつつ説明する。図6は浮上ステージ部および浮上制御機構の構成を示す図であり、同図では浮上ステージ部3については塗布ステージ32の全部と、入口浮上ステージ31および出口浮上ステージ33の一部分とを模式的に示している。
浮上制御機構35はコンプレッサなどの圧縮部351と温調ユニット352とを備え、圧縮部351により圧縮された空気を温調ユニット352で所定の温度に調整して浮上用の圧縮空気を生成する。この圧縮空気を流通させる配管353は3つに分岐され、それぞれ圧力制御部354を介して入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33に接続されている。3つの圧力制御部354はいずれも同一構成を有しており、制御ユニット9からの指令に応じた圧縮空気の圧力制御と圧縮空気の供給および停止の切替とを行う。
各圧力制御部354は、フィルタ354a、ニードル弁354b、流量計354c、圧力計354dおよびエアオペレーションバルブ354eを有している。例えば出口浮上ステージ33に対応して設けられた圧力制御部354では、制御ユニット9からの指令にしたがってエアオペレーションバルブ354eが開成されると、フィルタ354aを通って清浄化された圧縮空気がニードル弁354bにより圧力調節された後で流量計354c、圧力計354d、エアオペレーションバルブ354eを通過して出口浮上ステージ33に設けられた噴出孔331に圧送される。これによって、噴出孔331から温調された圧縮空気が所定の噴出流量で噴出し、その気体圧力によって基板Wを浮上させる。この点については、入口浮上ステージ31に対応して設けられた圧力制御部354においても同様である。なお、「噴出流量」とは、単位時間当たりに入口浮上ステージ31や出口浮上ステージ33から噴出される圧縮空気の流量を意味している。
塗布ステージ32に対応して設けられた圧力制御部354も上記と同様に、エアオペレーションバルブ354eの開成に対応して圧縮空気が塗布ステージ32に向けて圧送される。この塗布ステージ32では、噴出孔312、331よりも狭いピッチで複数の孔がマトリックス状に分散して設けられており、そのうちの半分が噴出孔321として上記圧縮空気の供給を受け、基板Wの下面Wbに向けて噴出する。
また、上記塗布雰囲気での圧力を安定させるために、残りの半分は吸引孔322として吸引配管355により吸引部356と接続されている。この吸引部356は、吸引手段としてのブロワ356aと、圧力計356bと、リリーフ弁356cとを備え、ブロワ356aによって得られる吸引圧力よりも吸引配管355を介して接続される吸引孔322内の圧力が高い場合に、リリーフ弁356cから吸引孔322および吸引配管355を介して空気を外部に放出することで、塗布雰囲気内の圧力を一定に保つための微調整を行うことができる。
次に、このように構成された塗布装置1による塗布処理について図7を参照しつつ説明する。本実施形態では、記憶手段に予め記憶されている制御プログラムにしたがって演算手段が装置各部を以下のように制御することで吸着部材513による基板Wの吸着保持の確実性を高めながら基板Wに対する塗布処理を実行する。
本実施形態では、塗布処理に使用されるノズル71を予備吐出位置に移動させて予備吐出処理を実行する。また、エアオペレーションバルブ354eを開成して浮上ステージ部3における圧縮空気の噴出を開始して搬入される基板Wを浮上させることができるように準備する。なお、図7では、発明内容の理解のために、入口浮上ステージ31のステージ上面31aから噴出される圧縮空気のみを点線矢印で示すとともに、その噴出流量を図示している。
次に、図7の(a)欄に示すように塗布装置1への基板Wの搬入を開始する。上流側の別の処理ユニット、搬送ロボット等により処理対象となる基板Wが入力コンベア100に載せられ、コロコンベア101が回転することで基板Wが(+X)方向に搬送される。このときノズル71は予備吐出位置で予備吐出処理を実行している。また、チャック機構51は入口浮上ステージ31よりも下流側に退避して位置決めされている。さらに、入口浮上ステージ31のステージ上面31aから圧縮空気が噴出流量FR1で噴出されている。
入力コンベア100と、コロコンベア21の上面が入力コンベア100のコロコンベア101と同じ高さ位置に位置決めされた入力移載部2とが協働することにより、基板Wは圧縮空気の噴出により基板Wに浮力を与える入口浮上ステージ31の上部まで搬送されてくる。このとき入口浮上ステージ31の上面はコロコンベア21の上面よりも下方にあり、基板Wは上流側端部(移動方向における後端部)がコロコンベア21に乗り上げた状態となっている。したがって入口浮上ステージ31上で基板Wが滑って移動することはない。
こうして基板Wが入口浮上ステージ31まで搬入された時点では、図7の(b)欄に示すように、噴出流量FR1の圧縮空気が基板Wの下面Wbに向けて吹き付けられて入口浮上ステージ31から浮上している。そして、入口浮上ステージ31に設けられたリフトピンがリフトピン駆動機構34によりその上端が入口浮上ステージ31の上面よりも上方に突出する上方位置に位置決めされる。これにより、基板W、より具体的にはリフトピンが当接する基板WのY方向両端部が持ち上げられる。
そして、チャック機構51が(−X)方向に移動し、図7の(c)欄に示すように、基板W直下の搬送開始位置まで移動してくる。基板WのY方向両端部がリフトピン311により持ち上げられているため、基板Wの下方に進入するチャック機構51が基板Wと接触することは回避される。この状態から、コロコンベア21およびリフトピン311がその上面がチャック機構51の上面よりも下方まで下降することにより、基板Wはチャック機構51に移載される。そして、チャック機構51は基板Wの周縁部を吸着保持する。
この移載吸着時に、本実施形態では、入口浮上ステージ31のステージ上面31aからの圧縮空気の噴出を一時的に停止して噴出流量FR2(=0)に低減している。すなわち、コロコンベア21およびリフトピン311の下降開始に同期して、浮上制御機構35のエアオペレーションバルブ354eが閉成して噴出流量をゼロに設定するとともに吸着・走行制御機構52のエアオペレーションバルブ522を開成して吸着パッド514および吸着溝515を介した吸引を開始する。これにより、圧縮空気が基板Wの下面Wbに吹き付けられておらず、コロコンベア21およびリフトピン311により支持された状態で基板Wが下降し、吸着パッド514による引き込み吸着および吸着溝515による吸着が開始される。このようにステージ上面31aから噴出される圧縮空気により基板Wが持ち上げられる力が作用せず、しかも基板Wの側端から基板外部にパージされる圧縮空気も存在しないため、吸着パッド514および吸着溝515により基板Wの下面Wbが確実に吸着され、チャック機構51に強固に保持される。
こうして基板吸着が完了すると、図7の(d)欄に示すように吸着パッド514および吸着溝515による基板吸着は継続されたまま浮上制御機構35のエアオペレーションバルブ354eが開成して圧縮空気の噴出流量FR3を元の噴出流量FR1に戻す。これ以後、基板Wはチャック機構51により周縁部を保持され、浮上ステージ部3により中央部が水平姿勢に維持された状態で搬送される。それに続いて、チャック機構51が(+X)方向に移動することで基板Wが塗布開始位置まで搬送される。また、これと並行してノズル71の予備吐出位置から塗布位置への移動位置決めが行われる。塗布開始位置は、基板Wの下流側(移動方向においては先頭側)の端部が塗布位置に位置決めされたノズル71の直下位置に来るような基板Wの位置である。なお、基板Wの端部は余白領域として塗布液が塗布されない場合が多く、このような場合には、基板Wの下流側端部がノズル71の直下位置から余白領域の長さだけ進んだ位置が塗布開始位置となる。
ノズル71が塗布位置に位置決めされると、以下のように塗布処理を実行する。すなわち、ノズル71の吐出口から吐出される塗布液が基板Wの上面Wfに着液する。また、チャック機構51が基板Wを定速で搬送することにより、ノズル71が基板Wの上面Wfに塗布液を塗布する塗布動作が実行され、基板上面Wfには塗布液による一定厚さの塗布膜が形成される。
塗布動作は、塗布を終了させるべき終了位置に基板Wが搬送されるまで継続され、基板Wが終了位置に到達すると、基板Wの搬送を一時的に停止し、ノズル71は塗布位置から離脱して予備吐出位置に戻される。その後で再び予備吐出処理が実行されるとともに、基板Wの搬送が再開される。このような基板搬送動作により塗布膜を担持する基板Wは塗布ステージ32の上方から出口浮上ステージ33の上方に搬送されていく。そして、基板Wの下流側端部が出力移載部4上に位置する搬送終了位置にチャック機構51が到達する時点で、チャック機構51の移動は停止され、吸着・走行制御機構52のエアオペレーションバルブ522を閉成して吸着パッド514および吸着溝515を介した吸引を停止し、これによって吸着保持が解除される。そして、出力移載部4のコロコンベア41の上昇および出口浮上ステージ33の上昇が順次開始される。
そして、コロコンベア41および出口浮上ステージ33がチャック機構51の上面よりも上方まで上昇することで、基板Wはチャック機構51から離間する。この状態でコロコンベア41が回転することで基板Wに対し(+X)方向への推進力が付与される。これにより基板Wが(+X)方向へ移動すると、コロコンベア41と出力コンベア110のコロコンベア111との協働により、基板Wはさらに(+X)方向に搬出され(ステップS21)、最終的に下流側ユニットに払い出される。処理すべき次の基板がある場合には上記と同様の処理を繰り返し、なければ処理を終了する。この時ノズル71は待機位置へ戻される。
以上のように、本実施形態では、吸着パッド514が基板Wの下面Wbを部分的に吸着して保持する際に、ステージ上面31aからの圧縮空気の噴出流量が吸着前の噴出流量FR1よりも低い噴出流量FR2(本実施形態ではゼロ)に設定される。このため、ステージ上面31aから噴出される圧縮空気による基板Wの持ち上げ力がなくなるとともに、基板Wの側端から基板外部にパージされる圧縮空気もなくなる。その結果、吸着パッド514により基板Wの下面Wbを確実に吸着し、さらに吸着パッド514の引き込み吸着が良好に行われることで基板Wの下面Wbと当接面513aとの隙間をなくして吸着溝515により基板Wをさらに強固に吸着保持することができる。その結果、基板搬送を良好に安定して行うことができる。
以上説明したように、この実施形態においては、入口浮上ステージ31および浮上制御機構35がそれぞれ本発明の「浮上ステージ」および「流量制御機構」の一例に相当している。また、圧縮空気が本発明の「気体」の一例に相当している。また、噴出流量FR1、FR2、FR3がそれぞれ本発明の「第1噴出流量」、「第2噴出流量」、「第3噴出流量」の一例に相当している。また、吸着・走行制御機構52が本発明の「走行機構」として機能し、当該吸着・走行制御機構52を含む基板搬送部5が本発明の「搬送部」の一例に相当し、さらに当該基板搬送部5および浮上ステージ部3の組み合わせが本発明の「基板搬送装置」の一例に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、吸着パッド514で基板Wを吸着する際に圧縮空気の噴出を停止させて噴出流量FR2をゼロに設定しているが、噴出流量FR2については、次の不等式
0<(噴出流量FR2)<(噴出流量FR1)
を満足するように設定してもよく、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
0<(噴出流量FR2)<(噴出流量FR1)
を満足するように設定してもよく、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、上記実施形態では、吸着パッド514および吸着溝515による基板Wの吸着が完了した後で噴出流量FR3を吸着前の噴出流量FR1に戻しているが、これに限定されるものではなく、吸着パッド514および吸着溝515により吸着保持された基板Wを浮上させることができる限りにおいて任意の値に設定することができる。
また、上記実施形態では、吸着パッド514以外に吸着溝515を設けているが、吸着パッド514のみにより基板Wを吸着保持するように構成してもよい。
本発明は、基板の下面に向けて気体を噴出して前記基板に浮力を与える浮上ステージに沿って前記基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドを走行させて前記基板を搬送する基板搬送技術全般に適用することができる。
1…塗布装置
3…浮上ステージ部(基板搬送装置)
5…基板搬送部(搬送部、基板搬送装置)
31…(入口)浮上ステージ
35…浮上制御機構(流量制御機構)
52…吸着・走行制御機構(走行機構、搬送部)
71…ノズル
W…基板
Wf…(基板の)上面
Wb…(基板の)下面
X…搬送方向
3…浮上ステージ部(基板搬送装置)
5…基板搬送部(搬送部、基板搬送装置)
31…(入口)浮上ステージ
35…浮上制御機構(流量制御機構)
52…吸着・走行制御機構(走行機構、搬送部)
71…ノズル
W…基板
Wf…(基板の)上面
Wb…(基板の)下面
X…搬送方向
Claims (8)
- ステージ上面から基板の下面に向けて気体を噴出することによって前記基板に浮力を付与する浮上ステージと、
前記浮上ステージの上方に位置する前記基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドと、前記吸着パッドを前記浮上ステージに沿って走行させる走行機構とを有する搬送部と、
前記ステージ上面から単位時間当たりに噴出される前記気体の流量である、噴出流量を制御する流量制御機構とを備え、
前記流量制御機構は、前記吸着パッドで前記基板を吸着する際の前記噴出流量を、吸着前の前記噴出流量よりも低減させることを特徴とする基板搬送装置。 - 請求項1に記載の基板搬送装置であって、
前記搬送部は、前記基板の下面と部分的に当接する当接面と、前記吸着パッドを埋設可能な凹部とが設けられた吸着部材を有し、
前記吸着パッドは前記凹部に埋設された状態で鉛直方向に伸縮自在に構成され、
前記吸着パッドの吸着口は吸着前に前記当接面よりも上方に突出する一方、前記基板の吸着により前記凹部内に後退する基板搬送装置。 - 請求項2に記載の基板搬送装置であって、
前記当接面には吸着溝が設けられ、
前記吸着溝は、前記吸着パッドの吸着口が前記凹部内に後退して前記当接面が前記基板の下面と当接したときに、前記基板の下面を吸着する基板搬送装置。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板搬送装置であって、
前記流量制御機構は、前記吸着パッドで前記基板を吸着する際に前記気体の噴出を停止して前記噴出流量をゼロにする基板搬送装置。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の基板搬送装置であって、
前記流量制御機構は、前記基板を吸着した前記吸着パッドを前記浮上ステージに沿って走行させる際の前記噴出流量を前記吸着パッドで前記基板を吸着する際の前記噴出流量よりも多くする基板搬送装置。 - 基板の下面に向けて気体を噴出して前記基板に浮力を与える浮上ステージに沿って前記基板の下面を部分的に吸着して保持する吸着パッドを走行させて前記基板を搬送する基板搬送方法であって、
前記浮上ステージのステージ上面から前記気体を単位時間当たりに第1噴出流量で噴出して前記浮上ステージから前記基板を浮上させる第1工程と、
前記浮上ステージから浮上している前記基板の下面と部分的に対向するように前記吸着パッドを前記基板の下方位置に位置決めする第2工程と、
前記ステージ上面から気体を単位時間当たりに噴出する噴出流量を前記第1噴出流量よりも低い第2噴出流量に設定した状態で前記基板の下方位置に位置決めされた前記吸着パッドで前記基板の下面を部分的に吸着して保持する第3工程と、
を備えることを特徴とする基板搬送方法。 - 請求項6に記載の基板搬送方法であって、
前記基板の下面を保持した前記吸着パッドを前記浮上ステージに沿って走行させる第4工程をさらに備え、
前記第4工程において前記ステージ上面からの前記気体の単位時間当たりの噴出流量は前記第2噴出流量よりも多い第3噴出流量である基板搬送方法。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の基板搬送装置と、
前記基板搬送装置により搬送される前記基板の上面に塗布液を吐出して塗布するノズルと
を備えることを特徴とする塗布装置。
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JP2017046888A JP2018152441A (ja) | 2017-03-13 | 2017-03-13 | 基板搬送装置、基板搬送方法および塗布装置 |
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JP2017046888A Pending JP2018152441A (ja) | 2017-03-13 | 2017-03-13 | 基板搬送装置、基板搬送方法および塗布装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109860080A (zh) * | 2018-12-28 | 2019-06-07 | 浙江中晶新能源有限公司 | 一种硅片的定位输送装置 |
CN117619596A (zh) * | 2022-08-24 | 2024-03-01 | 株式会社斯库林集团 | 涂布装置 |
-
2017
- 2017-03-13 JP JP2017046888A patent/JP2018152441A/ja active Pending
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