JP2018150994A - 振り子式制振ダンパの固定用部材、及び振り子式制振ダンパ - Google Patents

振り子式制振ダンパの固定用部材、及び振り子式制振ダンパ Download PDF

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Abstract

【課題】ロータと、ピンと、振り子との相対位置を、少なくともロータの径方向に位置決めし、それぞれの接触部に損傷が生じることを防止する振り子式制振ダンパの固定用部材、及び振り子式制振ダンパを提供する。【解決手段】振り子式制振ダンパ200の固定用部材100は、ロータ11の貫通孔13の対応位置で軸方向外側へ突出し、貫通孔13に係合する挿入突部37と、複数のピン27の対応位置でそれぞれ軸方向外側へ突出し、ピン27の軸方向端部に係合する複数のピン規制突起31と、質量体23の位置決め凹部47の対応位置でそれぞれ軸方向外側に突出し、位置決め凹部47に係合する複数の振り子規制突起3とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、振り子式制振ダンパの固定用部材、及び振り子式制振ダンパに関する。
一般に、エンジンを搭載した自動車においては、エンジンを駆動することにより、クランクシャフト、変速機のインプットシャフト、ドライブシャフト、あるいはこれらに取り付けられて一体に回転する部品を介して車輪が駆動される。しかし、エンジンを駆動する際に、エンジンの気筒数に応じた捩り振動がクランクシャフト等に伝達され、乗り心地の低下や変速機の異音発生等、多くの問題を引き起こすことが知られている。そこで、クランクシャフト等の回転体に取り付けて、回転体の捩り振動を吸収又は減衰するダイナミックダンパが多数提案されている。
例えば、図7に示す特許文献1に開示の振り子式制振ダンパ500は、ロータ501に、4つのおもりアッシ(振り子)503を備える。振り子503は、ロータ501を軸方向に挟んで連結された一対の振り子質量体505と、ピン(ころ)507と、不図示の質量体連結部材とを有する。一対の振り子質量体505は、質量体連結部材を介して連結要素509によって連結されることで、振り子503を構成する。
ロータ501に支持される振り子503は、それぞれロータ501の周方向に沿って往復動、すなわち、揺動可能となっている。一対の振り子質量体505には、その両端部に円弧状のトラック513が形成される。各トラック513にはピン507が挿入されて、トラック513の内周面がピン507の軌道面となる。ピン507は、トラック513の延在方向に移動可能となることで、振り子503が揺動可能となる。
独国特許出願公開第102011079729号明細書
しかしながら、振り子式制振ダンパ500は、エンジンからトランスミッションの間に設置されることが多く、エンジンの回転速度相当で回転駆動される。そのため、振り子503に作用する遠心力は、エンジンの回転速度の上昇に伴い、非常に大きくなる場合がある。その場合、振り子503は、ロータ501にピン507を介して支持されるため、ロータ501とピン507、ピン507と振り子503の接触部分の面圧が非常に高くなる。一般に、振り子式制振ダンパ500は、製造工場から自動車の組立工場に搬送されて車両へ組み付けられる。しかし、振り子式制振ダンパ500を搬送、保管する場合に、搬送時の振動や予期しない振動によってロータ501とピン507、ピン507と振り子503の接触部(軌道面等)に圧痕等の傷がつく虞がある。これらの接触部に傷がついた場合には、振り子式制振ダンパ500の寿命に大きく影響することになる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、ロータと、ピンと、振り子との相対位置を、少なくともロータの径方向に位置決めし、それぞれの接触部に損傷が生じることを防止する振り子式制振ダンパの固定用部材、及び振り子式制振ダンパを提供することにある。
本発明は下記構成からなる。
(1) 回転中心と同軸の貫通孔を有する円環板状のロータの外周縁部に、前記ロータの周方向へ往復動自在に支持される複数の振り子を備え、前記ロータの外周縁部に複数の前記振り子をそれぞれ支持する複数の支持孔が形成され、前記振り子は、前記支持孔に遊びを有して貫通されるピンと、前記ロータの軸方向外側に対面して配置され、前記ピンの軸方向端部が遊びを有して係合される凹溝及び少なくとも2つの位置決め凹部が形成された一対の質量体と、を有する振り子式制振ダンパにおいて、前記振り子式制振ダンパの軸方向両側に配置され、前記振り子を前記ロータに対して固定する振り子式制振ダンパの固定用部材であって、
前記固定用部材は、
前記ロータの前記貫通孔の対応位置で軸方向外側へ突出し、前記貫通孔に係合する挿入突部と、
複数の前記ピンの対応位置でそれぞれ軸方向外側へ突出し、前記ピンの軸方向端部に係合する複数のピン規制突起と、
前記質量体の前記位置決め凹部の対応位置でそれぞれ軸方向外側に突出し、前記位置決め凹部に係合する複数の振り子規制突起と、
を備える振り子式制振ダンパの固定用部材。
(2) 上記振り子式制振ダンパの固定用部材により、前記ロータ、前記ピン、及び前記振り子が位置決めされる前記振り子式制振ダンパ。
本発明によれば、ロータと、ピンと、振り子との相対位置を、固定用部材によって少なくともロータの径方向に位置決めし、それぞれの接触部に損傷が生じることを防止できる。これにより、振り子式制振ダンパの寿命の短縮を抑制できる。
第1構成例の固定用部材を振り子式制振ダンパと共に表した分解斜視図である。 (A)は図1に示した固定用部材の正面図、(B)は(A)のA−A線断面図である。 図1に示す振り子式制振ダンパを一対の固定用部材により固定した状態を示す正面図である。 図3のB−O−C線断面図である。 図4に示すB−O線断面に対応する要部拡大図である。 図4のC−O線断面に対応する要部拡大図である。 従来の振り子式制振ダンパの正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1構成例>
図1は第1構成例の固定用部材を振り子式制振ダンパと共に表した分解斜視図である。
本構成の振り子式制振ダンパの固定用部材100は、振り子式制振ダンパ200を搬送、保管する際に使用される。
固定用部材100の説明に先立ち、まず、振り子式制振ダンパ200の概略構成を説明する。振り子式制振ダンパ200は、駆動機械における回転振動、例えば、自動車のエンジン等の内燃機関で発生する定次数回転変動の低減に用いられる。
ロータ11は、回転中心と同軸の貫通孔13が中央部に形成された円環板状の部材からなる。ロータ11の内周側には、動力伝達用の複数の固定孔15が周方向に等間隔で配置される。ロータ11は、これらの固定孔15を介してフライホイール(図示略)等に同軸で固定される。また、ロータ11は、直径方向の両端側から径方向外側に突出する一対の脚部17A,17Bを有する。脚部17A,17Bは、動力伝達経路に設けられる弾性部材(図示略)に、ロータ11の円周方向で当接する。弾性部材としては、エンジンの振動と回転非周期性とを減衰して吸収する圧縮コイルバネが用いられる。
ロータ11の外周縁部には、複数の振り子19が周方向へ揺動自在に支持される。図示例では、一例として4個の振り子19を設けている。ロータ11には、各振り子19に対応して支持孔21(図4参照)が形成され、この支持孔21に振り子19が支持される。ロータ11に支持された振り子19は、それぞれロータ11の周方向に沿って往復動、すなわち、支持孔21を中心に揺動可能となる。
振り子19は、ロータ11の外周縁部の径方向外側に一対の質量体23が対面して配置され、一対の質量体23がロータ11の外周縁部を軸方向に挟んで構成される。一対の質量体23は、互いに円弧状の同一形状にされた板部材である。振り子19は、一対の質量体23が、連結要素(図示略)により板厚方向に重ね合わせた状態で連結される。例えば、一対の質量体23は、その対向面間にスペーサやカラー等が挟み込まれて、所定の一定間隔を有してリベット等の連結要素によって一体に固定される。
一対の質量体23には、円弧状に延設された複数(例えば2つ)の凹溝25が形成される。凹溝25は、質量体23を厚み方向に貫通する溝であるが、有底の凹溝であってもよい。各凹溝25には、ピン27が挿入される。ピン27は、凹溝25の延在方向に沿って移動可能に支持される。また、ピン27は、凹溝25内で僅かに径方向にも移動可能に、且つ軸方向にも僅かに移動可能な遊びを有して支持される。
一対の質量体23は、周方向に関して一対の凹溝25同士の間に、一対の位置決め凹部47が形成される。位置決め凹部47は貫通孔である以外にも、有底の凹部であってもよい。
質量体23の凹溝25の溝側面は、ピン27が転動する軌道面となる。また、ロータ11の支持孔21(図4参照)の内側面は、ピン27が転動する軌道面となる。つまり、ピン27は、凹溝25と支持孔21との間で転動可能に支持され、ロータ11とピン27、ピン27と振り子19は、それぞれ相対移動が可能となる。そのため、振り子式制振ダンパ200は、搬送時の振動や保管時における予期しない振動が及んだ場合に、ロータ11の半径方向に、ロータ11とピン27、ピン27と振り子19が衝接しやすい状態となっている。
次に、固定用部材100について説明する。
固定用部材100は、上記した振動が生じた場合に、振り子式制振ダンパ200の軌道面における傷つきを防止する。
図2(A)は図1に示した固定用部材100の正面図、(B)は(A)のA−A線断面図である。
一つの振り子式制振ダンパ200の固定には、振り子式制振ダンパ200を軸方向に挟んで配置される一対の固定用部材100が使用される。それぞれの固定用部材100は、ロータ11の外周面と略同一外径の円板状本体35と、円板状本体35の軸方向端面に形成されたピン規制突起31及び振り子規制突起33と、円板状本体35の径方向内側のボス部40と、を有する。
固定用部材100の材質としては、振り子19やピン27が接触しても損傷せず、軽いものがよく、例えば、樹脂材料とすることができる。固定用部材100を樹脂材料により構成することで、一体成形により、円板状本体35、ピン規制突起31、振り子規制突起33、ボス部40等の形状を高精度に製作できる。
固定用部材100のボス部40は、円板状本体35の一方の軸方向端面側(図2(B)の左側)に、円筒状の挿入突部37が同軸で形成される。
挿入突部37の基端側には、挿入突部37の外径よりも大径の環状挟持部41が同軸で形成される。環状挟持部41は、円板状本体35の軸方向両端面にそれぞれ形成され、円板状本体35の軸方向端面から軸方向に突出した圧肉部として形成される。環状挟持部41の環状の軸方向端面は、平坦面とされている。挿入突部37が形成される側と反対の他方の軸方向端面側には、環状の嵌入溝43が同軸で形成される。嵌入溝43の内径は、挿入突部37の外径と略等しくされる。
図3は図1に示す振り子式制振ダンパ200を一対の固定用部材100により固定した状態を示す正面図、図4は図3のB−O−C線断面図である。
上記ボス部40の構成により、図4に示すように、同形状である一対の固定用部材100は、一方の固定用部材100の挿入突部37を、振り子式制振ダンパ200のロータ11に形成された貫通孔13に挿入し、貫通孔13を貫通した挿入突部37を、他方の固定用部材100の嵌入溝43に嵌入することで、振り子式制振ダンパ200を挟み込むことができる。
すなわち、挿入突部37と嵌入溝43とは、固定用部材100を重ね合わせた際に、相互に対応して配置されたインロー構造となる。これにより、ロータ11の内周側の周縁部を、一対の固定用部材100の環状挟持部41間に挟持できるようになっている。
一対の固定用部材100は、円板状本体35の軸方向両端面からピン規制突起31が軸方向外側に向けて突出して設けられる。ピン規制突起31は、それぞれの振り子19に設けられたピン27の配置位置と同じ位置となる対応位置に設けられる。つまり、ピン27と、これに対応するピン規制突起31とが同軸に配置される。本構成の振り子式制振ダンパ200は、4つの振り子19を備え、それぞれの振り子19が2つのピン27を有する。したがって、固定用部材100の円板状本体35の軸方向両端面には、それぞれ8つのピン規制突起31が突設される。
また、一対の固定用部材100は、円板状本体35の軸方向両端面から振り子規制突起33が突出される。振り子規制突起33は、それぞれの振り子19に設けられた位置決め凹部47の配置位置と同じ位置となる対応位置に設けられる。つまり、位置決め凹部47と、これに対応する振り子規制突起33とが同軸に配置される。本構成の振り子式制振ダンパ200は、4つの振り子19を備え、それぞれの振り子19に2つの位置決め凹部47が設けられる。したがって、固定用部材100の円板状本体35の軸方向両端面には、それぞれ8つの振り子規制突起33が突設される。
振り子19のピン27の両端面には、ピン端面凹部45が形成される。ピン規制突起31は、対応するピン27のピン端面凹部45に嵌入される。これにより、ピン規制突起31は、ピン27の径方向位置を決定し、ピン27の径方向の移動を規制する。なお、ピン27は、ロータ11に形成された支持孔21の内周面に径方向で接触しないように配置される。
また、振り子19の質量体23の外側面には、前述したように位置決め凹部47が形成される。振り子規制突起33は、対応する位置決め凹部47に嵌入される。これにより、振り子規制突起33は、振り子19の径方向位置を決定し、振り子19の径方向の移動を規制する。なお、質量体23は、軌道面となる凹溝25の内周面が径方向でピン27の外周面に接触しないように配置される。
上記構成の固定用部材100によれば、一対の固定用部材100が、図1の左右方向を上下方向として、双方の固定用部材100の間に振り子式制振ダンパ200を挟んだ状態で、振り子式制振ダンパ200が搬送、保管される。上下の固定用部材100に挟まれた振り子式制振ダンパ200は、径方向内側の貫通孔13の周縁部が、上下一対の固定用部材100の環状挟持部41における軸方向端面に挟まれる。
また、振り子19のピン27は、両端面のピン端面凹部45に、上下の固定用部材100から突出するピン規制突起31が嵌入される。更に、振り子19は、質量体23の位置決め凹部47に、上下の固定用部材100から突出する振り子規制突起33が嵌入される。これにより、振り子式制振ダンパ200は、ロータ11、ピン27、及び振り子19を径方向に固定でき、軌道面等を部材同士の接触から確実に保護できる。
なお、固定用部材100は、ピン規制突起31、振り子規制突起33を、円板状本体35の軸方向両端面から軸方向外側に向けて突出させた構造とすることが望ましい。このような固定用部材100であれば、同形状の固定用部材100を、下層より固定用部材100、振り子式制振ダンパ200、固定用部材100、振り子式制振ダンパ200、固定用部材100、という順で、多段に積層することができる。その結果、振り子式制振ダンパ200の固定作業や、部品管理を容易に実施でき、積層作業をロボット等により容易に自動化できる。また、固定用部材100は、一部の振り子式制振ダンパ200の固定に必要な一対のものが同形状であるので、固定用部材100の製造コストを安価にできる。しかも、上下で固定用部材を区別することなく、作業が煩雑とならない。
また、図1の固定用部材100を、図示通りの左右方向に並べて、双方の間に振り子式制振ダンパ200を挟んだ状態で、搬送、保管することもできる。その場合には、軸方向に並ぶ固定用部材100が抜け落ちないように、固定部材同士を固定する。この固定には、例えば、固定用部材100同士を固定するクリップや、バンドを用いることができる。
本構成の固定用部材100によれば、一方の固定用部材100の挿入突部37をロータ11の貫通孔13に挿入し、貫通孔13を貫通した挿入突部37を、他方の固定用部材100の嵌入溝43に嵌入する。これにより、ロータ11の径方向内側の周縁部を、一対の固定用部材100の環状挟持部41で挟み込み、一対の固定用部材100と振り子式制振ダンパ200とを、簡単に同軸で固定できる。
一対の固定用部材100と一体に固定されたロータ11は、振り子19を貫通して取り付けたピン27のピン端面凹部45に、固定用部材100から突出したピン規制突起31が嵌入される。ピン規制突起31は、ピン27をロータ11に対して径方向に位置決めするため、ロータ11とピン27は、振動による径方向の接触が防止される。
ピン27に対して質量体23が相対移動可能に係合している振り子19は、位置決め凹部47に、固定用部材100から突出した振り子規制突起33が嵌入される。振り子規制突起33は、振り子19をロータ11に対して径方向に位置決めされるため、振り子19とピン27は、振動による径方向の接触が防止される。
したがって、ロータ11とピン27、ピン27と振り子19は、共に振動による径方向の接触が防止される。その結果、ピン27は、ロータ11の支持孔21の内周に接触しなくなる。また、振り子19は、ピン27の外周に質量体23の凹溝25の内周が接触しなくなる。
よって、搬送時や保管時に振動を受けても、ロータ11とピン27、ピン27と振り子19の各接触部に損傷を与えることがない。これにより、振り子式制振ダンパ200の寿命の短縮を抑制できる。
<第2構成例>
次に、固定用部材の第2構成例を説明する。
図5は図4に示すB−O線断面に対応する要部拡大図である。
固定用部材100Aは、第1構成例のように、ピン27と質量体23を径方向に固定して、振り子式制振ダンパ200の軌道面等を保護できるが、振り子19とロータ11の軸方向に関する接触を防ぎたい場合は、ロータ11と固定用部材100Aの配置を、次に示す所定の寸法関係にする。
一対の固定用部材100A間の軸方向距離をW、振り子19の軸方向厚さをT、ロータ11と質量体23との軸方向隙間をCとしたとき、(W−T)<Cを満たすようにする。一対の固定部材間の軸方向距離Wと振り子19の軸方向厚さTとの差は、軸方向間隙dとなる。つまり、d<Cとなる。これにより、固定用部材100Aは、一対の質量体23がロータ11に接触することはない。
この固定用部材100Aにおいては、一対の固定用部材100間の軸方向距離Wと振り子19の軸方向厚さTの差である軸方向間隙dを、ロータ11と質量体23との軸方向隙間Cよりも小さく設定することにより、振り子19とロータ11との軸方向の接触を確実に防止できる。
また、固定用部材100Aは、一対の固定用部材100Aの一方から突出して位置決め凹部47に嵌入した振り子規制突起33が、振り子19を一対の固定用部材100Aの他方へ押圧するものであってもよい。このような構造では、固定用部材100Aの一方から突出したピン規制突起31が、ピン端面凹部45に嵌入すると同時に、振り子19を固定用部材100Aの他方側へ押圧する。振り子19は、固定用部材100Aの一方からは、僅かに離れ、固定用部材100Aの他方へは質量体23が当接する。これにより、振り子19は、振動による軸方向のロータ11及び固定用部材100Aに対する軸方向の衝接が防止される。
なお、本構成の場合、(一対の固定部材間の軸方向距離W)−(振り子19の軸方向厚さT)<(ロータ11と質量体23との軸方向隙間C)が確保できるように、円板状本体35の一方の軸方向端面と、環状挟持部41の軸方向端面との2面の軸方向寸法、即ち、寸法Hを特に精密に製作される。
<第3構成例>
次に、固定用部材の第3構成例を説明する。
図6は図4のC−O線断面に対応する要部拡大図である。
本構成の固定用部材100Bは、上記した第2構成例の固定用部材100Aの構成に加え、振り子19を軸方向に規制する。即ち、一対の固定用部材100B間の軸方向距離Wを、振り子19の軸方向厚さTよりも大きく設定し、且つ振り子19を一対の固定用部材100Bの中央に位置決めするように振り子規制突起33を位置決め凹部47に嵌入する。
この固定用部材100Bでは、振り子19が一対の固定用部材100Bの軸方向両側から押圧される。この場合、振り子19は、一対の固定用部材100Bと、振り子厚さ方向の側面との間に、僅かに間隙が設けられるようにする。すなわち、一対の固定用部材100B間の軸方向距離Wを、振り子19の軸方向厚さTよりも大きく設定し、且つ振り子19を一対の固定用部材100の中央に位置決めする。例えば、一対の固定用部材100B間の軸方向距離Wと振り子19の軸方向厚さTとの差をdとすると、振り子19は、一対の固定用部材100Bの間で、軸方向間隙d/2を有して軸方向に等配される。このような構成は、位置決め凹部47は、凹部底をそれぞれ等しい深さに形成し、振り子19の軸方向両側から嵌入する振り子規制突起33の先端を、位置決め凹部47の凹部底に突き当てることで実現できる。
この構成によれば、第2構成例のピン27を径方向及び軸方向に規制することに加えて、振り子19に対しても径方向及び軸方向に規制でき、振り子19と固定用部材100Bの円板状本体35との軸方向への接触(がたつき)を防止できる。
以上説明したように、本構成の固定用部材100,100A,100Bによれば、振り子式制振ダンパ200のロータ11、ピン27、及び振り子19が、ロータ11の径方向に確実に位置決めされ、更に固定用部材100A,100Bにおいては、軸方向にも位置決めされる。
よって、搬送時や保管時に振り子式制振ダンパ200に振動が加わっても、ロータ11とピン27、ピン27と振り子19は、相互に接触することがなくなり、傷つきの発生を確実に防止できる。その結果、振り子式制振ダンパ200は、使用時の作動により接触する接触部分(軌道面等)に、圧痕等の損傷が生じなくなり、寿命の短縮を抑制できる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
例えば、上記の構成例では、固定用部材のボス部40における挿入突部37を、軸方向片側にのみ延出させているが、これに限らず、ロータ11の厚みを考慮しつつ、固定用部材の軸方向両側に設けてもよい。
また、ピン規制突起31や振り子規制突起33は、ピン端面凹部45や位置決め凹部47に嵌入される構成以外にも、各凹部に僅かに隙間を有して挿入されることであってもよい。
更に、固定用部材は、ピン規制突起31、振り子規制突起33が円板状本体35に設けられる以外にも、十字型、星形等の他の平面形状を有する本体部材にピン規制突起31と振り子規制突起33が形成された構成であってもよい。その場合、円板状本体35と比較して材料コストを低減できる。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 回転中心と同軸の貫通孔を有する円板状のロータの外周縁部に、前記ロータの周方向へ往復動自在に支持される複数の振り子を備え、前記ロータの外周縁部に複数の前記振り子をそれぞれ支持する複数の支持孔が形成され、前記振り子は、前記支持孔に遊びを有して貫通されるピンと、前記ロータの軸方向外側に対面して配置され、前記ピンの軸方向端部が遊びを有して係合される凹溝及び少なくとも2つの位置決め凹部が形成された一対の質量体と、を有する振り子式制振ダンパにおいて、前記振り子式制振ダンパの軸方向両側に配置され、前記振り子を前記ロータに対して固定する振り子式制振ダンパの固定用部材であって、
前記固定用部材は、
前記ロータの前記貫通孔の対応位置で軸方向外側へ突出し、前記貫通孔に係合する挿入突部と、
複数の前記ピンの対応位置でそれぞれ軸方向外側へ突出し、前記ピンの軸方向端部に係合する複数のピン規制突起と、
前記質量体の前記位置決め凹部の対応位置でそれぞれ軸方向外側に突出し、前記位置決め凹部に係合する複数の振り子規制突起と、
を備える振り子式制振ダンパの固定用部材。
この振り子式制振ダンパの固定用部材によれば、一方の固定部材の挿入突部をロータの貫通孔に挿入し、貫通孔を貫通した挿入突部を、他方の固定部材の嵌入溝に嵌入することにより、ロータの内周側の周縁部を一対の固定部材により挟んで固定できる。一対の固定部材と一体に固定されたロータは、外周縁部に振り子を取り付けているピンのピン端面凹部に、固定部材から突出したピン規制突起が嵌入する。ピンは、ピン端面凹部にロータのピン規制突起が嵌入することにより、ロータに対して径方向に位置決めされる。また、振り子は、位置決め凹部に、固定部材から突出した振り子規制突起が嵌入する。振り子は、位置決め凹部にロータの振り子規制突起が嵌入することにより、ロータに対して径方向に位置決めされる。したがって、ロータとピン、ピンと振り子は、振動による径方向の接触が防止される。
(2)前記振り子式制振ダンパを軸方向に挟む一対の前記固定用部材間の軸方向距離をW、前記振り子の軸方向厚さをT、前記ロータと前記質量体との軸方向隙間をCとしたとき、(W−T)<Cを満たす(1)に記載の振り子式制振ダンパの固定用部材。
この振り子式制振ダンパの固定用部材によれば、一対の固定部材間の軸方向距離Wと振り子の軸方向厚さTの差である軸方向間隙dを、ロータと質量体との軸方向隙間Cよりも小さく設定することにより、振り子とロータとの軸方向の接触を防止できる。
(3)一対の前記固定用部材間の前記軸方向距離は、前記振り子の前記軸方向厚さよりも大きく、
一対の前記質量体の前記位置決め凹部は、前記振り子規制突起の先端が突き当てられる凹部底が、それぞれ等しい深さに形成された(2)に記載の振り子式制振ダンパの固定用部材。
この振り子式制振ダンパの固定用部材によれば、振り子が、一対の固定部材の双方から押圧される。この場合、振り子は、双方の固定部材と、振り子の軸方向側面との間に、僅かに間隙が設けられるようにする。すなわち、一対の固定部材間の距離を、振り子の軸方向厚さよりも大きく設定し、振り子を、一対の固定部材の軸方向中央に位置決めする。このような構成は、一対の振り子の双方から嵌入される振り子規制突起を、例えば、質量体の位置決め凹部の凹部底に突き当てることで実現できる。この構成では、振り子は、振動による軸方向に関するロータ及び固定部材に対する衝接を防止できる。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つの前記振り子式制振ダンパの固定用部材により、前記ロータ、前記ピン、及び前記振り子が位置決めされる前記振り子式制振ダンパ。
この振り子式制振ダンパによれば、振り子式制振ダンパが固定用部材により固定されることで、ロータ、ピン、及び振り子の相対位置が、少なくともロータの半径方向に位置決めされる。これにより、搬送時や保管時に振動が加わっても、ロータとピン、ピンと振り子は、互いに接触することがない。その結果、振り子式制振ダンパには、使用時の作動により接触する接触部分に、圧痕等の損傷が生じなくなる。
11 ロータ
13 貫通孔
19 振り子
23 質量体
25 凹溝
27 ピン
31 ピン規制突起
33 振り子規制突起
37 挿入突部
43 嵌入溝
45 ピン端面凹部
47 位置決め凹部
100,100A,100B 固定用部材
200 振り子式制振ダンパ
O 回転中心

Claims (4)

  1. 回転中心と同軸の貫通孔を有する円環板状のロータの外周縁部に、前記ロータの周方向へ往復動自在に支持される複数の振り子を備え、前記ロータの外周縁部に複数の前記振り子をそれぞれ支持する複数の支持孔が形成され、前記振り子は、前記支持孔に遊びを有して貫通されるピンと、前記ロータの軸方向外側に対面して配置され、前記ピンの軸方向端部が遊びを有して係合される凹溝及び少なくとも2つの位置決め凹部が形成された一対の質量体と、を有する振り子式制振ダンパにおいて、前記振り子式制振ダンパの軸方向両側に配置され、前記振り子を前記ロータに対して固定する振り子式制振ダンパの固定用部材であって、
    前記固定用部材は、
    前記ロータの前記貫通孔の対応位置で軸方向外側へ突出し、前記貫通孔に係合する挿入突部と、
    複数の前記ピンの対応位置でそれぞれ軸方向外側へ突出し、前記ピンの軸方向端部に係合する複数のピン規制突起と、
    前記質量体の前記位置決め凹部の対応位置でそれぞれ軸方向外側に突出し、前記位置決め凹部に係合する複数の振り子規制突起と、
    を備える振り子式制振ダンパの固定用部材。
  2. 前記振り子式制振ダンパを軸方向に挟む一対の前記固定用部材間の軸方向距離をW、前記振り子の軸方向厚さをT、前記ロータと前記質量体との軸方向隙間をCとしたとき、(W−T)<Cを満たす請求項1に記載の振り子式制振ダンパの固定用部材。
  3. 一対の前記固定用部材間の前記軸方向距離は、前記振り子の前記軸方向厚さよりも大きく、
    一対の前記質量体の前記位置決め凹部は、前記振り子規制突起の先端が突き当てられる凹部底が、それぞれ等しい深さに形成された請求項2に記載の振り子式制振ダンパの固定用部材。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の前記振り子式制振ダンパの固定用部材により、前記ロータ、前記ピン、及び前記振り子が位置決めされる前記振り子式制振ダンパ。
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