JP2018150216A - 亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法及び亜鉛含有酸化物ガラス部材 - Google Patents

亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法及び亜鉛含有酸化物ガラス部材 Download PDF

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【課題】透明性を有する酸化物ガラスを低温で製造する方法を提供することである。【解決手段】本発明は、オルトリン酸、及び亜鉛化合物を溶融して融液を作製し、得られた融液をアモルファスになる温度で熱処理する、酸化物ガラスの製造方法であって、前記亜鉛化合物はZnX2(ただし、XはC1−4−アルキルカルボニルオキシドである)である。【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛含有酸化物低温溶融性ガラスの製造方法及びその方法により製造された亜鉛含有酸化物ガラス部材に関する。
近年、3次元レーザプリンタに代表されるように、簡便に複雑な形状を作り上げられる技術に注目が集まっている。このような材料としては、一般的には、有機高分子が用いられているが、ガス透過性や化学的耐久性の観点からは、無機材料、特に成型加工が容易な酸化物ガラスが望ましい。しかしながら、通常の酸化物ガラスは、酸化物原料粉末を一旦1000℃以上の高温まで均一な融液を作製する一般的な溶融法で作製されており、このような用途には不適である。
一方で、酸化物ガラスの中でも、低温用の用途を志向した低融点ガラスというガラス部材が存在する。この低融点ガラスは、作業温度が500℃以下のガラスを指し、主として電子部品の被覆・封止材料等として用いられてきた。特に、最近のハイパワーLEDの開発に伴い、従来用いられてきた有機封止材料では適応が困難なデバイスが生じてきている。特に、可視領域の透明性と低温での軟化特性を兼ね備えた無機酸化物ガラスが必要とされている。しかしながら、従来の鉛を含有する低融点性酸化物ガラスは、RoHS規制などにより材料として使用することが困難である。そのため、低温で成型加工が可能な無機酸化物ガラスの開発は、産業界から切望されている。
このようなRoHS規制の課題を解決するための1つの組成として、亜鉛を50モル%以上含有する酸化物ガラスが挙げられる。このような組成は鉛フリー低融点フリットとして知られている。しかし、ガラスを溶融して作製するフリットの粒径を調整するなど、複数工程で製造しなければならなかった。このような観点から、従来の1000℃を超える溶融温度を必要とする溶融法を用いない、新しいガラス作製法は非常に魅力的である。
本発明者らは、以前にZnOを含有したアモルファスガラス薄膜を提案した(非特許文献1、特許文献1)。特許文献1には、SnO−ZnO−Pの3成分を含むアモルファスガラス薄膜が、組成を制御することにより、マイクロメートルオーダーの膜を単一工程で作製できることが記載されている。さらに、このアモルファスガラス薄膜に種々の添加物を加えることにより、発光色を広範囲で制御できることが示されている。非特許文献1においては、MnOを添加して青乃白至赤の発光が実現されることが報告されている。このように、発光特性を大面積にわたって材料に付与するための低温における薄膜化の製造手法ではあったが、同様の手法でバルクの酸化物ガラスを製造することは困難であった。
特願2012−160697号公報
正井ら サイエンティフィックレポーツ、2015年、5号、11224頁
本発明は、透明性を有する酸化物ガラスを500℃以下の低温にて製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような事情を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、リン酸化合物及び亜鉛化合物を特定の割合で混合し、得られた融液を熱処理することにより低温溶融性を有する透明酸化物ガラスが得られることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成するに至った。
本発明は、下記の亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法を提供するものである。
請求項1.オルトリン酸及び亜鉛化合物を溶融して融液を作製し、得られた融液をアモルファスになる温度で熱処理する、酸化物ガラスの製造方法であって、前記亜鉛化合物はZnX(ただし、Xは塩化物、あるいは、C1−4−アルキルカルボニルオキシドである)である、製造方法。
請求項2.酸化物基準のモル%表示で、P55〜90モル%及びZnO10〜45モル%となるように、前記オルトリン酸及び前記亜鉛化合物を混合する、請求項1に記載の製造方法。
請求項3.前記亜鉛化合物が酢酸亜鉛、またはその水和物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
請求項4.前記亜鉛化合物が塩化亜鉛、またはその水和物である、請求項1又は2に記載の製造方法。
請求項5.溶融温度が、300〜500℃である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法
請求項6.請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造される、亜鉛含有酸化物ガラス部材。
本発明の方法によれば、従来の溶融法を用いて作製されていたガラスフリットを使用することなく、透明性と化学的耐久性を兼ね備えた酸化物ガラスを500℃以下の低温で製造することができる。また、本発明の方法によれば、多様な形状の透明酸化物ガラスを低温で作製することが可能である。この方法は、雰囲気制御をおこなった高温溶融を用いないため、作製に係るエネルギーを削減できるという点で有利である。本発明の方法で得られる酸化物ガラスは、透明性、緻密性、及び化学的耐久性を兼ね備えており、さらに作業温度が500℃以下と低いため、種々の形状を有するガラス部材としての適用が期待される。また、本発明の酸化物ガラスは、照明、光学部材、蛍光標識、ガラスコーティング、封止材、陶磁器、装飾用ガラス等にも使用可能である。
本発明の酸化物ガラスの製造方法は、オルトリン酸及び亜鉛化合物を溶融して融液を作製し、アモルファスになる温度で熱処理する方法である。
出発原料として、オルトリン酸、及び亜鉛化合物を用いる。
オルトリン酸はガラスを安定化させる成分であり、透明かつ発光性を有するガラスを製造できる組成範囲が広いことから、オルトリン酸を用いることが好ましい。出発原料としてオルトリン酸を用いる場合には、水を含有する状態のものを使用してもよい。オルトリン酸における水の含有量は特に限定されず、例えば、無水オルトリン酸、85%リン酸等を使用することが可能である。
亜鉛化合物は、オルトリン酸と同じくガラスネットワークを形成する成分である。透明かつ発光性を有するガラスを製造できる組成範囲が広い塩化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛アルコキシド等が好ましく、特に酢酸亜鉛、亜鉛アルコキシドが好ましい。
このように、本願発明の製造方法は、従来の約1000℃における雰囲気制御した溶融法から作製される低融点ガラスフリットを用いることがないので、材料の作製にかかるエネルギーを低減するという点からも有利な酸化物ガラスの製造方法といえる。
酸化物基準のモル%表示で、P55〜90モル%及びZnO10〜45モル%となるように、オルトリン酸及び前記亜鉛化合物を混合することが好ましい。
亜鉛化合物が酢酸亜鉛の場合、特に、酸化物基準のモル%表示で、ZnO30〜45モル%、及びP55〜70モル%となるように、酢酸亜鉛、及びオルトリン酸を混合することが好ましい。
得られる酸化物ガラスのガラス転移温度を下げるという観点からは、ZnOの配合比を、酸化物基準のモル%表示で30〜45モル%とすることが好ましい。酸化物ガラス中に含まれるZnOの含有量を上記範囲にすることで、化学的耐久性と低いガラス転移温度を両立することができる。特に好ましい配合比は、酸化物基準のモル%表示で、ZnO40〜45モル%である。
出発原料として、上記の必須2成分のほかに、他の成分を使用してもよい。他の成分として、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第12族、13族又は第14族の典型元素からなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物を添加することができる。遷移金属として、例えば、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)等を挙げることができる。アルカリ金属として、カリウム(K)等を挙げることができ、アルカリ土類金属として、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)等を挙げることができる。第12族、13族又は第14族の典型元素として、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、すず(Sn)等を挙げることができる。これらの化合物として、塩化物等のハロゲン化物、酢酸塩、水酸化物、エトキシド等のアルコキシド等を使用することができる。
他の成分を添加する場合には、酸化物基準のモル%表示で、必須2成分の合計100モル%に対して、好ましくは0.1〜5モル%、より好ましくは0.1〜2モル%の量を添加する。特に、酸化物基準のモル%表示で、SnOを1〜5モル%出発原料に混合した場合には、より低いガラス転移温度を有する酸化物ガラスを製造することができる。
上記の出発原料を溶融して酸化物ガラスを作製する。溶融温度(加熱温度)及び溶融時間は、用いる原料により適宜決定することができる。溶融温度は、通常300〜500℃程度であり、好ましくは400〜450℃程度である。また、溶融時間は、10分〜300分程度であり、好ましくは10分〜20分程度である。本願発明の溶融温度は、従来のガラス製造方法である溶融急冷法の溶融温度(1000℃以上)と比較すると低温であり、合成時のエネルギーを抑制することができるため、本願発明は環境負荷が小さい方法といえる。
出発原料を空気中、150〜300℃で攪拌することにより、リン酸類のP−OHと、亜鉛化合物のZn−Xとが反応し、反応生成物であるH−Xが反応系外に放出されるため、反応は一方向にのみ進行してガラスネットワーク構造が形成される。
出発原料の混合順序は、すべての出発原料が均一に溶融した融液を得ることができれば、いかなる順序で混合してもよい。出発原料が、オルトリン酸、及び亜鉛化合物の2成分の場合には、例えば、2成分を一度に混合してもよいし、先に1成分を加熱しながら攪拌し、そこに残りの1成分を添加して混合してもよい。この方法によれば、溶媒を用いずに出発原料のみを混合して反応させることで、クラックの発生を抑制し、透明性の高い酸化物ガラスを形成することができる。
出発原料として、上記2成分に加えて他の成分を含む場合には、他の成分は上記のどの段階で添加してもよい。例えば、上記2成分及び他の成分を一度に混合してもよいし、先に2成分の内の1成分及び他の成分を加熱しながら攪拌し、そこに残りの1成分を添加して混合してもよい。他の成分が反応性の高いものである場合には、予めエタノール等の溶媒に均一に溶解させておき、その溶液を上記2成分と混合することが好ましい。これにより、急速に反応が進行するのを防いで、均一な融液を得ることができる。なお、溶媒は加熱混合している間に蒸発するため、実質的には融液中に溶媒は含まれない。
次に、得られた融液を熱処理しバルクの酸化物ガラスを作製する。
熱処理温度は、300〜500℃程度であり、より好ましくは400〜450℃程度である。この範囲であれば、結晶化することなくガラス化反応が進行し、ガラスが形成される。熱処理は、空気中で行い、熱処理時間は、10分〜120分程度である。
上記方法で得られる酸化物ガラスは、ZnO−P系のバルク酸化物ガラスであり、無色透明であり、作業温度が500℃以下と低い。そのため、LEDの封止材料としても利用することが可能である。
さらに、必須2成分に遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、第12族、第13族又は第14族の典型元素からなる群から選択される少なくとも1種を含む化合物を添加して作製した場合にも、透明性を有する酸化物ガラスを製造することができる。また、ホウ素、ケイ素又はアルミニウム化合物を添加することにより、耐久性、特に耐湿性に優れた酸化物ガラスを得ることができる。
本発明の酸化物ガラスは、照明、光学部材、蛍光標識、ガラスコーティング、封止材、陶磁器、装飾用ガラス等にも使用可能である。
以下に本発明の実施例を示すことにより、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
実施例1
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P55.0%、ZnO45.0%、となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH・2(HO)を秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において200℃で30分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、400℃で20分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例1で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例2
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P90.0%、ZnO10.0%、となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH・2 (HO)を秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において150℃で30分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、400℃で20分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例2で得られたバルク試料に対して、上述の分光光度計を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に吸収は認められず、透明であった。
実施例3
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P90.0%、ZnO10.0%、となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH・2 (HO)を秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、室温で撹拌を行った。これに外モル%でSi(OCを1モル%、エタノール10mLを混合して得られる溶液を少量ずつ滴下して引き続き、撹拌をおこなった。得られた均一液体を大気中において150℃で30分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、400℃で20分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例3で得られたバルク試料に対して、上述の分光光度計を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に吸収は認められず、透明であった。
実施例4
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P55.0%、ZnO45.0%、となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH・2 (HO)を秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、前駆体融液を調整することなく、400℃で20分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例4で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例5
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P60.0%、ZnO40.0%、となるように、85%HPO、及びZn(OCOCHを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において100℃で120分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、耐熱ガラス製ビーカー中で300℃で20分間加熱し、バルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例5で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例6
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P73.7%、ZnO26.3%、その他成分として外掛けでKO5.3%となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH、KOHを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において100℃で30分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、耐熱ガラス製ビーカー中で500℃で10分間加熱し、バルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例6で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例7
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P60.0%、ZnO40.0%、その他成分として外掛けでCuO2.0%となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH、Cu(CHCOO)・HOを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、前駆体融液を調整することなく、大気中で耐熱ガラス製ビーカー中で300℃で120分間加熱し、バルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例7で得られた固体試料は、青色の着色した透明ガラスであった。有色透明ガラスであるが、該ガラスを通して文字が認識できることを確認した。
実施例8
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P60.0%、ZnO40.0%、その他成分として外掛けでAl5.3%となるように、85%HPO、及びZn(OCOCH、Al(OH)を秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において100℃で120分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、450℃で30分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例8で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例9
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P60.0%、ZnO40.0%となるように、85%HPO、及びZnClを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において100℃で120分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、450℃で15分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例9で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例10
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P55.0%、ZnO45.0%となるように、85%HPO、及びZnClを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において200℃で60分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、500℃で15分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例10で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例11
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P70.0%、ZnO30.0%となるように、85%HPO、及びZn(OCを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において200℃で60分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、400℃で15分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例11で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
実施例12
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P90.0%、ZnO10.0%となるように、85%HPO、及びZn(OCOCを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において200℃で60分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、400℃で15分間加熱し、ステンレス板上に流し出しすることによりバルクの酸化物ガラスを得た。
上記実施例12で得られた固体試料に対して、分光光度計((株)日立製作所製 U−3500)を用いて光吸収スペクトルを測定した、その結果、可視光領域に大きな吸収は認められなかった。
比較例1
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P50.0%、ZnO50.0%、となるように、85%HPO、及びZn(OCOCHを秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、大気中において100℃で60分加熱して前駆体融液を得た。この前駆体固体を、耐熱ガラス製ビーカー中で400℃で30分間加熱したところ、白色結晶が析出し、透明ガラスは得られなかった。
比較例2
ガラスの組成が、酸化物基準のモル%で、P100.0%、その他成分として外掛けでAl1.0%となるように、85%HPO、及びAl(OH)を秤量した。次いで、これらの秤量した原料を混合し、前駆体融液を調整することなく、大気中で耐熱ガラス製ビーカー中で300℃で60分間加熱したところ、融液状態のままで、固体透明ガラスは作製できなかった。
上記した実施例・比較例の一覧を表1に示す。
Figure 2018150216

Claims (6)

  1. オルトリン酸及び亜鉛化合物を混合して融液を作製し、得られた融液をアモルファスになる温度で熱処理する、酸化物ガラスの製造方法であって、前記亜鉛化合物はZnX(ただし、Xは塩化物、あるいは、C1−4−アルキルカルボニルオキシドである)であることを特徴とする亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法。
  2. 酸化物基準のモル%表示で、P55〜90モル%及びZnO10〜45モル%となるように、前記オルトリン酸及び前記亜鉛化合物を混合することを特徴とする請求項1に記載の亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法。
  3. 前記亜鉛化合物が酢酸亜鉛、または、その水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法。
  4. 前記亜鉛化合物が塩化亜鉛、または、その水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法。
  5. 溶融温度が、300〜500℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の亜鉛含有酸化物ガラスの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする亜鉛含有酸化物ガラス部材。
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