本明細書に開示される技術は、無線電力送信(wireless power transmission)に適用される。しかし、本明細書に開示される技術は、これに限定されるものではなく、当該技術の技術思想を適用できる全ての電力送信システム及び方法、無線充電回路及び方法、それに加えて、無線で送信される電力を用いる方法及び装置にも適用することができる。
本明細書で使用される技術用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されるものであり、本発明を限定するものではない。また、本明細書で使用される技術用語は、本明細書において特に断らない限り、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に一般的に理解される意味で解釈されなければならず、非常に包括的な意味で解釈されたり、非常に狭い意味で解釈されたりしてはならない。さらに、本明細書で使用される技術用語が本発明の思想を正確に表現できない間違った技術用語である場合は、当業者が正しく理解できる技術用語で代替して理解すべきである。さらに、本発明で使用される一般的な用語は、辞書の定義に従って、又は前後の文脈によって解釈されなければならず、非常に狭い意味で解釈されてはならない。
そして、本明細書で使用される単数の表現は、特に断らない限り、複数の表現を含む。本出願において、「構成される」や「含む」などの用語は、本明細書に記載された様々な構成要素又は段階の全てを必ず含むものと解釈されてはならず、そのうち一部の構成要素又は段階を含まないこともあり、追加の構成要素又は段階をさらに含むこともあるものと解釈されなければならない。
また、本明細書で使用される構成要素の接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与又は混用されるものであり、それ自体が有意性や有用性を有するものではない。
さらに、本明細書で使用される第1、第2などのように序数を含む用語は様々な構成要素を説明するために使用されるが、前記構成要素は前記用語により限定されるものではない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れない限り、第1構成要素は第2構成要素と命名してもよく、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名してもよい。
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明するが、図面番号に関係なく同一又は類似の構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
また、本発明を説明するにあたって、関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。なお、添付図面は本発明の思想を容易に理解できるようにするためのものにすぎず、添付図面により本発明の思想が限定的に解釈されてはならない。
定義
多対一通信方法:1つの送信機(Tx)が複数の受信機(Rx)と通信を行う方法
単方向通信:単に受信機から送信機への方向にのみ必要なメッセージを送信する通信方法
双方向通信:送信機から受信機へ、受信機から送信機へ、すなわち両方向のメッセージ送信が可能な通信方法
ここで、送信機は送信装置と同じ意味であり、受信機は受信装置と同じ意味であり、以下、これら用語は混用されることもある。
無線電力送信装置及び無線電力受信装置の概念図
図1は本発明の実施形態による無線電力送信装置及び無線電力受信装置の例を示す概念図である。
図1を参照すると、無線電力送信装置100は、無線で無線電力受信装置200が必要とする電力を伝達する電力伝達装置であってもよい。
また、無線電力送信装置100は、無線で電力を送信することにより無線電力受信装置200のバッテリを充電する無線充電装置であってもよい。
その他、無線電力送信装置100は、接触していない状態で電源を必要とする無線電力受信装置200に電力を送信する様々な形態の装置で実現することができる。
無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100から無線で電力を受信して動作する機器である。また、無線電力受信装置200は、前記受信した無線電力を用いてバッテリを充電することができる。
一方、本明細書で説明される無線で電力を受信する無線電力受信装置は、携帯が可能な全ての電子機器、例えば、キーボード、マウス、画像もしくは音声の補助出力装置などの入出力装置をはじめとし、携帯電話、セルラフォン、スマートフォン(smart phone)、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレット、マルチメディア機器などを包括する意味で解釈されるべきである。
無線電力受信装置200は、後述するように、移動通信端末機(例えば、携帯電話、セルラフォン、タブレット)又はマルチメディア機器であってもよい。
一方、無線電力送信装置100は、少なくとも1つの無線電力送信方法を用いて、無線電力受信装置200に接触することなく無線で電力を送信することができる。すなわち、無線電力送信装置100は、無線電力信号(wireless power signal)による磁気誘導現象に基づく誘導結合(Inductive Coupling)方式と特定の周波数の無線電力信号による電磁共振現象に基づく磁気共振結合(Magnetic Resonance Coupling)方式の少なくとも一方を用いて電力を送信することができる。
前記誘導結合方式による無線電力送信とは、1次コイル(プライマリコイル)及び2次コイル(セカンダリコイル)を用いて無線で電力を送信する技術であって、磁気誘導現象による磁場の変化により一方のコイルから他方のコイルに電流が誘導されることで電力が送信されることをいう。
前記共振結合方式による無線電力送信とは、無線電力送信装置100から送信された無線電力信号により無線電力受信装置200に共振が発生するが、その共振現象により無線電力送信装置100から無線電力受信装置200に電力が送信されることをいう。
以下、本明細書に開示される実施形態による無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200について具体的に説明する。以下の各図面の構成要素に符号を付す上で、異なる図面に示されるとしても同一の構成要素には同一の符号を用いる。
図2a及び図2bは本明細書に開示される実施形態に採用可能な無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200の構成の例を示すブロック図である。
無線電力送信装置
図2aを参照すると、無線電力送信装置100は、電力送信部(Power Transmission Unit)110を含む。電力送信部110は、電力変換部(Power Conversion Unit)111と、電力送信制御部(Power Transmission Control Unit)112とを含んでもよい。
電力変換部111は、送信側電源供給部190から供給された電力を無線電力信号に変換して無線電力受信装置200に送信する。電力変換部111により送信される無線電力信号は、振動する特性を有する磁場又は電磁場の形で形成される。このために、電力変換部111は、前記無線電力信号を発生するコイルを含むように構成されてもよい。
電力変換部111は、各電力送信方式によって異なるタイプの無線電力信号を形成するための構成要素を含んでもよい。例えば、電力変換部111は、誘導結合方式で無線電力受信装置200の2次コイルに電流を誘導するために、変化する磁場を形成する1次コイルを含むように構成されてもよい。また、電力変換部111は、共振結合方式で無線電力受信装置200に共振現象を発生させるために、特定の共振周波数を有する磁場を形成するコイル(又はアンテナ)を含むように構成されてもよい。
さらに、電力変換部111は、前述した誘導結合方式と共振結合方式の少なくとも一方の方法を用いて電力を送信することができる。
電力変換部111に含まれる構成要素のうち、誘導結合方式のものについては図4a、図4b及び図5を参照して後述し、共振結合方式のものについては図7a、図7b及び図8を参照して後述する。
一方、電力変換部111は、前記無線電力信号を形成するために用いられる周波数、印加電圧、供給電流などの特性を制御できる回路をさらに含むように構成されてもよい。
電力送信制御部112は、電力送信部110に含まれる各構成要素を制御する。電力送信制御部112は、無線電力送信装置100を制御する他の制御部(図示せず)と統合して実現してもよい。
一方、前記無線電力信号が到達する領域は2つに分けられる。まず、活動領域(アクティブ領域)とは、無線電力受信装置200に電力を送信する無線電力信号が通過する領域をいう。次に、検知領域(セミアクティブ領域)とは、無線電力送信装置100が無線電力受信装置200の存在を検出できる関心領域をいう。ここで、電力送信制御部112は、無線電力受信装置200が前記活動領域又は前記検知領域に配置(placement)されたか、除去(removal)されたかを検知することができる。具体的には、電力送信制御部112は、電力変換部111で形成される無線電力信号を用いるか、又は別途備えられたセンサを用いて、無線電力受信装置200が前記活動領域又は前記検知領域に配置されたか否かを検出することができる。例えば、電力送信制御部112は、前記検知領域に存在する無線電力受信装置200により前記無線電力信号が影響を受けて電力変換部111の前記無線電力信号を形成するための電力の特性が変化するか否かをモニタすることにより、無線電力受信装置200の存在を検出することができる。ただし、前記活動領域及び前記検知領域は、誘導結合方式や共振結合方式などの無線電力送信方式によって異なる。
電力送信制御部112は、無線電力受信装置200の存在を検出した結果に基づいて、無線電力受信装置200を識別する過程を行うか、又は無線電力送信を開始するか否か決定することができる。
また、電力送信制御部112は、前記無線電力信号を形成するための電力変換部111の周波数、電圧及び電流の少なくとも1つの特性を決定することができる。前記特性の決定は、無線電力送信装置100側の条件に応じて行ってもよく、無線電力受信装置200側の条件に応じて行ってもよい。
電力送信制御部112は、無線電力受信装置200から電力制御メッセージを受信することができる。電力送信制御部112は、前記受信した電力制御メッセージに基づいて電力変換部111の周波数、電圧及び電流の少なくとも1つの特性を決定することができ、また、前記電力制御メッセージに基づいて他の制御動作を行うこともできる。
例えば、電力送信制御部112は、無線電力受信装置200の整流された電力量情報、充電状態情報及び識別情報の少なくとも1つを含む電力制御メッセージに基づいて、前記無線電力信号を形成するために用いられる周波数、電圧及び電流の少なくとも1つの特性を決定することができる。
また、前記電力制御メッセージを用いる他の制御動作として、無線電力送信装置100は、無線電力送信に関する一般的な制御動作を前記電力制御メッセージに基づいて行うことができる。例えば、無線電力送信装置100は、前記電力制御メッセージにより、聴覚的又は視覚的に出力される無線電力受信装置200に関する情報を受信することもでき、機器間の認証などに必要な情報を受信することもできる。
前記電力制御メッセージを受信するために、電力送信制御部112は、前記無線電力信号により受信する方法とユーザデータを受信する方法のいずれかを用いることができる。
前記電力制御メッセージを受信するために、無線電力送信装置100は、電力変換部111に電気的に接続される変復調部(Modulation/Demodulation Unit)113をさらに含むように構成されてもよい。変復調部113は、無線電力受信装置200により変調された無線電力信号を復調し、前記電力制御メッセージを受信するために用いることができる。
その他、一実施形態においては、電力送信制御部112が無線電力送信装置100に含まれる通信手段(図示せず)により電力制御メッセージが含まれるユーザデータを受信することにより、前記電力制御メッセージを取得するようにしてもよい。
[帯域内双方向通信をサポートする場合]
また、本明細書に開示される実施形態による双方向通信が可能な無線電力送信環境では、電力送信制御部112が無線電力受信装置200にデータを送信することができる。電力送信制御部112が送信するデータは、無線電力受信装置200が電力制御メッセージを送るように要求するものであってもよい。
無線電力受信装置
図2bを参照すると、無線電力受信装置200は、電源供給部290を含む。電源供給部290は、無線電力受信装置200の動作に必要な電力を供給する。電源供給部290は、電力受信部291と電力受信制御部292とを含んでもよい。
電力受信部291は、無線電力送信装置100から無線で送信される電力を受信する。
電力受信部291は、無線電力送信方式に応じて前記無線電力信号を受信するために必要な構成要素を含んでもよい。また、電力受信部291は、少なくとも1つの無線電力送信方式で電力を受信することができ、この場合、電力受信部291は、各方式に必要な構成要素を含んでもよい。
まず、電力受信部291は、振動する特性を有する磁場又は電磁場の形で送信される無線電力信号を受信するためのコイルを含むように構成されてもよい。
例えば、電力受信部291は、誘導結合方式による構成要素として、変化する磁場によって電流が誘導される2次コイルを含んでもよい。また、電力受信部291は、共振結合方式による構成要素として、特定の共振周波数を有する磁場によって共振現象が発生するコイル及び共振回路を含んでもよい。
ただし、電力受信部291が少なくとも1つの無線電力送信方式で電力を受信する場合、電力受信部291は、1つのコイルを用いて受信するように実現してもよく、各電力送信方式によって異なるコイルを用いて受信するように実現してもよい。
電力受信部291に含まれる構成要素のうち、誘導結合方式のものについては図4a及び図4bを参照して後述し、共振結合方式のものについては図7a及び図7bを参照して後述する。
一方、電力受信部291は、前記無線電力信号を直流に変換するための整流回路(rectifier)及び平滑回路(regulator)をさらに含んでもよい。また、電力受信部291は、受信した電力信号により過電圧又は過電流が発生しないように防止する回路をさらに含んでもよい。
電力受信制御部292は、電源供給部290に含まれる各構成要素を制御する。
具体的には、電力受信制御部292は、無線電力送信装置100に電力制御メッセージを送信することができる。前記電力制御メッセージは、無線電力送信装置100に無線電力信号の送信を開始又は終了するように指示するものであってもよい。また、前記電力制御メッセージは、無線電力送信装置100に前記無線電力信号の特性を制御するように指示するものであってもよい。
前記電力制御メッセージを送信するために、電力受信制御部292は、前記無線電力信号により送信する方法とユーザデータにより送信する方法の少なくとも1つを用いることができる。
前記電力制御メッセージを送信するために、無線電力受信装置200は、電力受信部291に電気的に接続される変復調部(Modulation/Demodulation Unit)293をさらに含むように構成されてもよい。変復調部293は、無線電力送信装置100と同様に、前記無線電力信号により前記電力制御メッセージを送信するために用いることができる。変復調部293は、無線電力送信装置100の電力変換部111を流れる電流及び/又は電圧を調整する手段として用いることができる。以下、無線電力送信装置100の変復調部113及び無線電力受信装置200の変復調部293が無線電力信号による電力制御メッセージの送受信のために用いられる方法について説明する。
電力変換部111により形成された無線電力信号は、電力受信部291により受信される。このとき、電力受信制御部292は、前記無線電力信号を変調するように、無線電力受信装置200の変復調部293を制御する。例えば、電力受信制御部292は、電力受信部291に接続された変復調部293のリアクタンスを変化させることにより、それに応じて前記無線電力信号から受信される電力量を変化させる変調過程を行わせるようにしてもよい。前記無線電力信号から受信される電力量の変化は、前記無線電力信号を形成する電力変換部111の電流及び/又は電圧の変化をもたらす。このとき、無線電力送信装置100の変復調部113は、電力変換部111の電流及び/又は電圧の変化を検知し、復調過程を行う。
すなわち、電力受信制御部292は、無線電力送信装置100に送信する電力制御メッセージを含むパケットを生成し、前記パケットを含むように前記無線電力信号を変調し、電力送信制御部112は、変復調部113の復調過程の結果に基づいて前記パケットを復号することにより、前記パケットに含まれる前記電力制御メッセージを取得することができる。
その他、電力受信制御部292が無線電力受信装置200に含まれる通信手段(図示せず)により電力制御メッセージが含まれるユーザデータを送信することにより、前記電力制御メッセージを無線電力送信装置100に送信するようにしてもよい。
[帯域内双方向通信をサポートする場合]
また、本明細書に開示される実施形態による双方向通信が可能な無線電力送信環境では、電力受信制御部292が無線電力送信装置100から送信されるデータを受信することができる。無線電力送信装置100から送信されるデータは、電力制御メッセージを送るように要求するものであってもよい。
なお、電源供給部290は、充電部298とバッテリ299とをさらに含んでもよい。
電源供給部290から動作のための電源が供給される無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100から送信された電力により動作することもでき、前記送信された電力を用いてバッテリ299を充電し、その後バッテリ299に充電された電力により動作することもできる。このとき、電力受信制御部292は、前記送信された電力を用いて充電を行うように充電部298を制御することができる。
以下、本明細書に開示される実施形態に適用可能な無線電力送信装置及び無線電力受信装置について説明する。まず、図3〜図5を参照して、前記無線電力送信装置が前記無線電力受信装置に誘導結合方式で電力を送信する方法を開示する。
誘導結合方式
図3は誘導結合方式により無線電力送信装置から無線電力受信装置に無線で電力が送信される概念を示す図である。
無線電力送信装置100の電力送信が誘導結合方式により行われる場合、電力送信部110の1次コイルに流れる電流の強度が変化すると、その電流により1次コイルを通過する磁場が変化する。その変化する磁場は、無線電力受信装置200の2次コイル側に誘導起電力を発生させる。
この方式によれば、無線電力送信装置100の電力変換部111は、磁気誘導において1次コイルとして動作する送信(Tx)コイル1111aを含んでもよい。また、無線電力受信装置200の電力受信部291は、磁気誘導において2次コイルとして動作する受信(Rx)コイル2911aを含んでもよい。
まず、無線電力送信装置100の送信コイル1111aと無線電力受信装置200の受信コイルとが隣接するように無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200を配置する。その後、電力送信制御部112が、送信コイル1111aの電流が変化するように制御すると、電力受信部291は、受信コイル2911aに誘導された起電力を利用して無線電力受信装置200に電源を供給するように制御する。
前記誘導結合方式による無線電力送信の効率は、周波数特性による影響は小さいが、各コイルを含む無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との配列及び距離の影響を受ける。
一方、前記誘導結合方式による無線電力送信のために、無線電力送信装置100は、平面状のインタフェース表面(図示せず)を含むように構成されてもよい。前記インタフェース表面の上部には、少なくとも1つの無線電力受信装置が載置されるようにしてもよく、前記インタフェース表面の下部には、送信コイル1111aが取り付けられるようにしてもよい。その場合、前記インタフェース表面の下部に取り付けられた送信コイル1111aと前記インタフェース表面の上部に載置された無線電力受信装置200の受信コイル2911a間の垂直空間(vertical spacing)が小さくなることにより、前記コイル間の距離は、前記誘導結合方式による無線電力送信が効率的に行われるように十分に小さくなる。
また、前記インタフェース表面の上部には、無線電力受信装置200が載置される位置を指示する配列指示部(図示せず)が形成されていてもよい。前記配列指示部は、前記インタフェース表面の下部に取り付けられた送信コイル1111aと受信コイル2911aとが適切に配列されるようにする無線電力受信装置200の位置を指示する。前記配列指示部は、単純な表示(マーク)であってもよく、無線電力受信装置200の位置をガイドする突出構造の形態で形成されてもよい。あるいは、前記配列指示部は、前記インタフェース表面の下部に取り付けられる磁石などの磁性体の形態で形成され、無線電力受信装置200の内部に取り付けられる異極性の磁性体との引力により前記コイルが適切に配列されるようにガイドするものであってもよい。
一方、無線電力送信装置100は、1つ以上の送信コイルを含むように形成されてもよい。無線電力送信装置100は、前記1つ以上の送信コイルのうち、無線電力受信装置200の受信コイル2911aと適切に配列された一部のコイルを選択的に用いて、電力送信効率を向上させることができる。前記1つ以上の送信コイルを含む無線電力送信装置100については図5を参照して後述する。
以下、本明細書に開示される実施形態に適用可能な誘導結合方式の無線電力送信装置及び無線電力受信装置の構成について詳細に説明する。
誘導結合方式の無線電力送信装置及び無線電力受信装置
図4a及び図4bは本明細書に開示される実施形態に採用可能な磁気誘導方式の無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200の構成の一部の例を示すブロック図である。図4aを参照して無線電力送信装置100に含まれる電力送信部110の構成について説明し、図4bを参照して無線電力受信装置200に含まれる電源供給部290の構成について説明する。
図4aを参照すると、無線電力送信装置100の電力変換部111は、送信(Tx)コイル1111aと、インバータ1112とを含んでもよい。
送信コイル1111aは、前述したように、電流の変化に応じて無線電力信号に対応する磁場を形成する。送信コイル1111aは、平面スパイラル型(planar spiral type)又は円筒ソレノイド型(cylindrical solenoid type)で実現されてもよい。
インバータ1112は、電源供給部190から得られた直流(DC)入力を交流(AC)波形に変換する。インバータ1112により変換された交流電流が、送信コイル1111a及びコンデンサ(図示せず)を含む共振回路(resonant circuit)を駆動することにより、送信コイル1111aに磁場が形成される。
また、電力変換部111は、位置決定部(positioning unit)1114をさらに含んでもよい。
位置決定部1114は、前記誘導結合方式による無線電力送信の効率を向上させるために、送信コイル1111aを移動又は回転させることができる。これは、前述したように、前記誘導結合方式による電力送信は、1次コイルを含む無線電力送信装置100と2次コイルを含む無線電力受信装置200との配列及び距離の影響を受けるからである。特に、位置決定部1114は、無線電力受信装置200が無線電力送信装置100の活動領域内に存在しない場合に用いられるようにしてもよい。
よって、位置決定部1114は、無線電力送信装置100の送信コイル1111aと無線電力受信装置200の受信コイル2911aとの中心間距離が所定範囲内となるように送信コイル1111aを移動させるか、又は送信コイル1111aと受信コイル2911aとの中心が重なるように送信コイル1111aを回転させる駆動部(図示せず)を含むように構成されてもよい。
このために、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200の位置を検知するセンサからなる位置検知部(図示せず)をさらに含み、電力送信制御部112は、前記位置検知部から受信した無線電力受信装置200の位置情報に基づいて位置決定部1114を制御するようにしてもよい。
また、このために、電力送信制御部112は、変復調部113を介して無線電力受信装置200との配列又は距離に関する制御情報を受信し、前記受信した配列又は距離に関する制御情報に基づいて位置決定部1114を制御するようにしてもよい。
電力変換部111が複数の送信コイルを含むように構成された場合、位置決定部1114は、当該複数の送信コイルのうちいずれのコイルを電力送信のために用いるか決定するようにしてもよい。前記複数の送信コイルを含む無線電力送信装置100の構成については図5を参照して後述する。
一方、電力変換部111は、電力検知部1115をさらに含むように構成されてもよい。無線電力送信装置100の電力検知部1115は、送信コイル1111aに流れる電流又は電圧をモニタする。電力検知部1115は、無線電力送信装置100が正常に動作するか否かを確認するためのものであって、外部から供給される電源の電圧又は電流を検出し、前記検出された電圧又は電流が閾値を超えるか否かを確認することができる。図示していないが、電力検知部1115は、外部から供給される電源の電圧又は電流を検出するための抵抗と、前記検出された電源の電圧値又は電流値と閾値とを比較してその比較結果を出力する比較器とを含んでもよい。電力送信制御部112は、電力検知部1115の前記確認の結果に基づいてスイッチング部(図示せず)を制御することにより、送信コイル1111aに供給される電源を遮断することができる。
図4bを参照すると、無線電力受信装置200の電源供給部290は、受信(Rx)コイル2911aと、整流回路2913とを含んでもよい。
送信コイル1111aで形成される磁場の変化に応じて受信コイル2911aに電流が誘導される。受信コイル2911aの実現形態は、送信コイル1111aと同様に、平面スパイラル型であってもよく、円筒ソレノイド型であってもよい。
また、無線電力受信の効率向上や共振検知(resonant detection)のために、受信コイル2911aに直列及び並列コンデンサが接続されるように構成されてもよい。
受信コイル2911aは、単一のコイルの形態であってもよく、複数のコイルの形態であってもよい。
整流回路2913は、交流を直流に変換するために電流に対して全波整流(full−wave rectification)を行う。整流回路2913は、例えば4つのダイオードからなるフルブリッジ整流回路、又は能動素子(active components)を用いた回路で実現することができる。
その上、整流回路2913は、整流された電流をより平坦で安定した直流にする平滑回路をさらに含んでもよい。また、整流回路2913の出力電源は電源供給部290の各構成要素に供給される。さらに、整流回路2913は、出力される直流電源を、電源供給部290の各構成要素(例えば、充電部298などの回路)に必要な電源に調整するために適正な電圧に変換する直流−直流変換器(DC−DC converter)をさらに含んでもよい。
変復調部293は、電力受信部291に接続され、直流電流に対しては抵抗が変化する抵抗性素子で構成され、交流電流に対してはリアクタンスが変化する容量性素子で構成されるようにしてもよい。電力受信制御部292は、変復調部293の抵抗又はリアクタンスを変化させることにより、電力受信部291に受信される無線電力信号を変調することができる。
一方、電源供給部290は、電力検知部2914をさらに含んでもよい。無線電力受信装置200の電力検知部2914は、整流回路2913により整流された電源の電圧及び/又は電流をモニタし、前記モニタの結果、前記整流された電源の電圧及び/又は電流が閾値を超えた場合、電力受信制御部292は、適切な電力が送信されるように、無線電力送信装置100に電力制御メッセージを送信する。
1つ以上の送信コイルを含む無線電力送信装置
図5は本明細書に開示される実施形態に採用可能な誘導結合方式により電力を受信する1つ以上の送信コイルを有するように構成された無線電力送信装置のブロック図である。
図5を参照すると、本明細書に開示される実施形態による無線電力送信装置100の電力変換部111は、1つ以上の送信コイル1111a−1〜1111a−nを含む。1つ以上の送信コイル1111a−1〜1111a−nは、部分的に重なる1次コイルの配列であってもよい。前記1つ以上の送信コイルの一部により活動領域が決定されるようにしてもよい。
1つ以上の送信コイル1111a−1〜1111a−nは、前記インタフェース表面の下部に取り付けられるようにしてもよい。また、電力変換部111は、1つ以上の送信コイル1111a−1〜1111a−nの一部のコイルの接続を確立及び解除するマルチプレクサ1113をさらに含んでもよい。
前記インタフェース表面の上部に載置された無線電力受信装置200の位置が検知されると、電力送信制御部112は、無線電力受信装置200の検知された位置に基づいて、1つ以上の送信コイル1111a−1〜1111a−nのうち無線電力受信装置200の受信コイル2911aと誘導結合関係に置かれるコイルが接続されるようにマルチプレクサ1113を制御することができる。
このために、電力送信制御部112は、無線電力受信装置200の位置情報を取得することができる。一例として、電力送信制御部112は、無線電力送信装置100に備えられた前記位置検知部(図示せず)により前記インタフェース表面上の無線電力受信装置200の位置を取得するようにしてもよい。他の例として、電力送信制御部112は、1つ以上の送信コイル1111a−1〜1111a−nをそれぞれ用いて前記インタフェース表面上の物体から無線電力信号の強度を示す電力制御メッセージ又は前記物体の識別情報を示す電力制御メッセージを受信し、その受信した結果に基づいて前記1つ以上の送信コイルのうちどのコイルの位置に近いかを判断することにより、無線電力受信装置200の位置情報を取得することができる。
一方、前記活動領域とは、前記インタフェース表面の一部であり、無線電力送信装置100が無線電力受信装置200に無線で電力を送信する際に高い効率の磁場が通過する部分を意味する。ここで、前記活動領域を通過する磁場を形成する単一の送信コイル又は1つ以上の送信コイルの組み合わせをプライマリセル(主要セル)という。よって、電力送信制御部112は、無線電力受信装置200の検知された位置に基づいて活動領域を決定し、前記活動領域に対応するプライマリセルの接続を確立することにより、無線電力受信装置200の受信コイル2911aと前記プライマリセルに属するコイルが誘導結合関係に置かれるようにマルチプレクサ1113を制御することができる。
また、電力変換部111は、接続されたコイルと共振回路を形成するようにインピーダンスを調整するインピーダンスマッチング部(図示せず)をさらに含んでもよい。
以下、図6〜図8を参照して、無線電力送信装置が共振結合方式で電力を送信する方法を開示する。
共振結合方式
図6は共振結合方式により無線電力送信装置から無線電力受信装置に無線で電力が送信される概念を示す図である。
まず、共振(又は共鳴)について簡単に説明すると次の通りである。共振とは、振動系がその固有の振動数と同じ振動数を有する外力を周期的に受けてその振幅が顕著に増加する現象をいう。共振は、力学的振動や電気的振動など、全ての振動において起こる現象である。一般に、外部から振動系に振動させることのできる力が加わった場合、その振動系の固有の振動数と外部から加わった力の振動数が同じであると、その振動は激しくなり、振幅も大きくなる。
同じ原理で、所定の距離内で離れている複数の振動体が同じ周波数で振動する場合、前記複数の振動体は互いに共振し、その場合は、前記複数の振動体間の抵抗が減少する。電気回路ではインダクタとコンデンサを用いて共振回路を設けることができる。
無線電力送信装置100の電力送信が共振結合方式により行われる場合、電力送信部110においては交流電源により特定の振動周波数を有する磁場が形成される。前記形成された磁場により無線電力受信装置200で共振現象が起こると、前記共振現象により無線電力受信装置200内に電力が発生する。
共振周波数は、例えば下記数式1により決定される。
ここで、共振周波数(f)は、回路内のインダクタンス(L)及びキャパシタンス(C)により決定される。コイルを用いて磁場を形成する回路において、前記インダクタンスは、前記コイルの巻数などにより決定され、前記キャパシタンスは、前記コイル間の間隔、面積などにより決定される。前記共振周波数を決定するために、前記コイルに加え、容量性共振回路が接続されるように構成されてもよい。
図6を参照すると、共振結合方式で無線で電力が送信される場合、無線電力送信装置100の電力変換部111は、磁場が形成される送信(Tx)コイル1111bと、送信コイル1111bに接続されて特定の振動周波数を決定するための共振回路1116とを含んでもよい。共振回路1116は、容量性回路(コンデンサ)を用いて実現することができ、前記特定の振動周波数の決定は、送信コイル1111bのインダクタンス及び共振回路1116のキャパシタンスに基づいて行われる。
共振回路1116の回路素子は、電力変換部111が磁場を形成できるように、様々な形態で構成することができ、図6のような送信コイル1111bと並列に接続される形態に限定されるものではない。
また、無線電力受信装置200の電力受信部291は、無線電力送信装置100で形成された磁場により共振現象が起こるように構成された共振回路2912及び受信(Rx)コイル2911bを含む。すなわち、共振回路2912は、容量性回路を用いて実現することができ、受信コイル2911bのインダクタンス及び共振回路2912のキャパシタンスに基づいて決定される共振周波数が前記形成された磁場の共振周波数と同一になるように構成される。
共振回路2912の回路素子は、前記磁場により電力受信部291に共振が起こるように、様々な形態で構成することができ、図6のような受信コイル2911bと直列に接続される形態に限定されるものではない。
無線電力送信装置100での前記特定の振動周波数は、LTX、CTXであり、上記数式1を用いて取得することができる。ここで、無線電力受信装置200のLRX及びCRXを上記数式1に代入した結果が前記特定の振動周波数と同じ場合、無線電力受信装置200では共振が起こる。
前記共振結合方式による無線電力送信の効率は、周波数特性による影響は大きいが、各コイルを含む無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との配列及び距離の影響は前記誘導結合方式に比べて相対的に小さい。
以下、本明細書に開示される実施形態に適用可能な共振結合方式の無線電力送信装置及び無線電力受信装置の構成について詳細に説明する。
共振結合方式の無線電力送信装置
図7a及び図7bは本明細書に開示される実施形態に採用可能な共振方式の無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200の構成の一部の例を示すブロック図である。
図7aを参照して無線電力送信装置100に含まれる電力送信部110の構成について説明する。
無線電力送信装置100の電力変換部111は、送信(Tx)コイル1111b、インバータ1112及び共振回路1116を含んでもよい。インバータ1112は、送信コイル1111b及び共振回路1116に接続されるように構成されてもよい。
送信コイル1111bは、誘導結合方式で電力を送信するための送信コイル1111aとは別に取り付けられるものであってもよいが、1つの単一のコイルを用いて誘導結合方式及び共振結合方式で電力を送信するようにしてもよい。
送信コイル1111bは、前述したように、電力を送信するための磁場を形成する。送信コイル1111b及び共振回路1116は、交流電源が供給されると共振を発生し、このとき、振動周波数は送信コイル1111bのインダクタンス及び共振回路1116のキャパシタンスに基づいて決定される。
このために、インバータ1112は電源供給部190から得られた直流入力を交流波形に変換し、前記変換された交流電流は送信コイル1111b及び共振回路1116に供給される。
その上、電力変換部111は、電力変換部111の共振周波数値を変更するための周波数調整部1117をさらに含んでもよい。電力変換部111の共振周波数は、上記数式1により、電力変換部111を構成する回路内のインダクタンス及びキャパシタンスに基づいて決定されるので、電力送信制御部112は、前記インダクタンス及び/又はキャパシタンスが変化するように周波数調整部1117を制御することにより、電力変換部111の共振周波数を決定することができる。
周波数調整部1117は、例えば、共振回路1116に含まれるコンデンサ間の距離を調整してキャパシタンスを変化させるモータを含むか、送信コイル1111bの巻数又は直径を調整してインダクタンスを変化させるモータを含むか、又は前記キャパシタンス及び/又は前記インダクタンスを決定する能動素子を含むように構成されてもよい。
一方、電力変換部111は、電力検知部1115をさらに含んでもよい。電力検知部1115の動作は前述した通りである。
図7bを参照して無線電力受信装置200に含まれる電源供給部290の構成について説明する。電源供給部290は、前述したように、受信(Rx)コイル2911bと、共振回路2912とを含んでもよい。
また、電源供給部290の電力受信部291は、共振現象により生成された交流電流を直流に変換する整流回路2913をさらに含んでもよい。整流回路2913は、前述した通り構成されてもよい。
また、電力受信部291は、整流された電源の電圧及び/又は電流をモニタする電力検知部2914をさらに含んでもよい。電力検知部2914は、前述した通り構成されてもよい。
1つ以上の送信コイルを含む無線電力送信装置
図8は本明細書に開示される実施形態に採用可能な共振結合方式により電力を受信する1つ以上の送信コイルを有するように構成された無線電力送信装置のブロック図である。
図8を参照すると、本明細書に開示される実施形態による無線電力送信装置100の電力変換部111は、1つ以上の送信コイル1111b−1〜1111b−nと、各送信コイルに接続される共振回路1116−1〜1116−nとを含んでもよい。また、電力変換部111は、1つ以上の送信コイル1111b−1〜1111b−nの一部のコイルの接続を確立及び解除するマルチプレクサ1113をさらに含んでもよい。
1つ以上の送信コイル1111b−1〜1111b−nは、同じ共振周波数を有するように設定されてもよく、一部が異なる共振周波数を有するように設定されてもよい。これは、1つ以上の送信コイル1111b−1〜1111b−nにそれぞれ接続された共振回路1116−1〜1116−nが有するインダクタンス及び/又はキャパシタンスによって決定される。
このために、周波数調整部1117は、1つ以上の送信コイル1111b−1〜1111b−nにそれぞれ接続された共振回路1116−1〜1116−nのインダクタンス及び/又はキャパシタンスを変化させるように構成されてもよい。
帯域内通信
図9は本明細書に開示される実施形態による無線電力送信において無線電力信号の変調及び復調により無線電力送信装置と電子機器間でパケットを送受信する概念を示す図である。
図9を参照すると、無線電力送信装置100に含まれる電力変換部111は、無線電力信号を形成する。前記無線電力信号は、電力変換部111に含まれる送信コイル1111により形成される。
電力変換部111により形成された無線電力信号10aは、無線電力受信装置200に到達し、無線電力受信装置200に含まれる電力受信部291により受信される。前記形成された無線電力信号は、電力受信部291に含まれる受信コイル2911を介して受信される。
電力受信制御部292は、電力受信部291に接続された変復調部293を制御して、無線電力受信装置200の前記無線電力信号の受信中に前記無線電力信号を変調する。前記受信される無線電力信号が変調された場合、前記無線電力信号は磁場又は電磁場内で閉ループを形成するので、無線電力受信装置200の前記無線電力信号の受信中に前記無線電力信号を変調すると、無線電力送信装置100は、変調された無線電力信号10bを検知することができる。変復調部113は、前記検知された無線電力信号を復調し、前記復調された無線電力信号から前記パケットを復号する。
一方、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との通信に用いられる変調方法は、振幅変調方式であってもよい。前述したように、前記振幅変調方式は、無線電力受信装置200の変復調部293が電力変換部111により形成された無線電力信号10aの振幅を変化させ、変調された無線電力信号10bの振幅を無線電力送信装置100の電力受信制御部292が検出するバックスキャッタ変調(後方散乱変調)方式であってもよい。
無線電力信号の変調及び復調
以下、図10、図11a、図11b及び図11cを参照して、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間で送受信されるパケットの変調及び復調について説明する。
図10は本明細書に開示される実施形態による無線電力送信において電力制御メッセージを送受信するための構成を示す図である。図11a、図11b及び図11cは本明細書に開示される実施形態による無線電力送信において行われる変調及び復調における信号の形態を示す図である。
図10を参照すると、無線電力受信装置200の電力受信部291により受信される無線電力信号は、図11aに示すように、変調されていない無線電力信号51である。電力受信部291内の共振形成回路2912により設定された共振周波数によって無線電力受信装置200と無線電力送信装置100間で共振結合が行われ、受信コイル2911bを介して無線電力信号51が受信される。
電力受信制御部292は、電力受信部291により受信される無線電力信号51を、変復調部293内の負荷インピーダンスを変化させることにより変調する。変復調部293は、無線電力信号51を変調するための受動素子2931及び能動素子2932を含んでもよい。変復調部293は、無線電力送信装置100に送信するパケットが含まれるように無線電力信号51を変調する。ここで、前記パケットは、変復調部293内の能動素子2932に入力されるようにしてもよい。
その後、無線電力送信装置100の電力送信制御部112は、変調された無線電力信号52を包絡線検波(envelop detection)過程により復調し、その検出された信号53をデジタルデータ54に復号する。前記復調は、電力変換部111を流れる電流又は電圧がHI状態(HI state)及びLO状態(LO state)の2つの状態に区分されることを検知し、その状態によって区分されるデジタルデータに基づいて無線電力受信装置200が送信するパケットを取得するようにしてもよい。
以下、無線電力送信装置100が復調されたデジタルデータから無線電力受信装置200が送信する電力制御メッセージを取得する過程について説明する。
図11bを参照すると、電力送信制御部112は、信号(CLK)を用いて、包絡線検波された信号から符号化されたビットを検出する。前記検出される符号化されたビットは、無線電力受信装置200側の変調過程で用いられたビット符号化方法により符号化されたものである。前記ビット符号化方法は、NRZ(non−return to zero)であってもよく、バイフェーズ(bi−phase)符号化であってもよい。
例えば、前記検出されるビットは、ディファレンシャルバイフェーズ(differential bi−phase; DBP)符号化されたものであってもよい。前記DBP符号化によれば、無線電力受信装置200の電力受信制御部292は、データビット1を符号化するために2回の状態遷移(transitions)が発生し、データビット0を符号化するために1回の状態遷移が発生するようにする。すなわち、データビット1は、前記信号の立ち上がりエッジ(rising edge)及び立ち下がりエッジ(falling edge)でHI状態とLO状態間の遷移が発生するように符号化されるもの、データビット0は、前記信号の立ち上がりエッジでHI状態とLO状態間の遷移が発生するように符号化されるものであってもよい。
一方、電力送信制御部112は、前記ビット符号化方法により検出されたビット列から、パケットを構成するバイトフォーマット(byte format)を用いてバイト単位のデータを取得することができる。例えば、前記検出されたビット列は、図11cに示すような11ビット非同期シリアルフォーマット(11−bit asynchronous serial format)を用いて送信されるものであってもよい。すなわち、前記検出されたビットは、バイトの開始を示すスタート(START)ビットとバイトの終了を示すストップ(STOP)ビットとを含み、また、前記スタートビットと前記ストップビット間にデータビット(b0〜b7)を含んでもよい。また、データのエラーを検査するためのパリティ(PARITY)ビットをさらに含んでもよい。前記バイト単位のデータは、電力制御メッセージを含むパケットを構成する。
[帯域内双方向通信をサポートする場合]
以上のように、図9は無線電力送信装置100により形成された搬送波信号(carrier signal)10aを用いて無線電力受信装置200がパケットを送信することを示すが、無線電力送信装置100も同様の方式で無線電力受信装置200にデータを送信することができる。
すなわち、電力送信制御部112は、変復調部113を制御して無線電力受信装置200に送信するデータが搬送波信号10aに含まれるように変調することができる。その場合、無線電力受信装置200の電力受信制御部292は、前記変調された搬送波信号10aからデータを取得できるように変復調部293を制御して復調を行うことができる。
パケットフォーマット
以下、本明細書に開示される実施形態による無線電力信号での通信に用いられるパケットの構造を説明する。
図12a、図12b及び図12cは本明細書に開示される実施形態による無線電力送信方法で用いられる電力制御メッセージを含むパケットを示す図である。
図12aを参照すると、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、送信するデータをコマンドパケット(COMMAND_PACKET)510の形態で送受信するようにしてもよい。コマンドパケット510は、ヘッダ(HEADER)511及びメッセージ(MESSAGE)512を含むように構成されてもよい。
ヘッダ511は、メッセージ512に含まれるデータの種類を示すフィールドを含んでもよい。前記データの種類を示すフィールドが示す値に基づいて前記メッセージのサイズ及び種類が決定される。
また、ヘッダ511は、前記パケットの発信者を識別できるアドレスフィールドを含んでもよい。例えば、前記アドレスフィールドは、無線電力受信装置200の識別子又は無線電力受信装置200が属するグループの識別子を示すようにしてもよい。無線電力受信装置200がパケット510を送信する場合、無線電力受信装置200は、パケット510のアドレスフィールドが無線電力受信装置200の識別情報を示すようにパケット510を生成するようにしてもよい。
メッセージ512は、パケット510の発信者が送信するデータを含む。メッセージ512に含まれるデータは、相手への報告事項(report)、要求事項(request)又は応答事項(response)であってもよい。
一実施形態によれば、コマンドパケット510は、図12bに示すように構成されてもよい。コマンドパケット510に含まれるヘッダ511は、所定のサイズにしてもよい。例えば、ヘッダ511は、2バイトのサイズであってもよい。
ヘッダ511は、受信アドレスフィールドを含むように構成されてもよい。例えば、前記受信アドレスフィールドは、6ビットのサイズであってもよい。
ヘッダ511は、OCF(Operation command field)又はOGF(Operation group field)を含むように構成されてもよい。OGFは、無線電力受信装置200のためのコマンドのグループ毎に付与される値であり、OCFは、無線電力受信装置200が含まれる各グループ内に存在するコマンド毎に付与される値である。
メッセージ512は、パラメータ長(PARAMETER LENGTH)フィールド5121とパラメータ値(PARAMETER VALUE)フィールド5122に区分されるようにしてもよい。すなわち、パケット510の発信者は、前記メッセージを、前記送信するデータを示すために必要な少なくとも1つのパラメータ長とパラメータ値の対(5121aと5122aなど)の形態で構成するようにしてもよい。
図12cを参照すると、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200は、コマンドパケット510に送信のためのプリアンブル(PREAMBLE)520及びチェックサム(CHECKSUM)530を付加したパケットの形態で前記データを送受信するようにしてもよい。
プリアンブル520は、無線電力送信装置100により受信されるデータとの同期化を行い、またコマンドパケット510のスタートビットを正確に検出するために用いられる。プリアンブル520は、同じビットが繰り返されるように構成されてもよい。例えば、プリアンブル520は、前記DBP符号化によるデータビット1が11回〜25回繰り返されるように構成されてもよい。
チェックサム530は、電力制御メッセージが送信される途中でコマンドパケット510に発生し得るエラーを検出するために用いられる。
オペレーションフェーズ
以下、一対一通信において、無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200のオペレーションフェーズについて説明する。
図13は本明細書に開示される実施形態による無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200のオペレーションフェーズを示す図である。また、図14〜図18は無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との間の電力制御メッセージを含むパケットの構造を示す図である。
図13を参照すると、無線電力送信のための無線電力送信装置100及び無線電力受信装置200のオペレーションフェーズ(OPERATION PHASE)は、選択フェーズ(SELECTION PHASE)610、ピンフェーズ(PING PHASE)620、識別及び設定フェーズ(IDENTIFICATION AND CONFIGURATION PHASE)630及び電力送信フェーズ(POWER TRANSFER PHASE)640に分けられる。
選択フェーズ610においては、無線電力送信装置100が無線で電力を送信できる範囲内にオブジェクトが存在するか否かを検知し、ピンフェーズ620においては、無線電力送信装置100が前記検知されたオブジェクトに検出信号を送り、無線電力受信装置200は前記検出信号に対する応答を送る。
また、識別及び設定フェーズ630においては、無線電力送信装置100が前のフェーズで選択した無線電力受信装置200を識別し、電力送信のための設定情報を取得する。電力送信フェーズ640においては、無線電力送信装置100が、無線電力受信装置200から受信した制御メッセージに対応して送信する電力を調整して、無線電力受信装置200に電力を送信する。
以下、前記各オペレーションフェーズについて具体的に説明する。
1)選択フェーズ
選択フェーズ610にある無線電力送信装置100は、検知領域内に存在する無線電力受信装置200の選択のために検出過程を行う。前記検知領域とは、前述したように、当該領域内のオブジェクトが電力変換部111の電力の特性に影響を及ぼす領域をいう。ピンフェーズ620と比較すると、選択フェーズ610における無線電力受信装置200の選択のための検出過程は、電力制御メッセージを用いて無線電力受信装置200から応答を受信する方式の代わりに、無線電力送信装置100の電力変換部で無線電力信号を形成するための電力量の変化を検知して所定範囲内にオブジェクトが存在するか否かを確認する過程である。選択フェーズ610における検出過程は、後述するピンフェーズ620におけるデジタル形式のパケットを用いるのではなく無線電力信号を用いてオブジェクトを検出することから、アナログピン過程とも呼ばれる。
選択フェーズ610にある無線電力送信装置100は、前記検知領域内にオブジェクトが出入することを検知することができる。また、無線電力送信装置100は、前記検知領域内にあるオブジェクトのうち、無線で電力を送信できる無線電力受信装置200とその他のオブジェクト(例えば、鍵、小銭など)を区分することができる。
前述したように、誘導結合方式と共振結合方式とでは、無線で電力を送信できる距離が異なるので、選択フェーズ610においてオブジェクトが検出される検知領域も異なる。
まず、誘導結合方式で電力が送信される場合、選択フェーズ610にある無線電力送信装置100は、オブジェクトの配置及び除去を検知するために、インタフェース表面(図示せず)をモニタすることができる。
また、無線電力送信装置100は、前記インタフェース表面の上部に載置された無線電力受信装置200の位置を検知することもできる。前述したように、1つ以上の送信コイルを含むように形成された無線電力送信装置100は、選択フェーズ610からピンフェーズ620に移行し、ピンフェーズ620において、各コイルを用いて前記オブジェクトから検出信号に対する応答が送信されるか否かを確認するか、又はその後識別フェーズ630に移行して前記オブジェクトから識別情報が送信されるかを確認する方法を行うことができる。無線電力送信装置100は、このような過程により取得した前記検知された無線電力受信装置200の位置に基づいて、無線電力送信に用いられるコイルを決定することができる。
また、共振結合方式で電力が送信される場合、選択フェーズ610にある無線電力送信装置100は、前記検知領域内のオブジェクトによる前記電力変換部の周波数、電圧及び電流の少なくとも1つの変化を検知することにより、前記オブジェクトを検出することができる。
一方、選択フェーズ610にある無線電力送信装置100は、前記誘導結合方式による検出方法と前記共振結合方式による検出方法の少なくとも1つの方法によりオブジェクトを検出することができる。無線電力送信装置100は、各電力送信方式によるオブジェクト検出過程を行い、その後他のフェーズ620、630、640に移行するために無線電力送信のための結合方式から前記オブジェクトを検出する方式を選択することができる。
一方、選択フェーズ610にある無線電力送信装置100において、オブジェクトの検出のために形成する無線電力信号と、その後のフェーズ620、630、640におけるデジタル検出、識別、設定及び電力送信のために形成する無線電力信号とは、その周波数や強度などの特性が異なるようにしてもよい。これは、無線電力送信装置100の選択フェーズ610はオブジェクトの検出のための待機状態(アイドル状態)に該当するので、無線電力送信装置100が待機中の消費電力を低減したり効率的なオブジェクトの検出のために特化された信号を生成できるようにするためである。
2)ピンフェーズ
ピンフェーズ620にある無線電力送信装置100は、電力制御メッセージを用いて前記検知領域内に存在する無線電力受信装置200を検出する過程を行う。選択フェーズ610における無線電力信号の特性などを用いた無線電力受信装置200の検出過程と比較して、ピンフェーズ620における検出過程はデジタル検出過程とも呼ばれる。
ピンフェーズ620において、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200の検出のための無線電力信号を形成し、無線電力受信装置200により変調された無線電力信号を復調し、前記復調された無線電力信号から前記検出信号に対する応答に相当するデジタルデータ形態の電力制御メッセージを取得する。無線電力送信装置100は、前記検出信号に対する応答に相当する電力制御メッセージを受信することにより、電力送信の対象となる無線電力受信装置200を認識することができる。
ピンフェーズ620にある無線電力送信装置100がデジタル検出過程を行うために形成する検出信号は、特定の動作ポイント(operating point)の電力信号を所定時間供給することにより形成される無線電力信号であってもよい。前記動作ポイントとは、送信(Tx)コイルに印加される電圧の周波数、デューティサイクル(duty cycle)及び振幅を意味する。無線電力送信装置100は、前記特定の動作ポイントの電力信号を供給することにより生成された前記検出信号を所定時間生成し、無線電力受信装置200からの電力制御メッセージの受信を試みるようにしてもよい。
一方、前記検出信号に対する応答に相当する電力制御メッセージは、無線電力受信装置200が受信した無線電力信号の強度を示すメッセージであってもよい。例えば、無線電力受信装置200は、図14に示すような前記検出信号に対する応答として受信した無線電力信号の強度を示すメッセージが含まれる信号強度パケット(signal strength packet)5100を送信するようにしてもよい。パケット5100は、信号強度を示すパケットであることを示すヘッダ5120と、無線電力受信装置200が受信した電力信号の強度を示すメッセージ5130とを含むように構成されてもよい。メッセージ5130内の電力信号の強度は、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200間の電力送信のための誘導結合又は共振結合の程度(degree of coupling)を示す値であってもよい。
無線電力送信装置100は、前記検出信号に対する応答メッセージを受信して無線電力受信装置200を見つけ、その後前記デジタル検出過程を延長して識別及び設定フェーズ630に移行するようにしてもよい。すなわち、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200を見つけ、その後前記特定の動作ポイントの電力信号を保持して識別及び設定フェーズ630に必要な電力制御メッセージを受信するようにしてもよい。
ただし、無線電力送信装置100が電力を送信できる無線電力受信装置200が見つからない場合、無線電力送信装置100のオペレーションフェーズは選択フェーズ610に戻る。
3)識別及び設定フェーズ
識別及び設定フェーズ630における無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200から送信される識別情報及び/又は設定情報を受信し、電力送信が効率的に行われるように制御することができる。
識別及び設定フェーズ630において、無線電力受信装置200は、無線電力受信装置200の識別情報を含む電力制御メッセージを送信するようにしてもよい。このために、無線電力受信装置200は、例えば、図15aに示すような無線電力受信装置200の識別情報を示すメッセージが含まれる識別パケット(identification packet)5200を送信するようにしてもよい。パケット5200は、識別情報を示すパケットであることを示すヘッダ5220と、前記無線電力受信装置の識別情報を含むメッセージ5230とを含むように構成されてもよい。メッセージ5230は、無線電力送信のための規約のバージョンを示す情報2531、5232、無線電力受信装置200のメーカー識別情報5233、拡張装置識別子の有無を示す情報5234、及び基本装置識別子5235を含むように構成されてもよい。また、拡張装置識別子の有無を示す情報5234が拡張装置識別子の存在を示す場合、図15bに示すような拡張装置識別子を含む拡張識別パケット(extended identification packet)5300が別途送信されるようにしてもよい。パケット5300は、拡張装置識別子を示すパケットであることを示すヘッダ5320と、拡張装置識別子を含むメッセージ5330とを含むように構成されてもよい。このように拡張装置識別子が用いられる場合、無線電力受信装置200を識別するために、メーカー識別情報5233、基本装置識別子5235及び拡張装置識別子5330に基づく情報を用いることができる。
識別及び設定フェーズ630において、無線電力受信装置200は、予想最大電力に関する情報を含む電力制御メッセージを送信するようにしてもよい。このために、無線電力受信装置200は、例えば、図16に示すような設定パケット(configuration packet)5400を送信するようにしてもよい。前記パケットは、設定パケットであることを示すヘッダ5420と、予想最大電力に関する情報を含むメッセージ5430とを含むように構成されてもよい。メッセージ5430は、電力クラス5431、予想最大電力に関する情報5432、無線電力送信装置側のプライマリセルの電流を決定する方法を示す指示子5433、及び選択的な設定パケットの数5434を含むように構成されてもよい。指示子5433は、無線電力送信のための規約に規定されているとおり前記無線電力送信装置側のプライマリセルの電流が決定されるか否かを示すものであってもよい。
一方、無線電力送信装置100は、前記識別情報及び/又は設定情報に基づいて、無線電力受信装置200と電力充電に用いられる電力送信規約(power transfer contract)を生成するようにしてもよい。前記電力送信規約は、電力送信フェーズ640における電力送信特性を決定するパラメータの限定事項(limits)を含むようにしてもよい。
無線電力送信装置100は、電力送信フェーズ640に移行する前に、識別及び設定フェーズ630を終了し、選択フェーズ610に戻るようにしてもよい。例えば、無線電力送信装置100は、無線で電力を受信できる他の無線電力受信装置を見つけるために、識別及び設定フェーズ630を終了することができる。
4)電力送信フェーズ
電力送信フェーズ640における無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200に電力を送信する。
無線電力送信装置100は、電力を送信する途中で無線電力受信装置200から電力制御メッセージを受信し、前記受信した電力制御メッセージに対応して前記送信コイルに供給される電力の特性を制御するようにしてもよい。例えば、前記送信コイルの電力特性を制御するために用いられる電力制御メッセージは、図17に示すような制御エラーパケット(control error packet)5500に含まれるようにしてもよい。パケット5500は、制御エラーパケットであることを示すヘッダ5520と、制御エラー値を含むメッセージ5530とを含むように構成されてもよい。無線電力送信装置100は、前記制御エラー値に基づいて前記送信コイルに供給される電力を調整するようにしてもよい。すなわち、前記送信コイルに供給される電流は、前記制御エラー値が0の場合に維持され、負の値の場合に減少し、正の値の場合に増加するように調整可能である。
電力送信フェーズ640において、無線電力送信装置100は、前記識別情報及び/又は設定情報に基づいて生成された電力送信規約内のパラメータをモニタするようにしてもよい。前記パラメータをモニタした結果、無線電力受信装置200との電力送信が前記電力送信規約に含まれる限定事項に違反した場合、無線電力送信装置100は、前記電力送信を取り消して選択フェーズ610に戻るようにしてもよい。
無線電力送信装置100は、無線電力受信装置200から送信された電力制御メッセージに基づいて電力送信フェーズ640を終了するようにしてもよい。
例えば、無線電力受信装置200が送信された電力を用いてバッテリを充電する途中で前記バッテリの充電が完了した場合、無線電力送信装置100に無線電力送信を中止することを要求する電力制御メッセージを送信するようにしてもよい。この場合、無線電力送信装置100は、前記電力送信の中止を要求するメッセージを受信し、その後、無線電力送信を終了し、選択フェーズ610に戻るようにしてもよい。
他の例として、無線電力受信装置200は、既に生成された電力送信規約を更新するために、再ネゴシエーション(renegotiation)又は再設定(reconfigure)を要求する電力制御メッセージを送信するようにしてもよい。無線電力受信装置200は、現在送信されている電力量より多いか又は少ない量の電力が必要な場合、前記電力送信規約の再ネゴシエーションを要求するメッセージを送信するようにしてもよい。この場合、無線電力送信装置100は、前記電力送信規約の再ネゴシエーションを要求するメッセージを受信し、その後、無線電力送信を終了し、識別及び設定フェーズ630に戻るようにしてもよい。
このために、無線電力受信装置200から送信されるメッセージは、例えば図18に示すような電力送信中断(End Power Transfer)パケット5600であってもよい。パケット5600は、電力送信中断パケットであることを示すヘッダ5620と、中断の理由を示す電力送信中断コードを含むメッセージ5630とを含むように構成されてもよい。前記電力送信中断コードは、充電完了(charge complete)、内部エラー(internal fault)、過熱(over temperature)、過電圧(over voltage)、過電流(over current)、バッテリエラー(battery failure)、再設定(reconfigure)、無応答(no response)及び未知のエラー(unknown error)のいずれかを示すようにしてもよい。
複数の電子機器の通信方法
以下、1つの無線電力送信装置と少なくとも1つの電子機器が無線電力信号を用いて通信を行う方法について説明する。
図19は無線電力送信装置が1つ以上の無線電力受信装置に電力を送信する方法を示す概念図である。
無線電力送信装置100は、少なくとも1つの無線電力受信装置200、200’のために電力を送信することができる。図19には2つの電子機器200、200’を示すが、本明細書に開示される実施形態による方法は図示の電子機器の数に限定されるものではない。
無線電力送信装置100の無線電力送信方式によって活動領域及び検知領域が異なる。よって、無線電力送信装置100は、共振結合方式の活動領域もしくは検知領域に配置された無線電力受信装置が存在するか否か、又は誘導結合方式の活動領域もしくは検知領域に配置された無線電力受信装置が存在するか否かを判断するようにしてもよい。前記判断の結果に基づいて、各無線電力送信方式をサポートする無線電力送信装置100は、各無線電力受信装置に対する電力送信方式を変更するようにしてもよい。
本明細書に開示される実施形態による無線電力送信においては、無線電力送信装置100が同じ無線電力送信方式で少なくとも1つの電子機器200、200’のために電力を送信する場合、電子機器200、200’が互いに衝突することなく前記無線電力信号により通信を行うことができる。
図19に示すように、無線電力送信装置100により形成された無線電力信号10aは、第1電子機器200’及び第2電子機器200に到達する。第1電子機器200’及び第2電子機器200は、前記形成された無線電力信号10aを用いて電力制御メッセージを送信するようにしてもよい。
第1電子機器200’及び第2電子機器200は、無線電力信号を受信する無線電力受信装置として動作する。本明細書に開示される実施形態による無線電力受信装置は、前記形成された無線電力信号を受信する電力受信部291’、291と、前記受信した無線電力信号に対して変調又は復調を行う変復調部293’、293と、前記無線電力受信装置の各構成要素を制御する制御部292’、292とを含んでもよい。
以下、多対一通信を行う無線電力送信装置、多対一通信を行う無線電力送信装置の制御方法、及び多対一通信を行う無線充電システム(又は無線電力送信システム)について、図面を参照してより具体的に説明する。
図20a、図20b及び図20cは本発明による通信を行うためのフレーム構造を示す構造図である。また、図21は本発明によるシンクパターンを示す図である。図22は多対一通信を行う無線電力送信装置及び無線電力受信装置のオペレーションフェーズを示す図である。さらに、図23は制御情報パケットを示す図であり、図24は識別データパケットを示す図であり、図25は設定パケットを示す図であり、図26はSRQデータパケットを示す図であり、図27はEPTパケットを示す図である。
本発明の一実施形態による無線電力送信装置100は、電力変換部111を用いて、無線で電力を送信することができる。ここで、無線電力送信装置100は、誘導結合方式及び共振結合方式の少なくとも一方の方式で電力を送信することができる。
無線電力送信装置100の電力変換部111は、単一のコイル又は複数のコイルで構成されてもよい。以下に説明する通信方法を行う無線電力送信装置100は、電力変換部111が単一のコイルで構成された場合と複数のコイルで構成された場合の両方に適用することができる。
また、電力変換部111は、無線電力送信装置100と無線電力受信装置200との通信のために無線電力信号を送信するようにしてもよい。より具体的には、電力変換部111で生成された無線電力信号は、変復調部113により変調及び復調され、無線電力受信装置にパケットとして送信されるようにしてもよい。前記変調及び復調の方法については、図9で説明したのでその説明を省略する。
一方、無線電力送信装置100は、1つの無線電力受信装置と通信を行うこともでき、複数の無線電力受信装置と通信を行うこともできる。
ここで、1つの無線電力受信装置と通信を行う方式を排他モード(exclusive
mode)と定義し、1つ又はそれ以上の無線電力受信装置と通信を行う方式を共有モード(shared mode)と定義する。前記排他モードは、磁気結合係数が0.3又はそれ以上であってもよく、また、前記共有モードは、磁気結合係数が0.1又はそれ以下であってもよい。
無線電力受信装置200は、無線電力受信装置200が無線電力送信装置100の機能が実行される機能エリア(functional area)内に位置する場合、無線電力送信装置100から電力信号(power signal)を受信するようにしてもよい。ここで、無線電力受信装置200は、前記無線電力信号に基づいて、選択フェーズでオペレーションを開始するようにしてもよい。
前記選択フェーズで、無線電力受信装置200は、無線電力送信装置100から受信した無線電力信号内に特定の信号が存在するか否かによって、排他モードと共有モードのいずれかのモードで動作するようにしてもよい。ここで、前記特定の信号は、FSK(Frequency shift keying)であってもよい。前記FSK信号は、無線電力受信装置に同期化情報やその他の情報を提供するための信号であってもよい。
より具体的には、無線電力受信装置200は、前記選択フェーズでオペレーションを開始し、直ちに前記無線電力信号内にFSK信号が存在するか否かを検知するようにしてもよい。無線電力受信装置200が前記無線電力信号の受信時点から予め設定された時間が経過する前に前記FSK信号を検出した場合、無線電力受信装置200は、共有モードの導入フェーズを実行するようにしてもよい。ここで、予め設定された時間は、排他モードのデジタルピン(digital ping)時間であり、例えば65msであってもよい。
それに対し、無線電力受信装置200が前記FSK信号を検出していない場合、無線電力受信装置200は、排他モードで動作するようにしてもよい。この場合、無線電力受信装置200は、図13で説明したオペレーションフェーズを実行するようにしてもよい。
以下、無線電力受信装置200が共有モードを実行する方法について、図面を参照してより具体的に説明する。
図20a、図20b及び図20cに示すように、無線電力受信装置が共有モードで動作する場合、無線電力送信装置100は、複数のスロット(又はタイムスロット)を提供し、1つ又はそれ以上の無線電力受信装置と通信を行うようにしてもよい。前記スロットは、無線電力受信装置のデータパケットの送信に適した長さを有するスロットであってもよい。
前記複数のスロットは、それぞれ一定の長さを有するスロットであってもよい。また、無線電力送信装置100は、前記複数のスロットのうち2つの連続するスロット間で、無線電力受信装置にシンクパターン(sync pattern)を送信するようにしてもよい。
前記シンクパターンは、前記複数のスロット間で送信され、連続するスロットを分離する役割を果たす。また、前記シンクパターンは、無線電力送信装置100と無線電力受信装置との通信を最適化する役割を果たす。例えば、前記シンクパターンは、前記無線電力受信装置に衝突の発生及び保証された待機時間に関する情報を提供することにより、通信の最適化を図ることができる。
一方、前記複数のスロットは、一定の長さのフレーム構造を有するようにしてもよい。すなわち、前記フレームは、複数のスロットから構成されてもよい。
ここで、前記フレームとは、電力送信中に情報を送受信するための通信単位を意味する。前記フレームは、予め設定された長さを有するようにしてもよい。例えば、前記単一のフレームは、1秒(1000ms)の時間間隔を有するようにしてもよい。
すなわち、無線電力送信装置100は、フレーム単位で通信を行うようにしてもよい。すなわち、無線電力送信装置100は、1秒間第1フレームで通信を行い、前記1秒が経過してから1秒間第2フレームで通信を行うようにしてもよい。
前記フレームは、シンクパターンから開始されるようにしてもよい。すなわち、前記シンクパターンは、フレームとフレーム間に存在し、フレームとフレームを分離する役割を果たす。また、前記シンクパターンは、フレームの最も前方に配置され、フレームの開始を示す役割を果たす。すなわち、前記無線電力受信装置は、前記無線電力送信装置から受信したシンクパターンに基づいて、フレームの開始を検知するようにしてもよい。ここで、前記シンクパターンのスタートビットは、フレームの開始を示すようにしてもよい。
また、前記フレームは、シンクパターンに続き、予め設定された時間間隔(例えば、50ms)を有するスロットから構成されてもよい。前記シンクパターンに続くスロットは、測定スロット(measurement slot)又は測定ウィンドウ(measurement window)とも命名される。前記測定スロットは、前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置間の電力測定を容易にするために、前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置との通信が行われないスロット、すなわち通信フリースロットであることが維持されるスロットであってもよい。
より具体的には、前記無線電力送信装置は、前記測定スロット内で、前記無線電力受信装置に送信した電力を決定するようにしてもよい。また、それぞれの無線電力受信装置は、前記測定スロット内で、無線電力受信装置自身が受信した電力量を前記無線電力送信装置に送信するように、無線電力受信装置自身が受信した電力量を決定するようにしてもよい。
すなわち、前記無線電力送信装置は、前記測定スロットに基づいて、無線電力受信装置に送信する電力量を認知し、今後送信される電力量を制御することができる。
以下の前記共有モードでは、前記フレームの開始を示すシンクパターン及び前記測定スロットを全てのフレームに備えるようにしてもよい。
前記フレームは様々な形態で構成される。前記フレームを構成するスロットの数、スロットの長さ、フレームの長さなどは設計者の設計により変更することができる。一例として、前記フレームは、同じ時間間隔を有する、10個のスロット及び10個のシンクパターンから構成されてもよい。他の例として、前記フレームは、同じ時間間隔を有する、8個のスロット及び1個のシンクパターンから構成されてもよい。さらに他の例として、前記フレームは、異なる時間間隔を有する複数のスロットから構成されてもよい。
一方、前記共有モードでは、異なる形態のフレームが共に用いられてもよい。例えば、前記共有モードでは、複数のスロットを有するスロットフレーム(slotted frame)及び特定の形態のないフリーフォーマットフレーム(free−format frame)を用いるようにしてもよい。より具体的には、前記スロットフレームは、無線電力受信装置から無線電力送信装置100に短いデータパケットを送信するためのフレームであってもよく、また、前記フリーフォーマットフレームは、複数のスロットを備えないので長いデータパケットの送信が可能なフレームであってもよい。
一方、前記スロットフレーム及び前記フリーフォーマットフレームは、当業者により様々な名称に変更可能である。例えば、前記スロットフレームはチャネルフレームに変更されて命名され、前記フリーフォーマットフレームはメッセージフレームなどに変更されて命名されてもよい。
より具体的には、図20aを参照すると、前記スロットフレームは、スロットの開始を示すシンク(Sync)パターン、測定(Measure)スロット、9つのスロット、及び前記9つのスロットのそれぞれの前において同じ時間間隔を有するさらなるシンクパターンを含むようにしてもよい。ここで、前記さらなるシンクパターンは、前述したフレームの開始を示すシンクパターンとは異なるシンクパターンである。より具体的には、前記さらなるシンクパターンは、フレームの開始を示すのではなく、隣接するスロット(すなわち、シンクパターンの両側に配置される2つの連続するスロット)に関する情報を示すようにしてもよい。
すなわち、図20aを参照すると、前記9つのスロットのうち2つの連続するスロット間には、それぞれシンクパターンが配置されてもよい。この場合、前記シンクパターンは、前記2つの連続するスロットに関する情報を提供するようにしてもよい。
また、前記9つのスロット及び前記9つのスロットのそれぞれの前に提供されるシンクパターンは、それぞれ同じ時間間隔を有するようにしてもよい。例えば、図20aを参照すると、前記9つのスロットが50msの時間間隔を有するようにしてもよい。また、前記9つのシンクパターンが50msの時間長を有するようにしてもよい。
一方、前記スロットフレームは、前述した形態とは異なる形態を有するようにしてもよい。例えば、図20bを参照すると、スロットの開始を示すシンク(Sync)パターン、測定(Measure)スロット及び複数のスロットから構成されてもよい。すなわち、図20bを参照すると、前記スロットフレームは、2つの連続するスロット間にシンクパターンを備えず、フレームの開始を示すシンクパターンのみを備える。
この場合、前記フレームの開始を示すシンクパターンは、前記スロットフレームを構成する複数のスロットの状態情報を含むようにしてもよい。例えば、前記シンクパターンは、前記複数のスロットのそれぞれが無線電力受信装置に割り当てられたか否かに関する情報を含むようにしてもよい。
また、図20bを参照すると、前記スロットフレームは、同じ時間間隔を有するスロットから構成されてもよい。ここで、前記スロットの時間間隔は、無線電力送信装置100が同時に充電可能な無線電力受信装置の数によって決定されるようにしてもよい。例えば、無線電力送信装置100が同時に8つの無線電力受信装置に電力を送信できる場合、1つのスロットは125msの時間間隔を有するようにしてもよい。
一方、図20bを参照すると、無線電力送信装置100は、スロットとスロット間にシンクパターンを備えなくても、スロットとスロット間で、隣接するスロットの状態を示す情報を無線電力受信装置に送信することができる。例えば、図29bを参照すると、前記スロットの状態を示す情報は、割り当てられたスロット情報(slot occupied indicator, SOI)、ロックスロット情報(Start−up slot indicator, SSI)、フリースロット情報(slot free indicator, SFI)、及びスロット内で無線電力受信装置から通信が円滑に行われているか否かに関する情報(ACK、NAK、無通信信号、通信エラー信号)などである。
すなわち、スロットフレームは、スロットとスロット間にシンクパターンを備えるか否かに関係なく、隣接するスロット間の情報を無線電力受信装置に送信することができる。すなわち、無線電力送信装置100は、シンクパターン又はシンクビットの形態で無線電力受信装置に提供することができる。よって、無線電力受信装置は、各スロットの状態情報を認知し、無線電力送信装置との通信を円滑に行うことができる。
以下の説明は、前記スロットフレームの形態に関係なく、前記スロットフレームの全てに同様に適用することができる。
前記スロットフレームを構成する複数のスロットは、1つの無線電力送信装置と1つ又はそれ以上の無線電力受信装置との通信を行うように提供されてもよい。
前記複数のスロットは、割り当てられたスロット(allocated slot)、フリースロット(free slot)、測定スロット(measurement slot)及びロックスロット(locked slot)の少なくとも1つから構成される。
前記割り当てられたスロットは、特定の無線電力受信装置により使用されるスロットであってもよい。より具体的には、前記特定の無線電力受信装置以外の他の無線電力受信装置は、前記特定の無線電力受信装置に割り当てられたスロット内で、前記無線電力送信装置への情報の送信が制限されるようにしてもよい。
前記フリースロットは、任意の無線電力受信装置が自由に使用できるスロットであってもよい。すなわち、前記フリースロットは、任意の無線電力受信装置が前記フリースロット内で前記無線電力送信装置に情報を送信できるように提供されたスロットであってもよい。
前記測定スロットは、送信電力及び受信電力を測定するために、無線電力受信装置と通信を行わないスロットである。より具体的には、前記測定スロットは、無線電力送信装置と無線電力受信装置間の電力情報を送受信できるように提供されたスロットであってもよい。
前記ロックスロットは、一時的に特定の無線電力受信装置により使用されるようにロックされているスロットであってもよい。より具体的には、前記ロックスロットは、特定の無線電力受信装置が初期化段階(start−up sequence)を行うために、初期化段階で特定の無線電力受信装置のみアクセスが可能なスロットであってもよい。前記初期化段階は、以下でより具体的に説明する。
前記ロックスロットは、前記特定の無線電力受信装置以外の他の無線電力受信装置のアクセスが制限されるようにしてもよい。すなわち、前記ロックスロットが提供された状態で、他の無線電力受信装置は前記ロックスロット内で情報の送信が制限されるようにしてもよい。
一方、前記ロックスロットは、一時的に提供されるものであり、前記特定の無線電力受信装置の初期化段階が完了すると、再びフリースロットとして提供されるようにしてもよい。
前記複数のスロットのそれぞれは、制限された時間長を有するようにしてもよい。例えば、前記複数のスロットのそれぞれは、50msの時間長を有するようにしてもよい。前記それぞれのスロットが50msを有するので、前記無線電力受信装置は、1つのスロット当たり約5byteのデータを送信することができる。
前記スロットフレームの構造は当業者により容易に変更可能であり、前記スロットフレームの構造に関係なく、以下に説明する通信方式を同様に行うことができる。
また、図20cを参照すると、前記フリーフォーマット(Free Format)フレームは、フレームの開始を示すシンクパターン及び測定スロット以外に、具体的な形態を有しないようにしてもよい。すなわち、前記フリーフォーマットフレームは、前記スロットフレームとは異なる役割を果たすためのものであり、例えば、前記無線電力送信装置と前記無線電力受信装置間で長いデータパケット(例えば、さらなるプロプライエタリ情報パケット)の通信を行ったり、複数のコイルで構成された無線電力送信装置において複数のコイルからいずれかのコイルを選択する役割のために用いられてもよい。
以上、フレーム構造について説明した。
以下、各フレームに含まれるシンクパターンについて、図面を参照してより具体的に説明する。
前記シンクパターンは、スロットに関する情報を含む信号であり、様々な形態で実現することができる。例えば、前記シンクパターンは、パターンで実現してもよく、パケットで実現してもよい。
また、前記シンクパターンは、フレーム構造において少なくとも1つ存在する。例えば、前記シンクパターンは、複数のスロットから構成されたフレーム構造において、各スロットの前方にそれぞれ備えられてもよく、フレームの最も前方にのみ備えられてもよい。一例として、前記シンクパターンは、複数のスロットから構成されたフレーム内で、フレームの最も前方及び各スロット間に備えられてもよい。他の例として、前記シンクパターンは、複数のスロットから構成されたフレーム内で、フレームの最も前方にのみ備えられてもよい。
前記シンクパターンは、様々な情報を含む。例えば、前記シンクパターンは、スロットの状態情報、フレームの状態情報、フレームの構造、通信実行状態情報などを含むようにしてもよい。
例えば、図21を参照すると、前記シンクパターンは、プリアンブル(Preamble)、スタート(Start)ビット、応答(Response)フィールド、タイプ(Type)フィールド、情報(Info)フィールド及びパリティ(Parity)ビットから構成されてもよい。図21においては、前記スタートビットがゼロとなっている。
より具体的には、前記プリアンブルは、連続するビットからなり、全て0に設定されてもよい。すなわち、前記プリアンブルは、前記シンクパターンの時間長を合わせるためのビットであってもよい。
前記プリアンブルを構成するビットの数は、前記シンクパターンの長さが50msに最も近くなるように、しかし50msを超えない範囲で、動作周波数に従属するようにしてもよい。例えば、動作周波数が100kHzの場合、前記シンクパターンは2つのプリアンブルビットで構成され、動作周波数が105kHzの場合、前記シンクパターンは3つのプリアンブルビットで構成されてもよい。
前記スタートビットは、前記プリアンブルに続くビットであり、ゼロ(ZERO)を意味する。前記ゼロ(ZERO)は、前記シンクパターンの種類を示すビットであってもよい。ここで、前記シンクパターンの種類には、フレームに関する情報を含むフレームシンク(frame sync)と、スロットに関する情報を含むスロットシンク(slot sync)とが含まれてもよい。すなわち、前記シンクパターンは、連続するフレーム間に配置され、フレームの開始を示すフレームシンクであってもよく、フレームを構成する複数のスロットのうち連続するスロット間に配置され、前記連続するスロットに関する情報を含むスロットシンクであってもよい。例えば、前記ゼロが0であると、該当スロットがスロットとスロット間に配置されるスロットシンクであることを意味し、前記ゼロが1であると、該当シンクパターンがフレームとフレーム間に配置されるフレームシンクであることを意味する。
前記パリティビットは、前記シンクパターンの最後のビットであり、前記シンクパターンのデータフィールド(すなわち、応答フィールド、タイプフィールド、情報フィールド)を構成するビットの数に関する情報を示す。例えば、前記パリティビットは、前記シンクパターンのデータフィールドを構成するビットの数が偶数の場合は1、その他の場合(すなわち、奇数の場合)は0となる。
前記応答フィールドは、前記シンクパターン以前のスロット内で、無線電力受信装置との通信に関する、無線電力送信装置の応答情報を含んでもよい。例えば、前記応答フィールドは、無線電力受信装置との通信の実行が検知されていない場合、「00」を有するようにしてもよい。また、前記応答フィールドは、無線電力受信装置との通信に通信エラー(communication error)が検知された場合、「01」を有するようにしてもよい。前記通信エラーは、2つ又はそれ以上の無線電力受信装置が1つのスロットへのアクセスを試み、2つ又はそれ以上の無線電力受信装置間の衝突が発生した場合であってもよい。
また、前記応答フィールドは、無線電力受信装置からデータパケットを正確に受信したか否かを示す情報を含んでもよい。より具体的には、前記応答フィールドは、無線電力送信装置が前記データパケットを拒否(deny)した場合、「10」(10−not acknowledge, NAK)、無線電力送信装置が前記データパケットを確認(confirm)した場合、「11」(11−acknowledge, ACK)となるようにしてもよい。
前記タイプフィールドは、前記シンクパターンの種類を示すようにしてもよい。より具体的には、前記タイプフィールドは、前記シンクパターンがフレームの最初のシンクパターンである場合(すなわち、フレームの最初のシンクパターンであり、測定スロットの前に配置された場合)、フレームシンクであることを示す「1」を有するようにしてもよい。
また、前記タイプフィールドは、スロットフレームにおいて、前記シンクパターンがフレームの最初のシンクパターンでない場合、スロットシンクであることを示す「0」を有するようにしてもよい。
また、前記情報フィールドは、前記タイプフィールドが示すシンクパターンの種類によってその値の意味が決定されるようにしてもよい。例えば、前記タイプフィールドが1の場合(すなわち、フレームシンクを示す場合)、前記情報フィールドはフレームの種類を示すようにしてもよい。すなわち、前記情報フィールドは、現在のフレームがスロットフレーム(slotted frame)であるか、フリーフォーマットフレーム(free−format frame)であるかを示すようにしてもよい。例えば、前記情報フィールドが「00」の場合は前記スロットフレームを示し、前記情報フィールドが「01」の場合は前記フリーフォーマットフレームを示すようにしてもよい。
それに対し、前記タイプフィールドが0の場合(すなわち、スロットシンクの場合)、前記情報フィールドは、前記シンクパターンの次に配置された次のスロット(next slot)の状態を示すようにしてもよい。より具体的には、前記情報フィールドは、次のスロットが特定の無線電力受信装置に割り当てられたスロットの場合は「00」を有し、前記特定の無線電力受信装置に一時的に使用させるためにロックされているスロットの場合は「01」を有し、任意の無線電力受信装置が自由に使用できるスロットの場合は「10」を有するようにしてもよい。
以上、シンクパターンの構造について説明した。
以下、共有モードでの無線電力受信装置のオペレーションフェーズについてより具体的に説明する。
図22を参照すると、共有モードで動作する無線電力受信装置は、選択フェーズ(SELECTION PHASE)2000、導入フェーズ(INTRODUCTION PHASE)2010、設定フェーズ(CONFIGURATION PHASE)2020、ネゴシエーションフェーズ(NEGOTIATION PHASE)2030及び電力送信フェーズ(POWER TRANSFER PHASE)2040のいずれかのフェーズで動作する。
まず、本発明の一実施形態による無線電力送信装置100は、無線電力受信装置を検知するために、無線電力信号を送信するようにしてもよい。すなわち、図13で説明したように、このように無線電力信号を用いて無線電力受信装置を検知する過程はアナログピン(analog ping)と呼ばれる。
一方、前記無線電力信号を受信した無線電力受信装置は、選択フェーズ2000に移行するようにしてもよい。選択フェーズ2000に移行した前記無線電力受信装置は、前述したように、前記無線電力信号にFSK信号が含まれるか否かを検知するようにしてもよい。
すなわち、前記無線電力受信装置は、前記FSK信号が含まれるか否かによって排他モード又は共有モードのいずれかの方式で通信を行うようにしてもよい。
より具体的には、前記無線電力受信装置は、前記無線電力信号に前記FSK信号が含まれていれば共有モードで動作し、そうでなければ排他モードで動作するようにしてもよい。
前記無線電力受信装置が排他モードで動作する場合、前記無線電力受信装置は、図13で説明したオペレーションフェーズを実行するようにしてもよい。
前記無線電力受信装置が共有モードで動作する場合、前記無線電力受信装置は、導入フェーズ2010に移行するようにしてもよい。導入フェーズ2010において、前記無線電力受信装置は、前記設定フェーズ、前記ネゴシエーションフェーズ及び前記電力送信フェーズにおいて制御情報(Control Information, CI)パケット2100を送信するために、前記無線電力送信装置に前記制御情報パケットを送信するようにしてもよい。前記制御情報パケットは、ヘッダ(header)及び制御に関する情報を有するようにしてもよい。例えば、前記制御情報パケットは、ヘッダが「0X53」であってもよい。
図23を参照すると、制御情報(CI)パケット2100には、前記無線電力受信装置が受信した電力値(Received Power Value)情報、電力送信の制御エラー値(Control Error Value)情報、電力送信中止要求(Fault)情報などが含まれる。
ここで、無線電力送信装置100は、前記制御情報(CI)パケットに基づいて、前記無線電力受信装置に送信される電力量を制御するようにしてもよい。一例として、無線電力送信装置100は、制御誤差情報の増加又は減少に応じて、前記無線電力送信装置の電力変換部111を構成するコイルの電流量が増加又は減少するようにしてもよい。他の例として、前記無線電力送信装置は、前記受信した電力値情報を測定スロットの平均値として用いるようにしてもよい。
一方、無線電力送信装置100は、前記複数のスロットのいずれか1つのスロット内で、前記無線電力受信装置から前記制御情報パケット(CI)を受信するようにしてもよい。例えば、前記無線電力送信装置は、第1フレームの複数のスロットのうち第1スロット内で、前記無線電力受信装置から前記制御情報を受信するようにしてもよい。
無線電力送信装置100は、前記第1スロットを使用できる場合、ACK(acknowledge)信号を送信し、前記第1スロットを使用できない場合、前記無線電力受信装置にNAK(not−acknowledge)信号を送信するようにしてもよい。
より具体的には、無線電力送信装置100は、前記第1スロット内で前記制御情報パケットを正常に受信した場合、前記無線電力受信装置にACK信号を送信し、前記制御情報(CI)パケットを送信した前記無線電力受信装置とは異なる無線電力受信装置が前記第1スロット内で設定フェーズ2020又はネゴシエーションフェーズ2030を実行した場合、NAK信号を送信するようにしてもよい。
前記無線電力受信装置にACK信号を送信した場合、無線電力送信装置100は、前記無線電力受信装置に前記第1スロットを割り当てるようにしてもよい。このとき、前記無線電力受信装置は、設定フェーズ2020、ネゴシエーションフェーズ2030及び電力送信フェーズ2040で前記割り当てられた第1スロットを用いて制御情報(CI)パケットを送信するようにしてもよい。すなわち、前記無線電力受信装置は、ACK信号を受信した場合、前記無線電力受信装置のオペレーションフェーズに関係なくいつでも制御情報(CI)パケットを送信できるようにしてもよい。
それに対し、前記無線電力受信装置にNAK信号を送信した場合、無線電力送信装置100は、前記無線電力受信装置に前記第1スロットを割り当てないようにしてもよい。このとき、前記第1スロットが割り当てられていない無線電力受信装置は、ACK信号を受信するまで、前記第1スロットとは異なるスロットのいずれか1つのスロット内で、再び制御情報(CI)パケットを送信するようにしてもよい。
一方、無線電力送信装置100は、ACK信号を送信し、前記無線電力受信装置が設定フェーズ2020に移行するようにした場合、前記無線電力受信装置の独占的使用のためのロックスロットを提供するようにしてもよい。より具体的には、無線電力送信装置100は、前記無線電力受信装置に前記無線電力受信装置とは異なる他の無線電力受信装置のアクセスが制限されたロックスロットを提供するようにしてもよい。この場合、前記無線電力受信装置は、前記ロックスロットを用いて、前記他の無線電力受信装置と衝突することなく、設定フェーズ及びネゴシエーションフェーズを実行することができる。
設定フェーズ2020は、前記無線電力受信装置が効率的に電力を受信するように、前記無線電力受信装置が設定フェーズ2020に関する情報を送信するフェーズであってもよい。より具体的には、設定フェーズ2020は、共有モードにおいて、無線電力送信装置100が各無線電力受信装置を識別するように、無線電力受信装置の識別情報を無線電力送信装置100に提供するフェーズであってもよい。
すなわち、設定フェーズ2020において、無線電力送信装置100は、前記ロックスロット内で前記無線電力受信装置から設定フェーズ2020に関する情報を受信するようにしてもよい。ここで、設定フェーズ2020に関する情報は、識別データパケット(identification data packet)、さらなるプロプライエタリデータパケット(optionally proprietary data packet)、設定パケット(CFG packet)などを含んでもよい。
図24を参照すると、前記識別データパケットは、IDHIパケット及びIDLOパケットを含んでもよい。前記IDHIパケットのヘッダは「0X54」を有し、前記IDLOパケットのヘッダは「0X55」を有するようにしてもよい。また、前記識別データパケットは、無線電力受信装置の識別のための固有の識別(Identification, ID)情報、無線電力受信装置に適用された無線電力送信規約のバージョン(Version)情報、及び前記識別情報のエラーを判断する循環重複検査(Cyclic Redundancy Check, CRC)情報を含んでもよい。
前記さらなるプロプライエタリデータパケットは、5バイト以上のデータパケットであり、フリーフォーマットのフレームで前記無線電力送信装置に受信されるようにしてもよい。前記さらなるプロプライエタリデータパケットは、無線電力受信装置の所有に関する情報であり、例えば無線電力受信装置の製造会社情報などである。
図25を参照すると、設定(CFG)パケット2700は、さらなるデータパケットの数を含むカウント(Count)情報、FSK変調度(Modulation Depth)を計算するためのスケーリング因子(Scaling Factor)を含むデプス(Depth)情報、最大電力(Maximum Power)情報、低電力、中電力及び高電力のいずれかのクラスを示す無線電力受信装置の電力クラス(Power Class)情報、排他モードでのみ提供されるネゴシエーションフェーズ(Neg)情報、無線電力送信装置側の主なセルの電流を決定する方法を示すインジケータ(Prop)、FSK信号の極性(Pol)情報、ウィンドウオフセット(Window Offset)情報などを含んでもよい。
前記無線電力送信装置は、設定フェーズ2020に関する情報を受信すると、前記無線電力受信装置にACK信号、NAK信号、無通信信号及び通信エラー信号のいずれかで応答するようにしてもよい。
より具体的には、前記無線電力送信装置は、前記識別データパケット(IDHI、IDLO)においてCRC(cyclic redundancy check)エラーが検出されれば、前記無線電力受信装置にNAK信号を送信し、そうでなければ、ACK信号を送信するようにしてもよい。
一方、前記無線電力受信装置が電力送信規約を再設定するために、再設定要求情報(EPT/reconfigure packet)に基づいて、電力送信フェーズ2040から再び設定フェーズ2020に戻った場合、前記識別データパケットは、無線電力送信装置100に送信されるようにしてもよく、送信されないようにしてもよい。
また、前記無線電力送信装置は、前記さらなるプロプライエタリデータパケットが予め設定されたデータと異なるため認知できなければ、前記無線電力受信装置にNAK信号を送信し、そうでなければ、特定のプロプライエタリデータパケットに対し、ACK信号又はNAK信号を適切に送信するようにしてもよい。一方、前記さらなるプロプライエタリデータパケットを受信するために、前記無線電力受信装置は、フリーフォーマットフレームを用いることができるように、前記無線電力送信装置に前記フリーフォーマットフレームを要求するフリーフォーマットフレーム挿入(insert free−format frame)情報を送信するようにしてもよい。
また、前記無線電力送信装置は、前記設定パケット(CFG)を受信すると、設定パケットに含まれる情報に対する応答として、ACK信号を送信するようにしてもよい。
前記無線電力受信装置は、前記無線電力送信装置が設定フェーズ2020に関する情報に対して前記無通信信号又は前記通信エラー信号を送信すると、前記無通信信号又は前記通信エラー信号を受信したデータパケットを再び送信するようにしてもよい。
前記無線電力受信装置は、設定フェーズ2020に関する情報が受信された後、ネゴシエーションフェーズ2030に移行するようにしてもよい。すなわち、無線電力送信装置100は、設定フェーズ2020で設定パケット(CFG)を受信すると、前記無線電力受信装置がネゴシエーションフェーズ2030に移行するようにしてもよい。
ネゴシエーションフェーズ2030は、前記無線電力受信装置に効率的に電力を送信するように、前記無線電力受信装置が無線電力送信装置100にネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を送信するフェーズであってもよい。より具体的には、ネゴシエーションフェーズ2030は、共有モードにおいて、前記無線電力受信装置が、当該無線電力受信装置に送信される電力情報を前記無線電力送信装置に提供するフェーズであってもよい。
ここで、無線電力送信装置100は、設定フェーズ2020で提供されたロックスロットをネゴシエーションフェーズ2030でも提供し続けるようにしてもよい。すなわち、無線電力送信装置100は、前記ロックスロットを提供することにより、前記無線電力受信装置と他の無線電力受信装置間の衝突が発生することなく、ネゴシエーションフェーズ2030が実行されることを保証することができる。
前記無線電力受信装置は、前記ロックスロットを用いて、ネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を送信するようにしてもよい。すなわち、無線電力送信装置100は、前記ロックスロット内で、前記無線電力受信装置からネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を受信するようにしてもよい。
ここで、ネゴシエーションフェーズ2030に関する情報は、さらなるプロプライエタリデータパケット、ネゴシエーションデータパケット及びネゴシエーションフェーズ終了要求(SRQ/en, end−negotiation)パケットを含んでもよい。前記ネゴシエーションデータパケットは、具体的な要求(SRQ, specific request)パケット及び一般的な要求(GRQ, general request)パケットを含んでもよい。
図26を参照すると、SRQパケット2800は、要求根拠(Request Ground)情報及び要求値(Request Value)情報を含んでもよい。ここで、前記要求根拠情報は、ネゴシエーション終了(end negotiation)情報、保証された電力(guaranteed power)情報、受信した電力パケットの種類(received power packet type)情報、変調度(modulation depth)情報、最大電力(maximum power)情報及びフリーフォーマットフレーム挿入(insert free−format frame)情報のいずれかであってもよい。前記要求値情報は、前記要求根拠情報に応じて決定される変数情報を含んでもよい。
前記ネゴシエーションフェーズ終了要求パケットは、ネゴシエーションフェーズ2030の終了を要求する情報を含んでもよい。前記無線電力受信装置は、前記ネゴシエーションフェーズ終了要求パケットが送信されると、ネゴシエーションフェーズ2030を終了し、電力送信フェーズ2040に移行するようにしてもよい。
無線電力送信装置100は、ネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を受信すると、前記無線電力受信装置にACK信号、NAK信号、無通信信号及び通信エラー信号のいずれかで応答するようにしてもよい。
より具体的には、無線電力送信装置100は、前記ネゴシエーションデータパケットに対し、前記無線電力受信装置にACK信号又はNAK信号を送信するようにしてもよい。
また、前記無線電力送信装置は、さらなるプロプライエタリデータパケットが予め設定されたデータと異なるため認知できなければ、前記無線電力受信装置にNAK信号を送信し、そうでなければ、ACK信号又はNAK信号を適切に送信するようにしてもよい。
さらに、無線電力送信装置100は、ネゴシエーションフェーズ2030に関する情報に対して前記無通信信号又は前記通信エラー信号を受信した場合、前記無通信信号又は前記通信エラー信号を受信したデータを再び送信するようにしてもよい。
一方、無線電力送信装置100は、ネゴシエーションフェーズ2030に関する情報などの受信を完了すると、電力送信フェーズ2040に移行するようにしてもよい。例えば、無線電力送信装置100がネゴシエーションフェーズ終了要求パケット(SRQ/en)を受信した場合、無線電力送信装置100はACK信号を送信し、無線電力受信装置は電力送信フェーズ2040に移行するようにしてもよい。
ここで、無線電力送信装置100は、ネゴシエーションフェーズ2030を完了すると、前記無線電力受信装置への前記ロックスロットの提供を中止するようにしてもよい。
電力送信フェーズ2040とは、無線で電力を送信するフェーズを意味する。前記無線電力受信装置は、電力送信フェーズ2040において、前記割り当てられた第1スロットを用いて、制御情報(CI)パケットを送信し続けるようにしてもよい。また、前記無線電力受信装置は、複数のスロットのうちフリースロットを用いて、自由に1つ又はそれ以上のデータパケットを送信するようにしてもよい。
より具体的には、前記無線電力受信装置は、電力送信フェーズ2040において、電力送信中断要求(EPT, End Power Transfer)パケット、充電状態パケット(CHS2, Charge Status Packet)及びプロプライエタリデータパケットを送信するようにしてもよい。
図27を参照すると、電力送信中断要求パケット2900は、電力送信中断要求パケットの要求情報及びスロット情報を含んでもよい。前記電力送信中断要求パケットの要求情報は、充電完了(charging complete)情報、ソフトウェア又はロジックエラーを示す内部エラー(internal fault)情報、過熱(over−temperature)情報、過電圧(over voltage)情報、過電流(over current)情報、バッテリ不良を示すバッテリ障害(battery failure)情報、再設定要求(reconfigure request)情報、制御情報パケット又は制御エラーパケットに対する応答がないことを示す無応答(no response)情報、再ネゴシエーション要求(renegotiate request)情報及び未知のエラー(unknown)情報のいずれかを含んでもよい。前記スロット情報は、前記無線電力受信装置に割り当てられたスロット数情報を含んでもよい。
図28を参照すると、前記充電状態パケットは、充電状態情報及びスロット情報を含んでもよい。前記充電状態情報は、現在の無線電力受信装置の充電量情報であってもよい。例えば、前記充電状態情報は、充電パーセント情報であってもよい。前記スロット情報は、前記無線電力受信装置に割り当てられたスロット数情報を含んでもよい。
前記プロプライエタリデータパケットは、無線電力受信装置でさらに生成されたデータパケットであり、例えば、無線電力受信装置の製造会社情報などを含むようにしてもよい。
一方、無線電力送信装置100は、前記無線電力受信装置に対して、EPTパケット情報に基づいて無線電力受信装置を制御するようにしてもよい。例えば、前記EPTパケットに再設定要求情報が含まれる場合、前記無線電力受信装置は、電力送信フェーズ2040から設定フェーズ2020に再び戻るようにしてもよい。
以上、共有モードでの無線電力受信装置のオペレーションフェーズについて説明した。
以下、共有モードで無線電力送信装置が無線電力受信装置にロックスロットを提供する方法について、図面を参照してより具体的に説明する。図29a、図29b、図30a、図30b、図31a及び図31bは無線電力送信装置が無線電力受信装置にロックスロットを提供する方法を示す図である。
無線電力送信装置100の制御部112(又は電力送信制御部)は、複数のスロットのいずれか1つのスロット内で、無線電力受信装置から特定情報を受信すると、前記いずれか1つのスロットを前記無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。前記特定情報は、予め設定された情報であり、制御情報(CI)パケット、信号強度(SS, signal strength)パケット、スロットナンバー(Slot Number)パケットなどであってもよい。
前記特定情報を受信した後、制御部112は、前記いずれか1つのスロットを用いることができる場合、前記いずれか1つのスロットを無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。
ここで、前記無線電力受信装置にスロットを割り当てるとは、前記割り当てられたスロット内で前記無線電力受信装置から送信される情報のみを前記無線電力送信装置が受信するように設定することを意味する。すなわち、前記割り当てられたスロット内では、前記スロットが割り当てられた前記無線電力受信装置の特定情報のみ受信され、前記無線電力受信装置以外に他の無線電力受信装置からの特定情報の受信が制限されるようにしてもよい。
一例として、図29aに示すように、前記無線電力送信装置は、フレームの開始を示すシンクパターン、測定スロット、9つのスロット及び9つのシンクパターンを有するフレームで、無線電力受信装置と通信を行うようにしてもよい。ここで、制御部112は、第1フレームの第1スロット2310内で、前記無線電力受信装置から制御情報(CI)パケットを受信するようにしてもよい。制御部112は、第1スロット2310を用いることができる場合、前記制御情報(CI)に応答してACK信号を送信するようにしてもよい。また、制御部112は、第1スロット2310を前記無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。
他の例として、図29bに示すように、前記無線電力送信装置は、フレームの開始を示すシンクパターン、測定スロット及び8つのスロットを有するフレームで、無線電力受信装置と通信を行うようにしてもよい。ここで、制御部112は、前述したように、第1フレームの第1スロット2340で特定情報(CI)を受信すると、前記第1スロットを前記無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。前記特定情報を受信した後、制御部112は、第1スロット2310を用いることができる場合、前記特定情報に応答してACK信号を送信するようにしてもよい。また、制御部112は、第1スロット2340を前記無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。
前記割り当ての後、制御部112は、前記無線電力受信装置にロックスロットを提供するようにしてもよい。
前記ロックスロットは、前記無線電力受信装置の設定フェーズ2020及びネゴシエーションフェーズ2030を完了するように前記無線電力受信装置に提供されるスロットであってもよい。すなわち、前記無線電力受信装置は、前記ロックスロットを用いて、無線電力送信装置100に設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を送信するようにしてもよい。例えば、前記無線電力受信装置は、識別情報パケット(IDHI、IDLO)、設定パケット(CFG)及びネゴシエーション終了パケット(SRQ/en)を順次送信するようにしてもよい。一方、設定フェーズ2020及びネゴシエーションフェーズ2030で前記無線電力受信装置及び無線電力送信装置100がデータを交換する状態は、初期化段階とも命名される。
すなわち、前記初期化段階とは、無線電力送信装置が無線電力受信装置に電力を送信する前に、無線電力受信装置と無線電力送信装置間の電力送信に必要な情報を送受信する過程を意味する。ここで、前記初期化段階で無線電力送信装置と無線電力受信装置間で送受信される情報は、初期化情報(start−up information)又は初期化シーケンスとも命名される。例えば、前記初期化情報は、設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報であり、識別情報パケット(IDHI、IDLO)、設定パケット(CFG)及びネゴシエーション終了パケット(SRQ/en)であってもよい。
前記ロックスロットは、前記複数のスロットの少なくとも一部のスロットに提供されるようにしてもよい。例えば、図29a及び図29bに示すように、ロックスロット2320は、第1スロット2310又は2340に続く少なくとも一部のスロット2320又は2350に提供されるようにしてもよい。
前記ロックスロットは、前記無線電力受信装置の設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報の受信が完了すると(又は、初期化段階が完了すると)、前記無線電力受信装置に提供されなくなるようにしてもよい。すなわち、前記ロックスロットは、無線電力受信装置のネゴシエーションフェーズ2030が完了すると、その提供が中止されるようにしてもよい。すなわち、前記ロックスロットは、無線電力受信装置が電力送信フェーズ2040にある場合、前記無線電力受信装置に提供されなくなるようにしてもよい。例えば、図29aに示すように、制御部112は、ネゴシエーション終了パケット(SRQ/en)を受信すると、前記無線電力受信装置への前記ロックスロットの提供を中止するようにしてもよい。
一方、前記無線電力受信装置が電力送信フェーズ2040から再び設定フェーズ2020又はネゴシエーションフェーズ2030に移行すると、制御部112は、前記無線電力受信装置にロックスロットを再び提供するようにしてもよい。
一方、前記ロックスロットとして提供される少なくとも一部のスロットは、前記ロックスロットの提供が中止されると、フリースロットに切り替えられる(又は変更される)ようにしてもよい。より具体的には、前記少なくとも一部のスロットは、ロックスロットとしての提供が中止される前に、前記無線電力受信装置にロックスロットとして提供され、前記ロックスロットとしての提供が中止された後に、前記無線電力受信装置にフリースロットとして提供されるようにしてもよい。例えば、図29a及び図29bに示すように、制御部112は、ロックスロット2320、2350としての提供が中止された少なくとも一部のスロットを、フリースロット2330又は2360として提供するようにしてもよい。
一方、前記複数のスロットのいずれか1つのスロットが前記無線電力受信装置へのロックスロットとしての提供が中止された後に、制御部112は、前記いずれか1つのスロットとは異なる無線電力受信装置にロックスロットを提供するようにしてもよい。すなわち、制御部112は、一度に1つの無線電力受信装置にロックスロットを提供するようにしてもよい。つまり、制御部112は、同時に2つ以上の無線電力受信装置にロックスロットを提供しないようにしてもよい。
より具体的には、制御部112は、前記ロックスロットの提供が中止された後に、前記複数のスロットのうち、前記いずれか1つのスロットとは異なる1つのスロットを用いて、前記無線電力受信装置とは異なる他の無線電力受信装置から、特定情報を受信するようにしてもよい。例えば、図30aに示すように、制御部112は、第1スロット2410で前記無線電力受信装置から制御情報(CI)を送信する間、第6スロット2420で前記無線電力受信装置とは異なる他の無線電力受信装置から制御情報(CI)を受信するようにしてもよい。
この場合、制御部112は、前記複数のスロットのうち、前記無線電力受信装置に割り当てられたいずれか1つのスロット及び前記他の無線電力受信装置に提供された他の1つのスロットを除く少なくとも一部のスロットをロックスロットとして提供するようにしてもよい。すなわち、制御部112は、前記複数のスロットのうち、無線電力受信装置に割り当てられたスロット(すなわち、割り当てスロット)以外のフリースロットの少なくとも一部をロックスロットとして提供するようにしてもよい。
例えば、図30aに示すように、制御部112は、前記無線電力受信装置に割り当てられた第1スロット2410を除くスロット2430a、2430bを、前記他の無線電力受信装置にロックスロット2430として提供するようにしてもよい。
また、前記ロックスロットは、同じフレーム内のスロットであってもよく、連続する異なるフレーム内のスロットであってもよい。一例として、図30aに示すように、ロックスロット2430としては、第1フレームの一部のスロット2430a及び前記第1フレームに連続する第2フレームの一部のスロット2430bが提供されるようにしてもよい。他の例として、図30bに示すように、前記ロックスロットとしては、第1フレームの一部のスロット2460a及び第2フレームの一部のスロット2460bが提供されるようにしてもよい。この場合も、ロックスロット2460としては、前記無線電力受信装置に割り当てられた第1スロット2440及び前記他の無線電力受信装置に割り当てられた第2スロット2450を除くスロットが提供されるようにしてもよい。
ここで、前記他の無線電力受信装置は、ロックスロット2430又は2460を用いて、設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を送信するようにしてもよい。すなわち、前記他の無線電力受信装置は、前記無線電力受信装置と同様に、ロックスロット2430又は2460を用いて、設定フェーズ2020及びネゴシエーションフェーズ2030を完了するようにしてもよい。
制御部112は、設定フェーズ2020及びネゴシエーションフェーズ2030が完了すると、前記他の無線電力受信装置へのロックスロット2430又は2460の提供を中止するようにしてもよい。ロックスロット2430又は2460として提供されていた少なくとも一部のスロット2430a、2430bは、フリースロットに切り替えられる(又は変更される)ようにしてもよい。
一方、少なくとも2つの無線電力受信装置が複数のスロットのいずれか1つのスロットを用いて情報を送信する場合、前記少なくとも2つの無線電力受信装置間に衝突が発生することがある。
この場合、制御部112は、前記いずれか1つのスロットを前記少なくとも2つの無線電力受信装置の全てに割り当てないようにしてもよい。また、前記少なくとも2つの無線電力受信装置は、全て衝突解決メカニズム(collision resolution mechanism)を実行するようにしてもよい。例えば、図31a及び図31bを参照すると、制御部112は、第1スロット2510又は2570内で、第1無線電力受信装置から第1特定情報を受信し、第2無線電力受信装置から第2特定情報を受信するようにしてもよい。ここで、制御部112は、前記第1無線電力受信装置と前記第2無線電力受信装置の両方に第1スロット2510を割り当てないようにしてもよい。この場合、制御部112は、前記第1及び第2無線電力受信装置に通信エラー信号を送信するようにしてもよい。
一方、前記通信エラー信号を受信した前記第1及び第2無線電力受信装置は、衝突解決メカニズムを実行するようにしてもよい。
前記衝突解決メカニズムとは、前記衝突が発生した後、前記第1及び第2無線電力受信装置に異なるスロットが割り当てられるように、前記第1及び第2無線電力受信装置が異なるスロットに特定情報を送信する過程を意味する。
前記衝突解決メカニズムが実行された後、制御部112は、第3スロット2520又は2580内で前記第1無線電力受信装置の第1特定情報を受信するようにしてもよい。この場合、図31a及び図31bを参照すると、制御部112は、前記第1特定情報に対する応答としてACK信号を送信するようにしてもよい。また、制御部112は、第3スロット2520又は2580を前記第1無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。
その後、制御部112は、図30a及び図30bで説明したように、前記第1無線電力受信装置にロックスロットを提供するようにしてもよい。例えば、図31a及び図31bを参照すると、制御部112は、前記第1無線電力受信装置にロックスロット2530又は2590を提供するようにしてもよい。
制御部112は、ロックスロット2530又は2590内で、前記第1無線電力受信装置から設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を受信するようにしてもよい。
設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報の受信が完了すると、制御部112は、ロックスロット2530又は2590の提供を中止するようにしてもよい。
ロックスロット2530又は2590の提供が中止された後に、制御部112は、第3スロット2520又は2580とは異なる他の1つのスロット内で、衝突解決メカニズムを実行中の第2無線電力受信装置から第2特定情報を受信するようにしてもよい。前記他の1つのスロットは、前記第1無線電力受信装置に割り当てられたいずれか1つのスロット2520又は2580を除くスロットのいずれかであってもよい。ここで、前記第1無線電力受信装置に割り当てられたいずれか1つのスロットを除くスロットには、前記第1無線電力受信装置と前記第2無線電力受信装置間の衝突が発生したスロットが含まれてもよい。
一例として、図31aに示すように、制御部112は、第9スロット2540内で、前記第2無線電力受信装置から第2情報を受信するようにしてもよい。第9スロット2540は、前記第1無線電力受信装置と前記第2無線電力受信装置間で衝突が発生した第1スロット2510や前記無線電力受信装置に割り当てられた第3スロット2520とは異なるスロットであってもよい。
他の例として、図31bに示すように、制御部112は、第1スロット2610内で、前記第2情報を受信するようにしてもよい。第1スロット2610は、前記第1無線電力受信装置と前記第2無線電力受信装置間で衝突が発生したスロットであってもよい。
この場合、制御部112は、前記第2情報に対する応答としてACK信号を前記第2無線電力受信装置に送信し、第9スロット2540又は第1スロット2610を前記第2無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。
前記割り当ての後、図31aを参照すると、制御部112は、前記第2無線電力受信装置に、複数のスロットの少なくとも一部のスロットをロックスロット2550として提供するようにしてもよい。ここで、ロックスロット2550としては、前記第1無線電力受信装置に割り当てられた第3スロット2520及び前記第2無線電力受信装置に割り当てられた第9スロットを除くスロットが提供されるようにしてもよい。例えば、前記ロックスロットとしては、第3スロット2520の前に配置された少なくとも一部のスロット2550a及び第3スロット2520の後ろに配置された少なくとも一部のスロット2550bが提供されるようにしてもよい。他の例として、図31bを参照すると、制御部112は、前記第2無線電力受信装置に、複数のスロットのうち前記第1無線電力受信装置に割り当てられたスロット及び前記第2無線電力受信装置に割り当てられたスロットを除くスロットの少なくとも一部2620a、2620bをロックスロット2620として提供するようにしてもよい。
前記第2無線電力受信装置は、ロックスロット2550を用いて、設定フェーズ2020に関する情報及びネゴシエーションフェーズ2030に関する情報を前記無線電力送信装置に送信し、設定フェーズ2020及びネゴシエーションフェーズ2030を完了するようにしてもよい。
設定フェーズ2020及びネゴシエーションフェーズ2030が完了すると、制御部112は、ロックスロット2550の提供を中止するようにしてもよい。この場合も、図31a及び図31bを参照すると、制御部112は、第1無線電力受信装置に第3スロット2520を割り当て続け、第2無線電力受信装置に第9スロット2540又は第1スロット2610を割り当て続けるようにしてもよい。
以上、本発明による無線電力送信装置と1つ又はそれ以上の無線電力受信装置にロックスロットを提供する方法について説明した。これにより、本発明による無線電力送信装置は、1つ又はそれ以上の無線電力受信装置と通信を行うことができる。より具体的には、本発明による無線電力送信装置は、1つ又はそれ以上の無線電力受信装置に電力を送信する前に、衝突することなく通信を行うための初期化を行うことができる。
以下、1つ又はそれ以上の無線電力受信装置にスロットを割り当てた後、前記割り当てられたスロットの位置を再配列する方法について説明する。図32は1つ又はそれ以上の無線電力受信装置に割り当てられたスロットの位置を再配列する方法を示す図である。
無線電力送信装置100は、複数のスロットのいずれか1つを前記無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。より具体的には、前記無線電力受信装置は、複数のスロットのいずれか1つのスロットを選択し、前記選択したスロットに情報を送信するようにしてもよい。ここで、無線電力送信装置100は、衝突することなく前記情報を受信すると、前記無線電力受信装置に前記いずれか1つのスロットを割り当てるようにしてもよい。
一方、前記無線電力受信装置は、前記いずれか1つのスロットをランダムに選択するようにしてもよい。この場合、無線電力送信装置100は、無線電力受信装置がランダムに選択したスロットを前記無線電力受信装置に割り当てるようにしてもよい。例えば、図31に示すように、無線電力送信装置100は、第1無線電力受信装置に第1スロット2630aを割り当て、第2無線電力受信装置に第3スロット2630aを割り当て、第3無線電力受信装置に第6スロット2650aを割り当てるようにしてもよい。
一方、無線電力送信装置100は、前記ランダムに割り当てられたスロットを再分配(又は、再割り当て、再配列)するようにしてもよい。例えば、無線電力送信装置100は、割り当てられたスロットが互いに連続するように再分配する。
例えば、図32に示すように、無線送信装置100は、前記再分配を行った後、前記第1無線電力送信装置に第1スロット2630bを割り当て、前記第2無線電力送信装置に第2スロット2640bを割り当て、第3無線電力送信装置に第3スロット2650bを割り当てるようにしてもよい。
無線電力送信装置100は、前記複数のスロットのうち基準スロットを基準として、前記割り当てられたスロットを再分配するようにしてもよい。前記基準スロットは、前記複数のスロット内で割り当てられたスロットのうち最も前方又は最も後方に配置されたスロットであってもよく、前記複数のスロットのうち最も前方又は最も後方に配置されたスロットであってもよい。例えば、図32を参照すると、前記基準スロットは、前記複数のスロットのうち最も前方に配置されたスロットであってもよい。
無線電力送信装置100は、ユーザの要求がある場合、又は現在無線電力送信装置100から電力を受信する1つ又はそれ以上の無線電力受信装置が全て電力送信フェーズ2040にある場合、前記再分配を行うようにしてもよい。
より具体的には、無線電力送信装置100は、現在1つ又はそれ以上の無線電力受信装置が検知され、前記検知された1つ又はそれ以上の無線電力受信装置のうち少なくとも一部が設定フェーズ2020又はネゴシエーションフェーズ2030にある場合、前記再分配を行わないようにしてもよい。
よって、無線電力送信装置100は、割り当てられているスロット及び割り当てられていないスロットが連続するように配列することができる。
また、無線電力送信装置100は、全ての無線電力受信装置が電力送信フェーズにある場合にのみ再分配を行うことにより、無線電力受信装置と安定して通信を行うことができる。
本明細書に開示される実施形態による無線電力送信装置の構成は、無線充電器にのみ適用可能な場合を除き、ドッキングステーション、端末機クレードル装置、その他の電子機器などの装置にも適用できることを、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば容易に理解できるであろう。
本発明の範囲は本明細書に開示される実施形態に限定されるものではなく、本発明は本発明の思想及び請求の範囲に記載される範疇内において様々な形態に修正、変更又は改善することができる。