以下、本発明による撮像ユニット及び撮像装置について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による撮像装置としての電子カメラ1を模式的に示す概略断面図である。図1に示すように、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を定義する。X軸方向のうち矢印の向きを+X方向又は+X側、その反対の向きを−X方向又は−X側と呼び、Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。Z軸は電子カメラ1の撮影レンズ3の光軸Oの方向と一致し、X軸は電子カメラ1の左右方向(水平方向)と一致し、Y軸は電子カメラ1の上下方向(垂直方向)と一致している。−Z側は被写体側で前側と呼び、+Z側を後側と呼ぶ。これらの点は、後述する図についても同様である。
本実施の形態による電子カメラ1は、一眼レフのデジタルカメラとして構成されているが、本発明による撮像装置は、これに限らず、ミラーレスカメラやコンパクトカメラなどの他の電子カメラや、携帯電話に搭載された電子カメラや、動画を撮像するビデオカメラ等の電子カメラなどの種々の撮像装置に適用することができる。
本実施の形態による電子カメラ1は、カメラボディ2と、カメラボディ2に交換可能に保持される撮影レンズ3とを備えている。図1では、撮影レンズ3を想像線で示している。
カメラボディ2は、撮影レンズ3を交換可能に保持するレンズマウント(ボディ側マウント)11と、レンズマウント11が取り付けられたマウントベース12と、これら及び後述する部品を収容している外筐体13とを有している。マウントベース12は光軸Oに沿った中央開口部12aを有し、その前側にレンズマウント11が取り付けられている。また、カメラボディ2は、マウントベース12の中央開口部12aに光軸Oに沿って配置される部材として、クイックリターンミラー14と、フォーカルプレーンシャッタ15と、撮像ユニット16とを有している。さらに、カメラボディ2は、マウントベース12の上側に固定支持されファインダ装置を構成する部材として、フォーカシングスクリーン17と、ペンタプリズム18と、接眼レンズ19とを有している。外筐体13における接眼レンズ19との対向位置には、ファインダ観察窓20が設けられている。
撮影レンズ3を通過した被写体光はクイックリターンミラー14で上方に反射されてフォーカシングスクリーン17上に結像する。フォーカシングスクリーン17に結像した被写体像はペンタプリズム18から接眼レンズ19を通してファインダ観察窓20から観察される。クイックリターンミラー14は図示しないレリーズ釦が全押しされると上方に跳ね上がり、撮影レンズ3からの被写体像が撮像ユニット16に入射する。
また、カメラボディ2の外筐体13の背面には液晶表示装置21が設けられている。撮像ユニット16と液晶表示装置21と間には、所定の回路(例えば、半導体チップ31に搭載されたイメージセンサを制御する回路など)が搭載された回路基板22が、図示しない部材により支持されて配置されている。
図2は、図1中の撮像ユニット16の一部(半導体チップ31、ガラス基板32、支持部材33及び第1及び第2のフレキシブルプリント基板34,35)を模式的に示す概略平面図である。図3は、図2中のY1−Y2線に沿った断面に相当する、図1中の撮像ユニット16を模式的に示す概略断面図である。図4は、図2中のY3−Y4線に沿った断面に相当する、図1中の撮像ユニット16を模式的に示す概略断面図である。理解を容易にするため、図3及び図4には、当該断面には現れない支持部材33の−X側かつ+Y側の耳部33cも記載している。図5は、図2中のX1−X2線に沿った断面に相当する、図1中の撮像ユニット16を模式的に示す概略断面図である。
本実施の形態では、撮像ユニット16は、前面(−Z側の面)に撮像領域(受光領域)31aを有する半導体チップ31と、第1の透光性板としてのガラス基板32とを備え、いわゆるCOG(Chip on glass)構造を有している。また、撮像ユニット16は、開口部33aを有しガラス基板32を支持する板状の支持部材(ブラケット)33と、第1及び第2のフレキシブルプリント基板34,35と、第2の透光性板としての光学ローパスフィルタ36と、枠状のゴム部材37と、枠状の押さえ部材38と、を備えている。
本実施の形態では、半導体チップ31は、チップとして構成されたCMOS、CCD等のイメージセンサであり、撮像領域31aには複数の画素(図示せず)が2次元状に配置されている。半導体チップ31は、ガラス基板32を介して撮像領域31aに入射した入射光を光電変換して、画像信号を出力する。半導体チップ31には、例えば、前記画素を駆動して画像信号を読み出す読み出し回路(図示せず)や、出力信号を処理する処理回路(例えば、AD変換回路等)を搭載してもよい。
ガラス基板32は、半導体チップ31の−Z側の撮像領域31aを覆うように半導体チップ31の−Z側に配置され、バンプ39及び接着剤40によって半導体チップ31に接合されている。半導体チップ31とガラス基板32との間の空間は、接着剤40によって気密に保たれている。ガラス基板32は、+Z側から−Z方向に見た平面視で、半導体チップ31から周囲にはみ出すようになっている。半導体チップ31の前面(−Z側の面)における+X側及び−X側に電極パッド(図示せず)が形成され、ガラス基板32の後面(+Z側の面)に内部接続用電極パッド41aが形成され、それらの間がバンプ39によって接合されている。ガラス基板32の後面における半導体チップ31からの+X側及び−X側へのはみ出し部分には、外部接続用電極パッド41bが形成されている。また、ガラス基板32の後面には、前記電極パッド41a,41b間を接続する配線パターン41cが形成されている。電極パッド41a,41b及び配線パターン41cを構成する導体パターンは、例えば、ガラス基板32に対する蒸着や印刷等により形成することができる。なお、第1の透光性板として、ガラス基板32に代えて、光学ローパスフィルタなどの他の透光性板を用いてもよい。
本実施の形態では、支持部材33は、矩形の枠板状に構成され、開口部33aを有している。支持部材33の材料としては、例えば、金属等の任意の材料を用いることができるが、アルミニウムやステンレスなどの剛性が高くかつ線膨張係数のなるべく小さな材料を用いることが好ましい。
支持部材33は、取り付け穴33bを有する3つの耳部33cを有している。1つの耳部33cは−X側において+Y側に突出するように配置され、もう1つの耳部33cは+X側において+Y側に突出するように配置され、残りの1つの耳部33cは+X側寄りにおいて−Y側に突出するように配置されている。マウントベース12は、その後面側において各耳部33cに対応する位置に、後方へ(+Z側へ)突出した撮像ユニット取り付け部12bを有している。支持部材33は、位置決め等された後に、各耳部33cの取り付け穴33bを挿通して対応する撮像ユニット当該取り付け部12bのネジ孔(図示せず)に螺合したネジ42(図1参照)等によって、マウントベース12の撮像ユニット取り付け部12bに取り付けられている。
支持部材33には、ガラス基板32の後面(+Z側の面)が光軸Oの方向(本実施の形態では+Z方向)に当接された複数の当接部33dが、開口部33aに対する第1の方向(本実施の形態では、Y軸方向)の両側に設けられている。本実施の形態では、当接部33dの数は3つとされ、1つの当接部33dは開口部33aに対する+Y側かつ+X側に配置され、もう1つの当接部33dは開口部33aに対する+Y側かつ−X側に配置され、残りの1つの当接部33dは開口部33aに対する−Y側かつX軸方向の中央に配置され、3つの当接部33dがガラス基板32をバランス良く受けるよう広域な3角形を成すように配置されている。もっとも、当接部33dの数は必ずしも3つに限らず、4つ以上でもよいし、それらの配置も前述した配置に限らない。当接部33dは、ガラス基板32の後面に当接しているだけであり、ガラス基板32の後面に固着されているわけではない。
支持部材33における開口部33aに対する+Y側部分(特に、開口部33aに近い部分)と、ガラス基板32における+Y側部分(特に、半導体チップ31から+Y側へはみ出した部分)とが、Z軸方向に重なっている。同様に、支持部材33における開口部33aに対する−Y側部分(特に、開口部33aに近い部分)と、ガラス基板32における−Y側部分(特に、半導体チップ31から−Y側へはみ出した部分)とが、Z軸方向に重なっている。本実施の形態では、支持部材33におけるガラス基板32との重なり部分付近の前面(−Z側の面)のZ軸方向の位置は、他の部分に比べて+Z方向に一段低くされている。これにより、撮像ユニット16の全体としてのZ軸方向の厚さをより薄くすることができるので、好ましい。もっとも、本発明では、支持部材33におけるガラス基板32との重なり部分付近を、必ずしも一段低くする必要はない。本実施の形態では、3つの当接部33dは、支持部材33におけるガラス基板32との重なり部分の−Z側の面に、周囲から−Z方向に若干突出するように設けられている。例えば、当接部33dは、支持部材33をなすアルミニウム等からなる金属板においてハーフブランク製法や絞り製法により形成した凸形状によって、構成することができる。必要に応じて、前記凸形状の表面の面粗度をフライス加工等により整えることによって、当接部33の面精度を高めてもよい。
ガラス基板32における前記第1の方向(Y軸方向)の一方側(+Y側)に位置しかつ前記第1の方向(Y軸方向)と直交する第2の方向(X軸方向)の中央付近に位置する部分と、支持部材33における開口部33aに対する前記第1の方向(Y軸方向)の一方側(+Y側)に位置する部分との間が、第1の接着剤51によって接着されている。
本実施の形態では、支持部材33における−Z側の面が+Z方向に一段低い部分は、X軸方向の中央付近において、支持部材33におけるガラス基板32との+Y側の重なり部分付近から、+Y方向にも拡張され、その拡張部分が第1の接着剤51を受け入れる凹部を構成する接着剤溜り33eとなっている。この接着剤溜り33eに第1の接着剤51が設けられることで、第1の接着剤51によってガラス基板32の+Y側の端面が支持部材33と接着固定されている。
また、ガラス基板32における前記第1の方向(Y軸方向)の他方側(−Y側)に位置しかつ前記第2の方向(X軸方向)の中央付近に位置する部分と、支持部材33における開口部33aに対する前記第1の方向(Y軸方向)の他方側(−Y側)に位置する部分との間が、第2の接着剤52によって接着されている。
本実施の形態では、支持部材33における−Z側の面が+Z方向に一段低い部分は、X軸方向の中央付近において、支持部材33におけるガラス基板32との−Y側の重なり部分付近から、−Y方向にも拡張され、その拡張部分が第2の接着剤52を受け入れる凹部を構成する接着剤溜り33fとなっている。この接着剤溜り33fに第2の接着剤52が設けられることで、第2の接着剤52によってガラス基板32の−Y側の端面が支持部材33と接着固定されている。
なお、本実施の形態では、接着剤溜り33e,33fが設けられていることから、接着剤51,52のX軸方向の位置や幅を容易に規定することができるので、好ましい。もっとも、本発明では、接着剤溜り33e,33fは必ずしも設ける必要はない。
ガラス基板32と支持部材33との間は、第1及び第2の接着剤51,52で部分的に接着され、第1及び第2の接着剤51,52のみで固定されている。接着剤溜り33e,33fのX軸方向の幅は、電子カメラ1の使用温度範囲内での支持部材33とガラス基板32との線膨張変形差の影響を受け難い幅で構成することが好ましい。また、接着剤51,52としては、半導体チップ31の絶対位置を保証するために、基本的に硬質の接着剤を用いることが好ましいが、電子カメラ1の使用温度範囲での支持部材33とガラス基板32との線膨張変形差が多少発生しても接着剤51,52の剥離や破断がない若干軟質要素を持つ接着剤を採用することが好ましい。そのような接着剤の例として、合成ゴム系やシリコーン系などの接着剤を挙げることができる。なお、接着剤51,52として若干軟質な接着剤を採用することで、落下等の衝撃に対してガラス基板32が割れ難くなる。
また、本実施の形態では、支持部材33における第1の接着剤51による接着部分と第2の接着剤52による接着部分との間の距離が伸縮する際の支持部材33の変形による応力を緩和させるための欠損部33gが、支持部材33における開口部33aに対する第2の方向(X軸方向)の両側の部分(+X側部分と−X側部分)に形成されている。本実施の形態では、欠損部33gは、開口部33aに連続する台形状の切欠部として構成されている。
前述したように、ガラス基板32の後面における半導体チップ31からの+X側及び−X側へのはみ出し部分には、外部接続用電極パッド41bが形成されている。−X側の外部接続用電極パッド41bには、第1のフレキシブルプリント基板34がバンプ61により接合されている。+X側の外部接続用電極パッド41bには、第2のフレキシブルプリント基板35がバンプ62により接合されている。
支持部材33の開口部33aにおける+X側部分及び−X側部分は、ガラス基板32が重なることなく、そのまま開口部分となっている。第1及び第2のフレキシブルプリント基板34,35は、ガラス基板32におけるX軸方向の両側部分から、開口部33aにおけるガラス基板32に対するX軸方向の両側の開口部分をそれぞれ通して、後方へ導かれ、回路基板22に接続されている。このようにして、半導体チップ31と回路基板22との間が、第1及び第2のフレキシブルプリント基板34,35を経由して電気的に接続される。第1及び第2のフレキシブルプリント基板34,35は、開口部33aにおける+X側の開口部分及び−X側の開口部分を利用することで後方へ導かれるので、いたずらに引き回す必要がなくなり短くすることができる。
本実施の形態では、第2の透光性板として、光学ローパスフィルタ36が用いられているが、IRカットフィルタなどの他の透光性板を用いてもよい。光学ローパスフィルタ36は、ガラス基板32の前側にガラス基板32から間隔をあけて配置されている。枠状のゴム部材37は、ガラス基板32と光学ローパスフィルタ36との間の空間を密封している。枠状の押さえ部材38は、支持部材33に固定され、光学ローパスフィルタ36、ゴム部材37及びガラス基板32を後方へ付勢し、これらを押さえ付けることで保持している。
本実施の形態によれば、支持部材33に開口部33aが設けられ、半導体チップ31の後面において支持部材33が存在せずに、ガラス基板32が支持部材33の当接部33dに当接しているので、撮像ユニット16の全体としての光軸Oの方向(Z軸方向)の厚さを薄くすることができ、ひいては、電子カメラ1を薄型化することができる。換言すれば、レンズ交換式のカメラにおいて、レンズ取り付けマウントから撮像受光面までの距離が制約される(ある一定の距離に固定される)ため、撮像受光面の背部(+Z方向)に物体を配置させないことにより、電子カメラ1の総厚を最小にすることができるのである。
そして、本実施の形態では、ガラス基板32と支持部材33との間が、ガラス基板32のX軸方向の中央付近でのみ第1及び第2の接着剤51,52によって固定されているので、電子カメラ1の使用温度範囲での支持部材33とガラス基板32との線膨張変形差のうちのX軸方向の変形差によっては、第1及び第2の接着剤51,52による接着部分に応力がほとんど生じない。したがって、本実施の形態によれば、ガラス基板32と支持部材33との間の線熱膨張係数の差の影響を低減することができる。また、ガラス基板32と支持部材33との間が、ガラス基板32のX軸方向の中央付近でかつガラス基板32のY軸方向の両側で、第1及び第2の接着剤51,52によって固定されているので、電子カメラ1の使用温度範囲で支持部材33とガラス基板32との線膨張変形差が生じても、支持部材33とガラス基板32の光軸中心がずれることなく半導体チップ31の撮像面の位置を維持することができる。
また、本実施の形態では、ガラス基板32と支持部材33との間が、ガラス基板32のX軸方向の中央付近でかつガラス基板32のY軸方向の両側で、第1及び第2の接着剤51,52によって固定されているので、電子カメラ1の使用温度範囲での支持部材33とガラス基板32との線膨張変形差のうちのY軸方向の変形差によっては、第1及び第2の接着剤51,52による接着部分に応力が生ずる。しかし、本実施の形態では、この応力は、支持部材33に形成された欠損部33gによって緩和される。したがって、本実施の形態によれば、ガラス基板32と支持部材33との間の線熱膨張係数の差の影響をより低減することができる。もっとも、本発明では、必ずしも支持部材33に欠損部33gを形成する必要はない。
図6は、本実施の形態における撮像ユニット16と比較される比較例による撮像ユニット71の一部を模式的に示す概略平面図であり、図2に対応している。図7は、図2中のY5−Y6線に沿った断面に相当する、比較例による撮像ユニット71を模式的に示す概略断面図であり、図3に対応している。図6及び図7において、図2及び図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
この比較例による撮像ユニット71が本実施の形態における撮像ユニット16と異なる所は、以下に説明する点である。
この比較例では、支持部材33は、ガラス基板32ではなく半導体チップ31を支持する。支持部材33には、開口部33a、−Z側の面が+Z方向に一段低くされた部分、欠損部33g及び接着剤溜り33e,33fは形成されておらず。その代わりに、中央付近に接着剤溜り33hが形成されている。そして、この比較例では、支持部材33にはガラス基板32が当接されておらず、半導体チップ31の後面(+Z側の面)の中央付近が接着剤溜り33h内の接着剤72によって支持部材33に接着され、半導体チップ31の後面の他の部分は、支持部材33の前面(−Z側の面)に当接されるのみであって支持部材33に固定されていない。
この比較例では、半導体チップ31と支持部材33との間が、半導体チップ31の中央付近でのみ接着剤72によって固定されているので、電子カメラ1の使用温度範囲での支持部材33と半導体チップ31とのいずれの方向の線膨張変形差によっても、第1及び第2の接着剤51,52による接着部分に応力がほとんど生じない。しかし、この比較例では、半導体チップ31の後面(+Z側の面)に支持部材33が存在しているので、支持部材33の厚さの分、撮像ユニット71の厚さが厚くなってしまう。
これに対し、本実施の形態における撮像ユニット16では、前述したように薄型化を図ることができる。
このように、本実施の形態によれば、撮像ユニット16の薄型化を図ることができ、しかも、ガラス基板32と支持部材33との間の線熱膨張係数の差の影響を低減することができる。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態による電子カメラの撮像ユニットの一部を模式的に示す概略平面図であり、図2に対応している。図8において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、支持部材33の欠損部33gが、台形状の切欠部ではなく、支持部材33における開口部33aに対するX軸方向の両側の部分の一部がそれぞれジグザク状をなすように形成されている点のみである。この欠損部33gによっても、支持部材33における第1の接着剤51による接着部分と第2の接着剤52による接着部分との間の距離が伸縮する際の支持部材33の変形による応力が緩和される。すなわち、支持部材33において横方向の梁を形成することで、Y方向の弾性力が構成され、線膨張によるガラスと接着剤との応力がその弾性力で吸収され、支持部材33の変形応力が緩和される。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態による電子カメラの撮像ユニットの一部を模式的に示す概略平面図であり、図2に対応している。図9において、図2中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、支持部材33の欠損部33gが、台形状の切欠部ではなく、Y軸方向に延びたそれぞれ2本のスリットとして形成されている点のみである。この欠損部33gによっても、支持部材33における第1の接着剤51による接着部分と第2の接着剤52による接着部分との間の距離が伸縮する際の支持部材33の変形による応力が緩和される。すなわち、Y方向の断面積を縮小して線膨張による変形量を少なくすることで、カメラの使用環境範囲内で接着剤の剥離が生じないようにすることができるとともに、その変形量を精度の許容範囲内で収めることができる。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本発明では、前記各実施の形態において、支持部材33の+Z側と−Z側とを反転させ、ガラス基板32の前面(−Z側の面)を支持部材33の+Z方向に突出した当接部33dに+Z側から−Z方向に当接してもよい。この場合、光学ローパスフィルタ36とガラス基板32との間の空間を封止するためには、ゴム部材37で光学ローパスフィルタ36と支持部材33との間を封止するだけでなく、例えば、ガラス基板32と支持部材33との間を、ガラス基板32の全周に渡って封止材で封止する。この封止材としては、十分に軟質性の高い接着剤やオイルシール材を用いるなど、ガラス基板32と支持部材33との間を実質的に固定しないものを用いる。
ただし、この場合に比べて前記各実施の形態の方が、撮像ユニット16をより薄型化することができる点や、前記封止材が不要である点や、ガラス基板32の厚さのばらついても半導体チップ31の位置には影響を与えない点などで、好ましい。