JP2018148445A - 画像読取装置、画像読取システム、及び画像読取プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能な画像読取装置、画像読取システム、及び画像読取プログラムを提供することができる。
【解決手段】画像読取装置1は、読取部4と、駆動部5と、制御部90と、を備える。制御部90は、プレスキャン読取処理(S6)と、プレスキャン画像から画像抽出対象範囲を取得する範囲取得処理(S100〜S103)と、プレスキャン読取処理の実行後に開始され、対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理(S12)と、本スキャン読取処理において、副走査方向に移動される読取部の現在位置を取得する位置取得処理(S205)と、読取部の現在位置が対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理(S207)と、を実行し、読取部の現在位置が対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき(S207:YES)、本スキャン読取処理の実行を終了する(S209)。
【選択図】 図7

Description

本発明は、画像読取装置、画像読取システム、及び画像読取プログラムに関する。
従来、パソコン等の外部制御装置と接続して、該外部制御装置からの指示によって、写真や文書等の原稿の画像の読み取りを開始し、読み取りを終了する画像処理方法が知られている。
特許文献1には、従来の画像処理方法が開示されている。この特許文献1に記載の画像処理方法では、パソコンが、イメージスキャナに原稿台上の原稿を低解像度でプレスキャンさせる。このプレスキャンで読み取られた原稿の画像は、パソコンに送られ、パソコンにおいてユーザの要求する高解像度範囲である指定範囲が指定される。
プレスキャンで読み取られた原稿の画像がパソコンに送られると、パソコンは、イメージスキャナに、原稿の画像を高解像度で読み取らせる本スキャンを開始させる。パソコンにおける原稿画像の指定範囲の指定が完了したとき、パソコンは、本スキャンが終了しているか否かを判断する。
パソコンは、本スキャンが終了していないと判断した場合、本スキャンを強制終了させて、イメージスキャナのキャリッジを停止させる。
本スキャンの強制終了後、パソコンは、前述の指定範囲及びイメージスキャナによる本スキャンの結果から未だ読み取られていない領域である未スキャン領域の情報を取得する。パソコンは、未スキャン領域があると判断した場合、その未スキャン領域に対して、イメージスキャナに前回と同じ解像度で本スキャンを実行させる。
特開2006−345295号公報
しかしながら、特許文献1に記載された画像処理方法では、未スキャン領域に対する本スキャンの開始位置(強制停止位置)からキャリッジが加速されて一定の速度になるまでの速度変動によってキャリッジの加速時の未スキャン領域の読取画像が劣化する問題が発生する。
この問題を解決するためには、キャリッジの強制停止位置からキャリッジが加速されて一定の速度になるまでに必要なキャリッジの助走距離だけ、キャリッジを強制停止位置からスキャン方向とは逆方向である反スキャン方向に戻した後、キャリッジを助走距離だけ移動させて、本スキャンを開始する必要がある。
このため、この解決策では、未スキャン領域に対する本スキャン終了までに余分な時間がかかってしまうという問題が発生する。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能な画像読取装置、画像読取システム、及び画像読取プログラムを提供することができる。
本発明の画像読取装置は、主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかを実行するために前記読取部および前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記原稿のプレスキャン画像を読み取るプレスキャン読取処理と、前記プレスキャンモードにおいて読み取られたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を取得する範囲取得処理と、前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得する位置取得処理と、前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記読取部の現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行する。
そのため、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能である。
本発明の画像読取システムは、プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかのモードで、原稿の画像を読み取るスキャナ装置と、当該スキャナ装置と通信可能な外部制御装置と、を備える画像読取システムであって、前記スキャナ装置は、主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、を備え、前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、原稿のプレスキャン画像を読み取って前記外部制御装置に送信するプレスキャン読取処理と、前記プレスキャンモードにおいて読み取られたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を、前記外部制御装置から受信する範囲受信処理と、前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得する位置取得処理と、前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行し、前記外部制御装置は、前記プレスキャン読取処理の実行により送信された前記プレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を決定し、当該対象範囲を前記スキャナ装置に送信する範囲決定処理を実行する。
そのため、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能である。
本発明の画像読取システムは、プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかのモードで、原稿の画像を読み取るスキャナ装置と、当該スキャナ装置と通信可能な外部制御装置と、を備える画像読取システムであって、前記スキャナ装置は、主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、を備え、前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、原稿のプレスキャン画像を読み取って前記外部制御装置に送信するプレスキャン読取処理と、前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得して前記外部制御装置へ送信する位置送信処理と、前記外部制御装置から停止指示を受信したか否かを判断する指示受信判断処理と、前記外部制御装置から停止指示を受信していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記外部制御装置から停止指示を受信したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行し、前記外部制御装置は、前記プレスキャン読取処理の実行により送信された前記プレスキャン画像を受信する画像受信処理と、前記受信されたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を決定する範囲決定処理と、前記位置送信処理の実行により送信された前記読取部の現在位置を受信する位置受信処理と、前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記読取部の現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記停止指示を前記スキャナ装置に送信する停止指示送信処理と、を実行する。
そのため、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能である。
本発明の画像読取プログラムは、主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかを実行するために前記読取部および前記駆動部を制御するスキャナ装置のコンピュータが、実行する画像読取プログラムであって、前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記原稿のプレスキャン画像を読み取るプレスキャン読取処理と、前記プレスキャンモードにおいて読み取られたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を取得する範囲取得処理と、前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得する位置取得処理と、前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記読取部の現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行する。
そのため、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能である。
本発明によれば、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能な画像読取装置、画像読取システム、及び画像読取プログラムを提供することができる。
実施例1の複合機の概略断面図である。 実施例1の複合機の上面図である。 実施例1の複合機と外部制御装置の電気的構成を概略的に示すブロック図である。 実施例の読取対象である原稿及び画像出力処理後の記録紙を示す図である。 実施例1の複合機による制御処理を示すフローチャートである。 実施例1の外部制御装置による制御処理を示すフローチャートである。 実施例1の複合機による本スキャン処理を示すフローチャートである。 実施例1の複合機によって読み取られた手書きの囲み枠が記載された原稿の画像データを概略的に説明する図である。 実施例1の画像抽出対象範囲の位置情報を表すテーブルを示す図である。 実施例2の複合機による本スキャン処理を示すフローチャートである。 実施例2の外部制御装置による制御処理を示すフローチャートである。
以下、本発明を具体化した実施例1及び実施例2について図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
以下、実施例1の複合機1は、本発明の複合機の具体的態様の一例である。まず、図1及び図2を参照しつつ、複合機1の構成について説明する。図1及び図2において、前後、左右及び上下の各方向を表示する。図2に示す各方向は、全て図1に示す各方向に対応させて表示する。
[複合機の外観構成]
複合機1は、図1に示すように、プラテンガラス2、カバー部3、読取部4、及び駆動部5などを備えている。プラテンガラス2は、複合機1の直方体形状の筐体11の上部に形成された開口11aを、筐体11の内側から閉塞している。プラテンガラス2の上面において、開口11aから露出している部分は、読取対象の原稿Mが載置される原稿載置面2aを構成する。カバー部3は、その一端部が筐体11の上面に回動可能に支持されており、原稿載置面2aを覆う閉位置(図1の破線で示す位置)と原稿載置面2aを露出させる開位置(図1の実線で示す位置)とを取り得る。なお、図2は、カバー部3が開位置にある状態で複合機1を上方から見たときの読取部4の位置を示すものであり、原稿載置面2aの上方に位置するカバー部3部分と駆動部5の図示は省略している。図2に示す原稿載置面2a上の左後方の端点は、原稿Mの位置合わせ点A0である。位置合わせ点A0を示すマークを筐体11上に設けることで、ユーザが原稿載置面2a上に原稿Mを位置合わせして載置することができる。本実施例では、位置合わせ点A0を示すマークの図示は省略する。
読取部4及び駆動部5は、図1に示すように、筐体11の内部に配置されている。読取部4は、CIS(Contact Image Sensor)44、及びキャリッジ47で構成される。CIS44は、イメージセンサ41、光源43、及びロッドレンズアレイ45で構成され、キャリッジ47に搭載されている。なお、図2に示す読取部4においては、イメージセンサ41のみを図示している。イメージセンサ41は、図示しない複数の受光素子が図2に示す主走査方向(図2の前後方向)に配列されたリニアイメージセンサである。光源43は、発光ダイオードなどで構成されており、プラテンガラス2に向けて光を出射する。ロッドレンズアレイ45は、光源43から出射され被照射物により反射された光線をイメージセンサ41の各受光素子(図示せず)に結像させる。これにより、被照射物の画像が主走査方向に1ライン分読み取られる。
駆動部5は、図1に示すように、読取部4を主走査方向と直交する副走査方向(図1の左右方向)に移動させるものである。駆動部5は、正逆回転可能なモータ59によって駆動される駆動プーリ51と、従動プーリ53と、駆動プーリ51及び従動プーリ53に架け渡されたエンドレスのベルト55などで構成されている。駆動プーリ51は、筐体11の内部における副走査方向の一端側に配置され、一方で、従動プーリ53は、筐体11の内部における副走査方向の他端側に配置されている。ベルト55には、キャリッジ47が取り付けられており、駆動プーリ51(モータ59)の回転によりベルト55が移動することでキャリッジ47に搭載されたCIS44が副走査方向に往復移動できるように構成されている。
プラテンガラス2の左方には、図1に示す調整基準板13が配置されている。この調整基準板13は、副走査方向に並べられる白テープ13a及び黒テープ13bから構成されている。読取部4によって、白テープ13a及び黒テープ13bの画像は読み取られ、その画像データに対応する白画素から黒画素へ変化する位置、または黒画素から白画素へ変化する位置が、図1及び図2に示す読取部4の待機位置HPである。待機位置HPは、読取部4の副走査方向移動における基準位置となる。第1CPU90(図3参照)は、複合機1に電源が投入された後、駆動部5によって読取部4を待機位置待機位置HPに待機させる。さらに、第1CPU90は、後述するプレスキャン処理を実行する前に、読取部4に白テープ13aの画像を読み取らせ、シェーディング補正で使用する白基準データの取得等の補正処理(以下、読取前補正処理と称す)を実行する。なお、第1CPU90は、後述する本スキャン処理の実行前に、本スキャン処理を実行するための読取前補正処理を実行してもよい。
第1CPU90は、後述するプレスキャン処理及び本スキャン処理において、図1及び図2に示す読取開始位置PSの位置で読取部4の光源43を点灯開始させる。第1CPU90は、読取部4を、前記読取開始位置PSから読取終了位置PEへ副走査方向に移動させながら、主走査方向に1ラインずつ画像を読み取る。以下に、読取開始位置PS、読取終了位置PEについて説明する。
読取開始位置PSは、図1及び図2に示すように、読取部4が原稿載置面2aの左端に対向する位置である。読取終了位置PEは、後述するプレスキャン処理において、読取部4が原稿載置面2aの右端に対向する位置である。後述する本スキャン処理において、読取終了位置PEは、図1及び図2に示すように、第1CPU90によりプレスキャン処理の検知結果である原稿Mの右端の後端エッジに基づいて決められる位置である。なお、読取終了位置PEは、操作部7からユーザによって入力されたA4等の定形サイズに基づいて、第1CPU90が決定してもよい。
複合機1の筐体11の前面には、液晶や有機EL等の表示部6、及びスタートキー、ストップキー、テンキー等の各種のボタンによって構成される操作部7が設けられている(図3参照)。この表示部6及び操作部7により、複合機1の動作状況の表示やユーザによる操作の入力が可能となっている。なお、表示部6及び操作部7は、表示部6による表示機能、及び操作部7による入力機能を兼ね備えたタッチパネルであってもよい。後述する図3に示す画像形成部10については、図示を省略する。
[複合機の電気的構成]
本実施例1の画像読取システム200は、複合機1と外部制御装置100とで構成されている。複合機1の電気的構成について説明する。複合機1は、図3に示すように、第1CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93、カウンタ96、画像処理部94、通信部95、読取部4、駆動部5、及び通信インターフェース(通信I/F)15を構成の一部として備える。これらの構成要素は、バス9を介して、表示部6、操作部7、カバーセンサ8、画像形成部10に接続される。
第1CPU90は、ROM92に記憶された制御プログラムに従って、複合機1の各部の制御を行う。ROM92には、後述する制御処理、本スキャン処理等の複合機1の各種動作を実行するためのプログラムが記憶されている。
また、ROM92には、後述するプレスキャン処理における読取解像度(以下、プレスキャン解像度と称す)、本スキャン処理における読取解像度(以下、本スキャン解像度と称す)、及びプレスキャン処理と本スキャン処理毎に、ライン周期、送信パルス周波数、各色階調、及びモノクロ読取(Green1色)またはカラー読取(RGB3色)等の読取設定に関する情報が記憶されている。プレスキャン解像度は、例えば、100dpi、200dpiのうちいずれかの読取解像度が、本スキャン解像度は、プレスキャン解像度より高解像度である300dpi、及び600dpiのうちいずれかの読取解像度が、ROM92に記憶されている。送信パルス周波数については後述する。また、ROM92には、待機位置HPを基準として読取部4が読取開始位置PS及び後述するプレスキャン処理における読取終了位置PEまで移動するために必要な移動量を表すデータが記憶されている。本実施例では、本スキャン解像度は、プレスキャン解像度より高い場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。プレスキャン解像度と本スキャン解像度は、同じ読取解像度であってもよい。この場合、プレスキャン処理における読取部4のライン周期を、階調を落としたりモノクロ読取にするなどして、本スキャン処理における読取部4のライン周期より短くする。さらに、プレスキャン処理における読取部4の副走査方向の移動速度を本スキャン処理における読取部4の副走査方向の移動速度より速くする。
なお、読取設定は、操作部7からユーザによって入力された設定に基づいて、第1CPU90が決定してもよい。以降の説明では、プレスキャン処理における読取設定をプレスキャン設定、及び本スキャン処理における読取設定を本スキャン設定と称す。
読取部4を構成するCIS44の主走査方向における解像度は、第1CPU90からの指示によって、300dpi、600dpi、及び1200dpiのうち、いずれかの解像度に切替可能である。
駆動部5は、駆動制御部54、モータ59、及びドライバ52を含んで構成されている。駆動制御部54は、PWMによってドライバ52へパルス制御信号を送信してモータ59を回転させるためのハードウェアである。また、駆動制御部54は、ドライバ52へモータ59の正回転または逆回転を制御する信号を送信し、モータ59の回転方向を変えられるように構成されている。ドライバ52は、駆動制御部54から入力されるパルス制御信号及びモータ回転方向の制御信号に従って、モータ59の各相の巻線に流す電流のタイミング及び各相の巻線に流す電流の順序を制御可能となるように構成されたハードウェアである。モータ59は、本実施例では、ステッピングモータである。
カウンタ96は、駆動制御部54が1パルスのパルス制御信号を送信する度に送信パルス数を1カウントする。第1CPU90が、駆動制御部54にモータ59の回転開始を指示すると、カウンタ96を初期化し、駆動制御部54の送信パルス数のカウントを開始する。第1CPU90が、駆動制御部54にモータ59の回転停止を指示すると、カウンタ96は、駆動制御部54の送信パルス数のカウントを終了する。
モータ59は、駆動部5の駆動制御部54が1パルス制御信号をドライバ52へ送信する毎に、所定の回転角度分だけ回転する。モータ59の回転量は、駆動制御部54が送信するパルス数によって決まる。駆動制御部54の送信パルス数と、読取部4の副走査方向への移動量との関係は、予め決められており、駆動制御部54の送信パルス数から読取部4の副走査方向の移動量を算出するためのデータがROM92に記憶されている。本実施例では、送信パルス数1パルスあたり、600dpiの1ライン分(25.4mm/600=0.042mm)に相当する移動量である。ROM92には、カウンタ96によってカウントされる送信パルス数1パルスあたり、読取部4が600dpiの1ライン移動することを表す送信パルス数当たりの移動量データが記憶されている。なお、モータ59は、本実施例では、ステッピングモータであるが、この構成に限定されない。モータ59をエンコーダ付きのDCモータにして、カウンタ96がエンコーダによるパルス信号の信号数をカウントするような構成にしてもよい。
第1CPU90は、モータ59の回転開始の指示において、駆動制御部54に、ドライバ52へ送信させる送信パルス周波数及び送信パルス数を設定する。駆動制御部54は、送信パルス周波数及び送信パルス数の設定に従って、パルス制御信号を送信することで、モータ59の回転速度及び回転数が制御される。第1CPU90は、駆動制御部54に、モータ59の正回転または逆回転の回転方向を設定する。駆動制御部54は、回転方向の設定に従って、正回転または逆回転に対応する制御信号をドライバ52へ送信することで、モータ59の回転方向が制御される。第1CPU90は、モータ59の回転停止の指示において、駆動制御部54の上記送信パルス数等の設定をクリアする。
RAM93は、各種制御プログラムが読み出される作業領域、制御部9の制御処理によって算出された算出結果、及び読取部4によって読み取られた画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
画像処理部94は、RAM93に記憶された読取画像データに対してトリミング等の画像処理を行うハードウェアである。
通信部95は、コネクタまたは通信アンテナ等の通信I/F15を介して、有線あるいは無線によって、外部制御装置100とネットワーク通信を行うためのハードウェアである。
カバーセンサ8は、カバー部3の開閉状態を検出するためのセンサである。画像形成部10は、インクジェット方式又は電子写真方式等により記録紙Kに画像を形成する。
[外部制御装置の電気的構成]
外部制御装置100は、例えば、パーソナルコンピュータまたはサーバコンピュータ等である。外部制御装置100は、図3に示すように、第2CPU101、HDD102、RAM103、及び通信部104を構成の一部として備える。これらの構成要素は、バス110を介して、通信I/F114に接続される。
第2CPU101は、HDD102に記憶された制御プログラムに従って、外部制御装置100の各部の制御を行う。HDD102は、オペレーティングシステムや、画像処理アプリケーション102a、スキャン管理プログラム等の各種プログラムが記憶されている。
画像処理アプリケーション102aは、後述する対象範囲検出処理において、受信した画像データから蛍光ペン等により囲み枠として囲まれた抽出対象の画像が含まれる対象範囲を検出し、当該画像データにおける対象範囲の位置座標を決定するためのプログラムである。なお、蛍光ペン等により手書きされた囲み枠で囲まれた抽出対象の画像の検出方法については、特開2015−26927号公報に記載された検出方法を用いる。画像処理アプリケーション102aは、図4(A)に示す一点鎖線の手書き枠N1のような円形の手書き枠だけでなく、図4(A)に示す一点鎖線の手書き枠N2およびN3のような平行四辺形や楕円形の手書き枠でも検出可能である。スキャン管理プログラムは、複合機1の読取部4による読取動作を管理するためのプログラムである。スキャン管理プログラムの図示は省略する。
RAM103は、各種制御プログラムが読み出される作業領域、第2CPU101の制御処理によって算出された算出結果、及び複合機1から送信された画像データを一時的に記憶する記憶領域として利用される。
通信部104は、コネクタまたは通信アンテナ等の通信I/F114を介して、有線あるいは無線によって、複合機1とネットワーク通信を行うためのハードウェアである。
[複合機における制御処理]
ユーザは、原稿M中の所望画像を記録紙Kにコピーしたい場合、図4(A)に示すように、ユーザが蛍光ペン等によって手書き枠(図4(A)に示す一点鎖線)N1、N2、及びN3を囲む。手書き枠は、ユーザが画像抽出を所望する範囲である。複合機1が、手書き枠が書かれた原稿Mの画像を読み取る。複合機1が、手書き枠N1、N2、及びN3で囲まれた画像データを抽出し、図4(B)に示すように、抽出した画像データを順番に記録紙Kに画像形成することができる。
本実施例1の複合機1における制御処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。本実施例1の複合機1が、図4(A)に示すように、手書き枠N1、N2、及びN3が書かれた原稿Mの画像を読み取る場合を例に挙げて説明する。
複合機1に電源が投入されると、第1CPU90により、図5に示す制御処理が実行される。第1CPU90は、電源投入後、ROM92に記憶されたプレスキャン設定及び本スキャン設定を初期設定値としてRAM93に記憶する(S1)。第1CPU90は、待機位置HPに位置する読取部4によって、RAM93に記憶されたプレスキャン解像度及び本スキャン解像度に対応する読取前補正処理を実行する(S2)。第1CPU90は、カバーセンサ8によりカバー部3の開位置から閉位置への変化が検出されたか否かを判断する(S3)。カバー部3の開位置から閉位置への変化が検出されなかったと判断した場合(S3:NO)、S3の判断処理を繰り返す。
カバー部3の開位置から閉位置への変化が検出されたと判断した場合(S3:YES)、第1CPU90は、操作部7によって、読取開始の指示を受け付けたか否かを判断する(S4)。読取開始の指示を受け付けなかったと判断した場合(S4:NO)、S4の判断処理を繰り返す。
読取開始の指示を受け付けたと判断した場合(S4:YES)、第1CPU90は、正回転開始を駆動部5に指示し、モータ59を正回転させて、待機位置HPから読取開始位置PSへ移動させる(S5)。
第1CPU90は、駆動部5によって読取部4をプレスキャン設定に対応する読取部4の移動速度(以下、プレスキャン速度と称す)で読取開始位置PSから読取終了位置PEへ副走査方向に移動させながら、読取部4によって原稿載置面2a上の画像を読み取るプレスキャン処理を実行する(S6)。第1CPU90は、RAM93に記憶されたプレスキャン設定関する情報に含まれる、読取部4のライン周期、および、送信パルス周波数を用いて、読取部4を駆動部5で移動させながら読み取ることで、プレスキャン処理を実行する。具体的には、本実施例のプレスキャン解像度100dpiの場合、ライン周期は、主走査方向の読取解像度300dpi、各色階調8bit、RGB3色で、1.5msである。プレスキャン処理におけるライン周期1.5msの間に、ドライバ52へ送信させる送信パルスを6パルス送信するように、第1CPU90が駆動制御部54に送信パルス周波数を6パルス/1.5msに設定すると、ライン周期1.5msのときの読取部4の副走査方向の読取解像度は100dpiとなる。画像処理部94は主走査方向を1/3に解像度変換処理(縮小処理)して、主走査方向の解像度・副走査方向の解像度ともに100dpiのプレスキャン画像となる。このとき、プレスキャン速度は、送信パルス周波数によって決まるため、(25.4mm/600)×(6パルス/1.5ms)×1000=169mm/sである。
第1CPU90は、カウンタ96によって送信パルス数を取得することで、読取部4の副走査方向の移動量を算出し、読取部4が、図1に示す原稿載置面2aの右端に位置したと判断した場合、読取部4による画像の読み取りを終了する。第1CPU90は、プレスキャン処理において、読取部4により読み取られた画像(以下、プレスキャン画像と称す)をRAM93に記憶させる。
第1CPU90は、プレスキャン処理の実行後、駆動部5にモータ59の回転停止を指示し、駆動部5によってモータ59の回転を停止させる(S7)。第1CPU90は、駆動部5にモータ59の逆回転での回転開始を指示し、駆動部5によってモータ59を逆回転させて、読取部4を待機位置HPへ移動させる(S8)。第1CPU90は、駆動部5にモータ59の回転停止を指示し、駆動部5によってモータ59の回転を停止させる(S9)。
第1CPU90は、RAM93に記憶されたプレスキャン画像の画像データから原稿Mの後端エッジを検出し、検出された後端エッジの位置を読取終了位置PEとして、読取部4が待機位置HPから読取終了位置PEまで移動するために必要な移動量をRAM93に記憶する(S10)。第1CPU90は、公知のエッジ検出技術により、プレスキャン画像の画像データから図8に示す原稿Mの画像データGMの主走査方向に平行となる後端エッジ(図8に示す辺CD)を検出する。図8に示すX方向は、主走査方向と平行な方向であり、Y方向は、副走査方向と平行な方向である。第1CPU90は、プレスキャン処理の実行後、通信部95にRAM93に記憶されたプレスキャン画像の画像データを外部制御装置100へ送信させる(S11)。
[外部制御装置における制御処理]
本実施例1の外部制御装置100における制御処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。外部制御装置100は、複合機1から送信されたプレスキャン画像から画像抽出対象範囲を検出し、その画像抽出対象範囲の位置情報を複合機1へ送信する。詳細は以下に説明する。
外部制御装置100に電源が投入された後、第2CPU101により、図6に示す制御処理が実行される。
第2CPU101は、通信部104によって、プレスキャン画像の画像データが複合機1から受信されたか否かを判断する(S100)。プレスキャン画像の画像データが受信されなかったと判断した場合(S100:NO)、S100の判断処理を繰り返す。
プレスキャン画像の画像データが受信されたと判断した場合(S100:YES)、プレスキャン画像の画像データから画像抽出対象範囲を検出する対象範囲検出処理を実行する(S101)。第2CPU101は、HDD103に記憶された画像処理アプリケーション102aによって、前述の公知技術である対象範囲検出方法を用いて、図8に示す原稿Mの画像データGMから画像抽出対象範囲を検出する。具体的には、第2CPU101は、図8に示す原稿Mの画像データGMにおける手書き枠N1、N2、及びN3で囲まれた画像データを検出する。第2CPU101は、手書き枠N1、N2、及びN3で囲まれた画像データをそれぞれ含んだ四角形A1,B1,C1,D1、四角形A2,B2,C2,D2、及び四角形A3,B3,C3,D3の範囲を画像抽出対象範囲として決定する。
第2CPU101は、各画像抽出対象範囲である四角形の頂点座標を対象範囲の位置情報として算出し、RAM103に記憶する(S102)。具体的には、図2に示す位置合わせ点A0を原点A(0,0)として、図8に示すように、四角形A1,B1,C1,D1の頂点座標A1(X1,Y1)、B1(X2,Y1)、C1(X1,Y2)、D1(X2,Y2)を算出し、それぞれの頂点座標を表すデータとしてRAM103に記憶する。第2CPU101は、図8に示す四角形A2,B2,C2,D2、及び四角形A3,B3,C3,D3の頂点座標を表すデータについても同様にRAM103に記憶する。第2CPU101は、通信部104によって、RAM103に記憶された対象範囲の頂点座標を表すデータを画像抽出対象範囲の位置情報を表すデータとして複合機1へ送信する(S103)。
[複合機における本スキャン処理]
本実施例1の複合機1における本スキャン処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。複合機1は、プレスキャン画像を外部制御装置100に送信(S11)後、後述する本スキャン処理(S12)を開始し、外部制御装置100での画像抽出対象範囲の検出中も本スキャン処理を続け、外部制御装置100から送信された対象範囲の位置情報が送られてくるまで本スキャン処理を行う。詳細は以下に説明する。
第1CPU90は、駆動部5に正回転開始を指示し、駆動部5によってモータ59を正回転させて、待機位置HPから副走査方向の読取開始位置PSへ向かう方向へ移動開始させる(S200)。第1CPU90は、本スキャン設定に関する情報に含まれる、読取部4のライン周期、および、送信パルス周波数を用いて、読取部4を駆動部5で移動させながら読み取ることで、本スキャン処理を実行する。具体的には、本実施例の本スキャン解像度600dpiの場合、ライン周期は、主走査方向の解像度600dpi、各色諧調16bit、RGB3色で、6.0msである。本スキャンのライン周期6.0msの間に、ドライバ52へ送信させる送信パルスを1パルス送信するように、第1CPU90が駆動制御部54に送信パルス周波数を1パルス/6.0msに設定すると、ライン周期6.0msのときの副走査解像度が600dpiとなる。このとき、本スキャン速度は、送信パルス周波数によって決まるため、(25.4mm/600)×(1パルス/6.0ms)×1000=7.0mm/sである。第1CPU90は、カウンタ96がカウントした送信パルス数に基づいて、読取部4が読取開始位置PSに達したと見做し、移動速度が一定になった読取部4による画像の読み取りを開始する(S201)。
第1CPU90は、通信部95によって、本スキャン処理によって読み取られる画像(以下、本スキャン画像と称す)から画像抽出対象範囲の位置情報を表すデータを外部制御装置100から受信したか否かを判断する(S202)。画像抽出対象範囲の位置情報を表すデータを受信したと判断した場合(S202:YES)、第1CPU90は、画像抽出対象範囲の位置情報を表すデータをテーブルとしてRAM93に記憶する(S203)。第1CPU90は、外部制御装置100から図8に示す四角形A1,B1,C1,D1、四角形A2,B2,C2,D2、及び四角形A3,B3,C3,D3における頂点座標を受信する。第1CPU90は、画像抽出対象範囲の頂点におけるY座標のうち、読取開始位置PSに最も近い側を前端位置とし、読取終了位置PEに最も近い側を後端位置とする。図8に示す四角形A1,B1,C1,D1の場合、前端位置は、頂点A1及びB1におけるY座標Y1であり、後端位置は、頂点C1及びD1におけるY座標Y2である。第1CPU90は、図9(A)に示すように、外部制御装置100から受信した頂点座標に基づいて、頂点とX座標及びY座標の数値毎とを対応付けたテーブルをRAM93に記憶する。図示は省略するが、第1CPU90は、図9(A)に示すテーブルの頂点座標と前端位置及び後端位置とを対応付けたデータも合わせてRAM93に記憶する。第1CPU90は、図9(B)に示すように、RAM93に記憶したテーブルを、Y座標の数値の昇順に並べ替えて、Y座標毎に頂点と対応付けたテーブルを作成する。第1CPU90は、Y座標の数値の昇順に並べ替えが生じた頂点に対して重複範囲があることを表すデータと対応付けて、図9(B)に示すテーブルを作成する。第1CPU90は、図9(C)に示すように、RAM93に記憶したテーブルから重複範囲があることを表すデータと対応付けられた頂点及びY座標のデータを削除し、画像抽出対象範囲の位置情報を表すテーブル(以下、画像抽出対象範囲テーブルと称す)としてRAM93に記憶する。
第1CPU90は、画像読取対象範囲として、読取開始位置PSから最も読取開始位置PSに近い画像抽出対象範囲の後端位置及び前端位置までの本スキャン解像度のライン数に対応する第1ライン数及び第3ライン数を算出し、算出された第1ライン数及び第3ライン数をそれぞれRAM93に記憶する(S204)。具体的には、第1CPU90は、RAM93に記憶された図9(C)に示すテーブルから最も読取開始位置PSに近い画像抽出対象範囲の前端位置であるY座標の数値が最も小さいY座標Y1に対応する第3ライン数、及び当該画像抽出対象範囲の後端位置であるY座標の数値が2番目に小さいY座標Y2に対応する第1ライン数をそれぞれ算出する。第1CPU90は、Y座標Y1、及びY2の数値に対して、それぞれ1パルスあたりの移動量1ラインの解像度を乗算し、プレスキャン解像度の数値で除算して、第3ライン数及び第1ライン数を算出する。第1CPU90は、算出した第3ライン数及び第1ライン数をRAM93に記憶する。例えば、1パルスあたりの移動量1ラインの解像度600dpi、プレスキャン解像度100dpi、Y1の数値が196ライン、およびY2の数値が394ラインの場合、第1CPU90は、第3ライン数L3、及び第1ライン数L1をそれぞれ、
L3=196ライン×(600dpi/100dpi)=1176ライン
L1=394ライン×(600dpi/100dpi)=2364ライン
と算出し、RAM93に記憶する。
第1CPU90は、読取部4の現在位置として第2ライン数を算出し、RAM93に記憶する(S205)。第1CPU90は、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達したか否かを判断する(S206)。具体的には、第1CPU90は、待機位置HPを基準として、ROM92に記憶された待機位置HPから読取開始位置PSまでの移動量に対応する送信パルス数と、待機位置HPから現在までカウンタ96がカウントした送信パルス数と、に基づいて、読取開始位置PSから現在までの送信パルス数を算出する。第1CPU90は、読取開始位置PSから現在までの送信パルス数に基づいて、読取部4の現在位置である読取開始位置PSからの副走査方向のライン数である第2ライン数を算出する。第1CPU90は、読取部4の現在位置を表す第2ライン数が、画像抽出対象範囲の前端位置を表す第3ライン数以上ある場合、読取部4の現在位置が画像抽出対象範囲内であると判断する。
読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達したと判断された場合(S206:YES)、第1CPU90は、RAM93に記憶された第1ライン数が、第2ライン数以下であるか否かを判断する(S207)。第1ライン数が、第2ライン数以下でないと判断された場合(S207:NO)、第1CPU90は、S205の処理及びS206の判断処理を繰り返す。第1ライン数が、第2ライン数以下であると判断した場合(S207:YES)、第1CPU90は、読取部4によって全画像抽出対象範囲における画像を読み取ったか否かを判断する(S208)。具体的には、第1CPU90は、図9(C)に示すテーブルのうち、読取対象である画像抽出対象範囲の後端位置のY座標の数値より大きい数値となるY座標があるか否かによって判断する。全画像抽出対象範囲における画像を読み取っていると判断した場合(S208:YES)、第1CPU90は、読取部4による画像の読み取りを終了させて本スキャン処理を終了する(S209)。第1CPU90は、駆動部5にモータ59の回転停止を指示し、駆動部5によって、モータ59の回転を停止させる(S210)。第1CPU90は、駆動部5にモータ59の逆回転での回転開始を指示し、駆動部5によってモータ59を逆回転させて、読取部4を待機位置HPへ移動させる(S211)。
全画像抽出対象範囲における画像を読み取っていないと判断した場合(S208:NO)、第1CPU90は、RAM93に記憶された画像抽出対象範囲テーブルにおける次の読取対象となる画像抽出対象範囲の前端位置及び後端位置のY座標に基づいて、読取部4における読取ライン数である第3ライン数及び第1ライン数を算出し、RAM93にそれぞれ記憶する(S216)。具体的には、第1CPU90は、図9(C)に示すテーブルにおいて、現在の読取対象である画像抽出対象範囲の後端位置のY座標の数値より大きい数値となるY座標から次の読取対象である画像抽出対象範囲の前端位置及び後端位置を決定する。第1CPU90は、現在の読取対象である画像抽出対象範囲の後端位置のY座標より大きい数値となるY座標のうち、Y座標の数値が最小値となるY座標を次の読取対象である画像抽出対象範囲の前端位置として決定し、Y座標の数値が2番目に小さいY座標を次の読取対象である画像抽出対象範囲の後端位置として決定する。第1CPU90は、次の読取対象である画像抽出対象範囲の前端位置のY座標、及び後端位置のY座標の数値に基づいて、前述のS204の処理と同様に、第3ライン数及び第1ライン数を算出し、RAM93にそれぞれ記憶する。第1CPU90は、S216の処理の実行後、S205以降の処理を繰り返す。以降に具体例を挙げて説明する。
1.読取部4が図8に示すYP5に位置する場合
第1CPU90は、読取部4が読取開始位置PSからYP5の位置へ移動するまでカウンタ96がカウントした送信パルス数と、ROM92に記憶された送信パルス数当たりの移動量データと、に基づいて、読取部4の現在位置を示す第2ライン数を1417ラインと算出し、RAM93に記憶する(S205)。第1CPU90は、第2ライン数1417ライン≧第3ライン数1176ラインであり、かつ、第2ライン数1417ライン≦第1ライン数2364ラインであるため、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達したと判断する(S206:YES)。第1CPU90は、第1ライン数2364ライン≧第2ライン数1417ラインであると判断し(S207:NO)、S205の処理およびS206の判断処理を繰り返す。
2.読取部4が図8に示すY2に位置する場合
第1CPU90は、読取部4が読取開始位置PSからY2の位置へ移動するまでカウンタ96がカウントした送信パルス数と、ROM92に記憶された送信パルス数当たりの移動量データと、に基づいて、読取部4の現在位置を示す第2ライン数を2364ラインと算出し、RAM93に記憶する(S205)。第1CPU90は、第2ライン数2364ライン=第1ライン数2364ラインであるため、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達したと判断する(S206:YES)。第1CPU90は、第1ライン数2364ライン=第2ライン数2364ラインと判断し(S207:YES)、現在の読取対象である画像抽出対象範囲の後端位置であるY座標Y2の数値より大きい数値のうち、最小値であるY座標Y3、及び2番目に小さい数値であるY座標Y6をそれぞれ次の読取対象である画像抽出対象範囲の前端位置及び後端位置として決定する。Y3の数値が530ライン、およびY6の数値が990ラインの場合、第1CPU90は、第3ライン数L3、及び第1ライン数L1をそれぞれ、
L3=530ライン×(600dpi/100dpi)=3180ライン
L1=990ライン×(600dpi/100dpi)=5940ライン
と算出し、RAM93に記憶する(S216)。第1CPU90は、前端位置Y3及び後端位置Y6における画像抽出対象範囲を、現在の読取対象範囲としてS205以降の処理を繰り返す。
[複合機における速度変更処理]
読取部4の現在位置が画像抽出対象範囲内ではないと判断された場合(S206:NO)、第1CPU90は、読取部4を最高速度で移動可能か否かを判断する(S214)。具体的には、第1CPU90は、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離が、図9(C)に示す画像抽出対象範囲の前端位置から後端位置までのY座標の範囲内であるか否かを判断することで読取部4を最高速度で移動可能か否かを判断する。第1CPU90は、モータ59の加減速時間における読取部4の副走査方向の移動距離を、読取部4の現在位置に加算し、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離とする。モータ59の加減速時間における読取部4の副走査方向の移動距離は、加減速時間と、読取部4の加速時の加速度と、読取部4の減速時の加速度とに基づいて算出される。加減速時間は、駆動部5によって、モータ59の回転速度を本スキャン速度から最高速度に対応する回転速度へ加速させるまでにかかる加速時間と、最高速度から本スキャン速度に対応する回転速度へ減速させるまでにかかる減速時間とを合計した期間である。加速度時の加速度は、加速期間における加速度であり、減速時の加速度は、減速期間における加速度である。最高速度は、読取部4の副走査方向の移動速度が最速となる速度である。なお、加減速時間、読取部4の加速時および減速時の加速度、および最高速度に関する情報は、ROM92に記憶された本スキャン設定に含まれる。また、モータ59の加減速中の移動距離は、加減速中に駆動制御部に設定するパルス数に基づいて算出してもよい。
読取部4が最高速度で移動可能であると判断された場合(S214:YES)、第1CPU90は、読取部4を移動可能な距離だけ最高速度で移動させる(S215)。具体的には、第1CPU90は、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離が、図9(C)に示す画像抽出対象範囲の前端位置から後端位置までのY座標の範囲内ではないと判断した場合、読取部4が最高速度で移動可能であると判断する。第1CPU90は、読取部4による画像の読み取りを一時的に終了し、駆動部5によって図9(C)に示す画像抽出対象範囲の前端位置から推定移動距離を減算した移動可能な距離だけ、読取部4を最高速度で移動させる。第1CPU90は、駆動部5によって、読取部4を移動可能な距離だけ最高速度で移動させた後、モータ59を本スキャン速度に対応する回転速度に戻し、読取部4による画像の読み取りを再開する。第1CPU90は、前述のS206以降の処理を実行する。一方、読取部4が最高速度で移動可能ではないと判断された場合(S214:NO)、第1CPU90は、前述のS206以降の処理を実行する。
画像抽出対象範囲の位置情報を表すデータを受信しなかったと判断した場合(S202:NO)、第1CPU90は、読取部4が読取終了位置PEに到達したか否かを判断する(S213)。第1CPU90は、カウンタ96によってカウントされた送信パルス数に基づいて、読取部4の待機位置HPからの移動量を算出する。第1CPU90は、読取部4の待機位置HPからの移動量と、RAM93に記憶された読取部4が待機位置HPから読取終了位置PEまで移動するために必要な移動量とを比較することで、読取部4が読取終了位置PEに到達したか否かを判断する。読取部4が読取終了位置PEに到達しなかったかと判断された場合(S213:NO)、第1CPU90はS202以降の処理を繰り返す。読取部4が読取終了位置PEに到達したと判断された場合(S213:YES)、第1CPU90は、S209以降の処理を実行する。
以降の説明では、読取部4が高速移動可能である場合と、高速移動可能でない場合に分けて具体的に説明する。
1.読取部4が高速移動可能である場合
読取部4が図8に示すYP1に位置するときに、第1CPU90が、前述のS205の処理及びS206の判断処理を実行する場合について説明する。第1CPU90は、前述のS204の処理において、画像抽出対象範囲の前端位置Y1に対応する第3ライン数L3として1176ライン、および画像抽出対象範囲の後端位置Y2に対応するライン数L1として2364ラインを算出し、RAM93にそれぞれ記憶しているものとする。第1CPU90は、読取部4が読取開始位置PSからYP1の位置へ移動するまでカウンタ96がカウントした送信パルス数と、ROM92に記憶された送信パルス数当たりの移動量データと、に基づいて、読取部4の現在位置を示す第2ライン数を307ラインと算出し、RAM93に記憶する(S205)。第1CPU90は、第2ライン数307<第3ライン数1176であるため、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達していないと判断する(S206:NO)。第1CPU90は、RAM93に記憶されたスキャン設定に基づいて、モータ59の加減速時間における読取部4の副走査方向の移動距離YLを本スキャン解像度600dpiで30mmと算出したとする。第1CPU90は、読取部4の現在位置である第2ライン数に、移動距離YLに対応するライン数を加算し、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離YP2とする。第1CPU90は、推定移動距離YP2に対応するライン数LYP2を
LYP2=307+(600dpi/25.4mm)×30mm≒1015ライン
と算出し、ライン数LYP2が、第3ライン数以上であり、かつ第1ライン数以下であるか否かを判断する(S214)。第1CPU90は、ライン数LYP2=1015<第3ライン数1176であるため、読取部4は最高速度で移動可能と判断する(S214:YES)。第1CPU90は、画像抽出対象範囲の前端位置Y1に対応する第3ライン数から推定移動距離YP2を減算したライン数(1176−1015=161ライン)に対応する距離だけ、読取部4を最高速度で移動させる(S215)。
2.読取部4が高速移動可能でない場合
読取部4が図8に示すYP3に位置するときに、第1CPU90が、前述のS205の処理及びS206の判断処理を実行する場合について説明する。第1CPU90は、前述のS216の処理において、画像抽出対象範囲の前端位置Y3に対応する第3ライン数L3として3180ライン、および画像抽出対象範囲の後端位置Y6に対応するライン数L1として5940ラインを算出し、RAM93にそれぞれ記憶しているものとする。第1CPU90は、読取部4が読取開始位置PSからYP3の位置へ移動するまでカウンタ96がカウントした送信パルス数と、ROM92に記憶された送信パルス数当たりの移動量データと、に基づいて、読取部4の現在位置を示す第2ライン数を2598ラインと算出し、RAM93に記憶する(S205)。
第1CPU90は、第2ライン数2598<第3ライン数3180であるため、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達していないと判断する(S206:NO)。第1CPU90は、RAM93に記憶されたスキャン設定に基づいて、モータ59の加減速時間における読取部4の副走査方向の移動距離YLを本スキャン解像度600dpiで30mmと算出したとする。第1CPU90は、読取部4の現在位置である第2ライン数に、移動距離YLに対応するライン数を加算し、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離YP2とする。第1CPU90は、推定移動距離YP2に対応するライン数LYP2を
LYP2=2598+(600dpi/25.4mm)×30mm≒3306ライン
と算出し、ライン数LYP2が、第3ライン数以上であり、かつ第1ライン数以下であるか否かを判断する(S214)。第1CPU90は、ライン数LYP2=3306>第3ライン数3180であり、かつ、ライン数LYP2=3306<第1ライン数5940であるため、読取部4は最高速度で移動可能ではないと判断する(S214:NO)。第1CPU90は、第1ライン数5940>第2ライン数2598であるため、第1ライン数が第2ライン数以下ではないと判断し(S207:NO)、第1CPU90は、S205の処理及びS206の判断処理を繰り返す。
[複合機における画像出力処理]
本実施例1の複合機1における画像出力処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
第1CPU90は、本スキャン処理(S12)の実行後、RAM93に記憶された本スキャン画像の画像データに対して、画像処理部94に画像抽出処理を実行させる(S13)。第1CPU90は、画像形成部10によって、抽出された画像データに基づいて順番に記録紙Kに画像形成する(S14)。第1CPU90は、画像処理部94によって、本スキャン画像データから図8に示す四角形A1,B1,C1,D1、四角形A2,B2,C2,D2、及び四角形A3,B3,C3,D3で囲まれた画像データを抽出する。第1CPU90は、RAM93に記憶された図9(A)に示すテーブルの位置情報に基づいて、前記四角形で囲まれた範囲の画像データを抽出する。第1CPU90は、抽出された画像データに基づいて、順番に記録紙に画像形成することで、ユーザが所望する図4(B)に示す記録紙Kが得られる。
[作用効果]
本実施例1の複合機1は、主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部4と、主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて読取部4を移動させる駆動部5と、読取部4および駆動部5を制御する第1CPU90と、を備えている。第1CPU90は、S201〜S209の処理を実行するため、読取画像の劣化を抑制可能であり、かつ、ユーザの要求する領域に対する読取処理時間を短縮可能である。外部制御装置100においてS209の処理の実行を判断してから複合機1にS209の処理の実行指示を送信する構成に比べて、本スキャン処理の終了判断から本スキャン処理の終了までの時間経過を抑制することができる。
第1CPU90は、S201の処理開始後、S206、S214、及びS215の処理により画像抽出対象範囲外において読取部4を高速に移動させることで、本スキャン処理の開始から終了までの時間短縮が可能である。
複合機1は、外部制御装置100に、S100〜S103の処理により特殊な画像認識方法を用いた画像抽出対象範囲の検出処理をさせることで、複合機側で検出処理を実行する必要が無くなるので、低コストまたは汎用的な複合機で実現可能である。また、外部制御装置100における検出処理のプログラムのみアップデートすればよいので、複数の複合機で実行する検出処理のプログラムをそれぞれアップデートするより、検出処理プログラムを容易にアップデートできる。ユーザが、パソコンを起動してマウス操作で画像抽出対象範囲を指定するような作業負担が無く、原稿に手書きで画像抽出対象範囲を囲むという簡易な範囲指定で画像抽出可能である。
<実施例2>
本発明の複合機1における実施例2について、図10及び図11のフローチャートを参照して説明する。本実施例2の複合機1は、本スキャン処理の実行開始後、外部制御装置100から本スキャン処理の終了指示を受信した場合、本スキャン処理を終了する。外部制御装置100は、複合機1から送信されたプレスキャン画像における画像抽出対象範囲および読取部4の現在位置に基づいて、本スキャン処理の終了指示を複合機1へ送信する。詳細は以下に説明する。以下の説明では、本実施例1と同一の内容については重複した記載を省略する。
[複合機における本スキャン処理]
複合機1における第1CPU90は、図10に示すように、本スキャン処理の実行開始後(S201)、通信部95によって、読取部4の現在位置である第2ライン数を表すデータを外部制御装置100へ送信する(S300)。具体的には、第1CPU90は、待機位置HPを基準として、ROM92に記憶された待機位置HPから読取開始位置PSまでの移動量に対応する送信パルス数と、待機位置HPから現在までカウンタ96がカウントした送信パルス数と、に基づいて、読取開始位置PSから現在までの送信パルス数を算出する。第1CPU90は、読取開始位置PSから現在までの送信パルス数に基づいて、読取部4の現在位置である読取開始位置PSからの副走査方向のライン数である第2ライン数を算出する。例えば、読取部4が図8に示すYP5に位置する場合、第1CPU90は、読取部4が読取開始位置PSからYP5の位置へ移動するまでカウンタ96がカウントした送信パルス数と、ROM92に記憶された送信パルス数当たりの移動量データ(600dpiあたり1ラインを表すデータ)と、に基づいて、読取部4の現在位置を示す第2ライン数をプレスキャン解像度100dpiに換算して、236ラインと算出し、通信部95によって、外部制御装置100へ送信する。具体的には、第1CPU90は、読取部4が読取開始位置PSからYP5の位置へ移動するまで600dpiで1417ラインとなるので、プレスキャン解像度100dpiに換算し、第2ライン数を1417×100/600=236ラインと算出する。
第1CPU90は、通信部95によって、読取部4の高速移動指示を外部制御装置100から受信したか否かを判断する(S301)。読取部4の高速移動指示を外部制御装置100から受信したと判断した場合(S301:YES)、第1CPU90は、前述のS215の処理と同様に、駆動部5によって、外部制御装置100から受信した読取部4が最高速度で移動可能な距離だけ読取部4を移動させる。(S302)。一方、読取部4の高速移動指示を外部制御装置100から受信しなかったと判断した場合(S301:NO)、第1CPU90は、後述するS303の判断処理を実行する。
第1CPU90は、通信部95によって、本スキャン処理の終了指示を受信したか否かを判断する(S303)。外部制御装置100から本スキャン処理の終了指示を受信したと判断された場合(S303:YES)、第1CPU90は、S208以降の処理を実行する。外部制御装置100から本スキャン処理の終了指示を受信しなかったと判断された場合(S303:NO)、第1CPU90は、S300以降の処理を繰り返す。
[外部制御装置における制御処理]
外部制御装置100における第2CPU101は、図11に示すように、プレスキャン画像の画像データが受信されたと判断した場合(S100:YES)、第2CPU101は、前述の通り、プレスキャン画像の画像データから画像抽出対象範囲を検出する対象範囲検出処理を実行し(S101)、画像抽出対象範囲の位置情報を表すデータをテーブルとしてRAM103に記憶する(S203)。第2CPU101は、画像読取対象範囲として、読取開始位置PSから最も読取開始位置PSに近い画像抽出対象範囲の後端位置及び前端位置までの本スキャン解像度のライン数に対応する第1ライン数及び第3ライン数を算出し、算出された第1ライン数及び第3ライン数をそれぞれRAM103に記憶する(S400)。例えば、Y1の数値が196ライン、およびY2の数値が394ラインの場合、第2CPU101は、第3ライン数L3を196ライン、及び第1ライン数L1を394ラインとしてRAM103に記憶する。
第2CPU101は、通信部104によって、読取部4の現在位置である第2ライン数を表すデータを受信したか否かを判断する(S401)。読取部4の現在位置である第2ライン数を表すデータが受信されたと判断した場合(S401:YES)、前述と同様に、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達したか否かを判断する(S206)。
第2CPU101は、前述と同様に、全画像抽出対象範囲における画像を読み取っていると判断した場合(S208:YES)、通信部104によって、複合機1における本スキャン処理の終了指示を複合機1へ送信する(S402)。
第2CPU101は、前述と同様に、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達していないと判断した場合(S206:NO)、前述と同様に、読取部4を最高速度で移動可能か否かを判断する(S214)。第2CPU101は、前述と同様に、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離とRAM103に記憶された画像抽出対象範囲テーブルと、に基づいて判断する。複合機1の第1CPU90が、前述のS300の処理において、S214の処理と同様に、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離を算出し、当該推定移動距離を表すデータを外部制御装置100へ送信し、第2CPU101が、S401の処理で読取部4の現在位置である第2ライン数を表すデータと合わせて、当該推定移動距離を表すデータを受信しているものとする。
読取部4が最高速度で移動可能であると判断された場合(S214:YES)、第2CPU101は、通信部104によって、読取部4が最高速度で移動可能な距離を表すデータを複合機1へ送信し(S403)、後述するS401の判断処理及びS206の判断処理を実行する。第2CPU101は、前述の図7に示すS215の処理と同様に、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離と、RAM103に記憶された画像抽出対象範囲テーブルと、に基づいて読取部4が最高速度で移動可能な距離を算出する。
[作用効果]
外部制御装置100は、S101およびS203の処理により特殊な画像認識方法を用いて画像抽出対象範囲を検出処理する。
これにより、複合機側で検出処理を実行する必要が無くなるので、複合機における処理負担の軽減が可能であり、汎用的な複合機で実現可能である。ユーザが、パソコンを起動してマウス操作で画像抽出対象範囲を指定するような作業負担が無く、原稿に手書きで画像抽出対象範囲を囲むという簡易な範囲指定で画像抽出可能である。
外部制御装置100は、S206〜S208、S401、およびS402の処理により複合機1における本スキャン処理を終了させる。
これにより、複合機が本スキャン処理の実行終了を制御する必要が無くなるため、複合機における処理負担が軽減可能であり、汎用的な複合機(スキャナ装置)で実現可能となる。
[実施形態と発明との対応関係]
複合機1、外部制御装置100および画像読取システム200が、本発明の画像読取装置の一例である。第1CPU90、および第2CPU101が、本発明の制御部の一例である。S6が、本発明のプレスキャン読取処理の一例である。S100〜S103は、本発明の範囲取得処理の一例である。S201〜S209、およびS213〜S216は、本発明の本スキャン読取処理の一例である。S205は、本発明の位置取得処理の一例である。S207は、本発明の判断処理の一例である。S204〜S209、およびS216は、本発明の本スキャン制御処理の一例である。S214は、本発明の位置判断処理、加減速距離算出処理、および距離判断処理の一例である。S215は、本発明の高速移動処理、高速移動判断処理、速度変更処理、速度制御処理の一例である。
画像読取システム200が、本発明の画像読取システムの一例である。複合機1が、本発明のスキャナ装置の一例である。外部制御装置100が、本発明の外部制御装置の一例である。S202、およびS203は、本発明の範囲受信処理の一例である。S101〜S103は、本発明の範囲決定処理の一例である。
S300は、本発明の位置送信処理の一例である。S303は、本発明の指示受信判断処理の一例である。S100は、本発明の画像受信処理の一例である。S101は、本発明の範囲決定処理の一例である。S401は、本発明の位置受信処理の一例である。S206〜S208、S216、およびS400〜S402は、本発明の停止指示送信処理の一例である。
[変形例]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次のように本実施形態を変更してもよい。
(1)本実施形態では、図5に示すプレスキャン処理、および図7に示す本スキャン処理の全てが第1CPU90によって実行される構成であるが、この構成に限定されない。S6の処理、S201〜S209の処理、およびS213〜S216の処理が第2CPU101により実行される構成であってもよい。外部制御装置100におけるHDD102にプレスキャン解像度および本スキャン解像度が記憶され、第2CPU101が、プレスキャン解像度および本スキャン解像度に基づいて、複合機1の駆動部5を制御する構成であってもよい。
(2)本実施形態では、図6に示す制御処理の全てが第2CPU101によって実行される構成であるが、この構成に限定されない。S100〜S103の処理が第1CPU90により実行される構成であってもよい。複合機1のROM92が、画像処理アプリケーション102aを備え、S6の処理の実行後、S101〜S103の処理が第1CPU90により実行される構成であってもよい。複合機1と外部制御装置の画像送受信処理 S11およびS100の処理が実行されず、S6の処理の実行後、S101〜S103の処理が第1CPU90により実行される構成であってもよい。
(3)本実施形態では、図4(A)に示す原稿Mにおける手書き枠N1〜N3を画像抽出対象範囲としたが、この構成に限定されない。外部制御装置100をパソコンとして、プレスキャン画像における画像抽出対象範囲をパソコンに接続されたマウス操作で設定できるようにしてもよい。複合機1が、プレスキャン画像を表示部6に表示させ、操作部7から画像抽出対象範囲を指定する構成であってもよい。表示部6をタッチパネルとして、プレスキャン画像を表示部6に表示させて、ユーザがタッチパネルの操作によって画像抽出対象範囲を指定する構成であってもよい。
(4)本実施形態では、第1CPU90は、S204およびS205の処理の実行後、読取部4が画像抽出対象範囲の前端位置に達していない(S206:NO)、かつ高速移動可能であれば(S214:YES)、S215の処理において駆動部5によって読取部4の副走査方向の移動速度を最高速度に変更し、読取部4による画像の読み取りを一時終了および再開したが、この構成に限定されない。第1CPU90は、S215の処理において、読取部4による画像の読み取りを継続する構成にしてもよい。第1CPU90は、S215の処理において、読取部4の副走査方向の移動速度を変更することなく、読取部4による画像の読み取りを一時終了し、カウンタ56によってカウントされた送信パルス数に基づいて、読取部4が画像抽出対象範囲における前端位置に達したと判断したときに読取部4による画像の読み取りを再開するように構成してもよい。
(5)本実施形態では、第1CPU90が、S12の処理の実行後、S13およびS14の処理を実行し、本スキャン画像を画像抽出し、記録紙に記録したが、この構成に限定されない。外部制御装置100が画像処理部94を備え、第1CPU90がS12の処理の実行後、外部制御装置100へ本スキャン画像を送信し、第2CPU101が、S13およびS14の処理を実行する構成であってもよい。第2CPU101は、S102の処理において、算出した画像抽出対象範囲の位置情報に基づいて、S13の処理を実行し、S14の処理においてPDFなどのファイルデータとして抽出された画像データをRAM103に記憶する構成であってもよい。第2CPU101によるS103の処理が不要になる。
(6)本実施形態では、第1CPU90が、S204およびS205の処理において、ライン数を算出し、S207の処理で算出したライン数に基づいて、読取部4が画像抽出対象範囲の後端位置に達したと判断しているが、この構成に限定されない。第1CPU90は、S204の処理において、第1ライン数および第3ライン数を駆動制御部54に送信するパルス数で算出してもよい。第1CPU90は、S204の処理において、ROM92に記憶された駆動制御部54の送信パルス数から読取部4の副走査方向の移動量を算出するためのデータに基づいて、画像抽出対象範囲の後端位置に対応するPWM54の送信パルス数を算出する。
(7)本実施形態では、第1CPU90が、S214の処理において、読取部4の読取開始位置PSからの推定移動距離が画像抽出対象範囲内にあるか否かの判断により、読取部4が高速移動可能であるか否かを判断したが、この構成に限定されない。第1CPU90は、S214の処理において、読取部4の現在位置が、画像抽出対象範囲からモータ59の加減速時間における読取部4の副走査方向の移動距離YL以上離れているか否かの判断により読取部4が高速移動可能であるか否かを判断してもよい。
(8)本実施形態の複合機1は、画像形成部10を備える複合機としたが、この構成に限定されない。複合機1は、読取部4、駆動部5、第1CPU90、通信部95、通信I/F15、ROM92、RAM93を備える単機能のスキャナ装置に変更してもよい。
(9)本実施形態の外部制御装置100は、HDD102に本スキャン解像度および本スキャン解像度に対応する読取部4の移動速度が記憶され、第2CPU101が本スキャン解像度に対応する読取部4の移動速度を複合機1に設定するように構成してもよい。第2CPU101は、読取部4の移動速度の設定とともに、読取部4による本スキャン処理の開始を指示し、複合機1は、外部制御装置100からの本スキャン処理開始指示を受けてS200およびS201の処理を実行してもよい。第2CPU101は、本スキャン処理開始の指示後、タイマにより本スキャン開始指示後の経過時間を計測し、第2CPU101は、S407の処理において、読取部4の移動速度と、経過時間と、に基づいて、本スキャン処理の終了推定時間を算出してもよい。
(10)本実施形態では、第1CPU90とは別のCPUを複合機1に備えて、S205の処理において、ソフトカウンタによって送信パルスをカウントすることで、読取部4の現在位置を取得してもよい。
(11)本実施形態のプレスキャン解像度および本スキャン解像度は、ROM92に記憶されたデータであるが、この構成に限定されない。第1CPU90は、操作部7によってユーザから指定されたプレスキャン解像度および本スキャン解像度に基づいて、S5、S6、およびS12の処理を実行してもよい。第1CPU90は、外部制御装置100から指定されたプレスキャン解像度および本スキャン解像度に基づいて、S5、S6、およびS12の処理を実行してもよい。
(12)本実施形態の最高速度は、読取部4の副走査方向の移動速度が最速となる速度としたが、これに限られない。最高速度は、本スキャン処理における読取部4の副走査方向の移動速度以上となる速度であれば、最高速度でなくてもよい。
(13)本実施形態の読取開始位置PSは、読取部4が原稿載置面2aの左端に対向する位置としたが、これに限られない。読取開始位置PSは、S200の処理において、読取部4が待機位置HPに対向する位置から加速して、一定の本スキャン速度になるまでに必要な加速距離だけ副走査方向に離れた位置であってもよい。
(14)本実施形態の読取終了位置PEは、本スキャン処理において、プレスキャン処理の検知結果である原稿Mの右端の後端エッジに基づいて決められる位置であるとしたが、これに限られない。本スキャン処理の読取終了位置PEは、プレスキャン処理と同様に、読取部4が原稿載置面2aの右端に対向する位置であってもよい。
(15)本実施形態では、第1CPU90が、S215の処理において、駆動部5によって、読取部4の移動速度を本スキャン速度から最高速度に変更し、再度本スキャン速度に戻しているが、これに限られない。第1CPU90は、駆動部5によって、本スキャン速度で移動させている読取部4を停止させた後、読取部4の移動速度を最高速度に変更してもよい。第1CPU90は、駆動部5によって、読取部4を最高速度で移動可能な距離だけ移動させる。第1CPU90は、駆動部5によって、最高速度で移動可能な距離まで移動させた読取部4を停止させた後、本スキャン速度に変更してもよい。第1CPU90は、S214の処理において、読取部4を本スキャン速度から停止させた後、最高速度に変更するまでのモータ59の加速時間及び減速時間と、読取部4を最高速度から停止させた後、本スキャン速度に変更するまでのモータ59の加速時間及び減速時間と、を合計した時間を加減速時間とする。
(16)本実施形態では、第1CPU90が、S205の処理において、カウンタ96がカウントした読取開始位置PSから現在までの送信パルス数に基づいて、読取部4の現在位置である第2ライン数を算出し、RAM93に記憶したが、これに限られない。第1CPU90は、S205の処理において、RAM93に記憶された読取画像データの読取ライン数を読取部4の現在位置である第2ライン数としてRAM93に記憶してもよい。
(17)本実施形態では、手書きで画像抽出対象範囲を囲まれた原稿で、囲まれた範囲を対象範囲として検出したが、これに限られない。画像の一部を抽出する範囲を検出する処理であればよく、具体的には、複数枚の原稿(名刺やレシート、ハガキ)を検出する処理や、文書中の文字以外の画像領域(グラフや写真等)を検出する処理であってもよい。
4…読取部、5…駆動部、90,101…制御部、1…複合機、100…外部制御装置、200…画像読取システム

Claims (7)

  1. 主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、
    前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、
    プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかを実行するために前記読取部および前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記原稿のプレスキャン画像を読み取るプレスキャン読取処理と、
    前記プレスキャンモードにおいて読み取られたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を取得する範囲取得処理と、
    前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、
    前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得する位置取得処理と、
    前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記読取部の現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、
    前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行する画像読取装置。
  2. 前記制御部は、
    前記本スキャン読取処理の開始後であり、かつ前記範囲取得処理の実行終了後、前記位置取得処理によって取得された前記読取部の現在位置が、前記読取開始位置に近い側に位置する前記対象範囲の前端位置より前記読取開始位置に近い位置であるか否かを判断する位置判断処理と、
    前記読取部の現在位置が、前記対象範囲の前端位置より前記読取開始位置に近い位置であると判断されたとき、本スキャン設定に対応する移動速度より速い移動速度で前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御する高速移動処理と、
    前記高速移動処理の実行後、前記位置取得処理によって取得された前記読取部の現在位置が前記対象範囲の前端位置に達したか否かを判断する高速移動判断処理と、
    前記読取部が前記対象範囲の前端位置に達したと判断されたとき、前記読取部の移動速度を前記本スキャン設定に対応する移動速度に変更する速度変更処理と、を実行する請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記読取部を前記本スキャン設定に対応する移動速度より速い特定の移動速度まで加速させるために必要な距離と、前記特定の移動速度から前記本スキャン設定に対応する移動速度まで減速させるために必要な距離との合計である加減速距離を算出する加減速距離算出処理と、
    前記読取部の現在位置が、前記読取開始位置に近い側において前記対象範囲の前端位置から前記加減速距離以上離れているか否かを判断する距離判断処理と、
    前記読取部の現在位置が、前記読取開始位置に近い側において前記対象範囲の前端位置から前記加減速距離以上離れていると判断されたとき、前記高速移動処理を実行させ、
    前記読取部の現在位置が、前記読取開始位置に近い側において前記対象範囲の前端位置から前記加減速距離以上離れていないと判断されたとき、前記読取部を前記本スキャン設定に対応する移動速度で移動させるために前記駆動部を制御する速度制御処理と、を実行する請求項2に記載の画像読取装置。
  4. プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかのモードで、原稿の画像を読み取るスキャナ装置と、当該スキャナ装置と通信可能な外部制御装置と、を備える画像読取システムであって、
    前記スキャナ装置は、
    主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、を備え、
    前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、原稿のプレスキャン画像を読み取って前記外部制御装置に送信するプレスキャン読取処理と、
    前記プレスキャンモードにおいて読み取られたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を、前記外部制御装置から受信する範囲受信処理と、
    前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、
    前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得する位置取得処理と、
    前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、
    前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行し、
    前記外部制御装置は、
    前記プレスキャン読取処理の実行により送信された前記プレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を決定し、当該対象範囲を前記スキャナ装置に送信する範囲決定処理を実行する、画像読取システム。
  5. 前記スキャナ装置は、
    前記範囲受信処理において、前記読取開始位置から前記対象範囲の後端位置までの前記副走査方向の画素数である第1ライン数を受信し、
    前記位置取得処理において、前記本スキャンモードにおける前記読取部の現在位置として、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部が前記副走査方向に移動した移動量に相当する読取ライン数である第2ライン数を取得し、
    前記判断処理において、前記第1ライン数が、前記第2ライン数以下である場合に、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断する、請求項4に記載の画像読取システム。
  6. プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかのモードで、原稿の画像を読み取るスキャナ装置と、当該スキャナ装置と通信可能な外部制御装置と、を備える画像読取システムであって、
    前記スキャナ装置は、
    主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、を備え、
    前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、原稿のプレスキャン画像を読み取って前記外部制御装置に送信するプレスキャン読取処理と、
    前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、
    前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得して前記外部制御装置へ送信する位置送信処理と、
    前記外部制御装置から停止指示を受信したか否かを判断する指示受信判断処理と、
    前記外部制御装置から停止指示を受信していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記外部制御装置から停止指示を受信したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行し、
    前記外部制御装置は、
    前記プレスキャン読取処理の実行により送信された前記プレスキャン画像を受信する画像受信処理と、
    前記受信されたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を決定する範囲決定処理と、
    前記位置送信処理の実行により送信された前記読取部の現在位置を受信する位置受信処理と、
    前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記読取部の現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、
    前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在の位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記停止指示を前記スキャナ装置に送信する停止指示送信処理と、を実行する、画像読取システム。
  7. 主走査方向に原稿の画像を読み取る読取部と、前記主走査方向と直交する副走査方向に、読取開始位置から読取終了位置に向けて前記読取部を移動させる駆動部と、プレスキャンモードおよび本スキャンモードのいずれかを実行するために前記読取部および前記駆動部を制御するスキャナ装置のコンピュータが、実行する画像読取プログラムであって、
    前記プレスキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置まで前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記原稿のプレスキャン画像を読み取るプレスキャン読取処理と、
    前記プレスキャンモードにおいて読み取られたプレスキャン画像から抽出される画像の範囲である対象範囲を取得する範囲取得処理と、
    前記プレスキャン読取処理の実行後、前記対象範囲を取得する前に開始される本スキャン読取処理であって、前記本スキャンモードにおいて、前記読取開始位置から前記読取終了位置に向けて前記読取部を移動させるために前記駆動部を制御し、前記対象範囲における原稿の本スキャン画像を読み取る本スキャン読取処理と、
    前記本スキャンモードにおいて前記副走査方向に移動される前記読取部の現在位置を取得する位置取得処理と、
    前記読取終了位置に近い側に位置する前記対象範囲の後端位置と、前記読取部の現在位置とに基づいて、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したか否かを判断する判断処理と、
    前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達していないと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を継続し、前記読取部の現在位置が前記対象範囲の後端位置に達したと判断されたとき、前記本スキャン読取処理の実行を終了する本スキャン制御処理と、を実行する画像読取プログラム。
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