JP2018145578A - 天然物質を用いた繊維の染色方法 - Google Patents

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孝典 松原
Takanori Matsubara
孝典 松原
魁斗 岡田
Kaito Okada
魁斗 岡田
千寛 櫻井
Chihiro Sakurai
千寛 櫻井
克樹 渡邊
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克樹 渡邊
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Abstract

【課題】人体により安全な毛髪の染色方法を提供すること、および省エネルギーの観点から低温・短時間で繊維を染色すること。【解決手段】カテコール構造を有する天然物質を、過ヨウ素酸や過ヨウ素酸塩で酸化する反応を染色プロセスに組み込んだ染色方法により、室温付近から50℃の処理温度、数時間以内で天然繊維、セルロース、ポリアミド、アクリル繊維等を染色することが可能である。【選択図】なし

Description

本発明は、天然物質を用いた糸、布帛、紙、木材などの繊維の染色に関し、特に、カテコール構造を有する天然物質を用いた染色方法に関する。
近年、化学合成染料による染料廃液は社会的な問題となっている。そのような中、古来より行われていた天然物質を用いた染色が見直されている。
化学合成染料による染色において、多種類の染料、染色助剤が含まれ、人体に対する悪い影響をもつものがある。
天然物質を用いた繊維の染色では、古来より、金属イオンとの組み合わせの金属媒染法が主流である(非特許文献1)。省エネルギーの観点から、短時間(数時間以内)で室温付近の条件下で濃色となる染色が可能であれば、理想的であるが、現状では難しい。特に、セルロース、ポリアミドおよびアクリル繊維は天然物質との親和性が低く、濃色に染色することが難しい。
ケラチン繊維の一種である毛髪の染色において、通常、酸化染料といった酸化染毛剤が利用される。酸化染毛剤には、毛髪内部で酸化されて酸化染料を生成する酸化染料前駆物質を含む第1剤と、その酸化染料前駆物質を酸化する酸化剤を含む第2剤から成り、使用時に第1剤と第2剤を混合して、毛髪を染色する。毛髪内部で生成した酸化染料は酸化染料前駆物質が複数個結合して分子量が大きくなり、毛髪内部から脱着しにくくなり、高い染色堅ろう性が得られると言われている(非特許文献2)。
しかしながら、酸化剤として用いた過酸化水素による毛髪の損傷や、酸化染料前駆物質および染料生成中間体に人体に有害な物質が含まれるという問題がある。
そのため、人体に対して安全性がより高い染色方法が求められている。これに対して、特許文献1には、フラボノイド骨格を有する天然物質であるカテキンを電気酸化して得られる酸化体が毛髪に対して染料として働き、それを用いた毛髪の染色方法が開示されている。また、特許文献2には、塩基性条件下において、カテキンを含む水とアルコールとの混合溶液に酸化剤として酸素ガスを供給する方法で上記酸化体の合成法が開示されている。上記酸化体は、化学的に脱色された白色毛髪を濃色に染色することができる。
非特許文献3では、カテキンを塩基性下で酸素ガス供給する酸化体の合成手法を染色プロセスに応用し、毛髪をより濃色に染色する染色方法が提案されている。その方法は、2段階の処理を含み、第1処理がカテキン水溶液への浸漬、第2処理が塩基性水溶液へ浸漬し、その溶液に対して酸素ガスを供給するものである。この方法により、特許文献2で開示の染料を用いた染色毛髪よりも、より濃い色に毛髪を染色することが示されている。しかしながら、外部から酸化剤である酸素ガスを供給するシステムが必要であるため、実用性に欠けている。また、塩基性水溶液を用いる必要があるため、毛髪の損傷を引き起こす問題があった。
特許第4982858号公報 特許第5750664号公報
木村光雄・道明美保子,「自然を染める 植物染料の基礎と応用」,木魂社,2007年4月 新井康裕,「最新ヘアカラー技術」,フレグランスジャーナル社,2004年8月,p.102 松原孝典・三枝健太・平山博斗・松下優也・宮田真・積智奈美・安永秀計,「第53回染色化学討論会講演要旨集」,一般社団法人繊維学会染色研究委員会,2016年9月,p.6〜10
そこで、本発明は、フラボノイド骨格を有する天然物質を用いた毛髪の染色における、上記従来技術の問題点を解決し、その染色法を様々な繊維に応用することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の染色方法では、第1処理として天然物質を含む水溶液への浸漬、第2処理として酸化剤に過ヨウ素酸あるいは過ヨウ素酸塩の水溶液へ浸漬することで、繊維を染色することを特徴とする。
利用可能な天然物質は、カテコール構造を有し、以下の一般構造式(1)、(2)、(3)で表される物質およびロスマリン酸である。
Figure 2018145578
式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基またはメチル基を示し、RとRのいずれか一方または両方が水酸基であり、Rは、水素原子、水酸基、ガロイル基または糖を示し、Xは、>CH2、>C=Oまたは>CHOHを示す。
Figure 2018145578
式中、R11、R12、R13、R14、R16は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基またはメチル基を示し、RとRのいずれか一方または両方が水酸基であり、R15は、水素原子、水酸基、ガロイル基または糖を示す。
Figure 2018145578
式中、R21は、水素原子または水酸基を示す。
染色可能な繊維は、天然繊維、セルロース、ポリアミドおよびアクリル繊維やこれらの繊維を含有する混紡繊維、またはこれらの繊維を含有する布帛である。
本発明の染色方法によれば、酸素ガスを用いた従来技術と同様に毛髪を濃色に染色することができ、処理方法が簡便となり、実用的である。弱酸性〜中性の処理pHとして染色が可能となり、毛髪の損傷や頭皮への影響が軽減することが可能となる。
また、上記染色方法は毛髪以外にも応用可能であり、天然繊維、セルロース、ポリアミドおよびアクリル繊維やこれらの繊維を含有する混紡繊維、またはこれらの繊維を含有する布帛を、室温付近の低温で、数時間以内の短時間の条件で、染色が可能である。
本発明の実施例5で染色した化学的な脱色処理を受けていない白色毛髪の、洗髪回数と色差ΔEの関係を示すグラフの一例である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の染色方法に用いるカテコール構造を有する天然物質とは、以下の一般構造式(1)、(2)、(3)で表される化合物およびロスマリン酸である。
Figure 2018145578
式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基またはメチル基を示し、RとRのいずれか一方または両方が水酸基であり、Rは、水素原子、水酸基、ガロイル基または糖を示し、Xは、>CH2、>C=Oまたは>CHOHを示す。
Figure 2018145578
式中、R11、R12、R13、R14、R16は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基またはメチル基を示し、RとRのいずれか一方または両方が水酸基であり、R15は、水素原子、水酸基、ガロイル基または糖を示す。
Figure 2018145578
式中、R21は、水素原子または水酸基を示す。
具体例としては、以下のものを挙げることができる。pyroはピロガロールを表す。
(1)(+)−カテキンまたは(−)−カテキンまたは(+)−エピカテキンまたは(−)−エピカテキン
,R,R:H、R,R,R:OH、X:>CH
(2)(+)−ガロカテキンまたは(−)−ガロカテキンまたは(−)−エピガロカテキンR,R:H、R,R,R,R:OH、X:>CH
(3)(−)−カテキンガレートまたは(+)−エピカテキンガレート
,R,R:H、R,R:OH、R:O−C=O−pyro、X:>CH
(4)(−)−ガロカテキンガレートまたは(+)−エピガロカテキンガレート
,R:H、R,R,R:OH、R:O−C=0−pyro、X:>CH
(5)タキシフォリン
,R,R:H、R,R,R:OH、X:>C=O
(6)フスチン
,R,R,R:H、R,R:OH、X:>C=O
(7)ルテオリン
,R,R,R:H、R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(8)6−ヒドロキシルテオリン
,R,R:H、R,R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(9)6−メトキシルテオリン
,R,R:H、R,R:OH、R:OCH、X:>C=Oで、フラボン構造
(10)クエルセチン
,R,R:H、R,R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(11)クエルセタゲチン
,R:H、R,R,R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(12)ゴシッペチン
,R:H、R,R,R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(13)トリセチン
,R,R:H、R,R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(14)ミリセチン
,R:H、R,R,R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(15)フィセチン
,R,R,R:H、R,R:OH、X:>C=Oで、フラボン構造
(16)ピノクエルセチン
,R:H、R,R,R:OH、R:CH、X:>C=Oで、フラボン構造
(17)ピノミリセチン
:H、R,R,R,R:OH、R:CH、X:>C=Oで、フラボン構造
(18)ルチン
,R,R:H、R,R:OH、R:OR’(R’はβ−ルチノース)、X:>C=Oで、フラボン構造
(19)クエルシトリン
,R,R:H、R,R:OH、R:OR’(R’はα−L−ラムノース)、X:>C=Oで、フラボン構造
(20)イソクエルシトリン
,R,R:H、R,R:OH、R:OR’(R’はβ−D−グルコース)、X:>C=Oで、フラボン構造
(21)ヒペリン
,R,R:H、R,R:OH、R:OR’(R’はα−D−ガラクトース)、X:>C=Oで、フラボン構造
(24)アビクラリン
,R,R:H、R,R:OH、R:OR’(R’はα−L−アラビノース)、X:>C=Oで、フラボン構造
(25)シアニジン
11,R13,R16:H、R12,R14,R15:OH
(26)デルフィニジン
11,R13:H、R12,R14,R15,R16:OH
(27)ルテオリニジン
11,R13,R15,R16:H、R12,R14:OH
(28)トリセチニジン
11,R13,R15:H、R12,R14,R16:OH
(29)5−メチルシアニジン
11,R13,R16:H、R12,R15:OH、R14:OCH
(30)6−ヒドロキシシアニジン
11,R16:H、R12,R13,R14,R15:OH
(31)6−ヒドロキシデルフィニジン
11:H、R12,R13,R14,R15,R16:OH
(32)プルケリジン
11,R13:H、R12,R15,R16:OH、R14:〇CH
(33)ブラジリン
21:H
(34)ヘマトキシリン
21:OH
この他、テアフラビン、テアフラビンジガレートなどのテアフラビン類や、上記物質の各配糖体、ロイコシアニジンなども含まれる。
本発明の染色方法で対象となる繊維の具体例は以下のものを挙げることができる。
(1)ヒト白髪
(2)化学的に脱色されたヒト黒髪
(3)ヤクの白色毛
(4)羊毛繊維および布帛
(5)絹繊維および布帛
(6)綿繊維および綿布帛
(7)麻繊維および麻布帛
(8)レーヨン繊維およびレーヨン布帛
(9)ナイロン繊維およびナイロン布帛
(10)アクリル繊維およびアクリル布帛
(11)紙
(12)木材
その他、上記繊維を含有する混紡繊維および布帛も含まれる。
本発明の染色方法で利用できる酸化剤としては、過ヨウ素酸、オルト過ヨウ素酸ナトリウム、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、オルト過ヨウ素酸カリウム、メタ過ヨウ素酸カリウムなどが挙げられる。
本発明の染色方法は、カテコール構造を有する天然物質の酸化反応を染色プロセスに含む方法である。具体的には、次の2つの方法がある。
(1)天然物質が含まれる溶液と酸化剤が含まれる溶液を混合し、その直後に繊維を投入して浸漬処理する染色方法(染色方法A)
(2)天然物質が含まれる溶液に繊維を浸漬処理した後、処理された繊維を酸化剤が含まれる溶液に移して浸漬処理する染色方法(染色方法B)
上記染色方法において、染色方法Bがより好ましい。
ヒト毛髪を対象とする上記染色方法Bにおいて、天然物質が含まれる溶液を用いた処理温度は好ましくは30〜50℃、より好ましくは50℃である。50℃より高いと、ヒト毛髪の損傷が起こる。
ヒト毛髪以外を対象とする上記染色方法Bにおいて、天然物質が含まれる溶液を用いた処理温度は好ましくは30〜50℃、より好ましくは30℃である。
上記染色方法Bにおいて、天然物質が含まれる溶液を用いた処理pHは、好ましくはpH4〜8である。
上記染色方法Bにおいて、天然物質が含まれる溶液を用いた処理pHは、好ましくはpH4〜8、より好ましくはpH5〜7である。
本発明の染色方法において、処理溶液に本発明の効果を損なわない範囲で、粘度調整剤、界面活性剤、pH調整剤、香料、安定化剤等を必要に応じて配合することができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明で得られる染色繊維の染色性の評価は以下の方法に従った。繊維を以下に示す条件で染色後、洗浄剤を含む水溶液および蒸留水で洗浄し、自然乾燥した後に分光測色計(コニカミノルタ製CM−2600d)を用いて測色した。本発明の染色性の評価には、特に断らない限り、表色系にL表色系(CIE1976)を用いた。ここで、L(エルスター・エースター・ビースター)表色系におけるL値は、色の相対的な明るさを示す尺度で明度を表す。aとbは両者で色度(色相・彩度)を表す。色相とは、赤・黄・緑・青等の色知覚の属性を尺度化したものであり、彩度とは等しい明度における色の鮮やかさを無彩色からの隔たりで表したものをいう。
実施例1(ヒト毛髪の染色試験)
<染色方法A>
0.29gの(+)−カテキンを80mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)に、0.21gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを20mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)にそれぞれ溶解して混合し、その直後に化学的な脱色が行われていない白色毛髪を投入し、50℃で所定の処理時間、染色した。次いで、30℃のアニオン性界面活性剤水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、自然乾燥させた。
<染色方法B>
0.29gの(+)−カテキンを100mlの蒸留水に溶解し、化学的な脱色が行われていない白色毛髪を投入し、50℃で処理した。その後、0.21gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)に溶解し、カテキン処理毛髪をこれに投入し、30℃で40分、染色処理とした。次いで、30℃のアニオン性界面活性剤水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、自然乾燥させた。
(結果)
表1に、測色結果を示す。染色毛髪は茶色に染色された。染色方法Aより染色方法Bのほうが濃色に染色でき、実用的に好まれる色調となった。
Figure 2018145578
実施例2(ヤク白色毛の染色試験)
<染色方法B>
0.29gの(+)−カテキンを100mlの蒸留水に溶解し、化学的な脱色が行われていないヤク白色毛を投入し、50℃で処理した。その後、0.21gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)に溶解し、処理したヤク白色毛をこれに投入し、30℃で40分、染色処理とした。次いで、30℃のアニオン性界面活性剤水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、自然乾燥させた。
表2に、測色結果を示す。染色毛髪は茶色に染色された。(+)−カテキンの処理温度が高いほど、より濃色に染色された。
Figure 2018145578
実施例3(様々な繊維から成る布帛の染色試験)
<染色方法B>
4cm×4cmに切り出した5枚の絹布帛、羊毛布帛、綿布帛、レーヨン布帛、ナイロン布帛、アクリル布帛、ポリエステル布帛をそれぞれ0.29gの(+)−カテキンを溶解した溶液100mlに投入し、30℃で40分処理した。その後、0.21gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)に溶解し、カテキン処理布帛をそれぞれこれに投入し、30℃で40分、染色処理とした。次いで、30℃の石鹸水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、自然乾燥させた。
(結果)
表3に、測色結果を示す。いずれの布帛も茶色に染色された。繊維の種類によって染色性に差が出る結果となり、比較的に絹布帛、羊毛布帛、綿布帛、レーヨン布帛、ナイロン布帛で濃色に染色された。
Figure 2018145578
実施例4(様々な天然物質を用いた絹布帛の染色試験)
<染色方法B>
4cm×4cmに切り出した5枚の絹布帛を、0.29gの(+)−カテキン、0.30gのヘマトキシリン、0.36gのロスマリン酸、0.30gのチャ抽出物サンフェノンEGCg(太陽化学社)、0.30gのチャ抽出物サンフェノン90S(太陽化学社)、0.30gのサンフェノンBG−3(太陽化学社)、0.075gの紅茶抽出物テアフラビンTF40(焼水産化学工業社)をそれぞれ蒸留水に溶解した溶液100mlに投入し、30℃で40分処理した。その後、0.21gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)に溶解し、天然物質で処理した布帛をそれぞれこれに投入し、30℃で40分、染色処理とした。次いで、30℃の石鹸水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、自然乾燥させた。
(結果)
表4に、測色結果を示す。いずれの布帛も茶色に染色された。
Figure 2018145578
実施例5(染色されたヒト毛髪の洗髪堅ろう度試験)
0.30gのチャ抽出物サンフェノン90S(太陽化学社)を100mlの蒸留水に溶解し、化学的な脱色が行われていない白色毛髪を投入し、50℃で処理した。その後、0.21gのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを100mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH=7)に溶解し、カテキン処理毛髪をこれに投入し、30℃で40分、染色処理とした。次いで、30℃のアニオン性界面活性剤水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、自然乾燥させ、染色した毛髪を分光測色計で測色した。さらに、30℃のアニオン性界面活性剤水溶液で洗浄後、30℃の蒸留水で2回洗浄した後、乾燥させてから、再度毛髪を測色した。この操作を31回繰り返した。洗髪前と洗髪n回後の色の変化(色差)を、ΔE={(a −a +(b −b +(L −L (1/2) (a ,b ,L :洗髪前の染色毛髪の色の値、a ,b ,L :洗髪n回後の染色毛髪の色の値)で算出した。なお比較のため、市販品の酸化染毛剤、市販品の酸性染毛料を用いた場合の結果も図中に示した。
(結果)
図1に、洗髪回数と洗髪による染色毛髪の色の変化を示す。図のように、市販の酸化染毛剤と同程度の洗髪堅ろう度を有し、市販の酸性染毛料より洗髪堅ろう度が高いことを確認できた。
本発明によれば、従来の金属媒染法の染色法に代えて、低温・短時間での天然物質を用いた繊維の染色が可能となる。
また、ヒト毛髪の染色においては、市販品の酸化染毛剤に代えて、より人体に対して安全で扱いやすい染色方法を提供することが可能となる。
本発明を、インクジェット捺染機に応用し、天然物質を用いた繊維の染色がより簡便に実施することが可能となる。

Claims (6)

  1. 繊維の染色方法であって、
    (a)カテコール構造を有する天然物質の溶液に繊維を浸漬処理する工程と、
    (b)酸化剤の溶液に繊維を浸漬処理する工程、
    を有することを特徴とする天然物質を用いた繊維の染色方法。
  2. 天然物質と酸化剤が混合された溶液を用いて繊維を浸漬処理する請求項1に記載の天然物質を用いた繊維の染色方法。
  3. 天然物質の溶液に繊維を浸漬処理する工程の後、次に、酸化剤の溶液に繊維を浸漬処理する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の天然物質を用いた繊維の染色方法。
  4. 前記の酸化剤が、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過酸化水素、無機又は有機アルカリ金属過酸化物、過酸塩、無機過水和物塩、アルキル又はアリール過酸化物又はペルオキシダーゼ、オキシダーゼ、ウリカーゼ、過炭酸塩、過硫酸塩、ペルオキソ一炭酸塩、及びこれらの混合物、からなる群から選択される少なくとも1種以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の天然物質を用いた繊維の染色方法。
  5. 前記の繊維が、天然繊維、セルロース、ポリアミドおよびアクリルからなる群から選択される繊維、これらの繊維を含有する混紡繊維、またはこれらの繊維を含有する布帛、あるいは紙や木材である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の天然物質を用いた繊維の染色方法。
  6. 前記の天然物質が、以下の一般構造式(1)、(2)、(3)で表される物質およびロスマリン酸からなる群から選択される少なくとも1種以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の天然物質を用いた繊維の染色方法。
    Figure 2018145578
    (式中、R、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基またはメチル基を示し、RとRのいずれか一方または両方が水酸基であり、Rは、水素原子、水酸基、ガロイル基または糖を示し、Xは、>CH2、>C=Oまたは>CHOHを示す。)
    Figure 2018145578
    (式中、R11、R12、R13、R14、R16は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基またはメチル基を示し、RとRのいずれか一方または両方が水酸基であり、R15は、水素原子、水酸基、ガロイル基または糖を示す。)
    Figure 2018145578
    (式中、R21は、水素原子または水酸基を示す。)
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