JP2018145424A - 水系組成物、水系塗料、塗膜、及び塗装製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】数平均粒子径が10〜40nmの重合体(A)の水分散体(AD)と、
二酸化珪素(B)と、
光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、
を、含有し、
前記重合体(A)と、前記二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))が1/22以上1/4未満である、水系組成物。
【選択図】なし
Description
上述したような塗膜の汚染を抑制する水性上塗りコーティング剤組成物として、出願人により、下塗り層と、当該下塗り層上に設けられた上塗り層と、を備え、前記下塗り層が、水及び乳化剤の存在下でビニル単量体及び加水分解性珪素化合物をそれぞれ重合させる工程を含む方法によって得られる重合体エマルジョン粒子(A)を含有する下塗り用コーティング剤組成物(I)の塗膜を乾燥して形成される膜であり、前記上塗り層が、光触媒活性を有する金属酸化物粒子(B)と、水及び乳化剤の存在下でビニル単量体及び加水分解性珪素化合物をそれぞれ重合させる工程を含む方法によって得られる重合体エマルジョン粒子(C)と、コロイダルシリカ(D)と、を含有する上塗り用コーティング剤組成物(II)の塗膜を乾燥して形成される膜である、複層塗膜が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
すなわち、特許文献1に記載されているような上塗り用コーティング剤組成物を、建築外装等に汎用されているガラス転移温度が−5〜20℃程度の材料を用いた基材に上塗りする場合を仮定すると、上塗り用コーティング剤組成物から形成された上塗り層は、外界の温度変化等によって伸縮する基材に十分に追随できない場合があると考えられる。このような場合、上塗り層に割れ等が生じることもあり、この割れにより光沢が低下して外観を損なうこともあるという問題を有している。さらに、下塗り層は、顔料等で着色されている場合が多く、L*の値が10〜40程度の濃色基材に上塗りすると、白濁等外観を損なう場合があるという問題を有している。塗膜に関してこのような点が改良することができれば、下塗り層の基材や色の制限を受けることなく、長期に亘って、外観や耐汚染性をはじめとする種々の物性に優れる塗膜の実現が期待できる。
また、特許文献2に記載の技術は、塗膜中に空隙率と構成成分を特定の範囲にすることにより耐汚染性を得ているが、シーリングから溶出される汚れや藻カビ等に代表される生物汚染に関しては改良の余地があるという問題を有している。かかる生物汚染に関しては、上述した特許文献1の技術においても同様に改良の余地があるという問題を有している。
所定の数平均粒子径の重合体(A)の水分散体(AD)と、二酸化珪素(B)と、光触媒活性を有する無機酸化物(C)を含有し、前記重合体(A)と、前記二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))が、所定の範囲であるである水系組成物を用いることで、上述した従来技術の課題の解決が図られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
数平均粒子径が10〜40nmの重合体(A)の水分散体(AD)と、
二酸化珪素(B)と、
光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、
を、含有し、
前記重合体(A)と、前記二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))が1/22以上1/4未満である、水系組成物。
〔2〕
前記重合体(A)が、ジメチルジメトキシシラン(a)由来の構造単位を加水分解縮合物換算で20〜70質量%含有する、前記〔1〕に記載の水系組成物。
〔3〕
フルオロカーボン界面活性剤(D)を、さらに含有する、前記〔1〕又は〔2〕に記載の水系組成物。
〔4〕
退色性色素(E)を、さらに含有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の水系組成物。
〔5〕
前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の水系組成物を含有する水系塗料。
〔6〕
前記〔5〕に記載の水系塗料から形成された塗膜。
〔7〕
基材と、
当該基材の表面の少なくとも一部に形成された前記〔6〕に記載の塗膜と、
を、含む、塗装製品。
〔8〕
前記基材が、有機基材である、前記〔7〕に記載の塗装製品。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施することができる。
本実施形態の水系組成物は、
数平均粒子径が10〜40nmの重合体(A)の水分散体(AD)と、
二酸化珪素(B)と、
光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、
を、含有し、
前記重合体(A)と、前記二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))が1/22以上1/4未満である。
本実施形態の水系組成物から得られる塗膜は、濃色基材でも外観を損なわず、長期に亘って、外観や耐汚染性やシーリング汚染性や耐生物汚染性を高いレベルで維持することができる。
本実施形態の水系組成物は、数平均粒子径が10〜40nmの重合体(A)の水分散体(AD)を含有する。
重合体(A)としては、特に限定されないが、例えば、乳化重合等の方法で得られる重合体を用いることができる。具体的には、以下に限定されないが、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合のいずれかの重合反応を水性媒体中で行うことにより得られる重合体等が挙げられる。
重合体(A)の数平均粒子径は、10nm〜40nmである。
本実施形態の水系組成物は、数平均粒子径が上記範囲である重合体(A)を用いることで、濃色基材に塗装しても白濁がなく、得られる塗膜は外観を損なわない。さらに、重合体(A)の数平均粒子径が10nm以上であることで、塗膜の耐汚染性が一層向上し、重合体(A)の数平均粒子径が40nm以下であることで、塗膜の耐候性が一層向上する。
重合体(A)の数平均粒子径の下限値は10nmであり、好ましくは12nmであり、より好ましくは15nmである。
重合体(A)の数平均粒子径の上限値は40nmであり、好ましくは38nmであり、より好ましくは35nmである。
また、重合体(A)の数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態の水系組成物は、二酸化珪素(B)を含有する。
本実施形態の水系組成物は、重合体(A)と、二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))が、1/22以上1/4未満である。
本実施形態の水系組成物は、重合体(A)と二酸化珪素(B)との質量比が、前記範囲であることで、濃色基材に塗装しても白濁がなく、得られる塗膜は外観を損なわない。
また、重合体(A)と二酸化珪素(B)との質量比が1/4未満であることで、塗膜の耐汚染性と耐生物汚染性が一層向上し、重合体(A)と二酸化珪素(B)との質量比が1/22以上であることで、塗膜の耐候性が一層向上する。
重合体(A)と二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))は、1/22以上1/4未満であり、好ましくは1/21以上1/4未満であり、より好ましくは1/21以上1/4.2以下である。
<重合体(A)の水分散体(AD)>
本実施形態の水系組成物は、重合体(A)の水分散体(AD)を含有する。
本明細書中、重合体(A)を(A)成分と記載する場合がある。
(A)成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリ(メタ)アクリレート系重合体、ポリビニルアセテート系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル系重合体、エチレン酢酸ビニル系重合体、シリコーン系重合体、フッ素系重合体、ポリブタジエン系重合体、スチレンブタジエン系重合体、NBR系重合体、ポリ塩化ビニル系重合体、塩素化ポリプロピレン系重合体、ポリエチレン系重合体、ポリスチレン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系重合体、スチレン−無水マレイン酸系重合体等に代表される単独重合体又は共重合体、シリコーン変性(メタ)アクリル系重合体、フッ素−(メタ)アクリル系重合体、(メタ)アクリル−シリコーン系重合体、エポキシ−(メタ)アクリル系重合体等に代表される変性共重合体が挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」及びそれに対応する「メタクリル」を意味する。
(A)成分の製造に用いることができるビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合物、カルボキシル基含有ビニル化合物、水酸基含有ビニル化合物、グリシジル基含有ビニル化合物、2級及び/又は3級アミド基を有するビニル化合物、アニオン型ビニル化合物等の官能基を含有するビニル単量体等が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
シアン化ビニル化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等が挙げられる。
導入するカルボキシル基は、その一部又は全部を、アンモニアやトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等のアミン類やNaOH、KOH等の塩基で中和することもできる。上述したビニル単量体の総量におけるカルボキシル基含有ビニル単量体の使用量は、耐水性の観点から、好ましくは0〜50質量%であるが、これに限定されるものではない。
上述したビニル単量体の中でも、グリシジル基含有ビニル単量体を使用すると(A)成分の反応性が一層向上する。そのため、ヒドラジン誘導体、カルボン酸誘導体、イソシアネート誘導体等を用いて架橋させることで、耐溶剤性等が一層優れた塗膜を得ることができる。かかる観点から、上述したビニル単量体の総量における、グリシジル基含有ビニル単量体の使用量の総量は、好ましくは0〜50質量%であり、より好ましくは0〜45質量%であり、さらに好ましくは0〜40質量%である。
N−アルキル置換(メタ)アクリルアミドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピロリジン、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルヘキサヒドロアゼピン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタン等の芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸等のチオカルボン酸又はこれらの塩若しくはこれらのアルキルエステル類;ポリチオール類;ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド等のジスルフィド類;チオグリコール、α−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上述したビニル単量体の総量に対する連鎖移動剤の使用量は、特に限定されないが、好ましくは0.001〜30質量%であり、より好ましくは0.05〜10質量%である。
重合体(A)を製造する反応に用いる加水分解性珪素化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(1)で表される化合物、シランカップリング剤、及びこれらの縮合物が好ましいものとして挙げられる。
SiWxRy ・・・(1)
前記式(1)中、Wは、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基、炭素数1〜20のアセトキシ基、ハロゲン原子、水素原子、炭素数1〜20のオキシム基、エノキシ基、アミノキシ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を表す。
xは1以上4以下の整数であり、yは0以上3以下の整数であり、x+y=4の関係を満たす。
Wが複数の場合、Rが複数の場合、それぞれのW及びRは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
このようなシランカップリング剤を加水分解性珪素化合物として用いることで、加水分解性珪素化合物とビニル単量体の重縮合物等同士を化学的に結合させることができる。これにより、相溶性が一層向上し、塗膜の透明性が一層向上する。
シランカップリング剤としては、上記の中でも、ビニル重合性基及び/又はチオール基を少なくとも有するシランカップリング剤が好ましく、ビニル重合性基を少なくとも有するシランカップリング剤がより好ましい。
なお、本実施形態の効果は、当該特性に限定されない。
これらの中でも、テトラアルコキシシラン類、トリアルコキシシラン類、ジアルコキシシラン類が好ましく、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランがより好ましく、加水分解速度が高いという観点から、4官能の珪素アルコキシドであるテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランがさらに好ましい。
式(1)で表される化合物やシランカップリング剤の縮合物を、重合体(A)を製造する反応に用いる加水分解性珪素化合物として適用する場合、前記式(1)で表される化合物やシランカップリング剤の縮合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000であり、さらに好ましくは300〜950である。
重量平均分子量が前記範囲である縮合物を用いることで、重合安定性が一層向上する。
環状シロキサンオリゴマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
(R'2SiO)m ・・・(2)
チタンアルコキシドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−tert−ブトキシチタン等が挙げられる。
チタンアルコキシドとしては、その縮合物を用いてもよく、その場合、その縮合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
ジルコニウムアルコキシドとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−n−ブトキシジルコニウム、テトラ−sec−ブトキシジルコニウム、テトラ−tert−ブトキシジルコニウムが挙げられる。
ジルコニウムアルコキシドとしては、その縮合物を用いてもよく、その場合、その縮合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、特に限定されないが、好ましくは200〜5000であり、より好ましくは300〜1000である。
(A)成分中のジメチルジメトキシシラン由来の構造単位の含有量の下限値は、加水分解縮合物換算で好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは35質量%以上である。
(A)成分中のジメチルジメトキシシラン由来の構造単位の含有量の上限値は、加水分解縮合物換算で好ましくは70質量%以下であり、より好ましくは68質量%以下であり、さらに好ましくは65質量%以下である。
(A)成分中のジメチルジメトキシシラン由来の構造単位の含有量が前記範囲であると、塗膜の耐候性向上の効果が得られる。
なお、ここでいう加水分解縮合物とは、ジメチルジメトキシシランの反応性基(例えば、アルコキシ基等)が、加水分解や縮合反応によって、シラノール結合に変換された縮合物である。
ジメチルジメトキシシランの加水分解縮合物換算の含有量(質量%)は、(AD)成分の加熱残分として求められる重合体(A)の含有量(全固形分量)、ジメチルジメトキシシランの仕込み量から、計算で求めることができる。
ジメチルジメトキシシランの加水分解縮合物換算の含有量(質量%)=ジメチルジメトキシシランの仕込み量(g)×0.617/全固形分量(g)×100
ジメチルジメトキシシランの加水分解縮合物換算の含有量は、ジメチルジメトキシシランの仕込み量を調整することによって、上記数値範囲に制御することができる。
好ましいキレート化剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;アセチルアセトン;アセト酢酸エチル等が挙げられる。
キレート化剤の分子量は、以下に限定されるものではないが、好ましくは1万以下である。
これらのキレート化剤を用いることにより、加水分解性珪素化合物等の重合速度を制御することができ、水及び乳化剤の存在下における重合安定性が一層向上する。
キレート化剤の配合量は、特に限定されないが、配位させる遊離金属イオン1モル当たり、0.1モル〜2モルの割合であることが好ましい。
これらの乳化剤の中でも、ラジカル重合性の二重結合を有する反応性乳化剤(反応性乳化剤)が好ましい。このような反応性乳化剤を用いることで、重合体(A)の水分散安定性が非常に良好になるとともに、得られる塗膜の耐水性も一層向上する。
例えば、アルキルアリルスルホコハク酸塩(例えば、三洋化成社製、「エレミノール(商標)JS−20」、例えば、花王社製、「ラテムル(商標)S−120」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」等が挙げられる。)、例えば、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステル塩(例えば、第一工業製薬社製、「アクアロン(商標)HS−10」等が挙げられる。)、例えば、α−〔1−〔(アリルオキシ)メチル〕−2−(ノニルフェノキシ)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩(例えば、ADEKA社製、「アデカリアソープ(商標)SE−10N」等が挙げられる。)、例えば、アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン(例えば、第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」等が挙げられる。)、例えば、スチレンスルホン酸塩(例えば、東ソー有機化学社製、「スピノマー(商標)NaSS」等が挙げられる)、例えば、α−〔2−〔(アリルオキシ)−1−(アルキルオキシメチル)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩(例えば、ADEKA社製、「アデカリアソープ(商標)SR−1025」等が挙げられる。)、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシブチレン(3−メチル−3−ブテニル)エーテルの硫酸エステル塩(例えば、花王社製、「ラテムル(商標)PD−104」等が挙げられる。)等が挙げられる。
これらの中でも、アンモニウム−α−スルホナト−ω−1−(アリルオキシメチル)アルキルオキシポリオキシエチレン、α−〔2−〔(アリルオキシ)−1−(アルキルオキシメチル)エチル〕−ω−ポリオキシエチレン硫酸エステル塩が好ましい。
ビニル単量体の重合触媒としては、特に限定されないが、熱又は還元性物質等によって自身がラジカル分解することで、ビニル単量体の付加重合を起こさせるラジカル重合触媒が好ましい。
このようなラジカル重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が挙げられる。これらは水溶性であってもよいし、油溶性であってもよい。
ラジカル重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、tert−ブチルヒドロパーオキシド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。
ラジカル重合触媒の配合量は、特に限定されないが、ビニル単量体の総量100質量部に対して、好ましくは0.001〜5質量部である。なお、重合速度の促進や低温(例えば、70℃以下等)での効率的な重合を望む場合、例えば、重亜硫酸ナトリウム、塩化第一鉄、アスコルビン酸塩、ロンガリット等の還元剤をラジカル重合触媒と併用することが好ましい。
加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、塩酸、フッ酸等のハロゲン化水素類;酢酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸等のカルボン酸類;硫酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルスルホコハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルスルホン酸等の酸性乳化剤類;酸性又は弱酸性の無機塩;フタル酸、リン酸、硝酸等の酸性化合物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン類、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン等の塩基性化合物類;ジブチル錫オクチレート、ジブチル錫ジラウレート等の錫化合物が挙げられる。
これらの中で、加水分解性珪素化合物の重合触媒としては、重合触媒のみならず乳化剤としての機能も有する観点から、酸性乳化剤類が好ましい。酸性乳化剤類としては、炭素数5〜30のアルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸等)がより好ましい。
(A)成分を得る好適な方法としては、例えば、乳化剤がミセルを形成するのに十分な量の水の存在下で、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物を重合させる、いわゆる乳化重合が挙げられる。乳化重合の具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、ビニル単量体及び加水分解性珪素化合物は、そのまま又は乳化した状態で、一括若しくは分割で、又は連続的に反応容器中に滴下し、重合触媒の存在下、好ましくは大気圧〜10MPaの圧力下で、約30〜150℃の反応温度で重合する方法等が挙げられる。
反応温度及び反応圧力は、反応条件等によっては上記した条件でなくてもよい。
乳化重合によって得られる乳化物中の固形分量は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜70質量%であり、より好ましくは1〜55質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。
乳化重合の際に粒子径をより制御したい場合は、予め水相中にエマルジョン粒子を存在させて重合させるシード重合法を採用することが好ましい。この場合の重合系のpHは、特に限定されないが、好ましくは1.0〜10.0であり、より好ましくは1.0〜6.0である。このpHは、燐酸二ナトリウム、四硼酸ナトリウム(ボラックス等)、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等のpH緩衝剤を用いて調節することができる。
(A)成分を製造する方法として、特に限定されないが、例えば、水及び乳化剤の存在下に、加水分解性珪素化合物及びビニル単量体を、必要により溶媒存在下で重合した後、重合生成物がエマルジョンとなるまで水を更に添加する手法も採用できる。但し、得られた(A)成分の粒子径制御が容易であるといった観点等から、乳化重合が好ましい。
コア/シェル構造を有することで、得られる塗膜の機械的物性(強度と柔軟性のバランス等)が一層向上するため好ましい。
(A)成分のコア/シェル構造の確認は、例えば、透過型電子顕微鏡等による形態観察や粘弾性測定による解析等により行うことができる。
コア/シェル構造を有する(A)成分を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、多段乳化重合が好ましい方法として挙げられる。
ここでいう多段乳化重合とは、ビニル単量体や加水分解性珪素化合物を含有する組成の異なる2種類以上の反応溶液を調製し、これらを別々の段階に分けて重合させる方法である。
2段乳化重合としては、特に限定されないが、例えば、水及び乳化剤の存在下で、ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物を重合させてシード粒子を得る工程(第1段)と、得られたシード粒子の存在下で、加水分解性珪素化合物とビニル単量体とをそれぞれ重合する工程(第2段)とを有する方法等が挙げられる。
2段乳化重合による(A)成分の製造は、第1系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給して乳化重合する第1段の重合と、第1段に引き続き、第2系列(ビニル単量体及び/又は加水分解性珪素化合物)を供給し、水性媒体中において更に乳化重合する第2段の重合とからなる2段階の重合工程により行われる。この際、第2系列中の固形分量(M2)に対する第1系列中の固形分量(M1)の質量比((M1)/(M2))は、特に限定されないが、好ましくは9/1〜1/9である。
このような多段乳化重合を行うことで、粒子径がより均一な重合体粒子を得ることができる。多段乳化重合における原料の添加方法としては、第1段の重合においてシード粒子(コア)を作製し、その後に他の単量体等を追添加する方法等が好ましい。これにより、第1段の重合で得られるシード粒子(コア)の体積平均粒子径/数平均粒子径の比率が変動することなく、第2段の重合で得られる重合体粒子の粒子径を大きくすることも可能となる。
3段以上の多段乳化重合を実施する場合、2段重合と同様にして、重合の段数を増加させればよい。
水系組成物中の(A)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物から得られる塗膜中の(A)成分の含有量は、好ましくは1.0〜15.0質量%であり、より好ましくは1.0〜14.0質量%、さらに好ましくは2.0〜14.0質量%、さらにより好ましくは3.0〜14.0質量%である。塗膜中の(A)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物は、二酸化珪素(B)を含有する。
本明細書中、二酸化珪素(B)を、単に(B)成分と記載する場合がある。
二酸化珪素(B)は、コロイダルシリカであることが好ましい。コロイダルシリカとしては、二酸化珪素を基本単位とするシリカの水又は水溶性溶媒の分散体であるコロイダルシリカ等が挙げられる。
コロイダルシリカの製造方法は、特に限定されず、例えば、ゾル−ゲル法で調製することもできる。ゾル−ゲル法で調製する場合には、Werner Stober et al.; Journal of Colloid And Interface Science, vol. 26, pp. 62-69 (1968)や、Rickey D. Badley et al.; Lang muir 6, 792-801 (1990)や、「色材協会誌」、61[9]488−493(1988)等を参照することができる。
(B)成分の数平均粒子径を1nm以上とすることで、水系組成物の貯蔵安定性が一層向上する。(B)成分の数平均粒子径を100nm以下とすることで、濃色基材を用いた場合における外観が一層向上する。なお、数平均粒子径は、湿式粒度分析計を用いて測定することができる。
水を分散媒体とする酸性のコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもできる。
このような市販品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス(商標)−OXS」、「スノーテックス−OS」、「スノーテックス−O」、「スノーテックス−O−40」、「スノーテックス−OL」及び「スノーテックス−OYL」、ADEKA社製の「アデライト(商標)AT−20Q」、クラリアントジャパン社製の「クレボゾール(商標)20H12」及び「クレボゾール30CAL25」等が挙げられる。
塩基性のコロイダルシリカとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アミン等の添加により安定化されたコロイダルシリカが挙げられる。これらは市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、日産化学工業社製の「スノーテックス−XS」、「スノーテックス−S」、「スノーテックス−30」、「スノーテックス−50」、「スノーテックス−20L」、「スノーテックス−XL」、「スノーテックス−YL」、「スノーテックス−ZL」、「スノーテックス−NXS」、「スノーテックス−NS」、「スノーテックス−N」、「スノーテックス−N40」、「スノーテックス−CXS」、「スノーテックス−C」、「スノーテックス−CM」、「スノーテックス−PS−S」及び「スノーテックスPS−M」;ADEKA製の「アデライトAT−20」、「アデライトAT−30」、「アデライトAT−20N」、「アデライトAT−30N」、「アデライトAT−20A」、「アデライトAT−30A」、「アデライトAT−40」及び「アデライトAT−50」;クラリアントジャパン社製の「クレボゾール30R9」、「クレボゾール30R50」、「クレボゾール50R50」、デュポン社製の「ルドックス(商標)HS−40」、「ルドックスHS−30」、「ルドックスLS」、及び「ルドックスSM−30」等が挙げられる。
水溶性溶媒を分散媒体とするコロイダルシリカとしては、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、日産化学工業社製の「MA−ST−M(粒子径20〜25nmのメタノール分散タイプ)」、「IPAST(粒子径10〜15nmのイソプロピルアルコール分散タイプ)」、「EG−ST(粒子径10〜15nmのエチレングリコール分散タイプ)」、「EG−ST−ZL(粒子径70〜100nmのエチレングリコール分散タイプ)」、「NPC−ST(粒子径10〜15nmのエチレングリコールモノプロピルエーテール分散タイプ)」等が挙げられる。
上述したコロイダルシリカは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、少量成分として、アルミナやアルミン酸ナトリウム等を含んでいてもよい。また、コロイダルシリカは、安定剤として、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア等)や有機塩基(テトラメチルアンモニウム等)を含んでいてもよい。
水系組成物中の(B)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物から得られる塗膜中の(B)成分の含有量は、好ましくは50.0〜95.0質量%であり、より好ましくは50.0〜84.0質量%であり、さらに好ましくは56.0〜84.0質量%である。
塗膜中の(B)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物は、光触媒活性を有する無機酸化物(C)を含有する。
これにより、塗膜に光が照射されることで光触媒活性や親水性を発現させることができる。
本明細書中、光触媒活性を有する無機酸化物(C)を、単に(C)成分と記載する場合がある。
光触媒活性を有する無機酸化物(C)としては、光触媒活性を有する無機酸化物であればよく、その種類は特に限定されない。
(C)成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、TiO2、ZnO、SrTiO3、BaTiO3、BaTiO4、BaTi4O9、K2NbO3、Nb2O5、Fe2O3、Ta2O5、K3Ta3Si2O3、WO3、SnO2、Bi2O3、BiVO4、NiO、Cu2O、RuO2、CeO2;Ti、Nb、Ta、及びVからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を有する層状酸化物(例えば、特開昭62−074452号公報、特開平02−172535号公報、特開平07−024329号公報、特開平08−089799号公報、特開平08−089800号公報、特開平08−089804号公報、特開平09−248465号公報、特開平10−099694号公報、特開平10−244165号公報等)が挙げられる。
(C)成分としては、化学的安定性、毒性、環境面等の観点から、好ましくはTiO2(酸化チタン)である。酸化チタンとしては、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれの結晶構造であってもよい。
粒子表面を修飾処理することにより、H2O2や・OH等の活性酸素種の発生量を抑制でき、下地塗膜の損傷を一層抑制することができる。
粒子表面を修飾する物質としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリカ、アルミ、銅酸化物、鉄酸化物等が挙げられる。これらの中でも、シリカが好ましい。なお、Fe、Cu、Al、Pt等の金属、塩化白金酸等の錯体で粒子表面を修飾しても同様の効果が得られる。
(C)成分の表面を修飾処理する方法について、酸化チタンを一例にして説明する。
酸化チタンの表面を修飾処理する方法としては、特に限定されず、例えば、酸化チタンのスラリーに珪素化合物を添加し、中和処理等の工程を経て珪素の含水酸化物を析出させる方法等が挙げられる。
珪素化合物としては、特に限定されず、例えば、ケイ酸ナトリウム等の水溶性ケイ酸アルカリ金属塩を用いることができる。これらの中でも、無色であり、酸化チタンゾルが着色しないという観点から、ケイ酸ナトリウムが好ましい。
珪素の含水酸化物による修飾処理量は、酸化チタンに対して酸化物基準で3〜25質量%が好ましく、4〜23質量%がより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
当該修飾処理量が前記下限値以上であることで、活性酸素種量の増加を抑えることができるので、下地塗膜の損傷を防ぐことができる。また、当該修飾処理量が前記上限値以下であることで、酸化チタンの凝集を抑制し、ゾルの粘度上昇も抑制できるので、分散性や透明性が一層向上する。
(C)成分に金属を担持する方法としては、特に限定されず、例えば、粒子表面を修飾処理された酸化チタンに、塩化銅二水和物、硝酸銀、テトラ塩化金酸四水和物等をクエン酸三ナトリウム二水和物やタンニン酸等と反応させて得る方法が挙げられる。金属担持量としては、酸化チタンに対して金属が0.1〜5質量%であることが好ましく、0.1〜4.8質量%であることがより好ましく、0.1〜4.6質量%であることがさらに好ましい。
当該担持量が前記範囲であることで、金属担持酸化チタンの沈降を抑制し、耐生物汚染性に優れた塗膜を得ることができる。
(C)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物から得られる塗膜中の(C)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは2.0〜34.0質量%であり、より好ましくは7.0〜34.0質量%、さらに好ましくは7.0〜29.0質量%である。
(C)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物は、フルオロカーボン界面活性剤(D)をさらに含有することが好ましい。
本明細書中、フルオロカーボン界面活性剤(D)を単に(D)成分と記載する場合がある。
(D)成分を含有することにより、本実施形態の水系組成物やこれを含む水系塗料を用いて塗装する際における、有機基材等への濡れ性が一層向上し、はじき等の外観上のトラブルも一層抑制することができる。さらには、塗膜の均一性も一層向上する。これらの理由としては定かではないが、(D)成分を含有することにより、水系組成物の表面張力を低下させることができると推測される。なお、本実施形態の作用はこれらに限定されない。
両性界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、非イオン性両性界面活性剤、陰イオン性両性界面活性剤、陽イオン性両性界面活性剤等が挙げられる。好ましい具体例としては、例えば、炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤が挙げられる。
炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を有する両性界面活性剤としては、以下に限定されないが、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルアミンオキシド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物等が挙げられる。これらの中でも、塗料の表面張力の低下の観点から、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物が好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸塩としては、以下に限定されないが、例えば、パーフルオロオクタンスルホン酸のアンモニウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸塩としては、例えば、市販品を用いることもできる。
このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−211」等が挙げられる。
パーフルオロアルキルアミンオキシドとしては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−241」等が挙げられる。
パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物としては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、DIC社製の「メガファックF−444」、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−242」等が挙げられる。
陰イオン性基と陽イオン性基とを有するパーフルオロアルキル化合物としては、例えば、市販品を用いることもできる。このような市販品としては、以下に限定されないが、例えば、AGCセイミケミカル社製の「サーフロンS−231」、「サーフロンS−232」、「サーフロンS−233」等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(D)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物から得られる塗膜中の(D)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.002質量%〜17.5質量%であり、より好ましくは0.1質量%〜10.0質量%、さらに好ましくは0.15質量%〜10.0質量%である。(D)成分の含有量を前記範囲とすることで、濡れ性とスプレー適性が優れた水系組成物を得ることができ、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の水系組成物は、退色性色素(E)をさらに含有することが好ましい。
本明細書中、退色性色素(E)を、単に(E)成分と記載する場合がある。
本実施形態の水系組成物が退色性色素(E)を含有することにより、塗装忘れ、重複塗装、塗装むら等のトラブルを防ぐことができる。
(E)成分としては、太陽光の照射により失色し、下地の意匠性を損ねないものが好ましい。失色までの時間は季節や照射方角等により異なるが、通常、目視で失色が確認されるまでの期間が、20日以下であることが好ましく、より好ましくは10日以下であり、さらに好ましくは3日以下である。
(E)成分としては、太陽光の照射で失色する性質を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、メチレンブルー、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントブルーFCF、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシン、ローズベンガル、アシッドレッド、及びファーストグリーンFCFからなる群より選ばれる1種等が挙げられる。これらの中でも、発色性が良好で、失色速度も速い観点から、メチレンブルーが好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の水系組成物から得られる塗膜中の(E)成分の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜1.0質量%であり、より好ましくは0.05〜0.9質量%であり、さらに好ましくは0.1〜0.8質量%である。(E)成分の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐候性、耐汚染性、シーリング汚染性、耐生物汚染性が一層優れた塗膜を得ることができる。
水系組成物中の固形分の含有量を前記下限値以上とすることにより、耐汚染性が一層向上する。水系組成物中の固形分の含有量を前記上限値以下とすることにより、透明性が一層向上する。
ここでいう固形分量は、後述する実施例に記載の方法によって求めることができる。さらに、塗膜の用途によっては、塗膜の膜厚が薄いことも要求される場合がある。そのような場合であっても、水系組成物中の固形分量が前記上限値以下であることにより、薄い膜厚でありながら、耐候性や耐汚染性やシーリング汚染性や耐生物汚染性といった物性に優れた塗膜とすることができる。水系組成物中の固形分量が前記下限値以上であることにより、塗膜形成時に要する乾燥時間を短縮することが可能となり、作業効率を一層向上させることができる。
本実施形態の水系塗料は、上述した本実施形態の水系組成物を含有する。
本実施形態の水系塗料は、例えば、上述した水系組成物に、必要に応じて他の成分を混合することにより得られる。
前記他の成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、消泡剤、凍結安定剤、艶消し剤、架橋反応触媒、顔料、硬化触媒、架橋剤、充填剤、皮張り防止剤、分散剤、湿潤剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、防錆剤、可塑剤、増粘剤、潤滑剤、還元剤、防腐剤、防黴剤、防藻剤、消臭剤、黄変防止剤、静電防止剤、帯電調整剤等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の水系塗料から得られる塗膜中の顔料の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.01〜5.0質量%であり、より好ましくは0.02〜4.5質量%である。顔料の含有量を前記範囲とすることで、濃色基材での外観、耐生物汚染性が優れた塗膜を得ることができる。
本実施形態の塗膜は、本実施形態の水系塗料から得られる。
具体的には、前記水系塗料を所定の塗布対象に塗布した後、乾燥させて揮発分を除去することにより得られる。この際、必要に応じて、40〜120℃程度の温度での加熱処理や、紫外線照射処理等をさらに行ってもよい。
本実施形態の塗装製品は、基材と当該基材の表面の少なくとも一部に形成された、前記塗膜とを具備する。
本実施形態の塗装製品は、例えば、上述した水性塗料を各種基材の表面に塗布して乾燥させることにより得られる。
基材の材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、合成樹脂、天然樹脂等の有機基材;金属、セラミックス、ガラス、石、セメント、コンクリート等の無機基材が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
合成樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン−アクリル樹脂等が挙げられる。
天然樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、セルロース系樹脂、天然ゴム等のイソプレン系樹脂、カゼイン等のタンパク質系樹脂等が挙げられる。
基材が上述した合成樹脂や天然樹脂等を用いた樹脂製の基材である場合、必要に応じて、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等の表面処理が施されていてもよい。
本実施形態の水系塗料により得られる塗膜は、濃色基材でも外観を損なわず、長期に亘り、外観や防汚染性やシーリング汚染性や耐生物汚染性を高いレベルで維持できるため、従来では使用困難であった環境にも好適に用いることができる。
かかる観点から、本実施形態の塗装製品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、建材、建物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、各種レンズ、構造部材、住宅等建築設備、車両用照明灯のカバー及び窓ガラス、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、表示機器、そのカバー、交通標識、各種表示装置、広告塔等の表示物、道路用及び鉄道用等の遮音壁、橋梁、ガードレールの外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー等外部で用いられる電子、電気機器の外装部、特に透明部材、ビニールハウス、温室等の外装が挙げられる。
〔エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材の作製〕
(顔料ディスパージョンの作製)
分散剤(BASFジャパン社製、「Pig.Disperser MD20」)5.35g、アンモニア水0.5g、プロピレングリコール23.5g、水147.5g、酸化チタン(塩素法ルチル型酸化チタン;石原産業社製、「タイペークCR−97」)333.5g、消泡剤(変性シリコーン系;サンノプコ社製、「SNデフォーマー1310」)2.85gの配合物を、卓上サンドミル(カンペパピオ社製、バッチ式卓上サンドミル)にて20分間分散させて、顔料ディスパージョンを得た。
(エナメル塗料の作製)
後述する〔製造例1〕で得られた重合体エマルジョン109.0gに、2,2,4−トリメチル−1,3−ブタンジオールイソブチレート(チッソ社製、「CS−12」)10.0g、エチレングリコールモノブチルエーテル50質量部と水50質量部との混合液10.0g、上述のようにして得た顔料ディスパージョン51.4g、増粘剤(旭電化工業社製、「アデカノールUH−438」)の10質量%水溶液0.5gを添加し、1時間混合してエナメル塗料Xを得た。
(エナメル塗料Xを予め塗装した7cm×15cmの基材の作製)
7cm×15cmの硫酸アルマイト板に上述のようにして得たエナメル塗料Xを、ワイヤーコーターNo.50を用いて塗装し、温度23℃、相対湿度50%で48時間乾燥させ、エナメル塗料Xを予め塗装した7cm×15cmの基材を得た。
(1.各成分の含有量及び固形分量)
試料2.0gをアルミ皿にとり、150℃で1時間加熱した。加熱前後の試料の質量を測定し、その差から固形分量(質量%)を計算した。この方法に準拠して、各成分の含有量及び水系組成物中の固形分量をそれぞれ測定した。
ローディングインデックスが1.5〜3.0となるようイオン交換水を加えて希釈し、
湿式粒度分析計(日機装社製、「マイクロトラックUPA−9230」)を用いて、水分散体中の重合体の数平均粒子径を測定した。測定条件を以下に示す。
・ローディングインデックス:1.5〜3.0
・測定時間:60秒
・測定回数:3回
セイコーインスツル社、「DCS6220」を用いて、昇温速度10℃/分の測定条件で測定し、得られたDSC曲線の変極点よりガラス転移温度を求めた。なお、測定条件を以下に示す。
・測定用セル:アルミニウム製容器
・測定用サンプルの作製:アルミニウム製容器に測定試料としての重合体エマルジョン40mgを入れて、130℃で1時間乾燥させた。
(4.塗装前後の色差)
JISK5600塗料一般試験方法隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した試験紙を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。塗装前後の色差をBYKガードナー社製「カラーガイド」を用いて測定した。色差3.4以下であれば濃色下地での色差変化が少なく良好であることを示す。
上述のようにして作製したエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。スガ試験器製、「サンシャインウェザーメーター」を使用して曝露試験(ブラックパネル温度63℃、降雨18分/2時間)を行った。曝露3000時間後の60°光沢度を、光沢計(BYKガードナー社製、「マイクロトリグロスμ」)を用いてそれぞれ測定した。
そして、下記式に基づき、光沢保持率を算出した。なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、曝露3000時間後の光沢保持率80%であり、この値よりも光沢保持率の値が大きい場合、耐候性は良好であることを示す。
光沢保持率(%)=曝露試験後の60°光沢度/曝露試験前の60°光沢度×100
上述のようにして作製したエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに貼り付けて、6ヶ月間又は1年間静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に基づく目視で評価した。
なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、6ヶ月間、1年間共に「×」の評価であった。
[評価基準]
○:ほとんど汚れが確認されなかった。
△:多少の汚れが確認されたものの、実用上問題がない程度であった。
×:多量の汚れが確認された。
上述のようにして作製したエナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。試験板上に、1成分形シリコーン系シーリング材シリコーン系シーリング材8060プロ(セメダイン社製)を、乾燥後のシーリング材の大きさが、面積が1cm×2cm、高さ1cmになるよう塗布し、シーリング材を10日間乾燥させた。
試験板を一般道路(トラック通行量500〜1000台/日程度)に面したフェンスに貼り付けて所定期間静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、静置前後の色差(L値)をBYKガードナー社製「カラーガイド」を用いて測定した。
以下の基準に基づき評価した。
◎:8週間の静置でL値の差が2以下、12週間の静置でL値の差が3以下
○:8週間の静置でL値の差が2以下、12週間の静置でL値の差が3超4以下
△:8週間の静置でL値の差が2以下、12週間の静置でL値の差が4超
×:8週間の静置でL値の差が2超
エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cmの基材に、水系組成物の塗付量が17.0g/m2の割合となるようにスプレーを用いて塗装した。塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置し、試験板とした。
試験板を茨城県笠間市で、周囲に木が茂っている建屋の北面に面したフェンスに、水平面から45°傾けて、塗装された面が上向きになるよう貼り付けて、6月から2か月静置した。
静置後の試験板の汚染の度合いを、以下の基準に基づく目視で評価した。
なお、エナメル塗料を予め塗装した基材のみで評価した結果は、「×」の評価であった。
[評価基準]
○:ほとんど藻やカビの汚れが確認されなかった。
△:多少の藻やカビの汚れが確認されたものの、実用上問題がない程度であった。
×:多量の藻やカビの汚れが確認された。
〔製造例1〕
(重合体エマルジョンの合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水292.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)8.0g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル10.0g、メタクリル酸シクロヘキシル5.0g、アクリル酸n−ブチル75.0g、メタクリル酸5.0g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.0g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液15.0g、イオン交換水49.0gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル70.0g、メタクリル酸シクロヘキシル90.0g、アクリル酸n−ブチル232.0g、メタクリル酸8.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)16.0g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液60.0g、イオン交換水196.0gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0g、ジメチルジメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン20.0gからなる混合液とを、別々の滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。
室温まで冷却後、反応器中の反応液の水素イオン濃度を測定したところ、pH2.2であった。25%質量アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した後、100メッシュの金網で反応液を濾過して、上述したエナメル塗料用の重合体エマルジョンを得た。
得られた重合体エマルジョンの固形分量は44.5質量%であった。この重合体エマルジョンに含まれる重合体について、上述した方法に準拠してDSC曲線の変極点より求めたガラス転移温度は、−5℃であった。
〔製造例2〕
(重合体(A−1)の水分散体(AD−1)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水1364.2g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)28.8g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液を、滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。
室温まで冷却後、25%質量アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は412.6gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径30nmの重合体(A−1)の水分散体(AD−1)を得た。
(重合体(A−2)の水分散体(AD−2)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水1364.2g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)28.8g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.0g、ジメチルジメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン20.0gからなる混合液とを、別々の滴下槽より160分かけて滴下した。その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。
室温まで冷却後、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は436.2gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径30nmの重合体(A−2)の水分散体(AD−2)を得た。
当該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−2)中の2.8質量%であった。
(重合体(A−3)の水分散体(AD−3)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850.0g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン85.5g、メチルトリメトキシシラン193.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル22.5g、アクリル酸n−ブチル11.2g、フェニルトリメトキシシラン20.0g、テトラエトキシシラン28.6g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)1.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30.0g、イオン交換水286.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は210.0gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径15nmの重合体(A−3)の水分散体(AD−3)を得た。
当該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−3)中の25.0質量%であった。
(重合体(A−4)の水分散体(AD−4)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水850.0g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン109.0g、フェニルトリメトキシシラン29.5g、メチルトリメトキシシラン136.5gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10.0質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル1.0g、アクリル酸n−ブチル1.0g、フェニルトリメトキシシラン29.5g、テトラエトキシシラン27.8g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30.0g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は192.4gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径20nmの重合体(A−4)の水分散体(AD−4)を得た。
当該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−4)中の35.0質量%であった。
(重合体(A−5)の水分散体(AD−5)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水1000.0g、10質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液40.0gを投入した後、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、ジメチルジメトキシシラン220.0g、フェニルトリメトキシシラン5.0g、メチルトリメトキシシラン106.0gからなる混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して30分攪拌を続けた。
次に、10.0質量%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液14.8gを投入した後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。そこに、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液6.6gを投入した後、メタクリル酸メチル1.0g、アクリル酸n−ブチル1.0g、フェニルトリメトキシシラン5.0g、テトラエトキシシラン10.0g、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.1gからなる混合液と、アクリル酸0.9g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)4.5g、反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−1025」;固形分量25質量%水溶液)2.3g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液30.0g、イオン交換水256.4gからなる混合液とを、反応器中の温度を80℃に保った状態で120分かけて同時に滴下した。
さらに、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた後、室温まで冷却し、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は208.9gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径35nmの重合体(A−5)の水分散体(AD−5)を得た。
当該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A−5)中の65.0質量%であった。
(重合体(A´−6)の水分散体(A´D−6)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水335.8g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)19.2g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液を、滴下槽より160分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。室温まで冷却後、25%質量アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は410.2gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径60nmの重合体(A´−6)の水分散体(A´D−6)を得た。
(重合体(A´−7)の水分散体(A´D−7)の合成)
還流冷却器、滴下槽、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水241.8g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g投入し、攪拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液を10.0g添加し、その5分後に、メタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸n−ブチル36.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)3.2g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液12.0g、イオン交換水34.8gからなる乳化混合液を、反応器中の温度を80℃に保った状態で60分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して60分攪拌を続けた。
次に、メタクリル酸メチル250.0g、アクリル酸n−ブチル66.0g、アクリル酸4.0g、反応性乳化剤(ADEKA社製、「アデカリアソープSR−1025」;固形分量25質量%水溶液)12.8g、2質量%の過硫酸アンモニウム水溶液48.0g、イオン交換水149.2gからなる乳化混合液と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2.0g、ジメチルジメトキシシラン20.0g、メチルトリメトキシシラン20.0gからなる混合液とを、別々の滴下槽より160分かけて滴下した。
その後、反応器中の温度を80℃に維持して120分攪拌を続けた。室温まで冷却後、25質量%アンモニア水溶液を反応液に添加してpHを8.0に調整した。全固形分量は431.6gだった。反応液を100メッシュの金網で濾過した。反応生成物をイオン交換水で固形分量10.0質量%に調整し、重合体として数平均粒子径120nmの重合体(A´−7)の水分散体(A´D−7)を得た。
当該水分散体を合成する際に用いたジメチルジメトキシシランの量を加水分解縮合物換算すると、重合体(A´−7)中の2.8質量%であった。
〔製造例9〕
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)の合成)
<シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
TiO2として200g/Lの濃度の四塩化チタン水溶液700mLと、Na2Oとして100g/Lの濃度の水酸化ナトリウム水溶液を、反応液のpHを5〜9に維持しながら、反応器に添加した。その後、反応液のpHを7に調整した後、濾過し、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が28.3質量%である酸化チタン湿ケーキ1を得た。この酸化チタン湿ケーキ1は、ルチル型構造を有する微粒子を含有し、その1次粒子の数平均粒子径は8nmであった。
得られた酸化チタン湿ケーキ1を純水で希釈して、1モル/Lのスラリーを調製した。
このスラリー1Lを3Lのフラスコに仕込み、さらに、酸化チタン/硝酸のモル比が1/1となるように1規定の硝酸を添加し、95℃の温度に加熱し、この温度で2時間維持して、酸加熱処理を行った。酸加熱処理後のスラリーを室温まで冷却し、28%アンモニア水を用いてpH6.7に中和し、濾過した。その後、濾液の導電率が100μS/cmとなるまで洗浄し、固形分量が25質量%の酸化チタン湿ケーキ2を得た。
得られた酸化チタン湿ケーキ2に、10質量%の濃度の水酸化ナトリウム水溶液を添加してリパルプし、その後、超音波洗浄機で3時間分散して、pH10.5、固形分量10質量%のアルカリ性酸化チタンゾルを得た。
このアルカリ性酸化チタンゾル2Lを3Lのフラスコに仕込み、当該フラスコを、70℃の温度に昇温し、SiO2として432g/Lの濃度のケイ酸ナトリウム水溶液69.4mLを添加し、その後90℃に昇温して1時間維持した後、10%の硫酸を添加してpHを6に調整して、酸化チタンの表面をケイ素の含水酸化物で表面処理された酸化チタンゾルを得た。
得られた酸化チタンゾルを室温まで冷却し、5.4Lの純水を添加し、脱塩濃縮装置を用いて、不純物の除去、及び濃縮を行い、pH7.3、固形分量29質量%、導電率1.18mS/cmの中性ルチル型酸化チタンゾルを得た。
この中性ルチル型酸化チタンゾルは、TiO2に対してSiO2基準で15質量%のケイ素の含水酸化物を含有していた。このゾル中の酸化チタンの1次粒子の数平均粒子径は9nmであった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−2)の合成)
<シリカ修飾アナタース型酸化チタン>
チタン鉱石を硫酸と反応させて得られた硫酸チタン溶液を加熱加水分解して生成させた凝集メタチタン酸を、TiO2換算で30質量%の水性スラリーとした。このスラリーにアンモニア水を添加してpH7に中和し、その後濾過・洗浄によって硫酸イオンを除去して、脱水ケーキを得た。
得られた脱水ケーキに硝酸を加えることで解膠処理して、アナタース型結晶構造を有する酸化チタン微粒子(1次粒子の数平均粒子径7nm)からなるpH1.5の酸性酸化チタンゾルを得た。
得られた酸性酸化チタンゾルを純水で希釈して、TiO2換算濃度が200g/Lの酸化チタンゾル600mLとした後、70℃に昇温し、SiO2換算濃度が432g/Lであるケイ酸ナトリウム水溶液20.8mLを20%硫酸と同時に反応器に添加した。その後、30分間熟成した。
次いで、10%水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応液のpHを8に調整した後、2%硫酸水溶液で反応液のpHを6に調整し、反応液の濾過・洗浄を行い、湿ケーキを得た。
この湿ケーキを純水中にリパルプした後、超音波分散して、中性域で安定なアナタース型酸化チタンゾル(固形分量20質量%、pH7.5)を得た。
これには、酸化チタン微粒子の表面に凝集シリカが多孔質の状態で被着しており、その含有量は、TiO2100質量部に対してSiO2換算で7質量部であった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−3)の合成)
<銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
還流冷却器、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水386.4g、シリカ被覆酸化チタン13.6gを投入し、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。
この反応器中に、塩化銅二水和物0.3gとイオン交換水4.0gを投入し、さらにクエン酸三ナトリウム二水和物0.3gとタンニン酸0.1gとイオン交換水13.2gを投入した。反応器の温度を80℃に維持して60分撹拌を続けた。
室温まで冷却後、目開き74μmのナイロンメッシュでろ過をして、銅担持シリカ修飾酸化チタンを得た。この銅担持シリカ修飾酸化チタンの固形分は2.0%で、pHは5.3であった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−4)の合成)
<銀担持シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
還流冷却器、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水386.4g、無機酸化物(C−1)13.6gを投入し、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、硝酸銀0.1gとイオン交換水2.4gを投入し、さらにクエン酸三ナトリウム二水和物0.2gとタンニン酸0.1gとイオン交換水7.8gを投入した。
反応器の温度を80℃に維持して60分撹拌を続けた。
室温まで冷却後、目開き74μmのナイロンメッシュでろ過をして、銀担持シリカ修飾酸化チタンを得た。この銀担持シリカ修飾酸化チタンの固形分は2.0%で、pHは6.9であった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−5)の合成)
<金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
還流冷却器、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水386.4g、無機酸化物(C−1)13.6gを投入し、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、テトラ塩化金酸四水和物0.1gとイオン交換水3.8gを投入し、さらにタンニン酸0.01gとイオン交換水1.2gを投入した。
反応器の温度を80℃に維持して60分撹拌を続けた。
室温まで冷却後、目開き74μmのナイロンメッシュでろ過をして、金担持シリカ修飾酸化チタンを得た。この金担持シリカ修飾酸化チタンの固形分は2.0%で、pHは7.2であった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−6)の合成)
<銀銅担持シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
還流冷却器、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水386.4g、無機酸化物(C−1)13.6gを投入し、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、硝酸銀0.1gとイオン交換水2.4gを投入し、さらにクエン酸三ナトリウム二水和物0.1gとタンニン酸0.1gとイオン交換水7.1gを投入した。反応器の温度を80℃に維持して45分撹拌を続けた。次にタンニン酸0.02gとイオン交換水1.6gを投入し、塩化銅二水和物0.1gとイオン交換水2.0gを投入した。
反応器の温度を80℃に維持して45分撹拌を続けた。
室温まで冷却後、目開き74μmのナイロンメッシュでろ過をして、銀及び銅担持シリカ修飾酸化チタンを得た。この銀銅担持シリカ被覆酸化チタンの固形分は2.0%で、pHは5.7であった。
(光触媒活性を有する無機酸化物(C−7)の合成)
<銀金担持シリカ修飾ルチル型酸化チタン>
還流冷却器、温度計及び攪拌装置を有する反応器に、イオン交換水386.4g、無機酸化物(C−1)13.6gを投入し、撹拌下で反応器中の温度を80℃に加温した。この反応器中に、硝酸銀0.1gとイオン交換水2.4gを投入し、さらにクエン酸三ナトリウム二水和物0.1gとタンニン酸0.1gとイオン交換水6.9gを投入した。
反応器の温度を80℃に維持して45分撹拌を続けた。
次に、テトラ塩化金酸四水和物0.1gとイオン交換水3.8gを投入した。反応器の温度を80℃に維持して45分撹拌を続けた。
室温まで冷却後、目開き74μmのナイロンメッシュでろ過をして、銀及び金担持シリカ修飾酸化チタンを得た。この銀金担持シリカ修飾酸化チタンの固形分は2.0%で、pHは6.5であった。
重合体(A−1)の水分散体(AD−1)5.5g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)12.9gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.3g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.0gを混合し、攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−1)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に、水系組成物(F−1)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−1)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−1)を得た。
水系組成物(F−1)と、塗膜及び試験紙(G−1)と、塗膜及び試験板(H−1)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−2)の水分散体(AD−2)4.7g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)13.7gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.4g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.2gを混合し、攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−2)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−2)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−2)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−2)を得た。
水系組成物(F−2)と、塗膜及び試験紙(G−2)と、塗膜及び試験板(H−2)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−3)の水分散体(AD−3)3.9g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)14.0gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.4g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.6gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−3)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−3)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−3)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−3)を得た。
水系組成物(F−3)と、塗膜及び試験紙(G−3)と、塗膜及び試験板(H−3)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)1.5g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)16.0gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)1.9g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水69.6gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−4)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−4)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−4)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−4)を得た。
水系組成物(F−4)と、塗膜及び試験紙(G−4)と、塗膜及び試験板(H−4)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)5.6g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)11.6gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)3.5g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.3gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−5)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−5)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−5)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−5)を得た。
水系組成物(F−5)と、塗膜及び試験紙(G−5)と、塗膜及び試験板(H−5)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−5)の水分散体(AD−5)1.8g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)17.0gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)1.1g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水69.1gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−6)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−6)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−6)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−6)を得た。
水系組成物(F−6)と、塗膜及び試験紙(G−6)と、塗膜及び試験板(H−6)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−5)の水分散体(AD−5)5.3g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)11.1gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)3.9g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.6gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−7)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−7)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−7)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−7)を得た。
水系組成物(F−7)と、塗膜及び試験紙(G−7)と、塗膜及び試験板(H−7)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−5)の水分散体(AD−5)1.2g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径25nmの水分散コロイダルシリカ(B−3)(日産化学工業社製、「スノーテックスO−40」;固形分量40質量%)6.1gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)4.6g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水77.1gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−8)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−8)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−8)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−8)を得た。
水系組成物(F−8)と、塗膜及び試験紙(G−8)と、塗膜及び試験板(H−8)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−5)の水分散体(AD−5)5.9g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)13.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.2g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水67.5gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−9)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−9)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−9)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−9)を得た。
水系組成物(F−9)と、塗膜及び試験紙(G−9)と、塗膜及び試験板(H−9)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−5)の水分散体(AD−5)3.9g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)11.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)4.2g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水69.4gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−10)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−10)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−10)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−10)を得た。
水系組成物(F−10)と、塗膜及び試験紙(G−10)と、塗膜及び試験板(H−10)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)3.5g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)16.6gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)0.8g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.1gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−11)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−11)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−11)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−11)を得た。
水系組成物(F−11)と、塗膜及び試験紙(G−11)と、塗膜及び試験板(H−11)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)4.7g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)14.8gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)1.6g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水66.8gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−12)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−12)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−12)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−12)を得た。
水系組成物(F−12)と、塗膜及び試験紙(G−12)と、塗膜及び試験板(H−12)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)1.6g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)15.4gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.3g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水68.6gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−13)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−13)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−13)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−13)を得た。
水系組成物(F−13)と、塗膜及び試験紙(G−13)と、塗膜及び試験板(H−13)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)5.1g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)12.8gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.8g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水67.1gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−14)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−14)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−14)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−14)を得た。
水系組成物(F−14)と、塗膜及び試験紙(G−14)と、塗膜及び試験板(H−14)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)5.5g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)13.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.3g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水67.8gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−15)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−15)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−15)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−15)を得た。
水系組成物(F−15)と、塗膜及び試験紙(G−15)と、塗膜及び試験板(H−15)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)3.9g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)14.2gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−2)3.3g(固形分量20質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(D−2)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」;固形分量30質量%)0.3gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−2)(保土ヶ谷化学工業社製、「アシッドレッド」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水7.4gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−16)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−16)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−16)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−16)を得た。
水系組成物(F−16)と、塗膜及び試験紙(G−16)と、塗膜及び試験板(H−16)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)3.0g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)14.5gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.0g(固形分量29質量%)と、フルオロカーボン界面活性剤(D−2)(AGCセイミケミカル社製、「サーフロンS−232」;固形分量30質量%)0.7gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−2)(保土ヶ谷化学工業社製、「アシッドレッド」)2.4g、エタノール10.0gと、イオン交換水67.4gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−17)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−17)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−17)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−17)を得た。
水系組成物(F−17)と、塗膜及び試験紙(G−17)と、塗膜及び試験板(H−17)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)4.3g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)14.8gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−3)25.3g(固形分量2質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水43.5gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−18)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−18)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−18)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−18)を得た。
水系組成物(F−18)と、塗膜及び試験紙(G−18)と、塗膜及び試験板(H−18)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)3.1g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)15.0gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−4)29.2g(固形分量2質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水43.5gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−19)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−19)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−19)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−19)を得た。
水系組成物(F−19)と、塗膜及び試験紙(G−19)と、塗膜及び試験板(H−19)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)2.7g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)14.8gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−5)33.0g(固形分量2質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水37.3gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−20)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−20)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−20)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−20)を得た。
水系組成物(F−20)と、塗膜及び試験紙(G−20)と、塗膜及び試験板(H−20)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)3.9g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)14.2gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−6)33.0g(固形分量2質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水36.7gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−21)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−21)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−21)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−21)を得た。
水系組成物(F−21)と、塗膜及び試験紙(G−21)と、塗膜及び試験板(H−21)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)4.7g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)14.0gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−7)31.1g(固形分量2質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、イオン交換水38.0gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−22)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−22)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−22)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−22)を得た。
水系組成物(F−22)と、塗膜及び試験紙(G−22)と、塗膜及び試験板(H−22)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)2.7g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)14.8gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.0g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、酸化銅のアルコール分散体(CIKナノテック社製、「CUAP15WT%−G180」)0.7g(固形分量15.0質量%)、イオン交換水67.7gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−23)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−23)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−23)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−23)を得た。
水系組成物(F−23)と、塗膜及び試験紙(G−23)と、塗膜及び試験板(H−23)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A−4)の水分散体(AD−4)2.3g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−2)(日産化学工業社製、「スノーテックスNS」;固形分量20質量%)15.9gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−3)18.9g(固形分量2質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、イオン交換水により固形分量を1.0質量%に調整した退色性色素(E−1)(キシダ化学社製、「メチレンブルー」)1.2g、エタノール10.0gと、酸化銅のアルコール分散体(CIKナノテック社製、「CUAP15WT%−G180」)0.7g(固形分量15.0質量%)、イオン交換水67.7gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−24)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−24)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−24)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−24)を得た。
水系組成物(F−24)と、塗膜及び試験紙(G−24)と、塗膜及び試験板(H−24)の各種物性及び特性評価結果を表1に示す。
重合体(A´−6)の水分散体(A´D−6)5.5g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)13.3gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.4g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水67.9gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−25)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−25)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−25)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−25)を得た。
水系組成物(F−25)と、塗膜及び試験紙(G−25)と、塗膜及び試験板(H−25)の各種物性及び特性評価結果を表2に示す。
重合体(A´−7)の水分散体(A´D−7)5.1g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)12.9gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.8g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水68.2gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−26)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−26)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−26)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−26)を得た。
水系組成物(F−26)と、塗膜及び試験紙(G−26)と、塗膜及び試験板(H−26)の各種物性及び特性評価結果を表2に示す。
重合体(A−1)の水分散体(AD−1)1.1g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)13.2gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)4.0g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水70.8gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−27)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−27)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−27)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−27)を得た。
水系組成物(F−27)と、塗膜及び試験紙(G−27)と、塗膜及び試験板(H−27)の各種物性及び特性評価結果を表2に示す。
重合体(A−1)の水分散体(AD−1)6.6g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)16.7gと、エタノール10.0gと、イオン交換水66.7gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−28)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−28)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−28)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−28)を得た。
水系組成物(F−28)と、塗膜及び試験紙(G−28)と、塗膜及び試験板(H−28)の各種物性及び特性評価結果を表2に示す。
重合体(A−5)の水分散体(AD−5)6.5g(固形分量10.0質量%)に、数平均粒子径8nmの水分散コロイダルシリカ(B−1)(日産化学工業社製、「スノーテックスOS」;固形分量20質量%)12.9gと、光触媒活性を有する無機酸化物(C−1)2.3g(固形分量29質量%)と、エタノールにより固形分量を10.0質量%に調整したフルオロカーボン界面活性剤(D−1)(DIC社製、「メガファックF−444」)1.0gと、エタノール10.0gと、イオン交換水67.3gを混合し攪拌することにより、固形分量4.0質量%の水系組成物(F−29)を得た。
次に、隠ぺい率試験紙(日本テストパネル社製)の黒地部分(L*の値7)と、エナメル塗料を予め塗装した7cm×15cm基材の片面(エナメル塗料を予め塗装した面)に水系組成物(F−29)を塗付量17g/m2となるようにスプレーを用いて塗装した。
塗装した基材を水平に保ち、温度23℃、相対湿度50%、照度20000ルクスで48時間静置して、隠ぺい率試験紙の黒地部分に塗膜が形成された試験紙(G−29)と、基材上に塗膜が形成された試験板(H−29)を得た。
水系組成物(F−29)と、塗膜及び試験紙(G−29)と、塗膜及び試験板(H−29)の各種物性及び特性評価結果を表2に示す。
Claims (8)
- 数平均粒子径が10〜40nmの重合体(A)の水分散体(AD)と、
二酸化珪素(B)と、
光触媒活性を有する無機酸化物(C)と、
を、含有し、
前記重合体(A)と、前記二酸化珪素(B)との質量比(重合体(A)/二酸化珪素(B))が1/22以上1/4未満である、水系組成物。 - 前記重合体(A)が、ジメチルジメトキシシラン(a)由来の構造単位を加水分解縮合物換算で20〜70質量%含有する、請求項1に記載の水系組成物。
- フルオロカーボン界面活性剤(D)を、さらに含有する、請求項1又は2に記載の水系組成物。
- 退色性色素(E)を、さらに含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水系組成物。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水系組成物を含有する水系塗料。
- 請求項5に記載の水系塗料から形成された塗膜。
- 基材と、
当該基材の表面の少なくとも一部に形成された請求項6に記載の塗膜と、
を、含む、塗装製品。 - 前記基材が、有機基材である、請求項7に記載の塗装製品。
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