JP2018142541A - 電気化学デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力(電力)と感度に優れた微生物を利用した電気化学デバイスを提供する。【解決手段】開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する電極と、細孔内に保持されたイオンを含む媒質と、イオンを含む媒質中に内包された電子供与微生物と、を含み、複数の細孔は、少なくとも、それぞれの内面に導電性部位を有し、電極は、複数の細孔の導電性部位を相互に導通させる導電経路を有する、電気化学デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物燃料電池に代表される微生物を利用した電気化学デバイス、およびその製造方法に関する。
化石燃料を用いる発電システムに代替する環境調和システムとして、微生物燃料電池をはじめとする微生物を利用した電気化学デバイスが注目を集めている。微生物燃料電池とは、微生物の代謝を利用して、有機排液、汚泥、食物残渣等のバイオマスを燃料(電子供与体となり得る物質)として使用する発電システムである。微生物は、有機物からダイレクトに電子を取り出す生体触媒として機能する。微生物燃料電池には、発電と並行して有機廃棄物を分解処理できるという利点がある。
しかし、微生物を利用した電気化学デバイスは、一般に、出力される電流密度が低く、実用化するには出力される電力(以下、単に出力)の向上が必要である。微生物燃料電池においては、出力電流密度は、微生物から電極への電荷移動効率に依存する。電荷移動効率は、電極表面積に影響される。そこで、特許文献1では、グラファイトフェルトやグラファイトプレートの表面にカーボンナノワイヤ構造を形成し、出力電流密度の向上のために電極表面積を増大させている。
国際公開第2012/66806号パンフレット
電極表面積を増大させることにより、微生物を利用した電気化学デバイスによる出力(電力)には一定の改善が見込める。しかし、起動から短時間で十分な出力と感度を得る観点から、更なる改善が望まれている。
上記に鑑み、本発明の一側面は、開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する第1電極を含み、前記複数の細孔は、少なくとも、それぞれの内面に導電性部位を有し、前記第1電極は、前記複数の細孔の前記導電性部位を相互に導通させる導電経路を有する、電気化学デバイスに関する。
本発明の別の側面は、(i)開口を有する細孔が複数配列された表層部を有し、前記複数の細孔は、それぞれの内面に導電性部位を有し、前記複数の細孔の前記導電性部位を相互に導通させる導電経路を具備する電極を準備する工程と、(ii)前記電極に電子供与微生物を含む液体を接触させた状態で、前記液体中に対流を生じさせることにより、前記複数の細孔内に前記微生物を捕集させる工程と、を含む、電気化学デバイスの製造方法に関する。
本発明によれば、起動から短時間で十分な電力を出力し得る感度に優れた微生物を利用した電気化学デバイスを提供することができ、例えば、高効率な微生物燃料電池を提供することができる。
微生物燃料電池の一例を示す概念図であり、二槽型の微生物燃料電池(a)と、一槽型の微生物燃料電池(b)を示す図である。 シュワネラ・ロイヒカのSEM画像(a)と、シュワネラ・オネイデンシスのSEM画像(b)である。 開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する電極前駆体の一例の平面画像(a)および拡大断面画像(b)である。 マイクロレンズアレイを用いて液体中に対流を生じさせるプロセス(a)および微生物が捕集されるプロセス(b)の説明図である。 アノード電極評価用セルの一例の概略模式図である。 アノードA、Bの細孔内にシュワネラ・ロイヒカが捕集される様子を示す顕微鏡写真であり、ピペッティングによる捕集終了後から(a)2時間後、(b)12時間後、(c)24時間後のアノードAの画像と、レーザ照射による捕集終了後から(d)2時間後、(e)12時間後、(f)24時間後のアノードBの画像である。 アノードAにおけるシュワネラ・ロイヒカの細菌密度の経時変化(a)およびアノードBにおけるシュワネラ・ロイヒカの細菌密度の経時変化(b)を示す図である。 アノードEにおけるシアノバクテリアの顕微鏡写真である。 アノードAの電流密度の経時変化(a)およびアノードBの電流密度の経時変化(b)を示す図である。 微生物燃料電池セルの一例の写真である。 シュワネラ・ロイヒカを用いた微生物燃料電池の電流−電圧曲線の一例である。 シュワネラ・ロイヒカを用いた微生物燃料電池の電流−電力密度曲線の一例である。 シュワネラ・ロイヒカを用いた微生物燃料電池のCODの経時変化の一例を示す図である。 シアノバクテリアを用いたアノードの電流密度の光応答の一例を示す図である。 シアノバクテリアを用いたアノードの電流密度の光応答の他の一例を示す図である。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスは、開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する電極(以下、多孔質電極もしくは第1電極とも称する)を含む。複数の細孔は、少なくとも、それぞれの内面に導電性部位を有する。多孔質電極は、複数の細孔の導電性部位を相互に導通させる導電経路を具備する。通常使用時には、細孔内にイオンを含む媒質が保持され、イオンを含む媒質中に電子供与微生物が内包される。「電子供与微生物」とは代謝作用によって電子を発生する微生物である。これにより、微生物が生成した電子の細孔内での効率的な授受が可能となる。イオンを含む媒質は電解質とも呼ばれ、気体、液体および固体のいずれでもよく、これらの中間状態の媒質でもよい。例えば汚泥のように固体と液体との混合状態の媒質でもよい。中でもイオンを含む液体が好ましい。イオンを含む液体としては、水を主成分とする液体が好ましいが、微生物が生存可能な環境を形成できる液体であれば、特に限定されない。イオン種も特に限定されないが、例えば、電流発生に用いられる燃料としての電子供与体となり得る物質(例えば、乳酸、蟻酸、乳酸塩、蟻酸塩などの有機酸または有機酸塩)のイオンが挙げられる。また、有機廃液もイオンを含む液体の例として挙げられる。
多孔質電極(第1電極)の表層部の細孔内に捕捉された電子供与微生物は、頻繁に、もしくは常時、細孔の内面の導電性部位に接触するため、効率的に導電性部位と電子供与微生物との間で電子の授受が行われる。導電性部位に移動した電子は、導電性部位を相互に導通させる導電経路を介して電極を流れ、集電される。すなわち、微生物と導電経路との距離が非常に短く、電子伝達効率に優れ、抵抗要素が少ない。このような電気化学デバイスは、電力を出力する性能と感度に優れ、容易に、短時間で高電流密度を達成することができる。
導電性部位は、電子供与微生物との接触が可能な細孔の内面の少なくとも一部に設けられていればよいが、細孔の内面のできるだけ多くの領域(例えば、細孔の内面の全面もしくは全面の90%以上)に設けられることが好ましい。また、導電経路は、表層部のできるだけ多くの領域(例えば、全細孔の90%以上)を相互に導通できることが好ましい。表層部全体もしくは多孔質電極全体が導電性部位であってもよい。
多孔質電極の形状は、特に限定されず、開口を有する細孔が複数配列された表層部を有すればよい。また、細孔形状や開口形状も特に限定されず、任意の形状でよい。細孔形状としては、例えば、円柱形、角柱形、球形、楕円球形もしくはこれらに類似の形状が挙げられる。
多孔質電極が、非導電性材料と導電性材料で形成されている場合、少なくとも、導電性部位を相互に導通させる導電経路は、導電性材料で形成される。導電性材料は、金属材料でもよく、カーボンでもよく、半導体でもよく、有機物質でもよい。
電子供与微生物を内包するイオンを含む液体の少なくとも一部は、細孔の内面と液体との界面における界面張力により細孔内に担持されている。すなわち、多孔質電極の細孔のサイズは、当該界面張力によって電子供与微生物を内包するイオンを含む液体を保持可能なサイズであればよい。そのような細孔内では、電子供与微生物は、細孔の内面の導電性部位に接触する頻度が高くなりやすく、より高効率な発電が可能になる。
細孔を有する表層部は、光吸収性の材料を含むことが好ましい。光吸収性の材料を用いることで、後述するように、細孔内に効率的に微生物を捕集することが可能になる。光吸収性の材料としては、金属、半導体、有機物質などのナノ微粒子やマイクロ微粒子が挙げられる。
ここで、「光吸収性」とは、物質により吸収される光の強度がゼロより大きい性質を意味する。光の波長領域は、紫外領域、可視領域および近赤外領域のいずれかの領域でもよく、これら3つの領域のうちの2つの領域にまたがる領域でもよく、3つの領域のすべての領域にまたがる領域でもよい。光吸収性は、たとえば光の吸収率の範囲によって定義することができる。吸収率の範囲の下限は、ゼロよりも大きければよく、特に限定されない。なお、吸収率の範囲の上限は100%である。
複数の細孔は、一定程度以上の規則性を有して表層部に配列されていることが好ましい。規則的に配列した複数の細孔内に微生物を担持させることで、電極の表層部に微生物を均一に存在させることができる。よって、(1)単位面積あたりの微生物の担持量が多くなり、(2)微生物の分布が均一になり、(3)微生物に燃料が均一に供給されるなどの利点が得られる。中でも、表層部における細孔密度を効率的に高めることができる点で、細孔は、表層部にハニカム状に配列していることが好ましい。ハニカム状の配列とは、電極の表層部を平面視したときに、任意の細孔P1の周囲六方に他の細孔P2〜P7が存在することをいう。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスには、微生物燃料電池、微生物太陽電池、微生物電気分解セル、バイオセンサーなどが包含される。これらの電気化学デバイスは、アノードとして多孔質電極(第1電極)を具備し、カソードとして第1電極とは異なる第2電極を具備する。第1電極は、細孔内に保持されたイオンを含む媒質と、イオンを含む媒質中に内包された電子供与微生物とを有する。また、必要に応じて、電解液としてイオンを含む媒質を収容する電槽を具備する。ただし、本発明の実施形態に係る電気化学デバイスは、特に限定されず、例えばこれらの電気化学デバイスの構成部品も包含する。構成部品としては、プローブ、センサー部などが挙げられる。
微生物燃料電池は、電子供与体となり得る物質(例えば、乳酸、蟻酸、乳酸塩、蟻酸塩などの有機酸または有機酸塩)や有機排液、汚泥、食物残渣に含まれる有機廃棄物を燃料として分解しながら(すなわち環境浄化をしながら)発電するシステムとして有用である。また、電気化学デバイスは、電子供与微生物の電子供与体となり得る物質(乳酸、蟻酸、乳酸塩、蟻酸塩などの有機酸または有機酸塩)を添加することにより、電気信号を検出するものでもよい。電気信号の種類は、特に限定されず、電流、電圧、出力(電力)、抵抗(インピーダンス)などのいずれでもよい。例えば、人体から出る汗に含まれる乳酸塩を電子供与体として利用する電子供与微生物を用いることで、汗に含まれる乳酸塩の濃度を検出してモニタリングするバイオセンサーを得ることができる。
本発明の実施形態に係る電気化学デバイスは、微生物燃料電池のアノードとして好適である。微生物燃料電池とは、電子供与微生物の代謝作用によって発生する電子を外部回路に流入させるアノードを具備する。一般的な微生物燃料電池は、アノード、カソードおよび電解槽を具備する。微生物燃料電池は、二槽型(二室型)と一槽型(一室型)との2タイプが知られている。いずれのタイプでもアノードは、電解槽内の電解質溶液に浸漬される。
以下、本発明に係る電気化学デバイスの一例として、微生物燃料電池の構成を説明する。
<二槽型>
二槽型の微生物燃料電池では、図1(a)に示すように、アノード11とカソード12がともに電解液中に浸漬され、アノード槽111とカソード槽121が隔壁13によって隔てられる。アノード11とカソード12は、外部回路14で接続される。カソード12では、溶存酸素の還元等により水が生成する。二槽型のカソード12としては、炭素や金属のような導電体が用いられる。カソード12の表面には白金などの触媒が担持されている。
隔壁13としては、水素イオンを選択的に透過できるプロトン交換膜(PEM)が用いられる。プロトン交換膜は、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質を用いることができる。具体例としては、ナフィオン(登録商標:デュポン社)が挙げられる。また、ポリビニルアルコール等の炭化水素系高分子とタングステン酸等の無機化合物とが複合化した有機/無機複合化合物の膜も用いられる。
電解質溶液の電解質としては、特に限定されないが、K2HPO4/KH2PO4、NaCO3/NaHCO3等を用いることができる。
アノード槽111の電解質溶液には、電解質に加えて、電子供与微生物15、当該微生物の燃料、電子供与体が添加される。さらに、必要に応じて、電子伝達性介在物質Mを添加することができる。カソード槽121には、曝気等によって酸素(空気)が供給される。
電子伝達性介在物質とは、例えば、酸化還元メディエータ化合物、電子メディエータ、導電性微粒子のように、微生物から電極に電子を運搬できる電子運搬体をいう。
酸化還元メディエータ化合物とは、主として電子供与微生物内で生産された後、細胞外に放出される電子シャトル化合物をいう。電子シャトル化合物は、微生物/電極間を往復しながら、自身の酸化還元によって、微生物の代謝により発生した電子を電極に運搬する。例えば、フェナジン−1−カルボキサミド、ピオシアニン、2−アミノ−3−カルボキシ−1,4−ナフトキノン(ACNQ)が挙げられる。
電子メディエータとは、酸化還元メディエータ化合物と同様の機能を有する人工的に合成された酸化還元化合物をいう。例えば、ニュートラルレッド、サフラニン、フェナジンエトスルフェート、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー、フェノチアジノン、レゾルフィン、ガロシアニン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)、ポルフィリンが挙げられる。
導電性微粒子とは、電子供与微生物と結合し、当該微生物から電子を抽出した後、その電子を電極に伝達し得る、金属又は半導体からなる微粒子であり、例えば、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガンが挙げられる。
<一槽型>
一槽型の微生物燃料電池では、図1(b)に示すように、アノード21は二槽型と同様に電解液中に浸漬されるが、カソード22は、その一部が空気中に曝されたエアカソード221を用いる。エアカソード221は、酸素透過性の材料に白金触媒等が固定されたものである。酸素透過性の材料としては、例えば、カーボンペーパやカーボンクロス、4−ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を用いることができる。エアカソード221のアノード側には、隔膜(図示せず)が積層されていることが好ましい。隔膜としては、二槽型で例示したものと同様である。アノード21とエアカソード221は、外部回路24で接続される。
アノード槽211に添加される電解質、電子供与微生物25、当該微生物の燃料、電子供与体、電子伝達性介在物質Mに関しては、二槽型と同様である。
電子供与微生物としては、細胞外電子伝達能を有する微生物であり、例えば、シュワネラ(Shewanella)属、ジオバクター(Geobacter)属のような異化的金属還元細菌、シュードモナス(Pseudomonas)属、ロドフェラックス(Rhodoferax)属等が挙げられる。シュワネラ属の細菌の具体例としては、シュワネラ・ロイヒカ(S. loihica)、シュワネラ・オネイデンシス(S. oneidensis)、シュワネラ・プトレファシエンス(S. putrefaciens)、及びシュワネラ・アルガ(S. algae)が挙げられる。ジオバクター属の細菌の具体例としては、ジオバクター・サルフレドゥセンス(G. sulfurreducens)及びジオバクター・メタリレドゥセンス(G.metallireducens)が挙げられる。シュードモナス(Pseudomonas)属の細菌の具体例としては、シュードモナス・エルギノーサ(P. aeruginosa)が挙げられる。ロドフェラックス(Rhodoferax)属の細菌の具体例としては、ロドフェラックス・フェリレドゥセンス(R. ferrireducens)が挙げられる。
図2に、シュワネラ属である(a)シュワネラ・ロイヒカ(S. loihica)、(b)シュワネラ・オネイデンシス(S. oneidensis)のSEM画像を示す。
好ましくは、酸化還元メディエータ化合物を生産し、放出する電子供与微生物であるシュワネラ属、シュードモナス属、ロドフェラックス属等の電子供与微生物である。電子供与微生物は、野生型及び変異型を問わない。
外部から電子供与微生物を加えず、微生物燃料電池を稼動する箇所に元来生息する電子供与微生物をそのまま利用することもできる。例えば、シュードモナス・エルギノーサやジオバクターは、土壌、淡水、海水等の自然環境の至るところに生息しているため、通常、汚泥等を燃料とすれば、外部から添加することなく利用できる。また、前述のようにシュードモナス・エルギノーサは酸化還元メディエータ化合物を生産できるため電子供与微生物としては非常に有用である。
微生物として、光合成によって酸素を発生する微生物を用いて、微生物太陽電池として使用することもできる。微生物太陽電池とは、シアノバクテリア等の光合成細菌を用いて、当該細菌が光合成を行った際に発生する電子を電極に伝達することにより発電させる電池である。
微生物燃料電池における燃料は、電子供与微生物の維持及び/又は増殖に必要な栄養基質である。栄養基質は、その微生物が代謝可能な物質であれば、特に限定されるものではない。例えば、メタノールやエタノールのようなアルコール類、又は、グルコース等の単糖類、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、マルトース、スクロースや、ラクトース等の多糖類等の有用資源、並びに農産業廃棄物、有機排液、し尿、汚泥、食物残渣等の未利用資源、すなわち有機性廃棄物を用いることができる。また、燃料は、電子供与微生物の電子供与体となり得る物質(例えば、乳酸、蟻酸、乳酸塩、蟻酸塩などの有機酸または有機酸塩)を含み得る。燃料は、アノード槽における電子供与微生物の維持及び増殖のため、及び/又は電子供与体の供給のため、必要に応じて追加することができる。
電子伝達性介在物質は、必要に応じて電解槽に添加すればよい。包含される電子供与微生物の少なくとも1種が、酸化還元メディエータ化合物を生産し、放出することが可能であれば、電子伝達性介在物質は、必ずしも添加せずともよい。
次に、本発明に係る電気化学デバイスの実施形態について、更に具体的に説明する。
図3に、開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する電極前駆体に導電性被膜を形成して得られた電極の一例の平面画像(a)および拡大断面画像(b)を示す。図3(a)では、複数の細孔がハニカム状に配列しているが、配列パターンはこれに限定されない。また、図3(b)では、細孔の内面は球面状であるが、これに限定されない。隣接する細孔同士は、電極の表層部の内部で連結していてもよく、各細孔が内壁に囲まれて独立していてもよい。
細孔の内面が球面状である場合、一旦、細孔内にトラップされた微生物は、球面状の内面に沿った方向に移動が規制されるため、細孔の外に放出されにくいと考えられる。細孔内に捕捉された微生物は、その後、電解液と接触させて電気化学デバイスとして使用しても、長期間にわたって細孔内に留まり続けることが明らかになっている。
各細孔は、微生物が侵入できる開口を有する。細孔のサイズは、細孔の内面と液体との界面における界面張力によって電子供与微生物を内包する液体を保持可能なサイズであればよい。細孔内に担持される電子供与微生物の形状は、球状(球菌)でもロッド状(桿菌)でもよい。球菌としては、例えば、シアノバクテリアが挙げられ、典型的なサイズは直径約0.5〜2μmである。桿菌としては、シュワネラ属が挙げられ、典型的なサイズは短軸約0.2〜1μmであり、長軸約1〜8μmである。
ここで、図3に示すような細孔構造を有する電極前駆体の製造方法について説明する。
まず、疎水性の有機溶媒に薄膜形成材料を溶解させた液組成物を調製し、液組成物の液膜を形成する。液組成物の液膜は、支持体上に形成すればよい。支持体としては、ガラス、金属、炭素材料、シリコン材料、高分子材料等が挙げられる。高分子材料としては、用途に応じて、柔軟性に富むポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどを用いることができる。
次に、液膜上に水系溶媒の液滴を生じさせる。水系溶媒としては、水が好ましい。例えば、液膜上に高湿度空気を吹き付ければよい。高湿度空気は、相対湿度50〜95%であることが好ましい。液組成物の液膜中から有機溶媒が蒸発する際、液膜表面の潜熱が奪われる。このため液膜表面の温度が下がり、高湿度空気中の水蒸気が凝結して微小な水滴となり、液膜表面に付着する。このとき、有機溶媒と水の表面張力は、互いにその界面を最小にしようと働くため、水滴は互いに凝集して成長する。
液組成物中には、有機溶媒と水系溶媒の両方に親和性を有する両親媒性化合物や界面活性剤を添加することが好ましい。液組成物中の両親媒性化合物や界面活性剤の働きによって、水滴の周囲に有機溶媒(液組成物)が存在する状態が安定となる。よって、水滴は液膜中に取り込まれ、その表面積を最小にするため液膜内で球状となる。さらに、横毛管力が働くため、水滴同士は、液膜表面に沿って、できるだけ最密に充填され、ハニカム状の配列を形成しながら成長する。この状態から有機溶媒の蒸発が進み、液組成物中の薄膜形成材料が一定濃度以上に達すると、薄膜成分が析出し、水滴の配列が固定される。
その後、水滴が蒸発すると、ハニカム状に並んだ細孔と、細孔を取り囲む薄膜成分の骨格部分が残り、開口を有する細孔がハニカム状配列された表層部を有する電極前駆体を得ることができる。ハニカム状の配列は、界面張力や自然対流によって自発的に進行するため、自己組織化と呼ばれ、極めて均一かつ規則的な構造となることが知られている。
薄膜形成材料としては、高分子材料又はその原料が好適に用いられる。具体的には、ポリ乳酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等の脂肪族ポリエステル;ポリメチルメタクリレート、ポリテトラヒドロフルフリルメタクリレート等のポリアクリル酸エステル類;ポリブチレンカーボネート、ポリエチレンカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート;ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド等のポリイミド類;ポリスチレン等を挙げることができる。また、2種以上をポリマーブレンドとして用いられてもよい。
薄膜形成材料として、モノマー材料を用いて、液膜形成後に重合させてもよい。この場合、上述の高分子材料の重合に用いられるモノマー化合物を適宜選択して用いることができる。さらに、高分子材料とモノマー材料及び/又はオリゴマー材料、ポリイオン等を組み合わせてもよい。また、架橋剤、触媒等を用いてもよい。
疎水性の有機溶媒としては、水系溶媒に対して溶解しないものであればよい。具体的には、クロロホルム、塩化メチレン等のハロゲン系有機溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルイソブチルケトン等の非水溶性ケトン類;ジエチルエーテル等のエーテル類;等を挙げることができる。また、二硫化炭素等の溶媒も用いることが可能である。
両親媒性化合物は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアクリルアミドを主鎖骨格とし、疎水性側鎖としてドデシル基、親水性側鎖としてカルボキシル基を併せ持つ両親媒性ポリマーや、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールブロックコポリマ一などが挙げられる。
疎水性側鎖は、メチレン基、フェニレン基などの非極性直鎖状基であり、エステル基やアミド基などの連結基を除いて、末端まで極性基やイオン性解離基などの親水性基を分岐しない構造であることが好ましい。例えばメチレン基を用いる場合は5以上のユニットからなることが好ましい。親水性側鎖は、メチレン基などの連結部分を介して末端に極性基やイオン性解離基、またはオキシエチレン基などの親水性部分を有する構造であることが好ましい。中でも、親水基成分としてジメチルジステアリルアンモニウムブロミド、疎水基成分としてポリスチレンスルホン酸ナトリウムを有する化合物を、ポリイオンコンプレックスの形態で用いることが好ましい。
界面活性剤としては、通常知られているアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。中でもヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)が好ましい。
なお、細孔の内壁の高さは、微生物の短軸よりも大きいことが好ましい。ただし、少なくとも1つの微生物を捕捉可能であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば0.5μm〜500μmであり、2μm〜100μmが好ましく、2μm〜50μmがより好ましく、2μm〜10μmがさらに好ましい。なお、多孔質電極の表層部の細孔は、細孔1つあたり1個以上、好ましくは10個以上の微生物が捕捉されている状態であることが好ましい。
次に、電極前駆体に対し、複数の細孔の内面に導電性部位を形成するとともに、導電性部位を相互に導通させる導電経路を形成し、多孔質電極を形成する。導電性部位と導電経路を形成する具体的な手段としては、例えば、細孔の内面を含む電極前駆体の表層部の最表面に、全面的に導電性被膜を形成すればよい。また、電極前駆体の表層部に導電性微粒子をドープしてもよい。あるいは、あらかじめ薄膜形成材料に導電性微粒子を混合しておくことによって電極前駆体全体に導電性を付与してもよい。
導電性被膜を形成する方法としては、スパッタ、蒸着、電気めっき、無電解めっき、吹き付け、スピンコート等の公知の方法を用いることができる。中でも、薄く均一な導電性被膜を形成できる点でスパッタが好ましい。導電性被膜を形成する材料としては、金、白金、銀、銅、チタン、ニッケル、亜鉛、カーボン、ITOなどの金属酸化物などが好ましく、中でも金が好ましい。
導電性被膜は、後述する光熱変換効果を効率的に発現させる観点から、金属ナノ粒子の集積構造体であってもよい。光熱変換効果を利用すれば、多孔質電極の表層部の細孔内に微生物を短時間で効率的に捕集することができる。
次に、多孔質電極の表層部の細孔内に微生物を捕集する方法について説明する。
複数の細孔内に微生物を捕集するには、電極の表層部に電子供与微生物を含む液体を接触させた状態で、液体中に対流を生じさせればよい。液体の対流により微生物が移動し、細孔内に捕捉される。捕捉された微生物は、その走化性により一方向に進む性質を有するため、細孔の外に放出されにくく、微生物が高濃度で細孔内に捕集される。
液体を対流させる方法は、特に限定されず、液体をポンプで循環させる方法、例えばノズルなどを用いて液体の吸引と吐出を行う方法(ピペッティング)、液体を振とうする方法が挙げられる。電気泳動や誘電泳動を利用する方法でもよい。例えば、電場に対して平行に微生物が配列することを利用して、電場によって微生物の方向を制御すれば、電磁気学的ポテンシャルの安定領域に微生物を移動させることができる。
光や熱を利用して、液体中に電磁気学的な力や対流を発生させることも可能である。光の電磁波としての性質を利用し、電磁気学的な力で微小物体を捕捉する光ピンセットにより、微生物を任意の場所で捕捉することができる。また、表層部が光吸収性の材料を含む場合には、表層部にレーザ光照射することにより、光熱変換効果を利用して液体中に温度勾配を発生させ、効果的に対流を生じさせることができる。一般に、レーザ照射点の近傍は高温になる。一方、光吸収性の被膜を表層部に形成したハニカム状の電極の内壁上部を加熱する場合、高温になる箇所は局所的な狭い領域のみに抑制される。よって、効果的に対流を起こすことができ、かつ電極上の殆どの領域で微生物に与える熱の影響を抑制でき、微生物の機能を維持したまま、微生物を捕捉できる。
多孔質電極の表層部にレーザ光を照射する場合、光の照射面積を微小範囲に限定することが好ましい。具体的には、微生物を担持する細孔エリアを避けて、隣接する細孔間の壁部分に焦点(レーザスポット)を照射すればよい。細孔間の壁部分に照射されたレーザ光は、この部分で熱に変換され、微小な気泡を形成するとともに、局所的な温度上昇をもたらす。これにより液体中に温度差が生じ、壁部分を中心に、周辺の細孔外から細孔内に微生物を運搬するような対流が発生する。そのような対流は、一旦、細孔内に捕捉された微生物を細孔内に捕捉し続ける作用も有する。細孔内に捕捉された細菌は、その走化性により一方向にしか進むことができないため、レーザ照射を停止した後も捕捉され続ける。
また、電極の表層部に、多分岐した複数のレーザ光を照射することによって、前記液体中の複数個所で対流を生じさせることができる。具体的には、マイクロレンズアレイによりレーザ光を多分岐して、1回の照射で同時に多数の壁部分にレーザ光を照射してもよい。図4(a)に、マイクロレンズアレイにより分岐されたレーザ光が複数の壁部分に照射され、微小な気泡が複数形成されている様子を示す。これにより、表層部の複数個所で液体中に対流が生じる。図4(b)に、対流によって微生物が移動し、複数の細孔内に微生物が同時に捕捉される様子を示す。マイクロレンズアレイを用いることで、電子供与微生物を細孔内に捕集する作業の効率が大幅に向上する。
レーザ光としては、200nm〜2000nmの波長(空気または水中、以下同様)の光を用いることができる。中でも、多孔質電極の表層部の構成材料、細孔形状、レーザ光の波長などを、局在表面プラズモン共鳴条件が満たされるように選択することで、光熱変換効果を顕著に得ることができる。例えば、ナノオーダの金属粒子に対し、波長400nm〜800nmのレーザ光を照射すると、局在表面プラズモン共鳴が生じる。スパッタリングにより形成される金薄の導電性被膜は、数十ナノメートルの微細なナノ金属粒子の集積構造体であり、光熱変換効果を発現しやすい。光吸収率が高い黒体に近い材料(例えばカーボンナノチューブ黒体、金属ナノ粒子固定化ビーズなど)も好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。なお、実施例では、球面状の内面を有する細孔がハニカム状に配列された電極前駆体を、「ハニカム薄膜」ともいう。
《実施例1》
<原料溶液の調製>
64.5mgのポリスチレンスルホン酸ナトリウムを50mLの超純水に溶解させた溶液を透明になるまで攪拌した。また、200mgのジメチルジステアリルアンモニウムブロミドを100mLの超純水に溶解させた溶液を70℃〜80℃に加熱しつつ半透明になるまで攪拌した。
続いて、ジメチルジステアリルアンモニウムブロミドの溶液を攪拌しつつ、その温度を維持したままポリスチレンスルホン酸ナトリウムの溶液をジメチルステアリルアンモニウムブロミドの溶液に加え、さらに20分間攪拌した。これにより生じたコロイド状のポリイオンコンプレックス(PIC)析出物の吸引濾過を行なった。吸引濾過されたPICを真空デシケータ内で乾燥させた。その後、25mgのポリスチレンと2.5mgのPICとを10mLのクロロホルムに混合し、その混合溶液を5分間激しく混合して、原料溶液を調製した。
<ハニカム薄膜の作製>
24mm×60mm×0.15mmのガラス支持体上に、原料溶液を500μL滴下した。エアポンプで相対湿度50〜70%の空気を、90mL/minの速度で吹き付けた後、自然乾燥させることでハニカム薄膜を作製した。
図3(a)は、得られたハニカム薄膜の平面画像であり、図3(b)は、その拡大断面画像である。細孔の開口部の直径は5.0μm、深さは3.0μmで、開口部の直径の標準偏差は0.1μm以下であり、均一性の高い細孔を有するハニカム薄膜が得られた。ハニカム薄膜の膜厚は3μmであった。ハニカム薄膜の拡大断面画像(図3(b))から、細孔が球面状の内面を有することが確認された。隣接する細孔同士は、ハニカム薄膜の厚み方向の中間付近で貫通孔により連結していた。
<導電性被膜の形成>
株式会社日立ハイテクノロジーズ製のスパッタ装置(イオンスパッタMC1000)と、Auターゲット(03E−4233)を用いて、ハニカム薄膜上に、金スパッタ処理を行い、多孔質電極を作製した。
金スパッタ処理を施したハニカム薄膜(多孔質電極)に対して、株式会社日立ハイテクノロジーズ製のX線元素分析装置(TM3000付属のSwiftED3000)を用いて元素分析を行ない、金原子由来のピークが観察されることを確認した。上記ピークは、ハニカム薄膜の上面部と、複数の細孔内の底面や壁面などに渡って観察され、複数の細孔に導電性部位が形成されていることと、導電性部位を相互に導通させる導電経路が形成されていることを確認した。金被膜の膜厚は45nmであった。
<アノード電極評価用セルの組み立て>
図5に示すように、多孔質電極31をガラス支持体とともにポリテトラフルオロエチレン製の上部セル部材312と下部セル部材313とで挟持して、アノード電極評価用セル3を組み立てた。上部セル部材312には、直径7.6mmの円柱状の貫通孔314を設け、貫通孔の底面に多孔質電極(アノード)31の表層部を露出させた。貫通孔314と多孔質電極(アノード)31の表層部によって形成される空間が電解槽311である。電解槽311は、底面積0.39cm、深さ15mm、容積1.5mLである。
電解槽311内に、白金ワイヤ製の対極32と、Ag/AgCl(飽和KCl溶液)参照極35とを挿入した。また、電解槽の底面の多孔質電極(アノード)31、対極32、参照極35からなる三極をポテンシオスタット36(ALS−830C、BAS株式会社製)に接続した。
<シュワネラ・ロイヒカ培養液の調製>
電子供与微生物として、シュワネラ・ロイヒカ(Shewanella loihica)PV−4株(American type culture collection: ATCC No.BAA-1088;2008年版)を用いた。予めシュワネラ・ロイヒカを5mLのLB培地(Difco社製)に植菌し、30℃にて一晩、好気的に培養した。培養液を遠心分離して菌体を回収し、1mLのDM培地(Defined Media, 2.5g/L−NaHCO、0.08g/L−CaCl・2HO、1.0g/L−NHCl、0.2g/L−MgCl・6HO、10g/L−NaCl、7.2g/L−HEPES、0.5g/Lのイースト・エクストラクト(株式会社和光純薬製))に懸濁させた。懸濁液に100mMの乳酸ナトリウム(株式会社和光純薬製)を50μL添加して、シュワネラ・ロイヒカ培養液を調製した。
<ピペッティングによるシュワネラ・ロイヒカの担持>
エッペンドルフピペットを用いて、シュワネラ・ロイヒカ培養液を電解槽内に添加した。添加量は、電解槽内に約2×10個/mLの菌が含まれる量とした。電解槽内に、純窒素を10分間パージした後、同じエッペンドルフピペットを用いて、電解槽内の培養液の吸入と吐出を3回行うピペッティングにより多孔質電極の細孔内にシュワネラ・ロイヒカを捕集し、アノードAを作製した。
《実施例2》
<レーザ光照射によるシュワネラ・ロイヒカの担持>
あらかじめ純窒素を10分間パージした30μLのシュワネラ・ロイヒカ培養液を、多孔質電極に滴下した。レーザ光源に接続された倒立型顕微鏡(株式会社ニコン製のTi−U)を用い、多孔質電極におけるハニカム薄膜の内壁の上部が焦点になるように調整して、波長1064nmのレーザ光を20秒間照射した。レーザ光源からのレーザ出力は0.04Wとした。0.39cmの電極面積に対して、30〜40μm毎に、計15箇所にレーザ光照射を行った。これにより、焦点箇所を中心とする熱対流を誘起し、多孔質電極の細孔内にシュワネラ・ロイヒカを捕集し、アノードBを作製した。
[評価1]
アノードA、Bの細孔内にシュワネラ・ロイヒカが捕集された様子を顕微鏡で観察した。図6に、ピペッティングによる捕集終了後から(a)2時間後、(b)12時間後、(c)24時間後のアノードAの画像を示す。図6(a)〜(c)より、ピペッティングによってアノードAの細孔内にシュワネラ・ロイヒカが担持されたことや、その後、徐々に増殖していることが確認できる。また、図6に、レーザ照射による捕集終了後から(d)2時間後、(e)12時間後、(f)24時間後のアノードBの画像を示す。図6(d)〜(f)より、レーザ照射によってもシュワネラ・ロイヒカを細孔内に効率的に担持できることが確認できた。
[評価2]
図7(a)に、アノードAにおけるシュワネラ・ロイヒカの細菌密度の経時変化を示す。また、図7(b)に、アノードBにおけるシュワネラ・ロイヒカの細菌密度の経時変化を示す。ここで、細菌密度とは、電極上の細菌数を電極面積で割ったものである。いずれのアノード電極においても、時間経過とともに、細孔内でシュワネラ・ロイヒカが増殖していることがわかる。
《実施例3》
<レーザ光照射によるシュワネラ・オネイデンシスの担持>
実施例1で作製した多孔質電極を用い、シュワネラ・ロイヒカに代えて、電子供与微生物としてシュワネラ・オネイデンシス(S. oneidensis)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、レーザ光照射によってシュワネラ・オネイデンシスを担持させたアノードCを作製した。レーザ光の照射条件は、波長1064nm、レーザ出力0.04Wであり、20秒間照射を行った。その後、アノードCの顕微鏡観察を行ったところ、各細孔にシュワネラ・オネイデンシスが担持されていることが確認できた。
《実施例4》
<ピペッティングによるシアノバクテリアの担持>
実施例1で作製した多孔質電極を用い、シュワネラ・ロイヒカに代えて、海産性シアノバクテリア(Synechococcus、NIES-971株)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ピペッティングによってシアノバクテリアを担持させたアノードDを作製した。
《実施例5》
<レーザ光照射によるシアノバクテリアの担持>
実施例1で作製した多孔質電極を用い、シュワネラ・ロイヒカに代えて、海産性シアノバクテリア(Synechococcus、NIES-971株)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、レーザ光照射によってシアノバクテリアを担持させたアノードEを作製した。
[評価3]
アノードDおよびアノードEの顕微鏡観察を行ったところ、各細孔にシアノバクテリアが担持されていることが確認できた。図8に、アノードEに担持されたシアノバクテリアの顕微鏡写真を示す。レーザー照射によりシアノバクテリアが細孔内へ担持された様子が確認された。ここでは図示しないが、ピペッティングによる対流を用いたアノードDにおいても、同様に、シアノバクテリアが細孔内へ担持された様子が確認された。
《実施例6》
<アノード電極評価1>
実施例1で作製したアノードAを具備するアノード電極評価セル(図5)において、電解槽にあらかじめ純窒素で10分間パージした100mMの乳酸ナトリウム50μL、酸化還元メディエータ化合物(電子伝達性物質)である0.5mMの2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)50μL、実施例1で作製したシュワネラ・ロイヒカ培養液1mLを添加した。アノードと白金電極との間に0.2Vの定電圧を印加しながら、シュワネラ・ロイヒカから産出される電流を計測した。測定中は、電流値のモニタを継続し、電流値が低下する度に、100mM−乳酸ナトリウム50μLおよび0.5mM−2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)50μLの添加を行った。
アノードAを用いたアノード電極評価セルから得られた電流密度の経時結果を図9(a)に示す。図中の矢印は、乳酸ナトリウムおよび2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)の添加タイミングを示す。図9(a)より、測定開始から約10時間で電流密度が約2.5A/mとなったことが確認できる。
一方、特許文献1によると、グラファイトプレートの表面にカーボンナノファイバーを形成した担体にシュワネラ・ロイヒカを担持させたアノード(GP−CN電極)を用いたセル(以下、参考例1)では、2.7A/mに達するまでに42時間を要している。本実施例に係る燃料電池セルでは、上記GP−CN電極の1/4程度の時間で同等の電流密度値を達成できることになる。
また、特許文献1の記載から、グラファイトプレート担体にシュワネラ・ロイヒカを担持させたアノード(GP電極)を用いたセル(以下、参考例2)では、0.1A/mに達するまでに30時間を要している。
以上の結果をまとめて表1に示す。
なお、表1における最大電流到達時間とは、アノード電極評価セルを組み立ててから最大の電流密度が取り出せるまでの時間を示す。例えば、アノード素材がハニカム薄膜の場合、アノード電極評価セル組み立て後10時間で電流密度2.5A/mが取り出せることを示す。
以上より、開口を有する細孔が複数配列された表層部を有し、複数の細孔がそれぞれの内面に導電性部位を有し、複数の細孔の導電性部位を相互に導通させる導電経路を有する電極を用いることで、出力(電力)と感度に優れた高効率な微生物燃料電池を達成し得ることがわかる。特に、高電流密度に達するまでの立ち上がり時間を大幅に短縮できることが示された。このような結果が得られた理由として、電極面積の増大と微生物の高密度捕捉とが同時に達成されたことや、高密度捕捉された微生物が導電性部位と高頻度で接触することで高効率な電子移動が行われていることが挙げられる。
《実施例7》
<アノード電極評価2>
実施例2で作製したアノードBを具備するアノード電極評価セル(図5)において、実施例6と同様に、シュワネラ・ロイヒカから産出される電流を計測した。アノードBを用いたアノード電極評価セルから得られた電流密度の経時結果を図9(b)に示す。図中の矢印は、乳酸ナトリウムおよび2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)の添加タイミングを示す。図9(b)より、アノードBを用いたアノード電極評価セルでも、高い電流密度を達成できることが確認された。また、レーザ光照射により細孔内に捕集されたシュワネラ・ロイヒカによる電流密度は、ピペッティングにより細孔内に捕集された場合と同様に、細菌密度の増加に伴って増大している。
初期過程において、電流密度は、細菌密度に比例する。一方、図4に示すようなマイクロレンズアレイを用いてレーザ光を多分岐させる場合、1回のレーザ光照射で細孔内に捕集される微生物量は、分岐数に比例して増加し、電流密度も分岐数に比例して増加すると考えられる。図4に示す装置を用いて、レーザ光を10分岐させ、かつ、レーザ光を10倍のレーザ出力に設定すれば、実施例2と同等のレーザ出力を電極面積内の10箇所に照射することができ、各レーザ光の焦点付近にアノードBと同等の割合で微生物を集めることができるため、10倍の電流密度が得られると考えられる。以上より、総合的にはピペッティングよりもレーザ光照射による微生物の捕集が有利であると考えられる
《実施例8》
<燃料電池セルXの組み立て>
図10に示すように、燃料電池セルXを組み立てた。燃料電池セルXの構成は以下のとおりである。
アノード素材:実施例1と同様の方法で作製したアノードA(金スパッタ処理を施したハニカム薄膜(ハニカム膜厚3μm、金被膜膜厚45nm))
カソード素材:白金板(厚み0.1mm)
隔膜層:Nafion(登録商標)膜(型番676470−1EA、SIGMA−ALDRICH製)
電解槽(アノード槽、カソード槽ともに同サイズ)の底面の半径10mm、高さ3mm(体積942mm
電解質溶液:シュワネラ・ロイヒカ培養液1.5mL(10セル/mL)と沼の泥50mg(堺市白鷺公園で採取)との混合液に、100mMの乳酸ナトリウム50μL、酸化還元メディエータ化合物(電子伝達性物質)である0.5mMの2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)50μLを添加し、純窒素を10分間バブリングした。
<燃料電池評価>
燃料電池セルXにおいて、乳酸ナトリウムおよび2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(HNQ)を添加後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後に、シュワネラ・ロイヒカから産出される電流値および電圧値を計測した。なお、電流値および電圧値の測定は、燃料電池セルXに接続された可変抵抗(10〜10MΩ)による電流−電圧曲線および電流−電力密度曲線を取得することにより行った。ここで、電力密度とは、単位面積あたり、もしくは単位体積、単位重量あたりに取り出せる電力のことである。
アノードAを用いた燃料電池セルXの電流−電圧曲線を図11に、電流−電力密度曲線を図12にそれぞれ示す。図11および図12を基に算出した結果、燃料電池セルXの起電力および単位体積当たりの最大出力密度は、それぞれ、569mV、39W/mであった。さらに、最大電流到達時間12時間、最大電流密度304A/mであった。(単位体積当たりの最大出力密度および最大電流密度は、単位面積当たりの最大出力密度および最大電流密度に各々アノード槽の底面積をかけた後アノード槽の体積で割って算出した。)
また、比較として、アノードA以外の各セル構成について、各セル構成のアノード素材の性能および出典は以下のとおりである。まず、アノード素材としてグラファイトフェルト−カーボンナノファイバを用いたセル構成I(特許登録番号第5494996号)では最大電流到達時間:240時間、最大電流密度:34A/m、最大電力密度:8.7W/m(電子メディエーターありの場合40W/m)であった。アノード素材としてグラフェンナノリボン(ポリアニリン皮膜)を用いたセル構成IIでは(J.Mater.Chem.A.2013,1,12587-12594)、最大電流到達時間:35時間、最大電流密度:16A/m、最大電力密度:3.42W/mであった。
次に、アノードAを用いた燃料電池セルXにおける細菌密度、電力密度の経時変化、およびCOD(化学的酸素要求量)の経時変化を測定した。
CODとは、排水基準に用いられ、海域と湖沼の環境基準に用いられている。CODの値は、試料水中の被酸化性物質量を一定の条件下で酸化剤により酸化し、その際使用した酸化剤の量から酸化に必要な酸素量を求めて換算した。
測定の結果を図13に示す。図13より、溶液内の汚染度もCOD測定時間経過と共に減少することがわかる。
以上より、開口を有する細孔が複数配列された表層部を有し、複数の細孔がそれぞれの内面に導電性部位を有し、複数の細孔の導電性部位を相互に導通させる導電経路を有する電極を用いることで、起動時間が短く、電流密度および出力密度に優れた高効率な微生物燃料電池を達成し得ることがわかる。特に、起動時間を大幅に短縮できることにより、微生物燃料電池の有用性が示された。
なお、燃料電池セルXを直列に接続して、単層型から多層型のセルに改良することにより、当該電池のセル個数に応じて、電流密度および電力密度をさらに向上させることも可能である。
《実施例9》
<シアノバクテリアの光応答性評価>
実施例5で作製したアノードEを具備するアノード電極評価セルにおいて、電解槽に海産性シアノバクテリア培養液(Synechococcus sp.)9mL、酸化還元メディエータ化合物(電子伝達性物質)である10mMのパラベンゾキノン1mLを添加した。アノードと白金メッシュ電極との間に0.6Vの定電圧を印加し、20秒間隔で疑似太陽光として、ソーラーシミュレーターを用いて断続的に照射しながら、シアノバクテリアから産出される電流を計測した。また、同じシステムで30分間、疑似太陽光を連続照射した。
電流密度の測定結果を図14、図15に示す。図14より、断続的に20秒間隔で疑似太陽光照射による応答が確認され、最大電流変化は11mA/mであった。また、図15より、疑似太陽光を連続照射した場合の電流密度の変化は51mA/mであった。
以上より、酸素発生型光合成を行う光合成細菌を用いて高密度化および固定化することにより、電流密度に優れた高効率な微生物太陽電池を形成し得ることが可能である。
本発明に係る電気化学デバイスは、微生物の担持とその増殖に適し、かつ電気化学的特性に優れることから、微生物燃料電池、微生物電気分解セル、バイオセンサー、微生物太陽電池、光センサーなどに広く適用できる。例えば、人体から出る汗に含まれる乳酸塩の濃度は数mM〜数十mMであり、本発明に係る電気化学デバイスで検出してモニタリングすることが可能である。また、本発明に係る電気化学デバイスは、有機排液、汚泥、食物残渣に含まれる有機廃棄物を分解しながら(環境浄化をしながら)発電するシステムにも利用できる。
11、21、31:アノード
12、22:カソード
32:対極
111、211、311:アノード槽
121:カソード槽
13:隔壁
14、24:外部回路
15、25:電子供与微生物
M:電子伝達性介在物質
221:エアカソード
P:細孔
W:内壁
P1〜P7:細孔
D:開口部の直径
3:微生物燃料電池セル
312:上部セル部材
313:下部セル部材
314:貫通孔
35:参照極
36:ポテンシオスタット

Claims (19)

  1. 開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する第1電極を含み、
    前記複数の細孔は、少なくとも、それぞれの内面に導電性部位を有し、
    前記第1電極は、前記複数の細孔の前記導電性部位を相互に導通させる導電経路を有する、電気化学デバイス。
  2. 前記細孔内に保持されたイオンを含む媒質と、
    前記イオンを含む媒質中に内包された電子供与微生物と、を更に有する、請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記イオンを含む媒質が、イオンを含む液体である、請求項2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記イオンを含む液体の少なくとも一部は、前記細孔の内面と前記液体との界面における界面張力により前記細孔内に保持されている、請求項3に記載の電気化学デバイス。
  5. 前記電子供与微生物が電子供与体となり得る物質を分解することにより、電気信号を検出する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  6. 前記電子供与体となり得る物質が、有機酸または有機酸塩である、請求項5に記載の電気化学デバイス。
  7. 前記表層部が、光吸収性の材料を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  8. 前記細孔が、前記表層部にハニカム状に配列している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  9. 前記表層部が、導電性被膜を有し、
    前記導電性被膜が、前記導電経路を形成している、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  10. アノードとして前記第1電極を具備し、カソードとして前記第1電極とは異なる第2電極を具備する、請求項1に記載の電気化学デバイス。
  11. 前記第1電極は、前記細孔内に保持された前記イオンを含む媒質と、前記イオンを含む媒質中に内包された前記電子供与微生物と、を有する、請求項10に記載の電気化学デバイス。
  12. 前記電子供与微生物が電子供与体となり得る物質を分解することにより、起電力または電力が発生する、請求項11に記載の電気化学デバイス。
  13. 前記電子供与体となり得る物質が、有機酸または有機酸塩である、請求項12に記載の電気化学デバイス。
  14. 前記電子供与微生物として光合成細菌を含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  15. (i)開口を有する細孔が複数配列された表層部を有し、前記複数の細孔は、それぞれの内面に導電性部位を有し、前記複数の細孔の前記導電性部位を相互に導通させる導電経路を具備する電極を準備する工程と、
    (ii)前記電極に電子供与微生物を含む液体を接触させた状態で、前記液体中に対流を生じさせることにより、前記複数の細孔内に前記微生物を捕集させる工程と、を含む、電気化学デバイスの製造方法。
  16. 前記電極の表層部に、レーザ光を照射することによって、前記電子供与微生物を含む液体中に対流を生じさせる、請求項15に記載の電気化学デバイスの製造方法。
  17. 前記電極の表層部に、多分岐した複数のレーザ光を照射することによって、前記電子供与微生物を含む液体中の複数個所で対流を生じさせる、請求項15に記載の電気化学デバイスの製造方法。
  18. 前記液体の吸引と吐出を行うことによって、前記電子供与微生物を含む液体中に対流を生じさせる、請求項15に記載の電気化学デバイスの製造方法。
  19. 前記電極を準備する工程が、疎水性の有機溶媒に薄膜形成材料を溶解させた液組成物を調製する工程と、
    前記液組成物の液膜を形成する工程と、
    前記液膜上に水系溶媒の液滴を生じさせ、前記液滴を蒸発させることで前記液膜から前記開口を有する細孔が複数配列された表層部を有する電極前駆体を形成する工程と、を含む、請求項15〜18のいずれか1項に記載の電気化学デバイスの製造方法。
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