JP2018139197A - 点火プラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の電極及び前記第2の電極と、前記主体金具と、が絶縁されている点火プラグにおいて、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性を向上する。【解決手段】軸孔を有する筒状の外側絶縁体と、軸孔内に配置され、第2端側に配置された底部を有する有底孔が形成された筒状の内側絶縁体と、外側絶縁体の外周に配置される主体金具と、内側絶縁体より第1端側に配置された部分と、内側絶縁体の有底孔の内部に配置された部分と、を有する第1の電極と、内側絶縁体より第2端側に配置された部分と、外側絶縁体の内周面と内側絶縁体の外周面との隙間に配置された部分と、を有する第2の電極とを備え、第1の電極と第2の電極とは絶縁されているとともに、第1の電極及び第2の電極と、主体金具と、は絶縁されている点火プラグにおいて、隙間のうち、第2の電極が配置された部分よりも第1端側の少なくとも一部に全周に亘って絶縁性のシール部材が充填されている。【選択図】 図3

Description

本明細書は、内燃機関等において燃料ガスに点火するための点火プラグに関する。
点火プラグは、内燃機関等に取り付けられ、燃焼室内の燃料ガスへの着火のために用いられる。特許文献1には、高圧が印加される高圧電極と、接地される接地電極と、高圧電極と接地電極とから絶縁された浮遊電極を有する点火プラグが開示されている。この点火プラグでは、接地電極と浮遊電極とが、一のコンデンサとして機能し、浮遊電極と高圧電極とが、他のコンデンサとして機能する。この点火プラグでは、高圧電極と接地電極との間に電圧を印加すると、2つのコンデンサによって分圧された電圧により、浮遊電極と高圧電極、あるいは、浮遊電極と接地電極との間に、放電が発生する。この点火プラグでは、放電時に、上記コンデンサに蓄えられた電荷しか放電されないので、効率的に着火を行うことができる。
国際公開第2012/072895号公報
この種の点火プラグでは、互いに絶縁されるべき第1の電極(例えば、高圧電極)と第2の電極(例えば、浮遊電極)との間の絶縁性を確保できなければ、点火プラグとして機能しない。このために、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性を向上できる技術が求められていた。
本明細書は、前記第1の電極と、前記第2の電極と、は絶縁されているとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記主体金具と、は絶縁されている点火プラグにおいて、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性を向上できる技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]軸線方向の第1端側から第2端側に延びる軸孔を有する筒状の外側絶縁体と、
前記軸孔の内部に配置され、前記第2端側に配置された底部を有する有底孔が形成された筒状の内側絶縁体と、
前記外側絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記内側絶縁体より前記第1端側に配置された部分と、前記内側絶縁体の前記有底孔の内部に配置された部分と、を有する第1の電極と、
前記内側絶縁体より前記第2端側に配置された部分と、前記外側絶縁体の内周面と前記内側絶縁体の外周面との隙間に配置された部分と、を有する第2の電極とを備え、
前記第1の電極と、前記第2の電極と、は絶縁されているとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記主体金具と、は絶縁されている点火プラグであって、
前記隙間のうち、前記第2の電極が配置された部分よりも前記第1端側の少なくとも一部に全周に亘って絶縁性のシール部材が充填されていることを特徴とする、点火プラグ。
上記構成によれば、外側絶縁体の内周面と内側絶縁体の外周面との隙間のうち、第2の電極が配置された部分よりも第1端側の少なくとも一部に全周に亘って絶縁性のシール部材が充填されている。この結果、第1の電極と第2の電極との間の絶縁が、該隙間部分において破壊されることを抑制できる。したがって、前記第1の電極と、前記第2の電極と、は絶縁されているとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記主体金具と、は絶縁されている点火プラグにおいて、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性を向上できる。
[適用例2]適用例1に記載の点火プラグであって、
前記シール部材のうち、前記第2電極の後端よりも後端側の部分の前記軸線方向の長さは、1mm以上である、点火プラグ。
上記構成によれば、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性をさらに向上できる。
[適用例3]適用例1または2に記載の点火プラグであって、
前記内側絶縁体の外周面は、前記第2の電極より前記第1端側において、前記第2の電極の第1端側の端と、前記第1の電極のうちの前記内側絶縁体より前記第1の側に配置された部分の前記第2端側の端と、のうちの少なくとも一方よりも全周に亘って径方向外側に位置する部分を含む、点火プラグ。
上記構成によれば、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性との間の絶縁性をさらに向上できる。
[適用例4]適用例1ないし3のいずれかに記載の点火プラグであって、
全周に亘って前記シール部材が充填されている前記軸線方向の範囲において、前記内側絶縁体の外周面には、全周に亘って径方向外側に突出した凸部と、全周に亘って径方向内側に凹んだ凹部と、のうちの少なくとも一方が形成されている、点火プラグ。
上記構成によれば、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性をさらに向上できる。
[適用例5]適用例1ないし4のいずれかに記載の点火プラグであって、
前記第2の電極の前記第1端側の端から、前記内側絶縁体の前記第1端側の端までの距離は、10mm以下である、点火プラグ。
上記構成によれば、第1の電極と第2の電極との間の絶縁性を確保しつつ、点火プラグが軸線方向に過度に長くなることを抑制できる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、点火プラグや点火プラグを用いた点火装置、その点火プラグを搭載する内燃機関や、その点火プラグを用いた点火装置を搭載する内燃機関、点火プラグの電極等の態様で実現することができる。
第1実施形態の点火プラグ100の断面図である。 第1実施形態の浮遊電極20の外観形状を模式的に示す斜視図である。 第1実施形態の内側絶縁体70の後端近傍の拡大断面図である。 変形例の点火プラグの第1の説明図である。 変形例の点火プラグの第2の説明図である。 変形例の点火プラグの第3の説明図である。 第2実施形態の点火プラグ100Mの断面図である。 第2実施形態の内側絶縁体70Mの先端近傍の拡大断面図である。
A.第1実施形態:
A−1.点火プラグの構成:
図1は第1実施形態の点火プラグ100の断面図である。図1の一点破線は、点火プラグ100の軸線CLを示している。軸線CLと平行な方向(図1の上下方向)を軸線方向とも呼ぶ。軸線CLを中心とし、軸線CLと垂直な平面上の円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、当該円の周方向を、単に「周方向」とも呼ぶ。図1における下方向を先端方向Dfと呼び、上方向を後端方向Drとも呼ぶ。図1における下側を、点火プラグ100の先端側と呼び、図1における上側を点火プラグ100の後端側と呼ぶ。なお、第1実施形態における後端側は、特許請求の範囲における第1端側に対応し、第1実施形態における先端側は、特許請求の範囲における第2端側に対応する。
点火プラグ100は、詳細は後述する浮遊電極20と接地電極30との間に形成される間隙(ギャップ)に、放電を発生させる。点火プラグ100は、内燃機関に取り付けられ、内燃機関の燃焼室内の燃料ガスに着火するために用いられる。点火プラグ100は、外側絶縁体10と、浮遊電極20と、接地電極30と、中心電極40と、主体金具50と、内側絶縁体70と、を備える。
外側絶縁体10は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成された筒状の部材である。外側絶縁体10は、主体金具50と中心電極40とを絶縁するとともに、主体金具50と浮遊電極20とを絶縁する。外側絶縁体10は、鍔部19と、後端側胴部18と、先端側胴部17と、第1段部15と、脚長部13と、を備えている。後端側胴部18は、鍔部19より後端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。先端側胴部17は、鍔部19より先端側に位置し、鍔部19の外径より小さな外径を有している。脚長部13は、先端側胴部17より先端側に位置し、先端側胴部17の外径よりも小さな外径を有している。脚長部13は、点火プラグ100が内燃機関(図示せず)に取り付けられた際には、その燃焼室に曝される。第1段部15は、脚長部13と先端側胴部17との間に形成されている。第1段部15は、後端側から先端側に向けて縮径している。
外側絶縁体10は、第1孔11と第2孔12とを有する。第1孔11は、軸線CLに沿って後端側から先端側に向けて延びる孔である。第2孔12は、先端側から後端側に向けて延びる孔である。第1孔11は、後端側胴部18の後端から先端側胴部17の一部までの間に形成されている。第2孔12は、脚長部13の先端から先端側胴部17の一部までの間に形成されている。第2孔12の後端は、第1孔11の先端に連通している。つまり、第1孔11と第2孔12とは、1つの軸孔として捉えることができる。本実施形態では、第2孔12は、軸線CLの周囲に、後述する浮遊電極20の個数だけ(例えば、2〜4個)設けられている。
主体金具50は、後端側胴部18の一部から脚長部13に亘る外側絶縁体10の外周に配置され、外側絶縁体10を保持する筒状の金具である。外側絶縁体10の先端は、主体金具50の先端より先端側に突出している。外側絶縁体10の後端は、主体金具50の後端より後端側に突出している。主体金具50は、例えば、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)により形成され、全体にニッケルめっきや亜鉛めっき等のめっき処理が施されている。
主体金具50は、後端側から順に、工具係合部51と、座部54と、取付ネジ部52と、を備える。工具係合部51には、点火プラグ100を内燃機関のエンジンヘッドに取り付けるための工具が嵌合する。取付ネジ部52の外周には、エンジンヘッドの取付ネジ孔にねじ込まれるネジ山が形成されている。座部54は、取付ネジ部52の根元に鍔状に形成されている。
主体金具50の取付ネジ部52と座部54との間には、金属板を折り曲げて形成された環状のガスケット65が嵌挿されている。ガスケット65は、点火プラグ100がエンジンヘッドに取り付けられた際に、点火プラグ100とエンジンヘッドとの隙間を封止する。
主体金具50の工具係合部51より後端側には厚みの薄い加締部53が設けられている。また、座部54と工具係合部51との間には、加締部53と同様に厚みの薄い圧縮変形部58が設けられている。工具係合部51から加締部53にかけての主体金具50の内周面と外側絶縁体10の後端側胴部18の外周面との間には、円環状のリング部材66,67が介在されており、さらに両リング部材66、67間にタルク(滑石)69の粉末が充填されている。点火プラグ100の製造時には、加締部53を内側に折り曲げるようにして先端側に押圧することにより圧縮変形部58が圧縮変形し、この圧縮変形部58の圧縮変形により、リング部材66、67およびタルク69を介し、外側絶縁体10が主体金具50内で先端側に向け押圧される。この押圧により、タルク69が軸線CL方向に圧縮されるとともに、外側絶縁体10の第1段部15が、主体金具50の第2段部56(後述)、パッキン68(後述)を介して押圧されて、外側絶縁体10と主体金具50との間の気密性が高められる。
主体金具50は、自身の内周に、外側絶縁体10の第1段部15が接触する第2段部56を有する。第2段部56は、取付ネジ部52の内周に形成され、後端側から先端側に向けて縮径している。第1段部15と第2段部56とは、環状のパッキン68を介して接触している。パッキン68は、主体金具50と外側絶縁体10との間の気密性を保持する部材であり、燃焼ガスの流出を防止する。
内側絶縁体70は、アルミナを始めとするセラミックス材料を焼成して形成された筒状の部材である。内側絶縁体70は、浮遊電極20と、中心電極40と、の間を絶縁する。内側絶縁体70の先端部は閉塞している。すなわち、内側絶縁体70には、後端側が開口するとともに、先端側に配置された底部73を有する有底孔74が形成されている。内側絶縁体70は、外側絶縁体10の第1孔11の内部に配置されている。内側絶縁体70の外周面70Sには、後述する浮遊電極20の第1板状部24の形状に対応した溝部72が形成されている。
中心電極40は、軸線CLに沿って延びる金属製の棒状の部材である。中心電極40は、導電性の金属材料(例えば、低炭素鋼)で形成され、中心電極40の表面には、例えば、防食のために、Niなどのめっきが形成されている。中心電極40は、外側絶縁体10の後端に当接する鍔部42と、鍔部42より後端側に位置するキャップ装着部41と、鍔部42より先端側の大径脚部43と、大径脚部43よりも先端側の小径脚部44と、を備えている。小径脚部44は、大径脚部43よりも小さな外径を有する。中心電極40のキャップ装着部41は、外側絶縁体10より後端側に露出している。キャップ装着部41には、高圧ケーブル(図示外)が接続されたプラグキャップが装着され、放電を発生するための高電圧が印加される。大径脚部43は、外側絶縁体10の第1孔11の内部のうち、内側絶縁体70よりも後端側に配置されている。小径脚部44は、内側絶縁体70の有底孔74内に位置している。小径脚部44の軸線方向の長さは、有底孔74の軸線方向の長さとほぼ等しいので、小径脚部44の先端は、有底孔74の底部73の近傍まで達している。
図2は、浮遊電極20の外観形状を模式的に示す斜視図である。浮遊電極20は、導電性の金属材料、例えば、耐腐食性と耐熱性が高い金属、NiまたはNiを主成分とする合金(例えば、NCF600、NCF601)を用いて形成されている。浮遊電極20は、第1板状部24と、第2板状部25と、棒状部26と、を備える。第1板状部24は、軸線に沿って延びる短冊状の薄い板部材である。第2板状部25は、軸線と垂直な方向に広がる略矩形の薄い板部材である。第1板状部24の先端と、第2板状部25の径方向外側の端は、接続されてL字形状を成している。棒状部26は、第2板状部25の先端面から軸線方向に沿って先端側に延びる丸棒状の部材である。
棒状部26は、外側絶縁体10の第2孔12内に配置されている。棒状部26の先端は、外側絶縁体10の脚長部13から先端側に突出している。第2板状部25は、内側絶縁体70の先端面と、外側絶縁体10の第1孔11の底面と、の隙間に配置されている。すなわち、第2板状部25と棒状部26は、内側絶縁体70よりも先端側に配置されている。
第1板状部24は、内側絶縁体70の外周面70Sと、外側絶縁体10の第1孔11を形成する内周面11Sと、の隙間に配置されている。具体的には、第1板状部24は、第1孔11を形成する内周面11Sに沿うように湾曲しており、内側絶縁体70の外周面70Sに形成された溝部72に嵌合している。この溝部72の径方向の深さは、第1板状部24の径方向の厚さより僅かに大きい。このために、第1板状部24の全体が溝部72の内部に収容される。第1板状部24の後端は、後端側胴部18の軸線方向の中央近傍、主体金具50の後端より後端側に位置している。
複数個の浮遊電極20は、軸線CLを中心として等間隔に配置されている。浮遊電極20の個数は、例えば、2〜4個であり、本実施形態では2個である。本実施形態では、それぞれの浮遊電極20は、互いに絶縁されている。
接地電極30は、主体金具50の先端部57に固定された電極部材である。接地電極30は、浮遊電極20と同様に、導電性の金属材料、例えば、NiまたはNiを主成分とする合金を用いて形成されている。接地電極30は棒状であり、先端側が軸線CLに向けて屈曲されている。接地電極30の先端近傍の後端側の面は、浮遊電極20の先端面27との間に、放電のためのギャップを形成する。接地電極30の個数は、浮遊電極20の個数と同数である。
以上で説明した点火プラグ100において、内側絶縁体70によって絶縁された中心電極40と浮遊電極20は、電気的にコンデンサとして機能し、ある一定の静電容量(以下、「第1静電容量」という)を有する。また、外側絶縁体10によって絶縁された浮遊電極20と主体金具50(接地電極30を含む)も、電気的にコンデンサとして機能し、ある一定の静電容量(以下、「第2静電容量」あるいは「寄生静電容量」という)を有する。中心電極40のキャップ装着部41と主体金具50(接地電極30)間に電圧を印加すると、第1静電容量と第2静電容量とによって分圧された電圧により、浮遊電極20と接地電極30との間のギャップにて放電が行われる。1回の放電にてギャップを流れる電流は、コンデンサとして機能する中心電極40と浮遊電極20とに蓄えられた電荷分だけである。このため、本実施形態の点火プラグ100では、数マイクロ秒もしくはそれ未満のごく短時間で放電が終了するため、従来の一般的なスパークプラグの放電時間である数ミリ秒の間に、繰り返し何度も放電させることができる。したがって、中心電極40にパルス状の電圧を印加して繰り返し放電を行わせれば、低温プラズマ状態での放電(ストリーマ放電)が可能となり、効率的に着火を行うことができる。
図3を参照して、さらに、点火プラグ100の構成を説明する。図3は、内側絶縁体70の後端近傍の拡大断面図である。図3は、図1の一点破線で示す領域RAを拡大して示している。外側絶縁体10の内周面11Sと内側絶縁体70の外周面70Sとの隙間(以下、絶縁体間の隙間とも呼ぶ)には、シール部材80が充填されている。本実施形態では、シール部材80は、周方向の全周に亘って充填されている。シール部材80は、ゴム部材、例えば、熱硬化性のシリコーンゴムによって形成されている。本実施形態では、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製の液状シリコーンゴム「TSE3331」が用いられている。シール部材80は、内側絶縁体70の外周面70Sに、液状ゴムを塗布した状態で、内側絶縁体70を外側絶縁体10の第1孔11内に挿入し、挿入後に加熱して、該液状ゴムを硬化することによって形成される。
シール部材80は、図3に示すように、絶縁体間の隙間に配置された浮遊電極20の第1板状部24の後端よりも後端側の部分に充填されている。この結果、例えば、内側絶縁体70の外周面70Sに沿ってリーク電流が流れることによって、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁が、絶縁体間の隙間部分において破壊されることを抑制できる。したがって、点火プラグ100において、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性を向上できる。
さらに、シール部材80のうち、浮遊電極20の第1板状部24の後端よりも後端側の部分の軸線方向の長さL2(図3)は、1mm以上であることが好ましい。こうすれば、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁をさらに向上できる。
シール部材80は、さらに、絶縁体間の隙間に配置された第1板状部24の後端よりも先端側の部分に充填されている。当該部分は、第1板状部24が配置されている周方向の位置においては、第1板状部24の径方向外側の面と、外側絶縁体10の内周面11Sと、の間に充填されている。シール部材80の先端は、例えば、主体金具50の後端よりも先端側に位置している(図示省略)。これによって、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁をさらに向上できる。
内側絶縁体70の外周面70Sのうち、シール部材80と接触している軸線方向の範囲内には、径方向内側に凹んだ凹部75が全周に亘って形成されている。そして、シール部材80の内周面には、径方向内側に突出し、凹部75に嵌合する突部85が全周に亘って形成されている。これによって、内側絶縁体70の外周面70Sとシール部材80との隙間において沿面放電が起こることを、より効果的に抑制できるので、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できる。
なお、凹部75の径方向の深さD(図3、突部85の径方向の高さとほぼ等しい)は、0.1mm以上、例えば、0.25mmであることが好ましい。これによって、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに効果的に向上できる。
内側絶縁体70の外周面70Sは、浮遊電極20の第1板状部24より後端側において、中心電極40のうちの内側絶縁体70より後端側に配置された部分の先端、すなわち、大径脚部43の後端よりも、全周に亘って径方向外側に位置している。すなわち、図3にてΔSで示すように、内側絶縁体70の後端部分の外周面70Sは、大径脚部43の外周面よりも径方向外側に位置している。これによって、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できる。
本実施形態では、浮遊電極20の第1板状部24は、内側絶縁体70の外周面70Sに形成された溝部72に嵌合している。溝部72の径方向の深さは、第1板状部24の径方向の厚さより僅かに大きいので、内側絶縁体70の外周面70Sは、浮遊電極20の第1板状部24より後端側において、浮遊電極20の後端(すなわち、第1板状部24)よりも全周に亘って径方向外側に位置している。すなわち、図3にて、波線の領域CA内に示すように、内側絶縁体70の後端部分の外周面70Sは、第1板状部24の径方向外側の面よりも径方向外側に位置している。これによって、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できる。
また、本実施形態の点火プラグ100では、浮遊電極20の後端から、内側絶縁体70の後端までの距離L1(図1参照)は、10mm以下、例えば、8mmである。このように、距離L1が比較的短い場合であってもシール部材80を配置することによって、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性を確保できる。換言すれば、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性を確保しつつ、点火プラグ100が過度に長くなることを抑制できる。さらには、距離L1を10mm以下にできることで、浮遊電極20の第1板状部24の後端をより後端側に位置されることができるので、第1板状部24の長さを長くすることができる。第1板状部24の長さを長くすると、浮遊電極20の第1板状部24と、中心電極40の小径脚部44と、が内側絶縁体70を挟んで対向する面積が大きくなる。これによって、コンデンサとして機能する中心電極40と浮遊電極20の上述した第1静電容量を大きくすることができる。第1静電容量を大きくすることで、1回の放電でギャップ間を流れる電荷量が大きくなるので、着火性を向上できる。また、第1静電容量を大きくすることで、接地電極30と中心電極40との間に印加される電圧が同じであっても、接地電極30と浮遊電極20との間に発生する電圧(すなわち、ギャップ間の電圧)を高くできるので、着火性を向上できる。
A−2.第1実施形態の変形例
図4〜図6は、変形例の点火プラグの説明図である。図4〜図6には、図3と同様に内側絶縁体の後端近傍の拡大断面図が示されている。図4(A)の点火プラグ100aでは、内側絶縁体70aの外周面70aSに、凹部75(図3)が設けられていない。このため、シール部材80aにも、突部85(図3)が設けられていない。他の構成は、第1実施形態の点火プラグ100と同じである。
図4(B)の点火プラグ100bでは、中心電極40bの大径脚部43bの外径が、内側絶縁体70aの外径より大きい。この結果、内側絶縁体70aの後端部分の外周面70aSは、大径脚部43bの外周面よりも径方向内側に位置している。他の構成は、図4(A)の点火プラグ100aと同じである。
図5(A)の点火プラグ100cでは、内側絶縁体70cの外周面70cSに、第1板状部24が嵌合するための溝部72が設けられていない。このために、第1板状部24は、内側絶縁体70cの外周面70cSより径方向外側に位置している。したがって、内側絶縁体70の後端部分の外周面70cSは、第1板状部24の径方向外側の面よりも径方向内側に位置している。他の構成は、図4(A)の点火プラグ100aと同じである。
図5(B)の点火プラグ100dでは、中心電極として、図4(B)の中心電極40bが採用されている。このために、大径脚部43bの外径が、内側絶縁体70cの外径より大きい。この結果、内側絶縁体70cの後端部分の外周面70cSは、大径脚部43bの外周面70cSよりも径方向内側に位置している。他の構成は、図5(A)の点火プラグ100cと同じである。すなわち、図5(B)の点火プラグ100dでは、内側絶縁体として、溝部72が設けられていない内側絶縁体70cが採用されている。このために、図5(B)の点火プラグ100dでは、内側絶縁体70cの後端部分の外周面70cSは、第1板状部24の径方向外側の面よりも径方向内側に位置している。
図6の点火プラグ100eの内側絶縁体70eの外周面70eSには、第1実施形態の内側絶縁体70の凹部75に代えて、シール部材80eと接触している軸線方向の範囲内に、径方向外側に突出した突部75eが全周に亘って形成されている。そして、シール部材80eの内周面には、径方向外側に凹み、突部75eが嵌合する凹部85eが全周に亘って形成されている。これによって、第1実施形態の点火プラグ100と同様に、内側絶縁体70eの外周面70eSとシール部材80eとの隙間において沿面放電が起こることを、より効果的に抑制できるので、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できる。
B.評価試験
B−1.第1評価試験
第1評価試験では、下の表1に示すように、図5(B)の点火プラグ100dの42個のサンプルを作成した。42個のサンプルでは、間隔tと長さL2とのうちの少なくとも1個が互いに異なっている。間隔tは、内側絶縁体70cの外周面70cSと、外側絶縁体10(後端側胴部18)の内周面11Sと、の間の間隔(図5(B))である。間隔tは、シール部材80の径方向の厚さである、とも言うことができる。長さL2は、シール部材80のうち、浮遊電極20の第1板状部24の後端よりも後端側の部分の軸線方向の長さ(図5(B))である。なお、比較サンプルとして、図5(B)の点火プラグ100dから、シール部材80を除いたサンプルを用意した。比較サンプルでは、間隔tは、0.2mmとされた。
Figure 2018139197
表1に示すように、42個のサンプルでは、間隔tは、0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.2mm、0.25mm、0.3mmのいずれかである。長さL2は、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mmのいずれかである。間隔tは、外側絶縁体10の第1孔11の内径を6.3mmに固定し、内側絶縁体70cの外径を変更することによって、変更された。
各サンプルに共通の項目は、以下の通りである。
外側絶縁体10の第1孔11の内径:6.3mm
浮遊電極20の後端から内側絶縁体70の後端までの距離L1:8mm
浮遊電極20の個数:2個
本試験では、接地電極30と浮遊電極20とを短絡させた状態で、接地電極30(主体金具50)と中心電極40との間に、直流電圧Vを印加することによって、浮遊電極20と中心電極40との間に電圧を印加した。そして、直流電圧Vを10秒間に亘って印加する間に、浮遊電極20と中心電極40との間に絶縁破壊が発生するか否かを調べた。絶縁破壊が発生しなければ、直流電圧Vを1kVだけ高くして、上記試験を繰り返し、絶縁破壊が発生する最小の電圧(リーク電圧とも呼ぶ)を調べた。
本試験の結果は、表1に示す通りである。表1に示すリーク電圧の単位は、「kV」である。なお、比較サンプルのリーク電圧は、12kVであった。表1に示すように、42個の全てのサンプルのリーク電圧は、13kV以上であった。この結果より、シール部材80を充填することで、接地電極30と浮遊電極20とを間の絶縁性(耐電圧性)を向上できることが確認できた。
さらに、全ての間隔tのサンプル群において、長さL2が1mm以上であるサンプルでは、同一の間隔tで長さL2が0.5mmであるサンプルよりもリーク電圧が2kV以上高くなった。この結果より、長さL2が1mm以上である場合には、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できることが確認できた。
また、同じ長さL2を有するサンプル間で比較すると、間隔t(シール部材80の厚さ)が大きくなるに従い、リーク電圧が高くなる傾向が確認できた。例えば、長さL2が、1mmの6個のサンプルのうち、間隔tが0.2mm以下のサンプルでは、リーク電圧が16kVであるのに対して、間隔tが0.25mm以上のサンプルでは、リーク電圧が17kVであった。また、長さL2が、1.5mmの6個のサンプルのうち、間隔tが0.15mm以下のサンプルでは、リーク電圧が17kVであるのに対して、間隔tが0.2mm以上のサンプルでは、リーク電圧が18kVであった。このように、シール部材80の厚さが厚いほど、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性が向上する傾向が確認できた。
また、同じ間隔tを有するサンプル間で比較すると、長さL2が大きくなるに従い、リーク電圧が高くなる傾向が確認できた。例えば、間隔tが0.2mmである7個のサンプルでは、長さL2が、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mmと長くなるに連れて、リーク電圧が、14kV、16kV、18kV、18kV、19kV、20kV、20kVと、段階的に大きくなる傾向が確認できた。このように、長さL2が長いほど、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性が向上する傾向が確認できた。
また、少なくとも間隔t(シール部材80の厚さ)が0.1mm以上であり、かつ、長さL2が、3mm以上であれば、20kVのリーク電圧を確保できることが確認できた。
B−2.第2評価試験
第2評価試験では、下の表2に示すように、図4、図5に示す4種類の点火プラグ100a、100b、100c、100dのサンプルを作成した。
Figure 2018139197
点火プラグ100a、100cのサンプルでは、内側絶縁体70a、70cの後端側の外周面70aS、70cSは、中心電極40の大径脚部43の外周面より0.1mmだけ径方向外側に位置している(ΔS=0.1mm)。点火プラグ100b、100dのサンプルでは、内側絶縁体70a、70cの後端側の外周面70aS、70cSは、中心電極40bの大径脚部43bの外周面より0.1mmだけ径方向内側に位置している(ΔP=0.1mm)。
各サンプルに共通の項目は、以下の通りである。
外側絶縁体10の第1孔11の内径:6.3mm
浮遊電極20の後端から内側絶縁体70の後端までの距離L1:8mm
浮遊電極20の個数:2個
内側絶縁体70a、70cの外周面70aS、70cSと外側絶縁体10の内周面11Sとの間の間隔t:0.2mm
シール部材80のうち、第1板状部24の後端よりも後端側の部分の軸線方向の長さL2:3.5mm
本試験では、上述した第1評価試験と同じ試験を行い、各サンプルのリーク電圧を調べた。本試験の結果は、表2に示す通りである。点火プラグ100dのサンプルのリーク電圧(20kV)と比較して、点火プラグ100cのサンプルのリーク電圧(22kV)は、2kV大きくなった。この結果より、図3にてΔSで示すように、内側絶縁体70の後端部分の外周面70Sを、大径脚部43の外周面よりも径方向外側に位置させることで、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できることが確認できた。
また、点火プラグ100dのサンプルのリーク電圧(20kV)と比較して、点火プラグ100bのサンプルのリーク電圧(24kV)は、4kV大きくなった。この結果より、図3にて、波線の領域CA内に示すように、内側絶縁体70の後端部分の外周面70Sを、第1板状部24の径方向外側の面よりも径方向外側に位置させることで、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性をさらに向上できることが確認できた。
点火プラグ100c、100bのサンプルのリーク電圧(22kV、24KV)と比較して、点火プラグ100aのサンプルのリーク電圧(26kV)は、2kV以上大きくなった。この結果より、内側絶縁体70の後端部分の外周面70Sを、大径脚部43の外周面よりも径方向外側に位置させ、かつ、第1板状部24の径方向外側の面よりも径方向外側に位置させることで、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性を特に向上できることが確認できた。
B−3.第3評価試験
第3評価試験では、下の表3に示すように、図1の点火プラグ100の4個のサンプルを作成した。点火プラグ100の4個のサンプルは、第2評価試験の点火プラグ100aのサンプルと異なり、内側絶縁体70の外周面70Sに凹部75が形成されており、シール部材80には、凹部75に嵌合する突部85が形成されている。点火プラグ100の4個のサンプルの他の構成は、第2評価試験の点火プラグ100aのサンプルと同じである。
Figure 2018139197
点火プラグ100の4個のサンプルでは、内側絶縁体70の凹部75の径方向の深さD(図3、突部85の径方向の高さとほぼ等しい)が、互いに異なる。具体的には、4個のサンプルの深さDは、0.05mm、0.1mm、0.15mm、0.2mmである。
本試験では、上述した第1、第2評価試験と同じ試験を行い、各サンプルのリーク電圧を調べた。本試験の結果は、表3に示す通りである。第2評価試験の点火プラグ100aのサンプルのリーク電圧(26kV)と比較して、点火プラグ100の4個のサンプルのリーク電圧(27kV、30kV、31kV)は、いずれも1kV以上大きくなった。この結果より、内側絶縁体70の外周面70Sに凹部75が形成されることによって、凹部75が形成されない場合と比較して、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性を向上できることが確認できた。
また、深さDが、0.05mmであるサンプルのリーク電圧(27kV)と比較して、深さDが、0.1mm以上であるサンプルのリーク電圧(30kV、31kV)は、3kV以上大きくなった。この結果より、凹部75の径方向の深さDを0.1mm以上にすることで、中心電極40と浮遊電極20との間の絶縁性を特に向上できることが確認できた。
C.第2実施形態
図7は、第2実施形態の点火プラグ100Mの断面図である。点火プラグ100Mは、第1実施形態の点火プラグ100の中心電極40、内側絶縁体70、浮遊電極20に代えて、中心電極40M、内側絶縁体70M、浮遊電極20Mを備えている。点火プラグ100Mのその他の構成は、第1実施形態の点火プラグ100と同様である。なお、第2実施形態における後端側は、特許請求の範囲における第2端側に対応し、第1実施形態における先端側は、特許請求の範囲における第1端側に対応する。
内側絶縁体70Mは、第1実施形態の内側絶縁体70とは反対側の後端部が閉塞している。すなわち、内側絶縁体70Mには、先端側が開口するとともに、後端側に配置された底部73Mを有する有底孔74Mが形成されている。内側絶縁体70Mは、外側絶縁体10の第1孔11の内部に配置されている。内側絶縁体70Mの外周面70MSには、後述する中心電極40Mの板状脚部44Mの形状に対応した溝部72Mが形成されている。
中心電極40Mは、軸線CLに沿って延びる金属製の部材である。中心電極40Mは、第1実施形態の中心電極40と同様に、鍔部42とキャップ装着部41とを備えている。中心電極40Mは、中心電極40の大径脚部43と小径脚部44とに代えて、柱状脚部43Mと、板状脚部44Mと、を備えている。柱状脚部43Mは、外側絶縁体10の第1孔11の内径より僅かに小さな外径を有し、第1孔11の内部のうち、内側絶縁体70Mよりも後端側に配置されている。
板状脚部44Mは、軸線に沿って延びる短冊状の薄い板部材である。板状脚部44Mは、内側絶縁体70Mの外周面70MSと、外側絶縁体10の第1孔11を形成する内周面11Sと、の隙間に配置されている。具体的には、板状脚部44Mは、第1孔11を形成する内周面11Sに沿うように湾曲しており、内側絶縁体70Mの外周面70MSに形成された溝部72Mに嵌合している。これに代えて、板状脚部44Mは、薄い板で形成された筒状の部材であっても良い。そして、筒状の板状脚部44Mの内部に、内側絶縁体70Mの後端側が挿入されていても良い。
浮遊電極20Mは、後端側の1個の大径棒状部24Mと、板状部25Mと、2個の棒状部26と、を備えている。大径棒状部24Mは、板状部25Mの後端側の面から後端側に向かって伸びている。大径棒状部24Mは、内側絶縁体70Mの有底孔74M内に位置している。大径棒状部24Mの軸線方向の後端は、有底孔74Mの底部73Mの近傍まで達している。
板状部25Mは、内側絶縁体70Mの先端側の面と、外側絶縁体10の第1孔11の底面と、の隙間に配置されている。板状部25Mと棒状部26は、内側絶縁体70Mよりも先端側に配置されている。棒状部26は、板状部25Mの先端側の面から先端側に向かって伸びている。棒状部26の構成は、第1実施形態の棒状部26と同一である。棒状部26は、第1実施形態と同様に、外側絶縁体10の第2孔12内に配置され、棒状部26の先端は、外側絶縁体10の脚長部13から先端側に突出している。
図8は、内側絶縁体70Mの先端近傍の拡大断面図である。図8は、図7の一点破線で示す領域RAMを拡大して示している。外側絶縁体10の内周面11Sと内側絶縁体70Mの外周面70MSとの隙間(絶縁体間の隙間とも呼ぶ)には、シール部材80Mが充填されている。シール部材80Mは、周方向の全周に亘って充填されている。シール部材80Mは、第1実施形態のシール部材80と同様に、ゴム部材によって形成されている。シール部材80Mは、第1実施形態のシール部材80と同様に、内側絶縁体70Mの外周面70MSに、液状ゴムを塗布した状態で、内側絶縁体70Mを外側絶縁体10の第1孔11内に挿入し、挿入後に加熱することによって、該液状ゴムを硬化することによって形成される。
シール部材80Mは、図8に示すように、絶縁体間の隙間に配置された中心電極40Mの板状脚部44Mの先端よりも先端側の部分を含んでいる。この結果、中心電極40Mと浮遊電極20Mとの間の絶縁が、絶縁体間の隙間部分において破壊されることを抑制できる。したがって、点火プラグ100Mにおいて、中心電極40Mと浮遊電極20Mとの間の絶縁性を向上できる。シール部材80Mのうち、板状脚部44Mの先端よりも先端側の部分の軸線方向の長さL2Mは、1mm以上であることが好ましい。
シール部材80Mは、さらに、絶縁体間の隙間に配置された板状脚部44Mの先端よりも後端側の部分を含んでいる。当該部分は、板状脚部44Mが配置されている周方向の位置においては、板状脚部44Mの径方向外側の面と、外側絶縁体10の内周面11Sと、の間に充填されている。これによって、中心電極40Mと浮遊電極20Mとの間の絶縁をさらに向上できる。
内側絶縁体70Mの外周面70MSは、板状脚部44Mより先端側において、浮遊電極20のうちのうちの内側絶縁体70Mより先端側に配置された部分の後端、すなわち、板状部25Mの後端よりも全周に亘って、径方向外側に位置している。すなわち、図8にてΔSで示すように、内側絶縁体70Mの先端部分の外周面70MSは、板状部25Mの外周面よりも径方向外側に位置している。これによって、中心電極40Mと浮遊電極20Mとの間の絶縁性をさらに向上できる。
また、内側絶縁体70Mの外周面70MSは、板状脚部44Mより先端側において、中心電極40の先端(すなわち、板状脚部44M)よりも全周に亘って径方向外側に位置している。すなわち、図8にて、波線の領域CA内に示すように、内側絶縁体70Mの先端部分の外周面70MSは、板状脚部44Mの径方向外側の面よりも径方向外側に位置している。これによって、中心電極40Mと浮遊電極20Mとの間の絶縁性をさらに向上できる。
本実施形態の点火プラグ100Mでは、板状脚部44Mの先端から、内側絶縁体70の先端までの距離L1M(図7)は、10mm以下、例えば、8mmである。このように、距離L1Mが比較的短い場合であっても、シール部材80Mを配置することによって、中心電極40Mと浮遊電極20Mとの間の絶縁性を確保できる。
以上の説明から解るように、第1実施形態の点火プラグ100では、中心電極40は、特許請求の範囲における第1の電極に対応し、浮遊電極20は、特許請求の範囲における第2の電極に対応する。そして、第2実施形態の点火プラグ100Mでは、中心電極40Mは、特許請求の範囲における第2の電極に対応し、浮遊電極20Mは、特許請求の範囲における第1の電極に対応する。
C−2.第2実施形態の変形例
(1)第1実施形態の内側絶縁体70と同様に、第2実施形態の内側絶縁体70Mの外周面70MSには、シール部材80Mと接触している軸線方向の範囲内において、径方向内側に凹んだ凹部が全周に亘って形成されていても良い。この場合には、シール部材80Mは、該凹部に嵌合する突部を備えても良い。
(2)第1実施形態の変形例の内側絶縁体70e(図6)と同様に、第2実施形態の内側絶縁体70Mの外周面70MSには、シール部材80Mと接触している軸線方向の範囲内において、径方向外側に突出した突部が全周に亘って形成されていても良い。この場合には、シール部材80Mは、該突部に嵌合する凹部を備えても良い。
(3)第1実施形態の図4、図5の変形例と同様に、第2実施形態の点火プラグ100Mにおいて、内側絶縁体70Mの先端部分の外周面70MSは、板状脚部44Mの径方向外側の面よりも径方向内側に位置しても良い。また、内側絶縁体70Mの先端部分の外周面70MSは、板状部25Mの外周面よりも径方向内側に位置しても良い。
D.各実施形態に共通の変形例
(1)上記実施形態では、点火プラグは、浮遊電極20、20Mの棒状部26を複数備えているが、棒状部26は、1個のみでもよい。例えば、浮遊電極20、20Mは、円柱状の棒状部26を軸線CL上に1個のみ備えても良い。
(2)シール部材80、80a、80c、80Mを形成する材料は、他の絶縁材料であってもよい。例えば、シール部材80、80a、80c、80Mは、シリコーンゴムとは異なる種類のゴムやエラストマーなどの樹脂材料で形成されても良い。また、シール部材80、80a、80c、80Mは、ガラスなどの無機材料であっても良い。この場合は、例えば、ガラスの粉末と、液体(例えば、水)と、を含むスラリーを内側絶縁体の外周面に塗布して外側絶縁体10内に挿入した後に、該スラリーを加熱・焼結することによって、シール部材が形成される。
(3)上記実施形態における各部の寸法は例示であり、上述した寸法に限られず、種々の寸法を適用可能である。
以上、実施形態、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した本発明の実施形態、変形例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
65…ガスケット、10…外側絶縁体、11…第1孔、12…第2孔、13…脚長部、15…第1段部、17…先端側胴部、18…後端側胴部、19…鍔部、20、20M…浮遊電極、24…第1板状部、24M…大径棒状部、25…第2板状部、25M…板状部、26…棒状部、27…先端面、30…接地電極、40、40b、40M…中心電極、41…キャップ装着部、42…鍔部、43、43b…大径脚部、43M…柱状脚部、44…小径脚部、44M…板状脚部、50…主体金具、51…工具係合部、52…取付ネジ部、53…加締部、54…座部、56…第2段部、57…先端部、58…圧縮変形部、66…リング部材、68…パッキン、69…タルク、70、70a、70c、70M…内側絶縁体、72、72M…溝部、74、74M…有底孔、75…凹部、75e…突部、80、80a、80e…シール部材、85…突部、85e…凹部、100、100a〜100e、100M…点火プラグ

Claims (5)

  1. 軸線方向の第1端側から第2端側に延びる軸孔を有する筒状の外側絶縁体と、
    前記軸孔の内部に配置され、前記第2端側に配置された底部を有する有底孔が形成された筒状の内側絶縁体と、
    前記外側絶縁体の外周に配置される主体金具と、
    前記内側絶縁体より前記第1端側に配置された部分と、前記内側絶縁体の前記有底孔の内部に配置された部分と、を有する第1の電極と、
    前記内側絶縁体より前記第2端側に配置された部分と、前記外側絶縁体の内周面と前記内側絶縁体の外周面との隙間に配置された部分と、を有する第2の電極とを備え、
    前記第1の電極と、前記第2の電極と、は絶縁されているとともに、前記第1の電極及び前記第2の電極と、前記主体金具と、は絶縁されている点火プラグであって、
    前記隙間のうち、前記第2の電極が配置された部分よりも前記第1端側の少なくとも一部に全周に亘って絶縁性のシール部材が充填されていることを特徴とする、点火プラグ。
  2. 請求項1に記載の点火プラグであって、
    前記シール部材のうち、前記第2電極の後端よりも後端側の部分の前記軸線方向の長さは、1mm以上である、点火プラグ。
  3. 請求項1または2に記載の点火プラグであって、
    前記内側絶縁体の外周面は、前記第2の電極より前記第1端側において、前記第2の電極の第1端側の端と、前記第1の電極のうちの前記内側絶縁体より前記第1の側に配置された部分の前記第2端側の端と、のうちの少なくとも一方よりも全周に亘って径方向外側に位置する部分を含む、点火プラグ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の点火プラグであって、
    全周に亘って前記シール部材が充填されている前記軸線方向の範囲において、前記内側絶縁体の外周面には、全周に亘って径方向外側に突出した凸部と、全周に亘って径方向内側に凹んだ凹部と、のうちの少なくとも一方が形成されている、点火プラグ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の点火プラグであって、
    前記第2の電極の前記第1端側の端から、前記内側絶縁体の前記第1端側の端までの距離は、10mm以下である、点火プラグ。
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