JP2018138789A - ピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】 横力が負荷されない場合の摺動抵抗が小さくなるとともに、横力が負荷された場合の摺動抵抗が大きくなるような摺動特性を実現できるピストンを提供する。【解決手段】 ピストンが環状のピストンバンド7を備え、ピストンバンド7が軸方向の一端部に形成されて外径が他の部分よりも大きい環状突部8を有するとともに、上記他の部分の外周には、周方向に沿う環状の浅溝9aと、当該浅溝9aよりも深く周方向に沿う環状の深溝9bが軸方向に交互に形成されている。【選択図】 図3

Description

本発明は、ピストンに関する。
従来、緩衝器等に利用されるピストンは、シリンダ内に摺動自在に挿入されて、シリンダ内を液体が貯留された伸側室と圧側室に区画する。このようなピストンの中には、ピストン本体と、ピストン本体の外周に装着されたピストンバンドとを備えて構成されて、ピストンバンドをシリンダの内周に摺接させたものがある(例えば、特許文献1)。
上記ピストンバンドは、PTFE(polytetrafluoroethylene)等の摺動性の高い材料で形成されており、当該ピストンバンドの利用によりピストンとシリンダとの間に生じる摩擦力を低減し、ピストンの摺動抵抗を低減できる。
例えば、特許文献1の図5に記載のピストンバンドの外周形状は、図4に示すようになっている。なお、図4では、従来のピストンバンド70の外周形状の特徴の理解を容易にするため、図中上下方向(ピストンの径方向)の倍率(拡大率)を左右方向(ピストンの軸方向)の倍率よりも高くして、外周面の凹凸形状を誇張して記載している。
図4から理解できるように、従来のピストンバンド70の外周には、軸方向の一端に他の部分よりも外径の大きい環状突部70aが形成されており、当該環状突部70a以外の部分の外周は、ゆるやかに起伏する。当該構成によれば、ピストンバンド70でピストンの良好な摺動性を確保できるとともに、環状突部70a、及びそれ以外の部分の***部70bによりシール作用を得られる。
特許第3680882号公報
一般的に、車両の車体と車軸との間に介装されて車体振動を抑制するのに利用される車両用の緩衝器では、横方向からの力(横力)を受けた場合に、当該横力をピストンで受ける構造となっている。近年、このような車両用の緩衝器では、横力が負荷された場合にピストンの摺動抵抗を大きくし、コーナリング等、車両旋回時における車体の傾きを抑制したいという市場の要求がある。
ピストンの摺動抵抗を大きくするには、ピストンとシリンダとの間に生じる摩擦力を大きくすればよい。しかし、従来のピストンで当該ピストンとシリンダとの間に生じる摩擦力を、緩衝器が所定の横力を受けた場合に適した摩擦力に合せて設定すると、図5中点線で示すように摩擦力が全体的に底上げされてしまう。
よって、従来のピストンでは、横力が負荷された場合のピストンの摩擦力を大きくした場合、横力が負荷されていない場合(横力がゼロの場合)のピストンの摩擦力が過大となってピストンの摺動抵抗が過大となり、車両の直進走行時における緩衝器の円滑な伸縮が妨げられて搭乗者にゴツゴツ感を知覚させ、乗り心地が悪いとの印象を与えかねない。そうかといって、車両の直進走行時に合せてピストンとシリンダとの間に生じる摩擦力を小さくしたのでは、車両旋回時にピストンの摺動抵抗が充分に大きくならず、車体の傾きを充分に抑制できない。
つまり、従来のピストンでは、図5中二点鎖線で示すように、横力がゼロの場合の摩擦力を小さくしつつ横力が負荷された場合の摩擦力を大きくするのが難しい。このため、従来のピストンでは、横力が負荷されない場合の摺動抵抗を小さく抑えるとともに、横力が負荷された場合の摺動抵抗を大きくするような摺動特性にするのが困難である。
そこで、本発明はこのような不具合を解決するために創案されたものであり、横力が負荷されない場合の摺動抵抗が小さくなるとともに、横力が負荷された場合の摺動抵抗が大きくなるような摺動特性を実現できるピストンの提供を目的とする。
前記課題を解決する本発明に係るピストンのピストンバンドは、軸方向の一端部に形成されて外径が他の部分よりも大きい環状突部を有し、前記他の部分の外周には、周方向に沿う環状の浅い溝と、前記浅い溝よりも深く周方向に沿う環状の深い溝が軸方向に交互に形成されている。当該構成によれば、ピストンに横力が負荷された場合とそうでない場合とで、ピストンの摺動抵抗の大きさの差を大きくできる。
また、前記ピストンでは、ピストンが緩衝器のシリンダ内に摺動自在に挿入されており、前記環状突部が前記シリンダに対して締め代を有し、前記他の部分の外径が前記シリンダの内径よりも小さく形成されているとよい。当該構成によれば、ピストンに横力が負荷されていない場合のピストンの摺動抵抗を確実に小さくできるので、ピストンの摺動特性を所望の摺動特性にし易い。
また、前記ピストンでは、前記ピストンバンドの内周に、ピストン本体の外周に形成された複数の環状凹部に嵌合する嵌合部を軸方向に複数形成するとよい。当該構成によれば、ピストン本体の外周にピストンバンドを容易に装着できる。
本発明のピストンによれば、横力が負荷されない場合の摺動抵抗が小さくなるとともに、横力が負荷された場合の摺動抵抗が大きくなるような摺動特性を実現できる。
本発明の一実施の形態に係るピストンを備えた緩衝器を部分的に切欠いて示した正面図である。 図1のピストンの一部を拡大して示した縦断面図である。 図1のピストンのピストンリングの一部を拡大し、外周の凹凸形状を誇張して示した縦断面図である。 従来のピストンのピストンリングの一部を拡大し、外周の凹凸形状を誇張して示した縦断面図である。 ピストンとシリンダとの間に生じる摩擦力と横力との関係を示した特性図である。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品を示す。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るピストン1は、緩衝器Dに利用されている。当該緩衝器Dは、車両用の緩衝器であり、車両(図示せず)における車体と車軸との間に介装されて車体振動を抑制する。
具体的に、緩衝器Dは、有底筒状のシリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されるピストン1と、先端がピストン1に連結されて末端がシリンダ2外へ突出するロッド3と、シリンダ2の開口端部に設けられてロッド3を摺動自在に軸支する環状のロッドガイド4と、シリンダ2内の反ロッド側に摺動自在に挿入されるフリーピストン5とを備える。
シリンダ2の底部とロッド3の末端(図示せず)には、それぞれ取付部材20が設けられる(シリンダ2に設けた取付部材20のみを図示し、ロッド3に設けた取付部材については図示せず)。そして、シリンダ2が取付部材20を介して車体と車軸の一方に連結されるとともに、ロッド3が取付部材(図示せず)を介して車体と車軸の他方に連結される。このため、車両が凹凸のある路面を走行する等すると、ロッド3がシリンダ2に出入りして緩衝器Dが伸縮し、減衰力を発揮する。
シリンダ2内は、ピストン1とフリーピストン5で軸方向に仕切られている。ピストン1で仕切られた二つの部屋には、それぞれ作動油等の液体が充填されている。これら二つの部屋のうち、緩衝器Dの伸長時にピストン1で圧縮される方の部屋が伸側室R1、緩衝器Dの収縮時にピストン1で圧縮される方の部屋が圧側室R2であり、伸側室R1がロッド3側に、圧側室R2がピストン1側に形成されている。
その一方、フリーピストン5は、シリンダ2内に気室Gを形成し、当該気室Gと圧側室R2とを区画する。気室Gには、高圧ガスが封入されている。当該構成によれば、シリンダ2に出入りしたロッド3の体積を気室Gで補償できる。また、上記構成によれば、気室Gの圧力でシリンダ2内の液体を加圧して液柱剛性を高め、減衰力発生応答性を向上できる。
つづいて、ロッド3は、先端と末端(図示せず)との間の中間部をロッドガイド4で支えられるとともに、先端部をピストン1で支えられた状態でシリンダ2に出入りする。当該構成により、緩衝器Dが横方向からの力(横力)を受けると、当該横力をロッドガイド4とピストン1で受けられる。
ロッドガイド4の内周には、環状のブッシュ40が嵌合されており、ロッドガイド4は当該ブッシュ40を介してロッド3を摺動自在に軸支する。また、ロッドガイド4には、環状のシール部材41が積層された状態で固定されており、当該シール部材41でロッド3の外周とシリンダ2の内周が液密にシールされ、シリンダ2内の液体が外方へ漏れるのを防ぐ。
シリンダ2内の伸側室R1と圧側室R2とを区画するピストン1は、ロッド3の先端部外周にナット30で固定された環状のピストン本体6と、ピストン本体6の外周に装着された環状のピストンバンド7とを備える。
ピストン本体6には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する伸側通路6aと圧側通路6bが形成されている。さらに、ピストン本体6の圧側室R2側には、伸側通路6aの出口を開閉する伸側バルブ60が積層され、ピストン本体6の伸側室R1側には、圧側通路6bの出口を開閉する圧側バルブ61が積層されている。
伸側バルブ60は、伸側通路6aを伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに逆向きの流れを阻止する。その一方、圧側バルブ61は、圧側通路6bを圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れに抵抗を与えるとともに逆向きの流れを阻止する。
上記構成によれば、緩衝器Dの伸長時に、ピストン1がシリンダ2内を図1中上方へ移動して伸側室R1を圧縮すると、当該伸側室R1の液体が伸側バルブ60を押し開き、伸側通路6aを通って圧側室R2へ移動する。伸側室R1から圧側室R2へ向かう液体の流れに対しては、伸側バルブ60により抵抗が与えられる。このため、緩衝器Dの伸長時には伸側室R1の圧力が上昇し、伸長作動を妨げる減衰力が発生する。
反対に、緩衝器Dの収縮時に、ピストン1がシリンダ2内を図1中下方へ移動して圧側室R2を圧縮すると、当該圧側室R2の液体が圧側バルブ61を押し開き、圧側通路6bを通って伸側室R1へ移動する。圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れに対しては、圧側バルブ61により抵抗が与えられる。このため、緩衝器Dの収縮時には圧側室R2の圧力が上昇し、収縮作動を妨げる減衰力が発生する。
つまり、本実施の形態において、減衰力を発生するための減衰力発生要素が伸側バルブ60と圧側バルブ61である。このため、緩衝器Dの伸長時と収縮時とで減衰力を個別に設定できる。また、本実施の形態では、伸側バルブ60と圧側バルブ61がリーフバルブであるので、緩衝器Dが軸方向に嵩張るのを防止できる。
しかし、減衰力発生要素の構成は、適宜変更できる。例えば、減衰力発生要素がリーフバルブ以外のバルブであってもよい。また、減衰力発生要素が伸側室R1と圧側室R2との間を移動する液体の双方向の流れを許容し、当該流れに抵抗を与えるオリフィスであってもよい。
つづいて、ピストン本体6の外周に装着されたピストンバンド7は、PTFE(polytetrafluoroethylene)等の合成樹脂で形成されている。そして、ピストンバンド7は、当該ピストンバンド7の成形時にピストン本体6に一体化される。
より詳しくは、図2に示すように、ピストン本体6の外周には、周方向に沿う環状凹部6cが軸方向に並んで複数形成されている。そして、ピストン本体6の外周に、後にピストンバンド7となる環板状の母材を装着し、加熱した金型内に押し込んだ後に冷却する。すると、加熱工程で上記母材がピストン本体6の外周形状に合せて筒状に変形し、その内周が各環状凹部6cに入り込む。このため、冷却工程を経てピストンバンド7の成形が完了すると、ピストンバンド7の内周に周方向に沿う環状の嵌合部7aが軸方向に並んで複数形成されるとともに、これらの嵌合部7aがピストン本体6の環状凹部6cにそれぞれ嵌合する。
その一方、ピストンバンド7の外周形状は、図3に示すようになっている。なお、図3では、図4と同様に、ピストンバンド7の外周形状の特徴の理解を容易にするため、図中上下方向(ピストン1の径方向)の倍率(拡大率)を左右方向(ピストン1の軸方向)の倍率よりも高くして、外周面の凹凸形状を誇張して記載している。そして、図3に示すピストンバンド7の左側が圧側室R2側、右側が伸側室R1側である。
図3から理解できるように、ピストンバンド7には、軸方向の一端部に他の部分の外径よりも外径の大きな環状突部8が形成されている。当該環状突部8の断面形状は、略角丸三角状であり、ピストン1の径方向外側へ突出した頂部8aから軸方向の両側(伸側室R1側と圧側室R2側)へ向かうに従って外径が徐々に小さくなっている。つまり、環状突部8における頂部8aの軸方向の両側に、それぞれ傾斜面8b,8cが形成されている。
また、無負荷状態では、環状突部8の頂部8aの外径がシリンダ2の内径よりも大きく、環状突部8はシリンダ2に対して所定の締め代を有する。その一方、ピストンバンド7における環状突部8以外の部分(上記他の部分)を小外径部9とすると、当該小外径部9の外径はシリンダ2の内径よりも小さい。このため、ピストン1がシリンダ2内に挿入された状態であって、横力が負荷されていない場合には、環状突部8のみがシリンダ2の内周に摺接する。
環状突部8の傾斜面8b,8cの傾斜角度は大きく、環状突部8とシリンダ2との接触部の面圧勾配(面圧の傾き)の絶対値が大きくなるように設定されており、ピストンバンド7によりピストン1とシリンダ2との間をシールする。よって、緩衝器Dの伸縮時に伸側室R1又は圧側室R2の圧力が上昇した場合、当該圧力がピストン1とシリンダ2との間から抜けるのを防止できる。
つづいて、小外径部9の外周には、ピストン1の周方向に沿う溝が軸方向に複数形成されている。溝は、深さに応じて二種類あり、以下、浅い方の溝を浅溝9a、深い方の溝を深溝9bとする。浅溝9aと深溝9bは、ピストン1の軸方向に交互に形成されている。
浅溝9aの断面形状は円弧又は台形に近いが深溝9bの断面形状は略V字状であり、浅溝9aは幅広で深さの浅い溝であるのに対し、深溝9bは幅狭で深さの深い溝である。また、谷状に窪む浅溝9aと深溝9bの間にできる***した部分をそれぞれ山部9cとすると、各山部9cの断面形状は略角丸三角状である。
以下、本実施の形態に係るピストン1の作動について説明する。
ピストン1に横力が負荷されていない場合(横力がゼロの場合)には、環状突部8のみがシリンダ2の内周に摺接するが、ピストン1に横力が負荷されると、環状突部8のみならず小外径部9もシリンダ2の内周に接触する。
そして、上記横力により小外径部9がシリンダ2に押し付けられると、山部9cでシリンダ2の内周に付着した液体を掻き切り、掻き落とされた液体が深溝9bへ逃げる。このため、ピストン1に横力が負荷された場合、横力が負荷されていない場合と比較してピストン1とシリンダ2との間に生じる摩擦力が大きくなり、ピストン1の摺動抵抗が大きくなる。
さらに、このように横力が負荷された場合のピストン1の摺動抵抗を大きくしたとしても、横力がゼロの場合には、小外径部9の山部9cがシリンダ2から離れている。このため、横力がゼロの場合には、ピストン1とシリンダ2との間に生じる摩擦力を小さく抑えられるので、ピストン1の摺動抵抗が過大になって、緩衝器Dの円滑な伸縮を妨げることがない。
以下、本実施の形態に係るピストン1の作用効果について説明する。
本実施の形態のピストン1は、ピストン本体6と、ピストン本体6の外周に装着された環状のピストンバンド7とを備える。そして、ピストンバンド7は、軸方向の一端部に形成されて外径が小外径部(他の部分)9よりも大きい環状突部8を有する。また、小外径部(他の部分)9の外周には、周方向に沿う環状の浅溝(浅い溝)9aと、浅溝9aよりも深く周方向に沿う環状の深溝(深い溝)9bが軸方向に交互に形成されている。
図4に示す従来のピストンバンド70のように、環状突部70a以外の部分の外周の起伏がゆるやかである場合、***部70bの頂部の曲率半径を小さくするのは難しい。これに対して、本実施の形態のピストン1では、小外径部9の外周に深溝9bを形成しているので、山部9cにおける深溝9b側の傾斜面の傾斜角度を大きくして山部9cの頂部の曲率半径を小さくできる。すると、ピストン1に横力が負荷されて山部9cがシリンダ2に押し付けられた場合、当該接触部での面圧のピークを急峻に立ち上げてシリンダ2の内周に付着する液体を掻き切れる。
よって、上記構成によれば、ピストン1に横力が負荷された場合とそうでない場合とで、ピストン1とシリンダ2との間に生じる摩擦力の差を大きくし、当該摩擦力の特性を図5中二点鎖線で示した目標の特性にできる。このため、本実施の形態のピストン1によれば、横力が負荷されない場合の摺動抵抗が小さくなるとともに、横力が負荷された場合の摺動抵抗が大きくなるような摺動特性を実現できる。
さらに、上記ピストン1を備えた緩衝器Dが車両に利用される場合には、車両の直進走行時におけるピストン1の摺動抵抗を小さく抑えられる。このため、車両の直進走行時にピストン1の摺動抵抗が過大となって緩衝器Dの円滑な伸縮を妨げることがなく、車両の乗り心地を良好にできる。その一方、車両の旋回時には、ピストン1の摺動抵抗を大きくして、車体の傾きを抑制できるので、優れた操縦安定性を得られる。
また、本実施の形態において、ピストン1は緩衝器Dのシリンダ2内に摺動自在に挿入されている。そして、環状突部8はシリンダ2に対して締め代を有するが、小外径部(他の部分)9の外径はシリンダ2の内径よりも小さく形成されている。このため、横力が負荷されていない場合におけるピストン1とシリンダ2との間に生じる摩擦力を確実に小さくして、ピストン1に横力が負荷された場合とそうでない場合とでの、ピストン1とシリンダ2との間に生じる摩擦力の差を一層大きくできる。このため、上記構成を備えたピストン1によれば、ピストン1の摺動特性を上記所望の摺動特性にし易い。
なお、横力がゼロの場合におけるピストン1とシリンダ2との間に生じる摩擦力を充分に小さくできれば、小外径部9の外径をシリンダ2の内径と同じか、それ以上に設定してもよい。また、本発明に係るピストンを備えた緩衝器を車両以外に利用してもよい。
また、本実施の形態のピストン1では、ピストン本体6の外周に周方向に沿う環状凹部6cが軸方向に複数形成されるとともに、ピストンバンド7の内周に環状凹部6cに嵌合する嵌合部7aが軸方向に複数形成されている。当該構成によれば、ピストン本体6の外周に、ピストンバンド7を容易に装着できる。しかし、ピストンバンド7の装着方法は上記の限りではなく、適宜変更できる。例えば、環状のピストンバンドの周方向の一部に割を設け、当該ピストンバンドを成形してから割を広げてピストン本体の外周に装着するとしてもよい。
さらに、本実施の形態において、本発明に係るピストンを利用する緩衝器Dは、片ロッド型の単筒型緩衝器であり、シリンダ2内に形成された気室Gでシリンダ2に出入りするロッド3の体積補償をできる。しかし、緩衝器の構成は上記の限りではなく、適宜変更できる。
例えば、内部に液体を貯留するリザーバでシリンダに出入りするロッドの体積補償をしてもよい。そして、この場合には、シリンダの外周に外筒を設け、当該シリンダと外筒との間に液体を貯留して緩衝器を複筒型にしてもよく、リザーバとシリンダと横並びに設けてもよい。また、緩衝器がリザーバを有して構成される場合には、液体がリザーバ、圧側室、及び伸側室を、この順に一方方向で循環するユニフロー型に設定されるとしてもよい。さらに、緩衝器が両ロッド型に設定されて、ロッドがピストンの両側からシリンダ外へ突出するとしてもよい。
そして、これらの変更は、小外径部9の外径、及び緩衝器の利用目的によらず可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、及び変更が可能である。
D・・・緩衝器、1・・・ピストン、2・・・シリンダ、6・・・ピストン本体、6c・・・環状凹部、7・・・ピストンバンド、7a・・・嵌合部、8・・・環状突部、9・・・小外径部(他の部分)、9a・・・浅溝(浅い溝)、9b・・・深溝(深い溝)

Claims (3)

  1. ピストン本体と、
    前記ピストン本体の外周に装着された環状のピストンバンドとを備え、
    前記ピストンバンドは、軸方向の一端部に形成されて外径が他の部分よりも大きい環状突部を有し、
    前記他の部分の外周には、周方向に沿う環状の浅い溝と、前記浅い溝よりも深く周方向に沿う環状の深い溝が軸方向に交互に形成されている
    ことを特徴とするピストン。
  2. 緩衝器のシリンダ内に摺動自在に挿入されており、
    前記環状突部は、前記シリンダに対して締め代を有し、
    前記他の部分の外径は、前記シリンダの内径よりも小さく形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 前記ピストン本体の外周には、周方向に沿う環状凹部が軸方向に複数形成されており、
    前記ピストンバンドの内周には、前記環状凹部に嵌合する嵌合部が軸方向に複数形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のピストン。
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