JP2018135793A - 火花点火式内燃機関 - Google Patents

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Mitsuaki Otomo
光彰 大友
鈴置 哲典
Tetsunori Suzuoki
哲典 鈴置
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Abstract

【課題】火花点火式内燃機関において、トルク変動の要因を簡易に特定し、その要因に応じた処理を行うことで、熱効率を低下させずにトルク変動の悪化を抑制する。【解決手段】トルクの変動が所定変動量より大きいトルク変動限界の状態であり(S104:Yes)、かつ、強いノックが発生している強ノック発生の状態である(S106:Yes)場合には、内燃機関の点火プラグの火花が吹き消えていると判定し(S108)、火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行う(S112)。トルク変動限界の状態であり(S104:Yes)、かつ、強ノック発生の状態ではない(S106:No)場合には、内燃機関の燃焼期間が長期化していると判定し(S110)、燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う(S114)。【選択図】図6

Description

本発明は、火花点火式内燃機関の制御に関する。
高A/F(空燃比)や高EGR(排気ガス再循環)率で燃焼を行う火花点火式内燃機関は、燃焼変動が大きくなることが知られている。燃焼変動が大きくなる(悪化する)と、トルク変動が大きくなる(悪化する)。従来から、その場合には、A/Fを低下させたり、EGR率を低下させることで、それを抑制できることが知られている。
燃焼変動の要因の1つとして火花の吹き消えによる失火がある。失火の有無の判定方法として、内燃機関の回転速度変動量に基づいて判定する方法が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
特許第2982381号公報 特開2009−138663号公報
ところで、燃焼変動の要因(トルク変動の要因)を特定しなくても、一律に、A/Fを低下させたり、EGR率を低下させることで、燃焼変動の悪化を抑制することはできる。しかし、その対処では熱効率が低下してしまう問題がある。
そこで、本発明の目的は、燃焼変動の要因(トルク変動の要因)を簡易に特定し、その要因に応じた処理を行うことで、熱効率を低下させずに燃焼変動の悪化(トルク変動の悪化)を抑制することである。
本発明に係る火花点火式内燃機関は、上記の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る火花点火式内燃機関は、火花点火式内燃機関であって、前記内燃機関におけるトルクの変動を検出するトルク変動検出手段と、前記内燃機関におけるノックの発生を検出するノック検出手段と、前記内燃機関における前記トルクの変動を抑制する制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記トルクの変動が所定変動量より大きいトルク変動悪化状態であり、かつ、前記ノックが発生しているノック発生状態である場合には、前記内燃機関の火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行い、前記トルク変動悪化状態であり、かつ、前記ノック発生状態ではない場合には、前記内燃機関の燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う、ことを要旨とする。
本発明の一態様では、前記ノック検出手段は、気筒毎に前記ノックの発生を検出し、前記制御手段は、気筒毎に前記ノック発生状態に応じて前記吹き消え抑制制御を行う、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記ノック検出手段は、気筒内の圧力を検出する筒内圧センサであり、前記制御手段は、前記気筒内の圧力から抽出された高周波の圧力振動成分が、前記内燃機関の回転数、及び、トルクの少なくとも1つに応じて予め定められた値を超えた場合に、前記ノック発生状態と判断する、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記ノック検出手段は、ノックの強度を検出するノックセンサであり、前記制御手段は、前記ノックの強度が前記内燃機関の回転数、及び、トルクの少なくとも1つに応じて予め定められた強度を超えた場合に、前記ノック発生状態と判断する、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記制御手段は、前記吹き消え抑制制御を、気筒内の気流を低下させるように気流調整弁を制御することで行う、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記制御手段は、前記燃焼期間短縮制御を、気筒内の気流を強めるように気流調整弁を制御することで行う、ことが好適である。
本発明の一態様では、前記制御手段は、前記燃焼期間短縮制御を、気筒内のガス温度を上昇させるように吸気バルブのタイミングを制御することで行う、ことが好適である。
また、本発明に係る火花点火式内燃機関は、火花点火式内燃機関であって、前記内燃機関におけるトルクの変動を検出するトルク変動検出手段と、前記内燃機関の気筒内の圧力を検出する圧力検出手段と、前記内燃機関における前記トルクの変動を抑制する制御を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記トルクの変動が所定変動量より大きいトルク変動悪化状態であり、かつ、前記内燃機関の前記気筒内の最大圧力が予め定められた圧力を超えている高圧力状態である場合には、前記内燃機関の火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行い、前記トルク変動悪化状態であり、かつ、前記高圧力状態ではない場合には、前記内燃機関の燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う、ことを要旨とする。
本発明によれば、ノックの発生、或いは、気筒内の最大圧力から、トルク変動の要因を簡易に特定することができ、その要因に応じて処理を行うため、熱効率を低下させずにトルク変動の悪化を抑制することができる。
本発明の実施形態における火花点火式内燃機関の気筒の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態における火花点火式内燃機関の各気筒周辺の配管の一例を示す概略断面図である。 火花の吹き消え(失火)発生による燃焼変動悪化時の複数サイクルの筒内圧力履歴の一例を示す図である。 図3の複数サイクルの筒内圧力の時間変化を示す図である。 燃焼期間の長期化による燃焼変動悪化時の複数サイクルの筒内圧力履歴の一例を示す図である。 本発明の実施形態におけるトルク変動の悪化を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態におけるトルク変動の悪化を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態におけるトルク変動の悪化を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の火花点火式内燃機関の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態における火花点火式内燃機関100の気筒の一例を示す概略断面図である。本実施形態の火花点火式内燃機関100は、4つの気筒からなる4気筒エンジンである。しかし、火花点火式内燃機関100は6気筒エンジン等であっても良く、気筒の数は4つに限られない。以下、適宜、火花点火式内燃機関100を、単に内燃機関100と言う。
図1に示すように、内燃機関100は、シリンダブロック40と、シリンダブロック40の上部に固定されたシリンダヘッド41とから構成されるシリンダ42を備えており、シリンダ42によって4つの気筒10が形成されている。図1では、4つの気筒のうちの1つの気筒が図示されている。
気筒10には、ピストン50が往復動可能に収納され、シリンダブロック40、シリンダヘッド41およびピストン50によって、各気筒10の燃焼室43が形成されている。内燃機関100は、ピストン50が2往復する間に吸気行程、圧縮行程、燃焼行程および排気行程からなる一連の4行程を行うようになっている。一連の4行程により1サイクルが構成される。
気筒10に収納されたピストン50は、コネクティングロッド51を介して不図示のクランクシャフトに連結されている。コネクティングロッド51は、ピストン50の往復動をクランクシャフトの回転運動に変換するようになっている。
図1に示すように、シリンダヘッド41には、燃焼室43に連通する吸気ポート60、及び、燃焼室43に連通する排気ポート62が形成されている。さらに、吸気ポート60と燃焼室43との境界を開閉する吸気バルブ64、及び、排気ポート62と燃焼室43との境界を開閉する排気バルブ66が設けられている。吸気ポート60にはインジェクタ56と気流調整弁58が設けられている。インジェクタ56は、燃料(例えばガソリン等の炭化水素系燃料)を噴射する。気流調整弁58は、スワールコントロールバルブ、或いは、タンブルコントロールバルブであり、気流の強弱を調整できるようになっている。インジェクタ56から吸気ポート60内に燃料が噴射され、吸気行程にて燃料と空気の混合気が燃焼室43内に導入される。
シリンダヘッド41には、点火プラグ46がその火花放電部分を燃焼室43内に臨ませて配置されており、点火時期にて点火プラグ46の火花放電により燃焼室43内の混合気に点火することで、燃焼室43内の混合気を火炎伝播燃焼させる。それにより、ピストン50を往復動させ、コネクティングロッド51を介してクランクシャフトを回転させる。燃焼室43内の燃焼ガスは、排気行程にて排気ポート62へ排出される。
内燃機関100は、ECU90と、内燃機関100のトルクを検出するトルクセンサ30と、気筒10内(燃焼室43)の圧力を検出する筒内圧センサ34とを備えている。筒内圧センサ34は、気筒10毎に設けられており、各気筒10内の圧力を検出する。ECU90は、点火プラグ46、インジェクタ56、気流調整弁58、吸気バルブ64、及び、排気バルブ66等を制御する。ECU90には、トルクセンサ30と筒内圧センサ34との検出値が入力されている。
図2は、本実施形態における内燃機関100の各気筒周辺の配管の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、内燃機関100は、車外から流入した空気が導かれる吸気管13と、吸気管13と各気筒10−1〜10−4の吸気ポート60とを接続する吸気マニホールド15と、各気筒10−1〜10−4の排気ポート62と排気管19とを接続する排気マニホールド18と、排気ガスを車外に排出する排気管19とを備えている。
吸気管13は吸気マニホールド15と接続され、吸気マニホールド15は各気筒10−1〜10−4の吸気ポート60と接続されていることで、車外から流入した空気が各気筒10−1〜10−4の吸気ポート60へ導かれるようになっている。各気筒10−1〜10−4の排気ポート62は排気マニホールド18と接続され、排気マニホールド18は排気管19と接続されていることで、各気筒10−1〜10−4の燃焼室の中で混合気の燃焼によって発生した排気ガスが、各気筒10−1〜10−4の排気ポート62から排気管19を通って車外に排出されるようになっている。
吸気管13には、各気筒10の燃焼室に導入される空気の流量を調整するためのスロットル弁12が設けられている。スロットル弁12は、ECU90によって制御可能となっている。排気管19には、空燃比センサ36と、触媒20とが設けられている。空燃比センサ36は、各気筒10の燃焼室における混合気中の燃料の量に対する空気の量の比を表す空燃比(A/F)を検出する。触媒20は、排気ガス中の有害物質を酸化還元浄化するためのものである。空燃比センサ36の検出値はECU90に入力されている。ECU90は、空燃比センサ36の検出値を目標値にするように、各気筒10のインジェクタ56の燃料噴射量、及び、スロットル弁12等を制御することで、各気筒10内の空燃比をフィードバック制御する。
内燃機関100は、排気管19内を流れる排気ガスの一部を吸気管13内に還流させて、各気筒10の燃焼室に供給するためのEGR(排気ガス再循環)装置21を備えている。EGR装置21は、吸気管13と排気管19とを接続し、内部にEGR通路25が形成されたEGR管22を備えている。EGR管22には、EGR通路25を流れる排気ガス(EGRガス)を冷却するためのEGRクーラ23と、EGR弁24とが設けられている。EGR弁24は、ECU90によって制御可能となっている。ECU90は、EGR弁24を制御することにより、吸気マニホールド15内に導入されるEGRガスの量を調整する。
内燃機関100は、トルクセンサ30と、内燃機関100で発生するノックの強度を検出するノックセンサ32とが設けられている。それらの検出値はECU90に入力されている。
本実施形態の火花点火式内燃機関100は、ECU90が各気筒10のインジェクタ56の燃料噴射量やスロットル弁12等を制御して高い空燃比(A/F)で運転を行う、又は、ECU90がEGR弁24等を制御して高いEGR率で運転を行うものである。このように、高A/Fまたは高EGR率で運転を行うことにより、熱効率を高くでき燃費が向上する。また、NOx(窒素酸化物)等の有害物質の発生を低減することができる。
一方、内燃機関100を高A/Fまたは高EGR率で運転すると、燃焼変動が大きくなり、トルク変動が大きくなる(燃焼変動が悪化し、トルク変動が悪化する)。燃焼変動の悪化は、その要因を特定しなくても、一律に、A/Fを低下させたりEGR率を低下させることで抑制することはできる。しかし、その場合には、熱効率が低下してしまう。また、有害物質の発生を低減できる効果も薄くなる。そこで、本実施形態の内燃機関100は、燃焼変動(トルク変動)の悪化の要因を特定し、その要因に応じた処理を行うことで、熱効率を低下させずに燃焼変動の悪化を抑制する。
燃焼変動の悪化の要因は,大きく分けて2つ考えられる。要因の1つは,高A/Fや高EGR率における燃焼のため、燃焼速度が低下し、燃焼期間が長期化した結果、各サイクルでの燃焼がばらつき、燃焼変動が増加することである。燃焼速度を高めるために、気流調整弁58によって高スワールや高タンブル等の高気流化を実施しているが、それでも燃焼速度が低く、燃焼期間が長期化する場合がある。要因のもう1つは、高気流化を実施した結果、点火プラグ46の火花が気流によって吹き消される(失火する)ことで、燃焼変動が増加することである。
点火プラグ46の火花が気流によって吹き消され、失火が起こっている場合には、気筒10の筒内(燃焼室43)に未燃ガスがそのまま残留ガスとして残存してしまうため、次のサイクルでは筒内に存在する燃料の量が増加し、かつ、既燃ガスによる希釈量が低下するため、強いノックを発生しやすい。
図3は、火花の吹き消え(失火)発生による燃焼変動悪化時の複数サイクルの筒内圧力履歴の一例を示す図である。図3には、1サイクルの内の圧縮行程から膨張行程までのクランク角における筒内圧力が示されている。図3に示すように、吹き消えによる失火が発生しているサイクル(筒内圧力が膨張行程付近で著しく低下しているサイクル)の他に、強いノックが発生しているサイクル(筒内圧力が著しく高くなっているサイクル)が存在する。図4は、図3の複数サイクルの筒内圧力の時間変化を示す図である。図4には、一連の4行程(吸気、圧縮、膨張、排気)のクランク角における筒内圧力(1サイクル分の筒内圧力)が8サイクル分だけ示されている。図4に示すように、吹き消え(失火)が発生した次のサイクルでノックが発生している。その後、複数回吹き消えとノックを繰り返したのちに、通常燃焼に戻っている。吹き消えが発生すると、筒内のガスがほとんど燃えず、次のサイクルまで未燃ガスの一部が筒内に残留し、次のサイクルでは筒内の燃料量が多くなる。また、次のサイクルまで筒内に残るガスには既燃ガスがほとんど含まれないため,希釈ガス量も少なくなる。そのために、次のサイクルで強いノックが発生している。
このように、火花の吹き消え(失火)発生によって燃焼変動が悪化している際には、強いノックが発生する。このことから、燃焼変動が悪化している際に強いノックが発生している場合には、点火プラグ46の火花が気流によって吹き消されたと判定することができる。すなわち、燃焼変動が悪化している際に強いノックが発生している場合には、燃焼変動の悪化の要因は「失火」であると特定することができる。
一方、燃焼期間が長期化している場合には,サイクル間のばらつきは大きいものの、気筒10の筒内(燃焼室43)のガスの一部は燃焼しているため、次のサイクルへの残存燃料量は少なく、かつ、既燃ガスが存在するため,火花の吹き消え(失火)のようなノックは発生しにくい。図5は、燃焼期間の長期化による燃焼変動悪化時の複数サイクルの筒内圧力履歴の一例を示す図である。図5には、1サイクルの内の圧縮行程から膨張行程までのクランク角における筒内圧力が示されている。図5に示すように、燃焼期間の長期化による燃焼変動悪化時は、各サイクルでの圧力履歴に差はあるものの、完全に失火しているサイクル(筒内圧力が膨張行程付近で著しく低下しているサイクル)はない。また、次のサイクルまで残留する未燃ガスは少なく、残留する既燃ガスが多いため、ノックは発生していない(筒内圧力が著しく高くなっているサイクルがない)。
このように、燃焼期間の長期化によって燃焼変動が悪化している際には、強いノックは発生しない。このことから、燃焼変動が悪化している際に強いノックが発生していない場合には、燃焼期間が長期化していると判定することができる。すなわち、燃焼変動が悪化している際に強いノックが発生していない場合には,燃焼変動の悪化の要因は「燃焼期間の長期化」であると特定することができる。
本実施形態の内燃機関100は、以上説明した強いノックが発生しているか否かにより燃焼変動(トルク変動)の悪化の要因を特定し、その要因に応じた処理を行うことで、燃焼変動の悪化を抑制する。
次に、本実施形態の内燃機関100における燃焼変動(トルク変動)の悪化を抑制するための具体的な処理について説明する。図6は、本実施形態の内燃機関100におけるトルク変動の悪化を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。図6のフローは、ECU90(制御手段)によって実行される。図6のフローは、アクセル開度や内燃機関100の回転数等が変わったタイミングで実行されるものである。
図6に示すように、まずS100で、ECU90にアクセル開度や内燃機関100の回転数等の情報が入力される。そして、S102で、ECU90は、S100で入力されたアクセル開度や内燃機関100の回転数等の情報に基づいて、点火プラグ46の点火タイミング、インジェクタ56の燃料噴射量、吸気バルブ64および排気バルブ66の開閉タイミング等を調整し、内燃機関100を運転させる。
次に、S104で、ECU90は、内燃機関100のトルクの変動が予め定められた変動量(所定変動量)より大きいトルク変動限界の状態であるかを確認する。「トルク変動限界の状態」は、「トルク変動悪化状態」と言うこともできる。ここで、トルクの変動を検出するための手段(トルク変動検出手段)は、例えば、トルクセンサ30である。トルクセンサ30によって各サイクルのトルク値を取得し、サイクル間のトルク値の差を「トルクの変動(量)」とすることができる(例えば、トルクセンサ30によって、連続する10サイクルの10個のトルク値を取得し、そのうちの最小トルク値と最大トルク値との差を「トルクの変動(量)」とすることができる)。なお、気筒10に設けられた筒内圧センサ34によって各サイクルの筒内圧を取得し、サイクル間の筒内圧の差からサイクル間のトルク値の差を推定する等して、トルクの変動(量)を検出しても良い。すなわち、トルク変動検出手段として筒内圧センサ34を用いても良い。ECU90は、トルクの変動(量)と、予め定められた変動量とを比較することで、トルク変動限界の状態にあるかを確認する。
S104で、トルクの変動が予め定められた変動量以下の場合、すなわち、トルク変動限界の状態では無い場合(S104:No)には、図6のフローを終了する。一方、トルクの変動が予め定められた変動量より大きい場合、すなわち、トルク変動限界の状態である場合(S104:Yes)には、S106に進む。
S106で、ECU90は、強いノックが発生している強ノック発生の状態であるかを確認する。「強ノック発生の状態」は、単に「ノック発生状態」と言うこともできる。ノックの発生を検出するための手段(ノック検出手段)は、例えば、ノックセンサ32である。ノックセンサ32は、ノックの強度を検出し、その検出値をECU90に出力する。ECU90は、入力されたノックの強度が、予め定められた強度を超えている場合に、強ノック発生の状態と判断する。ここで、予め定められた強度は、内燃機関100の回転数又はトルク、或いは、それらの両方に基づいて変更するものであっても良い。例えば、回転数およびトルクが高くなる程、高い強度が設定されたテーブルを予め用意しておき、S106の時点における回転数およびトルクに対応する強度をテーブルから読み出し、それを「予め定められた強度」として用いる。
S106で、強ノック発生の状態である場合(S106:Yes)には、ECU90は、点火プラグ46の火花が吹き消えている(失火している)と判定する(S108)。すなわち、トルク変動(燃焼変動)の悪化の要因は「失火」であると特定する。そして、S112で、ECU90は、火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行う。「吹き消え抑制制御」は、「吹き消え回避制御」と言うこともできる。吹き消え抑制制御は、例えば、ECU90が、気流調整弁58(スワールコントロールバルブ或いはタンブルコントロールバルブ)を気筒10内の気流を低下させるように制御するものである。また、内燃機関100に油圧式の吸気バルブ64が用いられている場合には、吸気バルブ64の開閉期間を変更することが可能であるため、吹き消え抑制制御は、ECU90が吸気バルブ64の閉じている期間を長くするように吸気バルブ64を制御するものであっても良い。それにより、単位時間当たりの気筒10内への気流の量を低下させ、気筒10内の気流を低下させることができる。
一方、S106で、強ノック発生の状態では無い場合(S106:No)には、ECU90は、燃焼期間が長期化していると判定する(S110)。すなわち、トルク変動(燃焼変動)の悪化の要因は「燃焼期間の長期化」であると特定する。そして、S114で、ECU90は、燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う。燃焼期間短縮制御は、例えば、ECU90が、気流調整弁58を気筒10内の気流を強めるように制御するものである。また、燃焼期間短縮制御は、ECU90が気筒10内のガス温度を上昇させるように吸気バルブ64のタイミングを制御するものであっても良い。具体的には、ECU90は、吸気バルブ64を開くタイミングを早める(筒内にガスを入れるタイミングを早める)ように制御する。
S112の吹き消え抑制制御、或いは、S114の燃焼期間短縮制御を行った後は、再びS104に戻り、内燃機関100のトルクの変動が、まだトルク変動限界の状態にあるかを確認する。そして、トルク変動限界の状態である場合(S104:Yes)には、再びS106以降の処理を行う。すなわち、トルク変動の悪化が抑制されるまで、吹き消え抑制制御(S112)或いは燃焼期間短縮制御(S114)を継続する。
以上説明した本実施形態の火花点火式内燃機関100によれば、強いノックが発生しているか否かにより、トルク変動(燃焼変動)の要因が、「失火」なのか、「燃焼期間の長期化」なのかを簡易に特定することができる。そして、その要因に応じた処理が行われるため、的確にトルク変動の悪化を抑制することができる。また、トルク変動(燃焼変動)を抑制するために、A/Fを低下させたりEGR率を低下させることが無いため、熱効率が低下しない。なお、以上説明した本実施形態の内燃機関100では、「強いノックが発生している」か否かを判定したが、単に「ノックが発生している」か否かを判定して制御を行うものであっても良い。
以上説明した実施形態の内燃機関100は、ノックセンサ32によって内燃機関100全体で、すなわち、複数の気筒10まとめて強いノックの発生有無を確認し、複数の気筒10まとめて吹き消え抑制制御を行った。しかし、気筒10毎に強いノックの発生有無を確認し、気筒10毎に吹き消え抑制制御を行っても良い。図7は、その場合のトルク変動の悪化を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。図7のフローの各ステップのうち、図6のフローの各ステップと異なるのはS206,S208,S212であるため、それらのステップについて中心に説明し、それ以外のステップについては説明を省略するか、或いは、詳細に説明しない。
図7に示すように、S206で、ECU90は、気筒10毎に強いノックが発生しているか(強ノック発生の状態であるか)を確認する。S206におけるノックの発生を検出するための手段(ノック検出手段)は、例えば、気筒10毎に設けられた筒内圧センサ34である。各気筒10の筒内圧センサ34は、気筒10内の圧力を検出し、その検出値をECU90に出力する。ECU90は、入力された各気筒10の圧力の値に対して、ハイパスフィルタ等を用いて高周波の圧力振動成分を抽出する。そして、その高周波の圧力振動成分が、予め定められた値を超えている場合に、強ノック発生の状態と判断する。ECU90は、これを各気筒10の圧力毎に行う。ここで、予め定められた値は、内燃機関100の回転数又はトルク、或いは、それらの両方に基づいて変更するものであっても良い。例えば、回転数およびトルクが高くなる程、高い値が設定されたテーブルを予め用意しておき、S206の時点における回転数およびトルクに対応する値をテーブルから読み出し、それを「予め定められた値」として用いる。
S206で、強ノック発生の状態の気筒10が1つでもある場合(S206:Yes)には、S208に進む。S208で、ECU90は、強ノック発生の状態の気筒10において点火プラグ46の火花が吹き消えている(失火している)と判定する。そして、S212で、ECU90は、強ノック発生の状態の気筒10のみに対して、火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行う。すなわち、例えば、ECU90が、強いノックが発生している気筒10の気流調整弁58を、その気筒10内の気流を低下させるように制御する。一方、強ノック発生の状態の気筒10が1つも無い場合(S206:No)には、S210に進む。S210で、ECU90は、燃焼期間が長期化していると判定し、S214で、ECU90は、燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う。
以上説明したように、筒内圧センサ34を用いて気筒10毎に強いノックの発生有無を検出すれば、気筒10毎に失火が起きているかを判定でき、失火が起きている気筒10に対してのみ吹き消え抑制制御を行うことができる。従来技術である特許文献1,2のように、失火の有無を内燃機関の回転速度変動量に基づいて判定した場合には、内燃機関の運転状態によっては失火の検出精度に問題があり、どの気筒で失火が発生しているか判定できず、気筒毎に制御をすることは不可能である。しかし、以上説明した実施形態によれば、的確に失火を検出することができ、気筒10毎に失火の有無を特定し、気筒10毎に制御することが可能である。
以上説明した実施形態の内燃機関100は、強いノックの発生有無によってトルク変動の要因を特定した。しかし、図3および図4から分かるように、ノックの発生時は気筒10内の最大圧力が高くなるため、ノックの発生有無の代わりに、最大圧力の値を用いてトルク変動の要因を特定しても良い。図8は、その場合のトルク変動の悪化を抑制する制御の流れを示すフローチャートである。図8のフローの各ステップのうち、図6のフローの各ステップと異なるのはS306であるため、そのステップについて中心に説明し、それ以外のステップについては説明を省略するか、或いは、詳細に説明しない。
図8に示すように、S306で、ECU90は、気筒10内の最大圧力が予め定められた圧力(規定値)を超えている高圧力状態であるかを確認する。気筒10内の圧力は、例えば、筒内圧センサ34によって取得する(圧力検出手段は、筒内圧センサ34である)。気筒10内の最大圧力は、例えば、連続する10サイクルにおける気筒10内の最大の圧力値とすることができる。複数の気筒10がある場合には、気筒10毎の最大圧力のうち、最大の値をS306の最大圧力として用いてもよい。
S306で、気筒10内の最大圧力が予め定められた圧力を超えている高圧力状態である場合(S306:Yes)には、S308に進む。S308で、ECU90は、点火プラグ46の火花が吹き消えている(失火している)と判定し、S312で、ECU90は、吹き消え抑制制御を行う。一方、S306で、気筒10内の最大圧力が予め定められた圧力を超えていない(高圧力状態ではない)場合(S306:No)には、S310に進む。S310で、ECU90は、燃焼期間が長期化していると判定し、S314で、ECU90は、燃焼期間短縮制御を行う。
なお、S306で、ECU90は、気筒10毎に設けられた筒内圧センサ34を用いて、気筒10毎に、気筒10内の最大圧力が予め定められた圧力を超えている高圧力状態であるかを確認しても良い。そして、S308で、ECU90は、高圧力状態である気筒10において点火プラグ46の火花が吹き消えている(失火している)と判定し、S312で、ECU90は、高圧力状態である気筒10のみに対して、吹き消え抑制制御を行っても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10,10−1,10−2,10−3,10−4 気筒、12 スロットル弁、13 吸気管、15 吸気マニホールド、18 排気マニホールド、19 排気管、20 触媒、21 EGR装置、22 EGR管、23 EGRクーラ、24 EGR弁、25 EGR通路、30 トルクセンサ、32 ノックセンサ、34 筒内圧センサ、36 空燃比センサ、40 シリンダブロック、41 シリンダヘッド、42 シリンダ、43 燃焼室、46 点火プラグ、50 ピストン、51 コネクティングロッド、56 インジェクタ、58 気流調整弁、60 吸気ポート、62 排気ポート、64 吸気バルブ、66 排気バルブ、90 ECU、100 火花点火式内燃機関。

Claims (8)

  1. 火花点火式内燃機関であって、
    前記内燃機関におけるトルクの変動を検出するトルク変動検出手段と、
    前記内燃機関におけるノックの発生を検出するノック検出手段と、
    前記内燃機関における前記トルクの変動を抑制する制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記トルクの変動が所定変動量より大きいトルク変動悪化状態であり、かつ、前記ノックが発生しているノック発生状態である場合には、前記内燃機関の火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行い、
    前記トルク変動悪化状態であり、かつ、前記ノック発生状態ではない場合には、前記内燃機関の燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う、火花点火式内燃機関。
  2. 請求項1に記載の火花点火式内燃機関であって、
    前記ノック検出手段は、気筒毎に前記ノックの発生を検出し、
    前記制御手段は、気筒毎に前記ノック発生状態に応じて前記吹き消え抑制制御を行う、火花点火式内燃機関。
  3. 請求項1または2に記載の火花点火式内燃機関であって、
    前記ノック検出手段は、気筒内の圧力を検出する筒内圧センサであり、
    前記制御手段は、前記気筒内の圧力から抽出された高周波の圧力振動成分が、前記内燃機関の回転数、及び、トルクの少なくとも1つに応じて予め定められた値を超えた場合に、前記ノック発生状態と判断する、火花点火式内燃機関。
  4. 請求項1に記載の火花点火式内燃機関であって、
    前記ノック検出手段は、ノックの強度を検出するノックセンサであり、
    前記制御手段は、前記ノックの強度が前記内燃機関の回転数、及び、トルクの少なくとも1つに応じて予め定められた強度を超えた場合に、前記ノック発生状態と判断する、火花点火式内燃機関。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の火花点火式内燃機関であって、
    前記制御手段は、前記吹き消え抑制制御を、気筒内の気流を低下させるように気流調整弁を制御することで行う、火花点火式内燃機関。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の火花点火式内燃機関であって、
    前記制御手段は、前記燃焼期間短縮制御を、気筒内の気流を強めるように気流調整弁を制御することで行う、火花点火式内燃機関。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の火花点火式内燃機関であって、
    前記制御手段は、前記燃焼期間短縮制御を、気筒内のガス温度を上昇させるように吸気バルブのタイミングを制御することで行う、火花点火式内燃機関。
  8. 火花点火式内燃機関であって、
    前記内燃機関におけるトルクの変動を検出するトルク変動検出手段と、
    前記内燃機関の気筒内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記内燃機関における前記トルクの変動を抑制する制御を行う制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記トルクの変動が所定変動量より大きいトルク変動悪化状態であり、かつ、前記内燃機関における前記気筒内の最大圧力が予め定められた圧力を超えている高圧力状態である場合には、前記内燃機関の火花が吹き消えることを抑制する吹き消え抑制制御を行い、
    前記トルク変動悪化状態であり、かつ、前記高圧力状態ではない場合には、前記内燃機関の燃焼期間を短縮させる燃焼期間短縮制御を行う、火花点火式内燃機関。
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