JP2018130902A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体に対する適正な印刷条件を効率的に設定し、印刷装置の生産性を高めること。【解決手段】記録媒体繰出し部14と、記録媒体繰出し部14から繰出されたシート13を巻き取る記録媒体巻取り部17と、記録媒体繰出し部14と記録媒体巻取り部17との間に配置され、シート13にインクを吐出するヘッドユニット8と、シート13の搬送経路において、記録媒体繰出し部14と記録媒体巻取り部17との間に配置された接触角測定部50と、判定部41と、を備え、接触角測定部50は、テスト液吐出部51と、シート13上に着弾したテスト液のシート13に対する接触角を測定する測定部52と、を有し、判定部41は、接触角測定部50の測定結果に応じて、シート13の使用の可否を判定することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置に関する。
従来からインクなどの液体を記録媒体に対して吐出する液体吐出装置(印刷装置)が使用されている(例えば、特許文献1)。このような印刷装置においては、多種多様な記録媒体に対して印刷が行えることが望ましい。しかしながら、実際には世の中にある全ての種類の記録媒体に一定の印刷品質を保ちつつ印刷を行うことは難しく、専用の記録媒体を使用する、又は使用可能な記録媒体を限定する、といったことを行っている。さらに、使用可能な記録媒体について、一定の印刷品質で印刷可能な印刷モードで印刷するために、あらかじめ試し印刷を繰り返し、最適な印刷モードを設定する必要がある。さらに、同様の試し印刷を繰り返し、使用可能な記録媒体を選別する必要がある。
特開2013−35184号公報
ところが、試し印刷を繰り返し最適な印刷モードを設定する場合や、試し印刷を繰り返し使用可能な記録媒体を選別する場合、色々な条件で試し印刷を行う必要があるので長時間必要となり、印刷を開始するまでの期間が長くなり、印刷装置の生産性が低下するという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る印刷装置は、記録媒体繰出し部と、前記記録媒体繰出し部から繰出された記録媒体を巻き取る記録媒体巻取り部と、前記記録媒体繰出し部と前記記録媒体巻取り部との間に配置され、前記記録媒体にインクを吐出する記録部と、前記記録媒体の搬送経路において、前記記録媒体繰出し部と前記記録媒体巻取り部との間に配置された接触角測定部と、判定部と、を備え、前記接触角測定部は、テスト液吐出部と、前記記録媒体上に着弾したテスト液の前記記録媒体に対する接触角を測定する測定部と、を有し、前記判定部は、前記接触角測定部の測定結果に応じて、前記記録媒体の使用の可否を判定することを特徴とする。
接触角測定部が印刷装置の中に組み込まれ、インライン方式で接触角を測定するので、オフライン方式で接触角を測定する場合と比べて、接触角を短時間で効率的に取得することができる。
接触角は、インクの記録媒体に対する濡れ広がり性を評価するパラメーターである。インクの記録媒体に対する濡れ広がり性が悪いと、インクは記録媒体によってはじかれ、適正な印刷を行うことが難しい。適正なインクの記録媒体に対する濡れ広がり性を有すると、インクは記録媒体に適度になじみ、適正な印刷を行うことができる。すなわち、接触角によって、記録媒体の使用の可否を判定することができる。
本実施形形態に係る印刷装置は、インライン方式により短時間で効率的に接触角を取得し、接触角から記録媒体の使用の可否を判定することができるので、例えば試し印刷を繰り返し、試行錯誤的に記録媒体の使用の可否を判定する場合と比べて、記録媒体の使用の可否を判定するための期間(装置を停止する期間)が短くなり、印刷装置の生産性を高めることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の印刷装置では、前記判定部が前記記録媒体を使用可能と判定した場合、前記接触角測定部の測定結果に応じて印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を行うことが好ましい。
判定部が、接触角測定部の測定結果(接触角)に応じて印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を行うと、試し印刷を繰り返し、試行錯誤的に印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を行う場合と比べて、印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を行う期間(装置を停止する期間)が短くなり、印刷装置の生産性を高めることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の印刷装置では、前記記録部は、第1方向に移動しつつ前記記録媒体に前記インクを吐出する主走査と、前記第1方向と交差する第2方向に移動する副走査とを繰り返し、前記記録媒体に1フレームの印刷を行い、前記印刷モードは、前記主走査の数であることが好ましい。
1フレームの印刷を行う主走査の数が異なると、最初の主走査と最後の主走査とで、吐出されたインクが記録媒体に保持される時間が異なり、インクが染みこむことによる記録媒体の膨潤の程度が異なり、記録媒体に形成される画像の画質に影響する。すなわち、主走査の数は、1フレームの印刷で形成される画像の画質に影響する印刷モードの一つである。従って、接触角測定部の測定結果(接触角)に応じて、印刷モード(主走査の数)の設定又は使用可能な印刷モード(主走査の数)を限定することが好ましい。
[適用例4]上記適用例に記載の印刷装置では、前記印刷モードは、前記記録媒体に吐出される前記インクの吐出量であることが好ましい。
インクの吐出量は、記録媒体に形成される画像の画質に影響し、1フレームの印刷で形成される画像の画質に影響する印刷モードの一つである。従って、接触角測定部の測定結果(接触角)に応じて、印刷モード(インクの吐出量)の設定又は使用可能な印刷モード(インクの吐出量)を限定することが好ましい。
実施形態に係る印刷装置の概要を示す概略図。 ヘッドユニットの状態を示す概略図。 水のキャストコート紙に対する接触角と適正な印刷モードとの関係を示す表。 凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角と適正なインクの吐出量との関係を示す表。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態)
「印刷装置の概要」
図1は、実施形態に係る印刷装置の概要を示す概略図である。図2は、ヘッドユニットをヘッドの底面側から見た図であり、ヘッドユニットの状態を示す概略図である。
以降の説明では、「左右方向」や「上下方向」は、図1に矢印で示した方向を基準として示すものとする。また、図1において、手前側を前側とし、奥側を後側とする。図2では、主走査方向Xが右方向と左方向とを含む状態で示され、副走査方向Yが前方向と後方向とを含む状態で示されている。
なお、図1及び図2における左右方向が「第1方向」の一例である主走査方向Xとなり、前後方向が「第2方向」の一例である副走査方向Yとなる。
最初に、図1及び図2を参照して、印刷装置100の概要を説明する。
図1に示すように、印刷装置100は、画像データを生成する画像生成装置110と、画像生成装置110から受信した画像データを基に印刷データを生成するホスト装置120と、ホスト装置120から受信した印刷データに基づく画像を印刷する印刷装置本体11とを有する。
画像生成装置110は、例えばパーソナルコンピューターにより構成され、その本体111内のCPUが画像作成用プログラムを実行することで構築される画像生成部112を備える。作業者は、画像生成部112を起動して入力装置113の操作で、モニター114上で印刷用の画像を作成する。入力装置113を用いて所定の操作をすると、その画像に係る画像データが通信インターフェイスを介してホスト装置120へ送信される。
ホスト装置120は、例えばパーソナルコンピューターにより構成され、その本体121内のCPUがプリンタードライバー用プログラムを実行することで構築されるプリンタードライバー122を備える。プリンタードライバー122は、画像データを基に印刷データを生成し、その印刷データを印刷装置本体11に設けられた制御装置Cへ送信する。
さらに、ホスト装置120は表示部123を有している。表示部123は、例えばタッチパネルを有する液晶表示装置で構成され、印刷制御に必要な各種情報が表示される。作業者は、表示部123のタッチパネルを介して各種設定を登録することができる。
制御装置Cは、プリンタードライバー122から受信した印刷データに基づいて印刷装置本体11を制御し、印刷データに基づく画像を印刷装置本体11に印刷させる。さらに、制御装置Cは、判定部41を有する。
印刷装置本体11では、直方体状の本体ケース12の中に、「記録媒体」の一例である長尺状のシート13をロールR1から繰り出す記録媒体繰出し部14と、接触角測定部50と、シート13にインクを吐出し印刷を施す「記録部」の一例であるヘッドユニット8と、シート13に吐出されたインクを硬化(乾燥硬化)させる硬化部16と、インクが硬化したシート13をロールR2として巻き取る記録媒体巻取り部17とが設けられている。
すなわち、印刷装置本体11では、シート13の搬送方向に沿って、記録媒体繰出し部14と、接触角測定部50と、ヘッドユニット8と、硬化部16と、記録媒体巻取り部17とが順に設けられている。
本体ケース12の中を上下に区画する平板状の基台18よりも上側の領域が、印刷室15になる。印刷室15内の底部中央位置には、シート13の印刷エリアを支持するための矩形板状の支持台19が、基台18上に支持された状態で配置されている。そして、本体ケース12内の基台18より下側の領域には、シート13の搬送方向の上流側となる左側寄りの位置に記録媒体繰出し部14が配置され、シート13の搬送方向の下流側となる右側寄りの位置に記録媒体巻取り部17が配置されている。接触角測定部50は、記録媒体繰出し部14と記録媒体巻取り部17との間、詳しくは、シート13の搬送経路において記録媒体巻取り部17とヘッドユニット8との間に配置されている。硬化部16は、シート13の搬送経路においてヘッドユニット8と記録媒体巻取り部17との間に配置されている。
なお、接触角測定部50は、ヘッドユニット8と記録媒体巻取り部17との間に配置される構成であってもよい。
硬化部16は、シート13に温風を供給し加熱する温風送風機構(図示省略)と、シート13にUV光を照射するUV照射機構(図示省略)とを有している。印刷装置本体11は、水性インク又はUVインクの何れかが使用可能であり、水性インクを使用する場合は温風送風機構によってシート13に吐出された水性インクを乾燥硬化させ、UVインクを使用する場合はUV照射機構によってシート13に吐出されたUVインクを硬化させる。
接触角測定部50の詳細は、後述する。
記録媒体繰出し部14には、巻き軸28が回転自在に設けられ、ロールR1がその巻き軸28に対して一体回転可能に支持されている。そして、シート13は、巻き軸28が回転することによりロールR1から繰り出されるようになっている。ロールR1から繰り出されたシート13は、巻き軸28の右側に位置する第1ローラー21に巻き掛けられて上方へ案内される。
第1ローラー21によって搬送方向が鉛直上方向に変換されたシート13は、支持台19の左側であって第1ローラー21と上下方向で対応する位置に配置された第2ローラー22に左側下方から巻き掛けられる。そして、第2ローラー22に巻き掛けられて搬送方向が水平右方向に変換されたシート13は、支持台19の上面に摺接するようになっている。
また、支持台19の右側には、左側の第2ローラー22と支持台19を挟んで対向する第3ローラー23が設けられている。第2ローラー22及び第3ローラー23は各々の周面の頂部が支持台19の上面と同じ高さとなるように位置調整されている。
支持台19の上面から下流側(右側)に搬送されたシート13は、第3ローラー23に右側上方から巻き掛けられて搬送方向が鉛直下方向に変換され、ロールR2として記録媒体巻取り部17に巻き取られる。
印刷室15内における支持台19の前後方向両側には、図中に二点鎖線で示された左右方向に延びるガイドレール29が一対設けられている。一対のガイドレール29には、矩形状のキャリッジ31が主走査方向Xに往復移動可能に支持されている。キャリッジ31の下面側にはヘッドユニット8が保持されている。ヘッドユニット8は、キャリッジ31と一緒に主走査方向Xに往復移動可能になっている。
さらに、キャリッジ31は、不図示のガイドレールに沿って副走査方向Y(図1では紙面と直交する前後方向)への移動も可能となっている。これにより、ヘッドユニット8は主走査方向Xと副走査方向Yとの2方向への移動が可能となっている。
支持台19の上面のほぼ全域に亘る一定範囲が印刷領域となっており、シート13は、この印刷領域に対応する印刷エリア単位で間欠的に搬送される。支持台19の下側には吸引装置34が設けられている。吸引装置34は、支持台19の上面に開口する多数の吸引孔(図示省略)に負圧を及ぼすように駆動され、その負圧による吸引力によりシート13は支持台19の上面に吸着される。
そして、ヘッドユニット8が主走査方向Xに移動しながらノズル3,6(図2参照)からインクを吐出する液体吐出動作と、ヘッドユニット8を次回の主走査位置まで副走査方向Yへ移動させる改行動作とが交互に繰り返され、シート13の印刷エリアに印刷が施される。
印刷エリアへの印刷が終わると、吸引装置34の負圧が解除され、シート13の支持台19上への吸着が解除される。その後、シート13は、搬送方向(図1における右方向)に搬送され、次の印刷エリアが支持台19上に配置されるようになっている。
また、本体ケース12内には、異なる色のインクをそれぞれ収容した複数個(例えば8個)のインクカートリッジIC1〜IC8が着脱可能に装着されている。8個のインクカートリッジIC1〜IC8は、例えば黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、白(W)、クリア(オーバーコート用の透明色)等の各インクを収容する。もちろん、インクの種類(色数)は適宜設定でき、黒のインクだけでモノクロ印刷する構成や、インクを2色、あるいは8色以外で3色以上の任意の色数とした構成も採用できる。
各インクカートリッジIC1〜IC8はインク供給路等(図示省略)を通じてヘッドユニット8に接続されている。各ヘッドユニット8は各インクカートリッジIC1〜IC8から供給されたインクを吐出してシート13に印刷を施す。このため、印刷装置本体11では、カラー印刷が可能となっている。
図2に示すように、ヘッドユニット8には、複数(本実施形態では8個)の第1ヘッド1と、複数(本実施形態では7個)の第2ヘッド4とが、主走査方向Xにおける左方向に沿って順に配置されている。さらに、複数の第1ヘッド1及び複数の第2ヘッド4は、副走査方向Yに沿って千鳥状に配置されている。すなわち、副走査方向Yに沿って一定ピッチで配列された第1ヘッド1及び第2ヘッド4は、副走査方向Yに半ピッチ分ずれた状態で配置されている。
各ヘッド1,4の底面となるノズル形成面33には、多数個(本実施形態では180個)のノズル3,6が副走査方向Yに沿って一定間隔(本実施形態では180dpi)で配列されたノズル列2,5が、主走査方向Xに所定間隔をおいて複数列(本実施形態では8列)形成されている。詳しくは、第1ヘッド1には、インクを吐出するノズル3が副走査方向Yに複数配列されたノズル列2が、主走査方向Xに所定間隔をおいて8列配置されている。第2ヘッド4には、インクを吐出するノズル6が副走査方向Yに複数配列されたノズル列5が、主走査方向Xに所定間隔をおいて8列配置されている。
さらに、8列のノズル列2,5のそれぞれには、8個のインクカートリッジIC1〜IC8のうちそれぞれ対応する1個のインクカートリッジからインクの供給を受け、それぞれ異なる種類のインクを吐出する。
このように、ヘッドユニット8は、複数のノズル3が副走査方向Yに一列に配列されたノズル列2と、主走査方向Xにおいてノズル列2と平行に配列され、複数のノズル6が副走査方向Yに一列に配列されたノズル列5と、を備えている。主走査方向Xから見た場合、ノズル3及びノズル6は、それぞれ一定間隔(例えば、180dpi)で配置されている。さらに、主走査方向Xから見た場合、ノズル列2の端に配置されるノズル3とノズル列5の端に配置されるノズル6との間隔は、上述した一定間隔(例えば、180dpi)と同じになるように、第1ヘッド1及び第2ヘッド4とが配置されている。
かかる構成によって、ヘッドユニット8は、ノズル3,6が一定間隔(例えば、180dpi)で副走査方向Yに配列された長尺のヘッドとみなすことができる。
なお、主走査方向Xから見た場合、ノズル列2の端に配置されるノズル3とノズル列5の端に配置されるノズル6とが重なるように、第1ヘッド1及び第2ヘッド4を配置してもよい。
ヘッドユニット8(キャリッジ31)は、図2における主走査方向Xへ移動しながらシート13にインクを吐出する動作(主走査)と、ヘッドユニット8が副走査方向Yへの移動する改行動作(副走査)とを交互に繰り返し、印刷解像度に応じたM回の主走査を行うことで、1回の印刷(1フレームの印刷)を行う。すなわち、本願における主走査は、ヘッドユニット8が主走査方向Xに移動しながらシート13にインクを吐出することである。本願における副走査は、ヘッドユニット8を副走査方向Yへ移動させヘッドユニット8の改行を行うことである。
図2の左側には、4パス印刷の状態が模式的に示されている。
例えば、4パス印刷では、まずヘッドユニット8を主走査方向Xにおける左方向へ1回移動させる主走査を行って1パス目を印刷し、1パス目の印刷を終えると、ヘッドユニット8を副走査方向Yにおける後方向へ改行量Δyだけ移動させる改行動作を行って、ヘッドユニット8を次の主走査開始位置(次パス開始位置)に配置する。続いて、その位置から、ヘッドユニット8を主走査方向Xにおける右方向へ1回移動させる主走査を行って2パス目を印刷する。2パス目の印刷後に、ヘッドユニット8を副走査方向Yにおける後方向へ改行量Δyだけ移動させる改行動作を行って、ヘッドユニット8を3パス目の主走査開始位置に配置する。以降、同様に主走査及び改行(副走査)を行って、3パス目及び4パス目の各印刷を行う。
このように、4パス印刷とは、1パス目の印刷と2パス目の印刷と3パス目の印刷と4パス目の印刷とによって、1フレームの印刷を行うことである。例えば、6パス印刷とは、1パス目の印刷と2パス目の印刷と3パス目の印刷と4パス目の印刷と5パス目の印刷と6パス目の印刷とによって、1フレームの印刷を行うことである。
印刷装置100では、4パス印刷と6パス印刷と8パス印刷と16パス印刷とが選択可能になっている。また、4パス印刷におけるパス(主走査)の数は4であり、6パス印刷におけるパス(主走査)の数は6であり、8パス印刷におけるパス(主走査)の数は8であり、16パス印刷におけるパス(主走査)の数は16である。
換言すれば、印刷装置100は、1フレームの印刷における主走査の数が異なる印刷モードを有している。すなわち、印刷装置100は、1フレームの印刷における主走査の数が4である印刷モード(4パス印刷)と、1フレームの印刷における主走査の数が6である印刷モード(6パス印刷)と、1フレームの印刷における主走査の数が8である印刷モード(8パス印刷)と、1フレームの印刷における主走査の数が16である印刷モード(16パス印刷)とが選択可能になっている。
「印刷装置の課題と対策」
ところで、本実施形態では、シート13としてラベル紙が使用されている。詳しくは、シート13は、ヘッドユニット8側に配置されヘッドユニット8からインクが吐出される記録基材13aと、支持台19側に配置され支持台19の上面に吸着される剥離基材13bと、記録基材13aと剥離基材13bとの間に配置される粘着層(図示省略)とで構成される(図1参照)。換言すれば、シート13は、画像の印刷対象面の反対側が粘着層となった記録基材13aと、この粘着層を覆って設けられた剥離基材13bとで構成される。そして、記録基材13aと剥離基材13bとは容易に剥離可能になっており、最終ユーザーは、剥離基材13bから記録基材13aを剥がし、記録基材13aを所望の対象物に貼り付けて使用する。
記録基材13aは、例えば、キャストコート紙、コート紙、アート紙、マットコート紙、上質紙、グロスフィルム(樹脂フィルム)などを使用することができる。また、記録基材13aが、キャストコート紙、コート紙、アート紙、マットコート紙、及びグロスフィルムである場合、インクの濡れ広がり性を適正に制御するコート層が、記録基材13aの画像の印刷対象面に形成されている。すなわち、記録基材13aが、キャストコート紙、コート紙、アート紙、マットコート紙、及びグロスフィルムである場合、記録基材13aは母材とコート層とで構成され、そしてコート層が画像が形成される印刷対象面になる。
記録基材13aの画像の印刷対象面にコート層を設けることで、記録基材13aの画像の印刷対象面にコート層を設けない場合と比べて、記録基材13aの画像の印刷対象面に吐出されたインクの濡れ広がり性が適度に制御され、鮮明な画像を形成しやすくなる。換言すれば、コート層を設けることで、画像に対する母材の影響が少なくなり、画像の画質を高めやすくなる。
また、記録基材13aが上質紙である場合、記録基材13aの画像の印刷対象面にコート層が形成されていなく、記録基材13aの中ににじみ防止剤が添加されている。
剥離基材13bは、例えば、紙や樹脂フィルムで構成される。
上述したように、印刷装置100は、水性インク又はUVインクの何れかを使用することができる。
水性インクは、色材、色材を分散させる溶剤(水)、添加剤(例えば、界面活性剤、樹脂類、pH調整剤、緩衝液、定着剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、酸素吸収剤など)などを含む。また、水性インクの概略80重量%は水である。さらに、水性インクは、キャストコート紙、コート紙、アート紙、マットコート紙、上質紙、グロスフィルム(樹脂フィルム)などで構成される多様な記録基材13aに対して、画像を形成する場合に使用される。
UVインクは、UV光を照射することで硬化し、色材と、色材が分散されたモノマー樹脂と、凝固開始剤、有機溶剤などを含む。また、UVインクの概略80重量%はモノマー樹脂である。さらに、UVインクは、主にグロスフィルム(樹脂フィルム)で構成される記録基材13aに対して画像を形成する場合に使用される。
シート13に水性インクを吐出し、記録基材13aに画像を形成する場合、水性インクの溶剤(水)は、記録基材13aの母材に浸透し、記録基材13aの母材が膨潤し、記録基材13aの副走査方向Yの寸法(幅方向の寸法)が長くなる。
例えば、6パス印刷で1フレームの印刷を行う場合、最初のパスの印刷(1パス目の印刷)では、記録基材13aの母材が膨潤しないので、目標位置にインクを着弾させることができる。ところが、その後のパスの印刷では、それ以前のパスの印刷で記録基材13aの母材が膨潤するので、目標位置にインクを着弾させることが難しくなる。特に、最後のパスの印刷(6パス目の印刷)では、最後のパスの以前の印刷(1パス目の印刷、2パス目の印刷、3パス目の印刷、4パス目の印刷、5パス目の印刷)によって、記録基材13aの母材が大きく膨潤するので、目標位置とインクの着弾位置とのずれが大きくなる。
印刷装置100では、インクの着弾位置を補正しながらインクを吐出し、さらに着弾したインクを濡れ広がらせることで、目標位置にインクを配置する。
ところが、記録基材13aがキャストコート紙である場合、インクの着弾位置を補正しながらインクを吐出した場合であっても、最後のパスの印刷において目標位置にインクを配置することが難しくなる場合がある。すなわち、最後のパスの印刷において目標位置にインクが配置されず、目標位置に画像が形成されない画像のかすれが生じる場合がある。例えば、黒ベタの画像を形成する場合、最後のパスの印刷で形成された画像では黒ベタが形成されない領域(かすれた領域)が生じる場合がある。
記録基材13aがキャストコート紙である場合、製造メーカーによってキャストコート紙の性能が異なり、印刷モード(4パス印刷、6パス印刷、8パス印刷、16パス印刷)によっては画像のかすれが生じ、印刷モードを調整しても適正な画像が形成されない場合がある。このため、記録基材13aがキャストコート紙である場合、記録基材13aの選別や、画像のかすれが生じない適正な印刷モードの設定が必要になる。
従来、色々な条件でテストパターンを記録基材13a(シート13)に印刷する試し印刷を繰り返し、試行錯誤的に評価することによって、記録基材13aの選別や適正な印刷モードの設定を実施していた。このため、記録基材13aの選別や適正な印刷モードの設定に長時間必要となり、印刷装置100の生産性が低下するという課題があった。
UVインクは、UV光を照射して硬化されるので、例えば、熱風を供給して乾燥(硬化)される水性インクと比べて、早く硬化させることができる。UVインクは、水性インクと比べて、早く硬化されるので記録基材13aの母材(樹脂フィルム)に浸透しにくく、記録基材13aのコート層に残留しやすい。このため、UVインクは、水性インクと比べて、記録基材13aのコート層に形成される色材層(固形層)が厚くなり、光沢がある画像を形成することができる。
例えば、UVインクの吐出量が多い場合、UVインクの吐出量が少ない場合と比べて、記録基材13aのコート層に形成される固形層が厚くなる。ところが、固形層と記録基材13aのコート層との密着性が悪く、固形層が厚くなると、固形層が剥離しやすくなる。
さらに、UVインクの吐出量が多い場合、UVインクの吐出量が少ない場合と比べて、インクの吐出量が多いので記録基材13aのコート層に吐出されたUVインクは濡れ広がりやすくなる。ところが、インクの吐出量が多くなりすぎると、UVインクは過度に濡れ広がり、隣の目標位置に着弾した他の色のUVインクと混ざるおそれがある。仮に、異なる色のUVインクが混ざり合うと、記録基材13aに形成される画像の色味が変化し、画像の画質が劣化する。このため、ヘッドユニット8から吐出されるUVインクの吐出量を適正に調整する必要がある。
従来、色々な吐出条件でテストパターンを記録基材13a(シート13)に印刷する試し印刷を繰り返し、試行錯誤的に評価することによって、適正なUVインクの吐出量の設定を実施していた。このため、適正なUVインクの吐出量の設定に長時間必要となり、印刷装置100の生産性が低下するという課題があった。
なお、UVインクの吐出量の設定は、「印刷モードの設定」の一例である。
本実施形態は、このような課題を解決する有効な構成を有しているので、以下にその概要を説明する。
図3は、水の記録基材(キャストコート紙)に対する接触角と、適正な印刷モードとの関係を示す表である。図4は、凝固開始剤を含まないUVインクの記録基材(グロスフィルム)に対する接触角と、適正なインクの吐出量との関係を示す表である。
以降、記録基材13aをキャストコート紙に限定して図3の説明を行い、記録基材13aをグロスフィルムに限定して図4の説明を行う。
発明者は、水のキャストコート紙に対する接触角と適正な印刷モードとの関係を鋭意評価し、両者に相関関係があり、水性インクを使用してキャストコート紙に印刷する場合、水のキャストコート紙に対する接触角を測定することによって、キャストコート紙の使用の可否を判定することが可能であり、適正な印刷モード(主走査(パス)の数)を設定することが可能であるという事実を見出した。
さらに、発明者は、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角と適正な吐出量との関係を鋭意評価し、両者に相関関係があり、UVインクを使用してグロスフィルムに印刷する場合、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角を測定することによって、適正な印刷モード(UVインクの吐出量)を設定することが可能であるという事実を見出した。
図3に示すように、水のキャストコート紙に対する接触角が80°〜90°である場合、印刷装置100の適正な印刷モードとして、6パス印刷と8パス印刷と16パス印刷とが存在する。水のキャストコート紙に対する接触角が90°〜110°である場合、印刷装置100の適正な印刷モードとして、8パス印刷と16パス印刷とが存在する。水のキャストコート紙に対する接触角が110°よりも大きい場合、印刷装置100の適正な印刷モードは存在しない(かすれが無い画像を形成することが難しい)。
水のキャストコート紙に対する接触角が大きくなると、水のキャストコート紙に対する接触角が小さい場合と比べて、水性インクは濡れ広がりにくくなる。このため、水のキャストコート紙に対する接触角が80°〜90°、90°〜110°、110°よりも大きい(110°〜)の順に、水性インクはキャストコート紙に対して濡れ広がりにくくなる。
上述したように、キャストコート紙に水性インクを吐出すると、キャストコート紙の母材が膨潤し、キャストコート紙の副走査方向Yの寸法(幅方向の寸法)が長くなる。特に、最後のパスの印刷では、キャストコート紙の母材の膨潤が著しくなり、目標位置とインクの着弾位置とのずれが大きくなる。
さらに、水のキャストコート紙に対する接触角が小さく、水性インクが濡れ広がりやすい場合、キャストコート紙のコート層に着弾したインクが目標位置に濡れ広がりやすくなり、画像のかすれが生じにくい。水のキャストコート紙に対する接触角が大きく、水性インクが濡れ広がりにくい場合、キャストコート紙のコート層に着弾したインクが目標位置に濡れ広がりにくいので、画像のかすれが生じやすい。
発明者は、水のキャストコート紙に対する接触角が110°よりも大きい場合、キャストコート紙のコート層に着弾したインクが目標位置に濡れ広がらず、画像のかすれが生じ、適切な印刷を施すことが難しいという事実を見出した。すなわち、水の接触角が110°よりも大きくなるキャストコート紙を使用した場合、印刷装置100では、かすれが無い画像を形成することが難しい。従って、水の接触角が110°よりも大きくなるキャストコート紙は、印刷装置100において使用不可能である。
このように、発明者は、水のキャストコート紙に対する接触角を測定することで、キャストコート紙の使用の可否を判定することができるという事実を見出した。
主走査(パス)の数が少なくなると、1回の主走査(パス)で吐出される水性インクの量が多くなる。例えば、6パス印刷は、8パス印刷や16パス印刷と比べて、1回の主走査(パス)で吐出される水性インクの量が多くなる。1回の主走査(パス)で吐出される水性インクの量が多くなると、1回の主走査(パス)で吐出される水性インクの量が少ない場合と比べて、キャストコート紙の母材が膨潤しやすくなる。すなわち、キャストコート紙の母材の膨潤は、16パス印刷、8パス印刷、6パス印刷の順に大きくなる。
水性インクが濡れ広がりやすい場合、キャストコート紙の母材の膨潤が大きい場合であっても水性インクが目標位置に濡れ広がることができ、画像のかすれが生じにくい。ところが、水性インクが濡れ広がりにくい場合、キャストコート紙の母材の膨潤が大きい場合に水性インクが目標位置に濡れ広がりにくくなり、画像のかすれが生じやすい。
このため、キャストコート紙の母材の膨潤が大きい場合、水性インクが濡れ広がりやすい条件が適しており、水性インクが濡れ広がりにくい条件は適していない。従って、キャストコート紙の母材の膨潤が大きい6パス印刷は、水性インクが濡れ広がりやすい条件(水のキャストコート紙に対する接触角が80°〜90°である条件)が適しており、水性インクが濡れ広がりにくい条件(水のキャストコート紙に対する接触角が90°〜110°である条件)が適していない。
一方、キャストコート紙の母材の膨潤が小さい8パス及び16パス印刷は、水性インクが濡れ広がりやすい条件(水のキャストコート紙に対する接触角が80°〜90°である条件)、及び水性インクが濡れ広がりにくい条件(水のキャストコート紙に対する接触角が90°〜110°である条件)の両方に対して適している。
このように、発明者は、水のキャストコート紙に対する接触角を測定することによって、適正な印刷モード(主走査(パス)の数)を設定(判定)することが可能であるという事実を見出した。
図4に示すように、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角が25°よりも大きいグロスフィルム#1は、インクの吐出量が多い条件が好ましい。凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角が25°よりも小さいグロスフィルム#2は、インクの吐出量が少ない条件が好ましい。
上述したように、UVインクの吐出量が多い場合、UVインクの吐出量が少ない場合と比べて、グロスフィルムに吐出されたUVインクは濡れ広がりやすくなり、他の色のUVインクとの混色が生じやすく、画質の低下をまねくおそれがある。一方、UVインクの吐出量が少なくなりすぎると、UVインクが目標位置まで濡れ広がらず、画像のかすれが生じるおそれがある。このため、UVインクを使用する場合、印刷装置100では適正なUVインクの塗布量を設定することが必要になる。
接触角が25°よりも小さいグロスフィルム#2は、接触角が25°よりも大きいグロスフィルム#1と比べて、UVインクが濡れ広がりやすいので、UVインクの吐出量が少ない条件が好ましい(濡れ広がりにくい条件が好ましい)。さらに、接触角が25°よりも大きいグロスフィルム#1は、接触角が25°よりも小さいグロスフィルム#2と比べて、UVインクが濡れ広がりにくいので、UVインクの吐出量が多い条件が好ましい(濡れ広がりやすい条件が好ましい)。
このように、発明者は、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角を測定することによって、適正な印刷モード(UVインクの吐出量)を設定(判定)することが可能であるという事実を見出した。
なお、ヘッド1,4(図2参照)は、共通液室(図示省略)と、圧力発生室(図示省略)と、圧電素子(図示省略)と、ノズル3,6(図2参照)とを有している。圧電素子は、撓み振動モードの圧電アクチュエーター、又は縦振動モードの圧電アクチュエーターである。圧力発生室にインクが供給された状態で、圧電素子が圧力発生室の一部を形成する振動板を振動させ、圧力発生室に圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用することで、ノズル3,6からグロスフィルムに対してUVインクが吐出される。換言すれば、ヘッド1,4は、圧電素子をパルス駆動させて、ノズル3,6からグロスフィルムに対してUVインクを吐出する。
図4におけるUVインクの吐出量が多い条件は、1回のパルス駆動で吐出されるインクの吐出量が5ピコリットルよりも多い条件に相当する。すなわち、接触角が25°よりも大きいグロスフィルム#1は、接触角が25°以下のグロスフィルム#2と比べて、1回のパルス駆動で吐出されるインクの吐出量が5ピコリットルよりも多い条件が好ましい。
図4におけるインクの吐出量が少ない条件は、1回のパルス駆動で吐出されるインクの吐出量が5ピコリットルよりも少ない条件に相当する。すなわち、接触角が25°以下のグロスフィルム#2は、接触角が25°よりも大きいグロスフィルム#1と比べて、1回のパルス駆動で吐出されるインクの吐出量が5ピコリットルよりも少ない条件が好ましい。
加えて、本実施形態に係る印刷装置100は、テスト液の記録基材13aに対する接触角をインライン方式で測定(取得)することができる構成(接触角測定部50、判定部41)を有している(図1参照)。すなわち、本実施形態に係る印刷装置100は、インライン方式でテスト液の記録基材13aに対する接触角を取得するので、オフライン方式でテスト液の記録基材13aに対する接触角を取得する場合と比べて、短時間で効率的にテスト液の記録基材13aに対する接触角を取得することができる。
接触角測定部50は、テスト液吐出部51と、測定部52とを有している。テスト液吐出部51は、例えばインクジェット方式で一定量のテスト液を記録基材13aに吐出する。吐出されたテスト液は、表面張力によって表面積が小さくなるように形状が変化する、例えば、記録基材13aから盛り上がった半球体形状や半楕円体形状などの形状に変化する。測定部52は、テスト液の形状を撮像する撮像部と、撮像された画像を画像処理しテスト液の記録基材13aに対する接触角を算出する処理部とを有する。そして、測定部52はテスト液の記録基材13aに対する接触角を測定する。
判定部41は、水のキャストコート紙に対する接触角を接触角測定部50から取得する。
水性インクの場合、テスト液は水であり、測定部52は、水のキャストコート紙に対する接触角を測定する。UVインクの場合、テスト液は、凝固開始剤を含まないUVインクであり、測定部52は、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角を測定する。
印刷装置100では、判定部41は、水のキャストコート紙に対する接触角が110°よりも大きくなるキャストコート紙は使用不可能と判定し、水のキャストコート紙に対する接触角が110°以下のキャストコート紙は使用可能と判定する。すなわち、判定部41は、接触角測定部50の測定結果(水のキャストコート紙に対する接触角)に応じて、キャストコート紙(シート13)の使用の可否を判定する。
キャストコート紙が使用可能と判定される場合、判定部41は、適正な印刷モード(主走査(パス))の数を設定し、使用可能な印刷モード(主走査(パス))の限定を行う。
例えば、判定部41は、水のキャストコート紙に対する接触角が80°〜90°である場合、6パス印刷と8パス印刷と16パス印刷とが適正であると判断し、表示部123に、6パス印刷と8パス印刷と16パス印刷とのいずれかが選択可能なアイコンを表示させる。そして、作業者は、表示部123のタッチパネルにタッチし、6パス印刷と8パス印刷と16パス印刷とのいずれかがを選択する。
例えば、判定部41は、水のキャストコート紙に対する接触角が90°〜110°である場合、8パス印刷と16パス印刷とが適正であると判断し、表示部123に、8パス印刷と16パス印刷とのいずれかが選択可能なアイコンを表示させる。そして、作業者は、表示部123のタッチパネルにタッチし、8パス印刷と16パス印刷とのいずれかがを選択する。
1フレームの印刷を行う主走査(パス)の数が多くなると、1フレームの印刷を行う主走査(パス)の数が少ない場合と比べて、1フレームの印刷で形成される画像を構成する画素の数が多くなり、高精細な画像を形成することができ、画質を高めることができる。従って、6パス印刷、8パス印刷、16パス印刷の順にキャストコート紙に形成される画像の画質が高められる。
一方、1フレームの印刷を行う主走査(パス)の数が少なくなると、1フレームの印刷を行う主走査(パス)の数が多い場合と比べて、1フレームの印刷で吐出される水性インクの回数が多くなくなり、1フレームの印刷の所要時間が短くなり、生産性を高めることができる。従って、16パス印刷、8パス印刷、6パス印刷の順に、印刷装置100の生産性が高められる。
このように、画質と生産性(1フレームの印刷の所要時間)とはトレードオフの関係にあり、作業者は、表示部123のタッチパネルにタッチし、適正な印刷モードを選択する。なお、印刷装置100では、作業者が適正な印刷モードを選択することを省略することができる。詳しくは、事前に必要な情報を制御装置Cに登録すれば、判定部41は水のキャストコート紙に対する接触角を測定した後に、自動的に適正な印刷モードを選択し、自動的にキャストコート紙に対する印刷を開始することができる。
さらに、判定部41は、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角を算出し、適正な印刷モード(UVインクの吐出量)を設定し、自動的にグロスフィルムに対する印刷を開始する。
詳しくは、凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角が25°よりも大きいグロスフィルムは、インクの吐出量が多い条件(1回のパルス駆動で吐出されるインクの吐出量が5ピコリットルよりも多い条件)で印刷を開始する。凝固開始剤を含まないUVインクのグロスフィルムに対する接触角が25°よりも小さいグロスフィルムは、インクの吐出量が少ない条件(1回のパルス駆動で吐出されるインクの吐出量が5ピコリットルよりも少ない条件)で印刷を開始する。
以上述べたように、本実施形態に係る印刷装置100は、インライン方式でテスト液の記録基材13aに対する接触角を取得し、取得された接触角に応じて、記録基材13a(シート13)の使用の可否を判定し、記録基材13a(シート13)が使用可能である場合に、取得された接触角に応じて印刷モード(主走査の数、インクの吐出量)の設定、又は使用可能な印刷モード(主走査の数、インクの吐出量)の限定を行い、設定された印刷モードに応じた印刷を実施することができる。従って、テストパターンによって試行錯誤的にオフライン方式で評価する場合と比べて、記録基材13a(シート13)の使用の可否の評価、適正な印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を、短時間で効率的に実施でき、印刷装置100の生産性を高めることができる。
さらに、図3及び図4に示す結果は一例であり、記録基材13a(シート13)の構成や製造条件が変化した場合は、図3及び図4に示す結果と異なる結果によって、記録基材13a(シート13)の使用の可否を判定し、適正な印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を実施する場合がある。すなわち、本発明は、図3及び図4を適用することに限定されない。
本発明の特徴点は、インクの記録媒体に対する接触角をインライン方式で測定し、取得された接触角から、記録媒体の使用の可否を判定し、適正な印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を実施することにある。例えば、接触角をインライン方式で取得し、接触角によって記録媒体の使用の可否を判定する構成は、本発明の技術的適用範囲である。さらに、接触角をインライン方式で取得し、適正な印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を実施する構成は、本発明の技術的適用範囲である。
なお、印刷装置100は、シート13が搬送方向に搬送され、ヘッドユニット8が静止した状態でインクを吐出することによって、シート13に印刷がなされる構成であってもよい。すなわち、印刷装置100は、ラインヘッドによって印刷がなされるライン方式の印刷装置であってもよい。
さらに、本発明は、上記実施形態と異なる記録媒体に対してパターン(画像)を形成可能な印刷装置(液体吐出装置)に適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材吐出ヘッドを有する色材吐出装置、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材吐出ヘッドを有する電極材吐出装置、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物吐出ヘッドを有する生体有機物吐出装置等にも本発明を適用することができる。
1,4…ヘッド、8…ヘッドユニット、11…印刷装置本体、13…シート、14…記録媒体繰出し部、15…印刷室、16…硬化部、17…記録媒体巻取り部、41…判定部、50…接触角測定部、51…テスト液吐出部、52…測定部、100…印刷装置、110…画像生成装置、120…ホスト装置。

Claims (4)

  1. 記録媒体繰出し部と、
    前記記録媒体繰出し部から繰出された記録媒体を巻き取る記録媒体巻取り部と、
    前記記録媒体繰出し部と前記記録媒体巻取り部との間に配置され、前記記録媒体にインクを吐出する記録部と、
    前記記録媒体の搬送経路において、前記記録媒体繰出し部と前記記録媒体巻取り部との間に配置された接触角測定部と、
    判定部と、
    を備え、
    前記接触角測定部は、
    テスト液吐出部と、
    前記記録媒体上に着弾したテスト液の前記記録媒体に対する接触角を測定する測定部と、
    を有し、
    前記判定部は、前記接触角測定部の測定結果に応じて、前記記録媒体の使用の可否を判定することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記判定部が前記記録媒体を使用可能と判定した場合、前記接触角測定部の測定結果に応じて印刷モードの設定又は使用可能な印刷モードの限定を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記記録部は、第1方向に移動しつつ前記記録媒体に前記インクを吐出する主走査と、前記第1方向と交差する第2方向に移動する副走査とを繰り返し、前記記録媒体に1フレームの印刷を行い、
    前記印刷モードは、前記主走査の数であることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷モードは、前記記録媒体に吐出される前記インクの吐出量であることを特徴とする請求項2又は3に記載の印刷装置。
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