以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を説明し、その後、副制御基板と可動演出表示装置を接続し、外乱の影響が抑制されたケーブルについて説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図1では、後述する演出役物装置202および可動演出表示装置220の図示が省略されている。図1に示すように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
(遊技機の詳細な構成)
次に、遊技機100の詳細な構成について図2および図3を用いて説明する。図2では、遊技盤108に設けられている釘131および風車133(いずれも後述する)の図示は省略されている。また、図2では、閉状態の第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128(いずれも後述する)が図示され、図3では、開状態の第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128が図示されている。
図2は、遊技機100の正面図である。図2に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a,114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。図3に示すように、遊技盤108には、多数の釘131や1つの風車133が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘131や風車133に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。なお、図3では、遊技領域116に設けられた多数の釘131が白丸で図示され、多数の釘131のうちの1つの釘131のみに参照符号が付されている。
図2および図3に示すように、遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a,114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122(図2では不図示)が設けられており、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、入賞口ごとに異なっていてもよい。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1始動領域または第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか一の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
第1始動口120は、遊技領域116の下部であって、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、図3に示すように、第2始動口122は、第1始動口120の右隣であって第2遊技領域116bに位置している。第2始動口122は、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。第2始動口122は、可動片122aを有する始動可変入賞装置によって構成されており、第2始動口122への遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、第2始動口122は、可動片122aが開閉可能に設けられており、可動片122aが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の進入が不可能または困難となっている。これに対して、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122aが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122aが開状態になると、可動片122aが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能であるか、または、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に第1大入賞口126および第2大入賞口128が設けられている。なお、以下、第1大入賞口126および第2大入賞口128をまとめて単に大入賞口ともよぶ。第1大入賞口126には、開閉扉126aおよび開閉扉126bが開閉可能に設けられている。通常、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖して、第1大入賞口126への遊技球の入球が不可能となっている。また、開閉扉126aは、開閉扉126bが第1大入賞口126を閉鎖している時に下方に向かって下がった状態になっている(図2参照)。これにより、第1大入賞口126に遊技球が入球不可能な状態では、開閉扉126aと開閉扉126bとの間には、第2遊技領域116bを流下する遊技球が通過可能な空間が生じる。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉126bが開放され、開閉扉126aが開閉扉126bに向かって傾斜した状態に立ち上がる(図3参照)。開閉扉126aの先端と開閉扉126bの先端との間には、遊技球の直径よりも長さの短い間隙が形成される。このため、開閉扉126aおよび開閉扉126bが受け皿として機能し、第2遊技領域116bを流下する遊技球は第1大入賞口126への入球が可能となる。そして、第1大入賞口126に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
また、第2大入賞口128は、開閉扉128aが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが第2大入賞口128を閉鎖して、第2大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128aが開放されて、開閉扉128aが受け皿として機能し、第2大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、第2大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。大入賞口への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球数は、大入賞口ごとに異なっていてもよい。
第1遊技領域116aには、第1始動口120の左側に2つの一般入賞口118が設けられている。また、第2遊技領域116bには、第1大入賞口126と第2始動口122との間に1つの一般入賞口118が設けられている。
図3に示すように、第1遊技領域116aには、2つの一般入賞口118を挟んで、遊技球を遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する2つの排出口130が設けられている。2つの排出口130の一方は、一般入賞口118の左上に隣接して設けられ、2つの排出口130の他方は、遊技領域116の最下部の中心部(第1始動口120の直下)に設けられている。また、第2遊技領域116bには、一般入賞口118の下方に1つの排出口130が設けられている。複数の排出口130により、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球が、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御される複数のランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付けるとともに、振動による演出を行う演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。演出表示部200aには、図2に示すように演出図柄210a,210b,210cが変動表示され、演出図柄210a,210b,210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。変動演出では、演出表示部200aに加えて演出役物装置202、可動演出表示装置220、演出照明装置204、音声出力装置206および演出操作装置208等の複数の演出装置の動作が行われてもよい。以下、演出役物装置202、可動演出表示装置220および演出操作装置208を「可動体」と総称する場合がある。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a,210b,210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
可動演出表示装置220は、演出表示部200aの左側に設けられた第一可動演出表示部220aと、演出表示部200aの右側に設けられた第二可動演出表示部220bとを有している。第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bは、前枠106の後ろ側かつ演出表示部200aの前側に配置されている。第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bは、演出表示部200aと重畳可能に設けられている。第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bは、遊技の進行に応じて演出表示部200aの前面に移動して上下動作や回転動作など、必要に応じて演出的な動作をすることができる。また、第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bには、演出表示部200aと一続きの静止画像や動画像(以下、静止画像および動画像を「画像」と総称する場合がある)が表示されたり、演出表示部200aと連動する画像が表示されたり、演出表示部200aに表示されている画像とは無関係な画像が表示されたりできるようになっている。また、第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bは、互いに連動する画像が表示されたり、互いに無関係な画像が表示されたりできるようになっている。
演出照明装置204は、演出役物装置202、可動演出表示装置220および遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。また、可動演出表示装置220に設けられた演出照明装置204は、第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bに表示される画像等に合わせてさまざまに点灯制御される場合もある。
図2に示すように、音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタン208aと、遊技者の引き倒しによる入力操作を受け付ける演出レバー208bと、演出レバー208bの入力操作に伴って回転する回転部208cとを有している。押下ボタン208aおよび演出レバー208bは、遊技者が操作可能な操作装置に相当する。演出操作装置208は、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110(図1参照)よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、例えば演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
演出操作装置208の後ろ側(遊技盤108側)には、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿132であり、上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、下皿134の底面には、下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置である。
(制御手段の内部構成)
図4は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122aを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、開閉扉126aを作動する開閉扉ソレノイド126c1と、第1大入賞口126を開閉する開閉扉126bを作動する第1大入賞口ソレノイド126c2と、第2大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122、第1大入賞口126および第2大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、遊技機100には、電波を検知する電波検知センサ、磁気を検知する磁気検知センサ、中枠104や前枠106の開放状態を検知する扉開放センサ等、異常または不正の可能性があることを検知する異常検知センサ174が複数設けられており、各異常検知センサ174から主制御基板300に異常検知信号が入力されるように構成されている。
そして、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、遊技球の払い出しが払出検知スイッチ315sによって検出され、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。払出モータ314の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出検知スイッチ315sからの検知信号および払出球計数スイッチ316sからの計数信号が払出制御基板310に入力される。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、発射制御基板320が双方向に通信可能に接続されている。発射制御基板320は、払出制御基板310から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。発射制御基板320は、操作ハンドル112に設けられ、操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御基板320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330c、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370を備えている。サブCPU330a、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、それぞれ個別の回路で構成されていてもよい。また、サブCPU330a、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370は、少なくとも2つ以上が1つの回路で構成(例えば1パッケージ化または1チップ化)され、この回路の機能ブロックとして構成されていてもよい。
副制御基板330は、主制御基板300に対して、主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御部340、音声制御部350、照明制御部360および可動体制御部370の少なくとも1つに送信する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
画像制御部340は、演出表示装置200の演出表示部200a、可動演出表示装置220の第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bの少なくとも1つに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。画像制御部340のROMには、演出表示部200aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
音声制御部350は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、照明制御部360は、副制御基板330から送信されるコマンドに基づいて、演出照明装置204を点灯させる点灯制御を行う。可動体制御部370は、副制御基板330から送信されたコマンドに基づいて、演出役物装置202および可動演出表示装置220の少なくとも一方を可動したり、演出操作装置208の押下ボタン208aを遊技者側に飛び出させて可動したりする動作制御を行う。また、可動体制御部370は、押下ボタン208aが押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sまたは演出操作装置208の演出レバー208bの入力操作されたことを検知するレバー操作検出スイッチから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドあるいは制御信号を副制御基板330に送信する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
(フレキシブル・フラットケーブル)
次に、副制御基板330と可動演出表示装置220とを接続し、画像データなどを伝送するフレキシブル・フラットケーブル(Flexible Flat Cable、以下、「FFC」と略記する)について図2から図4を参照しつつ図5および図6を用いて説明する。
図5は、副制御基板330と可動演出表示装置220とのFFC41〜44,46〜49での接続状態を模式的に示している。図5では、FFC41〜44,46〜49は、所定箇所で折り曲げられた状態で設けられているが、FFC41〜44,46〜49は所定箇所で折り曲げられてなくてもよい。また、FFC41〜44,46〜49は、遊技機100内で配線され、かつ可動演出表示装置220を可動できる長さを有していれば、図5に示す長さに限定されない。
また、図5では、可動演出表示装置220の第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bの図示は省略されている。一方、図5には、可動演出表示装置220の第一可動演出表示部220aの制御基板である第一可動表示部基板221aと、第一可動演出表示部220aが設置された可動ステージ(不図示)の制御基板である第一可動ステージ基板222aが図示されている。さらに、図5には、可動演出表示装置220の第二可動演出表示部220bの制御基板である第二可動表示部基板221bと、第二可動演出表示部220bが設置された可動ステージ(不図示)の制御基板である第二可動ステージ基板222bが図示されている。また、図5では、副制御基板330、第一可動表示部基板221a、第一可動ステージ基板222a、第二可動表示部基板221bおよび第二可動ステージ基板222bに設けられた種々の構成要素のうち、コネクタの一部のみが図示されている。
さらに、図5では、理解を容易にするため、FFC41〜44の間に設けられた非導電物51,52,61と、FFC46〜49の間に設けられた非導電物53,62,63とがFFC44〜49から分離された状態でも図示されている。
図5に示すように、遊技機100は、副制御基板(第一回路基板の一例)330と第一可動表示部基板221a(第二回路基板の一例)との間に配線され、副制御基板330の出力インピーダンスおよび第一可動表示部基板221aの入力インピーダンスとインピーダンスが整合されたFFC41(第一ケーブルの一例)を備えている。また、遊技機100は、FFC41に少なくとも一部を近接させて配置されるFFC42およびFFC43(いずれも第二ケーブルの一例)を備えている。さらに、遊技機100は、FFC41およびFFC42,43が近接する領域に設けられた非導電物51,52を備えている。詳細は後述するが、非導電物51,52は、FFC41のインピーダンスが調整された値からずれてしまうのを防止するために設けられている。また、遊技機100は、副制御基板330と第一可動ステージ基板222aとの間に配線されたFFC44と、FFC44がFFC41に近接する領域に設けられた非導電物61とを備えている。
FFC41の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN1に接続され、FFC41の他方の端部は、第一可動表示部基板221aに設けられたコネクタCN11に接続されている。FFC41は、第一可動演出表示部220aに表示される画像用の画像データ、第一可動演出表示部220aを駆動制御するための制御コマンド(または制御信号)などを伝送するケーブルである。副制御基板330に設けられた画像制御部340(図4参照)で形成された画像データやサブCPU330aで形成された制御コマンド(または制御信号)等は、コネクタCN1を通ってFFC41を伝送し、コネクタCN11を通って第一可動演出表示部220aに設けられ第一可動演出表示部220aを制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)に入力される。
FFC41で伝送される画像データなどは、例えば小振幅の差動信号に変換されて伝送される。このため、コネクタCN1には画像データを差動信号に変換して送信するトランスミッタ集積回路(IC)が接続され、コネクタCN11には受信した差動信号を元の形式の信号に変換するレシーバICが接続されている。遊技機100では、例えばコネクタCN1に接続されたトランスミッタICの出力インピーダンス、FFC41のインピーダンスおよびコネクタCN11に接続されたレシーバICの入力インピーダンスが整合されている。これらのインピーダンスは、例えば100Ωに調整されている。
FFC42の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN2に接続され、FFC42の他方の端部は、第一可動表示部基板221aに設けられたコネクタCN12に接続されている。FFC42は、第一可動演出表示部220aに設けられた演出照明装置204(図4参照)の点灯制御の制御コマンド(または制御信号)と、第一可動演出表示部220aの回転動作を制御するための制御コマンド(または制御信号)などを伝送するケーブルである。副制御基板330に設けられた照明制御部360(図4参照)で生成された制御コマンド(または制御信号)と、可動体制御部370で生成された制御コマンド(または制御信号)等は、コネクタCN2を通ってFFC42を伝送し、コネクタCN12を通って第一可動演出表示部220aに設けられた演出照明装置204を点灯制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)と、第一可動演出表示部220aの回転動作を制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)に入力される。これにより、第一可動演出表示部220aは、遊技の進行に応じて、演出照明装置204の発光部である発光ダイオードを発光したり第一可動ステージ上で回転したりできる。
FFC43の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN3に接続され、FFC43の他方の端部は、第一可動表示部基板221aに設けられたコネクタCN13に接続されている。FFC43は、第一可動演出表示部220aを駆動するための電力を供給するための電源用ケーブルである。FFC43には、例えば第一可動演出表示部220aの画像表示や回転動作に関する各種回路、および第一可動演出表示部220aに設けられた演出照明装置204の点灯制御に関する各種回路の動作に必要な種々の電圧レベルの電源電圧が入力される複数の導線と、基準電圧が入力される複数のグランド線が設けられている。電源基板(不図示)から供給される電力は、コネクタCN3、FFC43およびコネクタCN13を通って第一可動表示部基板221aに供給される。
FFC44の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN4に接続され、FFC44の他方の端部は、第一可動ステージ基板222aに設けられたコネクタCN14に接続されている。FFC44は、第一可動演出表示部220aを演出表示部200a(図2および図3参照)の前面に移動させたり演出表示部200aの前面で上下動させたりする第一可動ステージの動作を制御するための制御コマンド(または制御信号)などの伝送と、第一可動ステージの動作を制御する制御回路やモータ(いずれも不図示)の電源となる電力の供給とを担うケーブルである。
電源基板(不図示)から供給される電力は、コネクタCN4、FFC44およびコネクタCN14を通って第一可動ステージ基板222aに供給される。FFC44には、例えば第一可動ステージの動作を制御する制御回路やモータなどの動作に必要な種々の電圧レベルの電源電圧が入力される複数の導線と基準電圧が入力される複数のグランド線が設けられている。また、FFC44には、副制御基板330に設けられた可動体制御部370で生成された制御コマンド(または制御信号)等を伝送するための導線が設けられている。可動体制御部370で生成された制御コマンド(または制御信号)等は、コネクタCN4、FFC44およびコネクタCN14を通って第一可動ステージ基板222aに設けられ第一可動ステージの動作を制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)に入力される。これにより、第一可動演出表示部220aは、遊技の進行に応じて、演出表示部200aの前面に移動したり当該前面から退避したり当該前面で上下に移動したりできる。
図5に示すように、遊技機100は、副制御基板330と第二可動表示部基板221b(第二回路基板の一例)との間に配線され、副制御基板330の出力インピーダンスおよび第二可動表示部基板222bの入力インピーダンスとインピーダンスが整合されたFFC46(第一ケーブルの一例)を備えている。また、遊技機100は、FFC46に少なくとも一部を近接させて配置されるFFC47(第二ケーブルの一例)を備えている。さらに、遊技機100は、FFC46およびFFC47が近接する領域に設けられた非導電物53を備えている。詳細は後述するが、非導電物53は、FFC46のインピーダンスが調整された値からずれてしまうのを防止するために設けられている。また、遊技機100は、副制御基板330と第一可動ステージ基板222aとの間に配線されたFFC48,49と、FFC48,49がFFC46に近接する領域に設けられた非導電物62,63とを備えている。
FFC46の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN6に接続され、FFC46の他方の端部は、第二可動表示部基板221bに設けられたコネクタCN16に接続されている。FFC46は、第二可動演出表示部220bに表示される画像用の画像データ、第二可動演出表示部220bを駆動制御するための制御コマンド(または制御信号)などを伝送するケーブルである。副制御基板330に設けられた画像制御部340(図4参照)で生成された画像データやサブCPU330aで生成された制御コマンド(または制御信号)等は、コネクタCN6を通ってFFC46を伝送し、コネクタCN16を通って第二可動演出表示部220bに設けられ第二可動演出表示部220bを制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)に入力される。
FFC46で伝送される画像データなどは、例えば小振幅の差動信号に変換されて伝送される。このため、コネクタCN6には画像データを差動信号に変換して送信するトランスミッタICが接続され、コネクタCN16には受信した差動信号を元の形式の信号に変換するレシーバICが接続されている。遊技機100では、例えばコネクタCN6に接続されたトランスミッタICの出力インピーダンス、FFC46のインピーダンスおよびコネクタCN16に接続されたレシーバICの入力インピーダンスが整合されている。これらのインピーダンスは、例えば100Ωに調整されている。
FFC47の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN7に接続され、FFC47の他方の端部は、第二可動表示部基板221bに設けられたコネクタCN17に接続されている。FFC47は、第二可動演出表示部220bに設けられた演出表明装置204の点灯制御の制御コマンド(または制御信号)と、第二可動演出表示部220bの回転動作を制御するための制御コマンド(または制御信号)などを伝送するケーブルである。副制御基板330に設けられた照明制御部360(図4参照)で生成された制御コマンド(または制御信号)と、可動体制御部370で生成された制御コマンド(または制御信号)等は、コネクタCN7を通ってFFC47を伝送し、コネクタCN17を通って第二可動演出表示部220bに設けられた演出照明装置204を点灯制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)と、第二可動演出表示部220bの回転動作を制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)に入力される。これにより、第二可動演出表示部220bは、遊技の進行に応じて、演出照明装置204の発光部である発光ダイオードを発光したり第二可動ステージ上で回転したりできる。
FFC48の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN8に接続され、FFC48の他方の端部は、第二可動表示部基板221bに設けられたコネクタCN18に接続されている。FFC48は、第二可動演出表示部220bを駆動するための電力を供給するための電源用ケーブルである。電源基板(不図示)から供給される電力は、コネクタCN8、FFC48およびコネクタCN18を通って第二可動表示部基板221bに供給される。FFC48には、例えば第二可動演出表示部220bの画像表示や回転動作に関する各種回路、および第二可動演出表示部220bに設けられた演出照明装置204の点灯制御に関する各種回路の動作に必要な種々の電圧レベルの電源電圧が入力される複数の信号線と、基準電圧が入力される複数のグランド線とが設けられている。
FFC49の一方の端部は、副制御基板330に設けられたコネクタCN9に接続され、FFC49の他方の端部は、第二可動ステージ基板222bに設けられたコネクタCN19に接続されている。FFC49は、第二可動演出表示部220bを演出表示部200a(図2および図3参照)の前面に移動させたり演出表示部200aの前面で上下動させたりする第二可動ステージの動作を制御するための制御コマンド(または制御信号)などの伝送と、第二可動ステージの動作を制御する制御回路やモータ(いずれも不図示)の電源となる電力の供給とを担うケーブルである。
電源基板(不図示)から供給される電力は、コネクタCN9、FFC49およびコネクタCN19を通って第二可動ステージ基板222bに供給される。FFC49には、例えば第二可動ステージ動作を制御する制御回路やモータなどの動作に必要な種々の電圧レベルの電源電圧が入力される複数の信号線と基準電圧が入力される複数のグランド線が設けられている。また、FFC49には、副制御基板330に設けられた可動体制御部370で生成された制御コマンド(または制御信号)等を伝送するための信号線が設けられている。可動体制御部370で生成された制御コマンド(または制御信号)等は、コネクタCN9、FFC49およびコネクタCN19を通って第二可動ステージ基板222bに設けられ第二可動ステージの動作を制御する制御回路やドライバ駆動回路(いずれも不図示)に入力される。これにより、第二可動演出表示部220bは、遊技の進行に応じて、演出表示部200aの前面に移動したり当該前面から退避したり当該前面で上下に移動したりできる。
(非導電物)
次に、回路基板間(本実施形態では、副制御基板330と可動演出表示装置220に設けられた回路基板との間)を接続するケーブルの間に設けられた非導電物について図2から図4を参照しつつ図5および図6を用いて説明する。図6は、図5に示す近接領域αにおけるFFC41〜44の一部の断面であって、FFC41〜44の長手方向に切断した断面を模式的に示している。図6では、理解を容易にするため、FFC41〜44に設けられた被覆部412〜442にはハッチングの図示が省略されている。
副制御基板330は、遊技機100の背面、すなわち遊技盤108の後ろ側に配置されている。一方、第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bは、遊技機100の正面、すなわち遊技盤108の前側に配置されている。このため、副制御基板330と第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bとは、所定位置での配置が確保されたまま、電気的に接続される必要がある。さらに、第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bは、演出表示部200aの前面で可動可能に配置される必要がある。このため、上述のとおり、副制御基板330と第一可動演出表示部220aとはFFC41,42,43,44で接続され、副制御基板330と第二可動演出表示部220bとはFFC46,47,48,49で接続されている。
しかしながら、遊技機100において、FFC41〜49を遊技機100の背面側から正面側に引き回す領域は限られている。そこで、図5に示すように、FFC41〜44は、一部の領域で互いに重ね合わされて遊技機100内を引き回される。これにより、遊技機100内を占有するFFC41〜44の配線領域は減少される。同様に、FFC46〜49も一部の領域で互いに重ね合わされて遊技機100内を引き回され、遊技機100内を占有するFFC46〜49の配線領域の減少が図られている。
FFC41〜44が互いに重ね合わされた部分は、FFC41にFFC42,43が近接して配置される近接領域αとなる。また、FFC46〜49が互いに重ね合わされた部分は、FFC47にFFC46が近接して配置される近接領域βとなる。FFC41〜44は近接領域αにおいて遊技機100の所定部に固定され、FFC46〜49は近接領域βにおいて遊技機100の所定部に固定される。
FFC41〜49は長尺形状を有している。このため、FFC41〜44を重ね合わせた場合、互いに対向する面は平坦な面となり、FFC46〜49を重ね合わせた場合に互いに対向する面は平坦な面となる。このため、近接領域αにおいてFFC41とFFC42およびFFC43とは、平坦な面で向い合わされて配置される。同様に、近接領域βにおいてFFC46とFFC47とは、平坦な面で向い合わされて配置される。
図5および図6に示すように、遊技機100に備えられた非導電物51はFFC41およびFFC42の間に挟まれて配置され、非導電物52はFFC41およびFFC43の間に挟まれて配置され、非導電物61はFFC43とFFC44との間に挟まれて配置されている。非導電物51,52,61が配置されることによって、FFC41〜44が遊技機100内を占有する領域が大きくならないように、非導電物51,52,61は、FFC41〜44に沿うようにシート形状を有している。非導電物51は、FFC41とFFC42との間に挟まれて配置された場合にFFC41およびFFC42の長辺側端部から極端にはみ出さないように、FFC41〜44の幅と同じが若干大きく形成されている。同様に、非導電物52は、FFC41とFFC43との間に挟まれて配置された場合にFFC41およびFFC43の長辺側端部から極端にはみ出さないように、FFC41〜44の幅と同じが若干大きく形成されている。さらに同様に、非導電物61は、FFC43とFFC44との間に挟まれて配置された場合にFFC43およびFFC44の長辺側端部から極端にはみ出さないように、FFC41〜44の幅と同じが若干大きく形成されている。
詳細は後述するが、近接領域αにおいて、非導電物51は、FFC41の複数の導線411およびFFC42の複数の導線421の間に確実に挟まれ、非導電物52は、FFC41の複数の導線411およびFFC43の複数の導線431の間に確実に挟まれるように、FFC41〜44の幅と同じが若干大きく形成されている。一方、非導電物61は、FFC43およびFFC44を互いに固定できれば、FFC41〜44の幅よりも小さく形成されていてもよい。
図5および図6に示すように、遊技機100備えられた非導電物53はFFC46およびFFC47の間に挟まれて配置され、非導電物62はFFC47とFFC48との間に挟まれて配置され、非導電物63はFFC48とFFC49との間に挟まれて配置されている。非導電物53,62,63が配置されることによって、FFC46〜49が遊技機100内を占有する領域が大きくならないように、非導電物53,62,63は、FFC46〜49に沿うようにシート形状を有している。非導電物53は、FFC46とFFC47との間に挟まれて配置された場合にFFC46およびFFC47の長辺側端部から極端にはみ出さないように、FFC46〜49の幅と同じが若干大きく形成されている。同様に、非導電物62は、FFC47とFFC48との間に挟まれて配置された場合にFFC47およびFFC48の長辺側端部から極端にはみ出さないように、FFC46〜49の幅と同じが若干大きく形成されている。さらに同様に、非導電物63は、FFC48とFFC49との間に挟まれて配置された場合にFFC48およびFFC49の長辺側端部から極端にはみ出さないように、FFC46〜49の幅と同じが若干大きく形成されている。
詳細は後述するが、近接領域βにおいて、非導電物53は、FFC46の複数の導線461およびFFC47の複数の導線471の間に確実に挟まれるように、FFC46〜49の幅と同じが若干大きく形成されている。一方、非導電物62は、FFC47およびFFC48を互いに固定でき、非導電物63は、FFC48およびFFC49を互いに固定でれば、FFC46〜49の幅よりも小さく形成されていてもよい。
非導電物51〜53,61〜63は、粘着性を有している。非導電物51〜53,61〜63は、例えば粘着テープで構成されている。非導電物51,52,61は、粘着性を有することにより、FFC41〜44同士を固定するようになっている。これにより、非導電物51,52,61は、第一可動演出表示部220aを遊技機100に取り付ける際、あるいは遊技の進行に応じて第一可動演出表示部220aが可動する際に、近接領域αを中心にしてFFC41〜44が回転して放射状にずれてしまうことを防止できる。さらに、非導電物51,52,61は、FFC41〜44が放射状にずれるのを防止して、FFC41〜44が遊技機100内を占有する配線領域の増大も防止できる。
非導電物53,62,63は、粘着性を有することにより、FFC46〜49同士を固定するようになっている。これにより、非導電物53,62,63は、第二可動演出表示部220bを遊技機100に取り付ける際、あるいは遊技の進行に応じて第二可動演出表示部220bが可動する際に、近接領域βを中心にしてFFC46〜49が回転して放射状にずれてしまうことを防止できる。さらに、非導電物53,62,63は、FFC46〜49が放射状にずれるのを防止して、FFC46〜49が遊技機100内を占有する配線領域の増大も防止できる。
図6(a)に示すように、FFC41は導線411と導線411を被覆する被覆部412とを有し、FFC42は導線421と導線421を被覆する被覆部422とを有し、FFC43は導線431と導線431を被覆する被覆部432とを有し、FFC44は導線441と導線441を被覆する被覆部442とを有している。導線411は、画像データや第一可動演出表示部220aを駆動制御するための制御コマンド(または制御信号)などが伝送される信号線である。導線421は、演出表明装置204の点灯制御や第一可動演出表示部220aの回転動作を制御するための制御コマンド(または制御信号)などが伝送される信号線である。導線431は、電源電圧や基準電圧が入力される信号線である。導線441は、第一可動ステージの動作を制御する制御回路やモータの電源となる電力の供給される信号線である。なお、1つのFFCに設けられた導線において、異なる種類の信号(例えば画像データと演出表明装置204の点灯制御用の制御コマンドなど)が伝送されてもよい。
非導電物51は、FFC41の被覆部412の厚さd1およびFFC42の被覆部422の厚さd2の合計の2倍以上の厚さを有している。同様に、非導電物52は、FFC41の被覆部412の厚さd1およびFFC43の被覆部432の厚さd3の合計の2倍以上の厚さを有している。同様に、非導電物61は、FFC43の被覆部432の厚さd3およびFFC44の被覆部442の厚さd4の合計の2倍以上の厚さを有している。厚さd1、厚さd2、厚さd3および厚さd4は、ほぼ同じ厚さである。非導電物51,52,61は、例えば0.1mm以上の厚さを有していてよく、本実施形態では例えば2mmの厚さを有している。非導電物61は、非導電物51,52とは異なり、FFC43およびFFC44を固定するために設けられ、FFC41のインピーダンスの値が変動してしまうのを防止するために設けられていない。このため、非導電物61は、非導電物51,52と同じ厚さを有していなくてもよく、非導電物51,52よりも薄くてもよい。
また、非導電物51,52,61は、例えば粘着テープで構成されているため、可撓性を有しているが、可撓性を有していなくてもよい。非導電物51,52,61は、FFC41〜44が互いに固定されて遊技機100に配線され、互いに最も近接する近接領域αの全体に設けられている。これにより、非導電物51,52は、近接領域αにおいて、複数の導線411と複数の導線421,431との間に確実に配置されることができる。
図6(b)に示すように、FFC46は導線461と導線461を被覆する被覆部462とを有し、FFC47は導線471と導線471を被覆する被覆部472とを有し、FFC48は導線481と導線481を被覆する被覆部482とを有し、FFC49は導線491と導線491を被覆する被覆部492とを有している。導線461は、画像データや第二可動演出表示部220bを駆動制御するための制御コマンド(または制御信号)などが伝送される信号線である。導線471は、演出表明装置204の点灯制御や第二可動演出表示部220bの回転動作を制御するための制御コマンド(または制御信号)などが伝送される信号線である。導線481は、電源電圧や基準電圧が入力される信号線である。導線491は、第二可動ステージの動作を制御する制御回路やモータの電源となる電力が供給される信号線である。
非導電物53は、FFC46の被覆部462の厚さd6およびFFC47の被覆部472の厚さd7の合計の2倍以上の厚さを有している。同様に、非導電物62は、FFC47の被覆部472の厚さd7およびFFC48の被覆部482の厚さd8の合計の2倍以上の厚さを有している。厚さd6、厚さd7、厚さd8および厚さd9は、ほぼ同じ厚さである。同様に、非導電物63は、FFC48の被覆部482の厚さd8およびFFC49の被覆部492の厚さd9の合計の2倍以上の厚さを有している。非導電物53,62,63は、例えば0.1mm以上の厚さを有していてよく、本実施形態では例えば2mmの厚さを有している。非導電物62はFFC47およびFFC48を固定するために設けられ、非導電物63はFFC48およびFFC49を固定するために設けられている。しかしながら、非導電物62,63は、非導電物53とは異なり、FFC46のインピーダンスの値が変動してしまうのを防止するために設けられているわけではない。このため、非導電物62,63は、非導電物53と同じ厚さを有していなくてもよく、非導電物53よりも薄くてもよい。
また、非導電物53,62,63は、例えば粘着テープで構成されているため、可撓性を有しているが、可撓性を有していなくてもよい。非導電物53,62,63は、FFC46〜49が互いに固定されて遊技機100に配線され、互いに最も近接する近接領域βの全体に設けられている。これにより、非導電物53は、近接領域βにおいて、複数の導線461と複数の導線471との間に確実に配置されることができる。
(従来の遊技機の問題点および非導電物の効果)
次に、従来の遊技機の問題点および非導電物の効果について図4から図6を参照しつつ図7を用いて説明する。図7(a)は、非導電物51,52が設けられていない場合の近接領域αでのFFC41〜44(すなわち、従来の遊技機に設けられているFFC41〜44)の状態を示している。図7(a)は、図6(a)に示すFFC41〜44の一部に対応する断面を模式的に示している。図7(a)では、理解を容易にするため、FFC41〜44に設けられた被覆部411〜442にはハッチングが付されていない。
FFC41の導線411とFFC42の導線421との間には、FFC41の被覆部412とFFC42の被覆部422とが重ね合わされた状態で配置されている。導線411および導線421は金属である。FFC41は、並列して配置された複数の導線411を有し、FFC42は、並列して配置された複数の導線421を有している。複数の導線411は、互いに狭ピッチで配置され、複数の導線421は、互いに狭ピッチで配置されている。このため、FFC41およびFFC42の少なくとも一方が本来の位置から短手方向にずれた状態でFFC41およびFFC42が固定されても、導線411と導線421とは、被覆部412,422を挟んで対向して配置され易い。つまり、FFC41とFFC42とが重ね合わされた状態は、複数の導線411で構成された金属の平板と、複数の導線421で構成された金属の平板とが対向配置された状態と看做し得る。また、導線411と導線421との間に挟まれた被覆部412,422は樹脂で形成されており、誘電体である。被覆部412の厚さd1および被覆部422の厚さd2はそれぞれ、例えば0.05mm程度である。
このため、図7(b)に示すように、非導電物51が設けられていない場合には、FFC41には、FFC41の導線411が一方の電極、FFC42の導線421が他方の電極、および被覆部412,422が誘電体となる容量C12が形成される。同様に、非導電物52が設けられていない場合には、FFC41には、FFC41の導線411が一方の電極、FFC43の導線431が他方の電極、および被覆部412,432が誘電体となる容量C13が形成される。このため、FFC41のインピーダンスの値Z41は、容量C12,C13によって設計値に対してずれてしまう。これにより、FFC41は、副制御基板330の出力インピーダンスおよび第一可動表示部基板221aの入力インピーダンスと整合しなくなる。その結果、FFC41と副制御基板330との接続部やFFC41と第一可動表示部基板221aとの接続部で信号の反射などが生じて所望の画像データが送信されず、第一可動演出表示部220aに所望の画像が表示できなくなる。図示は省略するが、FFC46も同様に、FFC47の存在によって容量が形成され、インピーダンスの値が設計値からずれる。その結果、FFC46と副制御基板330との接続部やFFC46と第二可動表示部基板221bとの接続部で信号の反射などが生じて所望の画像データが送信されず、第二可動演出表示部220bに所望の画像が表示できなくなる。
一般に、2枚の平行平板を向い合せて構成される容量の値は、平行平板の対向面の面積をSと表し、2枚の平行平板の間隔をdと表し、2枚の平行平板の間に挟まれた誘電体の誘電率をεと表すと、容量値Cは、以下の式(1)で表すことができる。
C=ε×S/d ・・・(1)
式(1)より、容量値Cを小さくするためには、2枚の平行平板の対向面の面積Sを小さくするか、誘電体の誘電率εを小さくするか、2枚の平行平板の間隔dを長くする必要がある。そこで、遊技機100では、非導電物51,52,53を設けることにより、非導電物51,52,53が設けられていない場合と比較して、FFC41とFFC42との間の距離、FFC41とFFC43との間の距離、およびFFC46とFFC47との間の距離を長くすることができる。これにより、図7(b)に示す容量C12,C13は、図7(c)に示すように、FFC41に生じない。同様に、FFC46にもFFC47の存在に起因する容量が生じない。このため、FFC41のインピーダンスの値Z41およびFFC46のインピーダンスの値は設計値からずれないので、FFC41と副制御基板330との接続部やFFC41と第一可動表示部基板221aとの接続部、FFC46と副制御基板330との接続部やFFC46と第二可動表示部基板221bとの接続部で信号の反射などが生じない。その結果、遊技機100は、可動演出表示装置220に所望の画像データなどを送信できるので、第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bに所望の画像を表示できる。
以上説明したように、本実施形態による遊技機100は、インピーダンス整合されたFFC41とFFC42,43との間に非導電物51,52を備え、インピーダンス整合されたFFC46とFFC47との間に非導電物53を備えている。
このため、非導電物51は、FFC41の導線411とFFC42の導線421との間に所定の間隙を設けることができる。これにより、非導電物51は、導線411および導線421が、FFC411の被覆部412およびFFC42の被覆部422を誘電体として容量結合してしまうのを防止する。また、非導電物52は、FFC41の導線411とFFC43の導線431との間に所定の間隙を設けることができる。これにより、非導電物52は、導線411および導線431が、FFC411の被覆部412およびFFC43の被覆部432を誘電体として容量結合してしまうのを防止する。その結果、遊技機100は、副制御基板330の出力インピーダンスおよび第一可動表示部基板221aの入力インピーダンスにインピーダンス整合されたFFC41のインピーダンス値が設計値からずれてしまうのを防止できる。
非導電物53は、FFC46の導線461とFFC47の導線471との間に所定の間隙を設けることができる。これにより、非導電物53は、導線461および導線471が、FFC461の被覆部462およびFFC47の被覆部472を誘電体として容量結合してしまうのを防止する。これにより、遊技機100は、副制御基板330の出力インピーダンスおよび第二可動表示部基板221bの入力インピーダンスにインピーダンス整合されたFFC46のインピーダンス値が設計値からずれてしまうのを防止できる。
このように、遊技機100は、回路基板間で伝送されるデータ信号に重畳する外乱の影響を抑制することができる。その結果、遊技機100は、副制御基板330から第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bに所望の画像データや制御コマンド(又は制御信号)を正確に伝送でき、所望の画像を第一可動演出表示部220aおよび第二可動演出表示部220bに表示できる。
また、FFC41〜44は、非導電物51,52,61で互いに固定され、FFC46〜49は、非導電物53,62,63で互いに固定されている。このため、第一可動演出表示部220aが可動した場合にFFC41〜44が意図しない可動をして断線してしまうのを防止できる。同様に、第二可動演出表示部220bが可動した場合にFFC46〜49が意図しない可動をして断線してしまうのを防止できる。
本発明は、上記実施形態によらず、種々の変形が可能である。
上記実施形態では、隣り合って配置されるFFCは、一方がインピーダンス整合する必要のあるケーブル(例えばFFC41,46)であり、他方がインピーダンス整合する必要のないケーブル(例えばFFC42,43,47,48)であるが、本発明はこれに限られない。例えば、隣り合って配置されるFFCは、両方ともインピーダンス整合する必要のあるケーブルであっても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態では、非導電物51〜53は、例えば粘着テープで構成されているが、粘着性を有さずプラスチックで形成された薄板であっても、同様の効果が得られる。
上記実施形態では、非導電物が設けられるケーブルとして、フレキシブル・フラットケーブルを例にとって説明したが、フレキシブル・フラットケーブル以外のケーブルであっても、同様の効果が得られる。
いずれの大入賞口で大役遊技を実行するかは適宜設定可能である。
また、上記実施形態における遊技盤108の盤面構成は一例に過ぎず、適宜設計可能であることは言うまでもない。
また、上記実施形態における遊技状態の設定は一例に過ぎず、上記と同様の遊技性を担保可能な範囲において、適宜設定可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。