JP2018130232A - 医療用長尺体 - Google Patents

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明彦 垂永
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Abstract

【課題】バルーンの柔軟性を低下させることなく、狭窄部等に対する処置を行う際、バルーンにスコアリング機能を付加することが可能な医療用長尺体を提供する。【解決手段】バルーンカテーテル10は、流体を注入可能な内腔105を有するシャフト100と、シャフトの先端部101に配置された先端部材200と、シャフトに固定され、かつ、シャフトの内腔と連通するバルーン300と、を備え、先端部材は、ガイドワイヤルーメン205を形成する内腔205aと、先端部材の内腔と連通するガイドワイヤポート204aと、を有し、シャフトは、先端部材の内腔に向けて開口する先端開口部101aと、先端開口部を覆う補助拡張部110と、を有し、補助拡張部の構成材料は、バルーンの構成材料よりも柔軟であり、補助拡張部は、ガイドワイヤルーメンを狭めるように先端部材の内腔で拡張可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、生体管腔内に形成された狭窄部や閉塞部等の拡張に使用される医療用長尺体に関する。
血管等の生体管腔内に形成された狭窄部や閉塞部等を拡張する医療器具としてバルーンカテーテルが広く知られている。また、バルーンカテーテルの一つとして、スコアリング機能が付加されたスコアリングバルーンカテーテル(カッティングバルーンカテーテル)が知られている。スコアリングバルーンカテーテルは、バルーンの外表面に取り付けられたブレードを有している。一般的に、ブレードは、バルーンよりも剛性の高い樹脂や金属等で構成されている(例えば、特許文献1を参照)。
スコアリングバルーンカテーテルは、狭窄部を拡張させる処置に際し、バルーンに取り付けられたブレードを狭窄部に喰い込ませることにより、狭窄部に切れ目を入れながら、狭窄部を押し広げることができる。このため、スコアリングバルーンカテーテルは、石灰化が進行した病変部(動脈硬化部等)の治療などにおいても高い治療効果を発揮し得る。
特表2008−504059号
しかしながら、バルーンカテーテルは、バルーンとは別部材で構成された比較的剛性の高いブレードをバルーンに取り付けると、バルーンの柔軟性が低下するため、血管等の生体管腔内におけるバルーンの通過性(送達性)が損なわれてしまう。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、バルーンの柔軟性を低下させることなく、狭窄部等に対する処置を行う際、バルーンにスコアリング機能を付加することが可能な医療用長尺体を提供することを目的とする。
本発明に係る医療用長尺体は、流体を注入可能な内腔を有するシャフトと、前記シャフトの先端部に配置された先端部材と、前記シャフトに固定され、かつ、前記シャフトの内腔と連通するバルーンと、を備え、前記先端部材は、ガイドワイヤルーメンを形成する内腔と、前記先端部材の内腔と連通するガイドワイヤポートと、を有し、前記シャフトは、前記先端部材の内腔に向けて開口する先端開口部と、前記先端開口部を覆う補助拡張部と、を有し、前記補助拡張部の構成材料は、前記バルーンの構成材料よりも柔軟であり、前記補助拡張部は、前記ガイドワイヤルーメンを狭めるように前記先端部材の内腔で拡張可能であることを特徴とする。
本発明に係る医療用長尺体は、シャフトの内腔へ流体を供給すると、シャフトの先端開口部を覆うように配置された補助拡張部が拡張する。補助拡張部の構成材料はバルーンの構成材料よりも柔軟であるため、狭窄部を押し広げるようにバルーンが拡張する前に、補助拡張部が先端部材のガイドワイヤルーメンを狭めるように拡張する。そのため、補助拡張部は、拡張した際、ガイドワイヤルーメンに挿通されたガイドワイヤを固定する。また、バルーンは、補助拡張部によりガイドワイヤが固定された状態で拡張すると、バルーンの外表面とともにガイドワイヤを狭窄部に押し付ける。このため、医療用長尺体は、ガイドワイヤをブレードの代わりにして、バルーンにスコアリング機能が付加された状態で狭窄部を拡張できる。このように、医療用長尺体は、スコアリング機能を付加するためのブレードがバルーンに直接固定されていないため、バルーンが生体管腔内を移動している間はバルーンの柔軟性が低下しない。このため、術者等は、バルーンカテーテルを生体管腔内で円滑に移動させることができる。
本発明の第1実施形態に係る医療用長尺体を示す図であり、図1(A)は、医療用長尺体の全体構成を示す図、図1(B)は、医療用長尺体の先端部側を示す斜視図である。 図1(A)において破線部2Aで示す部分の拡大断面図である。 補助拡張部が拡張した際の様子を示す拡大断面図である。 バルーンが拡張した際の様子を示す拡大断面図である。 図5(A)は、図2に示す矢印5A方向から見た医療用長尺体の正面図、図5(B)は、図2に示す矢印5B−5B'に沿う断面図である。 図6(A)〜図6(C)は、第1実施形態に係る医療用長尺体を使用した手技の手順を模式的に示す断面図である。 図7(A)〜図7(C)は、第1実施形態に係る医療用長尺体を使用した手技の手順を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る医療用長尺体を示す図であり、図8(A)は、医療用長尺体の全体構成を示す図、図8(B)は、医療用長尺体の先端部側を示す斜視図である。 バルーンにガイドワイヤを巻き付ける際の様子を示す図である。 図8(A)において破線部10Aで示す部分の拡大断面図であり、バルーンにガイドワイヤを巻き付けてガイドワイヤに螺旋部を形成した状態を示す拡大断面図である。 バルーンが拡張した際の様子を示す拡大断面図である。 図12(A)は、図9に示す矢印12A方向から見た医療用長尺体の正面図、図12(B)は、図9に示す矢印12B−12B'に沿う断面図である。 図13(A)〜図13(C)は、第2実施形態に係る医療用長尺体を使用した手技の手順を模式的に示す断面図である。 図14(A)〜図14(C)は、第2実施形態に係る医療用長尺体を使用した手技の手順を模式的に示す断面図である。
以下、各図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
図1〜図5は、第1実施形態に係るバルーンカテーテル(「医療用長尺体」に相当する)10の各部の構成を示す図である。また、図6および図7は、バルーンカテーテル10を使用した手技の手順を模式的に示す断面図である。
具体的には、図1(A)は、バルーンカテーテル10の全体構成を示す図(図2に示す状態の全体図)、図1(B)は、バルーンカテーテル10の先端側の構成を拡大して示す図(図2に示す状態の斜視図)、図2〜図4は、バルーンカテーテル10の補助拡張部110およびバルーン300が拡張する際の様子を示す拡大断面図、図5(A)は、図2に示す矢印5A方向から見たバルーンカテーテル10の正面図、図5(B)は、図2に示す矢印5B−5B'線に沿う断面図(軸直交断面図)である。
なお、図1においては、バルーンカテーテル10の各部の構造を明瞭に表すために、ガイドワイヤWの大きさ(外径)に対してバルーンカテーテル10の各部の大きさを誇張して図示している。
図1(A)に示すように、本実施形態に係るバルーンカテーテル10は、シャフト100を生体器官に挿通させ、シャフト100の先端側に配置されたバルーン300を狭窄部において拡張させることにより、生体器官の狭窄部を押し広げて治療する医療用長尺体である。また、後述するように、バルーンカテーテル10は、バルーン300により生体器官の狭窄部を押し広げる際に、ガイドワイヤWを利用して、バルーン300にスコアリング機能を付加する(図4および図7(A)を参照)。
バルーンカテーテル10は、例えば、冠動脈の狭窄部を広げるために使用されるPTCA拡張用バルーンカテーテルとして構成することができる。ただし、バルーンカテーテル10は、例えば、他の血管、胆管、気管、食道、その他消化管、尿道、耳鼻内腔、その他の臓器等の生体器官内に形成された狭窄部の治療および改善を目的として使用されるものとして構成することもできる。
バルーンカテーテル10の構成について説明する。
図2に示すように、概説すると、バルーンカテーテル10は、流体を注入可能な内腔(拡張ルーメン)105を有するシャフト100と、シャフト100の先端部101に配置された先端部材200と、シャフト100に固定され、かつ、シャフト100の内腔105と連通するバルーン300と、シャフト100の基端部に配置されたハブ400と、を有している。
実施形態の説明においては、先端部材200が配置された側をバルーンカテーテル10の先端側と称し、ハブ400が配置された側をバルーンカテーテル10の基端側と称し、シャフト100が延伸する方向をバルーンカテーテル10の軸方向と称する。
シャフト100は、可撓性を備える長尺状の部材で構成している。シャフト100の内腔105は、シャフト100の内部を軸方向に沿って延在している。
図2および図3に示すように、シャフト100は、先端部材200の内腔205aに向けて開口する先端開口部101aと、先端開口部101aを覆う補助拡張部110と、を有している。後述するように、先端部材200の内腔205aの一部は、ガイドワイヤWを挿通可能なガイドワイヤルーメン205を形成する。
先端開口部101aが形成されたシャフト100の先端部101は、先端部材200の内腔205aにおいて、基端側から先端側にかけて傾斜している。換言すると、シャフト100の先端部101は、先端部材200の内腔205a内に配置されており、かつ、図2に示す軸方向に沿う断面において、基端側から先端側に向けて外径が徐々に小さくなるテーパー形状を有している。
図3に示すように、シャフト100の先端開口部101aは、先端部材200のガイドワイヤポート204a側に向かって開口している。そのため、シャフト100の先端開口部101aの少なくとも一部は、シャフト100の軸方向に垂直な断面において、ガイドワイヤポート204aと同一平面上に存在する。
なお、シャフト100の先端開口部101aは、図2に示すように、先端部材200のガイドワイヤポート204aに対して非平行な位置関係で開口していてもよいし、例えば、先端部材200のガイドワイヤポート204aに対して平行な位置関係で開口していてもよい。
シャフト100は、シャフト100の内腔105とバルーン300の拡張空間305(図4を参照)を連通する孔部108を有している。シャフト100の内腔105に流体(例えば、造影剤や生理食塩水)を注入すると、一部の流体は、先端開口部101aを経由して補助拡張部110側へ流れ込み、補助拡張部110を拡張させる(図3を参照)。また、シャフト100の内腔105に注入された一部の流体は、孔部108を経由してバルーン300の拡張空間305に流入し、バルーン300を拡張させる(図4を参照)。
図2に示すように、シャフト100は、バルーン300よりも基端側(バルーン300の基端部303よりも軸方向の基端側)に配置されたガイドワイヤ誘導部120を有している。
ガイドワイヤ誘導部120には、ガイドワイヤWを挿通可能な挿通部(挿通孔)121が形成されている。
図5(B)に示すように、ガイドワイヤ誘導部120は、シャフト100に融着して一体化されている。シャフト100に対するガイドワイヤ誘導部120の融着は、例えば、熱収縮チューブを利用して行うことができる。融着は、例えば、以下の手順で行うことができる。作業者は、樹脂材料で形成された筒状の部材をシャフト100の外表面に配置し、所定の熱収縮チューブにより筒状の部材とシャフト100を覆う。作業者は、熱収縮チューブに熱を付与して、熱収縮チューブを収縮させる。筒状の部材は、熱収縮チューブの収縮に伴って溶融して、シャフト100の外表面に融着する。シャフト100の外表面に融着した筒状の部材は、ガイドワイヤ誘導部120を形成する。
術者等は、バルーンカテーテル10を使用した処置を行う際、先端部材200の内腔205aが形成するガイドワイヤルーメン205にガイドワイヤWを挿通し、さらに、ガイドワイヤ誘導部120にガイドワイヤWを挿通することにより、バルーン300の基端側へガイドワイヤWを容易に誘導することができる。
図5(A)に示すように、ガイドワイヤ誘導部120は、シャフト100の軸心c1を基準として、ガイドワイヤポート204aと同じ位置(ガイドワイヤ誘導部120とガイドワイヤポート204aとが周方向において重なる位置)に配置している。上記の「同じ位置」とは、図5(A)に示す矢印rで示すシャフト100の周方向において、軸直交断面図上におけるガイドワイヤ誘導部120の中心位置とガイドワイヤポート204aの中心位置との間に位相差(角度差)がないこと、もしくは若干の位相差(数度程度の位相差)があることを意味する。
図5(B)に示すように、ガイドワイヤ誘導部120は、シャフト100から軸方向と直交する方向に突出した形状を有している。ガイドワイヤ誘導部120は、突出した側の端部が丸みを帯びた形状である。なお、ガイドワイヤ誘導部120の形状や構造は特に限定されず、例えば、非円形断面の筒状の部材、ガイドワイヤWを引っ掛けて保持可能なフック構造を持つもの、シャフト100の外表面との間にガイドワイヤWが挿通可能な空間を形成する板状やシート状の部材等で構成することも可能である。
図5(B)に示すように、ガイドワイヤ誘導部120の挿通部121の内径t1は、シャフト100の内径(内腔105の径)d1よりも小さいことが好ましい。バルーンカテーテル10は、ガイドワイヤ誘導部120の高さ寸法が大きくなると部分的にシャフト100の外径が大きくなってしまう。そのため、シャフト100の外径をある程度小さくするために、例えば、上記のようにガイドワイヤ誘導部120の挿通部121の内径t1とシャフト100の内径d1との関係を設定することが好ましい。ただし、ガイドワイヤ誘導部120の内径t1を極端に小さくしてしまうと、ガイドワイヤ誘導部120の挿通部121が過度に小さくなってしまうため、ガイドワイヤWを挿通部121に円滑に挿入することが難しくなる可能性もある。このため、ガイドワイヤ誘導部120の内径t1は、例えば、シャフト100の内径d1を超えない範囲で、製品仕様等に応じた適切な大きさに設定することが好ましい。
図2に示すように、シャフト100の補助拡張部110は、シャフト100の先端部101および先端部材200の基端部203と固定している。具体的には、補助拡張部110は、補助拡張部110の基端部113が、シャフト100の先端部101の外表面と先端部材200の基端部203の内表面との間に挟まれた状態で、シャフト100および先端部材200に対して固定されている。補助拡張部110の固定方法は、例えば、融着や接着等の公知の方法を採用することが可能である。
シャフト100において先端開口部101aが形成された先端部101は、先端部材200の内腔205aに配置している。シャフト100の先端開口部101aを覆うように配置された補助拡張部110は、シャフト100の先端部101と同様に、先端部材200の内腔205aに配置している。
補助拡張部110の構成材料は、バルーン300の構成材料よりも柔軟である。
上記の「補助拡張部の構成材料がバルーンの構成材料よりも柔軟である」とは、補助拡張部110の構成材料のショア硬度D(JIS 6253に準拠)が、バルーンの構成材料のショア硬度Dよりも小さいことを意味する。また、上記の構成材料の柔軟性の関係は、換言すると、補助拡張部110の構成材料とバルーン300の構成材料とで同一のバルーン(形状および容積が同一)を形成し、各バルーンに同一圧力(例えば、推奨拡張圧)を加えたときに、補助拡張部110の方がバルーン300よりも拡張量が大きくなる材料で補助拡張部110が構成されることを意味する。
上記のように、補助拡張部110の構成材料は、バルーン300の構成材料よりも柔軟である。このため、シャフト100の内腔105に流体を注入すると、補助拡張部110は、バルーン300よりも先に拡張を開始する。補助拡張部110は、シャフト100の先端側に位置する先端部材200の内腔205aにおいて拡張することにより、先端部材200の内腔205aを狭める。補助拡張部110は、先端部材200の内腔205aを狭めることにより、後述するように先端部材200の内腔205aにより形成されるガイドワイヤルーメン205を挿通したガイドワイヤWを先端部材200の内壁(内面)に対して押し付けて保持(固定)する(図3を参照)。
なお、本実施形態では、補助拡張部110は、先端部材200のガイドワイヤルーメン205にガイドワイヤWを挿通した状態で、バルーン300を拡張する際、バルーン300よりも早く拡張し(バルーン300が推奨拡張圧径に達するよりも早く拡張し)、先端部材200のガイドワイヤルーメン205においてガイドワイヤWを固定するように構成している。
補助拡張部110は、例えば、シャフト100の先端開口部101aを覆う程度の大きさで形成されたシート状の部材で構成することが可能である。なお、補助拡張部110の形状や大きさは、シャフト100の先端開口部101aを覆うことが可能なものであれば特に限定されない。また、補助拡張部110の厚さは、同一加圧条件下において補助拡張部110がバルーン300よりも先に拡張し得る限り、特に制限はない。
本実施形態では、補助拡張部110は、補助拡張部110が拡張した際、ガイドワイヤポート204aを覆うように構成している。上記の「ガイドワイヤポートを覆う」とは、
先端部材200のガイドワイヤルーメン205にガイドワイヤWを挿入した状態で、補助拡張部110を拡張した際、ガイドワイヤポート204aを形成する開口部全体が補助拡張部110およびガイドワイヤWにより密閉される(隙間なく覆われる)ことを意味する。このように補助拡張部110を構成することにより、補助拡張部110が拡張した際に、ガイドワイヤWを先端部材200に対して固定する固定力を向上させることが可能になる。
図1(B)および図2に示すように、先端部材200は、先端開口部201aが形成された先端部201と、シャフト100および補助拡張部110と固定された基端部203と、基端側から先端側に向けて傾斜するテーパー部204と、テーパー部204に形成されたガイドワイヤポート204aと、を有している。
図2に示すように、先端部材200の基端部203は、補助拡張部110の外表面とシャフト100の外表面の両方を覆った状態で、各部材100、110と固定している。そのため、先端部材200は、補助拡張部110の外表面とシャフト100の外表面の両方に接触しつつ固定されるため、バルーンカテーテル10は、シャフト100、補助拡張部110、および先端部材200を強固に固定することができる。
図2に示すように、先端部材200の内腔205aには、シャフト100の先端部と補助拡張部110を配置している。先端部材200の内腔205aにおいて、拡張変形する前の状態の補助拡張部110が配置された位置よりも先端側の部分(空間)は、ガイドワイヤWが挿入可能なガイドワイヤルーメン205を形成する。つまり、ガイドワイヤルーメン205は、先端部材200の内腔205aの一部により形成している。
図2に示すように、先端部材200の軸方向に沿うガイドワイヤルーメン205の断面形状は、基端側から先端側に向けて徐々に広がる形状を呈している。上記断面形状は、先端部材200が元々備える内腔205aの形状と、この内腔205aに挿入されたシャフト100の先端部101の形状および補助拡張部110の形状によって形作られる。このため、例えば、先端部材200の内腔205aの断面形状、シャフト100の先端部の断面形状、および補助拡張部110の断面形状等を適宜変更することにより、先端部材200のガイドワイヤルーメン205の断面形状(補助拡張部110を拡張させる前の断面形状)を任意の形状に形成することが可能である。
図5(A)に示すように、先端部材200の先端開口部201aは、ガイドワイヤポート204aよりも先端側に配置している。先端部材200の先端開口部201aの開口径は、例えば、ガイドワイヤポート204aと略同一に形成することができる。
また、本実施形態では、シャフト100の先端部101がテーパー状に形成されており、シャフト100の先端部101に配置された補助拡張部110も上記先端部101に沿って傾斜した状態で配置されている。このため、術者等は、先端部材200の先端開口部201aを介してガイドワイヤWをガイドワイヤルーメン205内に挿入した後、補助拡張部110にガイドワイヤWを沿わせることにより、ガイドワイヤWをガイドワイヤポート204aへ向けて容易に誘導することができる。
先端部材200の構成材料は、補助拡張部110の構成材料よりも硬い。ここで言う硬さの大小関係は、ショア硬度D(JIS 6253に準拠)を基準にして規定することができる。
図4に示すように、バルーン300は、シャフト100の先端部101に固定された先端部301と、先端部301よりも基端側でシャフト100に固定された基端部303と、先端部301と基端部303との間に形成された略円筒状の拡張部304と、を有している。なお、バルーン300の拡張部304の先端側には、先端側に向けてバルーン300の外径が小さくなる先端側テーパー部306が形成されており、バルーン300の拡張部304の基端側には、基端側に向けてバルーン300の外径が小さくなる基端側テーパー307部が形成されている。
図4に示すように、バルーン300は、シャフト100の外周面との間に拡張空間305を形成している。バルーン300は、拡張空間305内に流体が流入すると、図4に示すように軸方向と直交する方向(径方向外方)へ拡張する。バルーン300の拡張部304は、バルーン300の拡張に伴って狭窄部Sに対して拡張力を作用させる(図7(A)を参照)。
シャフト100に対するバルーン300の固定方法は、例えば、融着や接着等の公知の方法を採用することが可能である。
図1に示すように、ハブ400は、流体(加圧媒体)を供給するためのインデフレーター等の供給装置(図示省略)と液密・気密に接続可能なポート410を有している。ハブ400のポート410は、例えば、流体チューブ等が接続・分離可能に構成された公知のルアーテーパー等によって構成することができる。
シャフト100は、シャフト100の内腔105がハブ400内の流路と連通した状態で、ハブ400と接続されている。バルーン300の拡張に使用される流体は、ハブ400のポート410を介してシャフト100の内腔105へ供給される。
次に、各部材の構成材料について説明する。
シャフト100の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、軟質ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種エラストマー、ポリアミド、結晶性ポリエチレン、結晶性ポリプロピレン等の結晶性プラスチックを用いることができる。
補助拡張部110の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等を用いることができる。なお、補助拡張部110は、後述するバルーン300の構成材料よりもショア硬度D(JIS 6253に準拠)が低い構成材料によって形成される。
先端部材200の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料の多層チューブ等を用いることができる。
バルーン300の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等を用いることができる。
ガイドワイヤ誘導部120の構成材料としては、例えば、シャフト100の構成材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
図2に示すように、シャフト100には、造影マーカー103a、103bを設けている。造影マーカー103aは、シャフト100において、バルーン300の拡張部304とバルーン300の先端側テーパー部306との境界部と周方向において重なる位置に配置している。また、造影マーカー103bは、シャフト100において、バルーン300の拡張部304とバルーン300の基端側テーパー部307との境界部と周方向において重なる位置に配置している。各造影マーカー103a、103bは、例えば、造影性を有する公知の金属材料で形成されたリング状の部材で構成することができる。
次に、図1〜図4を参照して、バルーンカテーテル10の操作手順を説明する。
図1(B)および図2に示すように、術者等は、バルーンカテーテル10を血管内の狭窄部まで送達する際、先端部材200のガイドワイヤルーメン205にガイドワイヤWを挿通させる。
ガイドワイヤWは、先端部材200の先端開口部201aからガイドワイヤルーメン205内に挿入されて、ガイドワイヤポート204aからガイドワイヤルーメン205の外部に導出される。
術者等は、バルーン300の外表面側(例えば、図5(A)に示す軸直交断面上におけるバルーン300の上方の外表面側)を通して、ガイドワイヤWをバルーン300の基端側に誘導する。また、術者等は、バルーン300よりも基端側では、軸直交断面上における周方向の上側に位置するガイドワイヤ誘導部120にガイドワイヤWを挿通させる。
術者等は、ガイドワイヤWに沿ってバルーンカテーテル10を血管B内で移動させる。その際、バルーンカテーテル10は、バルーン300の表面にスコアリング機能を付加する部材を有さない。このため、バルーンカテーテル10のバルーン300は、柔軟性を保つことができる。これにより、術者等は、バルーンカテーテル10を血管B内で円滑に移動させることができる。
また、バルーンカテーテル10は、シャフト100の先端側に配置された先端部材200のガイドワイヤポート204aにガイドワイヤWを挿通させるように構成されているため、シャフト100の軸方向の全長に亘ってガイドワイヤWを挿通させる必要がない。このため、術者等は、ガイドワイヤポート204aへのガイドワイヤWの挿通を容易かつ円滑に行うことができる。
次に、図3に示すように、術者等は、ハブ400を介してシャフト100の内腔105へ流体を供給する。補助拡張部110は、シャフト100の内腔105を経由して補助拡張部110へ送り込まれた流体により、ガイドワイヤポート204aへ向けて拡張する。これにより、補助拡張部110は、ガイドワイヤポート204a付近の先端部材200の内壁に対してガイドワイヤWを固定(保持)する。
図4に示すように、バルーン300は、補助拡張部110が拡張してガイドワイヤWが先端部材200に対して固定された後、拡張を開始する。前述したように、本実施形態では、補助拡張部110の構成材料がバルーン300の構成材料よりも柔軟に形成されているため、バルーン300は、補助拡張部110が拡張してガイドワイヤWを先端部材200のガイドワイヤルーメン205内に固定した状態で、拡張を開始する。
バルーン300は拡張すると、バルーン300の拡張部304の外表面側に配置されたガイドワイヤWを、バルーン300の拡張方向(バルーン300の径方向外方)に向けて押圧する。これにより、術者等は、バルーン300にガイドワイヤWによるスコアリング機能を付加した状態で、狭窄部Sの拡張を行うことができる。
術者等は、バルーン300およびガイドワイヤWを使用して狭窄部Sを拡張した後、シャフト100の内腔105を介して流体を排出することにより、補助拡張部110およびバルーン300を収縮させる。
補助拡張部110は、補助拡張部110の収縮に伴ってガイドワイヤWの固定を解除する。また、バルーン300は、バルーン300の収縮に伴って狭窄部Sに対するガイドワイヤWの押し付けを解除する。このため、術者等は、補助拡張部110およびバルーン300を収縮させることにより、バルーン300のスコアリング機能を解除し、バルーン300を単独で移動させることが可能になる。これにより、バルーンカテーテル10は、バルーン300にスコアリング機能を付加する部材を直接固定する場合と比較して、柔軟性を保つことができる。そのため、術者等は、バルーンカテーテル10を血管内で円滑に移動させることができる。
次に、図6および図7を参照して、バルーンカテーテル10を使用した手技の手順を説明する。なお、ここでは、血管B(例えば、冠動脈)に形成された狭窄部Sを拡張する手技にバルーンカテーテル10を使用した例を説明する。
まず、術者等は、図6(A)に示すように、血管Bに形成された治療対象となる狭窄部SにガイドワイヤWを挿通させる。なお、術者等は、ガイドワイヤWの挿通に際して、公知のイントロデューサ(図示せず)やガイドカテーテル等を適宜使用することができる。また、ガイドワイヤWとしては、例えば、血管の狭窄部の貫通等に用いられる公知の貫通用ワイヤを使用することが可能である。
次に、術者等は、図6(B)に示すように、ガイドワイヤWに沿わせてバルーンカテーテル10を血管B内で移動させる。術者等は、バルーン300の拡張部304が狭窄部S内に配置されるようにバルーン300の位置を調整する。なお、術者等は、狭窄部Sに対するバルーン300の位置合わせを、X線造影下において各造影マーカー103a、103bの位置を確認しながら行うことができる。
次に、術者等は、図6(C)に示すように、シャフト100の内腔105へ流体を供給して、補助拡張部110を拡張させる(流体の供給を矢印f1で示す)。補助拡張部110は、拡張することにより、先端部材200のガイドワイヤポート204a内でガイドワイヤWを固定する。
図7(A)に示すように、バルーン300は、先端部材200のガイドワイヤポート204a内でガイドワイヤWが補助拡張部110により固定された後、拡張を開始する。バルーン300は、拡張することにより、バルーン300の拡張部304の外表面側に配置されたガイドワイヤWを狭窄部Sに押し付ける。これにより、術者等は、ガイドワイヤWをブレードとして利用することができ、狭窄部Sを効率的に拡張させることができる。
術者等は、例えば、ガイドワイヤWを補助拡張部110により固定した状態で、ガイドワイヤWを基端側へ引っ張ってテンション(張力)を掛けた状態でバルーン300の拡張を行うことも可能である。これにより、術者等は、バルーン300を拡張させた際に、バルーン300の拡張に伴ってガイドワイヤWの位置がずれるのを防止できる。これにより、術者等は、バルーン300の拡張時に狭窄部SにガイドワイヤWをより確実に押し付けることができる。
術者等は、狭窄部Sを拡張する処置を終えた後、図7(B)に示すように、シャフト100の内腔105を介して流体をバルーンカテーテル10から排出する(流体の排出を矢印f2で示す)。バルーンカテーテル10の補助拡張部110およびバルーン300は、バルーンカテーテル10からの流体の排出に伴って収縮する。補助拡張部110は、補助拡張部110の収縮により、ガイドワイヤWの固定を解除する。これにより、術者等は、バルーンカテーテル10をガイドワイヤWに沿わせて単独で移動させることが可能になる。
術者等は、図7(C)に示すように、バルーンカテーテル10の補助拡張部110およびバルーン300を収縮させた後、ガイドワイヤWに沿わせてバルーンカテーテル10を生体外へ抜去する。術者等は、バルーンカテーテル10を生体外へ抜去した後、ガイドワイヤWを適宜抜去する。
以上のように本実施形態に係るバルーンカテーテル10は、流体を注入可能な内腔105を有するシャフト100と、シャフト100の先端部101に配置された先端部材200と、シャフト100に固定され、かつ、シャフト100の内腔105と連通するバルーン300と、を備えている。また、先端部材200は、ガイドワイヤルーメン205を形成する内腔と、先端部材200のガイドワイヤルーメン205と連通するガイドワイヤポート204aと、を有しており、シャフト100は、先端部材200のガイドワイヤルーメン205に向けて開口する先端開口部101aと、先端開口部101aを覆う補助拡張部110と、を有している。そして、補助拡張部110の構成材料は、バルーン300の構成材料よりも柔軟であり、補助拡張部110は、先端部材200のガイドワイヤルーメン205を狭めるように、先端部材200のガイドワイヤルーメン205で拡張可能である。
上記のように構成したバルーンカテーテル10は、シャフト100の内腔105へ流体を供給すると、シャフト100の先端開口部101aを覆うように配置された補助拡張部110が拡張する。補助拡張部110の構成材料はバルーン300の構成材料よりも柔軟であるため、狭窄部を押し広げるようにバルーン300が拡張する前に、補助拡張部110が先端部材200のガイドワイヤルーメン205を狭めるように拡張する。補助拡張部110は、拡張した際、ガイドワイヤルーメン205に挿通されたガイドワイヤWを固定する。また、バルーン300は、補助拡張部110によりガイドワイヤWが固定された状態で拡張すると、バルーン300の外表面とともにガイドワイヤWを狭窄部に押し付ける。これにより、バルーンカテーテル10は、ガイドワイヤWをブレードの代わりにして、バルーン300にスコアリング機能が付加された状態で狭窄部を拡張することができる。このように、バルーンカテーテル10は、スコアリング機能を付加するためのブレードがバルーン300に直接固定されていない。そのため、バルーンカテーテル10は、バルーン300が血管内を移動している間はバルーン300の柔軟性が低下しない。このため、術者等は、バルーンカテーテル10を血管B内で円滑に移動させることができる。また、バルーンカテーテル10は、バルーン300の拡張時に補助拡張部110がガイドワイヤWを固定しているため、バルーン300が狭窄部を拡張する際、バルーン300の外表面でガイドワイヤWが移動するのを防止できる。これにより、バルーンカテーテル10は、バルーン300の拡張時に狭窄部にガイドワイヤWをより確実に押し付けることができるため、バルーン300の外表面に配置されたガイドワイヤWにより、狭窄部に切れ目を入れながら、狭窄部を押し広げることができる。
また、バルーンカテーテル10の先端部材200は、基端側から先端側に向けて傾斜するテーパー部204を有している。先端部材200に形成されたガイドワイヤポート204aは、先端部材200のテーパー部204に形成されている。
上記のように、バルーンカテーテル10は、先端部材200のテーパー部204にガイドワイヤポート204aが形成されているため、シャフト100の先端開口部101aからガイドワイヤポート204aまでの距離が比較的短く形成される。このため、シャフト100の先端部101に配置された補助拡張部110は、拡張した際、先端部材200のガイドワイヤポート204a付近に配置されたガイドワイヤWの固定を容易に行うことができる。さらに、バルーンカテーテル10は、先端部材200に形成されたテーパー部204により、狭窄部S等に対する挿通性(貫通性)が向上したものとなる。
また、先端開口部101aが形成されたシャフト100の先端部101は、ガイドワイヤルーメン205において、基端側から先端側に向けて傾斜している。シャフト100の先端開口部101aは、ガイドワイヤポート204a側に向かって開口している。
上記のように、補助拡張部110は、基端側から先端側に向けて傾斜したシャフト100の先端部101に設けられており、かつ、ガイドワイヤポート204aに向けて開口したシャフト100の先端開口部101aを覆うように配置されているため、補助拡張部110が拡張した際、拡張方向がガイドワイヤポート204a側へ向けられる。このため、補助拡張部110は、ガイドワイヤポート204a付近に配置されたガイドワイヤWをより一層容易かつ確実に固定することができる。
また、シャフト100は、バルーン300よりも基端側に配置されるとともにシャフト100の基端側へガイドワイヤWを誘導するガイドワイヤ誘導部120を有している。術者等は、バルーンカテーテル10の使用に際してガイドワイヤ誘導部120を利用することにより、バルーン300の基端側へガイドワイヤWを容易に誘導することが可能になる。また、ガイドワイヤ誘導部120は、バルーンカテーテル10を狭窄部に送達する際、ガイドワイヤWがシャフト100の外表面に巻きつくことを防止することもできる。
また、補助拡張部110は、拡張した状態で、先端部材200のガイドワイヤポート204aを覆うように構成されている。このため、補助拡張部110は、先端部材200に対するガイドワイヤWの固定力を向上させることができる。
また、先端部材200の構成材料は、補助拡張部110の構成材料よりも硬いものが用いられている。このため、先端部材200は、補助拡張部110が拡張した際、補助拡張部110とともに拡張するのが防止される。これにより、先端部材200は、補助拡張部110が拡張した際、先端部材200に対してしっかりとガイドワイヤWを支持することができ、先端部材200に対するガイドワイヤWの固定力を高めることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るバルーンカテーテル(「医療用長尺体」に相当する)500を説明する。
第2実施形態の説明では、第1実施形態に係るバルーンカテーテル10の説明で既に説明した構成と同様の構成については説明を省略する。また、本実施形態において特に言及しない点(例えば、手技手順等)は、第1実施形態と同様のものとすることができる。
図8〜図12は、第2実施形態に係るバルーンカテーテル500の各部の構成を示す図である。また、図13および図14は、バルーンカテーテル10を使用した手技例の手順を模式的に示す断面図である。
具体的には、図8(A)は、バルーンカテーテル500の全体構成を示す図(図10に示す状態の全体図)、図8(B)は、バルーンカテーテル500の先端部側の構成を拡大して示す図(図10に示す状態の斜視図)、図9〜図11は、バルーンカテーテル500の補助拡張部110およびバルーン300が拡張する際の様子を示す拡大断面図、図12(A)は、図9に示す矢印12A方向から見たバルーンカテーテル500の正面図、図12(B)は、図9に示す矢印12B−12B'線に沿う断面図(軸直交断面図)である。
なお、図8においては、バルーンカテーテル500の各部の構造を明瞭に表すために、ガイドワイヤWの大きさ(外径)に対して、バルーンカテーテル500の各部の大きさを誇張して図示している。
第2実施形態に係るバルーンカテーテル500は、第1実施形態に係るバルーンカテーテル10とガイドワイヤ誘導部620の構成が相違する。
第1実施形態に係るバルーンカテーテル10では、ガイドワイヤ誘導部120は、シャフト100の軸心c1を基準として、ガイドワイヤポート204aと同じ位置(周方向において重なる位置)に配置されていた(図5(A)および図5(B)を参照)。一方、第2実施形態に係るバルーンカテーテル500では、図12(A)および図12(B)に示すように、ガイドワイヤ誘導部620は、シャフト100の軸心c1を基準として、ガイドワイヤポート204aと反対側に配置されている。
上記の「反対側に配置されている」とは、図12(A)および図12(B)に示す矢印rで示すシャフト100の周方向において、軸直交断面図上におけるガイドワイヤ誘導部620の中心位置とガイドワイヤポート204aの中心位置との間に180°に近い位相差(角度差)θがあることを意味する。なお、ガイドワイヤ誘導部620とガイドワイヤポート204aとの間の位相差は、ガイドワイヤWに後述する螺旋部Wsを形成し得る限りにおいて適宜変更することができ、角度差θが厳密に180°に限定されることはない。
ガイドワイヤ誘導部620とガイドワイヤポート204aの配置関係以外については、第2実施形態に係るバルーンカテーテル500は、第1実施形態に係るバルーンカテーテル10と実質的に同様に構成している。このため、他の構成についての説明は省略する。
次に、図8〜図9を参照して、バルーンカテーテル500の操作手順を説明する。
図9に示すように、術者等は、バルーンカテーテル10を血管B内の狭窄部Sまで送達する際、先端部材200のガイドワイヤルーメン205にガイドワイヤWを挿通させる。
術者等は、バルーン300の外表面側(例えば、図12(A)に示す軸直交断面上におけるバルーン300の上方の外表面側)を通して、ガイドワイヤWをバルーン300の基端側に誘導する。また、術者等は、バルーン300よりも基端側では、軸直交断面上における周方向の下側に位置するガイドワイヤ誘導部620にガイドワイヤWを挿通させる。
次に、術者等は、ハブ400を介してシャフト100の内腔105へ流体を供給する。補助拡張部110は、シャフト100の内腔105を経由して補助拡張部110へ送り込まれた流体により、ガイドワイヤポート204aへ向けて拡張する。これにより、補助拡張部110は、ガイドワイヤポート204a付近の先端部材200の内壁に対してガイドワイヤWを固定(保持)する。
次に、術者等は、手元での操作により、ガイドワイヤWを先端側(バルーンカテーテル500の先端側)へ押し込む操作を行う(図9中の矢印pを参照)。ガイドワイヤWは、術者等により先端側へ押し込まれると、ガイドワイヤ誘導部620によりガイドされて、バルーン300の外周に沿って螺旋状に巻回される。ガイドワイヤWの巻回された部分は、螺旋部Wsを形成する。なお、術者等は、ガイドワイヤWに螺旋部Wsを形成する際、シャフト100の内腔105への流体の供給を一旦停止する。
ガイドワイヤWは、ガイドワイヤWのバルーン300よりも基端側の部分が、シャフト100の軸心c1を基準として、ガイドワイヤポート204aと反対側に配置された状態で、かつ、ガイドワイヤWのバルーン300よりも先端側の部分が、ガイドワイヤポート204a付近に固定された状態で押し込まれると、先端側から撓むように変形して、バルーン300の外周に螺旋状に巻き付いた螺旋部Wsを形成する。
術者等は、ガイドワイヤWを先端側へ押し込む操作を継続することにより、図10に示すように、バルーン300の軸方向全体に亘って螺旋部Wsを形成することができる。
術者等は、ガイドワイヤWに所望の形状の螺旋部Wsを形成した後、シャフト100の内腔105への流体の供給を開始して、図11に示すようにバルーン300を拡張させる。バルーン300は拡張すると、バルーン300の周方向の略全周に亘って配置されたガイドワイヤWを、バルーン300の拡張方向(バルーン300の径方向外方)に向けて押圧する。これにより、術者等は、バルーン300の周方向の略全周に亘ってスコアリング機能を付加した状態で狭窄部Sの拡張を行うことが可能になる。
次に、図13および図14を参照して、バルーンカテーテル500を使用した手技の手順例を説明する。
術者等は、図13(A)に示すように、ガイドワイヤWに沿わせて、血管Bに形成された狭窄部Sにバルーン300を配置する。
次に、術者等は、図13(B)に示すように、シャフト100の内腔105へ流体を供給して、補助拡張部110を拡張させる(流体の供給を矢印f1で示す)。補助拡張部110は、拡張に伴って先端部材200のガイドワイヤポート204a内でガイドワイヤWを固定する。
次に、術者等は、図13(C)に示すように、ガイドワイヤWをバルーンカテーテル500の先端側へ押し込むことにより(矢印pを参照)、ガイドワイヤWがバルーン300の外表面に螺旋状に巻き付いた螺旋部Wsを形成する。
次に、術者等は、図14(A)に示すように、シャフト100の内腔105へ流体を供給して、バルーン300を拡張させる(流体の供給を矢印f1で示す)。バルーン300は、バルーン300の拡張部304の外表面の周方向の略全周に亘って形成されたガイドワイヤWの螺旋部Wsを狭窄部Sに対して押し付ける。これにより、術者等は、狭窄部Sの内周面に沿ってガイドワイヤWを押し付けることができるため、狭窄部Sをより一層効率的に拡張させることが可能になる。
なお、ガイドワイヤWに螺旋部Wsを形成する範囲(軸方向における長さや位置)は、螺旋部Wsが少なくともバルーン300の拡張部304の一部と周方向において重なる限り、特に限定されることはない。また、図面に示される螺旋部Wsの形状(バルーン300に巻付いた状態における形状)は例示であるため、螺旋部Wsの具体的な形状(巻数やピッチ等)が図示された形状に限定されることはない。
術者等は、狭窄部Sを拡張する処置を終えた後、図14(B)に示すように、シャフト100の内腔105を介して流体をバルーンカテーテル10から排出する(流体の排出を矢印f2で示す)。バルーンカテーテル10の補助拡張部110およびバルーン300は、バルーンカテーテル500からの流体の排出に伴って収縮する。補助拡張部110は、補助拡張部110の収縮により、ガイドワイヤWの固定を解除する。
術者等は、図14(C)に示すように、バルーンカテーテル10の補助拡張部110およびバルーン300を収縮させた後、ガイドワイヤWを手元側へ引っ張ることにより、ガイドワイヤWの螺旋部Wsを消失させる(ガイドワイヤWに螺旋部Wsが形成された状態を解除する)。その後、術者等は、ガイドワイヤWに沿わせてバルーンカテーテル500を生体外へ抜去する。術者等は、バルーンカテーテル500を生体外へ抜去した後、ガイドワイヤWを適宜抜去する。
なお、術者等は、例えば、狭窄部Sを拡張する処置を終えた後、補助拡張部110を拡張した状態に維持し、かつ、バルーン300を収縮させた状態とし、この状態で、ガイドワイヤWを手元側へ引っ張ることにより螺旋部Wsを消失させてもよい。
また、術者等は、本実施形態に係るバルーンカテーテル500を使用する場合においても、例えば、狭窄部Sの症状の進行具合等を考慮して、ガイドワイヤWに螺旋部Wsを形成することなく、狭窄部Sを拡張する処置を行ってもよい。
以上のように、第2実施形態に係るバルーンカテーテル500は、ガイドワイヤ誘導部620がシャフト100の軸心c1を基準として、ガイドワイヤポート204aと反対側に配置されている。このため、術者は、拡張した補助拡張部110によりガイドワイヤWを固定している状態で、ガイドワイヤWをバルーンカテーテル500の先端側へ押し込むことにより、バルーン300の周方向の略全周に亘って螺旋状に延在するガイドワイヤWの螺旋部Wsを形成することができる。これにより、術者は、バルーンカテーテル500を使用した狭窄部Sの拡張をより一層効率良く行うことが可能になる。
以上、本発明に係る医療用長尺体を複数の実施形態を通じて説明したが、本発明は特許請求の範囲の記載に基づいて種々改変することができ、説明した各実施形態の内容のみに限定されることはない。
例えば、シャフトの先端部の形状(先端開口部の形状)、補助拡張部が配置される位置、先端部材の外形形状、ガイドワイヤポートの形状および位置等は、補助拡張部の拡張に伴ってガイドワイヤルーメンに挿通されたガイドワイヤを固定可能な限り限定されることはなく、具体的な形状や配置等は適宜変更することが可能である。
10、500 バルーンカテーテル(医療用長尺体)、
100 シャフト、
101 シャフトの先端部、
101a シャフトの先端開口部、
105 シャフトの内腔、
110 補助拡張部、
113 補助拡張部の基端部、
120、620 ガイドワイヤ誘導部、
121 挿通部、
200 先端部材、
201 先端部材の先端部、
201a 先端部材の先端開口部、
203 先端部材の基端部、
204 テーパー部、
204a ガイドワイヤポート、
205 ガイドワイヤルーメン、
205a 内腔、
300 バルーン、
301 バルーンの先端部、
303 バルーンの基端部、
304 拡張部、
305 拡張空間、
400 ハブ、
c1 シャフトの軸心、
W ガイドワイヤ、
Ws 螺旋部、
B 血管、
S 狭窄部、
t1 ガイドワイヤ誘導部の挿通部の内径、
d1 シャフトのルーメンの内径。

Claims (7)

  1. 流体を注入可能な内腔を有するシャフトと、
    前記シャフトの先端部に配置された先端部材と、
    前記シャフトに固定され、かつ、前記シャフトの内腔と連通するバルーンと、を備え、
    前記先端部材は、ガイドワイヤルーメンを形成する内腔と、前記先端部材の内腔と連通するガイドワイヤポートと、を有し、
    前記シャフトは、前記先端部材の内腔に向けて開口する先端開口部と、前記先端開口部を覆う補助拡張部と、を有し、
    前記補助拡張部の構成材料は、前記バルーンの構成材料よりも柔軟であり、
    前記補助拡張部は、前記ガイドワイヤルーメンを狭めるように前記先端部材の内腔で拡張可能である、医療用長尺体。
  2. 前記先端部材は、基端側から先端側に向けて傾斜するテーパー部を有し、
    前記ガイドワイヤポートは、前記テーパー部に形成される、請求項1に記載の医療用長尺体。
  3. 前記先端開口部が形成された前記シャフトの先端部は、前記先端部材の内腔において、基端側から先端側に向けて傾斜し、
    前記先端開口部は、前記ガイドワイヤポート側に向かって開口する、請求項1または請求項2に記載の医療用長尺体。
  4. 前記シャフトは、前記バルーンよりも基端側に配置されるとともに前記シャフトの基端側へガイドワイヤを誘導するガイドワイヤ誘導部を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  5. 前記ガイドワイヤ誘導部は、前記シャフトの軸心を基準として、前記ガイドワイヤポートと反対側に配置される、請求項4に記載の医療用長尺体。
  6. 前記補助拡張部は、拡張した状態で、前記ガイドワイヤポートを覆う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
  7. 前記先端部材の構成材料は、前記補助拡張部の構成材料よりも硬い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の医療用長尺体。
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