JP2018127903A - 圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧縮機にインジェクションされる冷媒流量を確保してCOPを向上する。【解決手段】圧縮機1は、固定スクロールと可動スクロールとの間に圧縮室を形成する低段側圧縮機152Aと、圧縮室を形成する高段側圧縮機151Aを備える。圧縮機1は、低段側圧縮機152Aから吐出される冷媒を高段側圧縮機151Aの冷媒吸入口に導く中間圧流路142と、第1膨張弁3から流れる中間圧力冷媒を中間圧流路142内にインジェクションするとともに、中間圧力冷媒を低段側圧縮機152Aの圧縮室内にインジェクションするインジェクション流路141とを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、圧縮機に関するものである。
従来、多段圧縮サイクルにおいて、高段側圧縮機と低段側圧縮機とをケース内に収納する圧縮機を備え、高段側圧縮機の冷媒吐出口と低段側圧縮機の冷媒吸入口との間に、放熱器、第1減圧弁、第2減圧弁、第3減圧弁、および蒸発器とを直列に接続したものがある(例えば、特許文献1参照)。
このものにおいて、第1減圧弁の冷媒出口と第2減圧弁の冷媒入口との間に流れる中間段の冷媒を、高段側圧縮機の作動室にインジェクションする第1冷媒経路と、第2減圧弁の冷媒出口と第3減圧弁の冷媒入口との間に流れる中間段の冷媒を、ケース内にインジェクションする第2冷媒経路とを備える。
低段側圧縮機は、蒸発器から低圧冷媒を吸入してこの吸入した低圧冷媒を圧縮してケース内に吐出する。高段側圧縮機は、ケースから吸入した冷媒と第1冷媒経路から吸入した冷媒とを圧縮して放熱器に吐出する。
上記多段圧縮サイクルでは、圧縮機が低圧縮比で運転したとき、第1減圧弁の冷媒出口と第2減圧弁の冷媒入口との間を流れる冷媒圧力と、高段側圧縮機の作動室内の冷媒圧力との差圧が小さくなる。このため、第1冷媒経路を通して高段側圧縮機の作動室内にインジェクションされる冷媒流量は少なく、COP(Coefficient Of Performance:成績係数)が低くなる。
本発明は上記点に鑑みて、圧縮機にインジェクションされる冷媒流量を確保してCOPを向上することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を循環させる冷凍サイクル(100)に適用される圧縮機であって、固定部(12)と、この固定部との間に第1圧縮室(152)を形成する第1可動部(111、112b)とを備え、可動部の変位によって第1圧縮室内に低圧冷媒を吸入して第1圧縮室内で低圧冷媒を圧縮して圧縮冷媒として吐出させる低段側圧縮機(152A)と、
固定部(12)と、この固定部との間に第2圧縮室(151)を形成する第2可動部(111、112a)とを備え、第2可動部の変位によって第2圧縮室内に冷媒吸入口(127)を通して圧縮冷媒を吸入して第2圧縮室内で圧縮冷媒を圧縮して高圧冷媒として吐出する高段側圧縮機(151A)と、
低段側圧縮機から吐出される圧縮冷媒を高段側圧縮機の冷媒吸入口に導く中間圧流路(142)と、
冷凍サイクルを構成して高圧冷媒と低圧冷媒との間の中間圧力を有する中間圧力冷媒を発生させる中間圧力生成部(3、5)から発生される中間圧力冷媒を中間圧流路にインジェクションするとともに、中間圧力冷媒を第1圧縮室内にインジェクションするインジェクション流路(141)と、を備える。
固定部(12)と、この固定部との間に第2圧縮室(151)を形成する第2可動部(111、112a)とを備え、第2可動部の変位によって第2圧縮室内に冷媒吸入口(127)を通して圧縮冷媒を吸入して第2圧縮室内で圧縮冷媒を圧縮して高圧冷媒として吐出する高段側圧縮機(151A)と、
低段側圧縮機から吐出される圧縮冷媒を高段側圧縮機の冷媒吸入口に導く中間圧流路(142)と、
冷凍サイクルを構成して高圧冷媒と低圧冷媒との間の中間圧力を有する中間圧力冷媒を発生させる中間圧力生成部(3、5)から発生される中間圧力冷媒を中間圧流路にインジェクションするとともに、中間圧力冷媒を第1圧縮室内にインジェクションするインジェクション流路(141)と、を備える。
以上により、中間圧力生成部からの中間圧力冷媒の冷媒圧力は、第1圧縮室内の冷媒圧力よりも高くなる。そして、中間圧力生成部からの中間圧力冷媒を中間圧流路と第1圧縮室とにインジェクションするため、圧縮機にインジェクションされる中間圧力冷媒の冷媒量を確保することができる。したがって、冷凍サイクルのCOPを向上することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すヒートポンプサイクル100は、ヒートポンプ式給湯機の一部として用いられて、給湯水を加熱する。ヒートポンプサイクル100は、圧縮機1の圧縮室にて昇圧過程の冷媒にサイクルの中間圧気相冷媒を合流させるガスインジェクションサイクルすなわちエコノマイザ式冷凍サイクルとして構成されている。
以下、第1実施形態について説明する。図1に示すヒートポンプサイクル100は、ヒートポンプ式給湯機の一部として用いられて、給湯水を加熱する。ヒートポンプサイクル100は、圧縮機1の圧縮室にて昇圧過程の冷媒にサイクルの中間圧気相冷媒を合流させるガスインジェクションサイクルすなわちエコノマイザ式冷凍サイクルとして構成されている。
このヒートポンプサイクル100は、図1に示すように、圧縮機1、水−冷媒熱交換器2、第1膨張弁3、気液分離器4、第2膨張弁5、蒸発器6、および油分離器7を有している。
圧縮機1は、吸入ポート30aから冷媒を吸入して圧縮し、圧縮した冷媒を吐出ポート40aに吐出するスクロール型コンプレッサである。圧縮機1が圧縮する流体、すなわちヒートポンプサイクル100で循環する冷媒は、具体的には二酸化炭素(すなわちCO2)である。より具体的には、この冷媒は、二酸化炭素を主として含む。なお、冷媒には、圧縮機1内部の各摺動部位を潤滑するオイルが混入されており、このオイルの一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
水−冷媒熱交換器2は、給湯用の給湯水と圧縮機1から吐出された高圧の冷媒との熱交換を行うことでその給湯水を加熱する熱交換器である。第1膨張弁3は、水−冷媒熱交換器2から流出した冷媒を減圧する。
気液分離器4は、第1膨張弁3の冷媒流れ下流側且つ第2膨張弁5の上流側に配設される。気液分離器4には、第1膨張弁3によって減圧された中間圧の冷媒が流入する。気液分離器4は、その流入した中間圧の冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する。そして、気液分離器4は、一部の気相冷媒を、中間圧冷媒配管INJを通じて圧縮機1の中間圧流入ポート30bへ流す。その一方で気液分離器4は、残余の気液二相冷媒または残余の気相冷媒を第2膨張弁5へ流す。
第2膨張弁5は、気液分離器4によって分離された液層冷媒を減圧させる。蒸発器6は、外気と第2膨張弁5によって減圧された冷媒とを熱交換することで、冷媒を蒸発させる熱交換器である。
油分離器7は、圧縮機1から吐出された高圧の冷媒から潤滑油を分離し、分離された潤滑油を、オイル戻しポート41aから圧縮機1内の各部に戻す。
第1膨張弁3および第2膨張弁5は、それぞれの弁開度を調節する電動モータを有する電動の膨張弁である。第1膨張弁3の弁開度および第2膨張弁5の弁開度は、それぞれ、電動モータが制御装置から制御信号に応じて制御されることにより調節される。
図2は、圧縮機1の内部構成を模式的に示す図である。図3は、圧縮機1の構成を表す模式的な断面図である。図3は、圧縮機1の特定の面を切った断面というわけではなく、圧縮機1の複数の異なる断面を寄せ集めて構成したものである。図3の矢印DR1は、圧縮機1をヒートポンプ式給湯機に搭載した状態における上下方向を示している。すなわち、図3の両端矢印DR1は上下方向DR1を示している。
図3に示す圧縮機1は、スクロール式の電動圧縮機であり、冷媒を圧縮する圧縮機構部10と、圧縮機構部10を駆動する電動機部20とを上下方向(すなわち縦方向)に配置した縦置きタイプになっている。圧縮機1は、圧縮機構部10、電動機部20、ハウジング30等を備えている。
ヒートポンプサイクル100は、圧縮機1の吐出ポート40aから第1膨張弁3入口側へ至るサイクルの高圧側冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界冷凍サイクルを構成している。
ヒートポンプ式給湯機は、ヒートポンプサイクル100の他に、図示しない貯湯タンク、給湯水循環回路、水ポンプ等を有している。貯湯タンクは、水−冷媒熱交換器2にて加熱された給湯水を貯める。給湯水循環回路は、貯湯タンクと水−冷媒熱交換器2との間で給湯水を循環させる。水ポンプは、給湯水循環回路に配置されて給湯水を圧送する。
圧縮機構部10は、圧縮対象流体である冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。より具体的には、圧縮機構部10は、後述する圧縮室を形成し、吸入ポート30aから圧縮室内に低圧冷媒を吸入して圧縮する。また圧縮機構部10は、中間圧流入ポート30bから圧縮室内に低圧の冷媒よりも圧力の高い中間圧の冷媒を吸入して圧縮する。また圧縮機構部10は、圧縮室において低圧の冷媒および中間圧の冷媒が圧縮された結果得られた高圧の冷媒を吐出ポート40aに吐出する。電動機部20は、圧縮機構部10を駆動する。ハウジング30は、圧縮機構部10および電動機部20を収容する。
圧縮機1は、電動機部20から圧縮機構部10へ回転駆動力を伝達する駆動軸25が上下方向DR1に延びて、圧縮機構部10と電動機部20が鉛直方向に配置された、いわゆる縦置きタイプに構成されている。より具体的には、本実施形態では、圧縮機構部10が電動機部20の下方側に配置されている。
ハウジング30は、中心軸が鉛直方向に延びる筒状部材31、筒状部材31の上端部を塞ぐ椀状の上蓋部材32および筒状部材31の下端部を塞ぐ椀状の下蓋部材33を有する。これら筒状部材31、上蓋部材32および下蓋部材33が一体に接合されることで、ハウジング30は、密閉容器構造となっている。筒状部材31、上蓋部材32および下蓋部材33は、いずれも鉄系金属で形成されており、互いに溶接にて接合されている。
ハウジング30は、そのハウジング30内に、圧縮機構部10および電動機部20を収容している。
電動機部20は、固定子をなすステータ21と、回転子をなすロータ22とを有している。ステータ21は、ステータコアとそのステータコアに巻き付けられたステータコイルとを有する電動モータである。
ステータ21のステータコイルに対する電力の供給は給電端子23を介して行われる。給電端子23は、ハウジング30の上蓋部材32すなわちハウジング30の上端部に配置されている。ステータコイルに電力が供給されるとロータ22に回転磁界が与えられてロータ22に回転力が発生し、駆動軸25がロータ22と一体に回転する。
本実施形態のハウジング30のうち電動機部20の周囲は、ミドルハウジング29の貫通孔29aを介して吸入ポート30aに連通している。このため、ハウジング30のうち電動機部20の周囲は、吸入ポート30aを通して供給される低圧冷媒によって満たされた状態で、密閉されている。
駆動軸25は円筒状に形成されており、その内部空間は、駆動軸25の摺動部(すなわち潤滑対象部位)に潤滑油を供給する給油通路251である。給油通路251は、駆動軸25の下端面にて開口しており、駆動軸25の上端面においては閉塞部材26で閉塞されている。
駆動軸25のうちロータ22よりも下方側に突出している部位には、上下方向DR1と平行な軸方向と直交する方向である水平方向へ突出する鍔部252が設けられ、その鍔部252にはバランスウェイト254が設けられている。ロータ22の上下方向両側にもバランスウェイト221、222が設けられている。駆動軸25は、軸受部材27とミドルハウジング29の軸受部291とにより支承されている。
ミドルハウジング29は、上方側から下方側に向かって階段状に外径および内径が拡大する円筒形状を有しており、その最外周面がハウジング30の筒状部材31に固定されている。ミドルハウジング29のうち上方側部位が軸受部291を構成している。
ミドルハウジング29のうち下方側部位には、圧縮機構部10の可動スクロール11が収容されている。可動スクロール11の下方側には、圧縮機構部10の固定スクロール12が配置されている。固定スクロール12は、ハウジング30に対して固定されて回転しない固定側部材である。可動スクロール11は、固定スクロール12に対して旋回する旋回側部材である。
可動スクロール11は円板状の基板部111を有し、固定スクロール12は基板部121を有している。基板部111、121は互いに上下方向DR1に対向するように配置されている。
可動スクロール11の基板部111の上面側の中心部には、駆動軸25の下端部が挿入される円筒状のボス部113が形成されている。駆動軸25の下端部は、駆動軸25の回転中心に対して偏心した偏心部253である。
可動スクロール11およびミドルハウジング29には、可動スクロール11が偏心部253周りに自転することを防止する自転防止機構11a、29aが設けられている。このため、駆動軸25が回転すると、可動スクロール11は偏心部253周りに自転することなく、駆動軸25の回転中心を公転中心として公転運動(すなわち、旋回)する。
可動スクロール11は、基板部111から固定スクロール12側に向かって突出する歯部112a、112bを有している。その歯部112a、112bは、それぞれ、渦巻き状に形成されている。歯部112aは、歯部112bに対して公転中心側に配置されている。
一方、固定スクロール12は、基板部121から可動スクロール11側に向かって突出する歯部122を有する。歯部122は、渦巻き状に形成されると共に可動スクロール11の歯部112に噛み合う。
そして、可動スクロール11の歯部112a、112bと固定スクロール12の歯部122とが噛み合って複数箇所で接触することによって、回転軸方向から見たときに三日月形状に形成される圧縮室151、152が形成される。これら圧縮室151、152は、可動スクロール11の旋回と共に旋回しながら外周から公転中心に向かって移動する。そして、これら圧縮室151、152が移動すると共に、これら圧縮室151、152の容積が減少する。この体積減少により、これら圧縮室151、152内の冷媒が圧縮される。
図4に示す時点において、圧縮室151は、冷媒の圧力が最も高くなる位置にある。また、圧縮室152は、冷媒の圧力が圧縮室151よりも低い中間圧となる位置にある。
圧縮室152は、低段側圧縮機152Aを構成する。圧縮室152は、高側圧縮機152Aを構成する。
なお、固定スクロール12は、特許請求の範囲における、「第1圧縮室を形成する固定部」と「第2圧縮室を形成する固定部」とに相当する。可動スクロール11の基板部111と歯部112aとは、特許請求の範囲における「第1可動部」とに相当する。可動スクロール11の基板部111と歯部112bとは、特許請求の範囲における「第2可動部」とに相当する。
図3、図5に示すように、吸入ポート30a、吐出ポート40a、中間圧流入ポート30b、オイル戻しポート41aは、筒状部材31に固定される。そして、吸入ポート30aは、冷媒流路128を介して、圧縮室152に連通している。
中間圧流入ポート30bは、基板部121内に形成されたインジェクション流路141(図5参照)を通して中間圧流路142と圧縮室152(すなわち、低段側圧縮機152A)とに連通している。
中間圧流路142は、吐出孔126、127を介して圧縮室152、151の間を連通する。すなわち、中間圧流路142は、吐出孔126、127を介して低段側圧縮機152Aと高側圧縮機152Aとの間を連通することになる。
中間圧流入ポート30bと圧縮室152との間には、逆止弁51が配置されている。逆止弁51は、圧縮室152から中間圧流入ポート30b側に冷媒が逆流することを止める弁である。
インジェクション流路141と中間圧流路142との間には、逆止弁60が配置されている。逆止弁60は、中間圧流路142からインジェクション流路141に冷媒が逆流することを抑制する弁である。
本実施形態のインジェクション流路141、中間圧流路142は、それぞれ、吐出プレート14の上面にて上側に開口する凹部を上側から固定スクロール12の基板部121が塞ぐことによって構成されている。吐出プレート14は、基板部121の底面に固定されている。
なお、図5は、圧縮機1から下蓋部材33および吐出プレート14を取り除いた状態で、基板部121を下方から見た底面図である。図5中に記載された小さい円形143、144は、ボルト穴、圧縮機1の組み付け時位置決め用の穴、潤滑油の吸い上げ穴等である。
図5に示すように、固定スクロール12の基板部121の中心部には、圧縮室151で圧縮された冷媒が吐出される吐出孔123が形成されている。吐出孔123の下方側には、吐出孔123と連通する吐出室124が形成されている。図5に示すように、基板部121には、吐出室124から吐出ポート40aへ冷媒を導く開口124aが形成されている。
この吐出室124には、吐出弁17と、吐出弁17の最大開度を規制するストッパ16とが、配置されている。吐出弁17は、リードバルブである。吐出弁17は、吐出ポート40aと圧縮室151とを繋ぐ通路を開閉する。これにより吐出弁17は、当該通路において圧縮室151から吐出ポート40aへ冷媒が流れることを許容し、当該通路において吐出ポート40aから圧縮室151へ冷媒が逆流することを抑制する。吐出ポート40aと圧縮室151とを繋ぐ通路は、吐出室124、および、後述する吐出孔123、を含む。ストッパ16の一端および吐出弁17の一端は、ボルトによって基板部121に固定されている。
油分離器7にて分離されたオイルは、一部が油分離器7の内部に蓄えられると共に、他の一部がオイル戻しポート41a、連通孔129、駆動軸25の給油通路251を介してハウジング30内の、圧縮機構部10、駆動軸25と軸受部材27の間の摺動部、駆動軸25軸受部291の間の摺動部等へ供給される。ハウジング30の底部には、潤滑油が溜まる貯油室35が形成されている。
次に、本実施形態の逆止弁60およびその周辺の詳細構造について図6を参照して説明する。
図6に示すように、固定スクロール12の基板部121には、中間圧流入ポート30bからの冷媒を中間圧流路142に導く導入流路30Bが設けられている。導入流路30Bには、逆止弁60が配置されている。逆止弁60は、フリーバルブ61、弁座62、およびストッパ63を備える。
弁座62には、中間圧流入ポート30bからの冷媒を中間圧流路142に導く連通孔62aが形成されている。ストッパ63には、弁座62の連通孔62aからの冷媒を中間圧流路142に導く連通孔63aが設けられている。フリーバルブ61は、弁座62およびストッパ63の間に配置されている。
ここで、フリーバルブ61は、中間圧流入ポート30bからの冷媒圧力と中間圧流路142内の冷媒圧力との差圧によって変位する。
中間圧流路142内の冷媒圧力の方がインジェクション流路141内の冷媒圧力よりも大きいとき、フリーバルブ61が弁座62の連通孔62aを閉じる。このため、逆止弁60を閉じることができる。このことにより、中間圧流路142からの冷媒が中間圧流入ポート30b側に流れることを止めることになる。
インジェクション流路141内の冷媒圧力の方が中間圧流路142内の冷媒圧力よりも大きく、フリーバルブ61が弁座62およびストッパ63の間の中間部位に位置する場合にには、弁座62の連通孔62aとストッパ63の連通孔63aとがそれぞれ開口された状態になる。
このため、逆止弁60を開けることができる。このことにより、中間圧流入ポート30bからの冷媒を連通孔62a、63aを通して中間圧流路142に流すことになる。
以上により、インジェクション流路141内の冷媒圧力と中間圧流路142内の冷媒圧力との大小関係により、逆止弁60を開閉することができる。
次に、本実施形態の逆止弁51およびその周辺の詳細構造について図7を参照して説明する。
逆止弁51は、インジェクション流路141内に配置されている。逆止弁51は、基板部121に支持されている固定部材51aを備える。
インジェクション流路141のうち固定部材51aに対して冷媒流れ下流側(すなわち、圧縮室152側)には、吐出室51dが形成されている。吐出室51dは、基板部121に形成されている吐出孔125を通して圧縮室152に連通している。
固定部材51aには、中間圧流入ポート30bから流れる冷媒を吐出室51dを通して吐出孔125側に導入する吐出孔51cが形成されている。
吐出弁51dは、帯鋼片からなるもので、吐出室51d内に配置されている。吐出弁51dは、吐出室51d内の冷媒圧力と吐出孔125内の冷媒圧力との差圧によって弾性変形して、吐出孔51cを開閉するリードバルブである。これにより、吐出弁51dは、吐出孔51cから吐出室51dへ冷媒が流れることを許容し、吐出室51dから吐出孔51cへ冷媒が逆流することを抑制する。
次に、本実施形態の圧縮機1の作動を説明する。まず、圧縮機1の電動機部20に電力が供給されてロータ22および駆動軸25が回転すると、可動スクロール11が駆動軸25に対して公転運動(すなわち旋回運動)する。これにより、可動スクロール11の歯部112a、112bと固定スクロール12の歯部122との間に形成された三日月状の圧縮室151、152が外周側から中心側へ旋回しながら移動していく。
まず、圧縮室152には、蒸発器6から流出した低圧冷媒が冷媒流路128を介して吸入ポート30aから流入する。低圧冷媒が流入した圧縮室152は、駆動軸25の回転に伴って、その容積を縮小させながら、吐出孔126に連通する位置へ移動する。
この際、中間圧流入ポート30b側の中間圧気相冷媒の圧力P1が圧縮室152側の冷媒圧力P2よりも高くなっている状態では、吐出弁51dが固定部材51aの吐出孔51cを開口する。
これにより、中間圧流入ポート30bからの中間圧気相冷媒がインジェクション流路141、吐出孔51c、吐出室51d、吐出孔125を通して圧縮室152へインジェクションされる。
さらに、駆動軸25が回転して圧縮室152の容積を縮小させながら吐出孔126の位置に到達する。すると、圧縮室152によって圧縮された中間圧気相冷媒は、吐出孔126を通して中間圧流路142に流れる。
この際に、中間圧流入ポート30b側の中間圧冷媒の圧力P1が中間圧流路142側の冷媒の冷媒圧力P3を上回り、中間圧流入ポート30b側の中間圧気相冷媒の圧力P1と中間圧流路142側の冷媒の冷媒圧力P3との圧力差によって、フリーバルブ61が弁座62およびストッパ63の間の中間位置に位置する。
すると、弁座62の連通孔62aとストッパ63の連通孔63aとがそれぞれ開口される。このため、中間圧流入ポート30bからの中間圧気相冷媒がインジェクション流路141、弁座62の連通孔62a、およびストッパ63の連通孔63aを通して中間圧流路142にインジェクションされる。
このように中間圧流路142にインジェクションされる中間圧気相冷媒は、中間圧流路142から吐出孔127を介して圧縮室151に流れる。
さらに、駆動軸25が回転して圧縮室151の容積を縮小させながら吐出孔123の位置に到達する。すると、圧縮室151によって圧縮された高圧冷媒の冷媒圧力が吐出室124内の冷媒圧力よりも大きくなると、吐出弁17が吐出孔123を開ける。このため、圧縮室151から高圧冷媒が吐出孔123、吐出室124、吐出ポート40aおよび油分離器7を介して水−冷媒熱交換器2側へ流出する。
また、ハウジング30のうち電動機部20の周囲は、吸入ポート30aからミドルハウジング29の貫通孔を介して供給される低圧冷媒によって満たされた状態になっている。
以上説明した本実施形態によれば、冷媒を循環させるヒートポンプサイクル10に適用される圧縮機1は、固定スクロール12と、この固定スクロール12との間に圧縮室152を形成する歯部112bとを備え、歯部112bの変位によって圧縮室152内に低圧冷媒を吸入して圧縮室152内で低圧冷媒を圧縮して吐出させる低段側圧縮機152Aを備える。
圧縮機1は、固定スクロール12との間に圧縮室151を形成する歯部112aとを備え、歯部112aの変位によって圧縮室151内に吐出孔(冷媒吸入口)127を通して中間圧冷媒を吸入して圧縮室151内で中間圧冷媒を圧縮して高圧冷媒として吐出する高段側圧縮機151Aを備える。圧縮機1は、低段側圧縮機152Aから吐出される冷媒を高段側圧縮機151Aの冷媒吸入口に導く中間圧流路142と、ヒートポンプサイクル10を構成して、高圧冷媒と低圧冷媒との間の中間圧力を有する中間圧力冷媒を発生させる第1膨張弁3から発生される中間圧力冷媒を中間圧流路142内にインジェクションするとともに、中間圧力冷媒を圧縮室152A内にインジェクションするインジェクション流路141とを備える。
以上により、高段側圧縮機151Aの圧縮室151Aではなく、低段側圧縮機152Aの圧縮室152A内にインジェクションする。
ここで、気液分離器4内の気相冷媒の冷媒圧力は、低段側圧縮機152Aの圧縮室152A内の冷媒圧力よりも高くなる。そして、気液分離器4から中間圧力冷媒を中間圧流路142と圧縮室152とにインジェクションするため、圧縮機にインジェクションされる中間圧力冷媒の冷媒量を確保することができる。したがって、ヒートポンプサイクル100のCOP(Coefficient Of Performance:成績係数)を向上することができる。
上記特許文献1の高段側圧縮機、低段側圧縮機、および電動機部を収納する密閉ケースには、中間圧冷媒が満たされている。このため、電動機部の周囲は高温度の冷媒が満たされることになる。
これに対して、本実施形態の電動機部20を収納するハウジング30内には、低圧冷媒が満たされている。このため、電動機部20の周囲は低温度の冷媒が満たされることになる。よって、電動機部20を冷却することができるので、電動機部20のモータ効率を向上させることができ、ヒートポンプサイクル100のCOPをより一層向上することができる。
本実施形態のハウジング30内には、低圧冷媒が満たされている。このため、ハウジング30内に中間圧冷媒が満たされている場合に比べてハウジング30の肉厚を薄くすることができるので、軽量化やコストダウンが可能になる。
上記特許文献1の圧縮機では、電動機部の軸方向両側に圧縮機構を構成しているため、圧縮機の組付けが複雑となり、コスト面で不利となる。
これに対して、本実施形態の圧縮機1は、電動機部20の軸方向一方側に圧縮機構部10が構成されている。圧縮機1の組付けが簡素化となり、コスト面で有利となる。
上記特許文献1の圧縮機では、第1減圧弁の冷媒出口と第2減圧弁の冷媒入口との間に流れる中間段の冷媒を高段側圧縮機の作動室にインジェクションする第1冷媒経路と、第2減圧弁の冷媒出口と第3減圧弁の冷媒入口との間に流れる中間段の冷媒をケース内にインジェクションする第2冷媒経路とを備える。このため、圧縮機内に中間段の冷媒を供給するために2本の冷媒配管をケースに組み付けることが必要になる。
これに対して、本実施形態の圧縮機1のハウジング30内において、中間圧流入ポート30bと中間圧流路142との間に逆止弁60が配置されている。このため、インジェクション流路141から分流されて中間圧流路142に中間圧冷媒を流す冷媒流路がハウジング30内に配置されていることになる。よって、中間圧冷媒を圧縮機1の圧縮室152Aと中間圧流路142とに供給するために、1本の中間圧冷媒配管INJを用いている。したがって、本実施形態の圧縮機1は、ハウジング30に組み付ける中間圧冷媒配管の本数を減らすことができる。よって、組付けが簡素化となり、コスト面で有利となる。
本実施形態では、電子制御装置(図示省略)が第1膨張弁3および第2膨張弁5を制御することにより、気液分離器4からインジェクション流路141に流れる中間圧冷媒圧力の大きさを設定することができる。このため、インジェクション流路141内の冷媒圧力と中間圧流路142内の冷媒圧力との大小関係を設定することができる。すなわち、第1、第2膨張弁3、5を制御することにより、中間圧流路142内の冷媒圧力をインジェクション流路141内の冷媒圧力よりも大きくすることができる。
これにより、インジェクション流路141内の冷媒圧力と中間圧流路142内の冷媒圧力との大小関係を設定することができ、逆止弁60を開閉することができる。したがって、第1、第2膨張弁3、5を制御することにより、インジェクション流路141からの中間圧力冷媒を中間圧流路142と圧縮室152とに対して選択的にインジェクションするができる。
つまり、中間圧力冷媒を中間圧流路142と圧縮室152とにインジェクションする第1状態と中間圧力冷媒を圧縮室152にインジェクションする第2状態とを切り替えることができる。これにより、圧縮機1における低圧縮比から高圧縮比まで幅広い運転状態で性能を向上することができる。
本実施形態の圧縮機1の中間圧流入ポート30bと中間圧流路142との間には、逆止弁60が配置されている。このため、中間圧流路142から中間圧流入ポート30b側に冷媒が逆流することを抑制することができる。よって、ヒートポンプサイクル100のCOPをより向上することができる。
本実施形態の圧縮機1の中間圧流入ポート30bと圧縮室152との間には、逆止弁51が配置されている。このため、圧縮室152から中間圧流入ポート30b側に冷媒が逆流することを止めることができる。よって、ヒートポンプサイクル100のCOPをより一層向上することができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、上記第1実施形態の圧縮機1において、中間圧流入ポート30bの冷媒出口と逆止弁51の冷媒入口との間に圧力調整弁70を設ける例について説明する。
本第2実施形態では、上記第1実施形態の圧縮機1において、中間圧流入ポート30bの冷媒出口と逆止弁51の冷媒入口との間に圧力調整弁70を設ける例について説明する。
図8に本実施形態の圧力調整弁70およびその周辺の断面構造を示す。
圧力調整弁70は、吐出プレート14のうち上側に開口する凹部14a内に配置されている。圧力調整弁70は、弁体71、弁ハウジング72、およびバネ73を備える機械式の圧力調整弁である。
弁ハウジング72は、弁体71を収納する。弁ハウジング72のうち側面には、弁ハウジング72の内側とインジェクション流路141との間を連通する吸入孔75が設けられている。
弁ハウジング72のうち上側には、弁ハウジング72の内側と逆止弁51側との間を連通する吐出孔76が設けられている。吐出孔76は、弁ハウジング72の内側から逆止弁51側に流れる中間圧冷媒を減圧する。弁体71は、その上側が円錐状に形成されている円錐部71aが設けられている。
円錐部71aは、その上下方向の変位によって、吐出孔76の開口面積を調節する。具体的には、円錐部71aが上側に変位することによって、吐出孔76の開口面積を縮小する。一方、円錐部71aが下側に変位することによって、吐出孔76の開口面積を拡大する。
バネ73は、弁体71と吐出プレート14の凹部14aの底部との間に配置されている。弁体71には、バネ73の弾性力が加わる。凹部14aには、連通孔74が連通している。
連通孔74は、吸入ポート30aに連通している。このため、弁体71の底部には、吸入ポート30aから連通孔74を通して流れ込む低圧冷媒の圧力とバネ73の弾性力とが加わる。
一方、弁ハウジング72の天井面と弁体71との間には、吸入孔75を通して流れ込む中間圧冷媒が流れ込む。このため、低圧冷媒の圧力およびバネ73の弾性力と中間圧冷媒の圧力との差圧によって弁体71が上下方向に変位する。これに伴い、円錐部71aは、その上下方向の変位によって、吐出孔76の開口面積を調節する。このため、弁体71が弁ハウジング72の内側から逆止弁51側に流れる中間圧冷媒の圧力を調整することになる。
以上により、弁体71と吐出孔76とによって絞られる冷媒の絞り量を調整することができる。
なお、本実施形態において、バネ73の弾性力や弁体71の底部に加わる冷媒圧力を調整することにより、弁体71と吐出孔76とによって絞られる冷媒の絞り量を任意の値に設定することができる。
(第3実施形態)
上記第1、2実施形態では、気液分離器4と圧縮機1の中間圧流入ポート30bとの間を中間圧冷媒配管INJで接続した例について説明したが、これに代えて、図9のように、水−冷媒熱交換器2の冷媒出口と第2膨張弁5の冷媒入口とを冷媒配管で接続し、かつ水−冷媒熱交換器2の冷媒出口と中間圧流入ポート30bとの間に第1膨張弁3Aを接続してもよい。
上記第1、2実施形態では、気液分離器4と圧縮機1の中間圧流入ポート30bとの間を中間圧冷媒配管INJで接続した例について説明したが、これに代えて、図9のように、水−冷媒熱交換器2の冷媒出口と第2膨張弁5の冷媒入口とを冷媒配管で接続し、かつ水−冷媒熱交換器2の冷媒出口と中間圧流入ポート30bとの間に第1膨張弁3Aを接続してもよい。
(第4実施形態)
本第4実施形態では、上記第3実施形態の圧縮室1内において、図10に示すように、中間圧流入ポート30bの冷媒出口と逆止弁51の冷媒入口との間に圧力調整弁70Aを配置してもよい。
本第4実施形態では、上記第3実施形態の圧縮室1内において、図10に示すように、中間圧流入ポート30bの冷媒出口と逆止弁51の冷媒入口との間に圧力調整弁70Aを配置してもよい。
圧力調整弁70Aは、中間圧流入ポート30bから逆止弁51を通して圧縮室152に流れる中間圧冷媒の冷媒圧力が蒸発器6から圧縮室152に流れる低圧冷媒の冷媒圧力に対して一定圧力だけ高い圧力になるように、中間圧流入ポート30bから逆止弁51を通して圧縮室152に流れる中間圧冷媒の冷媒圧力を調整する。
このことにより、気液分離器4から中間圧力冷媒を中間圧流路142と圧縮室152とにバランス良くインジェクションすることができるため、種々の圧力条件に対応してインジェクションされる冷媒流量を増大することができ、COPを向上することができる。
(他の実施形態)
(1)上記第1〜4実施形態では、駆動軸25の軸線方向を上下方向DR1に延びるように圧縮機1を配置した例について説明したが、これに限らず、駆動軸25の軸線方向を上下方向DR1に交差するように圧縮機1を配置してもよい。
(1)上記第1〜4実施形態では、駆動軸25の軸線方向を上下方向DR1に延びるように圧縮機1を配置した例について説明したが、これに限らず、駆動軸25の軸線方向を上下方向DR1に交差するように圧縮機1を配置してもよい。
(2)上記第1〜4実施形態では、圧縮機構部10の可動スクロール11において、基板部111の一面(図3中下面)から下側に突出する歯部112a、112bを設けた例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、可動スクロール11において、基板部111の下面から下側に突出する歯部112aと、基板部111の上面から上側に吐出する歯部112bとを構成する。この場合、基板部111の歯部112aとの間に圧縮室151を形成する上側固定スクロールと、
基板部111の歯部112bとの間に圧縮室152を形成する下側固定スクロールとを設ける必要がある。
基板部111の歯部112bとの間に圧縮室152を形成する下側固定スクロールとを設ける必要がある。
勿論、基板部111の上面から上側に突出する歯部112bと、基板部111の下面から下側に吐出する歯部112aとを構成してもよい。
(3)上記第1〜4実施形態では、インジェクション流路141から分岐されて中間圧流路142に中間圧冷媒を流す分岐冷媒流路をハウジング30内に配置した例について説明したが、これに代えて、分岐冷媒流路をハウジング30の外側に配置してもよい。
(4)上記第1〜4実施形態では、1対の可動スクロール11と固定スクロール12とによって2つの圧縮室151、152を構成した例について説明したが、これに代えて、2対の可動スクロールと固定スクロールとによって2つの圧縮室151、152を構成してもよい。
換言すれば、上記第1〜4実施形態では、圧縮室151、152を形成する共通の固定部として、固定スクロール12を採用した例について説明したが、これに代えて、互いに独立した第1可動スクロールと第2可動スクロールとを採用し、かつ互いに独立した第1固定スクロールと第2固定スクロールとを採用してもよい。
この場合、第1可動スクロールと第1固定スクロールとによって圧縮室151を構成し、第2可動スクロールと第2固定スクロールとによって圧縮室152を構成してもよい。
(5)上記第1〜4実施形態では、本発明の圧縮機としてスクロール型の圧縮機を用いた例について説明したが、これに代えて、スクロール型の圧縮機以外の、ロータリ型圧縮機、ベーン型圧縮機など各種の圧縮機を本発明の圧縮機としてもよい。
この場合、互いに独立した第1圧縮機および第2圧縮機を採用し、第1圧縮機によって圧縮室151を構成し、第2圧縮機によって圧縮室152を構成してもよい。また、スクロール型の圧縮機以外の圧縮機の場合において、1つの圧縮機において圧縮室151、152を構成してもよい。
(6)上記第1〜4実施形態では、逆止弁60としてフリーバルブ61を有する逆止弁を用いた例について説明したが、これに代えて、逆止弁60として、リード弁タイプの逆止弁等の各種の逆止弁を用いてもよい。
(7)上記第1〜4実施形態では、逆止弁51としてリード弁タイプの逆止弁を用いた例について説明したが、これに代えて、逆止弁60として、フリーバルブ61を有する逆止弁等の各種の逆止弁を用いてもよい。
(8)上記第1〜4実施形態では、圧力調整弁70として機械式の圧力調整弁を用いた例について説明したが、これに代えて、電磁弁、電動弁等を圧力調整弁70として用いてもよい。
(9)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記第1、第2、第3、第4実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、冷媒を循環させる冷凍サイクルに適用される圧縮機であって、固定部と、この固定部との間に第1圧縮室を形成する第1可動部とを備え、第1可動部の変位によって第1圧縮室内に低圧冷媒を吸入して第1圧縮室内で低圧冷媒を圧縮して圧縮冷媒として吐出させる低段側圧縮機と、第2固定部材と、この第2固定部材との間に第2圧縮室を形成する第2可動部とを備え、第2可動部の変位によって第2圧縮室内に冷媒吸入口を通して圧縮冷媒を吸入して第2圧縮室内で圧縮冷媒を圧縮して高圧冷媒として吐出する高段側圧縮機と、低段側圧縮機から吐出される圧縮冷媒を高段側圧縮機の冷媒吸入口に導く中間圧流路と、冷凍サイクルを構成して高圧冷媒と低圧冷媒との間の中間圧力を有する中間圧力冷媒を発生させる減圧部から発生される中間圧力冷媒を中間圧流路にインジェクションするとともに、中間圧力冷媒を第1圧縮室内にインジェクションするインジェクション流路と、を備える。
上記第1、第2、第3、第4実施形態、および他の実施形態の一部または全部に記載された第1の観点によれば、冷媒を循環させる冷凍サイクルに適用される圧縮機であって、固定部と、この固定部との間に第1圧縮室を形成する第1可動部とを備え、第1可動部の変位によって第1圧縮室内に低圧冷媒を吸入して第1圧縮室内で低圧冷媒を圧縮して圧縮冷媒として吐出させる低段側圧縮機と、第2固定部材と、この第2固定部材との間に第2圧縮室を形成する第2可動部とを備え、第2可動部の変位によって第2圧縮室内に冷媒吸入口を通して圧縮冷媒を吸入して第2圧縮室内で圧縮冷媒を圧縮して高圧冷媒として吐出する高段側圧縮機と、低段側圧縮機から吐出される圧縮冷媒を高段側圧縮機の冷媒吸入口に導く中間圧流路と、冷凍サイクルを構成して高圧冷媒と低圧冷媒との間の中間圧力を有する中間圧力冷媒を発生させる減圧部から発生される中間圧力冷媒を中間圧流路にインジェクションするとともに、中間圧力冷媒を第1圧縮室内にインジェクションするインジェクション流路と、を備える。
第2の観点によれば、第1圧縮室内からインジェクション流路を通して減圧部側に冷媒が逆流することを抑制する第1逆止弁を備える。
これにより、冷凍サイクルにおけるCOPを向上することができる。
第3の観点によれば、中間圧流路からインジェクション流路を通して減圧部側に冷媒が逆流することを抑制する第2逆止弁を備える。
これにより、冷凍サイクルにおけるCOPを向上することができる。
第4の観点によれば、減圧部からインジェクション流路を通して第1圧縮室内に流れる冷媒の圧力を調整する圧力調整弁を備える。
第5の観点によれば、低段側圧縮機、高段側圧縮機、および中間圧流路を収納して密閉されているケースと、減圧部からの中間圧力冷媒をケースまで導く中間圧冷媒配管と、を備え、インジェクション流路は、密閉ケース内に配置されて、中間圧冷媒配管を通過した中間圧力冷媒を中間圧流路と第1圧縮室とに分流する。
これにより、中間圧力冷媒をケース内に導くために、一本の中間圧冷媒配管を用いることになる。このため、中間圧力冷媒をケース内に導くため構成を簡素化することができる。
第6の観点によれば、出力軸を有して、出力軸に回転力を出力する電動モータを備え、低段側圧縮機および高段側圧縮機は、出力軸のうち軸線方向一方側に配置されており、低段側圧縮機の第1可動部と高段側圧縮機の第2可動部とは、出力軸の回転力によって駆動されて変位する。
これにより、低段側圧縮機を出力軸のうち軸線方向一方側に配置し、かつ高段側圧縮機を出力軸のうち軸線方向他方側に配置する場合に比べて、構成を簡素にすることができる。
第7の観点によれば、第1可動部と第2可動部とは、中心線を中心として旋回運動が可能に構成されて中心線に交差する方向に広がる基板と、基板の一面から突出して渦巻き状に形成されている歯部を備えるスクロール型の圧縮機構を構成し、基板、および歯部が旋回運動することにより、第1可動部と第2可動部とが変位する。
第8の観点によれば、第1可動部と第2可動部とは、基板の一面から突出する歯部としての第1歯部と第2歯部とを備える。
これにより、第1可動部と第2可動部とを共通の基板を用いて構成することができるので、第1可動部と第2可動部とを小型化することができる。
第9の観点によれば、第1可動部と第2可動部とは、基板の一面から突出する歯部としての第1歯部と、基板のうち一面に対して反対側の面から突出して渦巻き状に形成されている第2歯部とを備える。
これにより、第1可動部と第2可動部とを共通の基板を用いて構成することができるので、第1可動部と第2可動部とを小型化することができる。
第10の観点によれば、ケース内には低圧冷媒が満たされている。
これにより、電動モータの周囲を低圧冷媒で満たすことができるので、電動モータを冷却することができる。
第11の観点によれば、冷媒は、二酸化炭素を含んだものである。
1 圧縮機
3 第1膨張弁
5 第2膨張弁
10 圧縮機構部
20 電動機部
30 ハウジング
100 ヒートポンプサイクル
112a、112b 歯部
141 インジェクション流路
142 中間圧流路
152、151 圧縮室
151A 高段側圧縮機
152A 低段側圧縮機
3 第1膨張弁
5 第2膨張弁
10 圧縮機構部
20 電動機部
30 ハウジング
100 ヒートポンプサイクル
112a、112b 歯部
141 インジェクション流路
142 中間圧流路
152、151 圧縮室
151A 高段側圧縮機
152A 低段側圧縮機
Claims (11)
- 冷媒を循環させる冷凍サイクル(100)に適用される圧縮機であって、
固定部(12)と、この固定部との間に第1圧縮室(152)を形成する第1可動部(111、112b)とを備え、前記第1可動部の変位によって前記第1圧縮室内に低圧冷媒を吸入して前記第1圧縮室内で前記低圧冷媒を圧縮して圧縮冷媒として吐出させる低段側圧縮機(152A)と、
固定部(12)と、この固定部との間に第2圧縮室(151)を形成する第2可動部(111、112a)とを備え、前記第2可動部の変位によって前記第2圧縮室内に冷媒吸入口(127)を通して前記圧縮冷媒を吸入して前記第2圧縮室内で前記圧縮冷媒を圧縮して高圧冷媒として吐出する高段側圧縮機(151A)と、
前記低段側圧縮機から吐出される前記圧縮冷媒を前記高段側圧縮機の前記冷媒吸入口に導く中間圧流路(142)と、
前記冷凍サイクルを構成して前記高圧冷媒と前記低圧冷媒との間の中間圧力を有する中間圧力冷媒を発生させる減圧部(3、3A)から発生される前記中間圧力冷媒を前記中間圧流路にインジェクションするとともに、前記中間圧力冷媒を前記第1圧縮室内にインジェクションするインジェクション流路(141)と、を備える圧縮機。 - 前記第1圧縮室内から前記インジェクション流路を通して前記減圧部側に冷媒が逆流することを抑制する第1逆止弁(51)を備える請求項1に記載の圧縮機。
- 前記中間圧流路から前記インジェクション流路を通して前記減圧部側に冷媒が逆流することを抑制する第2逆止弁(60)を備える請求項1または2に記載の圧縮機。
- 前記減圧部から前記インジェクション流路を通して前記第1圧縮室内に流れる冷媒の圧力を調整する圧力調整弁(70、70A)を備える請求項1ないし3のいずれか1つに記載の圧縮機。
- 前記低段側圧縮機、前記高段側圧縮機、および前記中間圧流路を収納して密閉されているケース(30)と、
前記減圧部からの中間圧力冷媒を前記ケースまで導く中間圧冷媒配管(INJ)と、を備え、
前記インジェクション流路は、前記密閉ケース内に配置されて、前記中間圧冷媒配管を通過した中間圧力冷媒を前記中間圧流路と前記第1圧縮室とに分流する請求項1ないし4のいずれか1つに記載の圧縮機。 - 出力軸(25)を有して、前記出力軸に回転力を出力する電動モータ(20)を備え、
前記低段側圧縮機および前記高段側圧縮機は、前記出力軸のうち軸線方向一方側に配置されており、
前記低段側圧縮機の前記第1可動部と前記高段側圧縮機の前記第2可動部とは、前記出力軸の回転力によって駆動されて変位する請求項1ないし5のいずれか1つに記載の圧縮機。 - 前記第1可動部と前記第2可動部とは、中心線を中心として旋回運動が可能に構成されて前記中心線に交差する方向に広がる基板(111)と、前記基板の一面から突出して渦巻き状に形成されている歯部(112a、112b)を備えるスクロール型の圧縮機構を構成し、
前記基板、および前記歯部が旋回運動することにより、前記第1可動部と前記第2可動部とが変位する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の圧縮機。 - 前記第1可動部と前記第2可動部とは、前記基板の一面から突出する前記歯部としての第1歯部(112a)と第2歯部(112b)とを備える請求項7に記載の圧縮機。
- 前記第1可動部と前記第2可動部とは、前記基板の一面から突出する前記歯部としての第1歯部と、前記基板のうち前記一面に対して反対側の面から突出して渦巻き状に形成されている第2歯部とを備える請求項7に記載の圧縮機。
- 前記ケース内には前記低圧冷媒が満たされている請求項6ないし8のいずれか1つに記載の圧縮機。
- 前記冷媒は、二酸化炭素を含んだものである請求項1ないし10のいずれか1つに記載の圧縮機。
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