JP2018127749A - ガラスクロス、プリプレグ、及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕
複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、
前記経糸及び前記緯糸の一方が、SiO2組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記経糸及び前記緯糸の他方が、SiO2組成量が45〜60質量%であり、B2O3組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記経糸及び前記緯糸を構成する前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、各々独立して、3〜10μmであり、
前記経糸及び前記緯糸のフィラメント数が、各々独立して、20〜300本であり、
前記経糸及び前記緯糸の打ち込み密度が、各々独立して、20〜140本/inchであり、
前記ガラスクロスの厚さが、8〜100μmであり、
前記ガラスクロスの強熱減量値が、0.2質量%以上1.0質量%以下であり、
前記ガラスクロスの誘電率が、3.8超過4.4以下であり、
不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理された、
ガラスクロス。
〔2〕
前記ガラスクロスの前記強熱減量値が、0.3質量%以上0.8質量%以下である、
〔1〕に記載のガラスクロス。
〔3〕
分子量が異なる2種類以上の前記シランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理された、
〔1〕又は〔2〕に記載のガラスクロス。
〔4〕
前記経糸及び前記緯糸の一方が、前記SiO2組成量が98〜99.95質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔5〕
前記経糸及び前記緯糸の他方が、前記SiO2組成量が50〜60質量%であり、前記B2O3組成量が20〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のガラスクロス。
〔6〕
〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のガラスクロスと、
該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、を有する、
プリプレグ。
〔7〕
〔6〕に記載のプリプレグを有する、
プリント配線板。
本実施形態のガラスクロスは、複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、前記経糸及び前記緯糸の一方が、SiO2組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、前記経糸及び前記緯糸の他方が、SiO2組成量が45〜60質量%であり、B2O3組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、前記経糸及び前記緯糸を構成する前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、各々独立して、3〜10μmであり、前記経糸及び前記緯糸のフィラメント数が、各々独立して、20〜300本であり、前記経糸及び前記緯糸の打ち込み密度が、各々独立して、20〜140本/inchであり、前記ガラスクロスの厚さが、8〜100μmであり、前記ガラスクロスの強熱減量値が、0.2質量%以上1.0質量%以下であり、前記ガラスクロスの誘電率が、3.8超過4.4以下であり、不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理されたものである。
本実施形態においては、経糸及び緯糸の一方が、SiO2組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメント(以下、「ガラスフィラメントA」ともいう。)を含むガラス糸であり、経糸及び緯糸の他方が、SiO2組成量が45〜60質量%であり、B2O3組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメント(以下、「ガラスフィラメントB」ともいう。)を含むガラス糸である。当該態様においては、経糸及び緯糸の一方が、ガラスフィラメントAからなるガラス糸であり、経糸及び緯糸の他方が、ガラスフィラメントBからなるガラス糸である態様の他、経糸及び緯糸の一方が、ガラスフィラメントAとガラスフィラメントBとからなるガラス糸であり、経糸及び緯糸の他方が、ガラスフィラメントAからなるガラス糸又はガラスフィラメントBからなるガラス糸である態様、並びに、経糸及び緯糸の両方が、ガラスフィラメントAとガラスフィラメントBとからなるガラス糸である態様も含まれる。
ガラスフィラメントAのSiO2組成量は、98〜100質量%であり、好ましくは98〜99.95質量%であり、より好ましくは98〜99質量%である。SiO2組成量が98質量%以上であることにより、誘電率や誘電正接がより減少する傾向にある。また、SiO2組成量が98質量%以上であることにより、ガラス溶融紡糸の際の空気の混入が抑制され、中空糸の発生を抑制することができる。中空糸が減少することにより、基板の絶縁信頼性がより向上する傾向にある。また、SiO2組成量が99.95質量%以下であることにより、ガラス糸の耐屈曲性及び耐脆性がより向上する傾向にある。これにより、基板のドリル加工性がより向上し、また、ガラスクロスの処理加工後の開繊時及び水洗時等においてガラス糸切れが発生し難くなり、ガラスクロスの毛羽量が低下する傾向にある。このようなガラスクロスを用いることにより、誘電率がより低下する上、中空糸低減に由来する絶縁信頼性の向上や、基板のドリル加工性の向上に由来する絶縁信頼性の向上、毛羽立ち低減に由来する絶縁信頼性の向上(メッキ染み込み、突起不良、層間絶縁不良等の防止)を達成することができる。SiO2組成量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
ガラスフィラメントBのSiO2組成量は、45〜60質量%であり、好ましくは50〜60質量%であり、より好ましくは51〜56質量%である。また、ガラスフィラメントBのB2O3組成量は、15〜30質量%であり、好ましくは20〜30質量%であり、より好ましくは21〜25質量%である。SiO2組成量が60%以下、かつB2O3組成量が15質量%以上であることにより、ガラス溶融粘度が下がり、ガラス糸を引き易くなるため、中空糸の発生を抑制することができ、また、誘電率が低下する。また、SiO2組成量が45%以上、かつB2O3組成量が30質量%以下であることにより、表面処理を施した場合において、耐吸湿性がより向上する。一方、B2O3組成量が15質量%未満であると、中空糸数が上昇し、それに伴って絶縁信頼性が低下する。また、B2O3組成量がさらにEガラス組成量まで減少すると、中空糸数は減少する傾向にあるが、誘電率は増加する。また、B2O3組成量が30質量%超過であると、毛羽量が増大するとともに吸湿量が増大するため、絶縁信頼性が低下する。B2O3組成量は、ガラスフィラメント作製に用いる原料使用量に応じて調整することができる。
経糸及び緯糸を構成するガラスフィラメントの平均フィラメント径は、各々独立して、3〜10μmであり、好ましくは3.5〜9.5μmである。ガラスフィラメントの平均フィラメント径が上記範囲内であることにより、得られる基板を、メカニカルドリルにより加工する際、加工性がより向上する傾向にある。特に、ガラスフィラメントの平均フィラメント径を9.5μm以下とすることは、単位体積当りのマトリックス樹脂とガラスフィラメントの接する面積が増えるため、強熱減量値を0.2質量%以上とすることによる、後述の効果がより大きく発現される傾向にあるため好ましい。なお、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA又はBからなるガラス糸である場合には、上記平均フィラメント径はガラス糸を構成するガラスフィラメントA又はBの平均フィラメント径であり、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA及びBからなるガラス糸である場合には、上記平均フィラメント径はガラス糸を構成するガラスフィラメントA及びBの平均フィラメント径である。
経糸及び緯糸を構成するガラスフィラメントのフィラメント数は、各々独立して、20〜300本であり、好ましくは20〜200本である。ガラスフィラメントのフィラメント数が上記範囲内であることにより、得られる基板を、メカニカルドリルにより加工する際、加工性がより向上する傾向にある。なお、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA又はBからなるガラス糸である場合には、上記フィラメント数はガラス糸を構成するガラスフィラメントA又はBの本数であり、経糸又は緯糸が、ガラスフィラメントA及びBからなるガラス糸である場合には、上記フィラメント数はガラス糸を構成するガラスフィラメントA及びBの合計本数である。
ガラスクロスを構成する経糸及び緯糸の打ち込み密度は、各々独立して、20〜140本/inchであり、好ましくは30〜130本/inchであり、より好ましくは40〜120本/inchである。
ガラスクロスの厚さは、8〜100μmであり、好ましくは15〜90μm、より好ましくは20〜80μmである。
ガラスクロスの布重量(目付け)は、好ましくは6〜100g/m2であり、より好ましくは7〜90g/m2である。
ガラスクロスの織り構造については、特に限定されないが、例えば、平織り、ななこ織り、朱子織り、綾織り等の織り構造が挙げられる。このなかでも、平織り構造がより好ましい。
ガラスクロスのガラス糸(ガラスフィラメントを含む)は、不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤(以下、単に「シランカップリング剤」ともいう。)により表面処理されたものである。不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤を用いることにより、マトリックス樹脂との反応性がより向上し、また、マトリックス樹脂と反応した後に親水性官能基が生じ難く絶縁信頼性がより向上する。
X(R)3-nSiYn ・・・(1)
(式中、Xは、不飽和二重結合基を1つ以上有する有機官能基であり、Yは、各々独立して、アルコキシ基であり、nは1以上3以下の整数であり、Rは、各々独立して、メチル基、エチル基、及びフェニル基からなる群より選ばれる基である。)
ガラスクロスの強熱減量値は、0.2質量%以上であり、好ましくは0.3質量%以上であり、より好ましくは0.4質量%以上である。また、ガラスクロスの強熱減量値の上限は、1.0質量%以下であり、好ましくは0.9質量%以下であり、より好ましくは0.8質量%以下である。ガラスクロスの強熱減量値が0.2質量%以上であることにより、ドリル加工後のメッキ液染込み性、絶縁信頼性、及び毛羽立ち品質を改善することができる。さらに、耐吸湿性がより向上し、吸湿に由来する絶縁信頼性の低下をより抑制することができる。また、ガラスクロスの強熱減量値が1.0質量%以下であることにより、ガラスクロスへの樹脂浸透性がより向上し、その結果として絶縁信頼性がより向上する。
ガラスクロスの誘電率は、3.8超過4.4以下であり、好ましくは3.8超過4.2以下である。ガラスクロスの誘電率は実施例に記載の方法により測定することができる。
本実施形態のガラスクロスの製造方法は、特に限定されないが、例えば、濃度0.1〜3.0質量%の処理液によってほぼ完全にガラスフィラメントの表面をシランカップリング剤で覆う被覆工程と、加熱乾燥によりシランカップリング剤をガラスフィラメントの表面に固着させる固着工程と、ガラスフィラメントの表面に固着したシランカップリング剤の少なくとも一部を高圧スプレー水等により洗浄することにより、強熱減量値が0.2〜1.0質量%になるように、シランカップリング剤の付着量を調整する調製工程と、を有する方法が挙げられる。
本実施形態のプリプレグは、上記ガラスクロスと、該ガラスクロスに含侵されたマトリックス樹脂と、を有する。これにより、薄くて、誘電率が低く、上記各理由に関連する絶縁信頼性の向上と耐吸湿性の向上による絶縁信頼性の向上が図られたプリプレグを提供することができる。
本実施形態のプリント配線板は、上記プリプレグを有する。これにより、誘電率が低く、絶縁信頼性の向上が図られたプリント配線板を提供することができる。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.32質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.85質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量59質量%及びB2O3組成量16質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニング株式会社製;Z6030)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)とメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコーニング株式会社製;Z6030)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量98.5質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.19質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−フェニル−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製;KBM573)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量53質量%及びB2O3組成量23質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は1.1質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量61質量%及びB2O3組成量14質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
SiO2組成量99.9質量%のガラスフィラメントからなる緯糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径9μm、フィラメント数100本、打ち込み密度54本/inch)と、SiO2組成量46質量%及びB2O3組成量31質量%のガラスフィラメントからなる経糸(ガラスフィラメントの平均フィラメント径6μm、フィラメント数200本、打ち込み密度61本/inch)を用いて、ガラスクロス(厚さ78μm、布重量70g/m2)を製織した。得られたガラスクロスを、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(東レダウコーニング株式会社製;Z6032)を水に分散させた処理液に浸漬し、加熱乾燥した。次にスプレーで高圧水開繊を実施し、加熱乾燥して製品を得た。ガラスクロスの強熱減量値は0.22質量%であった。
JIS R 3420に記載されている方法に従って強熱減量値を測定した。具体的には、ガラスクロスを105℃±5℃の乾燥機の中に入れ、少なくとも30分間乾燥した。乾燥後、ガラスクロスをデシケータに移し、室温まで放冷した。放冷後、ガラスクロスの重さを0.1mg以下の単位で測定した。次に、ガラスクロスをマッフル炉で、約625℃で20分間加熱した。マッフル炉で加熱後、ガラスクロスをデシケータに移し、室温まで放冷した。放冷後、ガラスクロスの重さを0.1mg以下の単位で測定した。マッフル炉の加熱前後の重量変化を測定して、処理剤付着量として強熱減量値を計算した。
JIS R 3420の7.10に準じて、マイクロメータを用いて、スピンドルを静かに回転させて測定面に平行に軽く接触させた。ラチェットが3回音をたてた後の目盛を読み取った。
上述の実施例及び比較例で得たガラスクロスに、ポリフェニレンエーテル樹脂ワニス(変性ポリフェニレンエーテル樹脂30質量部、トリアリルイソシアヌレート10質量部、トルエン60質量部、触媒0.1質量部の混合物)を含浸させ、120℃で2分間乾燥後プリプレグを得た。このプリプレグの樹脂含量を50質量%に調製した。次に任意箇所の100mm×100mmの小片サンプルを切り出し、目視にて突起箇所の数を求めた。
上述の実施例及び比較例で得たガラスクロスに、ポリフェニレンエーテル樹脂ワニス(変性ポリフェニレンエーテル樹脂30質量部、トリアリルイソシアヌレート10質量部、トルエン60質量部、触媒0.1質量部の混合物)を含浸させ、120℃で2分間乾燥後プリプレグを得た。このプリプレグを重ね、さらに上下に厚さ12μmの銅箔を重ね、200℃、40kg/cm2で60分間加熱加圧して基板を得た。
上記のようにしてプリプレグ100質量%あたりの樹脂含量が60質量%となるように基板を作製し、銅箔を除去して誘電率評価のための試料を得た。得られた試料の周波数1GHzにおける誘電率を、インピーダンスアナライザー(Agilent Technologies社製)を用いて測定した。得られた基板誘電率から、ガラスクロスの体積分率、及び樹脂誘電率2.5をもとに、ガラスクロスの誘電率を算出した。
上記のようにして厚さ0.4mmとなるように基板を作製し、基板の両面の銅箔上に、0.15mm間隔のスルーホールを配する配線パターンを作製して絶縁信頼性評価の試料を得た。得られた試料に対して温度120℃湿度85%RHの雰囲気下で10Vの電圧をかけ、抵抗値の変化を測定した。この際、試験開始後500時間以内に抵抗が1MΩ未満になった場合を絶縁不良としてカウントした。10枚の試料について同様の測定を行い、10枚中絶縁不良とならなかったサンプルの割合を算出した。
Claims (7)
- 複数本のガラスフィラメントからなるガラス糸を経糸及び緯糸として製織してなるガラスクロスであって、
前記経糸及び前記緯糸の一方が、SiO2組成量が98〜100質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記経糸及び前記緯糸の他方が、SiO2組成量が45〜60質量%であり、B2O3組成量が15〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸であり、
前記経糸及び前記緯糸を構成する前記ガラスフィラメントの平均フィラメント径が、各々独立して、3〜10μmであり、
前記経糸及び前記緯糸のフィラメント数が、各々独立して、20〜300本であり、
前記経糸及び前記緯糸の打ち込み密度が、各々独立して、20〜140本/inchであり、
前記ガラスクロスの厚さが、8〜100μmであり、
前記ガラスクロスの強熱減量値が、0.2質量%以上1.0質量%以下であり、
前記ガラスクロスの誘電率が、3.8超過4.4以下であり、
不飽和二重結合基を有するシランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理された、
ガラスクロス。 - 前記ガラスクロスの前記強熱減量値が、0.3質量%以上0.8質量%以下である、
請求項1に記載のガラスクロス。 - 分子量が異なる2種類以上の前記シランカップリング剤で前記ガラス糸の表面が処理された、
請求項1又は2に記載のガラスクロス。 - 前記経糸及び前記緯糸の一方が、前記SiO2組成量が98〜99.95質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 前記経糸及び前記緯糸の他方が、前記SiO2組成量が50〜60質量%であり、前記B2O3組成量が20〜30質量%であるガラスフィラメントを含むガラス糸である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスクロス。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラスクロスと、
該ガラスクロスに含浸されたマトリックス樹脂と、を有する、
プリプレグ。 - 請求項6に記載のプリプレグを有する、
プリント配線板。
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