JP2018127521A - インク、インク収容容器、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法並びに記録物 - Google Patents

インク、インク収容容器、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法並びに記録物 Download PDF

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JP2018127521A JP2017020378A JP2017020378A JP2018127521A JP 2018127521 A JP2018127521 A JP 2018127521A JP 2017020378 A JP2017020378 A JP 2017020378A JP 2017020378 A JP2017020378 A JP 2017020378A JP 2018127521 A JP2018127521 A JP 2018127521A
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聖之 関口
Akiyuki Sekiguchi
聖之 関口
智裕 中川
Tomohiro Nakagawa
智裕 中川
古川 壽一
Juichi Furukawa
壽一 古川
之弘 今永
Yukihiro Imanaga
之弘 今永
彩加 田中
Ayaka Tanaka
彩加 田中
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Abstract

【課題】ポリオレフィン系樹脂基材への密着性が良好であり、貯蔵安定性および吐出安定性に優れ、かつ高画質が得られるインクを提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂粒子、シリコーン系界面活性剤および下記一般式(1)で表される有機溶媒を含有してなるインク。
【化1】
Figure 2018127521

(Rは水素原子またはメチル基を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、インク、インク収容容器、インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法並びに記録物に関する。
インクジェットプリンターは低騒音、低ランニングコスト、カラー印刷が容易であるなどの利点を有することから、デジタル信号の出力機器として一般家庭に広く普及している。
近年では、家庭用のみならず、プラスチックフィルム等の非吸収性記録媒体に対しても、インクジェット記録方法により、従来のアナログ印刷並の画質を獲得することが商業的に要求されるようになってきている。例えば、いわゆる軟包装と呼ばれる食品包装分野においては、印刷ジョブの小ロット・多品種化が急速に進んでいる上、バリアブル印刷の需要も高まってきており、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の軟包装用フィルムに対応したインクジェット記録システムが望まれている。
このような軟包装向けのインクとしては、油性インク、紫外線硬化型インク、水性インク等が挙げられるが、低VOC(揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds))や安全性の観点から、水性インクの開発が最も盛んである。
例えば、特許文献1には、PVC(ポリ塩化ビニル)等の樹脂製記録媒体への密着性、耐擦性、耐アルコール性に優れるインクジェット記録用水系インクとして、特定のモノマー組成からなるポリエステル樹脂粒子を含むインクが提案されている。
また特許文献2には、特にポリオレフィン系樹脂基材に直接印刷することができ、優れた印刷物耐性や密着性を実現することのできる水性インクジェットインキ組成物として、ポリプロピレン系樹脂エマルションを用いる水性インキ組成物が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載のインクでは、フィルム表面の極性が低いために難密着性基材として知られているポリオレフィン系フィルムへの密着性不良を引き起こし、ラミネート強度不足を招くことがあった。
また、特許文献2の樹脂エマルションを用いる場合、貯蔵安定性が悪く、またインク吐出が不安定になりやすいという課題があった。すなわち、高沸点の溶媒類が浸透する紙等の吸収性記録媒体と異なり、非吸収性記録媒体においては高生産性を実現するためにより一層の速乾性がインクに要求されるが、インク乾燥速度向上のため高沸点の溶媒比率を下げる代わりに低沸点の溶媒比率を上げると、短時間でのノズル閉塞を起こしやすいという問題があった。
したがって本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂基材への密着性が良好であり、貯蔵安定性および吐出安定性に優れ、かつ高画質が得られるインクを提供することにある。
上記課題は、下記構成1)によって解決される。
1)ポリエステル樹脂粒子、シリコーン系界面活性剤および下記一般式(1)で表される有機溶媒を含有してなることを特徴とするインク。
Figure 2018127521
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂基材への密着性が良好であり、貯蔵安定性および吐出安定性に優れ、かつ高画質が得られるインクを提供することができる。
記録装置の斜視説明図である。 メインタンクの斜視説明図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに説明する。
本発明のインクは、ポリエステル樹脂粒子、シリコーン系界面活性剤および下記で説明する一般式(1)で表される有機溶媒を含有してなることを特徴とする。
<インク>
以下、インクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
(ポリエステル樹脂粒子)
前記ポリエステル樹脂粒子を構成するポリエステル樹脂としては特に制限されず、公知のものより適宜選択できるが、記録媒体への密着性、貯蔵安定性、吐出安定性に優れるインクとするには、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は58℃以上93℃以下が好ましく、60℃以上90℃以下がさらに好ましく、65℃以上85℃以下が特に好ましい。
前記ポリエステル樹脂は、ジオール成分と、ジカルボン酸を用いて得られるが、3価以上の酸またはアルコールを用いて分岐構造を持たせたものも好適に用いられる。
[ジオール]
ジオールとしては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物;などが挙げられる。これらの中でも、ノズル面での成膜を抑制し、長期保管時のインクの粘度上昇を防止するため、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物を全ジオール成分中の50質量%以上含有することが好ましい。
[ジカルボン酸]
ジカルボン酸としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、などが挙げられる。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、などが挙げられる。中でもインク中での貯蔵安定性を良好にし、デキャップ時のノズルでの粘度上昇を抑制するためには、イソフタル酸および/またはテレフタル酸を全ジカルボン酸成分中の50質量%以上含有することが好ましい。
[三価以上の酸またはアルコール]
非線状、即ち分岐構造を取らせるための成分は、従来公知の三価以上の酸またはアルコールを使用することができる。
三価以上のアルコール類としては、例えば三価以上の脂肪族アルコール、三価以上のポリフェノール類、三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物、などが挙げられる。前記三価以上の脂肪族アルコールとしては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、などが挙げられる。前記三価以上のポリフェノール類としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、などが挙げられる。前記三価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、三価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの、などが挙げられる。
三価以上の酸としては、例えば三価以上の芳香族カルボン酸、などが挙げられる。前記三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の三価以上の芳香族カルボン酸としては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、などが挙げられる。
また、ポリカルボン酸として、ジカルボン酸、三価以上のカルボン酸、及びジカルボン酸と三価以上のカルボン酸との混合物のいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステルを用いることもできる。前記低級アルキルエステルとしては、特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、などが挙げられる。
前記ポリエステル樹脂の酸価としては、前記樹脂を水性媒体中に分散させ、安定性に優れた樹脂粒子とするためには、5mg〜50mgKOH/gが好ましく、10mg〜40mgKOH/gが好ましい。
前記ポリエステル樹脂の重量平均分子量としては、フィルムへの密着性の観点から、5000〜100000が好ましく、10000〜50000がより好ましい。なお重量平均分子量は公知のGPC法によって測定できる。
また、前記ポリエステル樹脂の水性媒体中への分散、すなわち樹脂粒子化は、ポリエステル樹脂の親水基の一部又は全てを中和又は4級化した後、水を投入して水分散させる方法により達成できる。その際、分散補助溶媒として水溶性有機溶媒を使用し、水分散後に留去させてもよい。
また、前記ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径は、吐出安定性の観点から50nm以上80nm以下が好ましく、63nm以上72nm以下がさらに好ましい。前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
また、本発明のインクには、ポリエステル樹脂粒子以外にも、公知の樹脂粒子を併用してもよい。例えば、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などからなる樹脂粒子が挙げられる。
(シリコーン系界面活性剤)
前記シリコーン系界面活性剤としては特に制限されず、目的に応じて適宜選択できるが、ポリプロピレン系フィルムのようなポリオレフィン系樹脂基材に対するインクの濡れを良好にし、優れた密着性を実現するためには下記一般式(2)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2018127521
(一般式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、m、mはそれぞれ独立して、0〜6の整数を表し、nは2〜20の整数を表す。)
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、BYK−345、347、同348、349(BYK製)、WET240、270、280(Evonik製)、SAG002、013、503A(日信化学工業製)などが挙げられる。
本発明のインクでは、前記シリコーン系界面活性剤以外に、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(有機溶剤)
本発明のインクは、下記一般式(1)で表される有機溶媒を含有する。
Figure 2018127521
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
なお、本発明のインクは、前記一般式(1)で表される有機溶媒以外の有機溶剤を含んでいてもよく、公知の水溶性有機溶剤を適宜用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明のインク全体に対する、前記ポリエステル樹脂粒子の含有量は1〜30質量%が好ましく、2〜15質量%がさらに好ましい。なお、前記ポリエステル樹脂粒子以外の樹脂粒子を使用する場合、そのインク全体に対する含有量は、例えば0〜3質量%である。
本発明のインク全体に対する、前記シリコーン系界面活性剤の含有量は0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜3質量%がさらに好ましい。なお、前記シリコーン系界面活性剤以外の界面活性剤を使用する場合、そのインク全体に対する含有量は、例えば0〜0.5質量%である。
本発明のインク全体に対する、前記一般式(1)で表される有機溶剤の含有量は1〜40質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。なお、前記一般式(1)で表される有機溶剤以外の有機溶剤を使用する場合、そのインク全体に対する含有量は、例えば0〜30質量%である。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<前処理液>
前処理液は、凝集剤、有機溶剤、水を含有し、必要に応じて界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤等を含有しても良い。
有機溶剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤は、インクに用いる材料と同様の材料を使用でき、その他、公知の処理液に用いられる材料を使用できる。
凝集剤の種類は特に限定されず、水溶性カチオンポリマー、酸、多価金属塩等が挙げられる。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
前記前処理装置を使用する場合、例えば前記凝集剤を含む前処理液を記録媒体に付与した後、本発明のインクを前記記録媒体に対して吐出することができる。この形態では、とくに画像の滲み防止や濃度ムラの抑制に効果がある。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明を実施例および比較例により更に具体的に説明するが、本発明は、これらの例により限定されるものではない。
(顔料分散体の調製例1)
<ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散体(顔料濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)・・・15質量部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2質量部
・イオン交換水・・・83質量部
[ポリエステル樹脂粒子分散液1の製造]
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した四つ口フラスコに、酸成分としてテレフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸をモル比で85/13/2、アルコール成分としてビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物を、水酸基とカルボキシル基のモル比OH/COOHが1.15となるように仕込み、300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加した。次いで、常圧で徐々に昇温し、230℃まで達した後2時間反応させ、さらに10kPaで1時間反応後、常圧に戻してポリエステル樹脂を回収した。
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した2Lの四つ口フラスコに、上記ポリエステル樹脂300gとメチルエチルケトン300gを混合し。40℃で溶解させた。次いで、ポリエステル樹脂の酸価と等モルとなるようにトリエチルアミンを添加し、イオン交換水1000部を加え十分に攪拌した。更に、メチルエチルケトンを留去させることによりポリエステル樹脂粒子分散液1を得た。
[ポリエステル樹脂粒子分散液2の製造]
ポリエステル樹脂粒子分散液1の製造において、テレフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸のモル比を90/8/2とした以外は同様にして、ポリエステル樹脂粒子分散液2を得た。
[ポリエステル樹脂粒子分散液3の製造]
ポリエステル樹脂粒子分散液1の製造において、テレフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸のモル比を94/4/2とした以外は同様にして、ポリエステル樹脂粒子分散液3を得た。
[ポリエステル樹脂粒子分散液4の製造]
ポリエステル樹脂粒子分散液1の製造において、テレフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸のモル比を98/0/2とした以外は同様にして、ポリエステル樹脂粒子分散液4を得た。
[ポリエステル樹脂粒子分散液5の製造]
ポリエステル樹脂粒子分散液1の製造において、イソフタル酸、アジピン酸、トリメリット酸のモル比を94/4/2とした以外は同様にして、ポリエステル樹脂粒子分散液5を得た。
[ポリウレタン樹脂粒子分散液の製造]
500mLのフラスコにプロピレングリコールを159部、テレフタル酸ジメチルを291部を仕込み、120℃で均一に溶融させた後、触媒としてテトライソプロポキシチタンを0.1部添加した。次いで、撹拌しながら3〜4時間かけて220℃へ昇温し、5時間保持した後、15kPaでの圧力で減圧しながら反応させ、数平均分子量が1000となった時点で常圧に戻して回収した。得られたポリエステルポリオールの酸価は0.4mgKOH/g、水酸基価112mgKOH/gであった。
次に、温度計、窒素ガス導入管、攪拌器を備えた窒素置換された2Lのフラスコに、上記ポリエステルポリオール300部、イソホロンジイソシアネート180部、及び2,2’−ジメチロールプロピオン酸20部、アセトン200部を添加し、65℃で5時間反応させた。この時の反応液全体に対するイソシナネート基濃度は3.5wt%であった。
次いで、40℃まで冷却し、トリエチルアミン15.4部を添加した後、イオン交換水を1200部を加え十分に攪拌した。更に、ジエチレントリアミンを12部添加し1時間反応させた後、アセトンを留去させることによりポリウレタン樹脂粒子分散液を得た。
[スチレンアクリル樹脂粒子分散液の製造]
メタクリル酸メチル69.3部、スチレン12.2部、アクリル酸2−エチルヘキシル11.1部、メタクリル酸1.9部、アクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)1.5部、イオン交換水51.6部からなる混合物を、ホモミキサーを用いて乳化し、均一な乳白色の乳化液を得た。
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管を備えた250mLのフラスコ内に、イオン交換水89部を仕込み、窒素を導入しつつ70℃に昇温した。次いで、10%アクアロンHS−10(第一工業製薬株式会社製)水溶液0.8部、5%過硫酸アンモニウム水溶液2.6部を投入した後、予め調製しておいた乳化液を2.5時間かけて連続的に滴下した。また、滴下開始から3h経過するまでの間、1h毎に5%過硫酸アンモニウム水溶液0.6部を投入した。滴下終了後70℃で2時間熟成した後冷却し、28%アンモニア水でpHを7〜8となるよう調整し、スチレンアクリル樹脂粒子分散液を得た。
各樹脂粒子分散液の固形分、Tg、体積平均粒径を表1に示す。
Figure 2018127521
(インクの調製)
下記表2に記載の処方で材料を混合し、一時間撹拌した後、0.8μセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、インク1〜13を得た。なお、3-メトキシ-1-ブタノールは一般式(1)においてRが水素原子である有機溶媒であり、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノールは一般式(1)においてRがメチル基である有機溶媒である。
Figure 2018127521
インク1〜13について、下記の特性を評価した。結果を表3に示す。
<貯蔵安定性>
ラボランスクリュー管瓶No.3(アズワン製)にインク5gを入れ、70℃に設定した恒温槽に1週間保管し、保管前後のインクの粘度から粘度変化率を算出し、以下の基準で評価した。
粘度変化率=100×(70℃2週間後の粘度−初期の粘度)/初期の粘度 [%]
○:粘度変化率が±10%未満
△:粘度変化率が±10%以上30%未満
×:粘度変化率が±30%以上
<印刷方法>
評価用べた画像の作成には、IPSiO GXe5500機(株式会社リコー製)を、150cmの印字幅で30m/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、ホットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造したインクジェットプリンターを用いた。
前記インクジェットプリンターにインクを充填し、付着量600mg/A4でべた画像を形成し、80℃に設定したホットプレート(NINOS ND−1、アズワン株式会社製)上で3分間、乾燥させることでベタ画像を得た。
<密着性>
記録媒体として、厚さ20μmのパイレンフィルムP2111(TOYOBO製)を用い、表面をコロナ処理し、その処理面に前記のようにべた画像を形成した。そのべた画像に対し、布粘着テープ(ニチバン株式会社製、123LW−50)を用いた碁盤目剥離試験を実施した。試験マス目100個の残存マス数をカウントし、下記評価基準に基づいて、密着性を評価した。
〔評価基準〕
○:残存マス数が98個以上
△:残存マス数が90個以上98個未満
×:残存マス数が90個未満
<吐出安定性>
[デキャップ評価]
インクを、前記インクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、デキャップ後の吐出性を評価した。まず、25℃、20%RHの環境下、プリンターのメンテナンスコマンドよりヘッドクリーニングを実行し、テストチャートを印刷してノズルの全チャンネルが吐出状態にあることを確認した。次に、ヘッドのキャップを外した状態で10分間放置した後、再度テストチャートを印刷した。放置前後のテストチャートより、不吐出チャンネル数をカウントし、以下の基準により判定した。
〔評価基準〕
○:吐出チャンネル数が5個以下
△:吐出チャンネル数が5個以上30個未満
×:吐出チャンネル数が30個以上
Figure 2018127521
表3の結果から、ポリエステル樹脂粒子、シリコーン系界面活性剤および前記一般式(1)で表される有機溶媒を含有してなる実施例のインクは、該条件を満たさない比較例のインクに対し、ポリオレフィン系樹脂基材への密着性が良好であり、貯蔵安定性および吐出安定性に優れることが判明した。また、実施例のインクは、比較例のインクよりも高画質であることが確認された。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2016‐113542号公報 特開2010‐116459号公報

Claims (10)

  1. ポリエステル樹脂粒子、シリコーン系界面活性剤および下記一般式(1)で表される有機溶媒を含有してなることを特徴とするインク。
    Figure 2018127521
    (一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
  2. 前記ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度が60℃以上90℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. 前記ポリエステル樹脂粒子の体積平均粒径が50nm以上80nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインク。
  4. 前記シリコーン系界面活性剤が下記一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインク。
    Figure 2018127521
    (一般式(2)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、m、mはそれぞれ独立して、0〜6の整数を表し、nは2〜20の整数を表す。)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のインクを収容したインク収容部を有することを特徴とするインク収容容器。
  6. 凝集剤を含む前処理液と、請求項1〜4のいずれかに記載のインクとを含むインクセット。
  7. インクを記録媒体に対して吐出する吐出手段を有するインクジェット記録装置において、前記インクが、請求項1〜4のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  8. インクを記録媒体に対して吐出する吐出工程を有するインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1〜4のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  9. 凝集剤を含む前処理液を記録媒体に対して付与した後、請求項1〜4のいずれかに記載のインクを前記記録媒体に対して吐出することを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 記録媒体上に請求項1〜4のいずれかに記載のインクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする記録物。
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