JP2018121436A - 高電圧制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 損失を低減することが可能な高電圧制御装置を提供する。【解決手段】 高電圧制御装置11は、静電塗装用の塗装機1に接続されている。塗装機1の高電圧発生器3は、昇圧トランス4と、多段倍電圧整流回路5とを備えている。高電圧制御装置11は、トランス駆動回路12、電源電流検出回路13および信号制御装置15を備えている。トランス駆動回路12は、設定周波数Fの低電圧電力を昇圧トランス4の一次側に供給する。電源電流検出回路13は、昇圧トランス4の一次側コイルに流れるトランス駆動電流Itを検出する。信号制御装置15は、トランス駆動電流Itが最小となるように、トランス駆動回路12から供給する低電圧電力の設定周波数Fを制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、高電圧を制御する高電圧制御装置に関する。
一般に、静電塗装装置は、マイナスの高電圧を発生させて、アース電位となった被塗物との間に静電界を形成し、帯電した塗料粒子を被塗物に塗着させる。このため、静電塗装装置は、高電圧を発生させる高電圧発生器を備えている。高電圧発生器は、供給された低電圧電力を高電圧に昇圧する。このため、高電圧発生器には、低電圧電力を用いて高電圧電力を制御する高電圧制御装置が接続されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−246189号公報
ところで、高電圧発生器は、フライバックトランスやコッククロフト・ウォルトン回路(多段倍圧整流回路)を備え、直流電圧より生成したパルス波形(矩形波状)からなる低電圧から直流の高電圧を生成する。このため、高電圧制御装置は、設定された最適な周波数の低電圧電力を高電圧発生器に供給する。しかしながら、高電圧発生器によって高電圧の出力を継続して行うと、高電圧発生器の自己発熱が生じることがあるのに加え、湿度変化、負荷変動等が発生することがある。これらの影響によって、低電圧電力の周波数が最適値からシフトしてしまい、電力損失が増加し、所望の高電圧が得られない等の問題が生じる。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、電力損失を低減することが可能な高電圧制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、高電圧発生器のトランスに設定周波数の低電圧電力を供給し、前記高電圧発生器によって発生する高電圧を制御する高電圧制御装置であって、前記設定周波数の低電圧電力を前記トランスの一次側に供給する電力供給部と、前記トランスの一次側に流れるトランス駆動電流を検出する電流検出器と、前記電流検出器によって検出したトランス駆動電流が最小となるように、前記電力供給部から供給する前記低電圧電力の前記設定周波数を制御する周波数制御部とを備えたことを特徴としている。
請求項2の発明では、前記周波数制御部は、現在の前記設定周波数と同じ第1周波数と、現在の前記設定周波数よりも周波数が高い第2周波数と、現在の前記設定周波数よりも周波数が低い第3周波数とのそれぞれについて、前記電力供給部によって低電圧電力を発生させて前記電流検出器によって前記トランス駆動電流を検出し、前記第1周波数、前記第2周波数、前記第3周波数のうち前記トランス駆動電流が最も小さいときの周波数を新たな設定周波数に設定することを特徴としている。
請求項3の発明では、前記電流検出器は、前記トランス駆動電流のピーク値を検出することを特徴としている。
請求項4の発明では、前記周波数制御部は一定周期毎に新たな前記設定周波数の設定を行い、前記設定周波数の初期値を記憶する記憶部と、前記一定周期毎に前記初期値および前記設定周波数を表示する表示器と、をさらに備えたことを特徴としている。
請求項5の発明では、前記一定周期は、10秒以上で5分以下の範囲内の値に設定されたことを特徴としている。
請求項6の発明では、前記初期値は、前記高電圧発生器を停止するときの前記設定周波数の値に更新することを特徴としている。
請求項7の発明では、前記周波数制御部は、前記高電圧発生器から出力される前記高電圧の値を変更するときに、変更の開始から所定期間は新たな前記設定周波数の設定を行わないことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、高電圧制御装置は、電力供給部と、電流検出器と、周波数制御部とを備えている。ここで、高電圧発生器の自己発熱、湿度変化、負荷変動等に伴って、電力損失が増加すると、トランス駆動電流が増加する。これに対し、周波数制御部は、電流検出器によって検出したトランス駆動電流が最小となるように、電力供給部から供給する低電圧電力の設定周波数を制御する。これにより、低電圧電力の設定周波数を最適値に調整することができ、電力損失を低減することができる。
請求項2の発明によれば、周波数制御部は、現在の設定周波数と同じ第1周波数と、現在の設定周波数よりも周波数が高い第2周波数と、現在の設定周波数よりも周波数が低い第3周波数とのそれぞれについて、電力供給部によって低電圧電力を発生させて電流検出器によってトランス駆動電流を検出する。その上で、周波数制御部は、第1周波数、第2周波数、第3周波数のうちトランス駆動電流が最も小さいときの周波数を新たな設定周波数に設定する。これにより、トランス駆動電流が小さくなるように、現在の設定周波数を調整することができる。
請求項3の発明によれば、電流検出器は、トランス駆動電流のピーク値を検出する。ここで、設定周波数がトランスの共振周波数から低周波側または高周波側にずれたときには、トランス駆動電流の波形に歪が生じ、トランス駆動電流のピーク値が増加する傾向がある。このため、トランス駆動電流のピーク値を検出することによって、設定周波数がトランスの共振周波数からずれたことを把握することができる。従って、周波数制御部は、トランス駆動電流のピーク値が最小となるように設定周波数を制御することによって、設定周波数をトランスの共振周波数に合わせることができる。
請求項4の発明によれば、表示器は一定周期毎に初期値および設定周波数を表示するから、操作者は、表示器を目視することによって、初期値と現在の設定周波数との相違を把握することができる。このため、例えば装置を停止するときに、初期値と現在の設定周波数との差を確認することによって、この差が高電圧発生器の温度変化等による正常状態でのものか、何らかの不具合による異常状態によるものかを把握することができる。
請求項5の発明によれば、一定周期を10秒以上で5分以下の範囲内の値に設定したから、高電圧の出力やトランス駆動電流が安定した状態で、設定周波数を更新することができる。
請求項6の発明によれば、初期値を、高電圧発生器を停止するときの設定周波数の値に更新するから、例えば経年変化による最適な設定周波数の変化が支配的な場合に、経年変化に追従して初期値を変化させることができる。このため、初期値から最適な設定周波数に調整されるまでの時間を短縮することができる。
請求項7の発明によれば、周波数制御部は、高電圧発生器から出力される高電圧の値を変更するときに、変更の開始から所定時間は新たな設定周波数の設定を行わない。例えば高電圧の設定値を変更した直後は、高電圧やトランス駆動電流が不安定な状態であり、トランス駆動電流に基づいて設定周波数を調整することができず、設定周波数が最適値から外れる可能性がある。これに対し、高電圧の値を変更してから所定時間は新たな設定周波数の設定を行わず、現在の設定周波数を保持することができる。このため、設定周波数が最適値から逸脱するのを、防ぐことができる。
本発明の実施の形態による高電圧制御装置および塗装機を示すブロック図である。 高電圧制御装置による周波数制御処理を示す流れ図である。 設定周波数が最適値となったときのトランス駆動電圧およびトランス駆動電流を示すタイムチャートである。 設定周波数が最適値よりも低い周波数となったときのトランス駆動電圧およびトランス駆動電流を示すタイムチャートである。 設定周波数が最適値よりも高い周波数となったときのトランス駆動電圧およびトランス駆動電流を示すタイムチャートである。 変形例の高電圧制御装置による周波数制御処理を示す流れ図である。
以下、本発明の実施の形態による高電圧制御装置として、静電塗装に用いるものを例に挙げて添付図面に従って詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態による高電圧制御装置11を示している。高電圧制御装置11は、静電塗装用の塗装機1に接続されている。
まず、高電圧制御装置11が適用される塗装機1について説明する。塗装機1は、塗料を噴霧する噴霧器2と、高電圧Vhを発生させる高電圧発生器(カスケード)3と、を備えている。噴霧器2は、例えばエア霧化、液圧霧化、回転霧化等を行う各種の霧化手段によって構成され、供給された塗料を霧化して、被塗物(図示せず)に向けて噴霧する。
高電圧発生器3は、塗装機1に内蔵されている。この高電圧発生器3は、昇圧トランス4と、多段倍電圧整流回路5とを備えている。図1に示すように、昇圧トランス4の一次側コイルには、高電圧制御装置11が接続され、例えば数十kHz程度の周波数(設定周波数F)を有するパルス波状(矩形波)の一次電圧が入力される。この一次電圧は、昇圧トランス4を駆動するトランス駆動電圧Vtに相当する。昇圧トランス4は、一次電圧が昇圧トランス4の一次側コイルに入力されることによって、二次側コイルに、一次電圧よりも高い電圧となった二次電圧を励起する。
多段倍電圧整流回路5は、複数のコンデンサ、ダイオード(いずれも図示せず)からなる所謂コッククロフト・ウォルトン回路によって構成されている。多段倍電圧整流回路5は、昇圧トランス4から供給される二次電圧をさらに昇圧して、負極性の高電圧Vh(例えばVh=0kV〜−90kV)を発生させる。
そして、塗装機1は、高電圧発生器3から出力される高電圧Vhを用いて、噴霧器2から噴霧される塗料粒子を、直接的または間接的に帯電させる。これに加え、塗装機1は、アース電位となった被塗物(図示せず)との間に静電界を形成する。これにより、塗装機1は、帯電した塗料粒子を静電界に沿って飛行させ、被塗物に塗着させる。
次に、高電圧制御装置11について説明する。高電圧制御装置11は、トランス駆動回路12と、電源電流検出回路13と、先端電圧・電流検出回路14と、信号制御装置15とを備えている。
トランス駆動回路12は、設定周波数Fの低電圧電力を昇圧トランス4の一次側に供給する電力供給部を構成している。このトランス駆動回路12は、電源変換器12Aと、スイッチング駆動回路12Bと、発振回路12Cとを備えている。トランス駆動回路12の入力側は、商用電源に接続されている。トランス駆動回路12の出力側は、昇圧トランス4の一次側コイルに接続されている。
電源変換器12Aは、例えば整流回路によって構成され、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換し、この直流電圧をスイッチング駆動回路12Bに出力する。スイッチング駆動回路12Bは、電源変換器12Aから出力された直流電圧を、信号制御装置15からの電圧指令信号Cvに応じた電圧まで降圧させる。発振回路12Cは、信号制御装置15からの周波数指令信号Cfに応じて、例えばトランジスタ等のスイッチング素子(図示せず)を制御する。これにより、発振回路12Cは、周波数指令信号Cfに応じたパルス信号を出力する。トランス駆動回路12は、スイッチング駆動回路12Bから出力される直流電力を、発振回路12Cから出力されるパルス信号に応じた電力に変換して、昇圧トランス4の一次側コイルに供給する。この結果、昇圧トランス4の一次側コイルには、スイッチング駆動回路12Bから出力される直流電圧に応じた振幅を有し、かつ発振回路12Cのパルス信号の周波数を有するトランス駆動電圧Vtが供給される。
電源電流検出回路13は、電流検出器を構成し、昇圧トランス4の一次側コイルに流れる電源電流としてのトランス駆動電流Itを検出する。電源電流検出回路13は、トランス駆動電流Itの検出信号Sitを信号制御装置15に向けて出力する。ここで、電源電流検出回路13は、トランス駆動電流Itのピーク値を検出するピーク電流検出回路(図示せず)を備えている。このため、電源電流検出回路13による検出信号Sitは、トランス駆動電流Itのピーク値に対応している。
トランス駆動回路12の駆動周波数により、トランス駆動電流Itの波形が変化し、ピーク値が変化する。駆動周波数が適正周波数であれば、トランス駆動電流Itのピーク値は小さくなる。これに対し、駆動周波数が適正周波数から逸脱すると、トランス駆動電流Itのピーク値が増加し、効率が低下する。効率が低下した状態では、整合されていない電力がトランス駆動回路12や高電圧発生器3で熱となっており、長時間の運転により回路部品が劣化する可能性がある。
先端電圧・電流検出回路14は、高電圧発生器3から出力される先端電圧(高電圧Vh)を検出すると共に、昇圧トランス4の二次側コイルに流れる電流を検出する。先端電圧・電流検出回路14は、高電圧発生器3から出力される高電圧Vhの検出信号Svと、二次側コイルに流れる電流の検出信号Siとを信号制御装置15に向けて出力する。
信号制御装置15は、マイクロコンピュータ等からなり、周波数制御部を構成している。信号制御装置15は、電源電流検出回路13および先端電圧・電流検出回路14からの検出信号Sit,Sv,Siに基づいて、トランス制御信号となる電圧指令信号Cvおよび周波数指令信号Cfを生成する。信号制御装置15は、これらの指令信号Cv,Cfによって、高電圧発生器3から出力される高電圧Vhが所望の値となるように、トランス駆動回路12を制御する。具体的には、信号制御装置15は、高電圧Vhの値に基づいて電圧指令信号Cvを生成し、高電圧Vhが所望の値(目標値)となるように、スイッチング駆動回路12Bを制御する。これにより、スイッチング駆動回路12Bは、トランス駆動電圧Vtの振幅を増加または減少させ、高電圧Vhの値を調整する。
なお、高電圧Vhの目標値は、予め信号制御装置15に記憶されたものでもよく、例えば塗装機1を制御する塗装機制御装置(図示せず)から入力されるものでもよい。このため、高電圧Vhの目標値は、一定値である必要はなく、種々の条件に基づいて変化する値であってもよい。
また、信号制御装置15は、電源電流検出回路13からの検出信号Sitに基づいて、発振回路12Cから出力するパルス信号の設定周波数Fを制御する。具体的には、信号制御装置15は、図2に示す周波数制御処理のプログラムに従って駆動する。これにより、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itのピーク値に基づいて周波数指令信号Cfを生成し、電源電流検出回路13によって検出したトランス駆動電流Itが最小となるように、トランス駆動回路12から供給する低電圧電力の設定周波数Fを制御する。
トランス駆動電流Itのピーク値を用いることで、平均値あるいは実効値を用いた場合と比較して、設定周波数Fの変化率による電源電流検出回路13の検出値の変化率が大きくなる。また、使用する高電圧発生器3によるが、先端電圧の検出信号Svを使用できる構成では、信号制御装置15は設定周波数Fを切り替え制御しつつ、高電圧Vhを一定とする制御を行ってもよい。
また、信号制御装置15は、記憶部としての不揮発メモリ16と、表示器としての操作・表示器17とに接続されている。不揮発メモリ16は、設定周波数Fの初期値F0を記憶する。このとき、初期値F0は、操作者が操作・表示器17を入力操作することによって、変更することができる。また、操作・表示器17は、例えばタッチパネル等によって構成され、各種の情報を表示すると共に、操作者によって各種の入力操作が可能になっている。このとき、操作・表示器17は、一定周期τ毎に初期値F0および現在の設定周波数Fを表示する。
次に、信号制御装置15による設定周波数Fの制御方法について、図2を参照しつつ説明する。
ステップ1では、設定周波数Fを予め決められた初期値F0に設定する。これに加えて、高電圧Vhの目標値となる設定電圧も予め決められた初期値に設定する。続くステップ2では、設定電圧および設定周波数Fに基づいて、トランス駆動回路12を駆動する。これにより、高電圧発生器3は、トランス駆動回路12から供給される低電圧電力に基づいて、設定電圧に応じた高電圧Vhを生成し、出力する。
続くステップ3では、例えばタイマを用いて、予め設定された一定周期τが経過したか否かを判定する。このとき、一定周期τは、設定電圧および設定周波数Fに応じて、高電圧Vhの出力やトランス駆動電流Itが安定するのに必要な時間に基づいて設定されている。具体的には、一定周期τは、例えば10秒以上で5分以下の範囲内の値に設定されている。
続くステップ4では、現在の設定周波数Fと同じ第1周波数F1でのトランス駆動電流Itのピーク値Ip1を測定する。このとき、トランス駆動回路12は、現在の設定周波数Fを維持した状態で、低電圧電力を高電圧発生器3に供給する。電源電流検出回路13は、このときのトランス駆動電流Itのピーク値Ip1を測定し、ピーク値Ip1に応じた検出信号Sitを信号制御装置15に向けて出力する。
なお、続くステップ5,6で説明するように、信号制御装置15は、ピーク値Ip1の計測を各周波数(F1,F2,F3)の切り替え毎に一定の切替時間の経過後に行う。この切替時間は、周波数を設定(例えば設定周波数Fを第1周波数F1に設定)してから例えば0.1秒〜1秒程度の値に設定する。この理由は、高電圧発生器3に使用されている昇圧トランス4、多段倍電圧整流回路5の遅延時間の影響があるため、設定周波数を変更して直ぐに計測を行った場合、本来その設定周波数Fで計測されるべき値を計測できない可能性があるためである。
また、塗装中は高電圧発生器3の負荷の状態により、トランス駆動電流Itのピーク値は変化する。この変化の速度は、高電圧発生器3と被塗物との間の距離に応じて、一般に2〜5Hz以下の変化である。前述した切替時間の具体例である0.1秒〜1秒程度の値は、これら負荷によるトランス駆動電流Itのピーク値の変化の速度に対して、十分短い間隔としている。ピーク値Ip1の測定が終了すると、ステップ5に移行する。
ステップ5では、現在の設定周波数Fよりも周波数が高い第2周波数F2でのトランス駆動電流Itのピーク値Ip2を測定する。このとき、第2周波数F2は、現在の設定周波数Fよりも予め決められた周波数差ΔFだけ高い周波数に設定されている(F2=F+ΔF)。なお、周波数差ΔFは、第1周波数F1と第2周波数F2との違いに基づいて、トランス駆動電流Itのピーク値に検出可能な変化が現われる値として、例えば設定周波数Fの最高値に対して数百分の1程度の値に設定されている。具体的には、設定周波数Fが10kHz〜30kHzの範囲であるときに、周波数差ΔFは、例えば0.1kHzに設定されている。
また、この周波数差ΔFは、塗装品質に影響を与えない周波数差である。より大きな周波数差とする場合、高電圧Vhを一定に保持する制御に影響を与える。具体的には、周波数差を大きくし過ぎると高電圧発生器3の出力に影響を与え、意図しない異常出力の発生や、出力変動により塗装品質に影響を与えることがある。これは、高電圧発生器3に使用される昇圧トランス4および多段倍電圧整流回路5の時定数が比較的大きく、また、負極性の高電圧Vhが一定となるように、信号制御装置15がフィードバック制御(検出信号Sit,Sv,Siに基づいて、トランス制御信号となる電圧指令信号Cvおよび周波数指令信号Cfの生成)を行っているためである。しかしながら、設定周波数Fを切り替えると(周波数差が大きい場合)、トランス供給電力が変わって、フィードバック制御用の信号(検出信号Sit,Sv,Si)が不連続入力となってしまう。この場合、駆動周波数変化により、単位時間あたりのエネルギ供給量が変わるため、切り替え時点で、負極性の高電圧Vhのオーバーシュート等の変動が発生する。使用する高電圧発生器3によって異なるが、高電圧Vhの変動量が±1kV以内となるように、一般に周波数差ΔFは0.1kHz程度の値を用いる。
そして、ピーク値Ip2を測定するときには、トランス駆動回路12は、現在の設定周波数Fを第2周波数F2に変更した状態で、低電圧電力を高電圧発生器3に供給する。電源電流検出回路13は、このときのトランス駆動電流Itのピーク値Ip2を測定し、ピーク値Ip2に応じた検出信号Sitを信号制御装置15に向けて出力する。ピーク値Ip2の測定が終了すると、ステップ6に移行する。
ステップ6では、現在の設定周波数Fよりも周波数が低い第3周波数F3でのトランス駆動電流のピーク値Ip3を測定する。このとき、第3周波数F3は、現在の設定周波数Fよりも予め決められた周波数差ΔFだけ低い周波数に設定されている(F2=F−ΔF)。なお、現在の設定周波数F(第1周波数F1)と第3周波数F3との間の周波数差ΔFは、現在の設定周波数Fと第2周波数F2との周波数差ΔFと同じ値に設定してもよく、異なる値に設定してもよい。
そして、ピーク値Ip3を測定するときには、トランス駆動回路12は、現在の設定周波数Fを第3周波数F3に変更した状態で、低電圧電力を高電圧発生器3に供給する。電源電流検出回路13は、このときのトランス駆動電流Itのピーク値Ip3を測定し、ピーク値Ip3に応じた検出信号Sitを信号制御装置15に向けて出力する。ピーク値Ip3の測定が終了すると、ステップ7に移行する。
ステップ7では、ピーク値Ip1,Ip2,Ip3を比較し、最も小さい値を判定する。ステップ7で、ピーク値Ip1が最小値と判定したときには、ステップ8に移行して、設定周波数Fを第1周波数F1に設定する。これにより、新たな設定周波数Fは、現在の設定周波数Fと同じ値に維持される。ステップ8の処理が終了すると、ステップ2以降を繰り返す。
ステップ4,5,6により、周波数F1,F2,F3を用いてピーク値Ip1,Ip2,Ip3の測定を行うことで、ステップ3における一定周期τに比較的長時間の値を用いても、誤判定せずに最小のピーク電流値に対応する設定周波数Fを求めることができる。一般的に知られる最急降下法では、観測量の減少が増加に反転した段階で、周波数の切り替え(例えば、周波数F1から始まり、一定期間に亘って周波数F2を使用し、このときの観測量により、周波数F3とするなど)を行う。一方、例えば高電圧発生器3の内部温度は周囲温度によっても影響を受けるため、必ずしも単調な増加ではない。これら従来方式を用いると、温度変化などの長時間の変動に対して誤判定となり、最小のピーク値を求めることができない。このため、最適な周波数から周波数差ΔFの数倍離れた駆動周波数となったり、周囲温度や負荷変動がある場合に、ピーク値の最小方向に向けて駆動周波数(設定周波数F)が移動しなかったり、といった結果となる。
ステップ7で、ピーク値Ip2が最小値と判定したときには、ステップ9に移行して、設定周波数Fを第2周波数F2に設定する。これにより、新たな設定周波数Fは、現在の設定周波数Fよりも高い第2周波数F2に変更される。ステップ9の処理が終了すると、ステップ2以降を繰り返す。
ステップ7で、ピーク値Ip3が最小値と判定したときには、ステップ10に移行して、設定周波数Fを第3周波数F3に設定する。これにより、新たな設定周波数Fは、現在の設定周波数Fよりも低い第3周波数F3に変更される。ステップ10の処理が終了すると、ステップ2以降を繰り返す。
本実施の形態による高電圧制御装置は、上述のような周波数制御処理に基づき作動するものである。
然るに、設定周波数Fに基づくパルス波状(矩形波状)の駆動電圧(トランス駆動電圧Vt)が高電圧発生器3に入力されると、トランス駆動電圧Vtに応じて略矩形波状のトランス駆動電流Itが流れる。ここで、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数に近い値に設定されたときには、トランス駆動電流Itは、立上り側および立下り側の2つのピークをもった波形となる(図3参照)。しかしながら、これら2つのピークは互いに近い値となり、トランス駆動電流Itが流れている間は、トランス駆動電流Itの大きさの変動は小さくなる。このため、トランス駆動電流Itの波形は、立上り側と立下り側との間でバランスが取れたもの(釣り合ったもの)となる。
しかしながら、昇圧トランス4の共振周波数は、塗装機1の種類、負荷条件、設置年数、連続出力時間等に応じて変化する。これに対し、設定周波数Fが固定値になっている場合には、各種の条件に応じて、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数からずれてしまう。
例えば、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数よりも低い値になったときには、トランス駆動電流Itは、図3に示す場合に比べて、全体的に増加する(図4参照)。これに加え、トランス駆動電流Itは、立上り側と立下り側との間で波形のバランスが崩れて、立下り側に偏った波形となる。このとき、トランス駆動電流Itは、立下り側に大きなピークをもった波形となる。
一方、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数よりも高い値になったときには、トランス駆動電流Itは、図3に示す場合に比べて、全体的に増加する(図5参照)。これに加え、トランス駆動電流Itは、立上り側と立下り側との間で波形のバランスが崩れて、立上り側に偏った波形となる。このとき、トランス駆動電流Itは、立上り側に大きなピークをもった波形となる。
このように、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数付近の値(最適値)からずれると、トランス駆動電流Itの大きさが全体的に増加するのに加え、波形も変化する。このとき、昇圧トランス4には例えば磁気飽和等が生じ、電力損失が増加するから、高電圧発生器3の自己発熱がさらに増加する。この結果、塗装機1の運転を継続するに従って、設定周波数Fが最適周波数から離れてしまうという問題がある。
これに対し、本実施の形態による高電圧制御装置11は、トランス駆動電流Itが最小となるように、トランス駆動回路12から供給する低電圧電力の設定周波数Fを制御する信号制御装置15とを備えている。このため、例えば高電圧発生器3の自己発熱や湿度変化、負荷変動等に伴って、電力損失が増加したときには、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itが最小となるように、設定周波数Fを上昇または低下させる。これにより、設定周波数Fが最適値に近付くように自動的に調整することができ、電力損失を低減することができる。
なお、高電圧発生器3によっては、負荷の変動や塗装状態によっても、最適な設定周波数Fが1〜5%程度変動する場合がある。負荷による設定周波数Fの最適値の変動に対応するためには、ステップ3での一定周期τに、0.5秒から3秒程度の時間を使用する。しかしながら、負荷の変動は被塗物の形状により異なり、凹凸のある被塗物では設定周波数Fの最適値の変化時間が短く、一定周期τでは最適値が追従できない場合もある。この場合は、負荷によって変化する設定周波数Fの最適値の中心値を用いる方が、塗装品質が良好である。このため、設定周波数Fの更新は、ステップ3での記載のように、負荷変動より十分大きい一定周期τで行うとよい。
また、この一定周期τは、高電圧Vhの設定電圧を切り替えるときに、制御の影響が少ない値としている。一般に、塗装は先端電圧が一定となった状態で行われる。高電圧発生開始時の昇圧時、あるいは、被塗物(塗装対象)に合わせて先端電圧値を例えば−90kVから−70kV等に切り替える場合は、通常2秒以下の遷移期間を設ける。この期間は、トランス駆動電流Itが変化するが、最適な設定周波数Fの計算には余分である。ステップ3で例示した一定周期τの値は、このような遷移期間より5〜10倍大きい値にすることで、高電圧値の切り替えの制御の影響を極めて少なくすることができる。
この効果を得るために、図6に示す変形例のように、次の簡単な処理を追加してもよい。具体的には、ステップ2とステップ3との間に、ステップ11,12の処理を追加する。このとき、高電圧Vhの設定電圧の変更は、信号制御装置15により行っている。このため、ステップ11で、高電圧Vhの設定電圧が変更されたか否かを判定する。ステップ11で「NO」と判定したときには、高電圧Vhの設定電圧は変更されていないから、ステップ3に移行する。一方、ステップ11で「YES」と判定したときには、高電圧Vhの設定電圧が変更されているから、ステップ12に移行する。ステップ12では、変更の開始からの所定期間として、高電圧Vhが変化する遷移期間は、タイマをリセットして、時間の計測状態(ステップ3の時間を計測)をキャンセルする。その後、ステップ3に移行する。従って、高電圧Vhが設定電圧に向けて変化している遷移期間は一定周期τの経過時間を計測せず、高電圧Vhが設定電圧付近で安定した後に一定周期τの経過時間を計測することができる。
ステップ1〜7の周波数制御処理は、高電圧発生器3の特性や運転方法を考慮して、より簡易な方法としてもよい。例えば温度の上昇により、最適な駆動周波数(設定周波数Fの最適値)が低くなる特性の高電圧発生器3であれば、塗装設備を終日稼働させるにあたり、緩やかな設定周波数Fの単調減少で近似しても十分な効果を得られるためである。この場合、周波数の比較は、現在の設定周波数Fの値(例えば初期値F0)に対して周波数差ΔFを減算した値と現在の設定周波数Fの値との比較のみとしてもよい。このように本発明は高電圧発生器3の周波数変化の時間的速度と、ステップ3での一定周期τを同程度とすることが効果的なためである。
次に、ステップ1〜7の周波数制御処理で得られた最適周波数の保持方法について説明する。高電圧発生器3の特性によるが、例えば経年変化による最適な設定周波数の変化が支配的な場合には、ステップ1〜7で得られた最適な設定周波数Fの値を定期的に不揮発メモリ16に保存する。そして、次回装置使用時には、不揮発メモリ16に保存した最適な設定周波数Fの値をステップ1の初期値F0としてもよい。
あるいは、温度変化による最適な設定周波数の変化が支配的な場合には、信号制御装置15に予め設定された初期値F0に戻すこととする。終日塗装を行うと、高電圧発生器3の温度が上昇している。しかしながら、一日の塗装工程が終わって、一定期間に亘って高電圧発生器3が停止すると、翌日の運転を行うときには、高電圧発生器3の温度が室温近くまで低下している。このため、前日得た最適の設定周波数Fの値を使用せず、信号制御装置15の電源再投入により、予め設定された初期値F0を、ステップ1で起動時の設定周波数Fに設定する。
次に、ステップ1〜7で更新される設定周波数Fを、操作者に表示する機能を説明する。高電圧制御装置11の操作・表示器17は、操作者により入力されるステップ1の初期値F0と、ステップ7で得られた現在の設定周波数F(設定周波数Fの更新値)を同時に表示する。また、操作・表示器17には、設定周波数Fを30秒〜2分などの短期間で調整するための調整開始ボタン17Aを設ける。
操作者は、1日の塗装作業の完了時にその時点の設定周波数Fを参照し、初期値F0との相違を確認することができる。高電圧発生器3の温度上昇による相違は、1日の塗装時間によるため、初期値F0との相違は、ほぼ同様の差、たとえば2kHzになる。また、経年変化により、例えば、1年後には、4kHzになっていたとすると、初期値F0を再調整することで、より損失の少ない運転が可能となり、高電圧発生器3の寿命を延ばすことができる。
操作者は、翌日の運転開始時に、調整開始ボタン17Aを押して、初期値F0を更新して、経年変化による周波数偏差を低減することができる。なお、この短期間での設定周波数Fの調整は、一時的にステップ3の一定周期τを、たとえば0.5秒〜1秒にすることで実現可能である。
さらに、初期値F0と、現在の設定周波数Fの値が大きく異なり、例えば、数日での差が5kHzになったとすると、高電圧発生器3や塗装システムに何らかの異常が発生した可能性があり、異常の発見に役立てることができる。
かくして、本実施の形態による高電圧制御装置11は、トランス駆動回路12、電源電流検出回路13および信号制御装置15を備え、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itが最小となるように、トランス駆動回路12から供給する低電圧電力の設定周波数Fを制御する。これにより、低電圧電力の設定周波数Fを最適値に調整することができるから、電力損失を低減することができ、電源出力の効率を高めることができる。この結果、塗装機1の負荷や高電圧発生器3の自己発熱を抑制することができるから、高電圧発生器3の耐久性を高めることができ、高電圧発生器3の長寿命化を図ることができる。
また、信号制御装置15は、昇圧トランス4の一次側コイルに流れる電流(トランス駆動電流It)の大きさと、二次側コイルに流れる電流の大きさとを比較している。そして、信号制御装置15は、一次側コイルに流れる電流が二次側コイルに流れる電流に比べて許容範囲以上に大きくなると、高電圧発生器3等に異常が発生したものとして、高電圧Vhの発生を停止することがある。このように塗装の途中で高電圧Vhの発生が停止すると、静電塗装を継続することができず、塗装品質の低下を招く可能性がある。
これに対し、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itが最小となるように、低電圧電力の設定周波数Fを制御する。このため、一次側コイルに流れる電流(トランス駆動電流It)は、できるだけ小さい値に保持することができるから、一次側コイルに流れる電流と二次側コイルに流れる電流との差を小さくすることができる。この結果、静電塗装を継続して実行することができ、塗装品質および塗装の生産性を高めることができる。
また、信号制御装置15は、現在の設定周波数Fと同じ第1周波数F1と、現在の設定周波数Fよりも高周波の第2周波数F2と、現在の設定周波数Fよりも低周波の第3周波数F3とのそれぞれについて、トランス駆動回路12によって低電圧電力を発生させてトランス駆動電流Itを検出する。その上で、信号制御装置15は、第1周波数F1、第2周波数F2、第3周波数F3のうちトランス駆動電流Itが最も小さいときの周波数を新たな設定周波数Fに設定する。これにより、トランス駆動電流Itが小さくなるように、現在の設定周波数Fを上昇または低下させることができる。
さらに、電源電流検出回路13は、トランス駆動電流Itのピーク値を検出する。このとき、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数からずれて、トランス駆動電流Itの波形が歪んだときには、トランス駆動電流Itのピーク値が増加する傾向がある。このため、トランス駆動電流Itのピーク値を検出することによって、設定周波数Fが昇圧トランス4の共振周波数からずれたことを把握することができる。従って、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itのピーク値が最小となるように設定周波数Fを制御することによって、設定周波数Fを昇圧トランス4の共振周波数に自動的に合わせることができる。
なお、前記実施の形態では、信号制御装置15は、設定周波数Fと同じ第1周波数F1と、設定周波数Fよりも高周波の第2周波数F2と、設定周波数Fよりも低周波の第3周波数F3とのそれぞれについて、トランス駆動電流Itを検出し、第1周波数F1、第2周波数F2、第3周波数F3のうちトランス駆動電流Itが最小となる周波数を新たな設定周波数Fに設定するものとした。本発明はこれに限らず、例えば最適な周波数が現在の設定周波数に対して低周波側にしか発生しないときには、設定周波数Fよりも高周波側でのトランス駆動電流Itの検出は省いてもよい。
また、前記実施の形態では、信号制御装置15は、予め決められた一定時間毎であって間欠的に設定周波数Fを調整するものとした。本発明はこれに限らず、信号制御装置15は、時間的に連続して設定周波数Fを調整してもよい。
また、前記実施の形態では、信号制御装置15は、電源電流検出回路13によって検出したトランス駆動電流Itに基づいて、設定周波数Fを制御するものとした。本発明はこれに限らず、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itに加えて、昇圧トランス4の二次側コイルの電流も考慮して、設定周波数Fを制御してもよい。具体的には、信号制御装置15は、昇圧トランス4の二次側コイルの電流を基準として、一次側コイルの電流(トランス駆動電流It)が最小となるように、設定周波数Fを制御してもよい。この場合、信号制御装置15は、昇圧トランス4の一次側コイルの電流(トランス駆動電流It)と二次側コイルの電流とを比較して、両者の差が小さくなるように、設定周波数Fを制御する。
また、前記実施の形態では、電源電流検出回路13は、トランス駆動電流Itのピーク値を検出するものとした。本発明はこれに限らず、電源電流検出回路13は、例えばトランス駆動電流Itの実効値や平均値を検出してもよい。この場合、信号制御装置15は、トランス駆動電流Itの実効値や平均値が最小となるように、設定周波数Fを制御してもよい。
また、前記実施の形態では、操作者が予め設定した初期値F0と、ステップ7により更新する現在の設定周波数Fを有し、高電圧制御装置11の電源再投入により、操作者が予め設定した初期値F0を、ステップ1で起動時の設定周波数Fに設定する。これにより、高電圧制御装置11の運転、停止状態による温度変化について、運転開始から短時間で最適な設定周波数Fに調整することができる。
また、前記実施の形態では、高電圧制御装置11の操作・表示器17に初期値F0と現在の設定周波数Fを表示することができる。初期値F0と現在の設定周波数Fがずれている場合は、操作者(ユーザ)はそれを見て、初期値F0の最適化を行うことができ、高電圧発生器11の経年変化によらず、随時高効率で運転を行うことができる。
さらに、通常の運転による差異よりも、大幅に現在の設定周波数Fが異なる場合は、高電圧制御装置11や高電圧発生器3の異常を検出することができ、速やかに異常品の交換を行って、塗装の品質を保持することができる。
前記実施の形態では、信号制御装置15は設定周波数Fを切り替え制御しつつ、高電圧Vhを一定とする制御を行う場合を例に説明しているが、高電圧発生器3の構造より、出力の高電圧Vhを観測できないものもある。この場合、一次電圧におよそ比例した高電圧を発生するが、負荷状態により出力高電圧が変動することがある。一方、本発明は、高電圧発生器3に共通する駆動電流を元に制御を行うものであり、高電圧発生器3の構造によらず、効率を高めることができる。
また、前記実施の形態では、高電圧制御装置11は、静電塗装に用いるものとした。本発明はこれに限らず、高電圧を発生させる各種の機器に使用することができる。
1 塗装機
3 高電圧発生器
4 昇圧トランス(トランス)
11 高電圧制御装置
12 トランス駆動回路(電力供給部)
13 電源電流検出回路(電流検出器)
14 先端電圧・電流検出回路
15 信号制御装置(周波数制御部)
16 不揮発メモリ(記憶部)
17 操作・表示器(表示器)

Claims (7)

  1. 高電圧発生器のトランスに設定周波数の低電圧電力を供給し、前記高電圧発生器によって発生する高電圧を制御する高電圧制御装置であって、
    前記設定周波数の低電圧電力を前記トランスの一次側に供給する電力供給部と、
    前記トランスの一次側に流れるトランス駆動電流を検出する電流検出器と、
    前記電流検出器によって検出したトランス駆動電流が最小となるように、前記電力供給部から供給する前記低電圧電力の前記設定周波数を制御する周波数制御部とを備えたことを特徴とする高電圧制御装置。
  2. 前記周波数制御部は、
    現在の前記設定周波数と同じ第1周波数と、現在の前記設定周波数よりも周波数が高い第2周波数と、現在の前記設定周波数よりも周波数が低い第3周波数とのそれぞれについて、前記電力供給部によって低電圧電力を発生させて前記電流検出器によって前記トランス駆動電流を検出し、
    前記第1周波数、前記第2周波数、前記第3周波数のうち前記トランス駆動電流が最も小さいときの周波数を新たな前記設定周波数に設定することを特徴とする請求項1に記載の高電圧制御装置。
  3. 前記電流検出器は、前記トランス駆動電流のピーク値を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の高電圧制御装置。
  4. 前記周波数制御部は一定周期毎に新たな前記設定周波数の設定を行い、
    前記設定周波数の初期値を記憶する記憶部と、
    前記一定周期毎に前記初期値および前記設定周波数を表示する表示器と、をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の高電圧制御装置。
  5. 前記一定周期は、10秒以上で5分以下の範囲内の値に設定されたことを特徴とする請求項4に記載の高電圧制御装置。
  6. 前記初期値は、前記高電圧発生器を停止するときの前記設定周波数の値に更新することを特徴とする請求項4に記載の高電圧制御装置。
  7. 前記周波数制御部は、前記高電圧発生器から出力される前記高電圧の値を変更するときに、変更の開始から所定期間は新たな前記設定周波数の設定を行わないことを特徴とする請求項2に記載の高電圧制御装置。
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