JP2018121285A - イヤホン - Google Patents
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Description
そのため、音筒部を含むハウジングの内部におけるスピーカユニットの放音面側の前方の空間を形成する前方気室が、音筒部先端の放音孔のみが開口し、他が密閉されるよう形成されている場合、イヤーピースを外耳道内に挿入すると、前方気室及び外耳道の内部空間が密閉状態となることから、内気が圧縮されて圧力が上昇する。
また、外耳道に挿入したイヤーピースを抜き取る時には、逆の作用により前方気室及び外耳道の内部空間の内気が密閉状態で膨張し圧力が降下する。
しかしながら、通気路を含めることで前方気室の形状はより複雑になり、ハウジングを、スピーカユニットの特性に合わせた良好な再生音響特性が得られる形状に設計することが難しくなる。
そのため、イヤーピースの外耳道に対する挿抜に伴う前方気室の圧力変動をなくすために従来の構造を採用すると、良好な再生音響特性が得られるイヤホンを得にくいという問題があった。
1) スピーカユニットと、
前記スピーカユニットを収容すると共に前記スピーカユニットからの音を先端から出力する音筒部を有するハウジングと、
前記ハウジングに、前記ハウジング内の前記スピーカユニットの前方空間と非連通に形成され、一端が前記音筒部の先端面に開口し他端が前記ハウジングにおける前記音筒部以外の外面から外部空間に連通可能とされた通気路と、
を備えたイヤホンである。
2) スピーカユニットと、
前記スピーカユニットを収容すると共に前記スピーカユニットからの音を先端から出力する貫通孔が形成された音筒部を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、一端側が前記音筒部の前記貫通孔内に配置されて前記音筒部の先端近傍位置で開口し、他端側が前記ハウジングの前記音筒部以外の外面から外部空間に連通可能な通気路を有する通気部材と、
を備えたイヤホンである。
(実施例1)
実施例1のイヤホン51を図1〜図3を参照して説明する。以下の説明において、前後方向を図1に矢印で示される方向に規定する。前方は、イヤホン51の使用状態における頭部側である。
ハウジング1は、スピーカユニットSPを支持するためのリブ2cを有する前ハウジング2と、前ハウジング2の後方側に組み付けられ、前ハウジング2と共にスピーカユニットSPの後方側にバックキャビティVbを形成する後ハウジング3と、スピーカユニットSPを支持するためのリブ5cを有し前ハウジング2の内面に取り付けられたサポータ5と、を含んで構成される。
前壁2aには、貫通孔2b1を有する筒状にて前方突出する音筒部2bが形成されている。
すなわち、ハウジング1は、イヤーピースが装着される音筒部2bを有する。
リブ2cは、所定の角度範囲を欠いた円弧状に形成されており、この欠落した部分を補完する円弧状のリブ5cを有するサポータ5が、前ハウジング2の内面に固定されている。
リブ2c及びリブ5cにより円形のリブRbが構成され、リブRbの先端部分には、スピーカユニットSPが接着等により実質的に密着状態で取り付けられている。
これにより、前ハウジング2の音筒部2bを除く部分におけるスピーカユニットSPの前方側の空間Vhfと音筒部2bの内部の空間Vtとが連通した前方空間Vfが形成されている。すなわち、イヤホン51は、前方空間Vfを形成する前方気室R1を備えている。
図1及び図2に示されるように、音筒部2bには、その先端面2b2に開口し、貫通孔2b1と平行に延びる孔として通気路6aが形成されている。通気路6aの内径φaは限定されるものではないが、貫通孔2b1の内径φbの半分よりも小さく設定される。例えば、φb/φa=5とし、φa=0.5mm、φb=2.5mmとする。図1〜図3には、φb/φaの値が5よりも小さい場合をイメージして示されている。
通気路6bの前端は、接続点Paにおいて、通気路6aの後端に接続している。通気路6bは通気路6aと同じ内径φaで形成されている。
通気路6bの後端側は、前ハウジング2の後端面2dに開口している。
後ハウジング3の開放された前端部と前ハウジング2の開放された後端部とが接着或いは容着などにより連結されて、ハウジング1が形成されている。
イヤホン51では、スピーカユニットSPの後面及び側面と、前ハウジング2の内面と、後ハウジングの内面と、により、後方気室R2が形成されている。後方気室R2の内部空間が既述のバックキャビティVbである。
通気路6cは、通気路6bと同じ内径φaで形成されている。
通気路6は、ハウジング1の内部空間である前方空間Vf及びバックキャビティVbに連通することなく独立に形成されている。
図1及び図3に示されるように、イヤホン51は、オーナメントプレート7を有する。
オーナメントプレート7は、後ハウジング3に形成された既述の支持環部3bにより、軸線CL3まわりに回動自在に支持されている。
支持環部3bは、オーナメントプレート7を指によって回動できるように支持している。
この例において、開放部7aは、外周縁から中心に向け切り込まれたU字切り欠きとされている。
また、オーナメントプレート7は、少なくとも一つの他の回動位置(以下、閉位置とも称する)(図3(b)参照)にしたときに、通気路6の開口部6c1を塞いで通気路6と外部空間Vgとを非連通にする。
オーナメントプレート7には、使用者が、指によってその回動をより容易に行えるようにするための後方に突出する指掛かり7bが形成されている。
支持環部3bは、オーナメントプレート7の回動における開位置及び閉位置で回動負荷が増し、自然状態におけるそれぞれの位置で、オーナメントプレート7を維持するように形成されているとよい。
コードの他端先端部はプラグ化処理され、音声再生装置に接続できるようになっている。
これにより、音声再生装置からの音声信号が、コードを介してスピーカユニットSPに入力された際に、スピーカユニットSPは放音面からイヤホン51の前方に向け音声を出力する。放音面から出力された音は、音筒部2bの貫通孔2b1を通り先端から外部空間に放出される。
従って、イヤーピース4の外耳道への挿入過程で、鼓膜及びスピーカユニットSPの振動板SPaが空気に押されることはない。そのため、使用者が違和感を覚えることはなくスピーカユニットSPの駆動系に不具合が生じることはない。
これにより、通気路6が閉じられるので、前方空間Vfは、外耳道の内壁と鼓膜とイヤホン51とで密閉状態になる。そのため、音漏れがなく良好な再生音響特性が得られる。
従って、イヤーピース4の外耳道からの抜去過程で、鼓膜及びスピーカユニットSPの振動板SPaが空気に引かれることはない。そのため、使用者が違和感を覚えることはなくスピーカユニットSPの駆動系に不具合が生じることはない。
そのため、イヤーピース4の外耳道に対する挿抜の際に、前方空間Vf及び外耳道内の空間の圧力変動をなくすことができ、使用者が鼓膜の違和感を覚えることはなく、スピーカユニットSPの駆動系に不具合を生じることはない。
また、通気路6が、前方空間Vfに対し独立して形成されているので、ハウジング1を、スピーカユニットSPの特性に合わせた良好な再生音響特性が得られる形状に設計することが容易となる。これにより、イヤホン51を良好な再生音響特性を有するものとして得られる。
(実施例2)
実施例1のイヤホン51は、通気路6をハウジング1に一体形成しているのに対し、実施例2のイヤホン52は、通気路6を、ハウジング1とは別の部材によりダクトとして備えたものである。以下、別の部材を通気部材と称する。
そこで、次に、通気部材の例としてパイプ28を用い、パイプ28における両端を繋ぐ孔を、ダクトである通気路6としたものを説明する。
以下、図4〜図6を参照し、イヤホン52についてイヤホン51と異なる構成を主に説明する。
前ハウジング22は、イヤホン51の前ハウジング2に対し、通気路6aが形成されていないものである。
後ハウジング23には、イヤホン51のサポータ5に対応する部材として、スピーカユニットSPをリブ22cと共に支持するリブ25cを有し、前方の空間VhfとバックキャビティVbとをリブ22cと共に非連通に分離する既述のサポータ25が取り付けられている。
通気路28aの内径は、例えば0.5mm程度とされる。
図4に示されるように、パイプ28は、音筒部22bの貫通孔22b1内から、前ハウジング22の内壁及び後ハウジング23の内壁に沿って後方に延び、後ハウジング23の後壁23aに至る前後に延びる姿勢で配置されている。
図5は、音筒部22bを前方から見た前面図である。
図5に示されるように、音筒部22bの貫通孔22b1内に、パイプ28が配置されている。径方向の配置位置は限定されない。この例では、貫通孔22b1の内壁に近い位置に配置されているが、例えば、貫通孔22b1の中心位置であってもよい。
パイプ28の後方端は、後面23a1と同じ前後方向位置にあり、通気路28aが後方に向け開口している。
従って、パイプ28の孔である通気路28aを介して、音筒部22bの前方の空間、すなわち、装着の際の外耳道の内部空間と、ハウジング21の外部空間Vgとが、連通可能となる。
イヤホン52は、パイプ28を備えることで、通気路28aが、前方空間Vf及びバックキャビティVbに連通することなく独立に形成されている。
オーナメントプレート27は、オーナメントプレート7においてU字状の切り欠きで形成されていた開放部7aの替わりに、パイプ28の通気路28aの後端部を開放する円形の開放部27aを有する。
また、オーナメントプレート27は、回動を指で容易に行えるようにするために、後方へ突出する指掛かり27bを有する。
そのため、イヤーピース4の外耳道に対する挿抜の際に、前方空間Vf及び外耳道内の空間の圧力変動をなくすことができ、使用者が鼓膜の違和感を覚えることはなく、スピーカユニットSPの駆動系に不具合を生じることはない。
また、通気路28aが、前方空間Vfに対し独立して形成されているので、ハウジング21を、スピーカユニットSPの特性に合わせた良好な再生音響特性が得られる形状に設計することが容易となり、イヤホン52を良好な再生音響特性を有するものとして得られる。
すなわち、パイプ28の前方端の前後方向位置は、先端面22b2の近傍位置であればよい。
近傍位置であって、後方にずれた位置とする場合は、再生音響特性への影響を無視できる程度に抑制して、通気路28aの空間を前方空間Vfに含める必要がないようにするために、ずれ量Laは、スピーカユニットSPの振動板SPaから先端面22b2迄の距離の20%以下とすることが望ましい。
例えば、直動によって通気路6,28aを開閉するものであってもよいが、移動のために指で付与された力によってハウジング1,21が前後動しにくいものが好ましい。
これは、ハウジング1,21が前後動するとイヤーピース4も前後動し、閉状態のまま外耳道内の空間容積を増減させる虞があることによる。
従って、直動の場合は、軸線CL3,CL23に直交する方向の移動で開閉するよう構成されていることが望ましい。
外部連通部位を音筒部2b,22bの外面に設定すると、イヤーピース4との係合構造と干渉し、開閉弁部Bを設けた場合に構造が複雑になるため、ハウジング1,21における音筒部2b,22b以外の外面で外部空間Vgと連通させることが望ましい。
上述のように、ハウジング1,21における音筒部2b,22bとは反対側の部位(後面3a1,23a1)に設けると、耳介から遠い位置となるため、耳介の影響を受けずに良好に通気でき、さらに開閉弁部Bを設けた場合に、指での開閉作業が容易になるので好ましい。
2,22 前ハウジング
2a 前壁
2b,22b 音筒部
2b1,22b1 貫通孔
2b2,22b2 先端面
2c,22c リブ
2d 後端面
3,23 後ハウジング
3a,23a 後壁
3a1,23a1 後面
3b 支持環部
4 イヤーピース
5,25 サポータ
5c,25c リブ
6,6a〜6c 通気路
6c1 開口部
7,27 オーナメントプレート
7a,27a 開放部
7b,27b 指掛かり
23a2 保持部
23a3 保持孔
28 パイプ(通気部材)
28a 通気路(孔)
51,52 イヤホン
B 開閉弁部
CL3,CL23 軸線
La ずれ量
Pa,Pb 接続点
Rb リブ
R1 前方気室
R2 後方気室
SP スピーカユニット
SPa 振動板
SPb 端子
Vb バックキャビティ
Vf 前方空間
Vhf,Vt 空間
φa,φb 内径
Claims (5)
- スピーカユニットと、
前記スピーカユニットを収容すると共に前記スピーカユニットからの音を先端から出力する音筒部を有するハウジングと、
前記ハウジングに、前記ハウジング内の前記スピーカユニットの前方空間と非連通に形成され、一端が前記音筒部の先端面に開口し他端が前記ハウジングにおける前記音筒部以外の外面から外部空間に連通可能とされた通気路と、
を備えたイヤホン。 - スピーカユニットと、
前記スピーカユニットを収容すると共に前記スピーカユニットからの音を先端から出力する貫通孔が形成された音筒部を有するハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、一端側が前記音筒部の前記貫通孔内に配置されて前記音筒部の先端近傍位置で開口し、他端側が前記ハウジングの前記音筒部以外の外面から外部空間に連通可能な通気路を有する通気部材と、
を備えたイヤホン。 - 前記通気路を開閉する弁部を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のイヤホン。
- 前記弁部は、回動により前記通気路を開閉することを特徴とする請求項3記載のイヤホン。
- 前記外面は、前記ハウジングにおける前記音筒部の反対側の外面であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のイヤホン。
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