JP2018119269A - 免震構造および免震構造の施工方法 - Google Patents

免震構造および免震構造の施工方法 Download PDF

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公直 北村
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Abstract

【課題】接合部における各部材の寸法を最小限に抑えることを可能とし、ひいては、簡易かつ安価に施工することを可能とした免震構造および免震構造の施工方法を提案する。【解決手段】免震装置2と下部基礎部材4とを接合する免震構造と免震構造の施工方法であって、免震装置2と下部基礎部材4との間に形成されたかさ上げ層5と、免震装置2と下部基礎部材4とを連結する複数のボルト24と、かさ上げ層5内に配置されてボルト24が挿通された調整部材6とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、免震構造および免震構造の施工方法に関する。
建築物の地震対策工として、上部躯体と下部躯体との間に免震装置を介設した免震構造を形成する場合がある。免震構造により免震化された免震建築物は、下部躯体から上部躯体に入力される地震時の水平力が低減されるとともに、上部躯体の固有周期が長周期化することで共振現象を回避することが可能となる。免震構造は、上部躯体の下面に形成された上部基礎部材と、下部躯体の上面に形成された下部基礎部材と、上部基礎部材および下部基礎部材の間に介設された免震装置とを備えているのが一般的である。免震装置には、例えば、アイソレータである積層ゴム支承やすべり支承が採用される。
免震装置の交換を容易にするために、免震装置の上面または下面にグラウト層を形成する場合がある。例えば、特許文献1には、上部躯体と下部躯体との間の積層ゴム支承を交換する際の隙間を確保することを目的として、積層ゴム支承の上フランジと上部躯体の下面との間にフラットジャッキを用いてグラウト層を形成する方法が開示されている。
特許第6022631号公報
しかし、特許文献1に示された、フラットジャッキをグラウト層に埋設させる方法では、交換後の免震装置に軸力を導入することができるメリットがある反面、工事費が高くなる。そのため、交換する免震装置の数が多い場合には、不経済になるおそれがあった。更に、特許文献1に示されたグラウト層は鉄筋等で補強されていないため、地震時に繰り返し作用する大きな力に抵抗する耐力を確保するために、上フランジと上部躯体とに跨って配設された連結ボルト(連結部材)等の強度を高める(サイズアップする)必要があった。
このような観点から、本発明は、フラットジャッキを用いずに、簡易かつ経済的で、精度の高い施工を可能とし、なおかつ、耐震性を高めた連結部材とかさ上げ層(グラウト層)を含む免震構造および免震構造の施工方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の免震構造は、上部躯体と下部躯体との間に形成された免震構造であって、免震装置と、前記免震装置の上面または下面に形成されたかさ上げ層と、前記免震装置を固定するための複数のボルトと、前記かさ上げ層内に配置されて前記ボルトが挿通された調整部材とを備えることを特徴としている。
かかる免震構造によれば、調整部材によりボルトの変形が抑制されているため、想定される地震時等の水平荷重に応じてボルトのサイズを大きくする必要がない。そのため、免震装置がボルト接合される上部材および下部材の各部材(ベースプレートやフランジ等)の形状寸法を大きくする必要もなく、経済的である。さらに、各部材の形状寸法を必要最小限に抑えるため、取扱いやすく、施工性に優れている。なお、前記調整部材として、外面に雄ネジ部が形成された筒状の第一部材と、前記雄ネジ部に螺合されたナット状の第二部材とを備えたものを使用すれば、第一部材に対して前記第二部材を回転させることで高さ調整が可能となる。そのため、免震装置が接合される上部材または下部材の接合面の平坦性が確保されていない場合であっても、調整部材によって吸収することができ、ひいては、簡易に高品質施工を行うことができる。
また、本発明の第一の免震構造の施工方法は、免震装置を下部材にボルト接合する接合工程と、前記免震装置と前記下部材との間に充填材を充填する充填工程とを備える免震構造の施工方法であって、前記接合工程では、前記免震装置と前記下部材との間に調整部材を介設するとともに、前記調整部材を貫通するボルトにより前記免震装置を前記下部材に接合し、かつ、前記調整部材により前記免震装置と前記下部材との隙間の大きさを調整することを特徴としている。
また、第二の免震構造の施工方法は、免震装置を上部材にボルト接合する接合工程と、前記免震装置と前記上部材との間に充填材を充填する充填工程とを備える免震構造の施工方法であって、前記接合工程では、前記免震装置と前記上部材との間に調整部材を介設するとともに、前記調整部材を貫通するボルトにより前記免震装置を前記上部材に接合し、かつ、前記調整部材により前記免震装置と前記上部材との隙間の大きさを調整することを特徴としている。
かかる免震構造の施工方法によれば、調整部材によりかさ上げ層の厚さを調整するため、上部材または下部材の接合面に生じた誤差を吸収することができる。そのため、施工時の手間を大幅に削減することができる。なお、前記調整部材が伸張可能なものであれば、より施工性の向上を図ることができる。
本発明の免震構造および免震構造の施工方法によれば、簡易かつ経済的で、精度の高い施工を可能とし、なおかつ、耐震性を高めることができる。
本実施形態の免震構造を示す正面図である。 (a)は図1のA−A矢視図、(b)は拘束金物を示す平面図である。 免震装置と下部基礎部材との接合部を示す拡大断面図である。 調整部材を示す図であって、(a)は立面図、(b)は分解斜視図である。 下部基礎部材の構築方法を示す正面図であって、(a)は配筋工程、(b)は打設工程である。 (a)および(b)は免震構造の施工方法の接合工程を示す正面図、(c)は同充填工程を示す正面図である。 上部基礎部材の構築方法を示す正面図であって、(a)および(b)は配筋工程、(c)は打設工程である。 (a)は第二の実施形態である免震装置の交換方法のジャッキアップ工程を示す断面図、(b)は同切断工程を示す断面図、(c)は(b)の同切断工程の平断面図である。 (a)および(b)は免震装置の交換方法の引き出し工程を示す断面図である。 (a)は免震装置の交換方法の挿入工程を示す断面図、(b)は同接合工程を示す断面図、(c)は同ジャッキダウン工程を示す断面図である。 第三の実施形態に係る免震構造を示す断面図である。 他の形態に係る調整部材を示す図であって、(a)は平面図、(b)は断面図、(c)はリングプレートの断面図、(d)は第二部材の側面図である。
<第一の実施形態>
第一の実施形態では、建物の免震化を目的として、建物に形成される免震構造1について説明する。
免震構造1は、図1に示すように、上部躯体(例えば、柱、梁等)B1と下部躯体(例えば基礎スラブ等)B2との間に形成される。本実施形態の免震構造1は、上部躯体B1の下面に固定された上部基礎部材3と、下部躯体B2の上面に形成された下部基礎部材(下部材)4と、上部基礎部材3と下部基礎部材4との間に介設された免震装置2と、免震装置2の下面に形成されたかさ上げ層5とを備えている。なお、免震構造1の設置個所は限定されるものではなく、例えば、上下に分割された柱同士の間に設置してもよい。なお、上部基礎部材3および下部基礎部材4は必要に応じて形成すればよく、上部基礎部材3および下部基礎部材4は省略してもよい。
本実施形態の免震装置2は、いわゆる積層ゴム支承である。なお、免震装置2の構成は限定されるものではなく、例えば、オイルダンパーやすべり支承であってもよい。免震装置2は、積層ゴム21、上フランジプレート22および下フランジプレート23を備えている。本実施形態の上フランジプレート22および下フランジプレート23は、平面視円形である。なお、上フランジプレート22および下フランジプレート23の形状は限定されるものではなく、例えば、矩形であってもよい。上フランジプレート22および下フランジプレート23には、ボルト24を挿通するための複数の貫通孔25が形成されている。免震装置2は、上フランジプレート22および下フランジプレート23の貫通孔25を挿通したボルト24を介して躯体(上部躯体B1および下部躯体B2)に固定されている。なお、貫通孔25の数および配置は限定されるものではなく、適宜決定する。また、免震装置2を固定するための取付部材はボルト24に限定されるものではなく、例えば、上部基礎部材3または下部基礎部材4に植設されたアンカーであってもよい。
上部基礎部材3は、免震装置2の支持部材であって、上部躯体B1の下面に固定されている。本実施形態の上部基礎部材3は、鉄筋コンクリート部材であって、アンカー(図示せず)を介して上部躯体B1に接合されている。上部基礎部材3には、免震装置2の取付部材として、免震装置2の上フランジプレート22と当接する上部ベースプレート31が配設されている。上部ベースプレート31には、上フランジプレート22の貫通孔25の位置に対応して、貫通孔32が形成されている。さらに、上部ベースプレート31の上面には、貫通孔32の位置に対応して袋ナット33が配設されている。袋ナット33は、ボルト24の螺合が可能であり、上部基礎部材3に埋め込まれている。なお、免震装置2の取付部材は袋ナット33に限定されるものではなく、例えば、上フランジプレート22の貫通孔25に対応する位置に植設されたアンカーであってもよい。
下部基礎部材4は、免震装置2の支持部材であって、下部躯体B2の上面に固定されている。本実施形態の下部基礎部材4は、基礎本体41と、基礎本体41の上面に配設されたリングプレート42とを備えている。
基礎本体41は、現場打ちコンクリートにより形成されている。基礎本体41は、平面視矩形状に形成されている。基礎本体41の上部は、図1および図2(a)に示すように、リングプレート42を巻き込んだ状態で形成されている。基礎本体41の上面にはリングプレート42と同形状の凹部が形成されている。本実施形態では、リングプレート42の上面と、基礎本体41の上面とが面一になっている。
リングプレート42は、図2(a)に示すように、環状の鋼板であって、基礎本体41の上面に形成された凹部に配設されている。すなわち、リングプレート42は、上面が露出した状態で、基礎本体41に埋め込まれている。なお、リングプレート42は、基礎本体41の上面に載置されていてもよい。リングプレート42の外径は、免震装置2の下フランジプレート23の外径と同等である。なお、リングプレート42は、必ずしも環状である必要はなく、例えば、円形や矩形状等の平板であってもよい。また、リングプレート42は必ずしも鋼板である必要もなく、例えば、プレキャストコンクリート板であってもよい。リングプレート42の板厚は、免震装置2の支持部材としての耐力を有していれば、限定されるものではない。図3に示すように、リングプレート42には、免震装置2を固定するためのボルト24を挿通可能な複数の貫通孔43が形成されている。また、リングプレート42の下面には、複数の袋ナット44が固定されている。袋ナット44は、貫通孔43の位置に配設されている。袋ナット44の端面は、リングプレート42の下面に当接した状態でリングプレート42に溶接されている。なお、袋ナット44は、必ずしもリングプレート42に固定する必要はない。本実施形態の袋ナット44の下端(リングプレート42と反対側の端部)には、アンカー45が固定されている。なお、アンカー45は、必要に応じて設ければよい。
かさ上げ層5は、免震装置2の下フランジプレート23と、下部基礎部材(下部材)4との間に形成されている。かさ上げ層5には、調整部材6が配設されている。調整部材6には、免震装置2と下部基礎部材4を接合するボルト24が挿通されている。また、かさ上げ層5の外周囲は、拘束金物7により拘束されている。
調整部材6は、ボルト24を挿通可能な金属製の筒状部材である。下フランジプレート23とリングプレート42との間に調整部材6を介設することにより、かさ上げ層5のための隙間が形成される。すなわち、調整部材6は、かさ上げ層5の厚さに応じた高さを有している。
本実施形態では、調整部材6として、図4(a)に示すように、第一部材61と第二部材62とを有するものを使用する。第一部材61は、図4(b)に示すように、平面視六角形状の本体部63と、本体部の上面に形成された雄ネジ部64とを備えている。第一部材61の中央には、中心軸に沿って貫通孔65が形成されている。本実施形態の本体部63は、外見がナット状を呈しているが、中央の貫通孔65の孔壁は、ネジ加工が施されておらず、平坦である。なお、本体部63の形状は限定されるものではなく、例えば、平面視矩形状であってもよい。雄ネジ部64は、外面にネジ加工が施された筒状部分である。貫通孔65の雄ネジ部64に対応する部分も孔壁が平坦である。なお、第一部材61は、雄ネジ部64を有していれば、その形状は限定されるものではない。
第二部材62は、図4(a)に示すように、第一部材61の雄ネジ部64に螺合されたナット状部材である。すなわち、調整部材6は、第二部材62を第一部材61に対して回転させることで伸縮可能である。各調整部材6の高さを調整することで、免震装置2と下部基礎部材4との隙間の大きさを調整し、ひいては、下部基礎部材4の上面の不陸を吸収することが可能である。
なお、調整部材6は、必ずしも第一部材61と第二部材62とを組み合わせることにより構成されている必要はなく、単一の筒状部材により構成されていてもよい。このとき、下部基礎部材4の上面に不陸が確認された場合には、高さの異なる調整部材6を適正に配設することにより免震装置2の水平性を確保してもよい。
拘束金物7は、かさ上げ層5の厚さよりも大きな高さ(長さ)を有し、かつ、下フランジプレート23の外径と同じ大きさの内径を有するリング状部材である。本実施形態の拘束金物7は、図3に示すように、かさ上げ層5の高さと下フランジプレート23の厚さとを足し合わせた高さを有している。図2(b)に示すように、本実施形態の拘束金物7は、一対の半円状部材71を組み合わせることにより環状に形成されている。拘束金物7には、複数の注入孔72が形成されている。
次に、免震構造1の施工方法について説明する。本実施形態の施工方法では、まず、下部基礎部材4を構築し、次に免震装置2を下部基礎部材(下部材)4に接合した後、上部基礎部材3を構築する。なお、免震構造1の施工手順は限定されるものではない。例えば、下部基礎部材4と上部基礎部材3を構築してから、両基礎部材3,4の間に免震装置2を配置してもよい。
下部基礎部材4の構築方法は、配筋工程と型枠組立工程と打設工程とを備えている。
配筋工程では、図5(a)に示すように、下部躯体B2上に基礎本体41の鉄筋46を配筋するとともに、リングプレート42を配設する。リングプレート42は、基礎本体41の上面に面するように配設する。なお、リングプレート42は、必要に応じて仮設架台(図示せず)により支持する。
型枠組立工程では、図5(b)に示すように、リングプレート42および鉄筋46の周囲を囲う型枠47を組み立てる。
打設工程では、型枠47内にコンクリートCを打設する。本実施形態では、リングプレート42の内側部分において、基礎本体41(コンクリートC)の上面に対して目荒らしを行う。なお、目荒らしは、必要に応じて行えばよい。コンクリートCに所定の強度が発現したら、型枠47を撤去する(図6(a)参照)。
免震装置2の下部基礎部材4への接合方法は、接合工程と、充填工程とを備えている。
接合工程は、免震装置2を下部基礎部材(下部材)4へボルト接合する工程である。接合工程では、まず、図6(a)に示すように、リングプレート42の上面に調整部材6を配設する。調整部材6は、リングプレート42の貫通孔の中心と、調整部材6の軸心とが一致するように配置する。このとき、調整部材6は、必要に応じて棒状部材を挿通させるなどして、袋ナット44に仮止めしてもよい。次に、図6(b)に示すように、調整部材6の上面に免震装置2を載置するとともに、免震装置2を下部基礎部材4にボルト接合する。免震装置2は、図3に示すように、下フランジプレート23の貫通孔25を挿通させたボルト24を調整部材6に挿通させるとともに袋ナット44に螺合することにより下部基礎部材4に接合する。免震装置2と下部基礎部材4との間には、調整部材6が介設されていることにより、所定の高さの隙間が形成されている。
充填工程は、免震装置2と下部基礎部材4との間に形成された隙間にグラウト(充填材)51を充填する工程である。なお、隙間に充填する充填材は、モルタル等でもよく、グラウトに限定されるものではない。まず、図6(c)に示すように、隙間の周囲を囲う拘束金物7を配設する。拘束金物7は、一対の半円状部材71により隙間を囲うことにより配設する。拘束金物7を配設したら、拘束金物7の内側空間(免震装置2と下部基礎部材4との隙間)にグラウト51を充填する。グラウト51は、拘束金物7に形成された複数の注入孔72のうちの1つの注入孔72から注入する。このとき、他の注入孔72は、空気抜き孔として機能する。グラウト51の注入は、全ての空気抜き孔からグラウトの排出が確認されるまで行う。
上部基礎部材3の構築方法は、配筋工程と型枠組立工程と打設工程とを備えている。
配筋工程では、まず、図7(a)に示すように、免震装置2の上フランジプレート22の上面に上部ベースプレート31を設置する。上部ベースプレート31には、予め袋ナット33が設けられている。袋ナット33は、上フランジプレート31を貫通するボルト24と螺合することにより、上部ベースプレート31に固定する。次に、図7(b)に示すように、上部基礎部材3の鉄筋34を配筋する。
型枠組立工程は、上部ベースプレート31および鉄筋34の周囲を囲う型枠(図示せず)を組み立てる。
打設工程では、型枠内にコンクリートCを打設する。コンクリートCに所定の強度が発現したら、型枠を撤去する(図7(c)参照)。
本実施形態の免震構造(接合構造)1によれば、かさ上げ層5において、ボルト24に調整部材6が周設されているため、ボルトの変形が抑制されている。すなわち、地震時等の水平力が作用することでかさ上げ層5が破損した場合であっても、水平力がボルト24に集中し難く、したがって、ボルト24が変形することが抑制されている。したがって、想定される水平荷重に応じてボルトのサイズを大きくする必要がなく、ひいては、ボルト24が接合される下フランジプレート23の形状寸法を大きくする必要もなく、経済的である。さらに、各部材の形状寸法を必要最小限に抑えるため、取扱いやすく、施工性に優れている。
また、調整部材6によりかさ上げ層5の厚さを調整することで、免震装置2と下部基礎部材4との接合面に生じた誤差を吸収することができる。そのため、施工時の手間を大幅に削減することができる。さらに、免震装置2と下部基礎部材4との間にかさ上げ層5が形成されているため、かさ上げ層5において免震装置2と下部基礎部材4との間を切断することで、免震装置2の交換作業を容易に行うことができる。
加えて、下部基礎部材4の上面に目荒らしをしているので、下部基礎部材4とかさ上げ層5との付着性が高められている。
また、グラウト拘束部材7によりグラウト51の流出が防止されているため、免震装置2と下部基礎部材4との隙間にグラウト51を密実に充填することができる。
<第二の実施形態>
第二の実施形態では、既設免震装置20を撤去して、新設免震装置2を設置する免震装置の交換方法について説明する。免震装置の交換方法は、ジャッキアップ工程と、切断工程と、引出工程と、挿入工程と、接合工程と、ジャッキダウン工程とを備えている。
ジャッキアップ工程では、まず、図8(a)に示すように、上部躯体(例えば梁)B1と下部躯体(例えば基礎スラブ)B2との間にジャッキJを介設する。ジャッキJは、交換する既設免震装置20の周囲の所定の位置に設ければよく、建物全体に配設する必要はない。このとき、ボルト24を撤去する。また、拘束金物7(図1参照)が設けられている場合には、拘束金物7も撤去する。次に、ジャッキJを伸張させて、ジャッキアップを行う。本実施形態では、既設免震装置20の直上において、上部躯体B1が2mm程度上昇するようにジャッキアップする。
切断工程では、図8(b)および(c)に示すように、ワイヤーソーWSを利用してかさ上げ層5を水平方向に切断する。本実施形態では、グラウト51および調整部材6(ボルト24)をワイヤーソーWSにより切断する。なお、かさ上げ層5の切断方法はワイヤーソーを利用する場合に限定されるものではない。
引出工程では、図9(a)に示すように、既設免震装置20を上部基礎部材3と下部基礎部材4との間から引き出す。このとき、下部基礎部材4の上面に摩擦低減材(図示せず)を設けておくのが望ましい。摩擦低減材は限定されるものではないが、例えば、フッ素加工が施された薄板を敷設すればよい。既設免震装置20を撤去したら、図9(b)に示すように、下部基礎部材4の上面に残存するグラウト51を撤去するとともに、リングプレート42の内側部分において下部基礎部材4の上面に対して目荒らしを行う。
挿入工程では、図10(a)に示すように、上部基礎部材3と下部基礎部材4との間に新設免震装置2を挿入する(滑り込ませる)。
接合工程では、図10(b)に示すように、新設免震装置2を、上部基礎部材3および下部基礎部材(下部材)4に接合する。本実施形態では、新設免震装置2を、下部基礎部材4にボルト接合してから上部基礎部材3にボルト接合する。なお、新設免震装置2は、上部基礎部材3にボルト接合してから、下部基礎部材4にボルト接合してもよい。
新設免震装置2の下部基礎部材4へボルト接合する際(免震構造の施工方法)は、まず、新設免震装置2の下フランジプレート23と下部基礎部材4のリングプレート42との間に調整部材6を介設する。調整部材6は、リングプレート42の貫通孔の中心と、調整部材6の軸心とが一致するように配置する。このとき、下部基礎部材4の上面に不陸を有している場合には、調整部材6を利用して、新設免震装置2と下部基礎部材4との隙間により不陸を吸収する。すなわち、調整部材6の高さを調整することで、下フランジプレート23が水平になるようにする。次に、図10(b)に示すように、新設免震装置2を上部基礎部材3および下部基礎部材4にボルト接合する。新設免震装置2は、上フランジプレート22または下フランジプレート23の貫通孔を挿通させたボルト24を袋ナットに螺合することにより上部基礎部材3および下部基礎部材4に接合する。続いて、新設免震装置2と下部基礎部材4との間に形成された隙間にグラウト51を充填する。グラウト51の充填方法は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
ジャッキダウン工程では、図10(c)に示すように、グラウト51に所定の強度が発現した後、ジャッキを下降させる。ジャッキダウンにより、上部躯体B1が2mm程度下降するが、免震装置2により吸収される。ジャッキダウン後、ジャッキJは撤去する。
以上、免震装置の交換方法によれば、下部基礎部材(下部材)4と免震装置2との接合面の平坦性が確保されていない場合であっても、調整部材6によって吸収することができる。そのため、簡易に高品質施工を行うことができる。
かさ上げ層5が形成されているため、免震装置2の交換を簡易に行うことができる。すなわち、かさ上げ層5により免震装置2と下部基礎部材4との間に隙間が形成されているため、免震装置2を交換する際に、既設免震装置2を引き出しやすく、また、新設免震装置を挿入しやすい。
予めかさ上げ層5が形成されているため、免震装置2を交換する際のジャッキアップは、交換する免震装置2の周囲のみでよい。そのため、建物全体をジャッキアップする従来の施工方法に比べ、作業の手間および費用を大幅に削減し、かつ、早期に改修工事を終了させることができる。
この他の本実施形態による作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
<第三の実施形態>
第三の実施形態では、建物の免震化を目的として、建物に形成される免震構造1について説明する。
免震構造1は、図11に示すように、上部躯体(例えば、柱)B1と下部躯体(例えば基礎スラブ)B2との間に形成される。本実施形態の免震構造1は、上部躯体(上部材)B1の下面と、下部躯体B2の上面との間に免震装置2が介設されている。
本実施形態の上部躯体B1は、コンクリート充填鋼管柱により構成されている。なお、上部躯体B1の構成は限定されるものではなく、例えば、鉄骨柱であってもよい。
本実施形態の免震装置2は、いわゆるすべり支承である。なお、免震装置2の構成は限定されるものではなく、例えば、オイルダンパーやゴム支承であってもよい。本実施形態の免震装置2は、積層ゴム21、上フランジプレート22、下フランジプレート23およびすべり材26を備えている。本実施形態の上フランジプレート22および下フランジプレート23は、平面視円形である。なお、上フランジプレート22および下フランジプレート23の形状は限定されるものではなく、例えば、矩形であってもよい。上フランジプレート22および下フランジプレート23には、ボルト24を挿通するための複数の貫通孔が形成されている。免震装置2は、上フランジプレート22および下フランジプレート23の貫通孔を挿通させたボルト24を介して躯体(上部躯体B1および下部躯体B2)に固定されている。なお、貫通孔の数および配置は限定されるものではなく、適宜決定する。本実施形態では、上部躯体(上部材)B1のベースプレートBと、免震装置2の上フランジプレート22との間(免震装置2の上面)にかさ上げ層5が形成されている。かさ上げ層5には、調整部材6が配設されている。調整部材6には、免震装置2とベースプレートBを接合するボルト24が挿通されている。
調整部材6は、ボルト24を挿通可能な金属製の筒状部材である。上フランジプレート22とベースプレートBとの間に調整部材6を介設することにより、かさ上げ層5のための隙間が形成される。すなわち、調整部材6は、かさ上げ層5の厚さに応じた高さを有している。本実施形態の調整部材6は、第一部材61と第二部材62とを備えている。第一部材61は、図4(b)に示すように、平面視六角形状の本体部63と、本体部の上面に形成された雄ネジ部64とを備えている。本実施形態の本体部63は、外見がナット状を呈しているが、中央の孔の孔壁は、ネジ加工が施されておらず平坦である。なお、本体部63の形状は限定されるものではなく、例えば、平面視矩形状であってもよい。雄ネジ部64は、外面にネジ加工が施された筒状部分である。雄ネジ部64の孔も本体部63と同様に、孔壁が平坦である。なお、第一部材61は、雄ネジ部64を有していれば、その形状は限定されるものではない。
第二部材62は、図4(a)および(b)に示すように、第一部材61の雄ネジ部64に螺合されたナット状部材である。すなわち、調整部材6は、第二部材62を第一部材61に対して回転させることで、伸縮可能に構成されている。
本実施形態では、調整部材6の高さを調整することで、免震装置2の上面の不陸を吸収し、上部躯体B1の垂直性を確保する。
本実施形態の免震構造の施工方法は、接合工程と、充填工程とを備えている。
接合工程は、上部躯体B1(上部材)を免震装置2にボルト接合する工程である。接合工程では、まず、上フランジプレート22の上面に調整部材6を配設する。調整部材6は、上フランジプレート22の貫通孔の中心と、調整部材6の軸心とが一致するように配置する。このとき、調整部材6は、必要に応じて袋ナット44に仮止めしてもよい。なお、施工誤差等により上フランジプレート22の上面の水平性が確保されていない場合には、調整部材6を伸縮させることにより、誤差を吸収する。次に、調整部材6の上面に上部躯体B1を立設するとともに、上部躯体B1を免震装置2にボルト接合する。上部躯体B1は、ベースプレートBの貫通孔、調整部材6および上フランジプレート22の貫通孔に挿通させたボルト24にナットを螺合することにより免震装置2に接合する。上部躯体B1と免震装置2との間には、調整部材6が介設されていることにより、所定の高さの隙間が形成されている。
充填工程は、上部躯体B1と免震装置2との間に形成された隙間にグラウト51を充填する工程である。グラウト51の注入方法は、第一の実施形態で示した方法と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本実施形態の免震構造の施工方法によれば、免震装置2と上部材との接合面の平坦性が確保されていない場合であっても、調整部材6によって吸収することができる。そのため、上部材の高品質施工を簡易に行うことができる。
また、免震装置2の上面(上部躯体B1と免震装置2との間)にかさ上げ層5が形成されているため、免震装置2の交換を簡易に行うことができる。
この他の本実施形態による作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、調整部材6をリングプレート42上に設置する場合について説明したが、調整部材6は、図12(a)〜(d)に示すように、リングプレート(ベースプレート等)に一体に形成されていてもよい。例えば、図12(c)に示すように、リングプレート42に一体に形成された雄ネジ部64にナット状の第二部材62を螺合させたものであってもよい。
1 免震構造
2 免震装置
24 ボルト
3 上部基礎部材
4 下部基礎部材
41 基礎本体
42 リングプレート
5 かさ上げ層
51 グラウト(充填材)
6 調整部材
61 第一部材
62 第二部材
63 本体部
64 雄ネジ部
C コンクリート

Claims (5)

  1. 上部躯体と下部躯体との間に形成された免震構造であって、
    免震装置と、
    前記免震装置の上面または下面に形成されたかさ上げ層と、
    前記免震装置を固定するための複数のボルトと、
    前記かさ上げ層内に配置されて前記ボルトが挿通された調整部材と、を備えることを特徴とする免震構造。
  2. 前記調整部材は、外面に雄ネジ部が形成された筒状の第一部材と、
    前記雄ネジ部に螺合されたナット状の第二部材と、を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の免震構造。
  3. 免震装置を下部材にボルト接合する接合工程と、
    前記免震装置と前記下部材との間に充填材を充填する充填工程と、を備える免震構造の施工方法であって、
    前記接合工程では、前記免震装置と前記下部材との間に調整部材を介設するとともに、前記調整部材を貫通するボルトにより前記免震装置を前記下部材に接合し、かつ、前記調整部材により前記免震装置と前記下部材との隙間の大きさを調整することを特徴とする、免震構造の施工方法。
  4. 免震装置を上部材にボルト接合する接合工程と、
    前記免震装置と前記上部材との間に充填材を充填する充填工程と、を備える免震構造の施工方法であって、
    前記接合工程では、前記免震装置と前記上部材との間に調整部材を介設するとともに、前記調整部材を貫通するボルトにより前記免震装置を前記上部材に接合し、かつ、前記調整部材により前記免震装置と前記上部材との隙間の大きさを調整することを特徴とする、免震構造の施工方法。
  5. 前記調整部材が、伸張可能であることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の免震構造の施工方法。
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