JP2018118386A - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドにおいて、封止材の収縮による応力の影響を抑制できるとともに、インク等の液体が記録素子基板の長辺側の側壁と支持部材の内壁との間の溝部に侵入しないようにすることを可能とする。【解決手段】吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、吐出するための液体を前記吐出口に連通する流路に供給するための供給口であって、一方向に延在する開口を有した供給口と、が設けられ、供給口の延在方向に沿った長辺と長辺に交差する短辺とを有した基板と、基板を支持する凹部が形成された支持部材と、基板の短辺に沿って設けられた電気接続部と、電気接続部を被覆する封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、基板の長辺側の、支持部材の凹部における、電気接続部より基板の中央側に対応する位置に壁部材が配置されており、支持部材の凹部における、基板の長辺側部および短辺側部に封止材が配されている。【選択図】図3

Description

本発明は、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関し、詳しくは、液体吐出ヘッドにおける電気接続部を保護するために用いられる封止材の適用範囲に関するものである。
インクなどの液体を吐出するための液体吐出ヘッドの構成例として、吐出口と、吐出口に連通する圧力室に配置された電気熱変換素子などのエネルギー発生素子を、基板上に設けて形成される素子基板を備えるものが知られている。この種の液体吐出ヘッドでは、支持部材は、その凹部に素子基板を配置して支持する。また、液体吐出ヘッドには、電気熱変換素子の駆動に用いられる電気信号や電力を液体吐出装置の本体から受け取るためのコンタクトが設けられている。このコンタクト部と記録素子基板との電気接続は、電気配線部材から露出したインナーリードを、記録素子基板に設けられた接続端子に接続することによって可能となる。
封止材は、インナーリードと接続端子との電気接続部を覆い、電気接続部をインクなどから保護する。この封止材の適用範囲に関して、特許文献1には、封止材が、支持基板の凹部を形成する側壁と、記録素子基板の接続端子が設けられていない長辺側の側部と、の間の溝部に流れこまないように、壁部材を形成することが記載されている。これにより、記録素子基板が、封止材を高温でキュア硬化し常温に戻す工程や、環境温度が変化する際に、生じ得る封止材の収縮による応力の影響を受けることを抑制することができる。
特開2012−143896号公報
しかしながら、特許文献1のように、封止材が素子基板の長辺側の側壁と支持部材の内壁との間の溝部に適用されない場合、この溝部にインクが侵入し、素子基板がインクに晒されることがある。そして、インクによる素子基板の溶解が発生し、素子基板の寿命に影響を与える。また、封止材が配置されない素子基板長辺側の溝部はインク溜りとなる可能性もあり、その場合には、インク等の液体によって装置や記録する画像が汚されるという問題も生じ得る。
本発明は、封止材の収縮による応力の影響を抑制できるとともに、インク等の液体が記録素子基板の長辺側の側壁と支持部材の内壁との間の溝部に侵入しない、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、吐出するための液体を前記吐出口に連通する流路に供給するための供給口であって、一方向に延在する開口を有した供給口と、が設けられ、前記供給口の延在方向に沿った長辺と前記長辺に交差する短辺とを有した基板と、前記基板を支持する凹部が形成された支持部材と、前記基板の前記短辺に沿って設けられた電気接続部と、前記電気接続部を被覆する封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、前記基板の長辺側の、前記支持部材の前記凹部における、前記電気接続部より前記基板の中央側に対応する位置に壁部材が配置されており、前記支持部材の凹部における、前記基板の前記長辺側部および前記短辺側部に前記封止材が配されていることを特徴とする。
以上の構成によれば、液体吐出ヘッドにおいて、封止材の収縮による応力の影響を抑制できるとともに、インク等の液体が記録素子基板の長辺側の側壁と支持部材の内壁との間の溝部に侵入しないようにすることが可能となる。
(a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドを示す図である。 (a)および(b)は、液体吐出ヘッドを構成する素子基板のそれぞれ吐出口が配設された面側およびその裏面側を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの素子基板の構成を示す図である。 第1実施形態に係る壁部材の位置基準を説明する図である。 第1実施形態に係る、壁部材の位置と封止材の収縮によって供給口の端に作用する最大の主応力との関係を示す図である。 第1実施形態に係る、壁部材の幅と供給口の端に作用する最大主応力との関係を示す図である。 第1実施形態に係る、壁部材と基板の間隔Gと供給口の端に作用する最大主応力との関係を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドの素子基板の構成を示す図である。 第2実施形態に係る、壁部材の位置と封止材の収縮によって供給口の端に作用する最大の主応力との関係を示す図である。 第2実施形態の壁部材の効果を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッド100を示す図である。図1(a)は、液体吐出ヘッド100を吐出口面側から見た斜視図であり、図1(b)は、液体吐出ヘッド100の分解斜視図である。図2(a)および(b)は、液体吐出ヘッド100を構成する素子基板101のそれぞれ吐出口が配設された面側およびその裏面側を示す図である。
液体吐出ヘッド100は、インク収容部103を構成するケース部材に、記録素子基板(単に、素子基板ともいう)を取り付けることによって形成される。そして、電気配線部材102と素子基板101は、電気配線部材102のインナーリード109と素子基板101の接続端子107が接続されことによって電気的に接続される。また、電気配線部材102のコンタクト部108は、装置本体のキャリッジにおけるコネクタピンと接続する。これにより、液体吐出ヘッド100と装置本体との間の電気信号の授受や電力の供給が可能となる。
インク収容部103の内部には、液体としてのインクが保持されている。そして、インク収容部103と連通したインク供給流路106を介して素子基板101にインクが導かれ、素子基板101に設けられた吐出口104からインクが吐出される。なお、本実施形態は、液体吐出ヘッド100とインク収容部103とが一体型の形態に関するものであるが、液体吐出ヘッド100に対してインク収容部103が着脱可能な方式であってもよい。
電気配線部材102は可撓性を有した配線部材であり、コンタクト部108、樹脂のフィルムに挟まれた電気配線(不図示)、樹脂フィルムの端面から露出するリード配線であるインナーリード109が形成されている。このような可撓性を有する電気配線部材102の一例として、TAB(Tape Automated Bonding)方式のテープを挙げることができる。コンタクト部108は、複数のコンタクトパッドで構成されており、液体吐出ヘッド100が記録装置本体のキャリッジ(不図示)に装着される際に、記録装置本体側のコネクタピン(不図示)と接触して電気的接続がなされる。
素子基板101は、基板117と、吐出口104が形成されたノズルプレート116によって形成されている。このうち基板117に、インクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子として、電気熱変換素子(不図示)が設けられている。さらに、基板117には、電気熱変換素子に接続する配線と、その配線と電気配線部材102を接続する接続端子107が複数配置されている。電気配線部材102のインナーリード109が接続端子107とボンディングにより接続されることで、電気配線部材102から素子基板101へ電気信号及び電力の供給が可能となる。インナーリード109が接続端子107にボンディングされた領域を電極部とする。この電極部は、基板117の短辺側の端部に配置される。この基板117の端部には、封止材110が塗布され、これにより、インク等の液体からこれらの接続端子部分を被覆し、保護することができる。
素子基板101の基板117には、長溝状の貫通口からなるインク供給口105が形成されている。このインク供給口105は、一方向に延在する細長い開口を有し、また、基板117の電極部より内側に形成される。本実施形態では、インク供給口の形状は、異方性エッチング等で作成した四角錐台であるが、直方体でもよい。インク収容部103側のインク供給流路106から、インク供給口105を介して、基板117上に形成されたノズルプレート116によって形成された流路に、インクが供給される。そして、流路に設けられた電気熱変換素子を駆動することにより、対応する吐出口104からインクを吐出することができる。
液体吐出ヘッド100の筐体の一部である支持部材111と素子基板101との接合は、支持部材111に接着剤を塗布した後、素子基板101を位置合わせすることにより行われる。また、支持部材111には、素子基板を接着する際の接着剤とは別の接着剤にて電気配線部材102が接着固定される。支持部材111は、樹脂成形により形成されており、本実施形態で使用した樹脂材料(変性ポリフェニレンエーテル)は、剛性を向上させるためにガラスフィラーを35質量%混合している。この支持部材111は、素子基板101を配置する部分が、その周囲の電気配線部材102を接着、固定する部分よりも凹んでいる形状(凹部113)になっている。これは、電気配線部材102のインナーリード109と素子基板101の接続端子107とをほぼ同じ高さにして、両者の電気接続部の信頼性を向上させるためである。
(第1実施形態)
図3(a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの素子基板101の構成を示す図であり、図3(b)は図3におけるIIIb-IIIb線断面図である。これら図に示すように、本実施形態の素子基板101は、上記供給口105の延在方向に沿った長辺と、この長辺に交差する短辺を有した基板117を備えている。また、この基板117の短辺側の端部である電極部の他、基板117の長辺側の側部と支持部材111の凹部を形成する内壁部との間の溝部に、封止材110が充填されている。但し、基板117の長辺側の側部に対応した上記溝部の4箇所には、壁部材119が配置されている。供給口105の端を距離の基準とした壁部材119の位置をP、壁部材119の基板117の長辺方向の幅をW、壁部材119の基板117との間隔Gとする。このとき、本実施形態では、後述されるように、Wは1mm、Pは0.5mm、Gは0.13mmに、定めている。また、壁部材の上面の高さは素子基板101と支持部材111の上面が連なる位置と同じ高さである。なお、本実施形態では、この壁部材は支持部材と一体に樹脂成形されるものであるが、壁部材は接着材等で接着して形成してもよい。また、材質も支持部材と異なる材質であってもよい。
上述のように壁部材119の配置、形状が定められた素子基板101の仕様の一例は次のとおりである。封止材はエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化型のものを使用し、100℃で、1時間、キュア硬化させたものである。この封止材110の線膨張率は、20ppmから40ppm程度、ヤング率が4GPaから8GPa程度のものを使用するが、本実施形態では、線膨張率が約30ppm、ヤング率が約6GPaである。また、支持部材111は、アルミナを材料とし、線膨張率が約7ppm、ヤング率が約320GPaのもので、基板117は、シリコンを材料とし、線膨張率が約3ppm、ヤング率が約170GPaのものである。
上述した仕様の液体吐出ヘッドの素子基板の割れに対する耐性の評価を行うため、液体吐出ヘッド全体を−25℃まで冷却させる評価を行った。キュア硬化温度と温度差が大きいほど封止材がより収縮するため、素子基板の変形が大きくなる。−25℃の評価環境において、壁部材がない従来例の液体吐出ヘッドと比較して、本実施形態に係る、壁部材が設けられた液体吐出ヘッドは、素子基板の割れが抑制されることを確認した。定量的な評価のため、素子基板の供給口の端118の最大主応力を測定した。割れの起点は供給口端部エッジであり、この箇所の最大主応力が高いほど、割れが発生し易いことを示している。最大主応力は、ラマン分光法によるラマンシフトによって測定した。従来例の壁部材が無い素子基板の最大主応力が、100MPaであるのに対し、壁部材がある本実施形態の素子基板101の最大主応力は、20Mpaと2割に低下した。最大主応力が7割程度に低下することで、素子基板の割れ抑制に十分な効果があることが確認されているが、本実施形態では、2割まで低下するという効果を示した。
液体吐出ヘッドがキュア温度から冷却される際に、封止材が収縮することで、供給口105の端部エッジを起点とした割れが発生してしまう場合がある。ここで、封止材の線膨張率が大きいほど封止材が収縮するので割れが発生しやすい。また、封止材のヤング率が大きいほど、収縮時の応力が緩和されず、素子基板を引っ張る力が強まり、チップが割れやすくなる。これに対し、チップ割れが発生しにくい物性の封止材を使用すれば良いと考えられるが、封止材の塗付性の点から粘度などもコントロールする必要があり、使用できる封止材の物性値に制約がある。本実施形態は、このような制約を受けることなく、上述のように壁部材の形状、配置を定めることによって、割れを防ぐことができる。
以下では、上述した、本実施形態に係る壁部材119の位置、幅、および基板117との間隔のそれぞれを定める上での検討事項および好ましい範囲について説明する。
<壁部材の位置>
壁部材を配置することによって、壁部材が配置された場所は封止材が存在しない。このため、封止材が収縮することによって素子基板が受ける応力が低減され、素子基板が変形し割れが発生することが抑制される。しかしながら、壁部材を基板117の長辺側の側部全域にわたって配置する場合には、ワイピングに悪影響を及ぼす場合がある。ワイピングは、吐出口が配設された面をワイパーによって拭き、吐出口面に付着したインクやゴミ等を拭き取る動作である。例えば、壁部材が基板117の長辺側の側部全域にわたって存在すると、ワイピング動作時にワイパーが壁部材が当り、ワイピングの効果が低下することがある。このようなワイピングに対する影響を低減するべく、壁部材は、基板の側部の全域に配置するのではなく、必要最小限の場所に配置することが好ましい。また、ワイピング時に壁部材にあたることを極力低減するために、壁部材の上面位置は、基板の上面位置以下であることが好ましい。
そこで、壁部材の位置を変更したいくつかの液体吐出ヘッドを作成し、素子基板の割れに対する評価を、上述したように、液体吐出ヘッド全体の温度を変化させて行なった。壁部材の基板117長辺側の幅Wは1.0mm、壁部材と基板の間隔Gは0.13mmとし、壁部材と基板の間には封止材が充填されている。図4は、本実施形態に係る壁部材の位置基準を説明する図である。本実施形態は、壁部材119の中心位置と基板117の供給口105の端が一致する位置を基準0とし、供給口105の長手方向における、供給口105の外側をマイナス、中央側をプラスとしている。
図5は、本実施形態に係る、壁部材の位置と、封止材の収縮によって供給口の端に作用する最大主応力との関係を示す図である。図5において、実線は上記関係を示しており、破線は壁部材が無い場合に供給口の端に作用する最大主応力を示している。図5に示すように、壁部材119の中心の位置Pが約0.5mmのとき、最大主応力は極小値となる。また、壁部材119の中心の位置Pが、約−0.5mm〜約2.0mmの範囲で、壁部材が無い場合に作用する最大主応力の約7割となる。上述したように、供給口105の端に作用する最大主応力が壁部材が無い場合の約7割以下のときに、素子基板の割れを有効に抑制することができる。
以上のように、供給口105の端118の近傍に壁部材119を配置することによって、供給口の端118近傍の基板の変形を抑制することができる。具体的には、壁部材119を、素子基板101の接続端子107よりも素子基板101の長手方向における内側に配置することが好ましい。特に、素子基板101の短手方向に壁部材119を延長したとき、壁部材119の(境界を含めた)領域内に供給口105の端118が位置するように、壁部材119を配置することがより好ましい。
<壁部材の幅>
壁部材の、基板の長辺に沿った方向の幅W(長さ)を変更したいくつかの液体吐出ヘッドを作成し、素子基板の割れに対する評価を、上記壁部材の位置の検討と同様の方法で行った。壁部材119の中心の位置Pは+0.5mmとし、壁部材119と基板117の間隔Gは0.13mmとして、壁部材119と基板117の間には封止材が充填されている。
図6は、本実施形態に係る、壁部材の幅Wと供給口の端に作用する最大主応力との関係を示す図である。図6に示すように、壁部材119の幅Wが1.5mmおよびそれ以上になると、最大主応力はほぼゼロとなる。一方、幅Wを狭くしていくと、最大主応力は増加する。従って、壁部材119の幅Wは、最大主応力を低下させる観点からは広いほどよいが、上述した、壁部材がワイピングに及ぼす影響の点から、幅Wは、1.5mm以下(下限は0mm)とすることが好ましい。さらに、壁部材が無い場合の最大主応力の約7割となる幅Wである0.25mmが下限であることがより好ましい。
<壁部材の基板との間隔>
基板117と壁部材119との間隔Gを変更し、その間隔Gの溝に封止材を充填したいくつかの液体吐出ヘッドを作成し、素子基板の割れに対する評価を上記と同様の方法で行った。この評価では、壁部材119の中心の位置Pを+0.5mmとし、壁部材119の幅Wを1.0mmとした。
図7は、本実施形態に係る、壁部材と基板の間隔Gと供給口の端に作用する最大主応力との関係を示す図である。図7に示すように、基板117と壁部材119の間隔Gが、1mm以上となると壁部材による最大主応力の低減効果がほとんどなくなる。これは、間隔Gが広がるほど、封止材が増え、封止材の収縮が大きくなるからである。従って、基板117と壁部材119の間隔Gは、1mm以下とすることが好ましい。特に、壁部材が無い場合の最大主応力の約7割以下となる間隔Gの範囲である約0.4mm以下がさらに好ましい。
(第2実施形態)
図8(a)および(b)は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッドの素子基板の構成を示す図である。図8(a)は素子基板101の正面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるVIIIb-VIIIb線断面図である。
本実施形態が上述した第1実施形態と異なる点は、図8(b)に示すように、壁部材120が、支持部材111の凹部底面との間で所定の間隔の隙間Sが設けられる点である。そして、この隙間Sにも封止材110が充填される。なお、壁部材120は支持部材111と一体で形成されるものであるが、支持部材111に接着材等で接着して形成してもよい。
このように、支持部材の凹部の底面と壁部材120に間隔Sがあることにより、液体吐出ヘッドの製造工程の自由度が増し工程を簡易化することが可能となる。すなわち、支持部材111の凹部の底面と壁部材に隙間がない構造の場合、封止材を素子基板の長辺側と短辺側のいずれの領域に充填する必要があり工数が増えてしまう。これに対し、本実施形態のように、支持部材111の凹部底面と壁部材120と間に隙間Sがある場合、例えば、基板117の長辺側から封止材110を充填しても、隙間Sを通って短辺側にも充填することが可能となる。
本実施形態の壁部材120の厚さTは基板117の半分であり、壁部材120の上面は素子基板の上面と一致するように配置されている。壁部材120の基板117の長辺に沿った方向の幅(長さ)は1.0mm、壁部材120と基板117との間隔は0.13mmであり、第1実施形態と同じである。
壁部材120の位置を変更したいくつかの液体吐出ヘッドを作成し、第1実施形態と同様の評価を行った。図9は、この結果を示しており、封止材の収縮に起因した素子基板の割れの起点となり得る供給口105の端118に作用する最大主応力を壁部材120の中心の位置との関係で示す図である。壁部材120の位置が供給口端部近傍で、最大主応力は極小値をとる。壁部材120の中心の位置について、供給口105の端118の位置を基準0としたとき、−0.5mm〜2.0mmの範囲が、壁部材120が無い液体吐出ヘッドに対して最大主応力が約7割となり、この主応力によるチップ割れを有効に抑制することができる。
図10(a)〜(c)は、上述した本発明の一実施形態に係る壁部材による素子基板の割れ抑制の作用、効果を説明する図である。図10(a)に示すように、壁部材が無い素子基板101では、そのXb−Xb線断面図である図10(b)に示すように、断面において、封止材110は支持部材111と3面が接続されているのに対し、Eで示す面はどの部材とも接していない。この場合、温度変化によって封止材110の収縮が起きると、基板117には、図10(c)で示す方向の回転の力が作用する。ここで、基板単体に対して、その長辺側の外方向の引張り力を作用させた場合の割れに対する耐性が低いことが分かっている。このため、上記回転の力によって、供給口105の端を基点として割れが発生し易くなる。これに対し、上述した本発明の第1および第2実施形態によれば、壁部材(119、120)が存在することによって、その壁部材が基板117の上記回転する量を制限することができる。その結果、基板の割れを抑制することができる。これは第2実施形態のように、壁部材と支持部材凹部との間に隙間Sがある場合でも同様である。加えて、上述したように、供給口105の端118の近傍に壁部材が存在することによって、その箇所には封止部材が存在しない。これにより、その場所では上記回転が生じず、供給口105の端118の近傍での基板117の上記回転を抑制することができる。
100 液体吐出ヘッド
101 素子基板
104 吐出口
105 インク供給口
107 接続端子
109 インナーリード
110 封止材
111 支持部材
116 ノズルプレート
117 基板
118 供給口の端
119、120 壁部材

Claims (8)

  1. 吐出口から液体を吐出するためのエネルギー発生素子と、吐出するための液体を前記吐出口に連通する流路に供給するための供給口であって、一方向に延在する開口を有した供給口と、が設けられ、前記供給口の延在方向に沿った長辺と前記長辺に交差する短辺とを有した基板と、前記基板を支持する凹部が形成された支持部材と、前記基板の前記短辺に沿って設けられた電気接続部と、前記電気接続部を被覆する封止材と、を有する液体吐出ヘッドであって、
    前記基板の長辺側の、前記支持部材の前記凹部における、前記電気接続部より前記基板の中央側に対応する位置に壁部材が配置されており、前記支持部材の凹部における、前記基板の前記長辺側の側部および前記短辺側の側部に前記封止材が配されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記壁部材の上面の位置が、前記基板の上面位置以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記壁部材と前記基板との間隔が0.4mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記壁部材と前記基板との前記間隔の溝に封止材が配されていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記壁部材は、前記基板の前記供給口の延在方向の端を距離の基準0とし、前記基板の中央側を+としたとき、−0.5mm〜+2.0mmの範囲の位置に前記壁部材の前記延在方向の中心が位置するよう配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記壁部材の前記延在方向の幅が1.5mm以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記壁部材と前記支持部材の前記凹部の底面との間に隙間が設けられ、前記隙間に前記封止材が配されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする液体吐出装置。
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