JP2018115683A - クラッチフェーシング温度推定方法およびクラッチフェーシング温度推定装置 - Google Patents

クラッチフェーシング温度推定方法およびクラッチフェーシング温度推定装置 Download PDF

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孝輔 南波
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Abstract

【課題】イグニッションキーがオフの状態の間のクラッチフェーシングの温度変化を推定するクラッチフェーシング温度推定方法およびクラッチフェーシング温度推定装置を提供する。
【解決手段】現周期におけるクラッチ13への入力エネルギーとクラッチ13からの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期におけるクラッチフェーシングの温度変化(上昇温度成分T、下降温度成分TおよびT)を推定し、現周期が、イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態(オン状態、あるいは電装品のみ使用可能な状態)へ遷移した直後の周期である場合に、イグニッションキー29がオフ状態であった間のクラッチフェーシングの温度変化(下降温度成分T)を推定して、現周期におけるクラッチフェーシング温度Tf(p)を算出する。
【選択図】図3

Description

本開示は、クラッチフェーシング温度推定方法およびクラッチフェーシング温度推定装置に関する。
従来、車両において、クラッチ等を用いて、複数の変速ギアで構成された動力伝達経路を切り替えて変速を行う自動変速機が普及している。代表的なクラッチ装置として、摩擦材を駆動側プレートに押しつけて摩擦で係合する摩擦クラッチ装置がある。摩擦クラッチ装置では、トルク伝達に摩擦力を用いているため、頻繁に変速動作が行われるとクラッチの係合頻度が高くなり、クラッチ摩擦面(クラッチフェーシング)の温度が上昇する。クラッチフェーシングの温度が過大に(規定温度以上まで)上昇すると、クラッチフェーシングに焼損等の劣化が生じることがあり、クラッチフェーシングの保護のために、クラッチフェーシングの温度を取得して管理することが行われている。
クラッチフェーシングの温度を推定する方法として、例えば特許文献1に開示された技術がある。特許文献1には、CPUがエンジン回転数と変速機入力軸回転数との差によってエンジンと変速機のインプットとの相対回転数を求め、その相対回転数を元に単位換算してエンジン回転数と変速機入力軸回転数との相対角速度を演算し、前述した相対角速度にクラッチトルクを乗じて算出したクラッチのインプットエネルギーに基づいて、1秒当たりのクラッチの上昇温度を演算することが開示されている。
特開2004−060772号公報
一般に、車両では、イグニッションキーがオフの状態では、CPUに電源が供給されない。このため、イグニッションキーがオフの状態では、特許文献1に開示された技術ではCPUがクラッチフェーシング温度を推定することができない。
特許文献1に開示された技術のように、クラッチへの入力エネルギーと出力エネルギーとの差分から時間当たりのクラッチフェーシングの温度変化を推定する方法では、クラッチフェーシングの現在温度を算出するために、温度推定を開始した時点でのクラッチフェーシングの初期温度が必要である。しかしながら、特許文献1に開示された技術では、CPUは、イグニッションキーがオフの状態の間はクラッチフェーシングの温度変化を推定することができないため、次にイグニッションキーがオンにされたときのクラッチフェーシングの初期温度を知ることができない。
このような事情から、イグニッションキーがオフの状態の間のクラッチフェーシングの温度変化を推定することが要望されている。
本開示の目的は、イグニッションキーがオフの状態の間のクラッチフェーシングの温度変化を推定するクラッチフェーシング温度推定方法およびクラッチフェーシング温度推定装置を提供することである。
本開示のクラッチフェーシング温度推定方法は、動力源の動力をクラッチフェーシングの摩擦により後段に伝達するクラッチにおいて、所定の時間周期毎に前記クラッチフェーシングの温度を推定するクラッチフェーシング温度推定方法であって、現周期における前記クラッチへの入力エネルギーと前記クラッチからの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップと、現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期である場合に、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップと、前記始動キーがオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出するステップと、を有する。
本開示のクラッチフェーシング温度推定装置は、動力源の動力をクラッチフェーシングの摩擦により後段に伝達するクラッチにおいて、所定の時間周期毎に前記クラッチフェーシングの温度を推定するクラッチフェーシング温度推定装置であって、現周期における前記クラッチへの入力エネルギーと前記クラッチからの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定し、現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期である場合に、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定し、前記始動キーがオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出する。
本開示によれば、イグニッションキーがオフの状態の間のクラッチフェーシングの温度変化を推定することができる。
本開示の実施の形態における車両の構成を示す図 制御装置によるクラッチフェーシング温度推定処理において使用される構成を示したブロック図 クラッチフェーシング温度推定処理における制御装置の動作例を説明するためのフローチャート
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<車両の構成>
図1は、本開示の実施の形態における車両1の構成を示す図である。車両1は、図1に示すように、制御装置10、エンジン11、流体継手12、クラッチ13、トランスミッション14、油圧制御回路15、クランクシャフト16、プロペラシャフト17、ディファレンシャルギア18、駆動輪19を有する。
制御装置10は、エンジン11、トランスミッション14、および油圧制御回路15等、車両1の各構成の動作を制御する。なお、エンジン11、トランスミッション14、および油圧制御回路15のそれぞれの制御は、例えば個別に設けられた制御ユニット(ECU(Electric Control Unit)やTCM(Transmission Control Module)等)が互いにCAN(Control Area Network)通信を行いながら協働して制御を実施していてもよいが、本実施の形態では、制御装置10が一括して制御を行う例について説明する。制御装置10は、本開示のクラッチフェーシング温度推定装置の一例である。
なお、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ等を備える。CPUは、ROMから制御プログラムを読み出してRAMに展開し、展開した制御プログラムと協働してエンジン11、トランスミッション14、および油圧制御回路15等の動作を集中制御する。
エンジン11は、例えばディーゼルエンジン等の内燃機関であり、燃料の燃焼により発生した熱エネルギーによってクランクシャフト16を回転駆動させる。エンジン11は、本開示の動力源の一例である。
エンジン11によって与えられたクランクシャフト16のトルク(エンジントルク)は、流体継手12およびクラッチ13を通じてトランスミッション14に伝達される。流体継手12は流体伝導装置の一種であり、例えば作動油が満たされたケーシング内に2枚の羽根車が対向して配置されている。入力側の羽根車(ポンプ羽根車)が回転すると、作動油の流動が生じ、作動油が出力側の羽根車(タービン羽根車)を回転させることで流体トルクが出力側へ伝達される。流体継手12は、作動油の滑りによって、なめらかな発進を可能としたり、エンジン11のトルク変動を吸収して振動や騒音を低減したりする。なお、上記したケーシングおよび2枚の羽根車については、図示を省略する。
クラッチ13は、摩擦係合要素であり、具体的には例えば湿式多板クラッチである。クラッチ13は、例えば作動油が満たされたケーシング内に、入力側と出力側にそれぞれ噛合された複数枚のクラッチプレートが互い違いに配置された構造を有する。これらのクラッチプレート同士はスプリングによって摩擦係合しない方向に付勢されており、油圧制御回路15からの作動油が供給されていない状態ではクラッチ13は断絶状態となる。油圧制御回路15から作動油が供給されると、クラッチピストンがクラッチスプリングの付勢力に対向してクラッチプレート同士が摩擦係合する方向へと押圧される。複数のクラッチプレート同士が接触して摩擦係合すると、クラッチ13が接続状態となる。クラッチプレート同士が接触する面(クラッチフェーシング)には摩擦材が設けられている。クラッチ13において、作動油はクラッチプレートの冷却と潤滑の両方の役割を果たす。なお、上記したクラッチプレート、スプリング、クラッチピストン、クラッチフェーシングについては、図示を省略する。
クラッチ13の接続状態においては、エンジントルクがトランスミッション14に伝達される。トランスミッション14は、本実施の形態においては、例えばエンジントルクを、油圧制御回路15から供給された作動油により所定の変速比で増幅または減衰して出力する自動制御式マニュアルトランスミッション(AMT)である。ただし、本開示ではトランスミッション14はAMTには限定されず、オートマチックトランスミッション(AT)等、他の方式の変速機構を採用してもよい。
エンジントルクは、流体継手12、クラッチ13、トランスミッション14を介してプロペラシャフト17に伝達され、さらにディファレンシャルギア18を介して駆動輪19に伝達される。
油圧制御回路15は、例えばオイルポンプ、圧力制御弁、流量制御弁、オイルクーラ(図示せず)等を有し、制御装置10の制御に応じて、流体継手12、クラッチ13、およびトランスミッション14に作動油を供給する。
<クラッチフェーシング温度推定処理>
制御装置10は、クラッチ13における摩擦面であるクラッチフェーシングの保護のため、クラッチ13の温度を推定する制御を行う。以下では、制御装置10によるクラッチフェーシングの温度推定処理について説明する。
図2は、制御装置10によるクラッチフェーシング温度推定処理において使用される構成を示したブロック図である。図2に示すように、制御装置10は、エンジン回転数センサ21、タービン回転数センサ22、カウンタシャフト回転数センサ23、ギアポジションセンサ24、大気温センサ25、油温センサ26、流量センサ27、メモリ28、イグニッションキー29と接続されている。
制御装置10は、エンジン回転数センサ21を用いて、エンジン11の回転数に関する情報を検出する。
制御装置10は、タービン回転数センサ22を用いて、流体継手12のタービン羽根車の回転数に関する情報を検出する。
制御装置10は、カウンタシャフト回転数センサ23を用いて、トランスミッション14のカウンタシャフト(反転軸)の回転数に関する情報を検出する。
制御装置10は、ギアポジションセンサ24を用いて、トランスミッション14における現在のギア段に関する情報を検出する。
制御装置10は、大気温センサ25を用いて、大気温、すなわち車両1の外気温に関する情報を検出する。
制御装置10は、油温センサ26を用いて、クラッチ13に供給される作動油の温度に関する情報を検出する。
制御装置10は、流量センサ27を用いて、クラッチ13に供給される作動油の流量に関する情報を検出する。
メモリ28は、制御装置10がクラッチフェーシング温度の推定に使用する各種パラメータや、制御装置10が推定した現在のクラッチフェーシング温度を逐次記憶する。
イグニッションキー29は、エンジン11の始動キーである。イグニッションキー29は、本開示の始動キーの一例である。イグニッションキー29のオフ状態においては、車両1はすべての動作を行うことができない。イグニッションキー29のオン状態においては、制御装置10がエンジン11を始動し、車両1はすべての動作を行うことができる。なお、イグニッションキー29のキー位置として、オフ状態およびオン状態の他に、例えばエンジン11の始動はされず、車両1の各電装品にのみ電源が供給され、電装品のみ使用可能である状態があってもよい。
図3は、クラッチフェーシング温度推定処理における制御装置10の動作例を説明するためのフローチャートである。なお、図3に示すフローチャートは、制御装置10によるクラッチフェーシング温度推定処理の1周期分の動作を例示したものである。すなわち、制御装置10は、所定の周期毎に図3に示す処理を繰り返す。なお、本実施の形態において、1周期は例えば10ミリ秒とする。
ステップS1において、制御装置10は、現周期におけるクラッチ13の入力側と出力側との回転数差、すなわち滑り角速度rを求める。具体的には、制御装置10は、トランスミッション14のカウンタシャフトの回転数に関する情報をカウンタシャフト回転数センサ23から取得し、現周期におけるクラッチ13の出力側の回転数を算出する。また、クラッチ13の入力側の回転数は、流体継手12のタービン羽根車の回転数と等しいので、タービン回転数センサ22からタービンの回転数に関する情報を取得して現周期におけるクラッチ13の入力側の回転数を特定する。そして、制御装置10は、算出した出力側の回転数と、入力側の回転数とを用いて滑り角速度rを算出する。
ステップS2において、制御装置10は、クラッチ13への入力エネルギーによる、現周期における上昇温度成分Tを推定する。クラッチ13への入力エネルギーによる上昇温度成分Tとは、クラッチ13への入力エネルギーによって、クラッチフェーシングの温度が現周期において何度上昇するかを示す値である。
具体的には、制御装置10は、以下のようにして上昇温度成分Tを推定する。すなわち、制御装置10は、クラッチ13の伝達トルクTと、ステップS1で算出した滑り角速度rと、を用いて、クラッチ13への現周期における入力エネルギー量einを算出する。さらに、制御装置10は、算出した入力エネルギー量einに既知の温度変換係数cを乗算することで、クラッチ13への入力エネルギーによるクラッチフェーシング温度の上昇温度成分Tを推定する。
具体的には、制御装置10は、まず、下記の式(1)のように伝達トルクTと滑り角速度rとを乗算して入力エネルギー量einを算出する。
in=T*r (1)
そして、式(2)のように入力エネルギー量einと温度変換係数cとを乗算して入力エネルギーによる上昇温度成分Tを推定する。
=ein*c (2)
なお、温度変換係数cは、あらかじめクラッチ13を用いて実験的に求められた値であり、メモリ28に記憶されていればよい。
ステップS3において、制御装置10は、現周期における、クラッチ13の作動油(冷却油)による下降温度成分Tを推定する。下降温度成分Tとは、作動油の冷却効果によって、クラッチフェーシングの温度が現周期において何度下降するかを示す値である。
具体的には、制御装置10は、以下のようにして下降温度成分Tを推定する。すなわち、制御装置10は、前周期において制御装置10が算出し、メモリ28に記憶された前周期のクラッチフェーシング温度Tf(p−1)をメモリ28から読み出し、油温センサ26から取得した、クラッチ13における作動油の油温Tと、流量センサ27から取得した、現周期においてクラッチ13に供給される作動油の流量fと、単位流量あたりの作動油による冷却量を求める係数ccoと、を用いて、以下の式(3)により下降温度成分Tを推定する。なお、単位流量あたりの作動油による冷却量を求める係数ccoは、あらかじめ実験的に求められた値であり、メモリ28に記憶されていればよい。
=(Tf(p−1)−T)*f*cco (3)
なお、上記数式(3)では、流量センサ27から取得した作動油の流量fと単位流量あたりの作動油による冷却量を求める係数ccoとを用いて下降温度成分Tを推定していた。しかしながら、本発明は車両1が流量センサ27を有しない構成においても、例えば作動油の1周期あたりの平均冷却量を求める係数等を用いて下降温度成分Tを推定するようにすればよい。
ステップS4において、制御装置10は、現周期における、クラッチ13から大気への放熱量による下降温度成分Tを推定する。下降温度成分Tとは、クラッチ13から図示しないハウジング等を伝った大気への放熱によって、クラッチフェーシングの温度が現周期において何度下降するかを示す値である。
具体的には、制御装置10は、以下のようにして下降温度成分Tを推定する。すなわち、制御装置10は、前周期のクラッチフェーシング温度Tf(p−1)をメモリ28から読み出し、大気温センサ25から取得した現在の大気温Tと、大気による冷却量を求める係数ccaと、を用いて、以下の式(4)により下降温度成分Tを推定する。なお、大気による冷却量を求める係数ccaは、あらかじめ実験的に求められた値であり、メモリ28に記憶されていればよい。
=(Tf(p−1)−T)*cca (4)
なお、上記説明では、前周期のクラッチフェーシング温度f(p−1)と、現在の大気温Tと、大気による冷却量を求める係数ccaと、を用いて、下降温度成分Tを推定していたが、本開示はこれに限定されない。例えば、前周期のクラッチフェーシング温度の代わりに、油温センサ26から取得した、クラッチ13における作動油の油温Tと、現在の大気温Tとの差分を用いて、加工温度成分Tを推定するようにしてもよい。
ステップS5において、制御装置10は、イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態にされた直後であるか否かを判定する。それ以外の状態とは、具体的には、イグニッションキー29のオン状態、あるいは電装品のみ使用可能な状態である。イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態にされた直後とは、例えば、イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態に切り替えられてから初めての周期であることを意味する。イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態にされた直後ではないと判定した場合、処理はステップS6に進み、そうでない場合、すなわちオフ状態からそれ以外の状態にされた直後であると判定した場合、処理はステップS7に進む。
ステップS6において、制御装置10は、前周期のクラッチフェーシング温度Tf(p−1)と、上昇温度成分Tと、下降温度成分TおよびTと、を用いて、下記の式(5)により現周期のクラッチフェーシング温度Tf(p)を算出する。
f(p)=Tf(p−1)+T−T−T (5)
一方、ステップS7において、制御装置10は、イグニッションキー29がオフ状態であった時間を求め、現周期における、クラッチ13から大気への放熱量による下降温度成分Tを用いて、イグニッションキー29がオフ状態であった間のクラッチフェーシング温度の下降温度成分Tを推定する。
具体的には、制御装置10は、以下のようにして下降温度成分Tを推定する。まず、制御装置10はイグニッションキー29がオフ状態にされた場合、オフにされた時刻に関する情報をメモリ28に記憶させておく。そして、イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態にされて制御装置10が動作を開始すると、制御装置10は現在の時刻とオフにされた時刻とを用いてイグニッションキー29がオフ状態であった時間toffを求める。
イグニッションキー29がオフ状態である間、クラッチフェーシングは大気への放熱によってのみ温度が下降すると考えることができる。このため、下記の式(6)によって下降温度成分Tを推定することができる。
=T*(toff/t) (6)
なお、tは1周期当たりの時間、すなわち本実施の形態では10ミリ秒である。
ステップS8において、制御装置10は、前周期のクラッチフェーシング温度Tf(p−1)と、上昇温度成分Tと、下降温度成分T、TおよびTと、を用いて、下記の式(7)により現周期のクラッチフェーシング温度Tf(p)を算出する。
f(p)=Tf(p−1)+T−T−T−T (7)
ステップS9において、制御装置10は、算出した現周期のクラッチフェーシング温度Tf(p)をメモリ28に記憶させ、次の周期の処理に進む。
このような制御により、イグニッションキー29がオフ状態であった間のクラッチフェーシング温度の下降温度成分を考慮して、現在のクラッチフェーシング温度を推定することができる。
<作用・効果>
以上説明したように、制御装置10は、現周期におけるクラッチ13への入力エネルギーとクラッチ13からの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期におけるクラッチフェーシングの温度変化(上昇温度成分T、下降温度成分TおよびT)を推定し、現周期が、イグニッションキー29がオフ状態からそれ以外の状態(オン状態、あるいは電装品のみ使用可能な状態)へ遷移した直後の周期である場合に、イグニッションキー29がオフ状態であった間のクラッチフェーシングの温度変化(下降温度成分T)を推定し、イグニッションキー29がオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度Tf(p−1)と、現周期におけるクラッチフェーシングの温度変化(上昇温度成分T、下降温度成分TおよびT)と、イグニッションキー29がオフ状態であった間のクラッチフェーシングの温度変化(下降温度成分T)と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度Tf(p)を算出する。
このような構成により、本開示の実施の形態に係る車両1では、イグニッションキー29がオフ状態であった間のクラッチフェーシング温度の下降温度成分を考慮して現在のクラッチフェーシング温度を推定することができる。このため、現在のクラッチフェーシング温度を正確に推定することができるようになる。具体的には、イグニッションキー29がオフ状態とそれ以外の状態とを頻繁に繰り返すような操作が行われても、本開示の実施の形態に係る車両1では、現在のクラッチフェーシング温度を正確に推定することができる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素は任意に組み合わせてられてもよい。
上記した実施の形態において、車両1の動力源を内燃機関であるエンジン11としていたが、本開示はこれに限定されない。本開示において、動力源として、内燃機関以外に、二次電池に充電された電気を用いて回転するモータを使用してもよいし、エンジンとモータとを両方搭載し、適宜切り替えて使用するようにしてもよい。
<本開示のまとめ>
本開示のクラッチフェーシング温度推定方法は、動力源の動力をクラッチフェーシングの摩擦により後段に伝達するクラッチにおいて、所定の時間周期毎に前記クラッチフェーシングの温度を推定するクラッチフェーシング温度推定方法であって、現周期における前記クラッチへの入力エネルギーと前記クラッチからの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップと、現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期である場合に、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップと、前記始動キーがオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出するステップと、を有する。
本開示のクラッチフェーシング温度推定方法において、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップは、前記クラッチの伝達トルクと、前記クラッチの入力側と出力側との回転数差と、に基づいて前記クラッチフェーシングの上昇温度成分を推定するステップと、前記クラッチからの放熱量に基づいて前記クラッチフェーシングの下降温度成分を推定するステップと、を含む。
本開示のクラッチフェーシング温度推定方法において、前記クラッチからの放熱量に基づいて前記クラッチフェーシングの下降温度成分を推定するステップは、前記クラッチから当該クラッチの作動油への放熱量に基づく下降温度成分を推定するステップと、前記クラッチから大気への放熱量に基づく下降温度成分を推定するステップと、を含む。
本開示のクラッチフェーシング温度推定方法において、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップは、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチから大気への放熱量に基づく下降温度成分を推定するステップである。
本開示のクラッチフェーシング温度推定方法において、現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期ではない場合に、現周期の1つ前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出するステップと、をさらに有する。
本開示のクラッチフェーシング温度推定装置は、動力源の動力をクラッチフェーシングの摩擦により後段に伝達するクラッチにおいて、所定の時間周期毎に前記クラッチフェーシングの温度を推定するクラッチフェーシング温度推定装置であって、現周期における前記クラッチへの入力エネルギーと前記クラッチからの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定し、現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期である場合に、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定し、前記始動キーがオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出する。
本開示は、現在のクラッチフェーシング温度を正確に推定することができるクラッチフェーシング温度推定方法およびクラッチフェーシング温度推定装置として有用である。
1 車両
10 制御装置
11 エンジン
12 流体継手
13 クラッチ
14 トランスミッション
15 油圧制御回路
16 クランクシャフト
17 プロペラシャフト
18 ディファレンシャルギア
19 駆動輪
21 エンジン回転数センサ
22 タービン回転数センサ
23 カウンタシャフト回転数センサ
24 ギアポジションセンサ
25 大気温センサ
26 油温センサ
27 流量センサ
28 メモリ
29 イグニッションキー

Claims (6)

  1. 動力源の動力をクラッチフェーシングの摩擦により後段に伝達するクラッチにおいて、所定の時間周期毎に前記クラッチフェーシングの温度を推定するクラッチフェーシング温度推定方法であって、
    現周期における前記クラッチへの入力エネルギーと前記クラッチからの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップと、
    現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期である場合に、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップと、
    前記始動キーがオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出するステップと、
    を有する、クラッチフェーシング温度推定方法。
  2. 現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップは、
    前記クラッチの伝達トルクと、前記クラッチの入力側と出力側との回転数差と、に基づいて前記クラッチフェーシングの上昇温度成分を推定するステップと、
    前記クラッチからの放熱量に基づいて前記クラッチフェーシングの下降温度成分を推定するステップと、
    を含む、請求項1に記載のクラッチフェーシング温度推定方法。
  3. 前記クラッチからの放熱量に基づいて前記クラッチフェーシングの下降温度成分を推定するステップは、
    前記クラッチから当該クラッチの作動油への放熱量に基づく下降温度成分を推定するステップと、
    前記クラッチから大気への放熱量に基づく下降温度成分を推定するステップと、
    を含む、請求項1または2に記載のクラッチフェーシング温度推定方法。
  4. 前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定するステップは、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチから大気への放熱量に基づく下降温度成分を推定するステップである、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のクラッチフェーシング温度推定方法。
  5. 現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期ではない場合に、現周期の1つ前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出するステップと、
    をさらに有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のクラッチフェーシング温度推定方法。
  6. 動力源の動力をクラッチフェーシングの摩擦により後段に伝達するクラッチにおいて、所定の時間周期毎に前記クラッチフェーシングの温度を推定するクラッチフェーシング温度推定装置であって、
    現周期における前記クラッチへの入力エネルギーと前記クラッチからの出力エネルギーとの差分に基づく、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化を推定し、
    現周期が、前記動力源の始動キーがオフ状態からそれ以外の状態へ遷移した直後の周期である場合に、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化を推定し、
    前記始動キーがオフ状態へ遷移する直前の周期におけるクラッチフェーシング温度と、現周期における前記クラッチフェーシングの温度変化と、前記始動キーがオフ状態であった間の前記クラッチフェーシングの温度変化と、に基づいて、現周期におけるクラッチフェーシング温度を算出する、
    クラッチフェーシング温度推定装置。
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