JP2018115245A - ポリイミド - Google Patents
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- FGFLERMDYDQFJW-UHFFFAOYSA-N NC(CC1)CC=CC1N Chemical compound NC(CC1)CC=CC1N FGFLERMDYDQFJW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Abstract
【解決手段】3,3’,4,4’−ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基と、フェノール性水酸基を有するジアミン化合物から誘導されるジアミン残基、及びカルボキシル基を有するジアミン化合物から誘導されるジアミン残基を含むポリイミド。
【選択図】なし
Description
また、現像液としては、有機溶剤系の現像液と、アルカリ水溶液とがあるが、近年は環境負荷低減のためにアルカリ水溶液が用いられるようになってきている。
このような本発明のポリイミドは、半導体集積回路、プリント配線基板、液晶パネル等の製造に使用されるレジスト樹脂として好適に用いることができる。
即ち、本発明のポリイミドは、ポリアミック酸ではなく、ポリイミドであることにより、保存安定性、耐熱性に優れ、また、脂環式テトラカルボン酸二無水物であるH−BPDAから誘導されるテトラカルボン酸残基を含むことで、ポリイミド骨格に脂環構造が導入され、溶媒可溶性、保存安定性、耐熱性に優れたものとなる。また、フェノール性水酸基含有ジアミン残基とカルボキシル基含有ジアミン残基を含むため、アルカリ可溶性の付与及びその制御を容易に行える。
本発明のポリイミドの製造に使用されるジイソシアネート化合物としては、以下に例示されるジアミン化合物の名称のうち、「ジアミン」を「ジイソシアネート」に置き換えた化合物が挙げられる。
<H−BPDA残基>
本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸残基として下記構造式で示される3,3’,4,4’−ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H−BPDA)から誘導される残基(以下、「H−BPDA残基」と称す場合がある。)を必須成分として含むものである。
本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸残基として、上記H−BPDA残基のみを含むものであってもよく、H−BPDA残基と他のテトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基(以下、「他のテトラカルボン酸残基」と称す場合がある。)を含むものであってもよい。
本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸残基としてH−BPDA残基を含むことによる上記効果を確実に得る上で、ポリイミドに含まれる全テトラカルボン酸残基中のH−BPDA残基の割合が10mol%以上であることが好ましく、特に30mol%以上、とりわけ50〜100mol%であることが好ましい。
本発明のポリイミドは、ジアミン残基として、フェノール性水酸基含有ジアミン残基とカルボキシル基含有ジアミン残基とを含むことを特徴とする。
フェノール性水酸基含有ジアミン残基はフェノール性水酸基を有するジアミン化合物から誘導される残基であって、そのフェノール性水酸基を有するジアミン化合物としては、一分子中に少なくとも2個のアミノ基と少なくとも1個のフェノール性水酸基を有する化合物であれば特に制限は無いが、溶解性制御及び製造安定性の観点から、好ましくは一分子中に2個のアミノ基と2個のフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン化合物が挙げられ、更にフッ素原子を有する化合物であってもよい。具体的には、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられ、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、9,9’−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが好ましく、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンが特に好ましい。
カルボキシル基含有ジアミン残基は、カルボキシル基を有するジアミン化合物から誘導される残基であって、そのカルボキシル基を有するジアミン化合物としては、3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、1,3−ジアミノ−4,6−ジカルボキシベンゼン、1,2−ジアミノ−4,6−ジカルボキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,5−ジカルボキシベンゼン等の単環化合物、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルアルカン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン等のジフェニルスルホン化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)フェニル]プロパン等のビス(ヒドロキシフェノキシ)ビフェニル化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン化合物等が挙げられ、溶解性制御及び製造安定性、耐熱性向上の観点から、好ましくは3,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、1,3−ジアミノ−4,6−ジカルボキシベンゼン、1,2−ジアミノ−4,6−ジカルボキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,5−ジカルボキシベンゼン等の単環化合物、即ち、カルボキシル基を有する単環の芳香族ジアミン化合物であり、より好ましくはジアミノ安息香酸(3,5−ジアミノ安息香酸)である。
本発明のポリイミドは、ジアミン残基として、上記のフェノール性水酸基含有ジアミン残基及びカルボキシル基含有ジアミン残基のみを含むものであってもよく、フェノール性水酸基含有ジアミン残基及びカルボキシル基含有ジアミン残基と他のジアミン化合物から誘導される残基(以下、「他のジアミン残基」と称す場合がある。)を含むものであってもよい。
本発明のポリイミドは、ジアミン残基としてフェノール性水酸基含有ジアミン残基とカルボキシル基含有ジアミン残基を含むことによる上記効果を確実に得る上で、ポリイミドに含まれる全ジアミン残基中のフェノール性水酸基含有ジアミン残基とカルボキシル基含有ジアミン残基の合計の割合が30mol%以上であることが好ましく、特に40mol%以上、とりわけ50〜100mol%であることが好ましい。
本発明のポリイミドの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、ポリスチレン換算の重量平均分子量で通常1000以上、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上である。また、通常200000以下であり、好ましくは180000以下であり、より好ましくは150000以下である。重量平均分子量が上記範囲であると、溶媒溶解性、組成物粘度等が通常の製造設備で扱いやすい傾向となるため好ましい。なお、ポリイミドのポリスチレン換算の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により求めることができる。
本発明のポリイミドは、フェノール性水酸基含有ジアミン残基に基づくOH当量が300〜30000g/eq.の範囲であり、カルボキシル基含有ジアミン残基に基づく酸価が20〜150mg−KOH/gの範囲であることが好ましい。
本発明のポリイミドは、アルカリ可溶性に優れたものであり、例えば、0.05M水酸化カリウム水溶液に室温(23℃)で0.1質量%以上溶解する程度のアルカリ可溶性を示すが、本発明では、例えばこの溶解濃度を0.1〜30質量%の範囲で適宜調整することができる。
本発明のポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物原料として少なくとも3,3’,4,4’−ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(H−BPDA)を用い、ジアミン化合物原料として少なくともフェノール性水酸基を有するジアミン化合物とカルボキシル基を有するジアミン化合物を用いること以外は常法に従って製造することができる。なお、前述の通り、ジアミン化合物の代りにジイソシアネート化合物を用いてもよい。
(ポリイミド前駆体の製造)
本発明のポリイミド前駆体は、H−BPDAを必須とするテトラカルボン酸二無水物と、フェノール性水酸基を有するジアミン化合物とカルボキシル基を有するジアミン化合物を必須とするジアミン化合物を溶媒中で反応させて得られる。テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物を溶媒中で反応させる方法は特に限定されない。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の添加順序や添加方法も特に限定されない。例えば、溶媒にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を順に投入し、適切な温度で撹拌することにより、ポリイミド前駆体を得ることができる。
反応時間は通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、通常100時間以下、好ましくは42時間以下である。このような条件で行うことにより、低コストで収率よくポリイミド前駆体を得ることができる傾向にある。
反応時の圧力は、常圧、加圧及び減圧のいずれでもよい。雰囲気は空気下でも不活性雰囲気下でもよい。
上記の方法等で得られたポリイミド前駆体を溶媒存在下で脱水環化することにより、ポリイミドを得ることができる。イミド化は従来知られている任意の方法を用いて行うことができるが、例えば熱的に環化させる加熱イミド化、化学的に環化させる化学イミド化等が挙げられる。これらのイミド化反応は単独で行っても、複数組み合わせて行ってもよい。
ポリイミド前駆体をイミド化する際の溶媒は、前記のポリイミド前駆体を得る反応時に使用した溶媒と同様のものが挙げられる。ポリイミド前駆体製造時の溶媒と、ポリイミド製造時の溶媒は同じものを用いても、異なるものを用いてもよい。
この場合、イミド化によって生じた水は閉環反応を阻害するため、系外に排出してもよい。イミド化反応時のポリイミド前駆体の濃度は特に制限はないが、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、通常70質量%以下、好ましくは40質量%以下である。この範囲で行うことによって、生産効率が高く、また製造しやすい溶液粘度で製造することができる傾向にある。
反応時の圧力は常圧、加圧、減圧のいずれでもよい。雰囲気は、空気下でも不活性雰囲気下でもよい。
また、イミド化促進剤を添加するタイミングは、適宜調整することができ、加熱開始前でもよく、加熱中でもよい。また複数回に分けて添加してもよい。
ポリイミド前駆体を溶媒存在下で、脱水縮合剤を用いて化学的にイミド化することにより、ポリイミドを得ることができる。
反応時の圧力は常圧、加圧又は減圧のいずれでもよい。雰囲気は、空気下でも不活性雰囲気下でもよい。
テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物から、従来既知の方法を用いて、直接ポリイミドを得ることができる。この方法はポイミド前駆体の合成からイミド化を、反応の停止や前駆体の単離を経ることなく、イミド化までを行うものである。
反応液中のテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の合計濃度は、特段の設定ないが、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、通常70質量%以下、好ましくは40質量%以下である。反応液中の濃度が適当な範囲であることで、分子量の伸長が起こりやすくなり、また、撹拌も容易となる傾向にある。
本発明のポリイミドは、アルカリ可溶性、溶媒可溶性、保存安定性、耐熱性に優れ、特にその優れたアルカリ可溶性から、アルカリ現像性のレジスト用樹脂として好適に用いることができる。
この感光性樹脂組成物は、更にカップリング剤、可塑剤、別の膜形成樹脂、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの添加剤を含んでもよい。
ABA:3,5−ジアミノ安息香酸
BAPA:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
6F−BAPA:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン
H−BPDA:3,3’,4,4’−ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
[アルカリ可溶性]
室温(23℃)にて、0.05M水酸化カリウム水溶液5gに樹脂固形分が5mgとなるように、ポリイミド溶液を加え、2時間撹拌した後、目視観察し、以下の基準で評価した。なお、ポリイミド溶液中にはDMAcが含まれているが、水酸化カリウム水溶液量に対してDMAcはごく少量であるので、アルカリ可溶性の評価に大きな影響を及ぼすものではない。
○:溶け残りなく完溶し、アルカリ可溶性良。
△:一部溶解し、アルカリ可溶性若干劣る。
×:溶解せず、アルカリ可溶性不良。
ポリイミド溶液をガラス基板に塗布後、350℃で30分焼成した後、ガラス基板から剥離して得たポリイミドフィルムを熱重量・示差熱量同時測定装置(TG−DTA)で測定し、5%重量減少温度(Td5%)を耐熱温度として評価した。
Td5%は高い程好ましい。
還流窒素ガス導入管、冷却器、トルエンを満たしたディーンスターク凝集器及び攪拌機を備えた4つ口フラスコに、ABA:5.71g(0.037mol)、BAPA:9.69g(0.037mol)、H−BPDA:22.51g(0.073mol)、DMAc:114g、トルエン:22.7gを加え、190℃のオイルバスで12時間加熱還流した。その後、トルエンを常圧留去してポリイミド溶液1を得た。
得られたポリイミド溶液1について、アルカリ可溶性の評価を行い、結果を表1に示した。
また、このポリイミド溶液1についてTd5%を測定したところ402℃と、高耐熱性であることが確認された。
実施例1のABAを14.91g(0.098mol)に、H−BPDAを30.02g(0.098mol)に、DMAcを137gに、トルエンを27.4gに変更し、BAPAの代りに6F−BAPAを0.73g(0.002mol)用いたこと以外は実施例1と同様の方法でポリイミド溶液2を得た。
得られたポリイミド溶液2について、アルカリ可溶性の評価を行い、結果を表1に示した。
実施例1のBAPAを18.08g(0.07mol)に、H−BPDAを21.01g(0.069mol)に、DMAcを117gに、トルエンを23.5gに変更し、ABAを加えなかった以外は実施例1と同様の方法でポリイミド溶液3を得た。
得られたポリイミド溶液3について、アルカリ可溶性の評価を行い、結果を表1に示した。
また、実施例1の結果からも分かるように、H−BPDA残基を含む本発明のポリイミドは耐熱性にも優れている。
一方、比較例1のポリイミドは、カルボキシル基含有ジアミン残基を含まず、アルカリ可溶性に劣る。
Claims (4)
- 3,3’,4,4’−ビシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物から誘導されるテトラカルボン酸残基と、フェノール性水酸基を有するジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「フェノール性水酸基含有ジアミン残基」と称す。)、及びカルボキシル基を有するジアミン化合物から誘導されるジアミン残基(以下、「カルボキシル基含有ジアミン残基」と称す。)を含むポリイミド。
- 前記フェノール性水酸基含有ジアミン残基と前記カルボキシル基含有ジアミン残基とを、mol比でフェノール性水酸基含有ジアミン残基:カルボキシル基含有ジアミン残基=1:0.1〜150の割合で含む請求項1に記載のポリイミド。
- 前記フェノール性水酸基含有ジアミン残基がフェノール性水酸基を2個有する芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基であり、前記カルボキシル基含有ジアミン残基がカルボキシル基を有する単環の芳香族ジアミン化合物から誘導されるジアミン残基である請求項1又は2に記載のポリイミド。
- 前記フェノール性水酸基含有ジアミン残基に基づくOH当量が300〜30000g/eq.であり、前記カルボキシル基含有ジアミン残基に基づく酸価が20〜150mg−KOH/gである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリイミド。
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