JP2018113910A - 層状食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法 - Google Patents

層状食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成品はソフトでかつジューシーさに富み、層が剥がれにくいため上あごに張り付きにくく喫食が容易で、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにも優れ、生地作製時の伸展性が良い層状食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法を提供する。【解決手段】以下の(a)〜(c)を満たす層状食品用油脂組成物。(a)トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して8〜23質量%(b)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸とミリスチン酸との合計含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して1〜18質量%(c)POPおよびPLiPの合計含有量がトリグリセリド全体の質量に対して8〜25質量%(Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸、Liはリノール酸)【選択図】なし

Description

本発明は、層状食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法に関する。
現在、クロワッサンに代表されるデニッシュは、喫食の際に食感がザクザクするハードなタイプと、口あたりの軟らかいソフトなタイプに大別される。特に最近では、口あたりが軟らかく、かつジューシーで口溶けの良いソフトなタイプが好まれる傾向にある。さらにそのようなタイプでは、多層構造であるデニッシュの層が細かく剥がれにくく、上あごに張り付き食べにくいといった高齢者が抱える問題も起きないことから、幅広い年齢層に受け入れられている実情がある。デニッシュは典型的には可塑性油脂を20〜30質量%程度含有する。そのためソフトさ等の上記したような特性は可塑性油脂そのものに起因するところが大きい。
これらに加えて、デニッシュを喫食したときの香りは美味しさに影響を及ぼす重要な要素の一つである。喫食中に喉から鼻を抜けて感じられる香りの強さや広がり方、すなわちフレーバーリリースは、デニッシュの美味しさや風味の良さを左右する。可塑性油脂には一般に、油相に油溶性のフレーバーが配合されるが、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースは、口に入ると口中温度によって油脂結晶が融解することで油相のフレーバーのリリースにより香りや風味を感じるようになるため、可塑性油脂の物性が関与している。
デニッシュの生地作製時においては、作業性が従来より課題とされている。生地の間に可塑性油脂を包み込み、その後、折り畳みと圧延を繰り返すことによって生地中に可塑性油脂を層状に折り込んで、生地と可塑性油脂の薄い層を何層にも作り上げ、よく伸びた薄い油脂層を作ることが必要であるが、折り畳みと圧延時に油脂が均一に伸びず、油脂切れがあると、焼成による層の形成が不十分となり、ボリュームのある焼成品を得ることが困難になる等の問題を生じる。
従来、デニッシュ等の層状食品のジューシーさや口溶けの改良を図るものとして、油脂の脂肪酸組成、トリグリセリド組成に着目した特許文献1、2の技術が提案されている。
特許文献1には、構成脂肪酸がいずれも飽和脂肪酸である3飽和トリグリセリドと構成脂肪酸がいずれもパルミチン酸であるPPPの含有量、構成脂肪酸中のステアリン酸/パルミチン酸の質量比、ラウリン酸およびトランス酸含有量を特定範囲とすることが提案されている。
特許文献2には、全構成脂肪酸中に炭素数12〜14の飽和脂肪酸と炭素数16〜18の飽和脂肪酸を特定範囲の量で含有するエステル交換油脂A、全構成脂肪酸中のパルミチン酸とステアリン酸とオレイン酸の各々の含有量が特定範囲である油脂B、液状油Cを各々特定範囲の量で含有し、かつ油脂組成物中のPPO/POPを特定範囲とすることが提案されている。
特開2016−021941号公報 国際公開第2009/150951号
油脂中のトリグリセリドの1位、2位、3位に結合された脂肪酸のうち、2位に結合された脂肪酸は、油脂の結晶化特性に深く関与しており、その中で多価不飽和脂肪酸であるリノール酸は、オレイン酸と同じく分子構造上歪を形成しており、融点が−5℃とオレイン酸よりも低く、トリグリセリドの構成脂肪酸として回転運動する際に、分子構造の障害となりやすい状態となる。これにより油脂中の各トリグリセリドの分子同士が近付きにくくなることから、固化しにくい状態となる。2位に結合された脂肪酸のうち、飽和脂肪酸の中で融点が比較的低いことで特徴づけられるラウリン酸(C12)とミリスチン酸(C14)は、分子量が小さいことに起因し、分子運動がおこりやすい。そのため固化後に油脂中で、分子同士が離れやすい状態となり、体温付近の温度での油脂の融解特性にも影響する。また油脂中のトリグリセリドのうちPOPおよびPLiPは、トリグリセリドの1位と3位に結合されたパルミチン酸(C16)の融点がステアリン酸(C18)よりも低く、2位には不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸が結合していることから、固液分離を促進するトリグリセリドとして特徴付けられ、ソフトさ等に関与する。したがってこれら全体としての脂肪酸およびトリグリセリド組成や、その他に、OOOなどのトリグリセリド組成や、脂肪酸の不飽和結合の指標ともなる油脂のヨウ素価は、前述した各課題である、焼成品がソフトでかつジューシーさに富むこと、層が細かくなり剥がれにくくなること、可塑性油脂のフレーバーリリース、生地作製時の伸展性の各特性に関与している。
特許文献1は、主に飽和脂肪酸やそれを構成脂肪酸とするトリグリセリドの組成に着目し、特許文献2は、エステル交換油脂Aのトリグリセリドの1位、2位、3位のすべてにおける炭素数12〜14の飽和脂肪酸と炭素数16〜18の飽和脂肪酸、油脂Bのトリグリセリドの1位、2位、3位のすべてにおけるパルミチン酸とステアリン酸とオレイン酸の含有量、液状油C、油脂組成物中のPPO/POPに着目してジューシーさなどの改良を図っているが、トリグリセリドの2位に結合された脂肪酸としてのリノール酸やラウリン酸とミリスチン酸、POPおよびPLiPの合計量について、前述した各課題をいずれも満足する可塑性油脂が望まれている中、これらの観点からの考慮はされていない。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、デニッシュなどの層状食品において、焼成品はソフトでかつジューシーさに富み、層が剥がれにくいため上あごに張り付きにくく喫食が容易で、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにも優れ、生地作製時の伸展性が良い層状食品用油脂組成物とそれを用いた可塑性油脂および層状食品の製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の層状食品用油脂組成物は、以下の(a)〜(c)を満たすことを特徴としている:
(a)トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して8〜23質量%
(b)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して1〜18質量%
(c)POPおよびPLiPの合計含有量がトリグリセリド全体の質量に対して8〜25質量%(POPは1位と3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドであり、PLiPは1位と3位にパルミチン酸、2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドであり、Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸、Liはリノール酸を示す。)。
本発明の可塑性油脂は、前記層状食品用油脂組成物を含有することを特徴としている。
本発明の層状食品の製造方法は、前記可塑性油脂を生地に折り込み、この生地を焼成することを特徴としている。
本発明によれば、焼成品はソフトでかつジューシーさに富み、層が剥がれにくいため上あごに張り付きにくく喫食が容易で、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにも優れ、生地作製時の伸展性が良い。
以下に、本発明を詳細に説明する。
1.油脂組成物
本発明の層状食品用油脂組成物は、(a)トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して8〜23質量%である。トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量がこの範囲内であると、焼成品のジューシー感、生地作製時における可塑性油脂の伸展性が良好である。トリグリセリドの1位、2位、3位に結合された脂肪酸のうち、2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドは、分子構造上歪を形成しており、回転運動する際に、分子構造の障害となりやすい状態となる。これにより油脂中の各トリグリセリドの分子同士が近付きにくくなることから、固化しにくい状態となる。このような特性を持つ2位に結合されたリノール酸の含有量を上記範囲とすることで、喫食したときに油脂がじゅわっとあふれでるジューシー感を感じるとともに、生地作製時には、折り畳みと圧延を繰り返すことによって生地中に可塑性油脂を層状に折り込む際に、油脂切れしにくく可塑性油脂を均一に伸ばすことができる。トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が8質量%以上である場合と23質量%以下である場合のいずれも焼成品のジューシー感、生地作製時における可塑性油脂の伸展性が向上する。この観点を考慮すると、トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量は、10〜19質量%が好ましく、11〜17質量%がより好ましい。
2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドの1位、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
2位がリノール酸であるトリグリセリドとしては、SLiS型トリグリセリド、SLiU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、ULiU型トリグリセリドが挙げられる。なお、「S」とは、飽和脂肪酸を意味する。「U」とは、不飽和脂肪酸を意味する。「Li」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるリノール酸を意味する。飽和脂肪酸Sとしては、例えば、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)などが挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。不飽和脂肪酸Uとしては、例えば、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、ヒラゴン酸(16:3)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、エイコセン酸(20:1)、エルカ酸(22:1)、セラコレイン酸(24:1)などが挙げられる。なお、上記不飽和脂肪酸についての括弧内の数値表記は、左側が脂肪酸の炭素数であり、右側が二重結合数を意味する。各トリグリセリド分子の1位と3位に結合している脂肪酸がいずれも飽和脂肪酸Sであるか、いずれも不飽和脂肪酸Uである場合、これらは同一の飽和脂肪酸S(不飽和脂肪酸U)であってもよいし、互いに異なる飽和脂肪酸S(不飽和脂肪酸U)であってもよい。油脂中のトリグリセリドとは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。
本発明の効果を得る点から、2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸Sである場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸Uである場合、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸(ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸など)であることが好ましい。2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸Sと不飽和脂肪酸Uである場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数14〜18の不飽和脂肪酸)であることが好ましい。
本発明の層状食品用油脂組成物は、(b)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して1〜18質量%である。合計含有量がこの範囲内であると、焼成品は層が剥がれにくいため上あごに張り付きにくく喫食が容易で、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにも優れる。トリグリセリドの1位、2位、3位に結合された脂肪酸のうち、2位にラウリン酸やミリスチン酸が結合されたトリグリセリドは、ラウリン酸やミリスチン酸の分子量が小さいことに起因し、分子運動がおこりやすい。そのため固化後に油脂中で、分子同士が離れやすい状態となり、体温付近の温度での油脂の融解特性にも影響する。このような特性を持つ2位に結合されたラウリン酸とミリスチン酸の合計含有量を上記範囲とすることで、多層構造である層状食品の層が細かく剥がれにくくなり、上あごに張り付きにくく喫食が容易となるとともに、可塑性油脂中のフレーバーによって、口に入ると口中温度によって油脂結晶が適度に融解することで喫食中に喉から鼻を抜けて感じられる香りの強さや広がり方、すなわちトップからミドルにかけてのフレーバーリリースも良好となる。トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が1質量%以上である場合と18質量%以下である場合のいずれも焼成品の層の剥がれにくさ、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースが向上する。この観点を考慮すると、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量は、4〜12質量%が好ましく、4〜9質量%がより好ましい。
可塑性油脂を口中に含んだ後のフレーバーリリースは、時間経過とともに変化する。油脂の風味は、大別するとトップ、ミドル、ラストに区分される。トップとは口中に入れすぐに感じる風味であり、ミドルとはその後3秒程度で感じる風味であり、ラストとは油脂が口中で喪失するまで発現される風味である。本発明の層状食品用油脂組成物は、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースに優れている。
2位にラウリン酸またはミリスチン酸が結合されたトリグリセリドの1位、3位の構成脂肪酸は、飽和脂肪酸Sまたは不飽和脂肪酸Uのいずれであってもよい。2位がラウリン酸であるトリグリセリドとしては、SLS型トリグリセリド、SLU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、ULU型トリグリセリドが挙げられる。なお、「L」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるラウリン酸を意味する。飽和脂肪酸Sまたは不飽和脂肪酸Uとしては、前述したものが挙げられる。2位がミリスチン酸であるトリグリセリドとしては、例えば、SMS型トリグリセリド、SMU型トリグリセリド(位置異性体も含む)、UMU型トリグリセリドが挙げられる。なお、「M」とは、トリグリセリドの構成脂肪酸であるミリスチン酸を意味する。各トリグリセリド分子の1位と3位に結合している脂肪酸がいずれも飽和脂肪酸Sであるか、いずれも不飽和脂肪酸Uである場合、これらは同一の飽和脂肪酸S(不飽和脂肪酸U)であってもよいし、互いに異なる飽和脂肪酸S(不飽和脂肪酸U)であってもよい。
本発明の効果を得る点から、2位にラウリン酸またはミリスチン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸Sである場合、炭素数4〜24の飽和脂肪酸であることが好ましい。2位にラウリン酸またはミリスチン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が不飽和脂肪酸Uである場合、炭素数14〜18の不飽和脂肪酸(ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)であることが好ましい。2位にラウリン酸またはミリスチン酸が結合されたトリグリセリドの1位または3位の構成脂肪酸が飽和脂肪酸Sと不飽和脂肪酸Uである場合、上述の飽和脂肪酸(炭素数4〜24の飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(炭素数14〜18の不飽和脂肪酸)であることが好ましい。
本発明の層状食品用油脂組成物は、(c)POPおよびPLiPの合計含有量がトリグリセリド全体の質量に対して8〜25質量%である。POPおよびPLiPの合計含有量がこの範囲内であると、焼成品のソフトさが良好である。油脂中のトリグリセリドのうちPOPおよびPLiPは、トリグリセリドの1位と3位に結合されたパルミチン酸(C16)の融点がステアリン酸(C18)よりも低く、2位には不飽和脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸が結合していることから、固液分離を促進するトリグリセリドとして特徴付けられ、適度な量で含有することでふんわり感のあるソフトな食感が得られる。POPおよびPLiPの合計含有量が8質量%以上である場合と25質量%以下である場合のいずれも焼成品のソフトさが向上する。この観点を考慮すると、POPおよびPLiPの合計含有量は、9〜22質量%が好ましく、10〜19質量%がより好ましい。
本発明の層状食品用油脂組成物は、PLiPの含有量がトリグリセリド全体の質量に対して1.7〜3.2質量%であることが好ましい。PLiPの含有量がこの範囲内であるとソフトさがより良好となる。
本発明の層状食品用油脂組成物は、OOOの含有量がトリグリセリド全体の質量に対して3.7〜13質量%であることが好ましく、4.5〜11質量%であることがより好ましく、5.5〜9質量%であることがさらに好ましい。ここでOOOは、1位と2位と3位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドである。OOOの含有量がこの範囲内であると、焼成品のジューシー感、生地作製時における可塑性油脂の伸展性がより良好となる。OOOは液状油に多く含まれるトリグリセリドであり、OOOを上記の適度な量で含有することによって、喫食したときに油脂がじゅわっとあふれでるジューシー感を感じるとともに、生地作製時には、折り畳みと圧延を繰り返すことによって生地中に可塑性油脂を層状に折り込む際に、油脂切れしにくく可塑性油脂が均一に伸ばすことができる。
本発明の層状食品用油脂組成物は、ヨウ素価が40〜75であることが好ましく、42〜70であることがより好ましく、50〜65であることがさらに好ましい。トリグリセリドの構成脂肪酸における不飽和結合の指標ともなるヨウ素価がこの範囲内であると、焼成品のソフトさ、ジューシーさ、層の剥がれにくさ、トップからミドルにかけてのフレーバーリリース、生地作製時の伸展性が全体的により良好となる。
本発明の層状食品用油脂組成物は、トリグリセリドの構成脂肪酸としてトランス脂肪酸を含んでもよく、含まなくてもよいが、トランス脂肪酸の摂取量が多くなると、血液中におけるLDLコレステロール量が増加しうる。よって、これを抑制しやすい点から、本発明においては、トリグリセリドの構成脂肪酸中のトランス脂肪酸の含有量は、トリグリセリドの構成脂肪酸全体の質量に対して10質量%未満であることが好ましく、5質量%未満であることがより好ましく、3質量%未満であることが最も好ましい。
ここでトランス脂肪酸の含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.4.3−2013トランス脂肪酸含量(キャピラリーガスクロマトグラフ法)」)で測定することができる。なお、トランス脂肪酸の含有量は、添加量既知の内部標準物質(ヘプタデカン酸)との面積比により算出する。
本発明の層状食品用油脂組成物は、前述のトランス脂肪酸量とするために、調合油の原料として部分硬化油を使用しないことが好ましい。
本発明の層状食品用油脂組成物の製造に用いられる油脂としては、特に限定されるものではないが、パーム油、パーム核油、ヤシ油、菜種油、大豆油、コーン油、綿実油、ヒマワリ油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、シア脂、サル脂、マンゴー油、イリッペ脂、カカオ脂、豚脂(ラード)、牛脂、乳脂、それらを加工(硬化、エステル交換反応、分別のうち1つ以上の処理)、精製(脱酸、脱臭、脱色など)したものなどが挙げられる。2位構成脂肪酸とトリグリセリドの組成を本発明の範囲内とするためには、これらの油脂のうち複数種を組み合わせた調合油を使用することが好ましい。
本発明の層状食品用油脂組成物は、例えば、以下のA油脂、B油脂、およびC油脂を組み合わせることで調製することができる。
(A油脂)
本明細書において、「A油脂」とは、トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が1〜8質量%でありヨウ素価が10〜45未満である油脂のことを指す。このようなA油脂としては、特に限定されないが、例えば、パーム系油脂、パーム系油脂を原料に含むエステル交換油脂、ラウリン系油脂などの植物油脂や、乳脂などの動物油脂を挙げることができ、2種以上を組み合せて使用することもできる。パーム系油脂としては、パーム油、パーム分別油、これらの硬化油などが挙げられ、パーム分別油としては、硬質部、軟質部、中融点部などが挙げられる。ラウリン系油脂としては、パーム核油、ヤシ油などが挙げられる。
(B油脂)
本明細書において、「B油脂」とは、トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が3〜20質量%であり、ヨウ素価が45〜65である油脂のことを指す。(但し「B油脂」としては、前述の「A油脂」および後述の「C油脂」は包含しない。)このようなB油脂としては、特に限定されないが、例えば、A油脂、C油脂以外の植物油脂、動物油脂(豚脂(ラード)、牛脂など)、これらの分別油、硬化油、エステル交換油脂が挙げられる。中でも、パーム系油脂であるパーム油、パーム分別軟質部、パーム分別軟質部のエステル交換油脂、豚脂などを組み合わせて用いることが好ましい。
(C油脂)
本明細書において、「C油脂」とは、トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が15質量%超である油脂、または1質量%未満である油脂のことを指す。
トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が15質量%超である油脂としては、特に限定されないが、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、パームスーパーオレインなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が1質量%未満である油脂としては、特に限定されないが、植物油脂もしくは動物油脂の硬化油(部分水素添加油または極度硬化油)や分別油の硬質油、これらを含む油脂を原料とするエステル交換油脂などが挙げられる。これらの中でも、植物油脂または動物油脂の極度硬化油、あるいはこれを含む油脂を原料とするエステル交換油脂を用いることが好ましい。植物油脂の極度硬化油としては、例えば、ヤシ極度硬化油、パーム極度硬化油、パーム核極度硬化油、菜種極度硬化油、大豆極度硬化油等とそれらのエステル交換油脂などが挙げられる。動物油脂の極度硬化油としては、例えば、豚脂極度硬化油、牛脂極度硬化油、魚油極度硬化油等とそれらのエステル交換油脂などが挙げられる。
なお本発明の層状食品用油脂組成物においては、上記のA油脂、B油脂、C油脂以外のその他の油脂を、上記の(a)〜(c)の条件を全て満たす範囲内にて用いてもよい。
上記のその他の油脂としては、カポック油、カカオ脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂などの各種植物油脂、動物油脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
以上で述べたA油脂、B油脂の配合割合としては、A油脂は、層状食品用油脂組成物全体の質量に対して5〜55質量%で配合することが好ましく、10〜45質量%で配合することがより好ましい。また、A油脂とB油脂の合計で層状食品用油脂組成物全体の質量に対して50〜100質量%配合することが好ましい。
2.可塑性油脂
本発明の可塑性油脂は、以上に説明した本発明の層状食品用油脂組成物を油相中に含有する。
本発明の可塑性油脂は、水相を実質的に含有しない形態と、水相を含有する形態をとることができる。水相を含有する形態としては油中水型、水中油型、油中水中油型、水中油中水型が挙げられ、油相の含有量は、好ましくは60〜99.4質量%、より好ましくは65〜98質量%であり、水相の含有量は、好ましくは0.6〜40質量%、より好ましくは2〜35質量%である。水相を含有する形態としては油中水型が好ましく、例えばマーガリンが挙げられる。
また水相を実質的に含有しない形態としてはショートニングが挙げられる。ここで「実質的に含有しない」とは日本農林規格のショートニングに該当する、水分(揮発分を含む。)の含有量が0.5質量%以下のことである。
本発明の可塑性油脂には、本発明の効果を損なわない範囲内において、水以外にも、他の成分を配合することができる。他の成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、乳、乳製品、乳製品を酵素処理した呈味剤、蛋白質、糖質、塩類、酸味料、pH調整剤、抗酸化剤、香辛料、増粘剤、着色成分、香料(フレーバー)、乳化剤、酒類、酵素、粉末油脂などが挙げられる。乳としては、牛乳などが挙げられる。これらは従来公知のものを含む。乳製品としては、脱脂乳、生クリーム、チーズ(ナチュラルチーズ、プロセスチーズなど)、発酵乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖脱脂れん乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、蛋白濃縮ホエイパウダー、ホエイチーズ(WC)、ホエイ蛋白コンセントレート(WPC)、ホエイ蛋白アイソレート(WPI)、バターミルクパウダー、トータルミルクプロテイン、カゼインナトリウム、カゼインカリウムなどが挙げられる。蛋白質としては、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、小麦蛋白などの植物蛋白などが挙げられる。糖質としては、単糖(グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノースなど)、二糖類(ラクトース、スクロース、マルトース、トレハロースなど)、オリゴ糖、糖アルコール、ステビア、アスパルテームなどの甘味料、デンプン、デンプン分解物、イヌリン(アガベイヌリン等)などの多糖類などが挙げられる、抗酸化剤としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物などが挙げられる。香辛料としては、カプサイシン、アネトール、オイゲノール、シネオール、ジンゲロンなどが挙げられる。増粘剤としては、カラギナン、キサンタンガム、アラビアガム、グァーガム、アルギン酸プロピレングリコールエステル(PGA)などが挙げられる。着色成分としては、カロテン、アナトー、アスタキサンチンなどが挙げられる。
本発明の層状食品用油脂組成物は、乳化剤を配合することが好ましい。乳化剤としては、例えば、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。本発明の層状食品用油脂組成物を製造する際には、油溶性乳化剤は油相に添加し、水溶性乳化剤は水相に添加することが好ましい。
乳化剤としては、ソルビタンモノ不飽和脂肪酸エステル、ソルビタントリステアリン酸エステルが好ましい。これらの乳化剤は主に焼成品中の油脂結晶の析出を遅延し、油脂の結晶部分と非結晶部分が分かれた形態になりやすく、焼成品のソフトさ、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースが向上する。ソルビタンモノ不飽和脂肪酸エステルとしては、ソルビタンモノオレイン酸エステルを挙げることができ、ソルビタンモノオレイン酸エステルとしては、全構成脂肪酸中にオレイン酸を含み、かつパルミチン酸とステアリン酸を含まない、オレイン酸主体の不飽和脂肪酸が全構成脂肪酸中85質量%以上、HLB値が4〜6(Griffin式(Atlas社法)による値)のものが挙げられる。ソルビタントリステアリン酸エステルとしては、パルミチン酸とステアリン酸の合計含有量が全構成脂肪酸中90質量%以上、HLB値が3.5未満(Griffin式(Atlas社法)による値)のものが挙げられる。これらの乳化剤の含有量は、ソルビタンモノ不飽和脂肪酸エステル、ソルビタントリステアリン酸エステルの合計で、層状食品用油脂組成物全体の質量に対して0.05〜6.0質量%が好ましく、0.2〜4.0質量%がより好ましい。
本発明の可塑性油脂は、セルロースエーテルを配合することが好ましい。セルロースエーテルを配合すると焼成品のジューシーさ、生地作製時の伸展性が向上する。セルロースエーテルとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、エチルヘキシルエチルセルロース(EHEC)、ヒドロキシブチルメチルセルロース(HBMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロースが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい。セルロースエーテルの平均分子量は、特に限定されないが、40000以上が好ましく、60000以上がより好ましく、20℃における2%水溶液の粘度が800mPa・s以下であることが好ましい。セルロースエーテルの含有量は、可塑性油脂全体の質量に対して0.01〜10.0質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましい。
本発明の可塑性油脂は、風味付与のため、呈味成分としてフレーバーを配合することが好ましい。フレーバーとしては、例えば、バターフレーバー、ミルクフレーバー、クリームフレーバー、チーズフレーバー、チョコレートフレーバー、コーヒーフレーバー、紅茶フレーバー、カスタードフレーバー、ナッツフレーバー、フルーツフレーバー、はちみつフレーバー、メイプルフレーバーなどが挙げられる。本発明の層状食品用油脂組成物は、油溶性フレーバーが好ましく使用される。
本発明の可塑性油脂は、公知の方法により製造することができる。例えば水相を含有する形態のものは、本発明の層状食品用油脂組成物を含む油相と水相とを適宜に加熱し混合して乳化した後、冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。水相を含有しない形態のものは、本発明の層状食品用油脂組成物を含む油相を加熱した後、冷却混合機により急冷捏和し得ることができる。より具体的には、水相を含有する形態の場合、まず油相と水相を調製する。油相は、本発明の層状食品用油脂組成物を含有し、その他に油溶性乳化剤、油溶性フレーバーなどを使用する場合には、これらを油相に添加する。水相は、水溶性の成分を使用する場合には、これらを水相に添加する。これらの油相と水相は、好ましくは50〜90℃、より好ましくは65〜85℃に加熱し、添加した成分を完全に溶解しておくことが望ましい。これらの油相と水相を加熱下で混合し乳化する。例えば、加熱された油相に加熱された水相をゆっくりと添加しながら乳化する。その後、必要に応じて、フレーバーなどの他の添加成分を加えてもよい。その後、加熱された乳化物をコンビネーター、パーフェクター、ボテーター、ネクサスなどの冷却混合機により急冷捏和し、可塑化して本発明の可塑性油脂を得ることができる。また、必要に応じて冷却混合機において窒素ガスなどの不活性ガスを吹き込んだり、急冷捏和後に、可塑性油脂を熟成(テンパリング)してもよい。
3.層状食品
本発明の可塑性油脂は、デニッシュなどの層状食品(焼成品)の生地に折り込んで使用することができる。例えば、生地の間に可塑性油脂を包み込み、その後、折り畳みと圧延を繰り返すことによって生地中に可塑性油脂を層状に折り込んで、生地と可塑性油脂の薄い層を何層にも作り上げる。そして、この可塑性油脂を含有する生地を焼成することによって、層状焼成品が得られる。生地への可塑性油脂の折り込みや、生地の焼成は、例えば公知の条件および方法に従って行うことができる。生地への可塑性油脂の折り込みは、例えば、手作業で行ってもよく、また大量生産ラインにおける層状食品のロールイン工程では、可塑性油脂を生地で包み込み、リバースシートで折り畳み、展延する。あるいは、ロールイン工程を自動的に行う装置によって、可塑性油脂を連続的なシート生地上に押し出すか、生地と可塑性油脂を同時に押し出したものを、種々の機械的操作によって所定の数の層状構造に仕上げる。その後、所望の形状となるように成形し、焼成する。この可塑性油脂は、シート状、ブロック状、円柱状、直方体状、ペンシル状、チップ状などの様々な形状とすることができる。その中でも、加工が容易である点などから、シート状とすることが好ましい。可塑性油脂をシート状とした場合のサイズは、特に限定されるものではないが、例えば、幅50〜1000mm、長さ50〜1000mm、厚さ1〜50mmとすることができる。
本発明の可塑性油脂を用いた生地は、穀粉を主成分とし、穀粉としては、通常、焼成品の生地に配合されるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、全粒粉、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉、雑穀(アワ、ヒエ、アマランサス等)、ジャガイモ粉などが挙げられる。
生地には、穀粉と本発明の可塑性油脂以外にも、通常、焼成品の生地に使用されるものであれば、特に制限なく配合することができる。また、これらの配合量も、通常、焼成品の生地に配合される範囲を考慮して特に制限なく適宜の量とすることができる。具体的には、例えば、水、乳、乳製品、蛋白質、糖質、卵、卵加工品、澱粉、塩類、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、粉末油脂、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆蛋白、膨張剤、甘味料、調味料、香辛料、着色料、フレーバーなどが挙げられる。
本発明の可塑性油脂を折り込んだ生地を用いた焼成品である層状食品としては、例えば、デニッシュ、クロワッサン、パイなどが挙げられる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(1)測定方法
油脂組成物におけるトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸の各含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)で測定した。なお、これらの含有量は、上記試験法のとおり、リパーゼ溶液で処理後のモノアシルグリセリン画分をガスクロマトグラフィーで測定した全ピーク面積である、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量を基準としている。
油脂組成物におけるPOP、PLiP、OOOの各含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)で測定し、脂肪酸量を用いて計算にて求めた。
油脂組成物のヨウ素価は、基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」で測定した。
(2)可塑性油脂および焼成品の作製
<油脂組成物の作製>
下記表1に示す脂肪酸組成、トリグリセリド組成、ヨウ素価を有する実施例1〜12、比較例1〜5の油脂組成物には、動植物油脂とその加工油であって精製したものの調合油を使用し、前述のA油脂、B油脂としてエステル交換油脂やパーム系油脂を使用し、C油脂として適宜に液状油と極度硬化油を組み合わせて調合油とした。
た。
<層状食品用マーガリンの作製>
下記表1に示す油脂組成物に、下記表2〜表4に示す質量部で乳化剤を添加し、下記表3の実施例28〜37、下記表4の実施例41〜49については、さらにヒドロキシプロピルメチルセルロースを添加して混合し、75℃に調温して油相とした。一方、水に対し脱脂粉乳および食塩を添加し、85℃で加熱殺菌して水相を得た。次に、該油相に該水相を添加し、プロペラ攪拌機で攪拌して、油中水型に乳化した後、コンビネーターによって急冷捏和し25cm×21cm×1cmのシート状に成型し、下記の配合割合の層状食品用マーガリンを可塑性油脂として得た。得られた層状食品用マーガリンは、5℃で保管した。なお、下記層状食品用マーガリンの配合は全体で100質量部である。
〈層状食品用マーガリンの配合〉
油脂組成物 84質量部
乳化剤 表2〜表4に記載の質量部
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 表3、表4に記載の質量部
脱脂粉乳 1.5質量部
食塩 1質量部
バターフレーバー 0.1質量部
水 残部
乳化剤とヒドロキシプロピルメチルセルロースは次のものを使用した。
(グリセリン脂肪酸エステル)
モノグリセリン脂肪酸エステル エマルジーMS 理研ビタミン株式会社製
(レシチン)
レシチンM 昭和産業株式会社製
(ソルビタン脂肪酸エステル1)
ソルビタントリステアリン酸エステル ポエムS−65V 理研ビタミン株式会社製
パルミチン酸とステアリン酸の合計含有量 98.0質量%
パルミチン酸/ステアリン酸(質量比) 0.9
HLB 3.0
(ソルビタン脂肪酸エステル2)
ソルビタンモノオレイン酸エステル ポエムO−80V 理研ビタミン株式会社製
パルミチン酸とステアリン酸の合計含有量 0質量%
HLB 4.9
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース1)
メトセルK4M ダウ・ケミカル社製 2%水溶液(20℃)粘度:588mPa・s
(ヒドロキシプロピルメチルセルロース2)
メトセルK100M ダウ・ケミカル社製 2%水溶液(20℃)粘度:754mPa・s
<デニッシュの作製>
上記実施例1〜12、比較例1〜5の油脂組成物を原料とした各層状食品用マーガリンを用いて、下記の配合および作製条件でデニッシュを作製した。具体的には層状食品用マーガリンおよび練り込み用ショートニング以外の材料をミキサーに投入し、低速3分、中低速5分ミキシングを行った後、練り込み用ショートニングを入れ低速2分、中低速4分ミキシングを行い、生地を得た。この生地を、フロアタイムをとった後、0℃で一晩リタードさせた。この生地に層状食品用マーガリンを折り込み、3つ折り2回を加え−10℃にて30分リタードし、3つ折り1回を加え−10℃にて60分リタードさせた。その後シーターゲージ厚3mmまで延ばし、10cm角(10cm×10cm)にカットし、ホイロ後、焼成してデニッシュを得た。
〈デニッシュの配合〉
強力粉 90質量部
薄力粉 10質量部
上白糖 10質量部
食塩 1.8質量部
脱脂粉乳 3質量部
全卵 6質量部
練り込み用ショートニング 8質量部
(ミヨシショートニングZ:ミヨシ油脂(株))
イースト 5質量部
イーストフード 0.1質量部
水 53質量部
層状食品用マーガリン 生地100質量部に対して21質量部
〈デニッシュの作製条件〉
ミキシング: 低速3分、中低速5分、(練り込み用ショートニング投入)、
低速2分、中低速4分
捏上温度: 25℃
フロアタイム:27℃ 75% 30分
リタード: 0℃ 一晩
ロールイン: 3つ折り×2回 −10℃にてリタード30分
3つ折り×1回 −10℃にてリタード60分
成型: シーターゲージ厚3mm 10cm角(10cm×10cm)にカット
ホイロ: 35℃ 75% 60分
焼成: 200℃ 14分
(3)評価
実施例および比較例の各層状食品用マーガリンおよびその焼成品であるデニッシュについて表2において次の評価を行った。
[作業性(伸展性)]
上記デニッシュの作製工程において、層状食品用マーガリンを生地に折り込み、生地を伸展させた際の層状食品用マーガリンの状態を以下の基準で評価した。
評価基準
◎:生地とともに非常によく伸び、割れもなく、良好な伸展性を示す。
○:割れずに生地とともに伸びており、伸展性がある。
△:伸びがやや悪く、わずかに割れがみられて伸展性が劣る。
×:伸びが悪く、割れがある。
上記において焼成したデニッシュをパネルにより試食し、以下の基準で官能評価を行った。なお評価を行ったパネルに関して、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20〜40代の男性8名と女性12名をパネルとして選抜した。
[デニッシュのソフトさ]
上記において層状食品用マーガリンを生地に折り込んで焼成したデニッシュを、2時間室温で放冷した後、20℃にて1日保管したものをパネル20名で試食し、デニッシュのソフトさを以下の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル20名中16名以上が良好であると評価した。
○:パネル20名中11〜15名が良好であると評価した。
△:パネル20名中6〜10名が良好であると評価した。
×:パネル20名中良好であると評価したのは5名以下であった。
[デニッシュのジューシーさ]
上記において層状食品用マーガリンを生地に折り込んで焼成したデニッシュを、2時間室温で放冷した後、20℃にて1日保管したものをパネル20名で試食し、油脂がじゅわっとあふれでることを感じた場合を良好とし、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル20名中16名以上が良好であると評価した。
○:パネル20名中11〜15名が良好であると評価した。
△:パネル20名中6〜10名が良好であると評価した。
×:パネル20名中良好であると評価したのは5名以下であった。
[デニッシュの層の剥がれにくさ]
上記において層状食品用マーガリンを生地に折り込んで焼成したデニッシュを、2時間室温で放冷した後、20℃にて1日保管したものをパネル20名で試食し、デニッシュの層が剥がれて上あごに張り付かず、喫食の困難さを伴わない場合を良好とし、以下の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル20名中16名以上が良好であると評価した。
○:パネル20名中11〜15名が良好であると評価した。
△:パネル20名中6〜10名が良好であると評価した。
×:パネル20名中良好であると評価したのは5名以下であった。
[デニッシュのトップからミドルにかけてのフレーバーリリース]
上記において層状食品用マーガリンを生地に折り込んで焼成したデニッシュを、2時間室温で放冷した後、20℃にて1日保管したものをパネル20名で試食し、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースを以下の基準で評価した。
ここでフレーバーリリースは、口中に入れた直後から、その後3秒程度までの間に感じるフレーバー感をトップからミドルにかけてのフレーバーリリースとして評価した。
評価基準
◎:パネル20名中16名以上が良好であると評価した。
○:パネル20名中11〜15名が良好であると評価した。
△:パネル20名中6〜10名が良好であると評価した。
×:パネル20名中良好であると評価したのは5名以下であった。
表3と表4においては、実施例1と実施例4の各々の油脂組成物について、作業性(伸展性)と、デニッシュのソフトさ、ジューシーさ、層の剥がれにくさ、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにおける上記評価が、表2の実施例13(表3の実施例25)、表2の実施例16(表4の実施例38)の場合を基準として、それと区別される程度により良好となる場合を◎+として評価した。
上記の評価結果を表2〜表4に示す。
Figure 2018113910
Figure 2018113910
Figure 2018113910
Figure 2018113910
表2より、実施例1〜12の油脂組成物を使用した実施例13〜24は、焼成品がソフトでかつジューシーさに富み、層が剥がれにくいため上あごに張り付きにくく喫食が容易で、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにも優れ、生地作製時の伸展性が良く、いずれも本発明の課題を解決している。実施例1、2、4の油脂組成物を用いた実施例13、14、16はいずれの評価も特に良好である。
実施例1、2、4を基準として、実施例7はトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量がやや少なく、OOOの含有量もやや少なく、生地作製時の伸展性の評価がやや下がる。実施例9はトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量がさらに少なく、OOOの含有量もさらに少なく、ヨウ素価も低くなり、焼成品のジューシーさと生地作製時の伸展性に加えて、トップからミドルにかけてのフレーバーリリース、ソフトさの評価がやや下がる。実施例3、実施例8、実施例10はトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量がやや多く、焼成品のジューシーさと生地作製時の伸展性の評価がやや下がる。これらのうち実施例3はトリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量がやや少なく、層の剥がれにくさとトップからミドルにかけてのフレーバーリリースの評価がやや下がる。実施例8、実施例10はヨウ素価がやや高い。そしてトリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量がやや少なく、層の剥がれにくさとトップからミドルにかけてのフレーバーリリースの評価がやや下がるとともに、POPおよびPLiPの合計含有量、PLiPの含有量がやや少なく、ソフトさがの評価がやや下がる。
実施例5はトリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量がやや少なく、実施例12ではやや多く、これらは層の剥がれにくさとトップからミドルにかけてのフレーバーリリースの評価がやや下がる。
実施例6、実施例11はPOPおよびPLiPの合計含有量が多めで、焼成品のソフトさの評価がやや下がる。
比較例1はトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が少なく、トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が多い。ヨウ素価もかなり低く、いずれの評価も本発明の課題を解決し得るものではない。
比較例2はトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が多く、POPおよびPLiPの合計含有量が少ない。そのため層状食品用マーガリンが軟らかくなり、生地作製時にはマーガリンが生地に練りこまれてしまう。その結果として焼成品の層の形成が悪く、ソフトさが失われ、ジューシーさとフレーバーリリースも悪くなり、層の剥がれにくさ以外の評価はいずれも本発明の課題を解決し得るものではない。
比較例3はトリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が少ない。層の剥がれにくさとフレーバーリリースの評価はいずれも本発明の課題を解決し得るものではない。
比較例4はPOPおよびPLiPの合計含有量が少なく、ソフトさの評価は本発明の課題を解決し得るものではなく、焼成品のジューシーさも失われる傾向である。比較例5はPOPおよびPLiPの合計含有量が多く、伸展性が悪くなるため、結果として焼成品のソフトさが失われ、層の剥がれにくさとフレーバーリリースの評価はいずれも本発明の課題を解決し得るものではない。
表3、表4では、乳化剤としてソルビタントリステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル(実施例26〜31、34〜37、39〜44、47〜49)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(実施例28〜37、実施例41〜49)を配合した。油脂組成物におけるトリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量、トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量、POPおよびPLiPの合計含有量などに起因する各評価の相対的な傾向は乳化剤などの他成分を変更しても概ね共通するが、乳化剤としてモノグリセリン脂肪酸エステルのみ使用した実施例25、実施例38と、実施例26、27、実施例39、40との対比より、ソルビタントリステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステルの使用によって焼成品のソフトさ、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースが向上する傾向を示す。セルロースエーテルであるヒドロキシプロピルメチルセルロースは、焼成品のジューシーさ、生地作製時の伸展性が向上する傾向を示す。
以上より、油脂組成物が(a)トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して8〜23質量%、(b)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して1〜18質量%、(c)POPおよびPLiPの合計含有量がトリグリセリド全体の質量に対して8〜25質量%であると、これら全体のバランスによって、焼成品はソフトでかつジューシーさに富み、層が剥がれにくいため上あごに張り付きにくく喫食が容易で、トップからミドルにかけてのフレーバーリリースにも優れ、生地作製時の伸展性が良い。PLiPの含有量がトリグリセリド全体の質量に対して1.7〜3.2質量%であるとソフトさがより良好となる。OOOの含有量がトリグリセリド全体の質量に対して3.7〜13質量%であると、焼成品のジューシー感、生地作製時における可塑性油脂の伸展性がより良好となる。ヨウ素価が40〜75であると、焼成品のソフトさ、ジューシーさ、層が剥がれにくさ、トップからミドルにかけてのフレーバーリリース、生地作製時の伸展性が全体的により良好となる。

Claims (6)

  1. 以下の(a)〜(c)を満たす層状食品用油脂組成物:
    (a)トリグリセリドの2位に結合されたリノール酸の含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して8〜23質量%
    (b)トリグリセリドの2位に結合されたラウリン酸と、トリグリセリドの2位に結合されたミリスチン酸との合計含有量が、トリグリセリドの2位構成脂肪酸全体の質量に対して1〜18質量%
    (c)POPおよびPLiPの合計含有量がトリグリセリド全体の質量に対して8〜25質量%(POPは1位と3位にパルミチン酸、2位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドであり、PLiPは1位と3位にパルミチン酸、2位にリノール酸が結合されたトリグリセリドであり、Pはパルミチン酸、Oはオレイン酸、Liはリノール酸を示す。)。
  2. PLiPの含有量がトリグリセリド全体の質量に対して1.7〜3.2質量%である請求項1に記載の層状食品用油脂組成物。
  3. OOOの含有量がトリグリセリド全体の質量に対して3.7〜13質量%である請求項1または2に記載の層状食品用油脂組成物(OOOは1位と2位と3位にオレイン酸が結合されたトリグリセリドである。)。
  4. ヨウ素価が40〜75である請求項1〜3のいずれか一項に記載の層状食品用油脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の層状食品用油脂組成物を含有する可塑性油脂。
  6. 請求項5に記載の可塑性油脂を生地に折り込み、この生地を焼成する層状食品の製造方法。
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