JP2018108870A - ワーク搬送装置 - Google Patents

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哲行 木村
Tetsuyuki Kimura
哲行 木村
孝信 大西
Takanobu Onishi
孝信 大西
峰尚 前田
Minehisa Maeda
峰尚 前田
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Abstract

【課題】騒音を発生させることなく、微細化されたワークであっても確実にワークの受け渡しを行うことができ、さらに、フィーダ本体に場所によって振幅差、ワークに速度差が生じるという不具合を解消し得るワーク搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送トラック10xを備えた弾性変形可能な搬送部10aと、搬送部10aに進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、進行波発生手段が発生させた進行波により、搬送トラック10x上のワークWを搬送するように構成したものである。そして、その搬送部10aが、1つの断面に2以上の搬送トラック10xo、10xiが現れる箇所を有するものであり、搬送部10aの間欠位置に搬送部10aのたわみ変形の水平振幅を増大させるスリット8を、かかる断面に現われる2以上の搬送トラック10xo、10xiの各位置でスリット深さ8do、8diが異なるようにボールフィーダを構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、進行波によりワークを搬送するワーク搬送装置に係り、特にワークの速度を適正化し得るワーク搬送装置に関する。
一般に、パーツフィーダは、ホッパによって供給されたワークを貯蔵し、らせん状に搬送されながらおおまかな整列を行うらせん型ワーク搬送装置の一つであるボウルフィーダと、ボウルフィーダから供給されたワークを直線搬送させながら決められた方向に整列し次工程へ供給する直線型ワーク搬送装置の一つであるリニアフィーダとからなっている(例えば特許文献1)。
ボウルフィーダは、ボウル全体が剛体で構成されており、この剛体に電磁式の加振源とバネによって振動を与えることで、搬送部上のワークに搬送力を付与するように構成されている。
特開2003−206019号公報
ところで、近年ワークの高速化および微細化が進んでおり、特許文献1に開示の構成でワークの搬送速度を上げるためには、ボウルフィーダやリニアフィーダの振動振幅を大きくすることが考えられる。しかしながら、ボウルフィーダやリニアフィーダの振幅を大きくすると、ボウルフィーダ外周部やリニアフィーダ始端部の水平振幅が大きくなるので、ボウルフィーダとリニアフィーダとのインターフェース部間の隙間を広げる必要があり、近年ワークの微細化が進んでいることとあいまって、かかるインターフェース部間にワークが落下したり、ワークの詰まりが生じるおそれがある。
そこで、板バネの共振で振動されるボウルフィーダの駆動部の周波数を上げ、変位振幅を小さくすることで、搬送速度を上げることが考えられる。しかしながら、一般的に300Hz程度である駆動部の周波数をこれ以上に上げると、人間の耳の感度が高い1kHz〜4kHzの周波数に近づき、騒音が発生する可能性がある。また、板バネで共振させる構造では、300Hzを超えて周波数を上げるには限界がある。
とくに、ボウルフィーダは上記のように剛体であるボウルに振動を与えるため、ボウルの内周部よりも外周部の方が振幅は大きくなる傾向にあるので、内周部と外周部で搬送速度の差が大きくなる場合がある。このため、場所によってワークが跳躍したり、遅すぎて滞留の原因になる場合がある。さらにまた、このような現象は、例えば1本の搬送トラックのみに着目しても、搬送位置によって速度差が生じる場合がある。そして、このように搬送部内を搬送されるワークに速度差が生じる場合であっても、フィーダ本体が剛体で構成されて全体が振動している場合には、速度調整を図ることは難しい問題があった。
そこで、搬送部を弾性変形させて進行波搬送させることが考えられる。しかし、進行波を利用した搬送の場合、フィーダ本体の固定箇所によっては搬送部の各場所で振幅の大きさが異なり、速度のアンバランスが発生してしまう。例えば、フィーダ中央部を固定する場合には、固定される部位に近い箇所は振幅が小さく、遠くなるほど振幅が大きくなる傾向にあり、速度アンバランスが発生するといった問題がある。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、騒音を発生させることなく、微細化されたワークであっても確実にワークの受け渡しを行うことができ、さらに、フィーダ本体に場所によって振幅差、ワークに速度差が生じる不具合にも対処でき、さらに積極的にワークに速度差をつけたい場合にも利用できる、従来にはないワーク搬送装置を提供することを目的としている。
本発明は、以上のような問題点を鑑み、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のワーク搬送装置は、搬送トラックを備えた弾性変形可能な搬送部と、前記搬送部に進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記搬送トラック上のワークを搬送するように構成したものにおいて、前記搬送部が、1つの断面に2以上の搬送トラックが現れる箇所を有するものであり、前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、前記断面に現われる2以上の搬送トラックの各位置でスリット深さが異なるように設けたことを特徴とする。
このような構成であると、進行波発生手段が搬送部に進行波を発生させてワークを搬送することにより、搬送部の水平振幅が0に近くなり、搬送装置と隣接装置とを近接させることができるので、ワークが微細であっても、搬送装置と隣接装置とのインターフェース部間にワークが落下することや詰まることを抑制できる。また、進行波の周波数を例えば超音波領域にまで上げたとしても、従来の板バネの共振を利用する構成のように騒音が発生することがなく、進行波により、搬送部上でワークを高速で搬送させることができる。
そして、スリットには深さが深いほど搬送面の水平振幅が大きくなり搬送速度が速くなるという特質があるため、搬送部が周回している場合や、2種類の搬送部が並走している場合において、インターフェース部間で不具合が生じない範囲で搬送トラックの各位置におけるスリット深さが異なっていることで、速度調整がされた状態となる。このような構造は、各搬送トラックの位置で搬送部の厚みが同じ場合であっても速度変化をつけたい場合に有効となる。
前記搬送部が、1つの断面に現われる2以上の搬送トラックの各位置で搬送部の厚みが異なる場合には、前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、前記断面に現われる2以上の搬送トラックの各位置で搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離が等しくなるように設けておくことが望ましい。
このようにすると、インターフェース部間の問題や騒音の問題を解消するとともに、搬送部の厚みが異なる構造であっても、中立軸から搬送面までの距離が大きいほど水平振幅が大きくなり搬送速度が速くなるという特質に基づき、並走する搬送トラックの各位置における中立軸から搬送面までの距離を等しくすることで、各搬送トラックでのワークの搬送速度が揃った状態となる。このような構造は、スリット深さと中立軸の関係が明確に規定できる構造に有効となる。
また、本発明のワーク搬送装置は、搬送トラックを備えた弾性変形可能な搬送部と、前記搬送部に進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記搬送トラック上のワークを搬送するように構成したものにおいて、前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、搬送位置によってスリット深さが異なるように設けたことを特徴とする。
このような構成を通じ、搬送部や搬送トラックがどのような形状、種類であるかによらず、搬送部上の各搬送位置に設けるスリット深さが適宜に異なれば、ワークの搬送速度が調整された状態になる。例えば、ある箇所においてワークの姿勢判別等のために速度を落としたい場合や、逆にある箇所を早く通過させたい場合等に、搬送部の厚みが同じでスリット深さに変化をつければ、速度調整が実現された状態となる。
前記搬送部が、搬送位置によって搬送部の厚みが異なる場合には、前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、搬送位置によって搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離が等しくなるように設けておくことが望ましい。
このようにすると、搬送トラックがどのような形状、種類であるかによらず、搬送部上、搬送部上の各搬送位置での厚みが異なる場合において、中立軸から搬送面までの距離が等しければ、それらの搬送速度が揃った状態となる。
また、本発明のワーク搬送装置は、搬送トラックを備えた弾性変形可能な搬送部と、前記搬送部に進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記搬送トラック上のワークを搬送するようワーク搬送装置の製造方法であって、前記搬送部の複数個所に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを設けるにあたり、スリット深さ又は搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離をパラメータとして搬送トラック上のワークの搬送速度を調整することを特徴とする。
このようにすれば、搬送トラック上の適宜の搬送位置でワークの搬送速度を簡単、適切に調整したワーク搬送装置を製造することができる。
以上、説明した本発明によれば、搬送部を次工程装置に近接させて、ワークが微細であっても、搬送部と隣接工程装置とのインターフェース部間への落下や詰まりを抑制できるとともに、特に超音波振動により進行波を発生させることで騒音を発生させることがなく、さらにスリット深さや中立軸から搬送面までの距離を調整することにより、搬送部上でワークを適切な速度で搬送させることができる、新規有用な搬送装置を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るワーク搬送装置であるボウルフィーダを示す斜視図。 図1に示すボウルフィーダを一部破断して示す斜視図。 同ボウルフィーダに備わる搬送部の模式的な図。 同搬送部に進行波を発生させるための圧電素子の構造を示す図。 スリットがない搬送部に進行波が発生する状態を説明するための図。 スリットがない搬送部に進行波が発生する状態を説明するための図。 進行波の一般的な搬送原理を説明するための図。 同実施形態における中立軸と搬送面との関係を説明するための図。 スリットを設けた搬送部に進行波が発生する状態を説明するための図。 図2の部分拡大図。 らせんワーク型搬送装置であるボウルフィーダおよび直線型ワーク搬送装置であるリニアフィーダによって構成されているパーツフィーダを示す斜視図。 本発明のワーク搬送装置の変形例を示す斜視図。 本発明の搬送トラックの変形例を示す図。 本発明のスリットの変形例を示す図。 圧電素子の他の変形例を示す図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係る螺旋型ワーク搬送装置であるボウルフィーダ1が適用されるパーツフィーダPFを示している。このパーツフィーダPFは、ボウルフィーダF1とリニアフィーダF2とから構成されており、ボウルフィーダF1に供給されたワークWをらせん状に登坂させて搬送した後、近接配置したリニアフィーダF2に受け渡して更に搬送させるものである。図示例のボウルフィーダF1は、フィーダ本体100が剛体で構成されて中央部を止着具100aで固定されるとともに、フィーダ本体100が図示しないバネを介して支持されており、電磁式の加振源Pによってフィーダ本体100の全体に振動を与えることで搬送部上のワークを搬送する従来方式のものである。
図1はそのうちのボウルフィーダF1に代替される螺旋型ワーク搬送装置(以下、ボールフィーダ1と称する)を示している。図11のボウルフィーダF1とは搬送方向が異なる図示となっているため、リニアフィーダF2と組み合わせるときには出入口が合致するように搬送方向を揃える。このボウルフィーダ1は、ワークWを収容可能なフィーダ本体10と、このフィーダ本体10の搬送部10aに進行波を発生させる図3に示す進行波発生手段3とを含んで構成される。搬送部10aはたわみ進行波を生成する弾性部材で構成されており、進行波発生手段3は、圧電素子を用いた駆動手段31によって搬送部10aにたわみ変形を引き起こす。
図1および図2に示すようにフィーダ本体10は、平坦な中央部11と、この中央部11から外周に向かって下り勾配で傾斜する円錐部12と、この円錐部12の外周側より外周に向かって登り勾配で傾斜する逆円錐部14と、円錐部12から逆円錐部14までの間に形成された平坦なワーク溜まり部13と、逆円錐部14の外側に位置する外縁部15とを、底面16の位置を揃えて一体に設けたもので、中央部11が押え板17を介して止着具18により支持基部である台座19に固定され、中央部11以外の部位が接地面Fから浮いた状態に設けられている。
そして、搬送部10aに搬送トラックの一形態であるらせんトラック10xを形成している。このらせんトラック10xは、一端10x1がワーク溜まり13の外周に接続され、そこから螺旋状に1回以上周回して他端10x2にまで延び、外縁部15に設けた出口10zに連なるようにフィーダ本体10の表面に溝を凹設することによって構成されている。出口10zはワークWが滑り落ちるように傾斜がつけてある。
フィーダ本体10は、20kHz以上の超音波振動で、中心線mの回りに少なくとも2つ以上の上下方向のたわみ波を発生させることが可能な程度の弾性を有する部材で構成されている。
図2に示すように、進行波発生手段3を構成する駆動手段31は、らせんトラック10xが形成された逆円錐部14から外縁部15に亘る部分の底面16に張り付けられている。駆動手段31は圧電素子を用いたもので、搬送部10aにほぼ沿う形で中心線mの周方向に伸縮することで搬送部10aに形成されたらせんトラック10xにたわみを発生させる。複数の駆動手段(圧電素子)31は、図3に示すように、振動モードの腹の位置に1/2波長間隔で極性を交互に入れ替えて張り付けられている。また駆動手段31は、周波数を同じにしつつ、空間的に波の位相が90°ずれた2つのたわみ定在波モードで効率良く加振するために、加振する領域のうちフィーダ本体10の略半周を第1加振領域A、残り略半周を第2加振領域Bとして、第1加振領域Aと第2加振領域Bに駆動手段31を、進行波の波長の3/4波長分だけ空間的位相をずらして貼り付けるとともに、2相交流信号発信部30で発生させた90°位相の異なる交流信号を第1のアンプ32aおよび第2のアンプ32bを介して第1加振領域Aおよび第2加振領域Bの各駆動手段31に印加している。
図4は駆動手段31として用いられる電極一体型構造の圧電素子Rの構造例を示している。図では直線状に表してあるが、本実施形態では円環状に成形して適用される。この圧電素子Rは、電極が一枚一枚貼り付けられる一般的な構造とは異なり、セラミック部分r1を一体化して、電極r2のみ別々にしている。これにより、貼り付け作業の軽減、貼り付け精度の向上を図ることができる。
また、図3に示す2相交流信号発信部30は、波形選択部30aで選択された波形の周波数を加振周波数調整手段30bで調整し、第1の振幅調整手段30cで振幅調整した後に第1のアンプ32aに、また電気的位相調整手段30dで位相を調整した上で第2の振幅調整手段30e振幅調整した後に第2のアンプ32bに、それぞれ入力している。なお、定在波とは、共振するとその場で単に上下に振動するものである。図5は搬送部10aに0°定在波モードが生じた状態を示しており、この図5から中心線の回りに円周方向へ90°ずれた位置に山と谷を有するもう一つの定在波モードである90°定在波モードが発生する。
このような駆動手段31により、搬送部10aに、周方向に沿って2箇所に時間的に位相を90°ずらした超音波の正弦波振動を与えると、空間的かつ時間的に90°ずれた2つの定常波が重ね合わされ、搬送部10a自体が共振して弾性変形し、たわみ振動が進行波となる。進行波が発生した搬送部10aの一点Zでは、図6に示すように、起算点t=0からt=3/4Tを経て楕円振動が生じる。また、搬送部10aに生成された進行波によって、波の頂点の一点ZでワークWに力が働き、ワークWと搬送部10aとの間に図7に示すように摩擦力eが発生することで、楕円振動の水平成分(水平振幅)の推進力により、進行波の進む方向(図7に示す矢符d)と逆方向(図7に示す矢符c)にワークWが搬送される。搬送部10aでこのようなたわみ波の進行波が循環することで、ワークWはらせんトラック10xを登坂する。
ここで、本実施形態を図11の構成と比較する。図11に示すフィーダ本体100の全体が剛体として振動すると、外周側ほど振幅が大きくなるため、すり鉢状に開くらせんトラック100xを登坂するほど、すなわち、外側のワークWほど速度が速くなり、外側でワークWが跳躍し易い。それを抑えるために、加振力を弱めると、今度は内側でワークWが速度不足になって滞留の原因になるというジレンマがある。これに対して、図2に示すような圧電素子を用いた本実施形態の駆動手段31であれば、剛体全体が振動する構造ではないため、外側での振幅は小さく抑えることができる。ただし、やはり場所によってワークWに速度差が生じる点で事情は類似する。具体的には、フィーダ本体10の底面16に駆動手段31を貼り付けた場合、搬送部10aの表面である搬送面までの距離が大きいほど、ワークWの速度が速くなる現象が生じる。
これは、搬送部10aに生じる楕円振動(図7参照)の水平成分が大きいほど搬送速度が大きくなることに起因する。また、垂直成分が小さいほどワークの跳躍は抑えられる。すなわち、楕円形状の水平/垂直振幅比が大きいか小さいかで、ワーク搬送の速度や跳躍の程度が決まってくる。
そこで、水平振幅が小さいためにワークWの速度が遅い箇所での水平振幅を大きく、垂直振幅を小さくするために、図7に示す搬送部10aの中立軸Nから搬送部10aの表面である搬送面24までの距離Eを大きくすることを考える。中立軸Nは、基本的には厚みの中心に位置するが、図8に示すようにスリット8を入れると中立軸Nが下に位置するため、中立軸Nから搬送面24´までの距離Eを大きくすることができる。
スリット8を設けた場合の進行波の挙動を図9に示す。図7に示したように、ワーク搬送面24にスリット8が形成されていない場合は中立軸Nが搬送部20の厚み方向中央に位置するが、図9に示すようにワーク搬送面24´にスリット8が形成されることで中立軸Nが下がるので、進行波によりワーク搬送面24´に発生する水平成分(水平振幅)が垂直成分に比して大きくなり、ワークWの跳躍を抑えつつ、ワークWにかかる水平方向の推進力ひいては速度が増大する。
このような関係を踏まえれば、その距離Eは、スリット深さ8dを変えることによって調整することができる。そこで、本実施形態では、搬送部10aに場所によってスリット深さdを異ならせている。図1および図2に示す本実施形態のスリット8は、中心mから放射状に延びる方向に等角間隔で設けたもので、スリット8の溝底位置8zを搬送部10aの位置、特にらせんトラック10xの位置に応じて異ならせている。
具体的には、図示例のスリット8は、逆円錐部12からワーク溜まり部13を経て円錐部14に亘る領域に円弧状に切り込んで形成しているもので、特に1つの断面の2箇所に現われるらせんトラック10xi、10xoに着目した場合、外周側のらせんトラック10xoが位置するスリット8のスリット深さ8doに対して内周側のらせんトラック10xiが位置するスリット8のスリット深さ8diの方が深くなるようにしている。本実施形態では、スリット8は図示しない円盤状のカッタで加工し、溝底Zの形状はカッタの刃の形(円形)に沿った形状となっている。その場合、カッタの刃の中心が搬送部10aの厚みの薄い部分に位置するようにカッタを配置して加工を行う。
その結果、スリット8の深さ8dは、搬送部8aの厚みに応じて変化し、厚い箇所ほど浅く、薄い箇所ほど深くなる。
これにより、搬送面24の径方向に沿って、図10に示すように中立軸Nから搬送面24までの距離Eo、Eiがほぼ均一になる。その結果、楕円の水平/垂直振幅比が場所によらず一定となる。
さらに、ボウル状のフィーダ本体10のうち内側のスリット8の深い箇所では、剛性が下がり、外側と内側の垂直振幅差も小さくなる。その結果、場所によらずワークWの搬送速度および跳躍状態が一定となり、ワークWのスムーズな搬送が可能となる。
以上のように、本実施形態のワーク搬送装置であるボウルフィーダ1は、搬送トラック10xを備えた弾性変形可能な搬送部10aと、搬送部10aに進行波を発生させる進行波発生手段3とを備え、進行波発生手段3が発生させた進行波により、搬送トラック10x上のワークWを搬送するように構成したものである。
そして、その搬送部10aが、1つの断面に2以上の搬送トラック10xo、10xiが現れる箇所を有するものであり、搬送部10aの間欠位置に搬送部10aのたわみ変形の水平振幅を増大させるスリット8を、かかる断面に現われる2以上の搬送トラック10xo、10xiの各位置でスリット深さ8do、8diが異なるようにしている。
このように、進行波発生手段3が搬送部10aに進行波を発生させてワークWを搬送することにより、搬送部10aの水平振幅が0に近くなり、ボウルフィーダ1と隣接装置である図11のリニアフィーダF2とを近接させることができるので、ワークWが微細であっても、ボウルフィーダ1とリニアフィーダF2とのインターフェース部間にワークが落下することや詰まることを抑制できる。また、進行波の周波数を例えば超音波領域にまで上げたとしても、従来の板バネの共振を利用する構成のように騒音が発生することがなく、進行波により、搬送部上でワークを高速で搬送させることができる。
そして、スリット8は深さが深いほど搬送面24の水平振幅が大きくなり搬送速度が速くなるという特質を利用し、搬送部10aが周回している場合において、インターフェース部間で不具合が生じない範囲で搬送トラック10xo、10xiの各位置におけるスリット深さ8do、8diが異なっていることで、速度調整がされた状態にすることができる。このような構造は、各搬送トラック10xo、10xiの位置で搬送部10aの厚みが同じ場合であっても積極的に速度調整を行いたい場合等にも有効となる。
別の見方をすれば、この実施形態のボウルフィーダ1は、搬送部10aが、1つの断面に2以上の搬送トラック10xo、10xiが現れる箇所を有し且つ各搬送トラック10xo、10xiの位置で搬送部10aの厚みが異なるものであり、搬送部10aの間欠位置にたわみ変形の水平振幅を増大させるスリット8を、かかる断面に現われる2以上の搬送トラック10xo、10xiの各位置で搬送部10aの厚みの中心である中立軸Nから搬送部8aの表面である搬送面24までの距離Eが等しくなるように設けたものである。
このような観点から見た場合、インターフェース部間の問題や騒音の問題を解消するとともに、搬送部10aの厚みが異なる構造であっても、中立軸Nから搬送面24までの距離Eが大きいほど水平振幅が大きくなり搬送速度が速くなるという特質に基づき、並走する搬送トラック10xo、10xiの各位置における中立軸Nから搬送面24までの距離Eを等しくすることで、各搬送トラック10xo、10xiでのワークWの搬送速度を揃った状態にすることができる。このような構造は、スリット深さ8dと中立軸Nの関係が明確に規定できる構造においては特に有効となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、本発明は、図11に示すリニアフィーダF2に対して図12のようにスリット28を設けた構造とする場合にも有効である。このリニアフィーダ2は、搬送部がU字状をなすリターントラック21と、その一部の外側に並走する直線状のメイントラック22とを有し、両トラック21、22を含む搬送部の領域にスリット28を設けたもので、適正姿勢のものはメイントラック22を通って排出口22aより排出される一方、姿勢が不適切なワークは図示しないエア噴射手段によってリターントラック21に落とされ、リターントラック21を周回してワーク戻し口21aより図11に示すボウルフィーダF1に戻されようにしている。このような構成において、メイントラック22を搬送されるワークの速度がリターントラック21を搬送されるワークの速度よりも速い場合等に、メイントラック22におけるスリット深さとリターントラック21におけるスリット深さを異ならせることで、両トラックでワークの並走速度を揃えたり、ワークの跳躍防止を図ることができる。
また、本発明は並走する搬送トラック間でワークの速度調整をする場合に限らず、例えば、図13(a)、図13(b)のような構成に適用することもできる。図13(a)は直線状に延びる1本の搬送トラック110xにスリット108を、搬送位置によってスリット深さや中立軸から搬送面までの距離が異なるように設けもので、図中破線L1はスリットの溝底の位置を示し、破線L2は中立軸の位置を示している。また、図13(b)は蛇行する1本の搬送トラック210xにスリット208を、搬送位置によってスリット深さや中立軸から搬送面までの距離が異なるように設けたもので、図中破線L3はスリットの溝底の位置を示し、破線L4は中立軸の位置を示している。或いは、図示しないが平面内を渦巻き状に延びる1本の搬送トラックにスリットを、搬送位置によってスリット深さや中立軸から搬送面までの距離が異なるように設けた場合等にも、ワークの速度調整がされたワーク搬送装置として利用に供することができる。これにより、姿勢判別等のために速度を落としたり、逆にある箇所を早く通過させたい構造が実現される。
さらに、スリットは図2に示したように円盤状のカッタで加工した形状に限らず、スリット深さについても、中立軸からの距離が完全に等しくすることまでは必要ではない。例えば、図14に示すボウルフィーダ401は、円錐部412、ワーク溜まり413、逆円錐部414のそれぞれの領域において、直線状の溝底を連ねたスリット408を設けたものであり、円錐部412、ワーク溜まり413、逆円錐部414におけるフィーダ本来410の厚みの相違に対して、中立軸Nから搬送面424までの距離D1〜D3が近似したものとなっている。このように、スリットの形状は種々に設定することができる。
さらにまた、本発明を構造ではなく製法に着目した場合、搬送部上のワークの速度調整を図るべく、搬送部の複数個所に進行波による搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるためにスリットを、スリット深さ又は搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離をパラメータとしながら形成するという手法を用いれば、ワーク搬送装置の製造過程におけるあらゆる局面において製造の便と搬送速度の調整精度を格段に向上させることが可能となる。
さらにまた、図15に示す圧電素子R´のように、電極r2´、r3´は別体とし、セラミック部r1´のみ一体化した圧電(セラミック)一体型としてもよい。このようにしても、貼り付け作業の軽減や貼り付け精度の向上を図れる点で、上記実施形態に準じた作用効果が奏される。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
3…進行波発生手段
8…スリット
8do…スリット深さ(外周側のスリット)
8di…スリット深さ(内周側のスリット)
10a…搬送部
10x…搬送トラック
10xo…搬送トラック(外周側)
10xi…搬送トラック(内周側)
24…搬送面
E…中立軸から搬送面までの距離
Eo…中立軸から搬送面までの距離(外周側のスリット)
Ei…中立軸から搬送面までの距離(内周側のスリット)
N…中立軸


Claims (5)

  1. 搬送トラックを備えた弾性変形可能な搬送部と、
    前記搬送部に進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、
    前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記搬送トラック上のワークを搬送するように構成したものにおいて、
    前記搬送部が、1つの断面に2以上の搬送トラックが現れる箇所を有するものであり、
    前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、前記断面に現われる2以上の搬送トラックの各位置でスリット深さが異なるように設けたことを特徴とするワーク搬送装置。
  2. 前記搬送部が、1つの断面に現われる2以上の搬送トラックの各位置で搬送部の厚みが異なるものであり、
    前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、前記断面に現われる2以上の搬送トラックの各位置で搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離が等しくなるように設けたことを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送装置。
  3. 搬送トラックを備えた弾性変形可能な搬送部と、
    前記搬送部に進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、
    前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記搬送トラック上のワークを搬送するように構成したものにおいて、
    前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、搬送位置によってスリット深さが異なるように設けたことを特徴とするワーク搬送装置。
  4. 前記搬送部が、搬送位置によって搬送部の厚みが異なるものであり、
    前記搬送部の間欠位置に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを、搬送位置によって搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離が等しくなるように設けたことを特徴とする請求項3に記載のワーク搬送装置。
  5. 搬送トラックを備えた弾性変形可能な搬送部と、
    前記搬送部に進行波を発生させる進行波発生手段とを備え、
    前記進行波発生手段が発生させた進行波により、前記搬送トラック上のワークを搬送するようワーク搬送装置の製造方法であって、
    前記搬送部の複数個所に当該搬送部のたわみ変形の水平振幅を増大させるスリットを設けるにあたり、スリット深さ又は搬送部の厚みの中心である中立軸から搬送部の表面である搬送面までの距離をパラメータとして搬送トラック上のワークの搬送速度を調整することを特徴とするワーク搬送装置の製造方法。


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