JP2018108620A - 切断機 - Google Patents
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Abstract
【課題】好適にベルトのずれを抑制することが可能な切断機を提供する。
【解決手段】回転駆動するモータ軸67Bを有するモータ67と、丸鋸刃Pを装着可能な装着部606Aを有するスピンドル606と、モータ軸67Bの回転をスピンドル606へ伝達するベルトと、ベルトを周回移動可能に保持する複数のプーリとを有し、複数のうち少なくとも1つの前記プーリの直径が前記プーリの軸方向において変化することで、前記プーリの軸方向における前記ベルトのずれを防止する保持面が形成されている。
【選択図】図5
【解決手段】回転駆動するモータ軸67Bを有するモータ67と、丸鋸刃Pを装着可能な装着部606Aを有するスピンドル606と、モータ軸67Bの回転をスピンドル606へ伝達するベルトと、ベルトを周回移動可能に保持する複数のプーリとを有し、複数のうち少なくとも1つの前記プーリの直径が前記プーリの軸方向において変化することで、前記プーリの軸方向における前記ベルトのずれを防止する保持面が形成されている。
【選択図】図5
Description
本発明は切断機に関する。
従来から、木材やパイプ等(被切断材)を切断するために切断機が広く用いられている。例えば、特許文献1に記載されている卓上切断機では、複数のプーリ及び複数のプーリに張架されたベルトからなる伝達機構によって、モータからの回転が出力軸に伝達され、出力軸に装着された切断刃が回転する。このように、ギヤを用いることなくモータの回転を減速して切断刃に伝達可能であるため、ギヤの噛合による騒音が発生しないという利点があった。
しかしながら、上記した切断機では、プーリがベルトの張力を介してベルトを保持しているため、各プーリにベルトの張力による負荷がかかった場合に回転軸が僅かに傾斜し、プーリの軸方向にベルトがずれてしまう恐れがあった。
かかる課題に鑑み、本発明は、伝達機構のベルトのずれを抑制した切断機の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、回転駆動するモータ軸を有するモータと、切断刃を装着可能な装着部を有する出力軸と、前記モータ軸の回転を前記出力軸へ伝達するベルトと、前記ベルトを周回移動可能に保持する複数のプーリと、を有し、複数のうち少なくとも1つの前記プーリの直径が前記プーリの軸方向において変化することで、前記プーリの軸方向における前記ベルトのずれを防止する保持面が形成されていることを特徴とする切断機を提供している。
かかる構成によれば、簡易な構成で、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
上記構成において、前記モータ軸の回転に伴い従動回転する中間軸をさらに有し、前記ベルトは、前記モータ軸の回転を前記中間軸に伝達する第1ベルトと、前記中間軸の回転を前記出力軸に伝達する第2ベルトと、を有し、前記第2ベルトは、前記保持面で保持されるタイミングベルトであることが好ましい。
かかる構成によれば、切断刃において高負荷が生じた場合においても、がたつき等の発生を抑制が抑制されるので、高精度に中間軸を支承可能となり、効率的で安定した切断作業の実施が可能となる。
また、前記第1ベルトは、Vベルトであることが好ましい。
かかる構成によれば、切断刃において規定外の高負荷が生じた場合においても、Vベルトがプーリの外周を滑ることによって、回転を伝達する各部品の破損が抑制される。
また、 前記複数のプーリは第1プーリと第2プーリを有し、前記中間軸には、前記中間軸と一体回転する前記第1プーリが設けられ、前記出力軸には、前記出力軸と一体回転する前記第2プーリが設けられ、前記第2ベルトは、前記第1プーリ及び第2プーリ間に張架され、前記第1プーリと前記第2プーリとの少なくとも一方に前記保持面が形成されることが好ましい。
かかる構成によれば、ずれやすいタイミングベルトの張架プーリに保持面が形成されているため、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記保持面は、前記軸方向に並んだ大径部及び小径部を有していることが好ましい。
かかる構成によれば、簡易な構成で、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記保持面は、前記大径部から前記小径部へと向かうに従って前記複数のプーリの半径方向内方に窪むように湾曲していることが好ましい。
かかる構成によれば、簡易な構成で、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記小径部は前記プーリの前記軸方向における中央に位置し、前記大径部は前記プーリの前記軸方向における両端に位置することが好ましい。
かかる構成によれば、ベルトがよりテンションの低いプーリの軸方向における中央に移動するため、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記第2ベルト、前記第1プーリ及び前記中間軸を収容するギヤケースと、前記ギヤケースに支持され前記中間軸を回転可能に支承する軸受部材と、をさらに有し、前記軸受部材は、前記軸方向において、前記第2ベルトの一端側と他端側との両側に位置していることが好ましい。
かかる構成によれば、軸方向における第2ベルトの一端側と他端側の両側に軸受部材が位置するため、中間軸の傾きが抑制されることによって、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記切断刃、前記第2ベルト及び前記第1ベルトは、前記軸方向において、前記切断刃、前記第2ベルト、前記第1ベルトの順に並び、前記第1プーリ及び前記第2プーリのいずれか一方は、前記切断刃側に前記大径部を有し、前記第1ベルト側に前記小径部を有する截頭円錐形状をなし、前記第1プーリ及び前記第2プーリのいずれか他方は、前記切断刃側に前記小径部を有し、前記第1ベルト側に前記大径部を有する截頭円錐形状をなしていることが好ましい。
かかる構成によれば、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、前記第1プーリ及び前記第2プーリの軸方向端部には、前記小径部に隣接し前記大径部及び前記小径部とともに前記保持面を規定する鍔部が設けられていることが好ましい。
かかる構成によれば、第1プーリ及び第2プーリの軸方向端部に小径部に隣接する鍔部が設けられているため、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
上記構成において、被加工材を載置可能な載置面を有するベースと、前記切断刃を回転可能に支持する切断部と、前記ベースと切断部との間に設けられ、前記切断刃の側面と前記載置面との角度を変更可能な傾動部と、をさらに有することが好ましい。
かかる構成によれば、切断部が傾動可能な切断機において、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
さらに、本発明は、回転駆動するモータ軸を有するモータと、切断刃を装着可能な装着部を有する出力軸と、前記モータ軸の回転を前記出力軸へ伝達するベルトと、前記ベルトが張架され、前記ベルトを周回移動可能に保持する複数のプーリと、を有し、少なくとも1つの前記プーリの外周面には、前記プーリの端面と交差する方向の保持面が設けられ、前記保持面には、前記ベルトを高い張力で保持する高張力保持面と、前記ベルトを低い張力で保持する低張力保持面と、が設けられ、前記出力軸と前記プーリの回転軸は略平行であり、前記高張力保持面は前記低張力保持面よりも前記切断刃側に位置していることを特徴とする切断機を提供している。
かかる構成によれば、高速回転する切断刃に向かってベルトがずれることを抑制することが可能となる。
本発明の切断機によれば、伝達機構のベルトのずれを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。ここでは、本発明を卓上丸鋸に適用した場合を例に説明を行う。
まず、本発明の第1の実施の形態にかかる卓上丸鋸1の構成について、図1乃至図6を参照して説明する。卓上丸鋸1は、木材や金属パイプ等(被切断材)を切断するための電動式の切断機であり、図1乃至図3に示されているように、載置面2Aを有するベース部2と、ホルダ3と、ガイド部4と、移動部5と、ホルダ3に傾動可能に支持されるとともに丸鋸刃Pを装着可能な装着部606Aが設けられた切断部6とを含んで構成されている。図1、図2及び図3は、それぞれ、本発明の実施の形態にかかる卓上丸鋸1の構成を示す右側面図、左側面図及び正面図である。なお、以下においては、特に言及しない限り、丸鋸刃Pがベース部2の載置面2Aに対して傾動していない状態(図1に示されている状態)を基準に説明する。
以下の説明において、ベース部2に対してガイド部4が設けられている方向を上方向とし、逆方向を下方向と定義する。また、ホルダ3に対して切断部6が設けられている方向を前方向とし、逆方向を後方向と定義する。さらに、図1において後方向から卓上丸鋸1を見た場合の右を右方向とし、逆方向を左方向と定義する。本明細書において、寸法、数値等について言及した場合には、当該寸法及び数値等と完全に一致する寸法及び数値だけでなく、略一致する寸法及び数値等(例えば、製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。「同一」、「直交」、「平行」、「面一」、「一致」等についても同様に「略同一」、「略直交」、「略平行」、「略面一」、「略一致」等を含むものとする。
図1乃至図3に示されているように、ベース部2は、ベース21と、ターンテーブル22と、フェンス23とを含んで構成されている。ベース21は、本発明における「ベース」の一例である。
ベース21は、金属製であり、床面等に載置可能な部分である。ターンテーブル22は、金属製であり、上面に直交する回動軸を介してベース21と接続され、その上面がベース21の上面と面一となるように配置されている。ベース21の上面とターンテーブル22の上面とによって、被切断材を載置可能な載置面2Aが規定されている。ターンテーブル22及びベース21には、切断作業時に切断部6が下降した際に、丸鋸刃Pの侵入を許容する図示せぬ溝部が形成されている。
図3に示されているように、フェンス23は、ベース21に設けられ、右フェンス23Aと左フェンス23Bとを有している。図1及び図2に示されているように、右フェンス23A及び左フェンス23Bは、載置面2Aに直交する押さえ面23aを備えている。被切断材を切断加工する際には、フェンス23の押さえ面23aに被切断材の一面を当接させることによって、安定した切断加工を行うことが可能となる。
ターンテーブル22の前部には、操作部24が設けられている。操作部24は、ターンテーブル22の回動操作及び回動位置固定操作を行う際に、作業者が操作する部分である。また、ターンテーブル22の後部には、傾動軸25及び突出部26が設けられている。傾動軸25は、丸鋸刃Pの側面と平行に前後方向に延び且つその中心軸がターンテーブル22の上面と一致するように設けられている。突出部26は、上方に突出しており、傾動軸25の中心軸を中心として円弧状の長穴26aが形成されている。
ホルダ3は、ベース21と切断部6との間に設けられている。ホルダ3は、ターンテーブル22の後部において上方に立設しており、ホルダ3の下部が傾動軸25を中心として回動可能である。これにより、ホルダ3はターンテーブル22に対して左右方向に傾動可能であり、移動部5を介して切断部6を傾動可能に支持している。言い換えると、ホルダ3は、ベース21と切断部6との間に設けられ、丸鋸刃Pの側面とベース21の載置面21Aとの角度を変更可能に構成されている。ホルダ3には、上述した長穴26aと一致する位置に図示せぬ螺合穴が形成されており、この螺合穴にはクランプレバー31が螺合する。ホルダ3は、本発明における「傾動部」の一例である。
図2に示されているように、ガイド部4は、第1ロッド41、第2ロッド42及び連結部材43を有している。第1ロッド41及び第2ロッド42は、パイプ材等の高剛性材料によって形成されている。第1ロッド41は、ベース部2の載置面2Aに平行且つ丸鋸刃Pの回転軸心に直交する方向に延びている。第2ロッド42は、第1ロッド41に平行に延び、第1ロッド41よりも下側に位置している。第1ロッド41及び第2ロッド42は、互いに同一の長さであるとともに、ターンテーブル22の長手方向(前後方向)よりも短い。連結部材43は、第1ロッド41及び第2ロッド42の前端部に取付けられている。第1ロッド41及び第2ロッド42は、ホルダ3のターンテーブル22に対する左右方向の傾動によって、ホルダ3とともに左右方向に傾動する。
移動部5は、切断部6をベース部2方向(ベース21に対して近接する方向)及び反ベース部2方向(ベース21に対して離間する方向)に回動可能に支持するとともに、ガイド部4に前後方向に摺動自在に支持される。図2に示されているように、スライド部51及び切断部支持部52を有している。
スライド部51は、第1ロッド41及び第2ロッド42に跨るように設けられている。スライド部51は、第1ロッド41及び第2ロッド42に挿通され、ホルダ3と連結部材43との間を第1ロッド41及び第2ロッド42上を摺動可能に構成されている。切断部支持部52は、スライド部51と一体に構成されている。図1及び図2に示されているように、切断部支持部52には、第1ロッド41及び第2ロッド42の軸方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)に延びる回動軸52Aが固定されている。切断部支持部52は、回動軸52Aを中心としてベース部2方向(ベース21に対して近接する方向)及び反ベース部2方向(ベース21に対して離間する方向)に回動可能に切断部6を支持している。
図4に示されているように、切断部6は、モータ67、伝達機構部60を含んで構成され、ハウジングによってその一部を覆われている。図4は、卓上丸鋸1の切断部6の内部を示す図であり、丸鋸刃Pがベース21の載置面2Aに対して傾動した状態を示している。
図1乃至図3に示されているように、切断部6のハウジングは、ソーカバー61、保護カバー62、モータハウジング63、ギヤケース64及びギヤカバー65を含んで構成されている。
図1に示されているように、ソーカバー61は、丸鋸刃Pの一部外周を覆っている。ソーカバー61内には、ソーカバー61より突出する部分の丸鋸刃Pの外周を覆う保護カバー62が回動可能に設けられている。
保護カバー62は、図1に示されているように、切断部6が上方に回動している状態では、ソーカバー61より突出する部分の丸鋸刃Pの外周を覆う位置に回動し、切断部6が下方に回動している状態(不図示)では、図示せぬリンク機構によってソーカバー61内に収容され、ソーカバー61より突出する部分の丸鋸刃Pの外周を露出する位置に回動する。
モータハウジング63は、左右方向に延びる略円筒形状をなし、その右側面には、図4に示されているように、スリット形状の吸気口63aが形成されている。モータハウジング63には、ハンドル部66が一体的に設けられている。ハンドル部66は、丸鋸刃P側面の延長線上に位置している。ハンドル部66には、モータハウジング63内に収容されるモータ67の駆動を制御するスイッチ66Aが設けられている。
ギヤケース64は、モータハウジング63の左側開口部に連結し、丸鋸刃Pと平行な方向に延びる形状をなしている。ギヤカバー65は、断面が略楕円形で左右方向に延びる筒状をなし、ギヤケース64に連結されている。ギヤケース64及びギヤカバー65は、本発明における「ギヤケース」の一例である。
図4に示されているように、モータ67は、モータハウジング63の内部に収容され、モータ本体67A、回転駆動するモータ軸67B、ファン67C及びコミュテータ67Dを有している。モータ軸67Bは、略円柱形状をなし、モータ本体67Aの左右方向に延びるように配置されている。モータ軸67Bは、ベアリング67aを介してモータハウジング63に回転可能に支承されるとともに、ベアリング67bを介してギヤケース64に回転可能に支承されている。モータ軸67Bの左端部は、ギヤケース64の外側(左側)に突出している。
ファン67Cは、モータ本体67Aの左側において、モータ軸67Bに固定されている。ファン67Cは、モータ軸67Bと一体に回転し、モータハウジング63の吸気口63aから外気を吸入し、ギヤケース64に形成されている排気口(不図示)から排気することによって、モータ本体67Aやコミュテータ67D等を冷却する。
伝達機構部60は、2段ベルト方式でモータ67の回転を丸鋸刃Pに伝達する部分であり、図4に示されているように、第3プーリ601、中間軸602、第4プーリ603、第1ベルト604、第1プーリ605、スピンドル606、第2プーリ607及び第2ベルト608を備えている。このうち、第3プーリ601、第4プーリ603及び第1ベルト604が、1段目の伝達機構を構成し、第1プーリ605、第2プーリ607及び第2ベルト608が、2段目の伝達機構を構成している。また、2段目の伝達機構(第1プーリ605、第2プーリ607及び第2ベルト608)は、ギヤケース64の左側面及びギヤカバー65の内面によって規定された空間内に収容されている。
第3プーリ601は、Vプーリであり、左右方向に延びる円筒形状をなし、外周面に周方向に延びる溝が形成されている。第3プーリ601は、ギヤケース64の外側(左側)において、モータ軸67Bの左端部に固定され、モータ軸67Bと一体に回転する。
中間軸602は、略円柱形状をなし、モータ軸67Bに平行に左右方向に延びるように配置されている。中間軸602は、ベアリング70a及びベアリング70bを介してギヤケース64に回転可能に支承されている。中間軸602の左端部は、ギヤケース64の外側(左側)に突出している。中間軸602は、本発明における「中間軸」の一例である。
第4プーリ603は、Vプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなし、外周面に周方向に延びる溝が形成されている。第4プーリ603は、第3プーリ601の外径よりも大きな外径を有している。第4プーリ603は、ギヤケース64の外側(左側)において、中間軸602の左端部に固定され、中間軸と一体に回転する。
第1ベルト604は、無端状に形成された樹脂製のエンドレスベルトであり、内周面に長尺方向に延びる溝が形成されたVベルトである。第1ベルト604は、その上部を第3プーリ601の外周に架け渡され、その下部を第4プーリ603の外周に架け渡されることによって、第3プーリ601及び第4プーリ603間に張架されている。第1ベルト604は、1よりも大きな伸長率でテンションをかけた状態で、第3プーリ601及び第4プーリ603間に張架されている。第1ベルト604は、その内周面と第3プーリ601及び第4プーリ603の外周面との間に生じる摩擦力によって、周回移動される。第1ベルト604は、本発明における「第1ベルト」の一例である。
図5に示されている第1プーリ605は、タイミングプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなしている。第1プーリ605は、その軸方向の全域において第4プーリ603の外径よりも小さな外径を有している。第1プーリ605は、中間軸602の中央部よりも右側に圧入により固定され、中間軸602と一体に回転する。第1プーリ605は、第1大径部605A、第2大径部605B、小径部605C及びリブ605Dを有している。図5は。卓上丸鋸1の切断部6の2段目の伝達機構を示す図であり、丸鋸刃Pがベース21の載置面2Aに対して傾動した状態を示している。第1プーリ605は、本発明における「第1プーリ」の一例である。
第1大径部605Aは、第1プーリ605の左端(第4プーリ603側端部)に位置し、右方(丸鋸刃P側)に向かって縮径している。
第2大径部605Bは、第1プーリ605の右端(丸鋸刃P側端部)に位置し、左方(第4プーリ603側)に向かって縮径している。
小径部605Cは、第1プーリ605の左右方向における略中央に位置している。小径部605Cの外径は、第1大径部605A及び第2大径部605Bの外径よりも小さく構成されている。
第1大径部605Aの右端部の外径と小径部605Cの左端部の外径とは、同一に構成され、第2大径部605Bの左端部の外径と小径部605Cの右端部の外径とは、同一に構成されている。言い換えると、第1大径部605A、第2大径部605B及び小径部605Cは、一体に形成され、第1プーリ605の軸方向に並んでいる。これにより、第1プーリ605の直径は、その軸方向において変化するように構成されている。
第1大径部605A、第2大径部605B及び小径部605Cの外周面によって、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面605Eが規定されている。すなわち、第1プーリ605の外周面は、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面605Eをなしている。保持面605Eは、第1大径部605Aから小径部605Cへと向かうに従って第1プーリ605の半径方向内方に窪むように湾曲している。また、保持面605Eは、第2大径部605Bから小径部605Cへと向かうに従って第1プーリ605の半径方向内方に窪むように湾曲している。すなわち、保持面605Eは、第1プーリ605の端面(第2ベルト608の張架方向)と交差する方向の面(曲面)を成している。なお、図5では、誇張して表現されているが、保持面605Eの曲率は、微小であることが好ましい。
また、図6に示されているように、第1プーリ605は、その周方向に等間隔に複数のギヤ歯を有している。複数のギヤ歯は、左右方向に延びている。複数のギヤ歯の表面は、保持面605Eの一部をなしている。図6は、卓上丸鋸1の切断部6の2段目の伝達機構を示す図であり、図5のA−A断面図である。
リブ605Dは、第1大径部605Aの左側に設けられ側面視環形状をなしている。リブ605Dの左側面は、ベアリング70bと当接している。
第1大径部605A、第2大径部605B、小径部605C及びリブ605Dは、一体に形成され、中間軸602の右部に固定された状態で、一体に同一の回転速度で回転する。
スピンドル606は、モータ軸67B及び中間軸602に平行に左右方向に延びるように配置され、ベアリング71aを介してギヤケース64に回転可能に使用されるとともに、ベアリング71bを介してギヤカバー65に回転可能に支承されている。スピンドル606の右端部には、丸鋸刃Pを装着するための装着部606Aが設けられている。スピンドル606は、本発明における「出力軸」の一例である。
図5に示されている第2プーリ607は、タイミングプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなしている。第2プーリ607は、その軸方向の全域において第1プーリ605の外径よりも大きな外径を有している。第2プーリ607は、スピンドル606の中央部よりも左側に圧入により固定され、スピンドル606と一体に回転する。第2プーリ607は、第1大径部607A、第2大径部607B及び小径部607Cを有している。第2プーリ607は、本発明における「第2プーリ」の一例である。
第1大径部607Aは、第2プーリ607の左端に位置し、右方に向かって縮径している。
第2大径部607Bは、第2プーリ607の右端に位置し、左方に向かって縮径している。
小径部607Cは、第2プーリ607の左右方向における略中央に位置している。小径部607Cの外径は、第1大径部607A及び第2大径部607Bの外径よりも小さく構成されている。
第1大径部607Aの右端部の外径と小径部607Cの左端部の外径とは、同一に構成され、第2大径部607Bの左端部の外径と小径部607Cの右端部の外径とは、同一に構成されている。言い換えると、第1大径部607A、第2大径部607B及び小径部607Cは、一体に形成され、第2プーリ607の軸方向に並んでいる。これにより、第2プーリ607の直径は、その軸方向において変化するように構成されている。
第1大径部607A、第2大径部607B及び小径部607Cの外周面によって、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面607Dが規定されている。すなわち、第2プーリ607の外周面は、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面607Dをなしている。保持面607Dは、第1大径部607Aから小径部607Cへと向かうに従って第2プーリ607の半径方向内方に窪むように湾曲している。また、保持面607Dは、第2大径部607Bから小径部607Cへと向かうに従って第2プーリ607の半径方向内方に窪むように湾曲している。すなわち、保持面607Dは、第2プーリ607の端面(第2ベルト608の張架方向)と交差する方向の面(曲面)を成している。なお、図5では、誇張して表現されているが、保持面607Dの曲率は、微小であることが好ましい。
また、図6に示されているように、第2プーリ607は、その周方向に等間隔に複数のギヤ歯を有している。複数のギヤ歯は、左右方向に延びている。複数のギヤ歯の表面は、保持面607Dの一部をなしている。
第1大径部607A、第2大径部607B、小径部607Cは、一体に形成され、スピンドル606の左部に固定された状態で、一体に同一の回転速度で回転する。
第2ベルト608は、無端状に形成された樹脂製のエンドレスベルトであり、内周面に歯車形状の凹凸が形成されたタイミングベルトである。第2ベルト608は、その上部を第1プーリ605の保持面605Eに架け渡され、その下部を第2プーリ607の保持面607Dに架け渡されることによって、第1プーリ605及び第2プーリ607間に張架されている。このとき、第2ベルト608の内周面の凹凸と、第1プーリ605及び第2プーリ607の外周面の複数のギヤ歯とが噛み合うことで第1プーリ605の回転が第2ベルト608を介して第2プーリ607に伝達され、第2プーリ607は回転する。第2ベルト608は、1よりも大きな伸長率でテンションをかけた状態で、第1プーリ605及び第2プーリ607間に張架されている。第2ベルト608は、本発明における「第2ベルト」の一例である。
丸鋸刃Pは、略円板形状をなし、1対のフランジ609及び止具610を介してスピンドル606の装着部606Aに固定され、スピンドル606と一体に回転可能に支持される。丸鋸刃Pは、本発明における「切断刃」の一例である。
なお、本実施の形態の卓上丸鋸1では、2段目の伝達機構の減速比よりも1段目の伝達機構の減速比が大きくなるように、第1プーリ605の径に対する第2プーリ607の径の拡大率は、第3プーリ601の径に対する第4プーリ603の径の拡大率よりも小さく構成されている。
次に、モータ67の回転が丸鋸刃Pに伝達される動作について、説明する。
ハンドル部66のスイッチ66Aが押下されると、モータ67が駆動し、モータ軸67Bが第3プーリ601と一体に回転を開始する。この回転に伴い、第3プーリ601に架け渡された第1ベルト604が、その内周面と第3プーリ601の外周面との間に働く摩擦力によって周回移動を開始する。当該第1ベルト604の周回移動に伴い、第1ベルト604が架け渡された第4プーリ603が、その外周面と第1ベルト604の内周面との間に働く摩擦力によって回転を開始する。すなわち、第1ベルト604がモータ軸67B及び第3プーリ601の回転を第4プーリ603に伝達し、第4プーリ603が中間軸と一体に従動回転を開始する。ここで、第4プーリ603は、第3プーリ601よりも大径に形成されているため、中間軸602には、モータ軸67Bの回転が減速されて伝達されることとなる。つまり、第3プーリ601、第4プーリ603及び第1ベルト604からなる1段目の伝達機構が、モータ軸67Bの回転を減速して、中間軸602に伝達する。
第4プーリ603は、中間軸602及び中間軸602に固定された第1プーリ605と一体に同一の回転速度で回転を開始する。この回転に伴い、第1プーリ605に噛み合う第2ベルト608が第1プーリ605によって周回移動を開始し、第2ベルト608に噛み合う第2プーリ607が、第2ベルト608によって回転を開始する。すなわち、第2ベルト608が中間軸602及び第1プーリ605の回転を第2プーリ607に伝達し、第2プーリ607がスピンドル606と一体に従動回転を開始する。ここで、第2プーリ607は、第1プーリ605よりも大径に形成されているため、スピンドル606には、中間軸602の回転が減速して伝達されることとなる。つまり、第1プーリ605、第2プーリ607及び第2ベルト608からなる2段目の伝達機構が、中間軸602の回転を減速して、スピンドル606に伝達する。
第2プーリ607は、スピンドル606と共に回転する。この回転に伴い、スピンドル606の装着部606Aに装着された丸鋸刃Pが、スピンドル606と共に同一の回転速度で回転することとなる。つまり、モータ軸67Bの回転が、2段の減速機構により2段階に減速されて、丸鋸刃Pに伝達される。
次に、図4を参照しながら、卓上丸鋸1を用いた場合の被切断材Wの切断作業について説明する。
まず、ベース21の載置面2Aに対して直角な切断角度で被切断材Wを切断する場合には、スイッチ66Aを押下げ、モータ67を駆動させ、丸鋸刃Pを回転させる。この状態において、切断部を下方へと移動させることによって、被切断材Wの切断を開始する。具体的には、切断部支持部52の回動軸52Aを中心として切断部6が回動(揺動)することによって、切断部6は下方へ移動する。
これに対し、図4に示されているように、ベース21の載置面21Aに対して直角でない切断角度で被切断材Wを切断する場合には、作業者は、ホルダ3のクランプレバー31を操作して、ホルダ3のベース部2に対する固定を解除する。この状態において、作業者は、ハンドル部66を左右方向へと移動させる。ハンドル部66の左右方向への移動に伴い、ホルダ3及び切断部6がベース部2の傾動軸25の軸心を中心に傾動する。作業者は、クランプレバーを用いて所望の傾動角度でホルダ3をベース部2に固定し、切断部6を揺動させて切断作業を行う。被切断材Wは、本発明における「被加工材」の一例である。
続けて、第1プーリ605及び第2プーリ607を採用したことによる効果について説明する。以下においては、必要に応じて、従来の卓上丸鋸900と比較しながら説明する。
ここで、従来の卓上丸鋸900の構成について、図9を参照しながら簡単に説明する。図9は、従来の卓上丸鋸900の2段目の伝達機構を示す図である。
図9に示されているように、卓上丸鋸900は、中間軸901と、スピンドル902と、2つのプーリ903及び904と、タイミングベルト905とを有している。
2つのプーリ903及び904は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。プーリ903は中間軸901の右部に固定され、プーリ904はスピンドル902の左部に固定されている。タイミングベルト905は、2つのプーリ903及び904の外周面間に張架されている。
中間軸901には、タイミングベルト905のテンション(引っ張り)によって、右部に下方(スピンドル902への近接方向)への負荷がかかる。すなわち、中間軸901は、前後方向に延びる軸を中心に、反時計回りに回動する方向の力を受け、中間軸901が僅かに傾斜する可能性がある。
また、スピンドル902には、タイミングベルト905のテンション(引っ張り)によって、その左部に上方(中間軸901への近接方向)への負荷がかかる。すなわち、スピンドル902は、前後方向に延びる軸を中心に、反時計回りに回動する方向の力を受け、スピンドル902が僅かに傾斜する恐れがある。
さらに、2つのプーリ903及び904が略円柱形状に形成されているため、当該中間軸901及びスピンドル902の傾斜によってタイミングベルト905がそのプーリの軸方向にずれてしまう(プーリの軸方向における中央から離間する方向にずれてしまう)可能性がある。そこで、図9に示されているように、2つのプーリ903及び904の軸方向の両端にタイミングベルト905の移動を規制する部材(フランジ、リブ等)を設けておく必要があり、従来はプーリの軸方向における切断部のサイズが大型化していた。
本発明の第1の実施の形態においても、中間軸602及びスピンドル606は、反時計回りに回動する方向の力を受け、中間軸602及びスピンドル606が僅かに傾斜し、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまう可能性がある。
しかしながら、本発明の第1の実施の形態においては、図5に示されているように、第1プーリ605の小径部605Cが、第1プーリ605の軸方向における略中央に位置し、第2プーリ607の小径部607Cが、第2プーリ607の軸方向における略中央に位置している。また、第1プーリ605及び第2プーリ607の軸方向において、小径部605Cよりも大径の第1大径部605A及び第2大径部605Bが小径部605Cの両端に位置し、小径部607Cよりも大径の第1大径部607A及び第2大径部607Bが小径部607Cの両端に位置している。これにより、第1プーリ605及び第2プーリ607に張架された第2ベルト608は、全体として、最も張力の小さくなる第1プーリ605及び第2プーリ607の略中央に移動するため、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまうことが抑制される。すなわち、第1大径部605A及び第2大径部605Bに保持される部分の第2ベルト608は張力(テンション)が高く、小径部605Cに保持される部分の第2ベルト608は張力(テンション)が低い。このように、第1大径部605A及び第2大径部605Bは第2ベルト608を高い張力で保持する高張力保持面として働き、小径部605Cは第2ベルト608を低い張力で保持する低張力保持面として働くため、第2ベルト608は低い張力で保持する小径部605Cへ移動しようとする(小径部605Cに留まろうとする)ので、高い張力で保持される第1大径部605A及び第2大径部605B側への移動が抑制される。第1大径部605A、第2大径部605B、第1大径部607A及び第2大径部607Bは、本発明における「大径部」の一例である。小径部605C及び小径部607Cは、本発明における「小径部」の一例である。
また、第1の実施の形態においては、第1プーリ605及び第2プーリ607の外周面によって保持面605E及び保持面607Dが規定されているため、第1プーリ605及び第2プーリ607の軸方向の両端に第2ベルト608の移動を規制する部材(フランジ、リブ等)を設けておく必要が無い。このため、プーリの軸方向における切断部6のサイズを小さくすることが可能となる。保持面605E及び保持面607Dは、本発明における「保持面」の一例である。
さらに、プーリの軸方向における切断部6のサイズが小さくなることにともない、図5及び図9に示されているように、従来の卓上丸鋸900と比較した場合に、より上下方向に厚い材料を傾斜切断することが可能となる。ここで、図5及び図6においては、卓上丸鋸1及び卓上丸鋸900のそれぞれの切断部は、ベースの載置面に対して同じ角度だけ傾動している。また、被切断材Wは、被切断材W´よりも上下方向において厚い材料である。
また、図5に示されているように、第1の実施の形態においては、リブ605Dによってプーリの軸方向の第2ベルト608のずれを規制する必要はない。従って、図5及び図9に示されているように、第1の実施の形態にかかる卓上丸鋸1においては、従来の卓上丸鋸900と比較した場合にリブ605Dの上下方向の長さを小さくすることが可能となる。
続けて、第1の実施の形態に対する変形例について、図7を参照して説明する。図7は、卓上丸鋸1の変形例を示す図であり、切断部6の2段目の伝達機構が示されている。
第1の実施の形態においては、第4プーリ603の左側にベアリング70aが設けられていたが、本変形例では、これに替えて、第1プーリ605の右側にベアリング170aが設けられている点が、相違する。
図7に示されているように、ベアリング170aは、ギヤカバー65に固定され、中間軸602の右端を回転可能に支承している。また、ベアリング170aは、第2ベルト608の軸方向において、第2ベルト608の一端側と他端側との両側に位置している。
この場合、第2ベルト608の両端を第2ベルト608の軸方向において挟み込むように、ベアリング70a及びベアリング170aが位置するため、第2ベルト608のテンション(引っ張り)によって中間軸602の右部に下方(スピンドル606への近接方向)への負荷がかかった場合においても、中間軸602の傾きが抑制される。ベアリング70a及びベアリング170aは、本発明における「軸受部材」の一例である。
次に、第2の実施の形態にかかる卓上丸鋸101について、図8を参照して説明する。第2の実施の形態にかかる卓上丸鋸101は、基本的に第1の実施の形態にかかる卓上丸鋸1と同一の構成を有しており、第1の実施の形態おける第1プーリ605に替えて第5プーリ615を設け、第2プーリ607に替えて第6プーリ617を設ける点が第1の実施の形態とは異なる。なお、第1の実施の形態と同一の部材や構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明を行う。また、卓上丸鋸101の切断部6の動作についても、卓上丸鋸1の切断部6の動作と同様のため説明を省略する。
図8に示されている第5プーリ615は、タイミングプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなしている。第5プーリ615は、その軸方向の全域において第4プーリ603の外径よりも小さな外径を有している。第5プーリ615は、中間軸602の中央部よりも右側に圧入により固定され、中間軸602と一体に回転する。第5プーリ615は、大径部615A、小径部615B及びリブ615Cを有している。第5プーリ615は、本発明における「第3プーリ」の一例である。
大径部615Aは、第5プーリ615の右部に位置し、左方に向かって縮径する截頭円錐形状をなしている。
小径部615Bは、第6プーリ617の左部に位置し、右方に向かって縮径する截頭円錐形状をなしている。小径部615Bの外径は、大径部615Aの外径よりも小さく構成されている。
大径部615Aの左端部の外径と小径部615Bの右端部の外径とは、同一に構成され、第5プーリ615は全体として、左右方向に延びる截頭円錐形状をなしている。言い換えると、大径部615Aと小径部615Bとは、一体に形成され、第5プーリ615の軸方向に並んでいる。これにより、第5プーリ615の直径は、その軸方向において、変化するように構成されている。
大径部615A及び小径部615Bの外周面によって、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面615Dが規定されている。すなわち、第5プーリ615の外周面は、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面615Dをなしている。保持面615Dは、左方へ向かうに従って、中間軸602の径方向内方へ傾斜するテーパ面である。また、保持面615Dは、左方へ向かうに従って、所定の角度で傾斜している。なお、図8では、保持面615Dの傾斜角度は誇張して表現されているが、傾斜角度は1度以下であることが好ましい。保持面615Dは、本発明における「保持面」の一例である。
リブ615Cは、第5プーリ615の軸方向端部において、小径部615Bの左側に小径部615Bに隣接して設けられ、側面視略環形状をなしている。リブ615Cの左側面は、ベアリング70bと当接している。リブ615Cの右側面によって、第2ベルト608の左端面と当接可能な当接面615Eが規定されている。
大径部615A、小径部615B及びリブ615Cは、一体に形成され、中間軸602の右部に固定された状態で、一体に同一の回転速度で回転する。
図8に示されているように、第6プーリ617は、タイミングプーリであり、左右方向に延びる略円筒形状をなしている。第6プーリ617は、その軸方向の全域において第5プーリ615の外径よりも大きな外径を有している。第6プーリ617は、スピンドル606の中央部よりも左側に圧入により固定され、スピンドル606と一体に回転する。第6プーリ617は、大径部617A、小径部617B及びフランジ617Cを有している。第6プーリ617は、本発明における「第4プーリ」の一例である。
大径部617Aは、第6プーリ617の左部に位置し、右方に向かって縮径する截頭円錐形状をなしている。
小径部617Bは、第6プーリ617の右部に位置し、左方に向かって縮径する截頭円錐形状をなしている。小径部617Bの外径は、大径部617Aの外径よりも小さく構成されている。
大径部617Aの右端部の外径と小径部617Bの左端部の外径とは、同一に構成され、第6プーリ617は全体として、左右方向に延びる截頭円錐形状をなしている。言い換えると、大径部617Aと小径部617Bとは、一体に形成されている。これにより、第6プーリ617の直径は、その軸方向において、変化するように構成されている。
大径部617A及び小径部617Bの外周面によって、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面617Dが規定されている。すなわち、第5プーリ615の外周面は、周回移動可能に第2ベルト608を保持する保持面617Dをなしている。保持面617Dは、左方へ向かうに従って、スピンドル606の径方向内方へ傾斜するテーパ面である。また、保持面617Dは、左方へ向かうに従って、所定の角度で傾斜している。なお、図8では、保持面617Dの傾斜角度は誇張して表現されているが、傾斜角度は1.5度以下であることが好ましい。保持面617Dは、本発明における「保持面」の一例である。
フランジ617Cは、小径部617Bの右側に設けられ、側面視環形状をなしている。フランジ617Cの左側面によって、第2ベルト608の右端面と当接可能な当接面617Eが規定されている。
大径部617A、小径部617B及びフランジ617Cは、一体に形成され、スピンドル606の左部に固定された状態で、一体に同一の回転速度で回転する。
図8に示されているように、丸鋸刃P、第2ベルト608及び第1ベルト604は、第2ベルトの軸方向において、丸鋸刃P、第2ベルト608及び第1ベルト604の順に並んでいる。第5プーリは、丸鋸刃P側に大径部615Aを有し、第1ベルト604側に小径部615Bを有する截頭円錐形状をなしている。第6プーリ617は、丸鋸刃P側に小径部617Bを有し、第1ベルト604側に大径部617Aを有する截頭円錐形状をなしている。
変形例として、第5プーリ615は、丸鋸刃P側に小径部615Bを有し、第1ベルト604側に大径部615Aを有する截頭円錐形状をなし、第6プーリ617は、丸鋸刃P側に大径部617Aを有し、第1ベルト604側に小径部617Bを有する截頭円錐形状をなしていても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態に関し、第5プーリ615及び第6プーリ617を採用したことによる効果について説明する。
図8に示されているように、第5プーリ615は、丸鋸刃P側に大径部615Aを有し、第1ベルト604側に小径部615Bを有している。また、第6プーリ617は、丸鋸刃P側に小径部617Bを有し、第1ベルト604側に大径部617Aを有している。このため、第2ベルト608は、全体として、最も張力の小さくなるように、その端面がリブ615Cの当接面615E及びフランジ617Cの当接面617Eに当接する方向(第2ベルト608が前後方向に延びる軸を中心に時計回りに回動する方向)に移動する。第2ベルト608が全体として当接面615E及び617Eに当接する方向に移動し、第2ベルト608の端面が当接面615E及び当接面617Eに当接することによって、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまうことを抑制することが可能となる。したがって、第2ベルト608がプーリから脱落してしまうことを抑制できる。ここで、当接面615E及び当接面617Eは、第2ベルト608を周回移動可能に保持する保持面の一部をなしている。大径部615A及び大径部617Aは、本発明における「大径部」及び「高張力保持面」の一例である。小径部615B及び小径部617Bは、本発明における「小径部」及び「低張力保持面」の一例である。
また、図8に示されているように、第2ベルト608が、全体として、その端面が当接面615E及び当接面617Eに当接する方向に移動するため、第5プーリ615の右端部及び第6プーリ617の左端部に第2ベルト608の移動を規制する部材(フランジ、リブ等)を設ける必要が無い。このため、プーリの軸方向における切断部6のサイズを小さくすることが可能となる。
さらに、プーリの軸方向における切断部6のサイズが小さくなることにともない、従来の卓上丸鋸900と比較した場合に、より上下方向に厚い材料を傾斜切断することが可能となる。ここで、図8及び図9においては、卓上丸鋸101及び卓上丸鋸900のそれぞれの切断部は、ベースの載置面に対して同じ角度だけ傾斜している。また、被切断材Wは、被切断材W´よりも上下方向において厚い材料である。
また、リブ615Cは第5プーリ615と一体に回転し、フランジ617Cは第6プーリ617と一体に回転するため、第2ベルト608の端面が当接面615E及び当接面617Eに当接した場合に、当接面との間の摩擦により削れることが抑制される。リブ615C及びフランジ617Cは、本発明における「鍔部」の一例である。
上述のように、本発明の実施の形態における卓上丸鋸1及び卓上丸鋸101では、外周面にベルトの軸方向のずれを防止する保持面が形成された複数のプーリ(第1の実施の形態では第1プーリ605及び第2プーリ607、第2の実施の形態では第5プーリ615及び第6プーリ617)を有している。これにより、プーリの軸方向にベルトがずれることを抑制することが可能となる。
また、上記複数のプーリは、その軸方向に変化するように構成されている。このため、簡易な構成で、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、上記複数のプーリ間に、タイミングベルトである第2ベルト608が張架されている。これにより、プーリの軸方向にずれやすいタイミングベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、上記複数のプーリは、軸方向に並んだ大径部及び小径部を有し、大径部及び小径部の外周面が第2ベルト608を周回移動可能に保持する保持面をなしている。このため、簡易な構成で、プーリの軸方向にベルトがずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、本発明の実施の形態における卓上丸鋸1及び卓上丸鋸101では、伝達機構部60において、1段目の伝達機構にVベルト及びVプーリが使用され、2段目の伝達機構にタイミングベルト及びタイミングプーリが使用されるため、減速時の高トルクをタイミングベルトが確実にスピンドル606へ伝達可能となり、回転の伝達効率が向上されるとともに、丸鋸刃Pにおいて規定外の高負荷が生じた場合もVベルトがVプーリ上で滑ることで、負荷がモータ等に伝達されることを抑制し、各部品の破損が抑制される。したがって、卓上丸鋸の耐久性が向上される。また、伝達経路上にギヤの噛合がないため、静音性を確保した卓上丸鋸を提供できる。
また、本発明の第1の実施の形態によれば、保持面605Eが第1大径部605A及び第2大径部605Bから小径部605Cに向かうに従って第1プーリ605の半径方向内方に窪むように湾曲し、保持面607Dが第1大径部607A及び第2大径部607Bから小径部607Cに向かうに従って第2プーリ607の半径方向内方に窪むように湾曲しているため、簡易な構成で、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、小径部605C及び小径部607Cのそれぞれは、第1プーリ605及び第2プーリ607の軸方向における中央に位置し、第1大径部605A及び第2大径部605Bは第1プーリ605の軸方向における両端に位置し、第1大径部607A及び第2大径部607Bは第2プーリ607の軸方向における両端に位置している。これにより、第1プーリ605及び第2プーリ607に張架された第2ベルトは、全体として、最も張力の小さくなる第1プーリ605及び第2プーリ607の略中央に移動するため、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまうことが抑制される。
また、本発明の第2の実施の形態による卓上丸鋸101によれば、第5プーリ615が丸鋸刃P側に大径部615Aを有し第1ベルト604側に小径部615Bを有する截頭円錐形状をなし、第6プーリ617が丸鋸刃P側に小径部617Bを有し第1ベルト604側に大径部617Aを有する截頭円錐形状をなしているため、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまうことを抑制することが可能となる。
また、第5プーリ615の軸方向端部には、大径部615A及び小径部615Bとともに保持面を規定するリブ615Cが設けられ、第6プーリ617の軸方向端部には、大径部617A及び小径部617Bとともに保持面を規定するフランジ617Cが設けられているため、プーリの軸方向に第2ベルト608がずれてしまうことを抑制することが可能となる。
本実施の形態においては、切断機として卓上丸鋸1及び卓上丸鋸101を例に説明したが、本発明は卓上丸鋸以外のモータとベルトで駆動可能な切断機、例えば、作業者が直接手で持って作業する切断機や携帯用丸鋸等の切断機にも適用可能である。
また、本実施の形態においては、第1プーリ及び第2プーリは回転軸方向の(厚み)寸法がタイミングベルトの厚みより大きかったが、ベルトのずれを抑制するのであればタイミングベルトの厚み以上の寸法を有していればよく、タイミングベルトの厚みと同等の寸法。でもよい。この場合、プーリの軸方向における切断部6のサイズを一層小さくすることが可能となる。
1、101…卓上丸鋸 2…ベース部 3…ホルダ 4…ガイド部 5…移動部 6…切断部 60…伝達機構部 67…モータ 67B…モータ軸 601…第3プーリ 602…中間軸 603…第4プーリ 604…第1ベルト 605…第1プーリ 606…スピンドル 607…第2プーリ 608…第2ベルト 615…第5プーリ 617…第6プーリ
Claims (12)
- 回転駆動するモータ軸を有するモータと、
切断刃を装着可能な装着部を有する出力軸と、
前記モータ軸の回転を前記出力軸へ伝達するベルトと、
前記ベルトを周回移動可能に保持する複数のプーリと、を有し、
複数のうち少なくとも1つの前記プーリの直径が前記プーリの軸方向において変化することで、前記プーリの軸方向における前記ベルトのずれを防止する保持面が形成されていることを特徴とする切断機。 - 前記モータ軸の回転に伴い従動回転する中間軸をさらに有し、
前記ベルトは、前記モータ軸の回転を前記中間軸に伝達する第1ベルトと、前記中間軸の回転を前記出力軸に伝達する第2ベルトと、を有し、
前記第2ベルトは、前記保持面で保持されるタイミングベルトであることを特徴とする請求項1に記載の切断機。 - 前記第1ベルトは、Vベルトであることを特徴とする請求項2に記載の切断機。
- 前記複数のプーリは第1プーリと第2プーリを有し、
前記中間軸には、前記中間軸と一体回転する前記第1プーリが設けられ、
前記出力軸には、前記出力軸と一体回転する前記第2プーリが設けられ、
前記第2ベルトは、前記第1プーリ及び第2プーリ間に張架され、
前記第1プーリと前記第2プーリとの少なくとも一方に前記保持面が形成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の切断機。 - 前記保持面は、前記軸方向に並んだ大径部及び小径部を有していることを特徴とする請求項4に記載の切断機。
- 前記保持面は、前記大径部から前記小径部へと向かうに従って前記複数のプーリの半径方向内方に窪むように湾曲していることを特徴とする請求項5に記載の切断機。
- 前記小径部は前記プーリの前記軸方向における中央に位置し、前記大径部は前記プーリの前記軸方向における両端に位置することを特徴とする請求項5又は6に記載の切断機。
- 前記第2ベルト、前記第1プーリ及び前記中間軸を収容するギヤケースと、
前記ギヤケースに支持され前記中間軸を回転可能に支承する軸受部材と、をさらに有し、
前記軸受部材は、前記軸方向において、前記第2ベルトの一端側と他端側との両側に位置していることを特徴とする請求項7に記載の切断機。 - 前記切断刃、前記第2ベルト及び前記第1ベルトは、前記軸方向において、前記切断刃、前記第2ベルト、前記第1ベルトの順に並び、
前記第1プーリ及び前記第2プーリのいずれか一方は、前記切断刃側に前記大径部を有し、前記第1ベルト側に前記小径部を有する截頭円錐形状をなし、
前記第1プーリ及び前記第2プーリのいずれか他方は、前記切断刃側に前記小径部を有し、前記第1ベルト側に前記大径部を有する截頭円錐形状をなしていることを特徴とする請求項5又は6に記載の切断機。 - 前記第1プーリ及び前記第2プーリの軸方向端部には、前記小径部に隣接し前記大径部及び前記小径部とともに前記保持面を規定する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の切断機。
- 被加工材を載置可能な載置面を有するベースと、
前記切断刃を回転可能に支持する切断部と、
前記ベースと切断部との間に設けられ、前記切断刃の側面と前記載置面との角度を変更可能な傾動部と、をさらに有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の切断機。 - 回転駆動するモータ軸を有するモータと、
切断刃を装着可能な装着部を有する出力軸と、
前記モータ軸の回転を前記出力軸へ伝達するベルトと、
前記ベルトが張架され、前記ベルトを周回移動可能に保持する複数のプーリと、を有し、
少なくとも1つの前記プーリの外周面には、前記プーリの端面と交差する方向の保持面が設けられ、
前記保持面には、前記ベルトを高い張力で保持する高張力保持面と、前記ベルトを低い張力で保持する低張力保持面と、が設けられ、
前記出力軸と前記プーリの回転軸は略平行であり、
前記高張力保持面は前記低張力保持面よりも前記切断刃側に位置していることを特徴とする切断機。
Priority Applications (1)
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JP2016256890A JP2018108620A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | 切断機 |
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JP2016256890A JP2018108620A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | 切断機 |
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Family Applications (1)
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JP2016256890A Pending JP2018108620A (ja) | 2016-12-28 | 2016-12-28 | 切断機 |
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2016
- 2016-12-28 JP JP2016256890A patent/JP2018108620A/ja active Pending
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