以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態等は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態等で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、特許請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態等における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、符号化は、誤り制御符号化を意味する場合がある。誤り制御符号化は、誤り訂正符号化とも呼ばれる。また、復号は、誤り制御復号を意味する場合がある。誤り制御復号は、誤り訂正復号または誤り訂正とも呼ばれる。また、未知は、未確定を意味する場合がある。また、伝送は、送信を意味する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、重畳符号化を用いた多重方式により、複数のデータ系列を複数の階層に多重して伝送する場合について説明する。
本実施の形態を含む複数の実施の形態において、一般性を損なわない範囲で説明を簡単にするために、2つのデータ系列を互いに異なる2つの階層に多重して伝送する場合を例に説明する。しかしながら、本実施の形態を含む複数の実施の形態で説明する多重方式は、3以上のデータ系列を互いに異なる3以上の階層に多重して伝送する場合においても適用可能である。
また、本実施の形態を含む複数の実施の形態において、第1のデータ系列が属する第1の階層は、第2のデータ系列が属する第2の階層よりも雑音耐性が高い階層として利用される。
図1は、重畳符号化を用いて2つのデータ系列を2つの階層に多重して送信する送信装置100の構成の一例を示す。図1を参照しながら送信装置100の構成および動作を説明する。
送信装置100は、符号化部111、インタリーブ部112、マッピング部113、乗算部114、符号化部121、インタリーブ部122、マッピング部123、乗算部124、加算部130およびRF部(Radio Frequency部)140を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。乗算部114、乗算部124および加算部130は、全体として重畳部とも表現され得る。RF部140は、送信部とも表現され得る。RF部140は、アンテナを含んでいてもよい。
符号化部111は、入力された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部112は、符号化部111で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部113は、インタリーブ部112で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式(第1の変調方式)に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。第1のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部113は、第1のビット列を第1のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第1のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
符号化部121は、入力された第2のデータ系列に第2の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第2のビット列を生成する。インタリーブ部122は、符号化部121で生成された第2のビット列のビット順を第2の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部123は、インタリーブ部122で並べ替えられた第2のビット列に対して第2のマッピング方式(第2の変調方式)に従ったマッピング処理を施し、複数の第2の変調シンボルで構成される第2の変調シンボル列を生成する。第2のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部123は、第2のビット列を第2のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第2のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
マッピング方式として、BPSKおよびQPSK等のPSK変調、または、16QAMおよび64QAM等のQAM変調が用いられる場合、変調シンボルは、例えば実数が同相成分の大きさを示し、虚数が直交成分の大きさを示す複素数で表され得る。また、マッピング方式としてPAM変調が用いられる場合、変調シンボルは、実数で表され得る。
乗算部114は、第1の変調シンボル列の第1の変調シンボルに対して第1の振幅係数a1を乗算する。乗算部124は、第2の変調シンボル列の第2の変調シンボルに対して第2の振幅係数a2を乗算する。加算部130は、第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボルと、第2の振幅係数a2が乗算された第2の変調シンボルとを重畳して、複数の重畳変調シンボルで構成される重畳変調シンボル列を生成する。
RF部140は、生成された重畳変調シンボル列を信号として送信する。具体的には、RF部140は、加算部130で生成された重畳変調シンボル列から、重畳変調シンボル列に対応する信号として無線周波数帯の信号を生成し、当該無線周波数帯の信号をアンテナから送信する。
つまり、乗算部114、乗算部124および加算部130で構成される重畳部は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とを所定の振幅比率で重畳することにより、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を生成する。そして、RF部140は、多重信号を送信する。なお、多重信号は、重畳変調シンボル列に対応する。また、所定の振幅比率は、1:1でもよく、乗算処理は、省略されてもよい。
図2は、重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、多重された2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得(抽出)することが可能な受信装置200の構成の一例を示す。図2を参照しながら受信装置200の構成および動作を説明する。
受信装置200は、RF部230、デマッピング部211、デインタリーブ部212、復号部213、符号化部214、インタリーブ部215、マッピング部216、乗算部217、遅延部218、減算部219、デマッピング部221、デインタリーブ部222および復号部223を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。
デマッピング部211、デインタリーブ部212、復号部213、符号化部214、インタリーブ部215、マッピング部216、乗算部217、遅延部218、減算部219、デマッピング部221、デインタリーブ部222および復号部223は、全体として導出部とも表現され得る。RF部230は、受信部とも表現され得る。RF部230は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置200は、送信装置100から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部230に入力する。つまり、RF部230は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部230によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが多重された重畳変調シンボル列に対応する。RF部230は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部211は、ベースバンドの受信信号を第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第1のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第1のコンステレーションには、振幅係数a1が反映されている。
デインタリーブ部212は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部213は、デインタリーブ部212で並べ替えられた第1のビット尤度列を用いて第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を行い、復号結果を第1のデータ系列として出力する。
ここで、デマッピング部211は、重畳変調シンボル列に対応する受信信号のうち、第2のデータ系列の第2の変調シンボルに対応する成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
受信装置200は、第1のデータ系列のみが取得対象である場合、第1のデータ系列の推定が完了した時点で処理を終了する。一方、第1のデータ系列に加えて第2のデータ系列が取得対象である場合、または、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置200は、第2のデータ系列を取得するために以下の処理を実施する。
符号化部214は、復号部213で取得された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部215は、符号化部214で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部216は、インタリーブ部215で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。乗算部217は、マッピング部216が出力する第1の変調シンボル列に第1の振幅係数a1を乗算する。
遅延部218は、RF部230がベースバンドの受信信号を出力してから、再生された第1の変調シンボル列を乗算部217が出力するまでの間、RF部230から出力された受信信号を遅延させる。
減算部219は、遅延部218で遅延させられた受信信号から、乗算部217で第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボル列を減算する。これにより、減算部219は、第1の変調シンボルに対応する成分と第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された受信信号から、第1の変調シンボルに対応する成分を除去する。そして、減算部219は、第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された信号を第2の変調シンボル列に対応する信号として出力する。
デマッピング部221は、減算部219が出力する信号を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第2のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第2のコンステレーションには、振幅係数a2が反映されている。
デインタリーブ部222は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部223は、デインタリーブ部222で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。
以上のようにして、受信装置200は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
<重畳符号化>
次に、重畳符号化について説明する。
信号電力Ps(W)、雑音電力Pn(W)および伝送帯域幅B(Hz)を用いて、伝送容量CT(bit/s)は、シャノン限界として式1で与えられる。
伝送帯域幅で正規化された1Hzあたりの伝送容量C(bit/s/Hz)は、式2で与えられる。
以下では、「1Hzあたりの伝送容量」を単に「伝送容量」と呼ぶ。
第1のデータ系列と第2のデータ系列との重畳符号化において、第1のデータ系列に対応する第1の階層の信号電力Ps1(W)と、第2のデータ系列に対応する第2の階層の信号電力Ps2(W)と、全体の信号電力Ps(W)とは、Ps=Ps1+Ps2を満たす。
第1の階層の復調を行う際に、受信装置200は、第2の階層の変調シンボルの成分を第1の階層の変調シンボルに重畳された未知の成分、すなわちノイズとみなす。このため、第1の階層の伝送容量C1は、式3で与えられる。
受信装置200が第2の階層の復調を行う際に、第1の階層の変調シンボルの成分は、受信信号からすでに除去されている。このため、第2の階層の伝送容量C2は、式4で与えられる。
第1の階層の伝送容量C1と第2の階層の伝送容量C2の合計は、式5に示すようにシャノン限界に一致する。
本実施の形態において、第1のデータ系列に対応する第1の階層の信号電力Ps1は、第1の振幅係数a1の2乗に比例し、第2のデータ系列に対応する第2の階層の信号電力Ps2は、第2の振幅係数a2の2乗に比例する。複数の階層に対する信号電力の配分は、各階層の変調シンボルに乗算される振幅係数によって決定される。
第1の階層の信号電力Ps1と第2の階層の信号電力Ps2との比がPs1:Ps2=2:1である場合の各々の伝送容量のシミュレーション結果の一例を図3に示す。図3において、横軸は信号電力Ps対雑音電力Pn比(SNR)をdB(デシベル)で表し、縦軸は伝送容量を表す。図3において、一点鎖線は第1の階層の伝送容量C1を示し、破線は第2の階層の伝送容量C2を示し、実線は第1の階層の伝送容量C1と第2の階層の伝送容量C2との合計の伝送容量を示す。
なお、SNRは、信号電力対雑音電力比を意味し、信号対雑音電力比または信号対雑音比とも呼ばれる。
<非均一コンステレーション>
本実施の形態において、送信装置100は、第1のマッピング方式および第2のマッピング方式として各々任意のマッピング方式を用いることができる。受信装置200は、第2の階層の第2の変調シンボルが未知の状態で第1の階層の復調を行う。そのため、第1のマッピング方式として主に低いSNRを対象とした、例えば、QPSKなどのマッピング方式が好適である。
図4は、QPSKのコンステレーションの一例を示す。具体的には、横軸が実数部(実数成分)であり縦軸が虚数部(虚数成分)である複素平面上に、QPSKの4個の信号点がプロットされている。QPSKでは、図4に示されたコンステレーションに基づいて、ビット群(00、01、10または11)が複素数の変調シンボルに対応付けられる。
一方、第2の階層はすでに第1の階層の変調シンボルが除去された状態で復調される。そのため、第2のマッピング方式は、高いSNRを対象とした、多値のコンステレーションを用いたマッピング方式でもよい。
近年、多値のコンステレーションとして、非特許文献3に記載されているような非均一(Non−uniform)コンステレーションが注目されている。非均一コンステレーションは、従来のQAMのような均一な間隔で配置された信号点からなる均一(Uniform)コンステレーションと異なり、非均一な間隔で配置された信号点からなるコンステレーションである。非均一コンステレーションを用いたマッピング方式は、均一コンステレーションを用いたマッピング方式に比べて、伝送容量を向上させる場合がある。
図5は、256個の信号点からなる非均一コンステレーション(Nu−256QAM)の一例を示す。図5では、横軸が実数部であり縦軸が虚数部である複素平面上に非均一コンステレーションの256個の信号点がプロットされている。
重畳符号化を用いた多重方式において、第1のマッピング方式として図4に示したQPSKを用い、第2のマッピング方式として図5に示したNu−256QAMを用いた場合の例を以下に説明する。
第1の階層の信号電力Ps1と第2の階層の信号電力Ps2との比がPs1:Ps2=2:1である場合の各々の伝送容量のシミュレーション結果の一例を図6に示す。図6において、横軸は信号電力Ps対雑音電力Pn比(SNR)をdB(デシベル)で表し、縦軸は伝送容量を表す。図6において、一点鎖線は第1の階層の伝送容量C1を示し、破線は第2の階層の伝送容量C2を示す。QPSKおよびNu−256QAMの組み合わせによって、図3に示された限界に近い伝送容量が得られる。
以上で説明したように、本実施の形態によれば、送信装置100は、重畳符号化を用いた多重方式により複数のデータ系列を高効率に多重して伝送することができる。そして、受信装置200は、重畳符号化を用いた多重方式により高効率に多重された複数のデータ系列を受信することができる。さらに、送信装置100および受信装置200は、非均一コンステレーションを用いて伝送容量を向上することができる。
なお、並び替え(インタリーブおよびデインタリーブ)は、誤りが連続して発生した場合の影響を抑制する。また、並び替え(インタリーブおよびデインタリーブ)は、誤り訂正符号の符号語を構成するビットと変調シンボルおよびその変調シンボルを構成するビットとの対応付けを制御する。しかし、並び替え(インタリーブおよびデインタリーブ)は、省略されてもよい。
すなわち、インタリーブ部112およびインタリーブ部122は、任意の構成要素であって、送信装置100に含まれなくてもよい。同様に、デインタリーブ部212、インタリーブ部215およびデインタリーブ部222は、任意の構成要素であって、受信装置200に含まれなくてもよい。
ただし、インタリーブとデインタリーブとは対を構成する。したがって、基本的には、送信装置100がインタリーブ部112およびインタリーブ部122を備える場合、受信装置200は、デインタリーブ部212、インタリーブ部215およびデインタリーブ部222を備える。一方、送信装置100がインタリーブ部112およびインタリーブ部122を備えない場合、受信装置200は、デインタリーブ部212、インタリーブ部215およびデインタリーブ部222を備えない。
また、受信装置200のマッピング部216におけるマッピングに振幅係数a1が反映されてもよい。この場合、受信装置200において、乗算処理が省略されてもよく、受信装置200は、乗算部217を備えていなくてもよい。
また、第1のデータ系列および第2のデータ系列の誤り制御符号化は、送信装置100とは異なる外部の装置によって行われてもよい。この場合、送信装置100において、誤り制御符号化が省略されてもよい。そして、送信装置100は、符号化部111および符号化部121を備えていなくてもよい。
(実施の形態2)
<重畳符号化で得られた信号の並列復号>
本実施の形態では、重畳符号化で得られた信号を並列復号する受信方法について説明する。送信装置の構成は、図1に示した送信装置100と同じであるため説明を省略する。重畳符号化における並列復号では、受信装置は、受信信号に含まれる第1の階層の変調シンボル列の成分を除去せずに、第1の階層の変調シンボル列の成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第2の階層を復号する。
図7は、重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して並列復号し、多重された2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置300の構成の一例を示す。図7を参照しながら受信装置300の構成および動作を説明する。
受信装置300は、RF部330、デマッピング部310、デインタリーブ部312、復号部313、デインタリーブ部322および復号部323を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。デマッピング部310、デインタリーブ部312、復号部313、デインタリーブ部322および復号部323は、全体として導出部とも表現され得る。RF部330は、受信部とも表現され得る。RF部330は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置300は、送信装置100から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部330に入力する。つまり、RF部330は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部330によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され得る。RF部330は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部310は、ベースバンドの受信信号をデマッピングし、第1のビット尤度列および第2のビット尤度列を生成する。デマッピング部310は、例えば、重畳符号化を用いて第1の変調シンボルと第2の変調シンボルとが重畳された重畳変調シンボルの信号点の配置を示す重畳コンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
重畳コンステレーションは、第1のマッピング方式の第1のコンステレーション、第2のマッピング方式の第2のコンステレーション、第1の振幅係数a1および第1の振幅係数a2等に応じて決まる。
図8は、重畳コンステレーションの一例を示す。具体的には、図4に示されたQPSKのコンステレーションと、図5に示されたNu−256QAMのコンステレーションとが組み合わされている。より具体的には、QPSKのコンステレーションの4つの信号点に従って、Nu−256QAMのコンステレーション(256個の信号点)が、複素平面上の4つの領域のそれぞれに配置されている。Nu−256QAMのコンステレーションに対応するこれらの4つの領域は、部分的に重なっていてもよい。
デマッピング部310は、図8に示されているような重畳コンステレーションに基づいてデマッピングを行う。すなわち、デマッピング部310は、第2の階層の変調シンボル列が未知な状態で第1のビット尤度列を生成し、第1の階層の変調シンボル列が未知な状態で第2のビット尤度列を生成する。
なお、デマッピング部310は、第1のビット尤度列の生成に、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションを用い、第2のビット尤度列の生成には、上述した重畳コンステレーションを用いてもよい。
デマッピング部310は、第1のビット尤度列の生成に第1のコンステレーションを用いた場合、第1のビット尤度列の生成にも重畳コンステレーションを用いる場合と比較して、第1のビット尤度列の生成に考慮される信号点の数を減らすことができる。したがって、この場合、デマッピング部310は、演算量を削減することができる。
また、例えば、デマッピング部310は、受信信号をデマッピングすることにより第1のビット尤度列を生成する第1のデマッピング部と、受信信号をデマッピングすることにより第2のビット尤度列を生成する第2のデマッピング部とに対応する。デマッピング部310は、受信信号をデマッピングすることにより第1のビット尤度列を生成する第1のデマッピング部と、受信信号をデマッピングすることにより第2のビット尤度列を生成する第2のデマッピング部とを備えていてもよい。
デインタリーブ部312は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部313は、デインタリーブ部312で並べ替えられた第1のビット尤度列に対して第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第1のデータ系列として出力する。
デインタリーブ部322は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部323は、デインタリーブ部322で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。
なお、実施の形態1と同様に、並び替え(デインタリーブ)は省略されてもよい。すなわち、デインタリーブ部312およびデインタリーブ部322は、任意の構成要素であって、受信装置300に含まれなくてもよい。
ただし、インタリーブとデインタリーブとは対を構成する。したがって、基本的には、送信装置100がインタリーブ部112およびインタリーブ部122を備える場合、受信装置300は、デインタリーブ部312およびデインタリーブ部322を備える。一方、送信装置100がインタリーブ部112およびインタリーブ部122を備えない場合、受信装置300は、デインタリーブ部312およびデインタリーブ部322を備えない。
図9は、受信装置300の動作例を示すフローチャートである。まず、RF部330は、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を受信する(S101)。
次に、デマッピング部310は、多重信号をデマッピングすることにより、第1のデータ系列の第1のビット尤度列を生成する(S102)。また、デマッピング部310は、多重信号をデマッピングすることにより、第2のデータ系列の第2のビット尤度列を生成する(S103)。デインタリーブ部312は、生成された第1のビット尤度列をデインタリーブしてもよい。また、デインタリーブ部322は、生成された第2のビット尤度列をデインタリーブしてもよい。
そして、復号部313は、第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、第1のデータ系列を導出する(S104)。また、復号部323は、第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、第2のデータ系列を導出する(S105)。
なお、基本的に、第1のビット尤度列に対する処理(生成、デインタリーブおよび誤り制御復号)と、第2のビット尤度列に対する処理(生成、デインタリーブおよび誤り制御復号)とは、並列して行われる。
図7に示した並列復号を行う受信装置300では、図2に示した逐次復号を行う受信装置200に比べて、第2の階層に対する復号性能が劣化する。
第1の階層の信号電力Ps1と第2の階層の信号電力Ps2との比がPs1:Ps2=2:1である場合の第2の階層の伝送容量のシミュレーション結果の一例を図10に示す。図10において、横軸は信号電力Ps対雑音電力Pn比(SNR)をdB(デシベル)で表し、縦軸は伝送容量を表す。図10において、実線は逐次復号を行う場合の第2の階層の伝送容量を示し、破線は並列復号を行う場合の第2の階層の伝送容量を示す。
図10に示すように、並列復号を行う場合は、逐次復号を行う場合と比較して、第2の階層の復号において、同じ伝送容量に対して必要なSNRが増加し、同じSNRに対して伝送容量が減少する。
以上のように、本実施の形態における並列復号を行う受信装置300は、逐次復号を行う受信装置200と比較して、第2の階層で伝送される第2のデータ系列に関する復号性能は劣化する。しかし、第2の階層の復号に必要な構成を減らすことが可能である。
具体的には、受信装置300は、図2に示した逐次復号を行う受信装置200と比較して、第1の階層の変調シンボル列を再生するための符号化部214、インタリーブ部215、マッピング部216および乗算部217が不要となる。また、受信信号を遅延させるための遅延部218、および、受信信号から再生された第1の階層の変調シンボルの成分を除去する減算部219が不要となる。
よって、回路規模を削減することが可能である。また、受信装置300は、受信装置200と比較して演算量を低減することができ、消費電力を削減することができる。
さらに、図2に示した逐次復号を行う受信装置200は、受信信号の第1の階層を復調して第1のデータ系列を取得し、取得された第1のデータ系列から第1の変調シンボル列を生成した後に、受信信号の第2の階層の復調を開始して第2のデータ系列を取得する。一方、本実施の形態における並列復号を行う受信装置300は、第1のデータ系列の取得と第2のデータ系列の取得とを同時に並行して実行することができるため、処理遅延を短縮することができる。
また、受信装置は、受信信号のSNRを観測し、SNRが高い場合には並列復号を行い、SNRが低い場合には逐次復号を行うように復号処理を切り替えてもよい。
その場合、例えば、図2に示す受信装置200が、SNRに応じて逐次復号と並列復号とを切り替える制御部を備える。制御部は、RF部230またはデマッピング部221に含まれていてもよい。さらに、デマッピング部221が、第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理に加え、図7のデマッピング部310の動作として説明した、重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理の動作を行う構成を備える。
そして、デマッピング部221は、減算部219から出力された信号に対する第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理と、RF部230から出力された信号に対する重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理とを切り替える。例えば、デマッピング部221は、制御部からの制御信号に応じて、これらのデマッピング処理を切り替える。
図11は、並列復号と逐次復号とを選択的に行う受信装置400の構成の一例を示す。受信装置400は、RF部430、デマッピング部411、デインタリーブ部412、復号部413、符号化部414、インタリーブ部415、マッピング部416、乗算部417、遅延部418、減算部419、デマッピング部421、デインタリーブ部422および復号部423を備える。図11に示す受信装置400の複数の構成要素と、図2に示す受信装置200の複数の構成要素とは、基本的に同じである。
ただし、受信装置400のデマッピング部421は、第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理に加え、重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理を行う。例えば、デマッピング部421は、減算部419から出力された信号を第2のコンステレーションに基づいてデマッピングする処理と、RF部430から出力された信号を重畳コンステレーションに基づいてデマッピングする処理とをSNRに応じて切り替える。
また、図11の例では、SNRに応じて逐次復号と並列復号を切り替える制御部が、省略されているが、デマッピング部421に含まれてもよいし、RF部430に含まれてもよいし、新たな構成要素として受信装置400に含まれてもよい。
図12は、受信装置400の動作例を示すフローチャートである。まず、RF部430は、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を受信する(S201)。そして、RF部430は、多重信号が所定の基準を満たすか否かを判定する。例えば、所定の基準は、SNRが所定の閾値よりも高いことである。
ここで、多重信号が所定の基準を満たす場合(S202でYes)、デマッピング部411は、多重信号をデマッピングすることにより、第1のデータ系列の第1のビット尤度列を生成する(S203)。また、デマッピング部421は、多重信号をデマッピングすることにより、第2のデータ系列の第2のビット尤度列を生成する(S204)。デインタリーブ部412は、生成された第1のビット尤度列をデインタリーブしてもよい。デインタリーブ部422は、生成された第2のビット尤度列をデインタリーブしてもよい。
そして、復号部413は、第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、第1のデータ系列を導出する(S205)。また、復号部423は、第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、第2のデータ系列を導出する(S206)。
これらの動作(S203〜S206)は、基本的に、図9に示された動作(S102〜S105)と同じである。
一方、多重信号が所定の基準を満たさない場合(S202でNo)、デマッピング部411は、多重信号をデマッピングすることにより、第1のデータ系列の第1のビット尤度列を生成する(S207)。デインタリーブ部412は、生成された第1のビット尤度列をデインタリーブしてもよい。次に、復号部413は、第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、第1のデータ系列を導出する(S208)。
次に、符号化部414は、第1のデータ系列に対して誤り制御符号化を行うことにより、第1のビット列を生成する(S209)。インタリーブ部415は、生成された第1のビット列をインタリーブしてもよい。次に、マッピング部416は、第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成する(S210)。乗算部417は、第1の変調シンボル列に振幅係数a1を乗算してもよい。
また、遅延部418は、第1の変調シンボル列が生成されるまで、多重信号を遅延させる(S211)。そして、減算部419は、多重信号から第1の変調シンボル列を減算する(S212)。
次に、デマッピング部421は、第1の変調シンボル列が減算された多重信号をデマッピングすることにより、第2のビット尤度列を生成する(S213)。デインタリーブ部422は、生成された第2のビット尤度列をデインタリーブしてもよい。次に、復号部423は、第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、第2のデータ系列を導出する(S214)。
これにより、SNRが高い場合、受信装置400は並列復号を行うことによって、演算量を低減し消費電力を削減することができる。また、SNRが高い場合、受信装置400は並列復号を行うことによって、処理遅延を短縮することができる。一方、SNRが低い場合、受信装置400が逐次復号を行うことによって、第2のデータ系列を正しく復号できる可能性が高くなる。
なお、基本的に、本実施の形態における第1のマッピング方式および第2のマッピング方式は、実施の形態1における第1のマッピング方式および第2のマッピング方式と同じである。すなわち、基本的に、本実施の形態における第1のコンステレーションおよび第2のコンステレーションは、実施の形態1における第1のコンステレーションおよび第2のコンステレーションと同じである。第2のマッピング方式には、均一コンステレーションが用いられてもよいし、非均一コンステレーションが用いられてもよい。
(実施の形態3)
<変形重畳符号化(変型重畳符号化)>
本実施の形態では、上述した重畳符号化を変形した変形重畳符号化(変型重畳符号化)を用いて複数のデータ系列を多重して伝送する方法について説明する。
図13は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列を2つの階層に多重して送信する送信装置500の構成の一例を示す。図13を参照しながら送信装置500の構成および動作を説明する。
送信装置500は、符号化部511、インタリーブ部512、マッピング部513、乗算部514、符号化部521、インタリーブ部522、マッピング部523、変換部525、乗算部524、加算部530およびRF部540を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。乗算部514、乗算部524および加算部530は、全体として重畳部とも表現され得る。RF部540は、送信部とも表現され得る。RF部540は、アンテナを含んでいてもよい。
符号化部511は、入力された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部512は、符号化部511で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部513は、インタリーブ部512で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。第1のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部513は、第1のビット列を第1のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第1のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
第1のマッピング方式として、BPSKおよびQPSK等のPSK変調、または、16QAMおよび64QAM等のQAM変調が用いられる場合、第1の変調シンボルは、例えば実数が同相成分の大きさを示し、虚数が直交成分の大きさを示す複素数で表され得る。また、第1のマッピング方式としてPAM変調が用いられる場合、第1の変調シンボルは、実数で表され得る。
符号化部521は、入力された第2のデータ系列に第2の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第2のビット列を生成する。インタリーブ部522は、符号化部521で生成された第2のビット列のビット順を第2の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部523は、インタリーブ部522で並べ替えられた第2のビット列に対して第2のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第2の変調シンボルで構成される第2の変調シンボル列を生成する。第2のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部523は、第2のビット列を第2のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第2のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
第2のマッピング方式として、BPSKおよびQPSK等のPSK変調、または、16QAMおよび64QAM等のQAM変調が用いられる場合、第2の変調シンボルは、例えば実数が同相成分の大きさを示し、虚数が直交成分の大きさを示す複素数で表され得る。また、第2のマッピング方式としてPAM変調が用いられる場合、第2の変調シンボルは、実数で表され得る。第2のマッピング方式には、均一コンステレーションが用いられてもよいし、非均一コンステレーションが用いられてもよい。
変換部525は、第1の変調シンボルの生成に用いられたビットの値に基づいて、当該第1の変調シンボルと重畳される第2の変調シンボルに変換を施す。これにより、変換部525は、第2の変調シンボル列に変換を施す。
乗算部514は、第1の変調シンボル列の第1の変調シンボルに対して第1の振幅係数a1を乗算する。乗算部524は、変換部525で変換された第2の変調シンボル列の第2の変調シンボルに対して第2の振幅係数a2を乗算する。加算部530は、第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボルと、第2の振幅係数a2が乗算された第2の変調シンボルとを重畳して、複数の重畳変調シンボルで構成される重畳変調シンボル列を生成する。
RF部540は、生成された重畳変調シンボル列を信号として送信する。具体的には、RF部540は、加算部530で生成された重畳変調シンボル列から、重畳変調シンボル列に対応する信号として無線周波数帯の信号を生成し、当該無線周波数帯の信号をアンテナから送信する。
つまり、乗算部514、乗算部524および加算部530で構成される重畳部は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とを所定の振幅比率で重畳することにより、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を生成する。そして、RF部540は、多重信号を送信する。なお、多重信号は、重畳変調シンボル列に対応する。また、所定の振幅比率は、1:1でもよく、乗算処理は、省略されてもよい。
第1のマッピング方式としてQPSKを用いる場合を例に挙げて、変換部525の動作を説明する。
例えば、S1(t)が、マッピング部513で生成される第1の変調シンボル列のt番目の変調シンボルであり、b1(t)およびb2(t)が、S1(t)にマッピングされる複数のビットである場合、変調シンボルS1(t)は、式6で与えられる。
ここで、iは虚数単位である。変調シンボルS1(t)は、式6の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性(正負)が反転された式で与えられてもよい。ビットb1(t)は、変調シンボルS1(t)の実数部に寄与しているビットである。ビットb2(t)は、変調シンボルS1(t)の虚数部に寄与しているビットである。
変換部525は、マッピング部523で生成された第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルS2(t)を式7のようにb1(t)およびb2(t)に基づいてS’2(t)に変換する。
ここで、S’2(t)は、変換された第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルである。また、Re[S2(t)]はS2(t)の実数部の値であり、Im[S2(t)]はS2(t)の虚数部の値である。変調シンボルS’2(t)は、式7の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。
以上のように、変形重畳符号化では、第2の変調シンボルの実数部および虚数部の極性が、第2の変調シンボルと重畳される第1の変調シンボルにマッピングされるビットの値に応じて制御される。なお、第2の変調シンボルの実数部および虚数部の極性が、第2の変調シンボルと重畳される第1の変調シンボルに応じて制御されてもよい。また、第2の変調シンボルの実数部および虚数部のいずれか一方が制御されてもよいし、両方の極性が制御されてもよい。
図14は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列を2つの階層に多重して送信する送信装置600の構成の一例を示す。送信装置600の構成は、送信装置500の構成とは異なる。図14を参照しながら送信装置600の構成および動作を説明する。
送信装置600は、符号化部611、インタリーブ部612、マッピング部613、乗算部614、符号化部621、インタリーブ部622、マッピング部623、変換部625、乗算部624、加算部630およびRF部640を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。乗算部614、乗算部624および加算部630は、全体として重畳部とも表現され得る。RF部640は、送信部とも表現され得る。RF部640は、アンテナを含んでいてもよい。
符号化部611は、入力された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部612は、符号化部611で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部613は、インタリーブ部612で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。第1のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部613は、第1のビット列を第1のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第1のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
符号化部621は、入力された第2のデータ系列に第2の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第2のビット列を生成する。インタリーブ部622は、符号化部621で生成された第2のビット列のビット順を第2の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部623は、インタリーブ部622で並べ替えられた第2のビット列に対して第2のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第2の変調シンボルで構成される第2の変調シンボル列を生成する。第2のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部623は、第2のビット列を第2のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第2のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
変換部625は、生成された第1の変調シンボルに基づいて、当該第1の変調シンボルと重畳される第2の変調シンボルに変換を施す。これにより、変換部625は、第2の変調シンボル列に変換を施す。
乗算部614は、第1の変調シンボル列の第1の変調シンボルに対して第1の振幅係数a1を乗算する。乗算部624は、変換部625で変換された第2の変調シンボル列の第2の変調シンボルに対して第2の振幅係数a2を乗算する。加算部630は、第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボルと、第2の振幅係数a2が乗算された第2の変調シンボルとを重畳して、複数の重畳変調シンボルで構成される重畳変調シンボル列を生成する。
RF部640は、生成された重畳変調シンボル列を信号として送信する。具体的には、RF部640は、加算部630で生成された重畳変調シンボル列から、重畳変調シンボル列に対応する信号として無線周波数帯の信号を生成し、当該無線周波数帯の信号をアンテナから送信する。
つまり、乗算部614、乗算部624および加算部630で構成される重畳部は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とを所定の振幅比率で重畳することにより、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を生成する。そして、RF部640は、多重信号を送信する。なお、多重信号は、重畳変調シンボル列に対応する。また、所定の振幅比率は、1:1でもよく、乗算処理は、省略されてもよい。
第1のマッピング方式としてQPSKを用いる場合を例に挙げて、変換部625の動作を説明する。
例えば、S1(t)が、マッピング部613で生成される第1の変調シンボル列のt番目の変調シンボルであり、b1(t)およびb2(t)が、S1(t)にマッピングされる複数のビットである場合、変調シンボルS1(t)は、式8で与えられる。
ここで、iは虚数単位である。変調シンボルS1(t)は、式8の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。ビットb1(t)は、変調シンボルS1(t)の実数部に寄与しているビットである。ビットb2(t)は、変調シンボルS1(t)の虚数部に寄与しているビットである。
変換部625は、マッピング部623で生成された第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルS2(t)を式9のように変調シンボルS1(t)に基づいてS’2(t)に変換する。
ここで、S’2(t)は、変換された第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルである。また、Re[S2(t)]はS2(t)の実数部の値であり、Im[S2(t)]はS2(t)の虚数部の値である。また、sgn(Re[S1(t)])はS1(t)の実数部の極性であり、sgn(Im[S1(t)])はS1(t)の虚数部の極性である。
変調シンボルS’2(t)は、式9の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。なお、式9に基づく変換は、式7に基づく変換と実質的に同じである。
以上のように、変形重畳符号化では、第2の変調シンボルの実数部および虚数部の極性が、第2の変調シンボルと重畳される第1の変調シンボルに応じて制御される。なお、第2の変調シンボルの実数部および虚数部の極性が、第2の変調シンボルと重畳される第1の変調シンボルにマッピングされるビットの値に応じて制御されてもよい。また、第2の変調シンボルの実数部および虚数部のいずれか一方が制御されてもよいし、両方の極性が制御されてもよい。
図15は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列を2つの階層に多重して送信する送信装置700の構成の一例を示す。送信装置700の構成は、送信装置500および600の構成とは異なる。図15を参照しながら送信装置700の構成および動作を説明する。
送信装置700は、符号化部711、インタリーブ部712、マッピング部713、乗算部714、符号化部721、インタリーブ部722、マッピング部723、乗算部724、加算部730およびRF部740を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。乗算部714、乗算部724および加算部730は、全体として重畳部とも表現され得る。RF部740は、送信部とも表現され得る。RF部740は、アンテナを含んでいてもよい。マッピング部723は、変換部を含んでいてもよい。
符号化部711は、入力された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部712は、符号化部711で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部713は、インタリーブ部712で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。第1のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部713は、第1のビット列を第1のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第1のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
符号化部721は、入力された第2のデータ系列に第2の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第2のビット列を生成する。インタリーブ部722は、符号化部721で生成された第2のビット列のビット順を第2の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部723は、マッピング部713で第1の変調シンボル列にマッピングされる第1のビット列に応じて第2のマッピング方式を変換(変形)する。そして、マッピング部723は、インタリーブ部722で並べ替えられた第2のビット列に対して、第1のビット列に応じて変換された第2のマッピング方式に従ったマッピング処理を施す。これにより、マッピング部723は、複数の第2の変調シンボルで構成される第2の変調シンボル列を生成する。
第2のマッピング方式に従ったマッピング処理において、マッピング部723は、第2のビット列を第2のビット数のビット群毎に、当該ビット群の値に従って第2のコンステレーションにおける複数の信号点のうちのいずれか1つの信号点へマッピングする。
乗算部714は、第1の変調シンボル列の第1の変調シンボルに対して第1の振幅係数a1を乗算する。乗算部724は、第2の変調シンボル列の第2の変調シンボルに対して第2の振幅係数a2を乗算する。加算部730は、第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボルと、第2の振幅係数a2が乗算された第2の変調シンボルとを重畳して、複数の重畳変調シンボルで構成される重畳変調シンボル列を生成する。
RF部740は、生成された重畳変調シンボル列を信号として送信する。具体的には、RF部740は、加算部730で生成された重畳変調シンボル列から、重畳変調シンボル列に対応する信号として無線周波数帯の信号を生成し、当該無線周波数帯の信号をアンテナから送信する。
つまり、乗算部714、乗算部724および加算部730で構成される重畳部は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とを所定の振幅比率で重畳することにより、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を生成する。そして、RF部740は、多重信号を送信する。なお、多重信号は、重畳変調シンボル列に対応する。また、所定の振幅比率は、1:1でもよく、乗算処理は、省略されてもよい。
第1のマッピング方式としてQPSKを用いる場合を例に挙げて、マッピング部723の動作を説明する。
例えば、S1(t)が、マッピング部713で生成される第1の変調シンボル列のt番目の変調シンボルであり、b1(t)およびb2(t)が、S1(t)にマッピングされる複数のビットである場合、変調シンボルS1(t)は、式10で与えられる。
ここで、iは虚数単位である。変調シンボルS1(t)は、式10の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。ビットb1(t)は、変調シンボルS1(t)の実数部に寄与しているビットである。ビットb2(t)は、変調シンボルS1(t)の虚数部に寄与しているビットである。
マッピング部723は、インタリーブ部722から入力された第2のビット列のうち、第2のコンステレーションの実数部にもっとも寄与するビットに対して、b1(t)の排他的論理和を施す。また、マッピング部723は、インタリーブ部722から入力された第2のビット列のうち、第2のコンステレーションの虚数部にもっとも寄与するビットに対して、b2(t)の排他的論理和を施す。そして、これらの排他的論理和が施された第2のビット列を第2のコンステレーションに基づいてマッピングする。
ここで、第2のコンステレーションの実数部にもっとも寄与するビットとは、例えば当該ビットの値を0から1へまたは1から0へ反転すると、第2のコンステレーションの実数部の極性が反転するビットを意味する。すなわち、第2のコンステレーションの実数部にもっとも寄与するビットとは、例えば当該ビットの値を0から1へまたは1から0へ反転すると、変調シンボルにおける実数部の値の正負の符号が反転するビットを意味する。
同様に、第2のコンステレーションの虚数部にもっとも寄与するビットとは、例えば当該ビットの値を0から1へまたは1から0へ反転すると、第2のコンステレーションの虚数部の極性が反転するビットを意味する。すなわち、第2のコンステレーションの虚数部にもっとも寄与するビットとは、例えば当該ビットの値を0から1へまたは1から0へ反転すると、変調シンボルにおける虚数部の値の正負の符号が反転するビットを意味する。
上記において、マッピング部723は、第2のビット列を変換することにより、実質的に第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)を変換する。しかしながら、マッピング部723は、第2のビット列を変換することなく、直接的に第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)を変換してもよい。つまり、マッピング部723は、第2のコンステレーションにおけるビット群と信号点との対応付けを変換してもよい。
また、マッピング部723によって行われる変換は、マッピング部723に含まれる変換部によって行われてもよい。
以上のように、変形重畳符号化では、第2の変調シンボルの実数部および虚数部の極性が、第2の変調シンボルと重畳される第1の変調シンボルにマッピングされるビットの値に応じて制御される。なお、第2の変調シンボルの実数部および虚数部の極性が、第2の変調シンボルと重畳される第1の変調シンボルに応じて制御されてもよい。また、第2の変調シンボルの実数部および虚数部のいずれか一方が制御されてもよいし、両方の極性が制御されてもよい。
<変形重畳符号化で得られた信号の逐次復号>
図16は、上述した変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、多重された2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置800の構成の一例を示す。図16を参照しながら受信装置800の構成および動作を説明する。
受信装置800は、RF部830、デマッピング部811、デインタリーブ部812、復号部813、符号化部814、インタリーブ部815、マッピング部816、乗算部817、遅延部818、減算部819、変換部820、デマッピング部821、デインタリーブ部822および復号部823を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。
デマッピング部811、デインタリーブ部812、復号部813、符号化部814、インタリーブ部815、マッピング部816、乗算部817、遅延部818、減算部819、変換部820、デマッピング部821、デインタリーブ部822および復号部823は、全体として導出部とも表現され得る。RF部830は、受信部とも表現され得る。RF部830は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置800は、送信装置500、600または700から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部830に入力する。つまり、RF部830は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部830によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが多重された重畳変調シンボル列に対応する。RF部830は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部811は、ベースバンドの受信信号を第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第1のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第1のコンステレーションには、振幅係数a1が反映されている。
デインタリーブ部812は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部813は、デインタリーブ部812で並べ替えられた第1のビット尤度列を用いて第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を行い、復号結果を第1のデータ系列として出力する。
ここで、デマッピング部811は、重畳変調シンボル列に対応する受信信号のうち、第2のデータ系列の第2の変調シンボルに対応する成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
受信装置800は、第1のデータ系列のみが取得対象である場合、第1のデータ系列の推定が完了した時点で処理を終了する。一方、第1のデータ系列に加えて第2のデータ系列が取得対象である場合、または、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置800は、第2のデータ系列を取得するために以下の処理を実施する。
符号化部814は、復号部813で取得された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部815は、符号化部814で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部816は、インタリーブ部815で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。乗算部817は、マッピング部816が出力する第1の変調シンボル列に第1の振幅係数a1を乗算する。
遅延部818は、RF部830がベースバンドの受信信号を出力してから、再生された第1の変調シンボル列を乗算部817が出力するまでの間、RF部830から出力された受信信号を遅延させる。
減算部819は、遅延部818で遅延させられた受信信号から、乗算部817で第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボル列を減算する。これにより、減算部819は、第1の変調シンボルに対応する成分と第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された受信信号から、第1の変調シンボルに対応する成分を除去する。そして、減算部819は、第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された信号を第2の変調シンボル列に対応する信号として出力する。
変換部820は、符号化およびインタリーブ等により再生された第1のビット列を用いて、減算部819から第2の変調シンボル列に対応する信号として出力された信号に変換を施す。デマッピング部821は、変換部820が出力する信号を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第2のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第2のコンステレーションには、振幅係数a2が反映されている。
デインタリーブ部822は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部823は、デインタリーブ部822で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。
第1のマッピング方式としてQPSKを用いる場合を例に挙げて、変換部820の動作を説明する。
例えば、S1(t)が、マッピング部816で生成される第1の変調シンボル列のt番目の変調シンボルであり、b1(t)およびb2(t)が、S1(t)にマッピングされる複数のビットである場合、変調シンボルS1(t)は、式11で与えられる。
ここで、iは虚数単位である。変調シンボルS1(t)は、式11の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。ビットb1(t)は、変調シンボルS1(t)の実数部に寄与しているビットである。ビットb2(t)は、変調シンボルS1(t)の虚数部に寄与しているビットである。
変換部820は、減算部819によって出力された信号のうち第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルに対応する信号S2(t)を式12のようにb1(t)およびb2(t)に基づいてS’2(t)に変換する。
ここで、S’2(t)は、変換後の信号である。また、Re[S2(t)]はS2(t)の実数部の値であり、Im[S2(t)]はS2(t)の虚数部の値である。変換後の信号S’2(t)は、式12の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。
以上のようにして、受信装置800は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
図17は、上述した変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、多重された2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置900の構成の一例を示す。受信装置900の構成は、受信装置800の構成とは異なる。図17を参照しながら受信装置900の構成および動作を説明する。
受信装置900は、RF部930、デマッピング部911、デインタリーブ部912、復号部913、符号化部914、インタリーブ部915、マッピング部916、乗算部917、遅延部918、減算部919、変換部920、デマッピング部921、デインタリーブ部922および復号部923を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。
デマッピング部911、デインタリーブ部912、復号部913、符号化部914、インタリーブ部915、マッピング部916、乗算部917、遅延部918、減算部919、変換部920、デマッピング部921、デインタリーブ部922および復号部923は、全体として導出部とも表現され得る。RF部930は、受信部とも表現され得る。RF部930は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置900は、送信装置500、600または700から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部930に入力する。つまり、RF部930は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部930によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが多重された重畳変調シンボル列に対応する。RF部930は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部911は、ベースバンドの受信信号を第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第1のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第1のコンステレーションには、振幅係数a1が反映されている。
デインタリーブ部912は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部913は、デインタリーブ部912で並べ替えられた第1のビット尤度列を用いて第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を行い、復号結果を第1のデータ系列として出力する。
ここで、デマッピング部911は、重畳変調シンボル列に対応する受信信号のうち、第2のデータ系列の第2の変調シンボルに対応する成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
受信装置900は、第1のデータ系列のみが取得対象である場合、第1のデータ系列の推定が完了した時点で処理を終了する。一方、第1のデータ系列に加えて第2のデータ系列が取得対象である場合、または、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置900は、第2のデータ系列を取得するために以下の処理を実施する。
符号化部914は、復号部913で取得された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部915は、符号化部914で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部916は、インタリーブ部915で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。乗算部917は、マッピング部916が出力する第1の変調シンボル列に第1の振幅係数a1を乗算する。
遅延部918は、RF部930がベースバンドの受信信号を出力してから、再生された第1の変調シンボル列を乗算部917が出力するまでの間、RF部930から出力された受信信号を遅延させる。
減算部919は、遅延部918で遅延させられた受信信号から、乗算部917で第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボル列を減算する。これにより、減算部919は、第1の変調シンボルに対応する成分と第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された受信信号から、第1の変調シンボルに対応する成分を除去する。そして、減算部919は、第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された信号を第2の変調シンボル列に対応する信号として出力する。
変換部920は、符号化、インタリーブおよびマッピング等により再生された第1の変調シンボル列を用いて、減算部919から第2の変調シンボル列に対応する信号として出力された信号に変換を施す。デマッピング部921は、変換部920が出力する信号を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第2のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第2のコンステレーションには、振幅係数a2が反映されている。
デインタリーブ部922は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部923は、デインタリーブ部922で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。
第1のマッピング方式としてQPSKを用いる場合を例に挙げて、変換部920の動作を説明する。
例えば、S1(t)が、マッピング部916で生成される第1の変調シンボル列のt番目の変調シンボルであり、b1(t)およびb2(t)が、S1(t)にマッピングされる複数のビットである場合、変調シンボルS1(t)は、式13で与えられる。
ここで、iは虚数単位である。変調シンボルS1(t)は、式13の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。ビットb1(t)は、変調シンボルS1(t)の実数部に寄与しているビットである。ビットb2(t)は、変調シンボルS1(t)の虚数部に寄与しているビットである。
変換部920は、減算部919によって出力された信号のうち第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルに対応する信号S2(t)を式14のように変調シンボルS1(t)に基づいてS’2(t)に変換する。
ここで、S’2(t)は、変換後の信号である。また、Re[S2(t)]はS2(t)の実数部の値であり、Im[S2(t)]はS2(t)の虚数部の値である。また、sgn(Re[S1(t)])はS1(t)の実数部の極性であり、sgn(Im[S1(t)])はS1(t)の虚数部の極性である。変換後の信号S’2(t)は、式14の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。なお、式14に基づく変換は、式12に基づく変換と実質的に同じである。
以上のようにして、受信装置900は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
図18は、上述した変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、多重された2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1000の構成の一例を示す。受信装置1000の構成は、受信装置800および900の構成とは異なる。図18を参照しながら受信装置1000の構成および動作を説明する。
受信装置1000は、RF部1030、デマッピング部1011、デインタリーブ部1012、復号部1013、符号化部1014、インタリーブ部1015、マッピング部1016、乗算部1017、遅延部1018、減算部1019、デマッピング部1021、デインタリーブ部1022および復号部1023を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。
デマッピング部1011、デインタリーブ部1012、復号部1013、符号化部1014、インタリーブ部1015、マッピング部1016、乗算部1017、遅延部1018、減算部1019、デマッピング部1021、デインタリーブ部1022および復号部1023は、全体として導出部とも表現され得る。RF部1030は、受信部とも表現され得る。RF部1030は、アンテナを含んでいてもよい。デマッピング部1021は、変換部を含んでいてもよい。
受信装置1000は、送信装置500、600または700から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部1030に入力する。つまり、RF部1030は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部1030によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが多重された重畳変調シンボル列に対応する。RF部1030は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部1011は、ベースバンドの受信信号を第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第1のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第1のコンステレーションには、振幅係数a1が反映されている。
デインタリーブ部1012は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部1013は、デインタリーブ部1012で並べ替えられた第1のビット尤度列を用いて第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を行い、復号結果を第1のデータ系列として出力する。
ここで、デマッピング部1011は、重畳変調シンボル列に対応する受信信号のうち第2のデータ系列の第2の変調シンボルに対応する成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
受信装置1000は、第1のデータ系列のみが取得対象である場合、第1のデータ系列の推定が完了した時点で処理を終了する。一方、第1のデータ系列に加えて第2のデータ系列が取得対象である場合、または、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置1000は、第2のデータ系列を取得するために以下の処理を実施する。
符号化部1014は、復号部1013で取得された第1のデータ系列に第1の誤り制御符号化方式に基づく符号化を施して第1のビット列を生成する。インタリーブ部1015は、符号化部1014で生成された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部1016は、インタリーブ部1015で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。乗算部1017は、マッピング部1016が出力する第1の変調シンボル列に第1の振幅係数a1を乗算する。
遅延部1018は、RF部1030がベースバンドの受信信号を出力してから、再生された第1の変調シンボル列を乗算部1017が出力するまでの間、RF部1030から出力された受信信号を遅延させる。
減算部1019は、遅延部1018で遅延させられた受信信号から、乗算部1017で第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボル列を減算する。これにより、減算部1019は、第1の変調シンボルに対応する成分と第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された受信信号から、第1の変調シンボルに対応する成分を除去する。そして、減算部1019は、第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された信号を第2の変調シンボル列に対応する信号として出力する。
デマッピング部1021は、減算部1019から第2の変調シンボル列に対応する信号として出力された信号を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第2のビット尤度列を生成する。その際、符号化およびインタリーブ等により再生された第1のビット列が、この処理に反映される。また、例えば、デマッピングのための第2のコンステレーションには、振幅係数a2が反映されている。
デインタリーブ部1022は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部1023は、デインタリーブ部1022で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。
第1のマッピング方式としてQPSKを用いる場合を例に挙げて、デマッピング部1021の動作を説明する。
例えば、S1(t)が、マッピング部1016で生成される第1の変調シンボル列のt番目の変調シンボルであり、b1(t)およびb2(t)が、S1(t)にマッピングされる複数のビットである場合、変調シンボルS1(t)は、式15で与えられる。
ここで、iは虚数単位である。変調シンボルS1(t)は、式15の実数部および虚数部のいずれか一方あるいは両方の極性が反転された式で与えられてもよい。ビットb1(t)は、変調シンボルS1(t)の実数部に寄与しているビットである。ビットb2(t)は、変調シンボルS1(t)の虚数部に寄与しているビットである。
デマッピング部1021は、減算部1019から第2の変調シンボル列のt番目の変調シンボルに対応する信号として出力された信号S2(t)を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングする。
デマッピング部1021は、デマッピングで得られたビット尤度列のうち、第2のコンステレーションの実数部にもっとも寄与するビットに対応するビット尤度に対してb1(t)に応じた反転処理を施す。また、デマッピング部1021は、デマッピングで得られたビット尤度列のうち、第2のコンステレーションの虚数部にもっとも寄与するビットに対応するビット尤度に対してb2(t)に応じた反転処理を施す。
例えば、デマッピング部1021は、デマッピングで得られたビット尤度列のうち、第2のコンステレーションの実数部にもっとも寄与するビットに対応するビット尤度に対してb1(t)の排他的論理和を施す。また、デマッピング部1021は、デマッピングで得られたビット尤度列のうち、第2のコンステレーションの虚数部にもっとも寄与するビットに対応するビット尤度に対してb2(t)の排他的論理和を施す。
デマッピング部1021は、上記の反転処理を施した後のビット尤度列を第2のビット尤度列として出力する。
上記において、デマッピング部1021は、ビット尤度列を変換することにより、実質的に第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)を変換する。しかしながら、デマッピング部1021は、ビット尤度列を変換することなく、直接的に第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)を変換してもよい。つまり、デマッピング部1021は、第2のコンステレーションにおけるビット群と信号点との対応付けを変換してもよい。
また、デマッピング部1021によって行われる変換は、デマッピング部1021に含まれる変換部によって行われてもよい。
以上のようにして、受信装置1000は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
<変形重畳符号化で得られた信号の並列復号>
以下では、本実施の形態における変形重畳符号化で得られた信号を並列復号する受信方法について説明する。送信装置の構成は、図13に示した送信装置500、図14に示した送信装置600、または、図15に示した送信装置700と同じであるため説明を省略する。変形重畳符号化における並列復号では、受信装置は、受信信号に含まれる第1の階層の変調シンボル列の成分を除去せずに、第1の階層の変調シンボル列の成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第2の階層を復号する。
図19は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して並列復号し、多重された2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1100の構成の一例を示す。図19を参照しながら受信装置1100の構成および動作を説明する。
受信装置1100は、RF部1130、デマッピング部1110、デインタリーブ部1112、復号部1113、デインタリーブ部1122および復号部1123を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。デマッピング部1110、デインタリーブ部1112、復号部1113、デインタリーブ部1122および復号部1123は、全体として導出部とも表現され得る。RF部1130は、受信部とも表現され得る。RF部1130は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置1100は、送信装置500、600または700から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部1130に入力する。つまり、RF部1130は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部1130によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され得る。RF部1130は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部1110は、ベースバンドの受信信号をデマッピングし、第1のビット尤度列および第2のビット尤度列を生成する。デマッピング部1110は、例えば、変形重畳符号化を用いて第1の変調シンボルと第2の変調シンボルとが重畳された重畳変調シンボルの信号点の配置を示す変形重畳コンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
変形重畳コンステレーションは、第1のマッピング方式の第1のコンステレーション、第2のマッピング方式の第2のコンステレーション、第1の振幅係数a1および第1の振幅係数a2等に応じて決まる。
図20は、変形重畳符号化に対応する変形重畳コンステレーションの一例を示す。具体的には、図4に示されたQPSKのコンステレーションと、図5に示されたNu−256QAMのコンステレーションとが組み合わされている。
より具体的には、QPSKのコンステレーションの4つの信号点に従って、Nu−256QAMのコンステレーション(256個の信号点)が、複素平面上の4つの領域のそれぞれに配置されている。Nu−256QAMのコンステレーションに対応するこれらの4つの領域は、部分的に重なっていてもよい。そして、この変形重畳コンステレーションでは、第2の変調シンボル列の変換が反映されている。
例えば、QPSKのコンステレーションの4つの信号点のうち、実数部が正である信号点に対して、Nu−256QAMのコンステレーションが組み合わされる際に、Nu−256QAMのコンステレーションの実数部の極性が反転される。また、例えば、QPSKのコンステレーションの4つの信号点のうち、虚数部が正である信号点に対して、Nu−256QAMのコンステレーションが組み合わされる際に、Nu−256QAMのコンステレーションの虚数部の極性が反転される。
具体的には、図20に、第1の信号点、第2の信号点、第3の信号点、第4の信号点、第5の信号点および第6の信号点が示されている。Nu−256QAMのコンステレーションの実数部の極性が反転されない場合、第1の信号点と第3の信号点とは、第2のビット列について同じビット値に対応する。同様に、Nu−256QAMのコンステレーションの虚数部の極性が反転されない場合、第4の信号点と第6の信号点とは、第2のビット列について同じビット値に対応する。
Nu−256QAMのコンステレーションの実数部の極性が反転された場合、第1の信号点と第2の信号点とが、第2のビット列について同じビット値に対応する。また、Nu−256QAMのコンステレーションの虚数部の極性が反転された場合、第4の信号点と第5の信号点とが、第2のビット列について同じビット値に対応する。つまり、第2のビット列について同じビット値に対応する複数の信号点が、反転によって近付き、まとめられる。これにより、ノイズによってデマッピングに及ぼされる影響が抑制される。
デマッピング部1110は、図20に示されているような変形重畳コンステレーションに基づいてデマッピングを行う。すなわち、デマッピング部1110は、第2の階層の変調シンボル列が未知な状態で第1のビット尤度列を生成し、第1の階層の変調シンボル列が未知な状態で第2のビット尤度列を生成する。
なお、デマッピング部1110は、第1のビット尤度列の生成に、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションを用い、第2のビット尤度列の生成には、上述した変形重畳コンステレーションを用いてもよい。
デマッピング部1110は、第1のビット尤度列の生成に第1のコンステレーションを用いた場合、第1のビット尤度列の生成にも変形重畳コンステレーションを用いる場合と比較して、第1のビット尤度列の生成に考慮される信号点の数を減らすことができる。したがって、この場合、デマッピング部1110は、演算量を削減することができる。
また、例えば、デマッピング部1110は、受信信号をデマッピングすることにより第1のビット尤度列を生成する第1のデマッピング部と、受信信号をデマッピングすることにより第2のビット尤度列を生成する第2のデマッピング部とに対応する。デマッピング部1110は、受信信号をデマッピングすることにより第1のビット尤度列を生成する第1のデマッピング部と、受信信号をデマッピングすることにより第2のビット尤度列を生成する第2のデマッピング部とを備えていてもよい。
また、デマッピング部1110は、変形重畳コンステレーションではなく、重畳コンステレーションで生成された第2のビット尤度列を第1のビット尤度列に応じて変換してもよい。これにより、デマッピング部1110は、変形重畳コンステレーションで生成される第2のビット尤度列と同じ第2のビット尤度列を取得することができる。
また、デマッピング部1110は、変形重畳コンステレーションを用いずに、多重信号を変換することにより、変形重畳コンステレーションで生成される第2のビット尤度列と同じ第2のビット尤度列を取得してもよい。
デインタリーブ部1112は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部1113は、デインタリーブ部1112で並べ替えられた第1のビット尤度列に対して第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第1のデータ系列として出力する。
デインタリーブ部1122は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。復号部1123は、デインタリーブ部1122で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。
以上のようにして、受信装置1100は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
なお、送信装置500、600および700、並びに、受信装置800、900、1000および1100において、実施の形態1と同様に、並び替え(インタリーブおよびデインタリーブ)は省略されてもよい。すなわち、各インタリーブ部および各デインタリーブ部は、任意の構成要素であって、これらの装置に含まれていなくてもよい。
ただし、インタリーブとデインタリーブとは対を構成する。したがって、基本的には、送信装置500、600および700が各インタリーブ部を備える場合、受信装置800、900、1000および1100は、各デインタリーブ部および各インタリーブ部を備える。一方、送信装置500、600および700が各インタリーブ部を備えない場合、受信装置800、900、1000および1100は、各デインタリーブ部および各インタリーブ部を備えない。
また、受信装置800、900および1000において、第1の変調シンボルを生成するためのマッピングに振幅係数a1が反映されていてもよい。この場合、振幅係数a1の乗算処理が省略されてもよい。そして、受信装置800、900および1000は、それぞれ、乗算部817、917および1017を備えていなくてもよい。
また、第1のデータ系列および第2のデータ系列の誤り制御符号化は、外部の装置によって行われてもよい。この場合、送信装置500、600および700において、誤り制御符号化が省略されてもよい。そして、送信装置500、600および700は、符号化部511、521、611、621、711および721を備えなくてもよい。
図21は、送信装置500の動作例を示すフローチャートである。まず、マッピング部513は、第1のデータ系列の第1のビット列をマッピングすることにより第1のデータ系列の第1の変調シンボル列を生成する(S301)。そして、マッピング部523は、第2のデータ系列の第2のビット列をマッピングすることにより第2のデータ系列の第2の変調シンボル列を生成する(S302)。
変換部525は、第1の変調シンボル列に応じた変換を第2の変調シンボル列にもたらす(S303)。具体的には、変換部525は、第1のビット列に応じて、第2の変調シンボル列を変換することにより、第1の変調シンボル列に応じた変換を第2の変調シンボル列にもたらす。
次に、第1の乗算部514と第2の乗算部524と加算部530とで構成される重畳部は、第1の変調シンボル列と、第1の変調シンボル列に応じた変換がもたらされた第2の変調シンボル列とを所定の振幅比率で重畳することで多重信号を生成する(S304)。そして、RF部540は、生成された多重信号を送信する(S305)。
なお、上記の動作例において、送信装置500は、第1のビット列に応じて、第2の変調シンボル列を変換することにより、第1の変調シンボル列に応じた変換を第2の変調シンボル列にもたらす(S303)。これに代えて、送信装置600のように、第1の変調シンボル列に応じて、第2の変調シンボル列を変換することにより、第1の変調シンボル列に応じた変換が第2の変調シンボル列にもたらされてもよい。
あるいは、送信装置700のように、第1のビット列に応じて、第2の変調シンボル列を生成するための第2のビット列または第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)が変換されてもよい。そして、これにより、第1の変調シンボル列に応じた変換が第2の変調シンボル列にもたらされてもよい。この場合、第2の変調シンボル列の生成前に、第2のビット列または第2のマッピング方式が変換される。
すなわち、第1のビット列または第1の変調シンボル列に応じて、第2のビット列、第2のマッピング方式または第2の変調シンボル列を変換することにより、第1の変調シンボル列に応じた変換が第2の変調シンボル列にもたらされてもよい。
また、変換部525は、第1の変調シンボル列に応じた変換を第2の変調シンボル列にもたらすことにより、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性を制御してもよい。これにより、変換部525は、第1の変調シンボルの実数部が所定の実数部条件を満たす場合に第2の変調シンボルの実数部の極性を反転させ、第1の変調シンボルの虚数部が所定の条件を満たす場合に第2の変調シンボルの虚数部の極性を反転させてもよい。
所定の実数部条件は、実数部の極性が所定の実数部極性であるという条件でもよいし、実数部が所定の1以上の実数部範囲内であるという条件でもよい。所定の1以上の実数部範囲は、正の範囲でもよいし、負の範囲でもよい。同様に、所定の虚数部条件は、虚数部の極性が所定の虚数部極性であるという条件でもよいし、虚数部が所定の1以上の虚数部範囲内であるという条件でもよい。所定の1以上の虚数部範囲は、正の範囲でもよいし、負の範囲でもよい。
図22は、受信装置800、900、1000および1100の動作例を示すフローチャートである。まず、受信部は、多重信号を受信する(S401)。ここで、受信部は、受信装置800のRF部830、受信装置900のRF部930、受信装置1000のRF部1030、または、受信装置1100のRF部1130である。
多重信号は、第1の階層の第1のデータ系列と第2の階層の第2のデータ系列とを含む複数のデータ系列が多重された信号である。また、この多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳された信号である。
第1の変調シンボル列は、第1のデータ系列の第1のビット列をマッピングすることにより生成された変調シンボル列である。第2の変調シンボル列は、第2のデータ系列の第2のビット列をマッピングすることにより生成され、第1の変調シンボル列に応じた変換がもたらされた変調シンボル列である。
次に、導出部は、多重信号から第1のデータ系列と第2のデータ系列とのうち少なくとも一方を導出する(S402)。
例えば、受信装置800の導出部は、デマッピング部811、デインタリーブ部812、復号部813、符号化部814、インタリーブ部815、マッピング部816、乗算部817、遅延部818、減算部819、変換部820、デマッピング部821、デインタリーブ部822および復号部823で構成される。
また、例えば、受信装置900の導出部は、デマッピング部911、デインタリーブ部912、復号部913、符号化部914、インタリーブ部915、マッピング部916、乗算部917、遅延部918、減算部919、変換部920、デマッピング部921、デインタリーブ部922および復号部923で構成される。
また、例えば、受信装置1000の導出部は、デマッピング部1011、デインタリーブ部1012、復号部1013、符号化部1014、インタリーブ部1015、マッピング部1016、乗算部1017、遅延部1018、減算部1019、デマッピング部1021、デインタリーブ部1022および復号部1023で構成される。
また、例えば、受信装置1100の導出部は、デマッピング部1110、デインタリーブ部1112、復号部1113、デインタリーブ部1122および復号部1123で構成される。
上記の動作に従って、第1の変調シンボル列と、第1の変調シンボル列に応じた変換がもたらされた第2の変調シンボル列とが重畳された多重信号が受信される。そして、その多重信号から、多重信号から第1のデータ系列と第2のデータ系列とのうち少なくとも一方が導出される。すなわち、並列復号時の性能劣化が低減されるように重畳された多重信号を受信し、その多重信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を効率的に導出することが可能である。
図19に示した並列復号を行う受信装置1100では、図16、17および18に示した逐次復号を行う受信装置800、900および1000に比べて、第2の階層に対する復号性能が劣化する。
第1の階層の信号電力Ps1と第2の階層の信号電力Ps2との比がPs1:Ps2=2:1である場合の第2の階層の伝送容量のシミュレーション結果の一例を図23に示す。図23において、横軸は信号電力Ps対雑音電力Pn比(SNR)をdB(デシベル)で表し、縦軸は伝送容量を表す。図23において、実線は逐次復号を行う場合の第2の階層の伝送容量を示し、破線は並列復号を行う場合の第2の階層の伝送容量を示す。
図23に示すように、並列復号を行う場合は、逐次復号を行う場合と比較して、第2の階層の復号において、同じ伝送容量に対して必要なSNRが増加し、同じSNRに対して伝送容量が減少する。
以上のように、本実施の形態における並列復号を行う受信装置1100は、逐次復号を行う受信装置800、900および1000と比較して、第2の階層で伝送される第2のデータ系列に関する復号性能は劣化する。しかし、第2の階層の復号に必要な構成を減らすことが可能である。
具体的には、受信装置1100では、図16、17および18に示した逐次復号を行う受信装置800、900および1000と比較して、第1の階層の変調シンボル列を再生するための構成要素が不要となる。すなわち、符号化部814、914および1014、インタリーブ部815、915および1015、マッピング部816、916および1016、並びに、乗算部817、917および1017が不要となる。
また、受信信号を遅延させるための遅延部818、918および1018、並びに、受信信号から再生された第1の階層の変調シンボルの成分を除去する減算部819、919および1019が不要となる。
よって、回路規模を削減することが可能である。また、受信装置1100は、受信装置800、900および1000と比較して演算量を低減することができ、消費電力を削減することができる。
さらに、図16、17および18に示した逐次復号を行う受信装置800、900および1000は、受信信号の第1の階層を復調して第1のデータ系列を取得し、取得された第1のデータ系列から第1の変調シンボル列を生成する。そして、その後に、受信装置800、900および1000は、受信信号の第2の階層の復調を開始して第2のデータ系列を取得している。
一方、本実施の形態における並列復号を行う受信装置1100は、第1のデータ系列の取得と第2のデータ系列の取得とを同時に並行して実行することができるため、処理遅延を短縮することができる。
また、受信装置は、受信信号のSNRを観測し、SNRが高い場合には並列復号を行い、SNRが低い場合には逐次復号を行うように復号処理を切り替えてもよい。
その場合、例えば、図16に示す受信装置800が、SNRに応じて逐次復号と並列復号とを切り替える制御部を備える。制御部は、RF部830またはデマッピング部821に含まれていてもよい。さらに、デマッピング部821が、第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理に加え、図19のデマッピング部1110の動作として説明した、変形重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理の動作を行う構成を備える。
そして、デマッピング部821は、変換部820から出力された信号に対する第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理と、RF部830から出力された信号に対する変形重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理とを切り替える。例えば、デマッピング部821は、制御部からの制御信号に応じて、これらのデマッピング処理を切り替える。
なお、このような構成は、図11に示す受信装置400と、図16に示す受信装置800(変換部820およびデマッピング部821等)と、図19に示す受信装置1100(デマッピング部1110等)との組み合わせによっても得られる。
さらに別の構成として、例えば、図17に示す受信装置900が、SNRに応じて逐次復号と並列復号とを切り替える制御部を備える。制御部は、RF部930またはデマッピング部921に含まれていてもよい。さらに、デマッピング部921が、第1のビット列と第2のコンステレーションとに基づくデマッピング処理に加え、図19のデマッピング部1110の動作として説明した、変形重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理の動作を行う構成を備える。
そして、デマッピング部921は、変換部920から出力された信号に対する第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理と、RF部930から出力された信号に対する変形重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理とを切り替える。例えば、デマッピング部921は、制御部からの制御信号に応じて、これらのデマッピング処理を切り替える。
なお、このような構成は、図11に示す受信装置400と、図17に示す受信装置900(変換部920およびデマッピング部921等)と、図19に示す受信装置1100(デマッピング部1110等)との組み合わせによっても得られる。
さらに別の構成として、例えば、図18に示す受信装置1000が、SNRに応じて逐次復号と並列復号とを切り替える制御部を備える。制御部は、RF部1030またはデマッピング部1021に含まれていてもよい。さらに、デマッピング部1021が、第1のビット列と第2のコンステレーションとに基づくデマッピング処理に加え、図19のデマッピング部1110の動作として説明した、変形重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理の動作を行う構成を備える。
そして、デマッピング部1021は、減算部1019から出力された信号に対する第2のコンステレーションに基づくデマッピング処理と、RF部1030から出力された信号に対する変形重畳コンステレーションに基づくデマッピング処理とを切り替える。例えば、デマッピング部1021は、制御部からの制御信号に応じて、これらのデマッピング処理を切り替える。
なお、このような構成は、図11に示す受信装置400と、図18に示す受信装置1000(デマッピング部1021等)と、図19に示す受信装置1100(デマッピング部1110等)との組み合わせによっても得られる。
このように、SNRが高い場合、受信装置800、900および1000は並列復号を行うことによって、演算量を低減し消費電力を削減することができる。また、SNRが高い場合、受信装置800、900および1000は並列復号を行うことによって、処理遅延を短縮することができる。一方、SNRが低い場合、受信装置800、900および1000は逐次復号を行うことによって、第2のデータ系列を正しく復号できる可能性が高くなる。
図10に示した重畳符号化を用いた多重方式による伝送容量と、図23に示した変形重畳符号化を用いた多重方式による伝送容量を比較すると、次の事項が見出される。
すなわち、逐次復号(実線)による伝送容量の特性は、重畳符号化を用いた多重方式(図10)と変形重畳符号化を用いた多重方式(図23)とで同じである。一方、並列復号(破線)による伝送容量の特性は、重畳符号化を用いた多重方式(図10)よりも変形重畳符号化を用いた多重方式(図23)で改善されている。すなわち、変形重畳符号化を用いた多重方式は、逐次復号の場合と並列復号の場合とのいずれにおいても望ましい結果を提供する。
(実施の形態4)
<逐次復号における符号化の省略(スキップ)>
本実施の形態では、重畳符号化で得られた信号の逐次復号において、変調シンボルのレプリカを生成するための符号化をスキップする受信方法について説明する。ここで、符号化をスキップすることは、符号化を省略すること、すなわち、符号化を行わないことを意味する。送信装置の構成は、図1に示した送信装置100と同じであるため説明を省略する。
図24は、重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1200の構成の一例を示す。図24を参照しながら受信装置1200の構成および動作を説明する。
受信装置1200は、RF部1230、デマッピング部1211、デインタリーブ部1212、復号部1213、インタリーブ部1215、マッピング部1216、乗算部1217、遅延部1218、減算部1219、デマッピング部1221、デインタリーブ部1222および復号部1223を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。
デマッピング部1211、デインタリーブ部1212、復号部1213、インタリーブ部1215、マッピング部1216、乗算部1217、遅延部1218、減算部1219、デマッピング部1221、デインタリーブ部1222および復号部1223は、全体として導出部とも表現され得る。RF部1230は、受信部とも表現され得る。RF部1230は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置1200は、送信装置100から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部1230に入力する。つまり、RF部1230は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部1230によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが多重された重畳変調シンボル列を含む。RF部1230は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部1211は、ベースバンドの受信信号を第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第1のビット尤度列を生成する。その際、デマッピング部1211は、重畳変調シンボル列を含む受信信号のうち、第2のデータ系列の第2の変調シンボルに対応する成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
また、例えば、デマッピングのための第1のコンステレーションには、振幅係数a1が反映されている。また、第1のビット尤度列は、第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、誤りを訂正するための情報に対応する第1の誤り制御部分とを含む。例えば、第1の誤り制御部分は、パリティに対応する。
デインタリーブ部1212は、第1のビット尤度列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。
復号部1213は、デインタリーブ部1212で並べ替えられた第1のビット尤度列を用いて第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を行い、復号結果を第1のデータ系列として出力する。具体的には、復号部1213は、第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列を導出する。そして、復号部1213は、誤り訂正された第1のデータ部分を第1のデータ系列として出力する。
受信装置1200は、第1のデータ系列のみが取得対象である場合、第1のデータ系列の推定が完了した時点で処理を終了する。一方、第1のデータ系列に加えて第2のデータ系列が取得対象である場合、または、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置1200は、第2のデータ系列を取得するために以下の処理を実施する。
インタリーブ部1215は、復号部1213で導出された第1のビット列のビット順を第1の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、インタリーブとも呼ばれる。
マッピング部1216は、インタリーブ部1215で並べ替えられた第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。
マッピング方式として、BPSKおよびQPSK等のPSK変調、または、16QAMおよび64QAM等のQAM変調が用いられる場合、変調シンボルは、例えば実数が同相成分の大きさを示し、虚数が直交成分の大きさを示す複素数で表され得る。また、マッピング方式としてPAM変調が用いられる場合、変調シンボルは、実数で表され得る。
乗算部1217は、マッピング部1216が出力する第1の変調シンボル列に第1の振幅係数a1を乗算する。
遅延部1218は、RF部1230がベースバンドの受信信号を出力してから、再生された第1の変調シンボル列を乗算部1217が出力するまでの間、RF部1230から出力された受信信号を遅延させる。
減算部1219は、遅延部1218で遅延させられた受信信号から、乗算部1217で第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボル列を減算する。これにより、減算部1219は、第1の変調シンボルに対応する成分と第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された受信信号から、第1の変調シンボルに対応する成分を除去する。そして、減算部1219は、第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された信号を第2の変調シンボル列に対応する信号として出力する。
デマッピング部1221は、減算部1219が出力する信号を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第2のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第2のコンステレーションには、振幅係数a2が反映されている。また、第2のビット尤度列は、第2のデータ系列に対応する第2のデータ部分と、誤りを訂正するための情報に対応する第2の誤り制御部分とを含む。例えば、第2の誤り制御部分は、パリティに対応する。
デインタリーブ部1222は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。
復号部1223は、デインタリーブ部1222で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。具体的には、復号部1223は、第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第2のデータ部分と、誤り訂正された第2の誤り制御部分とを含む第2のビット列を導出する。そして、復号部1223は、誤り訂正された第2のデータ部分を第2のデータ系列として出力する。
以上のようにして、受信装置1200は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
図2に示された受信装置200と、図24に示された受信装置1200を比較するため、まず、図2に示された受信装置200の動作の具体例を説明する。
図25は、図1に示された送信装置100、および、図2に示された受信装置200の動作の具体例を示す概念図である。特に、図25は、送信装置100によって第1のデータ系列が符号化されてから、受信装置200によって第1のデータ系列の第1の変調シンボルのレプリカが生成され、キャンセルが行われるまでの動作を示している。
まず、送信装置100の符号化部111は、複数のビットを含む第1のデータ系列に対して第1の誤り制御符号化方式に基づく誤り制御符号化を行うことにより、第1のビット列を生成する。
第1のビット列は、第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、誤りを訂正するための情報に対応する第1の誤り制御部分とを含む。第1のデータ部分と第1の誤り制御部分とは、第1のビット列において明確に区分されていなくてもよい。第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、誤りを訂正するための情報に対応する第1の誤り制御部分が明確に区分されている誤り制御符号を組織符号(systematic code)といい、明確に区分されていない誤り制御符号を非組織符号(nonsystematic code)という。
例えば、符号化部111は、ジェネレータマトリックス(生成行列)を用いて第1のデータ系列に対して行列演算を行うことにより、第1のビット列を生成する。具体的には、符号化部111は、第1のデータ系列における所定数のビットとジェネレータマトリックスとの積を順次算出することによって、第1のビット列を生成する。
次に、送信装置100のインタリーブ部112は、第1の並び替え規則に基づいて、第1のビット列における複数のビットを並び替える。すなわち、インタリーブ部112は、第1のビット列における複数のビットをインタリーブする。
インタリーブ部112は、第1のデータ部分における複数のビットを並び替えてもよいし、第1の誤り制御部分における複数のビットを並び替えてもよい。また、インタリーブ部112は、第1のデータ部分のビットと第1の誤り制御部分のビットとを並び替えてもよい。これにより、第1のデータ部分と第1の誤り制御部分とが入り交ざってもよい。
その後、送信装置100において、マッピング部113は、インタリーブされた第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成する。乗算部114は、生成された第1の変調シンボル列に振幅係数を掛ける。加算部130は、乗算部114から出力される第1の変調シンボル列と、乗算部124から出力される第2の変調シンボル列とを重畳する。RF部140は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが重畳された多重信号を送信する。
そして、受信装置200において、RF部230は、多重信号を受信する。デマッピング部211は、多重信号をデマッピングすることにより、第1のデータ部分と第1の誤り制御部分とを含む第1のビット尤度列を生成する。第1のビット尤度列には、誤りが含まれる場合がある。第1のデータ部分に誤りが含まれる場合もあるし、第1の誤り制御部分に誤りが含まれる場合もある。
受信装置200のデインタリーブ部212は、第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて、生成された第1のビット尤度列における複数のビットを並び替える。すなわち、デインタリーブ部212は、第1のビット尤度列における複数のビットをデインタリーブする。デインタリーブ部212は、第1のデータ部分における複数のビットを並び替えてもよいし、第1の誤り制御部分における複数のビットを並び替えてもよいし、第1のデータ部分のビットと第1の誤り制御部分のビットとを並び替えてもよい。
次に、受信装置200の復号部213は、並び替えられた第1のビット尤度列に対して第1の誤り制御符号化方式に基づく誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第1のビット列を導出する。誤り訂正された第1のビット列は、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤りを訂正された第1の誤り制御部分とを含み、基本的に、送信装置100の符号化部111によって生成された第1のビット列と同じである。
例えば、復号部213は、チェックマトリックス(検査行列)を用いて第1のビット尤度列に対して行列演算を行うことにより、誤りを検出する。具体的には、復号部213は、第1のビット尤度列における所定数のビットとチェックマトリックスとの積を順次用いて、誤りを検出する。そして、復号部213は、検出された誤りを訂正することにより、誤り訂正された第1のビット列を導出する。復号部213は、チェックマトリックス(検査行列)を用い、第1のビット尤度列に対して確率伝搬(belief propagation)やメッセージ・パッシングなどのアルゴリズムを用いて復号処理を行ってもよい。
そして、復号部213は、誤り訂正された第1のビット列のうち誤り訂正された第1のデータ部分を含む第1のデータ系列を導出する。具体的には、復号部213は、誤り訂正された第1のビット列のうち誤り訂正された第1のデータ部分を第1のデータ系列として導出する。
次に、受信装置200の符号化部214は、導出された第1のデータ系列に対して第1の誤り制御符号化方式に基づく誤り制御符号化を行うことにより、第1のビット列を生成する。すなわち、受信装置200の符号化部214は、送信装置100の符号化部111と同じように、誤り制御符号化を行い、第1のビット列を生成する。受信装置200の符号化部214によって生成される第1のビット列は、基本的に、送信装置100の符号化部111によって生成された第1のビット列と同じである。
例えば、符号化部214は、ジェネレータマトリックスを用いて第1のデータ系列に対して行列演算を行うことにより、第1のビット列を生成する。具体的には、符号化部214は、第1のデータ系列における所定数のビットとジェネレータマトリックスとの積を順次算出することによって、第1のビット列を生成する。
次に、受信装置200のインタリーブ部215は、第1の並び替え規則に基づいて、第1のビット列における複数のビットを並び替える。すなわち、受信装置200のインタリーブ部215は、送信装置100のインタリーブ部112と同じように、第1のビット列における複数のビットをインタリーブする。受信装置200のインタリーブ部215によって出力される第1のビット列は、基本的に、送信装置100のインタリーブ部112によって出力された第1のビット列と同じである。
その後、受信装置200において、マッピング部216は、インタリーブされた第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成する。乗算部217は、生成された第1の変調シンボル列に振幅係数を掛ける。減算部219は、遅延部218から出力される多重信号から、乗算部217から出力される第1の変調シンボル列を減算することにより、多重信号から第1の変調シンボル列をキャンセルする。受信装置200は、第1の変調シンボル列がキャンセルされた多重信号から第2のデータ系列を導出することができる。
第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより生成される第1のビット列と、第1のデータ系列に対して誤り制御符号化を行うことにより生成される第1のビット列とは、基本的に同じである。したがって、受信装置1200は、第1のデータ系列に対する誤り制御符号化を行わない。
図26は、図1に示された送信装置100、および、図24に示された受信装置1200の動作の具体例を示す概念図である。特に、図26は、送信装置100によって第1のデータ系列が符号化されてから、受信装置1200によって第1のデータ系列の第1の変調シンボルのレプリカが生成され、キャンセルが行われるまでの動作を示している。
まず、送信装置100および受信装置1200は、第1のデータ系列に対する誤り制御符号化により第1のビット列が生成されてから、第1のビット尤度列に対する誤り制御復号により第1のビット列が生成されるまで、図25の例と同じように処理を行う。
そして、受信装置1200のインタリーブ部1215は、誤り訂正された第1のビット列における複数のビットを第1の並び替え規則に基づいて並び替える。すなわち、受信装置1200のインタリーブ部1215は、誤り訂正された第1のビット列における複数のビットを送信装置100のインタリーブ部112と同じようにインタリーブする。誤り訂正された第1のビット列は、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む。
つまり、受信装置1200のインタリーブ部1215は、第1のデータ系列に対して誤り制御符号化を行うことにより生成される第1のビット列ではなく、第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより生成される第1のビット列を並び替える。受信装置1200のインタリーブ部1215によって出力される第1のビット列は、基本的に、送信装置100のインタリーブ部112によって出力された第1のビット列と同じである。
その後、受信装置1200は、マッピングにより第1の変調シンボルが生成され、多重信号から第1の変調シンボル列が減算され、第1の変調シンボル列がキャンセルされた多重信号から第2のデータ系列が導出されるまで、図25の例と同じように処理を行う。
これにより、受信装置1200は、重畳符号化で得られた信号の逐次復号において、第1のデータ系列に対する誤り制御符号化をスキップして、第2のデータ系列を導出することができる。
なお、受信装置1200において、実施の形態1と同様に、並び替え(インタリーブおよびデインタリーブ)は省略されてもよい。すなわち、インタリーブ部1215およびデインタリーブ部1212、1222は、任意の構成要素であって、受信装置1200に含まれていなくてもよい。
また、受信装置1200において、第1の変調シンボルを生成するためのマッピングに振幅係数a1が反映されていてもよい。この場合、振幅係数a1の乗算処理が省略されてもよい。そして、受信装置1200は、乗算部1217を備えていなくてもよい。
また、誤り制御符号化において用いられるジェネレータマトリックス、および、誤り制御復号において用いられるチェックマトリックスは、一例である。ジェネレータマトリックスまたはチェックマトリックスを用いないその他の誤り制御符号化方式に従って、誤り制御符号化および誤り制御復号が行われてもよい。
また、基本的に、本実施の形態における第1のマッピング方式および第2のマッピング方式は、実施の形態1における第1のマッピング方式および第2のマッピング方式と同じである。すなわち、基本的に、本実施の形態における第1のコンステレーションおよび第2のコンステレーションは、実施の形態1における第1のコンステレーションおよび第2のコンステレーションと同じである。第2のマッピング方式には、均一コンステレーションが用いられてもよいし、非均一コンステレーションが用いられてもよい。
また、組織符号では、誤り制御復号によって、誤り訂正された第1のデータ部分が第1のデータ系列として導出される際に、誤り訂正された第1の誤り制御部分が導出される。したがって、特に、組織符号において、再符号化の省略が有効である。一方、非組織符号でも、誤り制御復号の過程において、誤り訂正された第1のデータ部分と誤り訂正された第1の誤り制御部分とを(明確に区分せずに)含む第1のビット列が導出されれば、再符号化の省略が可能である。
図27は、図24に示された受信装置1200の動作例を示すフローチャートである。まず、RF部1230は、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を受信する(S501)。
次に、デマッピング部1211は、受信された多重信号をデマッピングすることにより、第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、第1の誤り制御部分とを含む第1のビット尤度列を生成する(S502)。次に、デインタリーブ部1212は、生成された第1のビット尤度列をデインタリーブする(S503)。
次に、復号部1213は、デインタリーブされた第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列を導出する(S504)。そして、復号部1213は、誤り訂正された第1のデータ部分を含む第1のデータ系列を導出する(S505)。
次に、インタリーブ部1215は、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列をインタリーブする(S506)。次に、マッピング部1216は、インタリーブされた第1のビット列(誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列)をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成する(S507)。乗算部1217は、第1の変調シンボル列に振幅係数a1を乗算してもよい。
また、遅延部1218は、第1の変調シンボル列が生成されるまで、受信された多重信号を遅延させる(S508)。なお、受信された多重信号を遅延させる処理は、第1のビット尤度列の生成から第1の変調シンボル列の生成までの処理と並列に行われる。そして、減算部1219は、多重信号から第1の変調シンボル列を減算する(S509)。
次に、デマッピング部1221は、第1の変調シンボル列が減算された多重信号をデマッピングすることにより、第2のデータ系列に対応する第2のデータ部分と、第2の誤り制御部分とを含む第2のビット尤度列を生成する(S510)。デインタリーブ部1222は、生成された第2のビット尤度列をデインタリーブする(S511)。
次に、復号部1223は、デインタリーブされた第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第2のデータ部分を含む第2のデータ系列を導出する(S512)。
逐次復号における符号化のスキップは、並列復号と逐次復号との組み合わせ(図11)に対して適用されてもよい。また、逐次復号における符号化のスキップは、変形重畳符号化に対応する逐次復号(図16、17および18)に適用されてもよい。また、逐次復号における符号化のスキップと、並列復号と、変形重畳符号化に対応する逐次復号とが組み合わされてもよい。
図28は、並列復号と逐次復号とを選択的に行い、逐次復号において符号化をスキップする受信装置1300の構成の一例を示す。
受信装置1300は、RF部1330、デマッピング部1311、デインタリーブ部1312、復号部1313、インタリーブ部1315、マッピング部1316、乗算部1317、遅延部1318、減算部1319、デマッピング部1321、デインタリーブ部1322および復号部1323を備える。
図28に示す受信装置1300の複数の構成要素は、デマッピング部1321を除いて、図24に示す受信装置1200の複数の構成要素と基本的に同じである。図28に示す受信装置1300のデマッピング部1321は、図11に示す受信装置400のデマッピング部421と基本的に同じである。
例えば、デマッピング部1321は、多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たす場合、多重信号が前記第1の変調シンボル列を未確定の信号成分として含む状態で、多重信号をデマッピングすることにより、第2のビット尤度列を生成する。そして、デマッピング部1321は、多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たさない場合、第1の変調シンボル列が減算された多重信号をデマッピングすることにより、第2のビット尤度列を生成する。
上記のような構成により、受信装置1300は、並列復号に組み合わされた逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
図29は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1400の構成の一例を示す。
受信装置1400は、RF部1430、デマッピング部1411、デインタリーブ部1412、復号部1413、インタリーブ部1415、マッピング部1416、乗算部1417、遅延部1418、減算部1419、デマッピング部1421、デインタリーブ部1422および復号部1423を備える。
図29に示す受信装置1400の複数の構成要素は、RF部1430および変換部1420を除いて、図24に示す受信装置1200の複数の構成要素と基本的に同じである。図29に示す受信装置1400のRF部1430および変換部1420は、図16に示す受信装置800のRF部830および変換部820と基本的に同じである。
例えば、RF部1430が受信する多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳され、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が第1の変調シンボル列に応じて制御された信号である。変換部1420は、インタリーブされた第1のビット列に応じて、第2の変調シンボル列に対応する多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。
上記のような構成により、受信装置1400は、変形重畳符号化に対応する逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
なお、上記の構成例において、受信装置1400は、第1のビット列に応じて多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。これに代えて、受信装置900のように、第1の変調シンボル列に応じて多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換が第2のビット列にもたらされてもよい。
あるいは、受信装置1000のように、第1の変調シンボル列に応じて、第2のビット尤度列または第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)が変換されてもよい。そして、これにより、第1のビット列に応じた変換が第2のビット尤度列にもたらされてもよい。この場合、第2のビット尤度列の生成前に、第2のビット列または第2のマッピング方式が変換される。
すなわち、第1のビット列または第1の変調シンボル列に応じて、第2のビット尤度列、第2のマッピング方式または多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換が第2のビット尤度列にもたらされてもよい。
図30は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1500の構成の一例を示す。受信装置1500の構成は、受信装置1400の構成とは異なる。
受信装置1500は、RF部1530、デマッピング部1511、デインタリーブ部1512、復号部1513、インタリーブ部1515、マッピング部1516、乗算部1517、遅延部1518、減算部1519、デマッピング部1521、デインタリーブ部1522および復号部1523を備える。
図30に示す受信装置1500の複数の構成要素は、RF部1530および変換部1520を除いて、図24に示す受信装置1200の複数の構成要素と基本的に同じである。図30に示す受信装置1500のRF部1530および変換部1520は、図17に示す受信装置900のRF部930および変換部920と基本的に同じである。
例えば、RF部1530が受信する多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳され、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が第1の変調シンボル列に応じて制御された信号である。変換部1520は、生成された第1の変調シンボル列に応じて、第2の変調シンボル列に対応する多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。
上記のような構成により、受信装置1500は、変形重畳符号化に対応する逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
図31は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1600の構成の一例を示す。受信装置1600の構成は、受信装置1400および1500の構成とは異なる。
受信装置1600は、RF部1630、デマッピング部1611、デインタリーブ部1612、復号部1613、インタリーブ部1615、マッピング部1616、乗算部1617、遅延部1618、減算部1619、デマッピング部1621、デインタリーブ部1622および復号部1623を備える。
図31に示す受信装置1600の複数の構成要素は、RF部1630およびデマッピング部1621を除いて、図24に示す受信装置1200の複数の構成要素と基本的に同じである。図31に示す受信装置1600のRF部1630およびデマッピング部1621は、図18に示す受信装置1000のRF部1030およびデマッピング部1021と基本的に同じである。
例えば、RF部1630が受信する多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳され、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が第1の変調シンボル列に応じて制御された信号である。
デマッピング部1621は、インタリーブされた第1のビット列に応じて、第2のビット尤度列または第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。なお、デマッピング部1621における変換部が、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらしてもよい。
上記のような構成により、受信装置1600は、変形重畳符号化に対応する逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
本実施の形態では、多重信号から導出される第1のデータ系列に対して誤り制御符号化が行われることなく、減算用の第1の変調シンボル列が生成される。したがって、誤り制御符号化のための演算量および構成要素の削減が可能である。また、誤り制御復号において誤り訂正された第1のビット列を用いて第1の変調シンボル列が生成される。したがって、処理遅延の抑制が可能である。
(実施の形態5)
<逐次復号における符号化およびインタリーブの省略(スキップ)>
本実施の形態では、重畳符号化で得られた信号の逐次復号において、変調シンボルのレプリカを生成するための符号化およびインタリーブをスキップする受信方法について説明する。ここで、符号化およびインタリーブをスキップすることは、符号化およびインタリーブを省略すること、すなわち、符号化およびインタリーブを行わないことを意味する。送信装置の構成は、図1に示した送信装置100と同じであるため説明を省略する。
図32は、重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1700の構成の一例を示す。図32を参照しながら受信装置1700の構成および動作を説明する。
受信装置1700は、RF部1730、デマッピング部1711、復号部1713、デインタリーブ部1712、マッピング部1716、乗算部1717、遅延部1718、減算部1719、デマッピング部1721、デインタリーブ部1722および復号部1723を備える。各構成要素は、専用または汎用の回路でもよい。
デマッピング部1711、復号部1713、デインタリーブ部1712、マッピング部1716、乗算部1717、遅延部1718、減算部1719、デマッピング部1721、デインタリーブ部1722および復号部1723は、全体として導出部とも表現され得る。RF部1730は、受信部とも表現され得る。RF部1730は、アンテナを含んでいてもよい。
受信装置1700は、送信装置100から送信された多重信号をアンテナで受信してRF部1730に入力する。つまり、RF部1730は、アンテナを介して多重信号を受信する。RF部1730によって受信された多重信号は、受信信号とも表現され、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが多重された重畳変調シンボル列を含む。RF部1730は、無線周波数帯の受信信号からベースバンドの受信信号を生成する。
デマッピング部1711は、ベースバンドの受信信号を第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第1のビット尤度列を生成する。その際、デマッピング部1711は、重畳変調シンボル列を含む受信信号のうち、第2のデータ系列の第2の変調シンボルに対応する成分を未知な信号(ノイズ)として取扱い、第1のマッピング方式の第1のコンステレーションに基づいてデマッピングを行う。
また、例えば、デマッピングのための第1のコンステレーションには、振幅係数a1が反映されている。また、第1のビット尤度列は、第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、誤りを訂正するための情報に対応する第1の誤り制御部分とを含む。例えば、第1の誤り制御部分は、パリティに対応する。
復号部1713は、デマッピング部1711で生成された第1のビット尤度列を用いて第1の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を行う。具体的には、復号部1713は、第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第1のビット列を導出する。誤り訂正された第1のビット列は、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む。ここで、復号部1713は、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされたチェックマトリックスを用いて復号処理を行う。
そして、第1のデータ系列が取得対象である場合、復号部1713は、誤り訂正された第1のビット列をデインタリーブ部1712に出力する。第2のデータ系列が取得対象である場合、復号部1713は、誤り訂正された第1のビット列をマッピング部1716に出力する。第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方が取得対象である場合、誤り訂正された第1のビット列をデインタリーブ部1712およびマッピング部1716の両方に出力する。
復号部1713は、誤り訂正された第1のビット列をデインタリーブ部1712に出力する際、誤り訂正された第1のビット列のうち、誤り訂正された第1のデータ部分のみをデインタリーブ部1712に出力してもよい。
デインタリーブ部1712は、第1のデータ系列が取得対象である場合、誤り訂正された第1のビット列を第1の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。デインタリーブ部1712は、誤り訂正された第1のビット列のうち、誤り訂正された第1のデータ部分のみを並び替えてもよい。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。デインタリーブ部1712は、並び替えられた第1のデータ部分を第1のデータ系列として出力する。
なお、第1のデータ系列が取得対象でない場合、デインタリーブ部1712は、デインタリーブ(並び替え)を行わなくてもよく、第1のデータ系列を出力しなくてもよい。常に、第1のデータ系列が取得対象でなく、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置1700は、デインタリーブ部1712を備えていなくてもよい。
受信装置1700は、第1のデータ系列のみが取得対象である場合、第1のデータ系列の推定が完了した時点で処理を終了する。一方、第1のデータ系列に加えて第2のデータ系列が取得対象である場合、または、第2のデータ系列のみが取得対象である場合、受信装置1700は、第2のデータ系列を取得するために以下の処理を実施する。
マッピング部1716は、誤り訂正された第1のビット列に対して第1のマッピング方式に従ったマッピング処理を施し、複数の第1の変調シンボルで構成される第1の変調シンボル列を生成する。
マッピング方式として、BPSKおよびQPSK等のPSK変調、または、16QAMおよび64QAM等のQAM変調が用いられる場合、変調シンボルは、例えば実数が同相成分の大きさを示し、虚数が直交成分の大きさを示す複素数で表され得る。また、マッピング方式としてPAM変調が用いられる場合、変調シンボルは、実数で表され得る。
乗算部1717は、マッピング部1716が出力する第1の変調シンボル列に第1の振幅係数a1を乗算する。
遅延部1718は、RF部1730がベースバンドの受信信号を出力してから、再生された第1の変調シンボル列を乗算部1717が出力するまでの間、RF部1730から出力された受信信号を遅延させる。
減算部1719は、遅延部1718で遅延させられた受信信号から、乗算部1717で第1の振幅係数a1が乗算された第1の変調シンボル列を減算する。これにより、減算部1719は、第1の変調シンボルに対応する成分と第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された受信信号から、第1の変調シンボルに対応する成分を除去する。そして、減算部1719は、第2の変調シンボルに対応する成分とノイズとが重畳された信号を第2の変調シンボル列に対応する信号として出力する。
デマッピング部1721は、減算部1719が出力する信号を第2のマッピング方式の第2のコンステレーションに基づいてデマッピングし、第2のビット尤度列を生成する。例えば、デマッピングのための第2のコンステレーションには、振幅係数a2が反映されている。また、第2のビット尤度列は、第2のデータ系列に対応する第2のデータ部分と、誤りを訂正するための情報に対応する第2の誤り制御部分とを含む。例えば、第2の誤り制御部分は、パリティに対応する。
デインタリーブ部1722は、第2のビット尤度列を第2の並び替え規則と逆の並び替え規則に基づいて並べ替える。この並び替えは、デインタリーブとも呼ばれる。
復号部1723は、デインタリーブ部1722で並べ替えられた第2のビット尤度列に対して第2の誤り制御符号化方式に基づく復号処理を施し、復号結果を第2のデータ系列として出力する。具体的には、復号部1723は、第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第2のデータ部分と、誤り訂正された第2の誤り制御部分とを含む第2のビット列を導出する。そして、復号部1723は、誤り訂正された第2のデータ部分を第2のデータ系列として出力する。
以上のようにして、受信装置1700は、アンテナで受信した信号から第1のデータ系列および第2のデータ系列の両方またはいずれか一方を取得する。
図33は、図1に示された送信装置100、および、図32に示された受信装置1700の動作の具体例を示す概念図である。特に、図33は、送信装置100によって第1のデータ系列が符号化されてから、受信装置1700によって第1のデータ系列の第1の変調シンボルのレプリカが生成され、キャンセルが行われるまでの動作を示している。
まず、送信装置100および受信装置1700は、第1のデータ系列に対する誤り制御符号化により第1のビット列が生成されてから、デマッピングにより第1のビット尤度列が生成されるまで、図25および26の例と同じように処理を行う。
そして、受信装置1700の復号部1713は、デマッピングにより生成された第1のビット尤度列に対して誤り訂正復号を行うことにより、誤り訂正された第1のビット列を導出する。具体的には、復号部1713は、変形された第1の誤り制御符号化方式に基づいて、第1のビット尤度列に対して誤り訂正復号を行う。
受信装置1700の復号部1713によって導出される第1のビット列は、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤りを訂正された第1の誤り制御部分とを含む。また、受信装置1700の復号部1713によって導出される第1のビット列は、基本的に、送信装置100のインタリーブ部112によってインタリーブされた第1のビット列と同じである。
例えば、第1の誤り制御符号化方式に基づくチェックマトリックス(検査行列)が、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされる。つまり、送信装置100において第1のビット列を生成するためのジェネレータマトリックス(生成行列)に対応するチェックマトリックスが、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされる。具体的には、チェックマトリックスの複数の列が、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされる。
そして、復号部1713は、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされたチェックマトリックスを用いて第1のビット尤度列に対して行列演算を行うことにより、誤りを検出する。具体的には、復号部1713は、第1のビット尤度列における所定数のビットと、インタリーブされたチェックマトリックスとの積を順次用いて、誤りを検出する。そして、復号部1713は、検出された誤りを訂正することにより、誤り訂正された第1のビット列を導出する。復号部1713は、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされたチェックマトリックス(検査行列)を用い、第1のビット尤度列に対して確率伝搬(belief propagation)やメッセージ・パッシングなどのアルゴリズムを用いて復号処理を行ってもよい。
すなわち、受信装置1700は、第1の並び替え規則に基づいて第1のビット尤度列をインタリーブせずに、第1の並び替え規則に基づいてインタリーブされたチェックマトリックスを用いて第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行う。これにより、受信装置1700は、第1のビット尤度列をインタリーブせずに、送信装置100のインタリーブ部112によってインタリーブされた第1のビット列と基本的に同じ第1のビット列を導出することができる。
そして、受信装置1700のマッピング部1716は、受信装置1700でインタリーブを行わずに導出された第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成する。その後、受信装置1700は、多重信号から第1の変調シンボル列が減算され、第1の変調シンボル列がキャンセルされた多重信号から第2のデータ系列が導出されるまで、図25および26の例と同じように処理を行う。
これにより、受信装置1700は、重畳符号化で得られた信号の逐次復号において、誤り制御符号化およびインタリーブをスキップして、第2のデータ系列を導出することができる。
なお、受信装置1700において、第1の変調シンボルを生成するためのマッピングに振幅係数a1が反映されていてもよい。この場合、振幅係数a1の乗算処理が省略されてもよい。そして、受信装置1700は、乗算部1717を備えていなくてもよい。
また、復号部1723は、復号部1713と同様に、デインタリーブ部1722によってデインタリーブが行われる前に、インタリーブされたチェックマトリックスを用いて誤り制御復号を行ってもよい。デインタリーブ部1722は、誤り訂正された第2のビット列をデインタリーブすることにより、第2のデータ系列を導出してもよい。
また、誤り制御符号化において用いられるジェネレータマトリックス、および、誤り制御復号において用いられるチェックマトリックスは、一例である。ジェネレータマトリックスまたはチェックマトリックスを用いないその他の誤り制御符号化方式に従って、誤り制御符号化および誤り制御復号が行われてもよい。そして、第1のビット尤度列をデインタリーブせずに誤り制御復号を行うため、誤り制御符号化方式が部分的に変更されてもよい。例えば、誤り検出対象の複数のビットの組み合わせが変更されてもよい。
また、基本的に、本実施の形態における第1のマッピング方式および第2のマッピング方式は、実施の形態1における第1のマッピング方式および第2のマッピング方式と同じである。すなわち、基本的に、本実施の形態における第1のコンステレーションおよび第2のコンステレーションは、実施の形態1における第1のコンステレーションおよび第2のコンステレーションと同じである。第2のマッピング方式には、均一コンステレーションが用いられてもよいし、非均一コンステレーションが用いられてもよい。
図34は、図32に示された受信装置1700の動作例を示すフローチャートである。まず、RF部1730は、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された信号である多重信号を受信する(S601)。
次に、デマッピング部1711は、受信された多重信号をデマッピングすることにより、第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、第1の誤り制御部分とを含む第1のビット尤度列を生成する(S602)。次に、復号部1713は、生成された第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列を導出する(S603)。
次に、デインタリーブ部1712は、誤り訂正された第1のデータ部分をデインタリーブすることにより、第1のデータ系列を導出する(S604)。
次に、マッピング部1716は、誤り訂正された第1のデータ部分と、誤り訂正された第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成する(S605)。乗算部1717は、第1の変調シンボル列に振幅係数a1を乗算してもよい。
また、遅延部1718は、第1の変調シンボル列が生成されるまで、受信された多重信号を遅延させる(S606)。なお、受信された多重信号を遅延させる処理は、第1のビット尤度列の生成から第1の変調シンボル列の生成までの処理と並列に行われる。そして、減算部1719は、多重信号から第1の変調シンボル列を減算する(S607)。
次に、デマッピング部1721は、第1の変調シンボル列が減算された多重信号をデマッピングすることにより、第2のデータ系列に対応する第2のデータ部分と、第2の誤り制御部分とを含む第2のビット尤度列を生成する(S608)。デインタリーブ部1722は、生成された第2のビット尤度列をデインタリーブする(S609)。
次に、復号部1723は、デインタリーブされた第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された第2のデータ部分を含む第2のデータ系列を導出する(S610)。
逐次復号における符号化およびインタリーブのスキップは、並列復号と逐次復号との組み合わせ(図11)に対して適用されてもよい。また、逐次復号における符号化およびインタリーブのスキップは、変形重畳符号化に対応する逐次復号(図16、17および18)に適用されてもよい。また、逐次復号における符号化およびインタリーブのスキップと、並列復号と、変形重畳符号化に対応する逐次復号とが組み合わされてもよい。
図35は、並列復号と逐次復号とを選択的に行い、逐次復号において符号化をスキップする受信装置1800の構成の一例を示す。
受信装置1800は、RF部1830、デマッピング部1811、復号部1813、デインタリーブ部1812、マッピング部1816、乗算部1817、遅延部1818、減算部1819、デマッピング部1821、デインタリーブ部1822および復号部1823を備える。
図35に示す受信装置1800の複数の構成要素は、デマッピング部1821を除いて、図32に示す受信装置1700の複数の構成要素と基本的に同じである。図35に示す受信装置1800のデマッピング部1821は、図11に示す受信装置400のデマッピング部421と基本的に同じである。
例えば、デマッピング部1821は、多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たす場合、多重信号が前記第1の変調シンボル列を未確定の信号成分として含む状態で、多重信号をデマッピングすることにより、第2のビット尤度列を生成する。そして、デマッピング部1821は、多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たさない場合、第1の変調シンボル列が減算された多重信号をデマッピングすることにより、第2のビット尤度列を生成する。
上記のような構成により、受信装置1800は、並列復号に組み合わされた逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
図36は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置1900の構成の一例を示す。
受信装置1900は、RF部1930、デマッピング部1911、復号部1913、デインタリーブ部1912、マッピング部1916、乗算部1917、遅延部1918、減算部1919、デマッピング部1921、デインタリーブ部1922および復号部1923を備える。
図36に示す受信装置1900の複数の構成要素は、RF部1930および変換部1920を除いて、図32に示す受信装置1700の複数の構成要素と基本的に同じである。図36に示す受信装置1900のRF部1930および変換部1920は、図16に示す受信装置800のRF部830および変換部820と基本的に同じである。
例えば、RF部1930が受信する多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳され、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が第1の変調シンボル列に応じて制御された信号である。変換部1920は、誤り訂正された第1のビット列に応じて、第2の変調シンボル列に対応する多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。
上記のような構成により、受信装置1900は、変形重畳符号化に対応する逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
なお、上記の構成例において、受信装置1900は、第1のビット列に応じて多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。これに代えて、受信装置900のように、第1の変調シンボル列に応じて多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換が第2のビット列にもたらされてもよい。
あるいは、受信装置1000のように、第1の変調シンボル列に応じて、第2のビット尤度列または第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)が変換されてもよい。そして、これにより、第1のビット列に応じた変換が第2のビット尤度列にもたらされてもよい。この場合、第2のビット尤度列の生成前に、第2のビット列または第2のマッピング方式が変換される。
すなわち、第1のビット列または第1の変調シンボル列に応じて、第2のビット尤度列、第2のマッピング方式または多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換が第2のビット尤度列にもたらされてもよい。
図37は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置2000の構成の一例を示す。受信装置2000の構成は、受信装置1900の構成とは異なる。
受信装置2000は、RF部2030、デマッピング部2011、復号部2013、デインタリーブ部2012、マッピング部2016、乗算部2017、遅延部2018、減算部2019、デマッピング部2021、デインタリーブ部2022および復号部2023を備える。
図37に示す受信装置2000の複数の構成要素は、RF部2030および変換部2020を除いて、図32に示す受信装置1700の複数の構成要素と基本的に同じである。図37に示す受信装置2000のRF部2030および変換部2020は、図17に示す受信装置900のRF部930および変換部920と基本的に同じである。
例えば、RF部2030が受信する多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳され、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が第1の変調シンボル列に応じて制御された信号である。変換部2020は、生成された第1の変調シンボル列に応じて、第2の変調シンボル列に対応する多重信号を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。
上記のような構成により、受信装置2000は、変形重畳符号化に対応する逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
図38は、変形重畳符号化を用いて2つのデータ系列が2つの階層に多重された信号を受信して逐次復号し、再符号化を行わずに2つのデータ系列の両方またはいずれか一方を取得することが可能な受信装置2100の構成の一例を示す。受信装置2100の構成は、受信装置1900および2000の構成とは異なる。
受信装置2100は、RF部2130、デマッピング部2111、デインタリーブ部2112、復号部2113、マッピング部2116、乗算部2117、遅延部2118、減算部2119、デマッピング部2121、デインタリーブ部2122および復号部2123を備える。
図38に示す受信装置2100の複数の構成要素は、RF部2130およびデマッピング部2121を除いて、図32に示す受信装置1700の複数の構成要素と基本的に同じである。図38に示す受信装置2100のRF部2130およびデマッピング部2121は、図18に示す受信装置1000のRF部1030およびデマッピング部1021と基本的に同じである。
例えば、RF部2130が受信する多重信号は、第1の変調シンボル列と第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳され、第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が第1の変調シンボル列に応じて制御された信号である。
デマッピング部2121は、誤り訂正された第1のビット列に応じて、第2のビット尤度列または第2のマッピング方式(第2のコンステレーション)を変換することにより、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらす。なお、デマッピング部2121における変換部が、第1のビット列に応じた変換を第2のビット尤度列にもたらしてもよい。
上記のような構成により、受信装置2100は、変形重畳符号化に対応する逐次復号において発生する処理遅延を低減することができる。
本実施の形態では、多重信号から導出される第1のデータ系列に対して誤り制御符号化およびインタリーブが行われることなく、減算用の第1の変調シンボル列が生成される。したがって、誤り制御符号化およびインタリーブのための演算量および構成要素の削減が可能である。また、デインタリーブ前の誤り制御復号において誤り訂正された第1のビット列を用いて第1の変調シンボル列が生成される。したがって、処理遅延の抑制が可能である。
以上の通り、本開示の一態様における受信装置は、第1の階層の第1のデータ系列と第2の階層の第2のデータ系列とを含む複数のデータ系列が重畳符号化によって多重された信号である多重信号を受信する受信装置であって、前記多重信号を受信する受信部と、前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、第1の誤り制御部分とを含む第1のビット尤度列を生成する第1のデマッピング部と、前記第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された前記第1のデータ部分と、誤り訂正された前記第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列を導出する第1の復号部と、誤り訂正された前記第1のデータ部分と、誤り訂正された前記第1の誤り制御部分とを含む前記第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成するマッピング部と、前記受信部で受信された前記多重信号を遅延させる遅延部と、前記遅延部で遅延させられた前記多重信号から前記第1の変調シンボル列を減算する減算部と、前記第1の変調シンボル列が減算された前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第2のデータ系列に対応する第2のデータ部分と、第2の誤り制御部分とを含む第2のビット尤度列を生成する第2のデマッピング部と、前記第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された前記第2のデータ部分を含む前記第2のデータ系列を導出する第2の復号部とを備える。
これにより、受信装置は、受信装置で第1のデータ系列を符号化せずに第1のデータ系列の第1の変調シンボル列を生成し、生成された第1の変調シンボル列を用いて第2のデータ系列を取得することができる。したがって、処理遅延を抑制することができる。すなわち、受信装置は、重畳符号化を用いた多重方式に関して効率的な処理を行うことができる。
例えば、前記受信装置は、さらに、誤り訂正された前記第1のデータ部分をデインタリーブすることにより、誤り訂正されデインタリーブされた前記第1のデータ部分を含む前記第1のデータ系列を導出するデインタリーブ部を備えてもよい。
これにより、受信装置は、デインタリーブの前に、誤り制御復号を行うことができる。したがって、受信装置は、受信装置で第1の変調シンボル列を生成するための時間をさらに短縮することができ、処理遅延を抑制することができる。
また、例えば、前記受信装置は、さらに、前記多重信号をデマッピングすることにより生成された前記第1のビット尤度列をデインタリーブするデインタリーブ部を備え、前記第1の復号部は、デインタリーブされた前記第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、前記第1のビット列を導出し、前記受信装置は、さらに、導出された前記第1のビット列をインタリーブするインタリーブ部を備え、前記マッピング部は、インタリーブされた前記第1のビット列をマッピングすることにより、前記第1の変調シンボル列を生成してもよい。
これにより、受信装置は、デインタリーブの後に、誤り制御復号を行うことができる。したがって、受信装置は、誤り制御復号に適した順序に、ビット尤度列を並び替えてから、誤り制御復号を行うことができる。
また、例えば、前記第2のデマッピング部は、前記多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たす場合、前記多重信号が前記第1の変調シンボル列を未確定の信号成分として含む状態で、前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第2のビット尤度列を生成し、前記多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たさない場合、前記第1の変調シンボル列が減算された前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第2のビット尤度列を生成してもよい。
これにより、受信装置は、逐次復号と並列復号との組み合わせにおいて、逐次復号において発生する処理遅延を抑制することができる。
また、例えば、前記受信部が受信する前記多重信号は、前記第1のデータ系列の前記第1のビット列をマッピングすることにより生成される前記第1の変調シンボル列と、前記第2のデータ系列の第2のビット列をマッピングすることにより生成される第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳された信号であって、前記第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が前記第1の変調シンボル列に応じて制御された信号であってもよい。
これにより、受信装置は、第1の変調シンボルと、第1の変調シンボルに応じて極性が反転された第2の変調シンボルとが重畳された信号を多重信号として受信することができる。第2の変調シンボルの極性の反転によって、第2のデータ系列の同じビット群に対応付けられる複数の信号点が近づけられる。したがって、受信装置は、第2の変調シンボル列が適切に生成されるように調整された多重信号を受信することができ、効率的な処理を行うことができる。
また、本開示の一態様における受信方法は、第1の階層の第1のデータ系列と第2の階層の第2のデータ系列とを含む複数のデータ系列が重畳符号化によって多重された信号である多重信号を受信する受信方法であって、前記多重信号を受信し、前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第1のデータ系列に対応する第1のデータ部分と、第1の誤り制御部分とを含む第1のビット尤度列を生成し、前記第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された前記第1のデータ部分と、誤り訂正された前記第1の誤り制御部分とを含む第1のビット列を導出し、誤り訂正された前記第1のデータ部分と、誤り訂正された前記第1の誤り制御部分とを含む前記第1のビット列をマッピングすることにより、第1の変調シンボル列を生成し、受信された前記多重信号を遅延させ、遅延させられた前記多重信号から前記第1の変調シンボル列を減算し、前記第1の変調シンボル列が減算された前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第2のデータ系列に対応する第2のデータ部分と、第2の誤り制御部分とを含む第2のビット尤度列を生成し、前記第2のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、誤り訂正された前記第2のデータ部分を含む前記第2のデータ系列を導出する。
これにより、この受信方法を用いる受信装置等は、受信装置等で第1のデータ系列を符号化せずに第1のデータ系列の第1の変調シンボル列を生成し、生成された第1の変調シンボル列を用いて第2のデータ系列を取得することができる。したがって、この受信方法を用いる受信装置等は、処理遅延を抑制することができる。すなわち、この受信方法を用いる受信装置等は、重畳符号化を用いた多重方式に関して効率的な処理を行うことができる。
例えば、前記受信方法は、さらに、誤り訂正された前記第1のデータ部分をデインタリーブすることにより、誤り訂正されデインタリーブされた前記第1のデータ部分を含む前記第1のデータ系列を導出してもよい。
これにより、この受信方法を用いる受信装置等は、デインタリーブの前に、誤り制御復号を行うことができる。したがって、この受信方法を用いる受信装置等は、受信装置等で第1の変調シンボル列を生成するための時間をさらに短縮することができ、処理遅延を抑制することができる。
また、例えば、前記受信方法は、さらに、前記多重信号をデマッピングすることにより生成された前記第1のビット尤度列をデインタリーブし、前記第1のビット列の導出では、デインタリーブされた前記第1のビット尤度列に対して誤り制御復号を行うことにより、前記第1のビット列を導出し、前記受信方法は、さらに、導出された前記第1のビット列をインタリーブし、前記第1の変調シンボル列の生成では、インタリーブされた前記第1のビット列をマッピングすることにより、前記第1の変調シンボル列を生成してもよい。
これにより、この受信方法を用いる受信装置等は、デインタリーブの後に、誤り制御復号を行うことができる。したがって、この受信方法を用いる受信装置等は、誤り制御復号に適した順序に、ビット尤度列を並び替えてから、誤り制御復号を行うことができる。
また、例えば、前記第2のビット尤度列の生成では、前記多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たす場合、前記多重信号が前記第1の変調シンボル列を未確定の信号成分として含む状態で、前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第2のビット尤度列を生成し、前記多重信号の信号対雑音比が所定の基準を満たさない場合、前記第1の変調シンボル列が減算された前記多重信号をデマッピングすることにより、前記第2のビット尤度列を生成してもよい。
これにより、この受信方法を用いる受信装置等は、逐次復号と並列復号との組み合わせにおいて、逐次復号において発生する処理遅延を抑制することができる。
また、例えば、前記多重信号は、前記第1のデータ系列の前記第1のビット列をマッピングすることにより生成される前記第1の変調シンボル列と、前記第2のデータ系列の第2のビット列をマッピングすることにより生成される第2の変調シンボル列とが所定の振幅比率で重畳された信号であって、前記第2の変調シンボル列における各変調シンボルの実数部および虚数部の極性が前記第1の変調シンボル列に応じて制御された信号であってもよい。
これにより、この受信方法を用いる受信装置等は、第1の変調シンボルと、第1の変調シンボルに応じて極性が反転された第2の変調シンボルとが重畳された信号を多重信号として受信することができる。第2の変調シンボルの極性の反転によって、第2のデータ系列の同じビット群に対応付けられる複数の信号点が近づけられる。したがって、この受信方法を用いる受信装置等は、第2の変調シンボル列が適切に生成されるように調整された多重信号を受信することができ、効率的な処理を行うことができる。
なお、上述した各実施の形態の説明では、説明を簡単にするために2つのデータ系列を2つの階層に多重して伝送する場合を例に説明したが、3以上のデータ系列を多重して伝送する場合も実施の形態に倣って容易に拡張できることは明らかである。
また、図1および13〜15は、送信装置がアンテナを備えず、送信装置に接続された外部のアンテナから無線周波数帯の信号が送信される例を示している。しかし、送信装置がアンテナを備え、送信装置のアンテナから無線周波数帯の信号が送信されてもよい。
また、図2、7、16〜19、24、28〜32および35〜38では、受信装置がアンテナを備えず、受信装置に接続された外部のアンテナから無線周波数帯の信号が送信される例を示している。しかし、受信装置がアンテナを備え、受信装置のアンテナで無線周波数帯の信号が受信されてもよい。
また、無線周波数帯の信号の送信または受信に用いられるアンテナは、複数のアンテナで構成されるアンテナユニットであってもよい。
また、図1および13〜15には図示されていないが、送信装置は、加算部で生成された重畳信号を所定のフレーム構成に従って配置することでフレームを生成して、当該フレームをRF部へと出力するフレーム構成部を備えていてもよい。
ここで、フレーム構成部で生成されるフレームの構成は、固定であってもよいし、図示されていない制御部から送信される制御信号に応じて変更されてもよい。フレーム構成部は、第1のデータ系列と第2のデータ系列とが多重された重畳変調シンボル列を所定の規則に従ってフレームに配置する。
また、フレーム構成部で生成されるフレームは、データシンボル以外に、パイロットシンボル、制御情報シンボルおよびプリアンブル等を含んでいてもよい。なお、パイロットシンボル、制御情報シンボルおよびプリアンブルのそれぞれは、異なる名称で呼ばれる場合もある。
例えば、パイロットシンボルは、受信装置にとって既知のビット列をBPSKおよびQPSK等のPSK変調に基づくマッピング処理を行って生成されたシンボルでもよい。また、パイロットシンボルは、受信装置にとって既知の振幅および位相(または既知の複素値)を有するシンボルでもよい。また、パイロットシンボルは、送信装置によって送信された振幅および位相(または複素値)を受信装置が推定することができるシンボルでもよい。
そして、受信装置は、パイロットシンボルを用いて、受信した信号に対する周波数同期、時間同期およびチャネル推定等を行う。チャネル推定は、CSI(Channel State Information)の推定とも呼ばれる。
制御情報シンボルは、受信信号を復調して所望のデータ系列を取得するための情報として受信装置に通知すべき情報の伝送に用いられるシンボルである。
例えば、送信装置は、制御情報に対応する制御情報シンボルを送信する。制御情報は、各データ系列に用いられているマッピング(変調)方式、誤り制御符号化方式、誤り制御符号化方式の符号化率および符号長、並びに、当該データ系列の変調シンボルがフレームにおいて配置される位置等を示してもよい。受信装置は、制御情報シンボルを復調して、制御情報を取得する。そして、受信装置は、取得された制御情報に基づいて、データシンボルを復調し、データ系列を取得する。
また、制御情報は、アプリケーションの動作を制御する、上位レイヤーでの設定情報等を含んでいてもよい。
プリアンブルは、フレームの先頭に付加される信号である。受信装置は、プリアンブルを含む信号を受信し、プリアンブルに基づいて、例えば、フレームの検出、および、フレーム同期の処理等を行ってもよい。また、プリアンブルが、パイロットシンボルおよび制御情報シンボルを含んでいてもよい。また、フレームは、プリアンブルだけでなく、フレームの後端に付加される信号であるポストアンブルを含んでいてもよい。
符号化部は、誤り制御符号化方式として、例えばLDPC(Low Density Parity Check)符号またはターボ符号等を用いる。また、符号化部は、それ以外の符号化方式を用いてもよい。
図1および13〜15の送信装置は、インタリーブ部を備えているが、上述したように、送信装置はインタリーブ部を備えていなくてもよい。その場合、送信装置は、符号化部で生成されたビット列を直接マッピング部に入力してもよいし、インタリーブとは異なる処理を施してからマッピング部に入力してもよい。また、送信装置がインタリーブ部を備えない場合、図2、7、16〜19、24、28〜32および35〜38の受信装置は、デインタリーブ部を備えていなくてもよい。
また、図2、7、16〜19、24、28〜32および35〜38の受信装置のデインタリーブ部は、送信側で行われた並び替え規則とは逆の並び替え規則に基づく並び替えを行うが、このような並び替えとは異なる動作を行ってもよい。例えば、デインタリーブ部は、デマッピング部で生成されたビット尤度列の複数のビット尤度を、復号部で実施される復号処理において要求されるビット順で復号部に入力してもよい。
また、上記において、重畳符号化および変形重畳符号化が、無線伝送に適用されているが、無線伝送に限らず、有線伝送または光伝送等に適用されてもよく、記録媒体への記録に適用されてもよい。また、伝送に用いられる周波数帯は、無線周波数帯に限らず、ベースバンドであってもよい。
また、上記において、誤り訂正されたビット列等は、誤りが存在する場合に誤りが訂正されたビット列等を意味する。
また、本開示において使用されている「複数」は「2以上」と同義である。また、第1、第2および第3などの序数は、表現上、適宜、取り除かれてもよいし、付け替えられてもよいし、新たに付けられてもよい。
また、本開示における装置および方法等は、各実施の形態に限定されず、種々変更して実施され得る。例えば、各実施の形態では、本開示の技術が通信装置(送信装置または受信装置)として実現されているが、本開示の技術は、これに限られない。本開示の技術は、この通信装置によって行われる通信方法(送信方法または受信方法)を実行するためのソフトウェアとして実現されてもよい。
また、送信装置または受信装置における2以上の構成要素が1つの構成要素に統合されてもよいし、1つの構成要素が2以上の構成要素に分けられてもよい。また、送信装置と受信装置とが1つの送受信装置を構成してもよい。この場合、同種の複数の構成要素が、1つの構成要素に統合されてもよい。例えば、送信アンテナおよび受信アンテナは、1つのアンテナにより構成されていてもよい。
また、例えば、特定の構成要素が実行する処理を別の構成要素が実行してもよい。また、処理を実行する順番が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
また、例えば、上記通信方法を実行するためのプログラムが、予めROM(Read Only Memory)に格納され、そのプログラムがCPU(Central Processor Unit)によって実行されてもよい。
また、上記通信方法を実行するためのプログラムが、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。そして、記憶媒体に格納されたプログラムが、コンピュータのRAM(Random Access Memory)に記録され、コンピュータが、そのプログラムにしたがって通信方法を実行してもよい。
そして、上記の複数の実施の形態などにおける各構成要素は、典型的な集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。各構成要素は、個別に1チップ化されてもよいし、各実施の形態の全ての構成要素または一部の構成要素が1チップ化されてもよい。ここでは、LSIを例示しているが、このような集積回路は、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSIまたはウルトラLSIと呼称される場合もある。
集積回路化の手法は、LSIに限られない。各構成要素は、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。LSI製造後に、プログラミングが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいは、LSI内部の回路セルの接続または設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが利用されても良い。
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて各実施の形態で説明した装置またはその一部の構成の集積化が行われてもよい。例えば、バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
本開示は、複数のアンテナからそれぞれ異なる変調信号(多重信号)を送信する無線システムにも広く適用され得る。また、本開示は、複数の送信箇所を持つ有線通信システムにおけるMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送にも適用され得る。このような有線通信システムの例として、PLC(Power Line Communication)システム、光通信システム、および、DSL(Digital Subscriber Line:デジタル加入者線)システムがある。