JP2018105497A - アイソレーション付きプーリ - Google Patents

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【課題】耐久性を向上できるアイソレーション付きプーリを提供する。【解決手段】アイソレーション付きプーリPは、回転軸に取り付けられるボスおよび径方向部12を備えるハブ10と、ベルトが装着されるプーリ部21および径方向部12に対向するカバー部22を備えるプーリ本体20とを有する。径方向部12とカバー部22との間にはアイソレータゴム26が配置され、プーリ部21の他端部と径方向部12の外側との間には、カップリングゴム34が配置される。カップリングゴム34に取り付けられた係合リング33は、アイソレータゴム26の変形ストロークが一定値となると、突起35によりハブ10に係合し、アイソレータゴム26の過度の弾性変形がカップリングゴム34により防止される。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジン運転時の爆発行程に起因するトルク変動を絶縁しつつ、駆動側の回転軸の駆動力をベルトを介して従動側の回転軸に伝達するアイソレーション付きプーリに関する。
車両等に搭載される内燃機関、すなわち、エンジンにおいては、クランク軸の駆動力を、Vベルト等のベルトを介してジェネレータやコンプレッサ等の種々の補機類の主軸に伝達するために、プーリがクランク軸と補機類の主軸のそれぞれに取り付けられる。両方のプーリの外周部には無端ベルトが掛け渡され、回転軸であるクランク軸に装着されたプーリは駆動側になり、補機類の回転軸である主軸に装着されるプーリは従動側になる。
近年、燃費性能向上を目的に、信号などによる短時間の停車時にエンジンを停止させ、然る後にエンジンを再始動(ホットスタート)させるアイドリングストップ機能を有する車両が増えている。そのようなエンジンにおいては、発電機であるジェネレータ(オルタネータ)をモータとして兼用するものがあり、このようなシステムをISG(インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ)方式やBAS(ベルト・オルタネータ・スタータ)方式と称呼する場合がある。以下、本明細書においては、ISG方式に統一して称呼する。このISG方式のアイドリングストップ機構においては、エンジン再始動時にバッテリーからジェネレータに電力を印加して、ジェネレータをスタータ用モータとして機能させる。このスタータ用モータの駆動力は、ベルトを介してクランク軸に伝達され、エンジンが始動される。以下、モータとして機能可能なジェネレータをモータジェネレータと称呼する。この場合には、モータジェネレータの主軸は駆動側になり、エンジンのクランク軸は従動側になる。
さらに、エンジンの再始動(ホットスタート)のみに用いていたモータジェネレータを強化して、エンジンの駆動力をアシストするISG方式のハイブリッド車両がある。
このISG方式のハイブリッド車両においては、エンジンによりクランク軸を駆動するときは、エンジンにより駆動力が印加されたクランク軸を駆動側としてモータジェネレータが駆動され、モータジェネレータによりクランク軸を駆動するときは、バッテリーから電力が印加されたモータジェネレータを駆動側としてクランク軸が駆動される。モータジェネレータの主軸を駆動源として利用する場合、エンジントルクにモータジェネレータのトルクを上乗せしてクランク軸をアシストしたり、エンジンを始動させたりすることができる。
エンジンのクランク軸の駆動力を補機類に伝達するためにベルトを用いる場合には、クランク軸及び補機類の主軸には、プーリが装着される。このプーリは、特許文献1〜3に記載されように、クランク軸から補機類の主軸に駆動トルクを伝達すると同時に、エンジンが有する固有値の共振に起因する振動を低減させ、更に、気筒内爆発に起因するクランク軸のトルク変動を絶縁するダンパ機能を有するプーリが使用される。これらのプーリは、回転軸に装着されるハブと、ベルトが掛け渡されるプーリ部が設けられたプーリ本体とを備え、プーリ部の内側には環状質量体つまりイナーシャリングと、この環状質量体の内周面とハブの大径部との間には設けられた環状のダンパゴムと上記環状質量体からなるダイナミックダンパが配置され、このダイナミックダンパにより、エンジンが有する固有値の共振に起因する振動が低減される。さらに、これらのプーリは、ハブとプーリ本体との間にアイソレーションゴムが配置され、回転軸からプーリ本体にクランク軸の回転力を伝達する一方、アイソレーションゴムを有する弾性によりクランク軸のトルク変動は、絶縁される。つまり、アイソレーションゴムは、クランク軸の回転力はプーリ本体に伝達するが、これに重畳されるトルク変動(回転ムラ)は、アイソレーションゴムの弾性によって吸収され、プーリ本体には伝達されない。すなわち、絶縁される。
特開2006−17234号公報 特開2007−71263号公報 特開2008−57553号公報
特許文献1に記載されたプーリにおいては、プーリ部の軸方向両端部とハブとの間に、径方向に延びるゴム製のカップリング部が設けられている。特許文献2に記載されたプーリにおいては、ダンパゴムに加えて、プーリ部よりも小径の結合筒部とハブとの間にカップリングゴムが設けられている。これらのカップリング部やカップリングゴムは、円周方向の剪断変形によってハブに伝達された入力トルクを平滑化しながらプーリ部に伝達する。また、特許文献3に記載されたプーリにおいては、プーリ部に一体となった径方向のカバー部と、ハブの径方向部との間に軸方向に延びる筒状弾性体がアイソレータゴムとして取り付けられている。この筒状弾性体は、回転軸のトルク変動がプーリ部に伝達されないように回転変動を遮断する。
上述のようなプーリにおいては、ハブとプーリ部とのトルク差が大きいときには、ハブとプーリ本体は円周方向に大きく変位し、このときアイソレータゴムは円周方向に大きく変形する。このアイソレータゴムの剪断変形によりトルク変動を吸収する場合、過大なトルクが印加されたときには、アイソレータゴムが破断してプーリが脱落する恐れがある。そのため、通常使用の範囲では、ハブとプーリ本体との変位量が一定値以下になるようにアイソレータゴムのバネ定数を設定している。異常振動などにより、変位量が一定値を超え、アイソレータゴムに破壊が生じた場合でも短期的には動力伝達が途絶えないように係合機構が備えられている。係合機構としては、円周方向に延びる円弧状の長孔がプーリ本体に設けられ、この長孔に突出する突起がハブに設けられているものがある。
また、上述のとおり、通常使用範囲においては、突起がハブの長孔端面に当接しないように設計されるが、異常振動時においても、アイソレータゴムが破壊しないように、アイソレータゴムの変形限界前にハブに設けられた突起がプーリ本体の長孔に当接して、アイソレータゴムの破壊が防止されるように設計するものがある。
この場合、アイソレータゴムの変形ストローク、すなわち、ハブに設けられた突起がプーリ本体の長孔に当接するまでのストロークを大きく取れないため、多少大きな捩り振動が生じただけで突起と長孔の当接が生じ易くなる。この当接により、大きな衝撃音が発生して運転者に不安を抱かせるだけでなく、この当接が繰り返されると、当接部分から金属摩耗粉が発生する。発生した摩耗粉がプーリ内部の摺動部に入り込むと、摺動部が摩耗してプーリの寿命に影響を与え、プーリの耐久性を低下させる恐れがある。自動車用エンジンにおいては、クランク軸の回転数が、通常使用回転域に達する前に低次共振点を通過するような設計となっているので、エンジン始動時にこの共振点で比較的大きな捩れ振動が発生するため、このときに、上述の当接が発生する恐れがある。
特に、モータジェネレータによりクランク軸を始動するISG方式のアイドリングストップ機能を備える車両やISG方式のハイブリッドシステムの車両に上述のプーリを用いようとする場合、エンジン始動時毎に、モータジェネレータに接続されたプーリ側からクランク軸に接続されたハブに駆動力が伝達されるため、プーリのアイソレータゴムは、繰り返し円周方向最大変位まで変形することになるので、これらのシステムに使用されるプーリにおいては、使用状況により、定期的な交換が必要となり、耐久性の向上が強く望まれる。
一方、ハブに設けられた突起がプーリに設けられた長孔に衝撃的に当接することを防止するために、長孔の内壁面と突起との間にクッションゴムを配置することが考えられる。その場合、モータジェネレータ駆動時毎に生じる当接に耐える必要があるため、柔らかいクッションゴムを採用することができず、衝撃緩衝力が不足する。また、硬いクッションゴムは、突起の衝撃的当接により、ゴム摩耗粉が発生し易いため、このゴム摩耗粉が摺動部に入り込むと、プーリの耐久性を低下させる恐れがある。
本発明の目的は、耐久性を向上できるアイソレーション付きプーリを提供することにある。
本発明のアイソレーション付きプーリは、回転軸に取り付けられる取付部、および当該取付部に一体となって径方向外方に延出する径方向部を備えるハブと、ベルトが装着されるプーリ部、および当該プーリ部の軸方向一端部から径方向内方に延出して前記径方向部に対向するカバー部を備えるプーリ本体と、前記径方向部と前記カバー部との間に配置されるアイソレータゴムと、係合リングが取り付けられ、前記プーリ部の軸方向他端部と前記径方向部との間に配置される環状のカップリングゴムと、前記ハブまたは前記プーリ部と前記係合リングとに設けられ、前記係合リングと前記ハブまたは前記プーリ部とを係合可能とした係合機構と、を有し、前記係合機構は、前記プーリ本体に対する前記ハブの捩れ角度により、非係合状態と係合状態とを切り替え可能とした。
ハブとプーリ本体との間には、アイソレータゴムが配置され、ハブとプーリの間で駆動力が伝達されると同時に、ハブのトルク変動はアイソレータゴムにより絶縁され、プーリに伝達されない。ハブとプーリ本体とが円周方向に変位することにより、アイソレータゴムの変形ストロークが一定値以上となると、係合機構により係合リングを介してカップリングゴムが弾性変形する。すなわち、ハブとプーリ本体との円周方向変位が、一定値以下では、アイソレータゴムが単独で働き、一定値以上では、アイソレータゴムとカップリングゴムとが協働する。これにより、アイソレータゴムが過度に変形することが抑制されるので、アイソレーション付きプーリの耐久性を向上させることができる。そして、カップリングゴムが協働開始すると、アイソレータゴムの弾性変形に対して、カップリングゴムの弾性変形が徐々に重畳されるため、十分な衝撃緩衝力を有し、また、より強い駆動力を伝達することができる。
一実施の形態であるアイソレーション付きプーリの一方側面から見た斜視図である。 図1に示されたアイソレーション付きプーリの反対側面から見た斜視図である。 図1の縦断面図を示す斜視図である。 カップリング組立体を示す斜視図である。 ISG方式のアイドリングストップ機構を有する車両又はISG方式のハイブリッド車両に用いるアイソレーション付プーリにおいて、カップリングゴム組立体と突起の状態を説明する正面図である。 図5におけるA−A線断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。アイソレーション付きプーリPは、図1および図2に示されるように、ハブ10とプーリ本体20とを備え、ハブ10は回転軸に取り付けられる取付部としてのボス11と、ボス11に一体となってボス11から径方向外方に延出する径方向部12とを有している。プーリ本体20は、図示しないベルトが装着されるプーリ部21と、プーリ部21の軸方向一端部から径方向内方に延出して径方向部12に対向するカバー部22とを有している。
図3に示されるように、径方向部12の外周部には、プーリ部21に対向するリム部13が径方向部12と一体に設けられ、リム部13はカバー部22に向けて軸方向に延出している。リム部13の外側には環状のダンパゴム14を介して環状質量体15が装着される。ダンパゴム14は、加硫ゴム等により成形されており、リム部13の外周面と環状質量体15の内周面との間に圧入されてリム部13と同軸状に配置される。環状質量体15とプーリ部21との間には、樹脂製のジャーナルベアリング16が配置されている。ダンパゴム14と環状質量体15とにより、エンジンが有する固有値の共振に起因する捩り振動を低減するダンパが構成される。
径方向部12には、円筒部17がリム部13よりも径方内方に位置させて径方向部12と一体に設けられており、円筒部17はリム部13に同軸状となってリム部13に対向している。ハブ10の径方向部12にはアイソレータリング23が突き当てられる。アイソレータリング23は、径方向部12に突き当てられる径方向の突き当て部24と、円筒部17の外側に嵌合される軸方向の嵌合部25とを備えている。アイソレータリング23は、全体的に環状となっており、板金を用いてプレス加工により突き当て部24と嵌合部25とが一体となって成形される。径方向部12とカバー部22との間には、アイソレータリング23の突き当て部24を介して、アイソレータゴム26が配置される。アイソレータゴム26の軸方向一端部はカバー部22に加硫接着され、軸方向他端部はアイソレータリング23の突き当て部24に加硫接着される。
このように、カバー部22と径方向部12との間に配置されるアイソレータゴム26は、駆動軸のトルク変動に起因するハブ10とプーリ本体20との間の速度差により剪断変形し、駆動側の回転軸のトルク変動が従動側回転軸に伝達されることを遮断する。すなわち、従動側回転軸に対して、駆動側の回転軸のトルク変動が絶縁される。例えば、アイソレーション付きプーリPがエンジンのクランク軸に装着され、ベルトを介して補機類の主軸に伝達するために使用されるときには、エンジン起動時や低回転時におけるクランク軸のトルク変動によって発生するクランク軸の速度変動がアイソレータゴム26により絶縁される。
アイソレータゴム26に軸方向の圧縮力を加えるために、カバー部22にはプレッシャーリング27が押圧手段として突き当てられる。プレッシャーリング27は、カバー部22の外面に突き当てられる押圧部28と、嵌合部25に嵌合される嵌合部29とを備えている。プレッシャーリング27は、全体的に環状となっており、板金を用いてプレス加工により押圧部28と嵌合部29とが一体となって成形される。樹脂製のスラストベアリング18が押圧部28とカバー部22との間に配置され、プレッシャーリング27はスラストベアリング18を介してカバー部22に押し当てられる。
アイソレータリング23の嵌合部25は円筒部17の外側に圧入され、嵌合部25の外側にプレッシャーリング27の嵌合部29が同軸に嵌合される。円筒部17、嵌合部25、嵌合部29が相互に嵌合することによって、アイソレータゴム26は軸方向に予圧縮状態で保持される。
図3に示したアイソレーション付きプーリPにおいては、アイソレータリング23の嵌合部25の外側にプレッシャーリング27の嵌合部29が嵌合しているが、嵌合部29を円筒部17に嵌合し、嵌合部29の外側に嵌合部25を嵌合させる形態としても、アイソレータゴム26を予圧縮することができる。
図1および図3に示されるように、プーリ部21の他端部と径方向部12との間には、カップリングゴム組立体31が配置される。カップリングゴム組立体31は、図4〜図6に示されるように、プーリ部21の内周面に圧入固定される固定リング32と、固定リング32よりも小径の係合リング33とを有し、固定リング32と係合リング33の間にはカップリングゴム34が加硫接着される。カップリングゴム34は、固定リング32と係合リング33の間を径方向に延出しており、カップリングゴム34の外周部が固定リング32を介してプーリ部21の他端部に固定され、内周部に係合リング33が取り付けられている。なお、図6において、符号Oはカップリングゴム組立体31の中心軸であり、中心軸Oはハブ10の中心軸と同軸となる。
ハブ10の径方向部12には、カップリングゴム組立体31に向けて突出する突起35が設けられている。突起35は、図1に示されるように、円周方向に一定の間隔を隔てて径方向部12に3つ設けられている。それぞれの突起35は、係合リング33に設けられた円弧状の長孔36内に突出している。長孔36は、図1に示されるように、突起35に対応して係合リング33に3つ設けられている。突起35の数は、3つに限られることなく、任意の数とすることができる。
図1および図3に示されるように、カップリングゴム組立体31に面するハブ10の径方向部12のカップリングゴム組立体31に対向する面と、係合リング33の長孔36よりも外周側の面との間にはダストシール38が設けられており、環状質量体15とプーリ部21の間に異物が入り込むことが防止される。本実施例においては、ダストシール38を径方向部12と係合リング33の間に独立して設けたが、径方向部12に向けて延びるリップ状のダストシール部として、カップリングゴム34に一体に形成することとしてもよい。また、ダストシール38は、カップリングゴム組立体31と環状質量体15との間に設けることとしてもよい。
図5は、ISG方式のアイドリングストップ機構を有する車両又はISG方式のハイブリッド車両に用いるアイソレーション付プーリにおいて、ハブ10に設けられた突起35がカップリングゴム組立体31の係合リングに設けられた長孔36に入り込んだ状態で組み立てられた一例が示されている。図5に示すアイソレーション付プーリは、捩れ方向に負荷がかかっていないフリー状態である。図5に示されるように、突起35は長孔36の円周方向の移動ストロークの範囲内で係合リング33に対して相対的に変位自在であり、突起35の長孔36に対する相対移動は、突起35が長孔36の端面に当接することにより規制され、駆動力がカップリングゴム34にも伝達される。このように、突起35と長孔36とにより、係合リング33とハブ10とを係合可能として、アイソレータゴム26の弾性変形量を制限する係合機構が構成される。つまり、アイソレータゴム26の弾性変形量が一定値を超えると、カップリングゴム34は駆動側軸の回転力を受けて、アイソレータゴム26とともに弾性変形する。つまり、駆動力を受けるアイソレータゴム26とカップリングゴム34とからなる複合弾性体の見かけのバネ定数は、段階的に高くなる。
このように、係合機構はプーリ本体20に対するハブ10の捩れ角度により、突起35が係合リング33に係合する係合状態と、突起35と係合リング33とが係合しない非係合状態とに切り替え可能となっている。これにより、アイソレータゴム26に過度の負荷が加わることが防止されるので、耐久性を維持したまま、アイソレータゴム26は、トルク変動の絶縁に適する硬さ(バネ定数)のゴムを選択することができる。また、突起35と係合リング33とが係合状態になったとき、アイソレータゴム26とカップリングゴム34は協働するため、カップリングゴム34についても、十分な衝撃緩衝力を有する硬さ(バネ定数)のゴムを選択することができる。
例えば、アイソレーション付きプーリPがエンジンのクランク軸に装着され、ベルトを介して補機類の主軸にエンジンの駆動力を伝達するために使用されるときには、エンジン起動時や低回転時におけるクランク軸のトルク変動によって発生するクランク軸の速度変動が従動側の回転軸に伝達されることは、アイソレータゴム26により絶縁される。クランク軸のトルク変動が大きく、突起35が係合リング33に係合すると、アイソレータゴム26とカップリングゴム34とが協働して駆動力を受ける。
また、ISG方式のアイドリングストップ機能を有する車両において、モータジェネレータによりエンジンを始動するときには、重いクランク軸をベルトを介して駆動することになるが、本発明のアイソレーションプーリにおいては、アイソレータゴム26とカップリングゴム34とが協働して、駆動力をクランク軸に伝達することになる。上述のとおり、カップリングゴム34には、柔らかい(バネ定数の低い)ゴムを使用することができるため、係合機構の突起35と係合リング33は、衝撃的な当接にはならず、係合時の衝突音が発生しづらく、係合部の摩耗も抑えることができる。また、衝撃的当接を防止できるので、プーリとベルトとの間のスリップも抑制することができる。よって、不快音の発生が抑えられるとともに、係合部の摩耗、ベルトの摩耗が抑えられ、プーリ及びベルトの耐久性を向上させることができる。さらに、エンジン始動時の駆動力を2つのゴムで分担できるので、それぞれのゴムの荷重つまり駆動力の負担を小さくでき、特にアイソレータゴム26の耐久性を向上させることができる。
また、ISG方式のハイブリッド車両において、モータジェネレータによりエンジンをアシスト、場合によっては、モータジェネレータ単独で車両を駆動するときには、モータジェネレータの駆動力を補助的な弱い駆動力から非常に強い駆動力を連続的に且つ可変可能にクランク軸や車軸に伝達することになるが、本発明のアイソレーション付プーリにおいては、強い駆動力を印加する場合は、アイソレータゴム26とカップリングゴム34とが協働し、強い駆動力を2つのゴムで分担するこので、それぞれのゴムの負担を小さくできる。また、カップリングゴム34には、柔らかい(バネ定数の低い)ゴムを使用することができるため、非係合状態と係合状態の偏移をスムーズにおこなうことができる。よって、係合時の衝突音が発生しづらく、係合部の摩耗も抑えることができ、衝撃的当接を防止できるので、プーリとベルトとの間のスリップも抑制することができる。プーリ及びベルトの耐久性を向上させることができる。
図5を用いて、本実施例の作動状況を説明する。 このカップリングゴム組立体31は、アイソレーション付きプーリが無負荷状態のとき、つまり、ハブ10とプーリ本体20とに速度差がない状態のもとで、突起35と長孔36の一方の端面37eとの間の相対移動のストロークつまりクランク軸駆動側のスペースをS1とし、突起35と長孔36の他方の端面37eとの間の相対移動のストロークつまりモータ駆動側のスペースをS2とすると、モータジェネレータ駆動側のスペースS2はクランク軸駆動側のスペースS1よりも短く設定されている(S1>S2)。クランク軸駆動側のスペースS1は、クランク軸の正回転方向側スペースであり、モータジェネレータ駆動側のスペースS2は、スペースS1に対して逆方向つまり逆回転側スペースである。
ここで、方向Teは、上記カップリングゴム組立体31を組み込んだアイソレーションプーリPがクランク軸に装着され、図示しないモータジェネレータのプーリとプーリ本体20との間にベルトが掛け渡された状態において、エンジンの駆動力をクランク軸によりモータジェネレータに伝達するときのクランク軸の回転方向を示す。そして、方向Tmは、モータジェネレータの駆動力をクランク軸に伝達するときのプーリ本体20(固定リング32)の回転方向を示す。
エンジンにより駆動力が印加されてクランク軸が方向Teに回転するとき、ハブ10側からアイソレータゴム26を介してプーリ本体20(固定リング23)に方向Teaで示す方向に駆動力が伝達される。このとき、通常運転時においては、エンジンのトルク変動(回転ムラ)によりハブに設けられた突起35が揺れる(一例として、30°)が、その揺れは、スペースS1,S2内で収まるので、突起35と端面37e、37mとの係合は生じない。ただし、エンジン始動時の低次の過大振動などによりアイソレーションゴム26が破断したときは、ハブ10及び突起35が反時計回りに回転して端面37eと係合し、この係合によりプーリ本体20を方向Teaに回転させる。これにより、プーリ本体20にエンジンの駆動力が伝達されるので、ベルトを介してジュネレータの主軸に回転力が印加され発電が継続される。突起35と端面37eの係合は、柔らかいカップリングゴム34により受けることになるので、衝撃的な係合とはならず、ベルトのスリップなどは生じない。
モータジェネレータにより駆動力が印加されてベルトを介して、プーリ本体20(固定リング32)に方向Tmに回転するとき、係合リング33が反時計回りに回転し、この係合リング33に設けられた長孔36の端面37mとハブ10に設けられた突起35が係合し、非係合状態から突起35が端面37eに係合する係合状態に切り替えられる。モータジェネレータによる駆動力の伝達を速やかに行うため、突起35と端面37m間のスペースS2は、上述したエンジン始動時の低次振動及び通常運転時のトルク変動による突起35の揺れを阻害しない範囲で極力狭くすることが好ましい。これに対して、突起35と端面37eの間のスペースS1は、アイソレーションゴム26の破壊などの緊急時を除き、突起35と端面37eとが係合しないことが望ましいので、スペースS2に対して広い(S1>S2)。なお、スペースS1は、アイソレーションゴム26の破壊を防止するため、アイソレーショゴム26の破壊前に係合が生じることが、より好ましい。
突起35が長孔36の端面37e、37mに係合状態となるときには、突起35と係合リング33の速度差は小さくなっている。したがって、突起35が係合リング33に係合するときには、大きな係合音つまり当接音が発生することが防止される。しかも、突起35が係合リング33の端面37e、37mに係合しても、係合に起因した摩耗粉の発生は低減される。
係合機構を構成する突起35はハブ10の径方向部12に設けられ、長孔36は係合リング33に設けられているが、突起35を係合リング33に径方向部12に向けて突設し、突起35が入り込む長孔36を径方向部12に設ける形態としても良い。
また、上述したカップリングゴム組立体31においては、固定リング32は係合リング33よりも大径であり、固定リング32がプーリ部21の内周面に圧入される形態である。これに対し、固定リング32を係合リング33よりも小径とした形態においては、固定リング32はハブ10の径方向部に固定され、係合リング33はプーリ部21の内側にプーリ部21の内周面に対して隙間を介して配置される。この形態のアイソレーション付きプーリPにおいては、カップリングゴム34の内周部がハブ10の径方向部に固定され、外周部に係合リング33が取り付けられ、突起35がプーリ部21に設けられる。このように、係合機構を構成する突起35と長孔36は、ハブ10とプーリ部21とのいずれか一方に設けられる。
なお、本発明においては、アイソレーションゴム、カップリングゴムとしたが、素材として、ゴムに限定せず、例えば樹脂エラストマーを使用することもできる。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
10 ハブ
11 ボス
12 径方向部
13 リム部
14 ダンパゴム
15 環状質量体
20 プーリ本体
21 プーリ部
22 カバー部
26 アイソレータゴム
31 カップリングゴム組立体
32 固定リング
33 係合リング
34 カップリングゴム
35 突起
36 長孔
37e、37m 端面
38 ダストシール

Claims (6)

  1. 回転軸に取り付けられる取付部、および当該取付部に一体となって径方向外方に延出する径方向部を備えるハブと、
    ベルトが装着されるプーリ部、および当該プーリ部の軸方向一端部から径方向内方に延出して前記径方向部に対向するカバー部を備えるプーリ本体と、
    前記径方向部と前記カバー部との間に配置されるアイソレータゴムと、
    係合リングが取り付けられ、前記プーリ部の軸方向他端部と前記径方向部との間に配置される環状のカップリングゴムと、
    前記ハブまたは前記プーリ部と前記係合リングとに設けられ、前記係合リングと前記ハブまたは前記プーリ部とを係合可能とした係合機構と、
    を有し、
    前記係合機構は、前記プーリ本体に対する前記ハブの捩れ角度により、非係合状態と係合状態とを切り替え可能とした、アイソレーション付きプーリ。
  2. 請求項1記載のアイソレーション付きプーリにおいて、前記カップリングゴムは、当該カップリングゴムの外周部が前記プーリ部の他端部に固定され、当該カップリングゴムの内周部に前記係合リングが取り付けられる、アイソレーション付きプーリ。
  3. 請求項1記載のアイソレーション付きプーリにおいて、前記カップリングゴムは、当該カップリングゴムの内周部が前記ハブの径方向部に固定され、外周部に前記係合リングが取り付けられる、アイソレーション付きプーリ。
  4. 請求項2または3記載のアイソレーション付きプーリにおいて、前記係合機構は、前記係合リングに設けられた円弧状の長孔と、前記ハブの径方向部または前記プーリの他端部に設けられ前記長孔内に突出する突起とを備える、アイソレーション付きプーリ。
  5. 請求項4記載のアイソレーション付きプーリにおいて、当該アイソレーション付きプーリが無負荷状態のとき、前記係合リングの長孔における突起の位置は、クランク軸の正回転方向側スペースよりも前記クランク軸の逆回転側スペースの方が短い、アイソレーション付きプーリ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアイソレーション付きプーリにおいて、前記ハブに前記プーリ部に対向して設けられるリム部に、環状のダンパゴムを介して装着される環状質量体を備える、アイソレーション付きプーリ。
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