JP2018100325A - 複合材料及びこれを用いた摺動部材 - Google Patents

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Kazuo Horikirigawa
一男 堀切川
山口 健
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健 山口
圭 柴田
Kei Shibata
圭 柴田
桂 高橋
Katsura Takahashi
桂 高橋
川畑 雅彦
Masahiko Kawabata
雅彦 川畑
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Abstract

【課題】弾性材料と、特定の多孔性炭素材料とを含有する複合材料、及びこの複合材料を用いた摺動部材を提供する。【解決手段】複合材料は、ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれる弾性材料と、籾殻を原料とする多孔性炭素材料とを含有する。弾性材料と多孔性炭素材料との合計を100質量%とした場合に、多孔性炭素材料は10〜70質量%とすることができる。また、複合材料を23±3℃の水中に672時間浸漬したときの体積膨張率が10%以下であり、耐水膨潤性に優れる。この複合材料は摺動部材として用いることができ、特に、水が潤滑剤として用いられる用途において有用である。【選択図】図3

Description

本発明は、弾性材料と、特定の多孔性炭素材料とを含有し、ゴム弾性を有するとともに、十分な耐摩耗性及び耐水膨潤性を備える複合材料に関する。また、本発明は、この複合材料を用いて成形され、十分な耐摩耗性を有するとともに、水と接触したときの体積膨張率が小さく、寸法安定性に優れた摺動部材に関する。
金属製の摺動部材の摺動面には潤滑剤である油類が介在し、円滑な摺動がなされるとともに、部材の摩耗等が防止、乃至少なくとも抑制される。一方、セラミックス製の摺動部材では、摺動面に潤滑剤として水を介在させることで、円滑に摺動させることができるとともに、部材の摩耗等も防止乃至抑制することができる。また、潤滑油の廃棄に伴う環境汚染が問題となっている現在、水は環境面でも好ましい潤滑剤として、多くの機器において摺動部材として用いられることが期待されている。
一方、セラミックスは剛性が高く、例えば、建築用、産業用、発電用、車両用、食品加工用等の工業分野、電力分野、食品分野における部材として用いられる成形品とした場合、折損、欠損等を生じることが有り得る。そのため、ゴム、熱可塑性エラストマー等に配合し、ゴム弾性が付与された成形品の実用化が検討されている。例えば、稲作農業において発生する米糠の有効利用を図るため、米糠と熱硬化性樹脂とを混合し、焼成してなる、所謂、RBセラミックスを用いた弾性組成物及びそれを用いた成形品が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
更に、米糠と同様に稲作農業において発生する籾殻は、元々腐敗し難いことから、堆肥等として田畑に還元することは困難であり、籾殻の利用方法についても多くの研究がなされている。これまでの籾殻の利用方法としては、合成樹脂及びセメント等に混入して増量剤又は改質剤として利用する方法、及び活性炭製造の原料として利用する方法などが提示されている。また、籾殻を用いたセラミックスの製造方法も検討されており、籾殻と熱硬化性樹脂とを用いて、特定の成形工程を経た後、所定の温度範囲で焼成する多孔性炭素材料の製造方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2014−15577号公報 特開2006−16221号公報
引用文献1には、ゴム又は熱可塑性エラストマーにRBセラミックスを配合した弾性組成物及びそれを用いた成形品が記載されている。しかし、成形品の摩擦係数、比摩耗量等を十分に低下させるためには、ゴム又は熱可塑性エラストマーを100重量部とした場合に、200重量部以上のRBセラミックスを配合する必要がある。更に、RBセラミックスは吸水性が高く、例えば、水を潤滑剤とする摺動部材として用いたときに、水によって摺動部材が膨潤し、機能し難くなるという問題が生じる恐れがある。
また、引用文献2には、籾殻と熱硬化性樹脂とを原料とし、特定の工程で成形し、所定の温度範囲で焼成して多孔性炭素材料を製造する方法及びこの多孔性炭素材料を用いた摺動部品が記載されている。しかし、多孔性炭素材料の製造方法については詳述されているものの、多孔性炭素材料をゴム又は熱可塑性エラストマーと混合し、ゴム弾性を有する材料とすることは全く着眼されていない。
本発明は上述の状況に鑑みてなされたものであり、弾性材料であるゴム又は熱可塑性エラストマーと、籾殻を用いた特定の多孔性炭素材料とを含有し、ゴム弾性を有するとともに、十分な耐摩耗性及び耐水膨潤性を備える複合材料、及びこの複合材料を用いて成形され、十分な耐摩耗性を有するとともに、水と接触したときの体積膨張率が小さく、寸法安定性に優れた摺動部材を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
1.ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれる弾性材料と、籾殻を原料とする多孔性炭素材料とを含有することを特徴とする複合材料。
2.前記弾性材料と前記多孔性炭素材料との合計を100質量%とした場合に、前記多孔性炭素材料が10〜70質量%である前記1.に記載の複合材料。
3.23±3℃の水中に672時間浸漬したときの体積膨張率が10%以下である前記1.又は2.に記載の複合材料。
4.前記多孔性炭素材料が40質量%以上であり、前記体積膨張率が5%以下である前記2.又は3.に記載の複合材料。
5.水中で測定した動摩擦係数が0.25以下である前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の複合材料。
6.前記1.乃至5.のうちのいずれか1項に記載の複合材料を用いたことを特徴とする摺動部材。
7.水が潤滑剤として用いられる用途に使用される前記6.に記載の摺動部材。
本発明の複合材料は、特定の弾性材料と多孔性炭素材料とを含有しているため、ゴム弾性を有するとともに、水中での動摩擦係数が小さく、十分な耐摩耗性を備え、且つ水と接触したときの体積膨張率が小さく、寸法安定性に優れている。従って、建築用、産業用、発電用、車両用、食品加工用等の工業分野、電力分野、食品分野における部材、特に水と接触する部材として用いられる成形品として有用である。
また、弾性材料と多孔性炭素材料との合計を100質量%とした場合に、多孔性炭素材料が10〜70質量%である場合は、弾性材料に多孔性炭素材料を配合することによる作用効果が十分に奏される。
更に、23±3℃の水中に672時間浸漬したときの体積膨張率が10%以下である場合は、建築用、産業用、発電用、車両用、食品加工用等の工業分野、電力分野、食品分野において、特に水と接触する部材として用いたときに、成形品の変形、損壊等が防止、乃至少なくとも抑制される。
また、多孔性炭素材料が40質量%以上であり、体積膨張率が5%以下である場合は、水と接触する部材として用いたときに、成形品の変形、損壊等が、より十分に防止、乃至少なくとも抑制される。
更に、水中で測定した動摩擦係数が0.25以下である場合は、成形品が何らかの他の物品と接触したときに、成形品の摩耗、変形等が十分に抑えられる。
本発明の摺動部材は、本発明の複合部材を用いたものであるため、過度に剛直な部材となることがなく、且つ十分な耐摩耗性を備えているため、円滑な摺動が長期に亘って維持される。
また、水が潤滑剤として用いられる用途に使用される場合は、水と接触したときの体積膨張率が小さく、寸法安定性に優れているため、潤滑剤が水であっても、円滑な摺動が長期に亘って維持される。そのため、潤滑油の廃棄に伴う環境汚染の観点でも好ましい。
多孔性炭素材料の粒径が10μmであるときの、水に浸漬したときの浸漬時間と、体積変化率との相関を表すグラフである。 多孔性炭素材料の粒径が53μmであるときの、水に浸漬したときの浸漬時間と、体積変化率との相関を表すグラフである。 多孔性炭素材料の粒径が106μmであるときの、水に浸漬したときの浸漬時間と、体積変化率との相関を表すグラフである。
以下、本発明を図も参照しながら詳しく説明する。
[1]複合材料
本発明の複合材料は、ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれる弾性材料と、籾殻を原料とする多孔性炭素材料とを含有する。
弾性材料としては、少なくとも1種のゴム、又は少なくとも1種の熱可塑性エラストマーが用いられる。
(1)弾性材料
ゴムとしては、合成ゴム及び天然ゴムを用いることができる。合成ゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。これらのゴムは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ナイロン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(2)多孔性炭素材料
籾殻を原料とする多孔性炭素材料は、例えば、
(a)籾殻を粉砕処理する粉砕工程、
(b)粉砕した籾殻に熱硬化性樹脂の溶液又は分散液を付着させる付着工程、
(c)熱硬化性樹脂の溶液又は分散液が付着された籾殻を不活性ガス雰囲気において、700〜1500℃の温度域で加熱処理する焼成工程、を備える方法により製造することができる。
また、上記(a)粉砕工程では、籾殻に替えて籾殻の炭化物を用いることもできる。この場合、2次粉砕工程は省略することができる。
更に、上記(b)付着工程の後、粒子に付着した溶液又は分散液を風乾及び減圧乾燥等により蒸散させた後、上記(c)焼成工程に供することもできる。
また、上記(b)付着工程の後、加熱し、熱硬化性樹脂を硬化させた後、上記(c)焼成工程に供することもできる。
更に、上記(c)焼成工程で焼成した粗焼成粒子を粉砕処理する2次粉砕工程を備えることが好ましい。
また、多孔性炭素材料は、所定の気孔径及び気孔率を有する微粒子として製造される。粒径は、焼成された籾殻の2次粉砕工程で調整することができ、10〜500μm程度とすることができる。この粒径は、複合材料の耐摩耗性の観点では、10〜150μm、特に10〜100μm、更に10〜50μmと小さいことが好ましい。一方、複合材料の耐水膨潤性の観点では、10〜150μm、特に50〜150μm、更に100〜150μmと大きいことが好ましい。
(3)複合材料
本発明の複合材料は、前述のゴム又は熱可塑性エラストマーから選ばれる弾性材料と、上記(2)の多孔性炭素材料とを含有する。多孔性炭素材料の含有割合は、弾性材料と多孔性炭素材料との合計を100質量%とした場合に、10〜70質量%とすることができ、20〜70質量%、特に20〜60質量%、更に20〜50質量%であることが好ましい。
複合材料の動摩擦係数は、多孔性炭素材料の含有割合が大きくなるとともに小さくなるため、耐摩耗性の観点では、多孔性炭素材料がより多く含有されることが好ましいが、多孔性炭素材料が10質量%であっても、動摩擦係数は0.25未満であり、十分な耐摩耗性を有する複合材料とすることができる。また、多孔性炭素材料が20質量%以上であれば、動摩擦係数を0.20未満とすることができ、十分な耐摩耗性を有し、摺動部材としてより有用な複合材料とすることができる。
一方、複合材料は、多孔性炭素材料の含有割合が大きくなるとともに、耐水膨潤性が低下し、水と接触したときに、体積変化率(体積膨張率)が大きくなり、より大きく膨潤する傾向にある。従って、耐水膨潤性の観点では、多孔性炭素材料の含有量は少ないことが好ましいが、本発明で用いる多孔性炭素材料は籾殻を原料としているため、米糠を原料とする多孔性炭素材料を用いたときと比べて、優れた耐水膨潤性を有する複合材料とすることができる。
例えば、多孔性炭素材料の含有割合が70質量%であっても、23±3℃の水中に672時間浸漬したときの体積膨張率は10%以下である。更に、前述のように、多孔性炭素材料の粒径が大きいほど、複合材料の耐水膨潤性が向上するため、多孔性炭素材料の粒径が50μm以上、特に100μm以上であれば、多孔性炭素材料の含有割合が40質量%以上であっても、体積膨張率を5%以下とすることができる。このように、多孔性炭素材料の粒径と含有割合とを併せて勘案し、所望の耐水膨潤性を有する複合材料とすることができる。
[2]摺動部材
本発明の摺動部材は、本発明の複合材料を用いたものである。
この摺動部材は、帯状の複合材料を金型に供給し、加熱、加圧するプレス成形により、又は帯状の複合材料をスクリュー式押出機に供給し押出成形後、加熱、加圧する押出成形により製造することができる。複合材料については前記[1]複合材料における記載をそのまま適用することができる。また、加熱、加圧の条件は特に限定されず、複合材料に含有されるゴム又は熱可塑性エラストマーの種類と複合材料の組成によって適宜設定することができる。
更に、本発明の複合材料を用いた本発明の摺動部材は、優れた耐水性を有する。そのため、水が潤滑剤として用いられる用途に好適であり、水が潤滑剤であっても、寸法変化、形状変化を生じることがなく、乃至は少なくとも寸法変化、形状変化を生じ難く、円滑な摺動が維持される。また、潤滑油では、廃棄に伴う環境汚染が問題となるが、水が潤滑剤であれば環境の観点でも好ましい。
[3]本発明の複合材料に配合することができる各種の添加剤等
複合材料には、弾性材料と多孔性炭素材料の他、加硫剤、加硫助剤、架橋剤、無機充填剤、有機充填剤、難燃剤、軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤、加工助剤等の各種の添加剤を配合することができる。
加硫剤としては、硫黄、硫黄化合物、硫黄及び硫黄化合物を除く他の無機加硫剤、並びにポリアミン類、オキシム類、ニトロソ化合物及びトリアジン系等の有機加硫剤が挙げられる。これらの加硫剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。また、加硫時には加硫助剤を併用することもできる。加硫助剤としては、金属酸化物、アミン類、グアニジン類、チアゾール類、チオ尿素類等が挙げられる。これらの加硫助剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート等のモノパーオキシ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3等のジパーオキシ化合物などが挙げられる。これらの架橋剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
加硫剤及び加硫助剤は、ゴムを100質量部とした場合に、3〜25質量部とすることができ、5〜20質量部配合することが好ましい。更に、架橋剤は、弾性材料を100質量部とした場合に、3〜25質量部とすることができ、5〜20質量部配合することが好ましい。
無機充填剤としては、カーボン系、炭酸マグネシウム系、炭酸カルシウム系、珪酸マグネシウム系、珪酸アルミニウム系、酸化アルミニウム系、水酸化アルミニウム系、水酸化マグネシウム系、硫酸バリウム系、酸化珪素系、高強度無機繊維類等が挙げられる。
有機充填剤としては、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、ポリフェニレンエーテル類、ポリフェニレンサルファイド類、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン類、高強度有機繊維類等が挙げられる。
充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤のいずれを用いてもよく、無機充填剤と有機充填剤とを併用することもできる。また、充填剤は、弾性材料を100質量部とした場合に、10〜200質量部とすることができ、20〜100質量部配合することが好ましい。
難燃剤としては、硼素系化合物、アンチモン系化合物、モリブデン系化合物、ジルコニウム系化合物、スズ系化合物、グアニジン系化合物、金属水酸化物、リン系化合物、ハロゲン系化合物、窒素系化合物等が挙げられる。これらの難燃剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
難燃剤は、弾性材料を100質量部とした場合に、3〜25質量部とすることができ、5〜20質量部配合することが好ましい。
軟化剤、可塑剤、酸化防止剤、安定剤、着色剤及び加工助剤等の各種の添加剤としては、前述の各種のゴム及び熱可塑性エラストマーに一般に用いられるもの、例えば、パラフィン系の軟化剤などを特に限定されることなく、使用することができる。更に、これらの各種の添加剤は通常の配合量とすることができる。
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
[1]多孔性炭素材料の製造
籾殻を粉砕処理し、最大粒径が1000μmの粒子とした。その後、この粒子を、フェノール樹脂の溶液に浸漬し、撹拌しながら、粒子にフェノール樹脂を含浸させた。次いで、フェノール樹脂を含浸させた籾殻の粒子を窒素ガス雰囲気において900℃で焼成し、焼成粒子を粉砕処理し、粒径が10μm、53μm、106μmの粒径の異なる3種類の多孔性炭素材料(以下、「RHC」と略記する)を製造した。
[2]複合材料の製造
実施例1〜3
デュロメータタイプA硬さ60のエチレン−プロピレン−ジエンゴムに、上記[1]のようにして製造した多孔性炭素材料を、ゴムと多孔性炭素材料との合計を100質量%とした場合に、10質量%、20質量%、40質量%、60質量%配合し、これに更に所要量の無機充填剤、難燃剤、加硫剤、加硫促進剤及び加硫助剤、軟化剤又は可塑剤、及び加工助剤を添加し、混合して混和物とし、加圧式ニーダー及び混練ロールを用いて混練し、金型に供給し、加硫するのに十分な一定時間の加熱と加圧を加え複合材料を製造した。粒径が10μmのRHCを用いたときを実施例1、粒径が53μmのRHCを用いたときを実施例2、粒径が106μmのRHCを用いたときを実施例3とする。
比較例1〜3
RHCに替えてRBセラミックス(以下、「RBC」と略記する)を用いた他は、実施例と同様にして比較例1〜3の複合材料を製造した。粒径が10μmのRBCを用いたときを比較例1、粒径が53μmのRBCを用いたときを比較例2、粒径が106μmのRBCを用いたときを比較例3とする。
[3]複合材料の耐摩耗性及び耐水膨潤性の評価
複合材料の水中での動摩擦係数を、ボールオンプレート型摩擦試験機を用いて、材質がSUS304で直径8mmのボールを用い、滑り速度毎秒10mm、押し付け荷重500gf、滑り距離15mm、滑り回数2000回の条件で測定した。その結果、実施例1〜3及び比較例1〜3のいずれの場合も、RHC、RBCの配合量が10質量%と少ないときであっても0.25以下となり、RHCを用いた場合、RBCと同様に動摩擦係数が小さく、摺動部材等の成形品としたときに、優れた耐摩耗性が発現されることが裏付けられた。
また、実施例1〜3及び比較例1〜3の複合材料を用いて平板状の試験体を7枚成形し、23±3℃の水中に浸漬し、24時間、72時間、120時間、168時間、336時間、504時間及び672時間経過毎に水中から取り出した1枚の試験体の体積変化率(体積膨張率)を評価した。体積変化率(単位;%)は、所定時間経過後、水中から取り出した試験体の縦、横及び厚さの各寸法を乗じてなる体積を、浸漬前の体積により除した数値に基づいて算出した。
実施例1及び比較例1の結果を表1及び図1に、実施例2及び比較例2の結果を表2及び図2に、実施例3及び比較例3の結果を表3及び図3に、それぞれ記載する。
Figure 2018100325
Figure 2018100325
Figure 2018100325
表1〜3及び図1〜3によれば、多孔性炭素材料としてRHCを用いた実施例1〜3及び多孔性炭素材料としてRBCを用いた比較例1〜3のいずれの場合も、多少の変動はあるものの、多孔性炭素材料の粒径が大きくなるとともに、体積変化率が小さくなる傾向がある。また、同様に多少の変動はあるものの、多孔性炭素材料の含有量が多くなり、浸漬時間が長くなるとともに、体積変化率が大きくなる傾向がある。
しかし、実施例と比較例とを比べた場合、多孔性炭素材料の含有量が60質量%、浸漬時間が672時間、即ち、耐水膨潤性の観点では過酷な条件下での体積変化率は、実施例1では6.39%であるのに対し、比較例1では21.08%である。また、実施例2では2.52%であるのに対し、比較例2では18.82%である。更に、実施例3では0.53%であるのに対し、比較例3では17.95%である。このように、多孔性炭素材料としてRHCを用いたときの優れた耐水膨潤性が裏付けられている。
本発明は、稲作農業において発生する籾殻の有効利用の技術分野で利用することができる。特に弾性材料に混合し、優れた耐摩耗性と耐水膨潤性とを活用した水を潤滑剤として用いた摺動部材等の用途において有用である。

Claims (7)

  1. ゴム及び熱可塑性エラストマーから選ばれる弾性材料と、籾殻を原料とする多孔性炭素材料とを含有することを特徴とする複合材料。
  2. 前記弾性材料と前記多孔性炭素材料との合計を100質量%とした場合に、前記多孔性炭素材料が10〜70質量%である請求項1に記載の複合材料。
  3. 23±3℃の水中に672時間浸漬したときの体積膨張率が10%以下である請求項1又は2に記載の複合材料。
  4. 前記多孔性炭素材料が40質量%以上であり、前記体積膨張率が5%以下である請求項2又は3に記載の複合材料。
  5. 水中で測定した動摩擦係数が0.25以下である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の複合材料。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の複合材料を用いたことを特徴とする摺動部材。
  7. 水が潤滑剤として用いられる用途に使用される請求項6に記載の摺動部材。
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